大規模・不完全データマイニング技術協同研究委員会 設置趣意書 情報処理技術委員会 1.目的 ネットワーク関連技術の急速な発展や計測技術の高度化により,これらを通じて蓄積さ れるデータは膨大な量であるが,含まれる情報が不完全な場合も多い。このような大規模 データや不完全なデータに対して,利用者の目的に応じて有用なデータを抽出するデータ マイニング技術の重要性はますます増大している。また,大規模データの疎情報性を利用 した特徴抽出の効率化や,不完全データの情報補完機能においてデータマイニング手法を 発展強化することで,これまでデータマイニング適用が困難であった分野へ応用可能性を 広げることができる。このような状況から,新たに「大規模・不完全データマイニング技 術協同研究会」を設置し,現状の大規模・不完全データに対するデータマイニング技術に 関する調査,課題の探求,今後の展開について検討を行うこと,また委員相互の情報共有 をはかり,大規模・不完全データに対するデータマイニング技術の発展に寄与することを 目的とする。 2.背景および内外機関における研究活動 各種計測装置も組み込んだスマートフォン・タブレットなどの携帯情報端末を中心とし たネットワーク生活環境への移行により,専門家のみならず,一般社会生活においても膨 大・不完全なデータから,簡便に情報を取り出す手法の開発が強く望まれている。これを 踏まえて学会,産業界においても近年様々なデータマイニング技術の開発が活発に進めら れている。一方で大規模疎データ計算や不完全情報の補完技術についても活発に研究が進 められている。いずれも確率統計,最適化,大規模線形計算等幅広い数理基盤の上に成り 立つ技術であり,これらを融合した大規模・不完全データマイニング技術を確立するには, 上記の様々な分野の専門家の交流,情報交換の場が必要であると考えられる。このような 分野横断的な調査活動を行う内外機関はこれまでに見当たらない。このようなことから, 情報処理技術委員会のもとに,「大規模・不完全データマイニング技術協同研究委員会」 を設置する意義は大きいと考えられる。 3.協同研究事項 本協同研究委員会では以下の調査検討項目を主要課題とする。 (1)大規模データマイニング技術の最新動向の調査 最新の大規模データマイニング技術について調査を行い,系統分類,各技術の特徴,現 在の進展状況,適用範囲,限界等について検討する。 (2)不完全データマイニング技術の最新動向の調査 最新の不完全データマイニング技術について調査を行い,系統分類,各技術の特徴,現 在の進展状況,適用範囲,限界等について検討する。 (3)産業界の大規模・不完全データマインニング技術に対する取組状況に関する調査 (1),(2)に基づき,国内,国外における各産業界での大規模データや不完全データのマイ ニング技術への取り組みについて調査を行う。また,従来このような性質を持つデータ で,データマイニング技術が活用されていない分野についても適用可能性について検討 を行う。 (4)大規模・不完全データマイニング技術に関する今後の展望と課題 (1),(2),(3)の調査結果より大規模・不完全データマイニング技術に関する今後の展望,技 術的課題等をまとめる。 4.予想される成果 様々な分野で活用されている大規模・不完全データマイニング技術について関連研究者 の発表機会を部門大会において企画セッションとして設ける。この場において調査結果や 最新の研究成果を発表し,様々な分野の研究者間で情報共有を図る。これにより,今後の 当該分野の発展に寄与することを目指す。 5.協同研究期間 平成 25 年(2013 年) 7 月~平成 27 年(2015 年) 6 月(2 年間) 6.委員会の構成(職名別の五十音順に配列,予定) 職名 氏名 (所属) 会員・非会員区分 委員長 寺西大 (広島工業大学) 会員 幹事 伊藤征嗣 (広島工業大学) 会員 委員 大西正輝 (産業技術総合研究所) 会員 委員 小坂洋明 (奈良工業高等専門学校) 非会員 委員 中島智晴 (大阪府立大学) 非会員 委員 能島裕介 (大阪府立大学) 非会員 委員 前田裕 (関西大学) 会員 委員 松本慎平 (広島工業大学) 会員 委員 柳本豪一 (大阪府立大学) 会員 委員 横井健 (東京都立産業技術高等専門学校) 会員 委員 吉岡理文 (大阪府立大学) 会員 7.活動予定 委員会開催 4回程度/年 8.報告の形態 部門大会での企画セッションまたはシンポジュウムにて活動結果を報告する。 9.活動収支予算 会議費,通信費,資料代,雑費等は各委員所属組織にて負担するため,委員会の予算と しては設定しない。
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