第二世代のPillCam® COLONに関するヨーロッパ多

このプレスリリースはギブン・イメージング社
2011 年 5 月 11 日の発表を翻訳したものです
Press Release
【ギブン・イメージング社最新情報】
ギブン・イメージング社、第二世代の PillCam® COLON に関する
ヨーロッパ多施設共同試験で良好な結果が得られたことを発表
‐大腸内視鏡検査が不完全であった患者、ならびに炎症性腸疾患が疑われる患者および診断された
患者の管理に PillCam® COLON を使用することの臨床価値を強調する追加試験の結果が報告される‐
ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は本日 5 月 11 日、大腸ポリープの検出感度に
おいて、第二世代の PillCam® COLON 2 は第一世代の PillCam® COLON を上回ったことが、これまでで最大規模
のヨーロッパ多施設共同試験で確認されたと発表しました。さらに、この試験の著者らは(筆頭著者 Cristiano
Spada, MD)、PillCam® COLON が大腸の可視化に適切な診断ツールであると結論しています。この試験の報告
(abstract #671)は、今週始めにシカゴで開催された 2011 年米国消化器病週間(DDW: Digestive Disease Week)
の米国消化器内視鏡学会(ASGE)トピックフォーラム(9-3185)で発表されました。
「大腸カプセル内視鏡検査は、大腸癌スクリーニングのガイドラインに沿った検査方法で、鎮静剤の使用や送気の
必要がなく、痛みを伴わない非侵襲的な検査手技であるため、患者のコンプライアンスをより広く促進する優れた
診断ツールです。この試験の目的は、最新の PillCam® COLON カプセル内視鏡を大腸内視鏡と直接比較して、そ
の適用可能性、精度、安全性を確認することでした。喜ばしいことに、PillCam® COLON 2 は大腸病変の検出率が
旧製品と比べて高かったことが分かりました。これらの結果から、PillCam® COLON 2 は臨床的に意義のあるポ
リープ状病変の検出に適切なツールであると確信しております」と、イタリア・ローマのカトリック大学消化器内視鏡
ユニットの Dr. Cristiano Spada は述べています。
大腸腫瘍リスクが平均以上の患者コホートを対象に、6 mm 以上の大腸ポリープまたは腫瘤の検出率について、大
腸用カプセル内視鏡と従来の大腸内視鏡を比較した、プロスペクティブなヨーロッパ 8 施設共同試験が実施されま
した。カプセル内視鏡嚥下後 10 時間以内または翌日に大腸内視鏡検査をそれぞれ実施して、6 mm 以上または
10 mm 以上のポリープの検出に対する大腸用カプセル内視鏡の感度と特異度を比較しました。大腸用カプセル内
視鏡検査で陽性、大腸内視鏡検査で陰性の症例は「偽陽性」としてカウントしました。患者 117 例中 109 例のデー
タが分析されました。
各患者に対する大腸用カプセル内視鏡の感度は、84%(6 mm 以上のポリープ)と 88%(10 mm 以上のポリープ)、
特異度は、64%(6 mm 以上のポリープ)と 95%(10 mm 以上のポリープ)でした。さらに、大腸用カプセル内視鏡で
は、3 つあった全ての浸潤癌が検出されました。大腸用カプセル内視鏡の特異度が低かったのは、盲検解除後に
ポリープサイズの分類を誤ったケースが複数あったことと、用いた試験方法によるものであると試験の著者らは指
摘しています。これらの点を配慮すると、6 mm 以上のポリープに対する PillCam® COLON 2 の特異度は 92%に向
上します。また、これらの観察所見を踏まえ、この低い特異度の臨床的影響は重要性が低いと結論しています。
ギブン・イメージング社のホミ・シャミール社長兼最高経営責任者は次のように述べています。
「PillCam® COLON 2 が臨床的に意義のある大きさのポリープ検出に対して、感度が高いことがこの試験で確認さ
れて大変喜んでいます。事実、大腸内視鏡では検出できなかった 5 つのポリープを PillCam® COLON は検出しま
した。
1
大腸内視鏡検査を補完する診断ツールとしての PillCam® COLON 2 の総合的な臨床価値に関する知見を広めてく
ださった試験参加者の方々をはじめ、PillCam® COLON 2 を早期に採用していただいたヨーロッパの導入施設の先
生方に感謝を申し上げます。当社は優れた製品を持っていることを確信し、さらにヨーロッパで行われたこの試験
から得た知識を、まもなく開始されるアメリカの多施設共同ピボタル試験に組み込むことができると信じておりま
す。」
大腸内視鏡検査が不完全であった患者における PillCam® COLON の使用
大腸内視鏡検査が不完全であった患者の管理における大腸用カプセル内視鏡検査の効果について評価した 2 件
の臨床試験が発表されました。
 ポスター発表(abstractSa1580):「大腸内視鏡検査が不完全であった患者に対する医学的判断に及ぼす大腸
用カプセル内視鏡検査の影響」と題し、スペインのサンタ・クルス・デ・テネリフェにある Hospital HospitenRambla の消化器科の Onofre Alarcon-Fernandez, MD らは、大腸内視鏡検査が不完全であった患者の代替
スクリーニング検査として、患者 25 例を対象とした 7 ヵ月のプロスペクティブ試験で大腸用カプセル内視鏡検
査の価値を評価しました。大腸用カプセル内視鏡は、大腸内視鏡検査が不完全であった患者のほとんどにお
いて、大腸の検査と診断を行える安全で有効な手技であると著者らは結論しています。合併症もなく、被験者
の 96%がこの検査手技に満足したと報告しています。さらに、PillCam® COLON 大腸用カプセル内視鏡検査で
得られた新たな所見によって、患者 8 例(32%)に医療管理の変更が行われたと報告しています。

ポスター発表(abstract Tu1535):「大腸用カプセル内視鏡検査は、臨床診療において大腸内視鏡検査不完全
例 を 補 完 す る 」 と 題 し 、 ギ リ シ ャ ・ ピ レ ア ス の ピ レ ア ス "Tzaneion" 総 合 病 院 消 化 器 科 の Konstantinos
Triantafyllou, MD らは、大腸用カプセル内視鏡検査が大腸内視鏡検査不完全例を補完するかどうかを評価し
ました。研究者らは、大腸用カプセル内視鏡検査の完遂率、診断率の向上、さらなる大腸検査の必要性、患
者の受容率を検討しました。大腸内視鏡検査不完全例の大半が大腸用カプセル内視鏡検査を無事に完遂し、
患者の 44%で有意な所見が明らかにされたと結論しています。さらに、大腸内視鏡検査が不完全であった、ま
たは困難であった直後に大腸用カプセル内視鏡検査を実施することができ、患者の受容率も高く、耐忍性に
優れていると指摘しています。
炎症性腸疾患が疑われる患者および診断された患者の管理ツールとしての PillCam® COLON カプセル内視鏡
 ポスター発表(abstract Tu1201):「PillCam® COLON カプセル内視鏡は、炎症性腸疾患が疑われる患者およ
び診断された患者の管理に有効なツールである:イギリスの三次医療センターからの予備結果」と題し、イギ
リスの NHS 信託ノッティンガム大学病院消化器総合内科の Debabrata Majumdar, MD らは、炎症性腸疾患が
疑われる患者および診断された患者 29 例において、大腸用カプセル内視鏡検査は侵襲性がほとんどなく、
疾患活動性を評価して治療戦略の策定を導くことが多い有用な診断モダリティであると結論しています。
■大腸ポリープについて
大腸ポリープには一般的に 2 つのタイプがあります。ひとつは、癌へと進展する腺腫性ポリープ、もうひとつは、癌
への進展は稀な、通常 5 mm 以下の過形成性ポリープです 1。腺腫性ポリープの場合、悪性へと変化する確率は
ポリープのサイズと相関しています 2。ポリープが大きくなれば、癌へと進展する可能性が高まり、2 cm を超えてい
る場合はすでに癌化している可能性があります 3。
■大腸癌について
下部消化管である大腸(結腸)に発現する癌を大腸癌(結腸癌)と呼び、大腸の最下部 15 cm ほどの部位に発現
する癌を直腸癌と呼びます。これらを総称して大腸癌、または結腸直腸癌と呼びます。大腸癌(結腸直腸癌)は、結
腸または直腸の内側を覆っている細胞が異常を起こし制御不能となって増殖すると発現します。結腸直腸癌検査
に関する啓蒙が広く行われているにもかかわらず、その検査受診率は依然として低く、米国では受診すべき患者
の半数しか大腸内視鏡検査を受けていません 4。米国立癌研究所によると、米国では年間 147,000 人が大腸癌と
2
診断されています 5。また、ヨーロッパと日本においても大腸癌検査の受診率は低く、毎年 100 万人が大腸癌と診
断され、60 万人が大腸癌で死亡しています。
■Digestive Disease Week® (DDW、米国消化器病週間)について
DDW は、消化器病学、肝臓病学、内視鏡学、消化管外科学の各分野の医師、研究者、学者が一堂に集まる世界
最大の国際会議です。米国肝臓病学会(AASLD: American Association for the Study of Liver Diseases)、米国消
化器病学会(AGA: American Gastroenterological Association)、 米国消化器内視鏡学会(ASGE:American
Society for Gastrointestinal Endoscopy)、および米国消化器外科学会(SSAT:Society for Surgery of the
Alimentary Tract)が共同で主催されます。この会議では、消化管関連の研究、医薬品、技術における最新の進展
に関する約 5,000 件の抄録が発表され、数百件の講演が行われました。詳細については、www.ddw.org をご覧くだ
さい。
■PillCam® COLON 2 について
PillCam® COLON 2 カプセル内視鏡には、2 台の小型カラービデオカメラ(両側に 1
台ずつ)、バッテリー、LED 光源が装備され、サイズは 11mm×31mm です。患者が
PillCam® COLON 2 を嚥下すると、約 10 時間にわたって毎秒最高 35 枚の画像が
撮影され、患者に装着した記録装置に転送されます。この記録装置からコンピュー
タにデータが転送され、RAPID®ソフトウェアを使ってビデオ画像として編集され、医
師が PillCam®検査の結果を評価・報告することができます。
すべての医療処置にはリスクが伴います。PillCam®カプセル内視鏡には、カプセル
の滞留と誤嚥、皮膚刺激のリスクがあります。PillCam® COLON カプセル内視鏡は
検査のために患者に処方する薬剤、すなわち現在大腸用内視鏡検査に使用され
ている薬剤に伴うリスクや、カプセル内視鏡が予定外に高速に消化管を通過するな
どの追加的なリスクを伴います。また、臨床試験では確認し得なかった未知のリス
クを伴う可能性もあります。合併症が発生した場合は、医療的、内視鏡的、外科的
介入が必要になることがあります。
PillCam® COLON 2 カプセル
(2009 年 CE マーク取得)
ギブン・イメージング社について
ギブン・イメージング社は、2001 年にカプセル内視鏡という新たな分野を切り開いて以来、消化管診断ツールの世
界的リーダーとして、消化管の可視化、診断、モニタリングのための画期的な幅広い製品を医療従事者に提供して
います。ギブン・イメージング社は、小腸、食道、大腸(大腸用カプセル内視鏡 PillCam® COLON は米国では未認
可)を撮像する PillCam®カプセル内視鏡をはじめ、業界をリードする高解像度マノメトリの ManoScan™、ワイヤレス
の Bravo® pH システムの、Digitrapper® pH、各種インピーダンス製品など、広範な製品ポートフォリオを取り揃えて
います。ギブン・イメージング社は、消化管領域に画期的なイノベーションを起こし、消化管領域が抱える臨床ニー
ズを満たすことに取り組んでいます。ギブン・イメージング社の本社はイスラエルのヨクネアムにあり、米国、ドイツ、
フランス、日本、オーストラリア、ベトナム、香港に子会社があります。
詳細については、http://www.givenimaging.com をご覧ください。
日本法人 ギブン・イメージング株式会社について
ギブン・イメージング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:河上正三)は、世界で初めてカプセル内視鏡を
開発し、現在世界のカプセル内視鏡市場において豊富な経験を持つギブン・イメージング社(Given Imaging Ltd.
2001 年 NASDAQ 上場)の日本法人であり、日本におけるカプセル内視鏡の製造販売会社です。
http://www.givenimaging.co.jp
注)
日本では、PillCam® SB および PillCam® SB 2 カプセル内視鏡(小腸用)が承認されています。大腸用の
PillCam® COLON、および PillCam® COLON 2、食道用の PillCam® ESO 2 は承認されておりません。
3
1. http://www.mayoclinic.com/health/colon-polyps/DS00511/DSECTION=causes
2. http://emedicine.medscape.com/article/367452-overview
3. http://www.asge.org/PatientInfoIndex.aspx?id=396
4. http://www.cdc.gov/cancer/colorectal/statistics/screening_rates.htm
5. http://seer.cancer.gov/statfacts/html/colorect.html
4