経営戦略論 B 講師 金 玉仙 1.授業のねらい・概要 経営戦略には, 「全社的戦略」あるいは「企業戦略」と「事業部戦略」あるいは「競争戦略」があります。 これまでの経営戦略は,企業が競合他社に勝ち抜くため,競争優位を持って既存市場で顧客を獲得するた めに戦うものでした(レッドオーシャン戦略) 。 前期では,これらについて,具体的な事例(ケース)を取り上げながら講義してきました。 マイケル・ポーターによれば,企業はコストリーダーシップあるいは差別化のいずれか一方を追及する ことにより,競合他社に勝ち抜くことができます。その結果,血みどろのレッドオーシャンを展開するこ とになります。しかし,21 世紀になって,INSEAD のチャン・キムとレネ・モボルニュのブルーオーシ ャン戦略が登場しました。ブルーオーシャンとは,同業他社との競争を避けて,新しい需要を起こし新市 場を開拓して,競争を無意味にするものです。すなわち,同業他社から顧客を奪うのではなく,新しい顧 客層を創造するのです。 地球環境問題が深刻化しています。温暖化ガス排出防止と,二酸化炭素の排出量を規制する基準値を各 国が守る努力を進め,またこれを企業がビジネス・チャンスに生かすような戦略を展開しなくてはいけま せん。それに成功したいくつかの事例を取り上げます。 後期では,ブルーオーシャン戦略について具体的な事例(ケース)を取り上げながら講義していきます。 2.授業の進め方 講義はテキストを使いません。参考書を示しますが,講義に出席して自分で講義ノートを作ることを薦 めます。 3.授業計画 1.前期の「経営戦略論 A」のまとめ 2.新規事業の創造戦略 3.新規事業におけるミドルの役割 4.企業と地域社会 5.地域企業のネットワーク戦略 6.グローバル時代における地域企業の戦略 7.企業の戦略的合併・買収(M&A) 8.グローバル企業の生産・技術戦略(1) 9.グローバル企業の生産・技術戦略(2) 10.ブルーオーシャン戦略とは 11.バリューイノベーション(価値創造) 12.ブルーオーシャン戦略の成功例 13.経営戦略と環境ビジネス(1) 14.経営戦略と環境ビジネス(2) 15.投資決定の手法―リアルオプション 4.成績評価の方法・基準 期末テストの成績に,1 回の小テストの成績と出席状況などを加味して,総合評価します。 5.テキスト・参考文献 <参考書> 柴川林也・高柳暁編著『企業行動の国際比較』中央経済社,1997 年 藤本光夫・大西勝明編著『グローバル企業の経営戦略』ミネルヴァ書房,1999 年 W・チャン・キム+レネ・モボルニュ著,有賀裕子訳『ブルーオーシャン戦略』ランダムハウス講談社, 2006 年 6.受講上の留意事項 真面目に出席して講義は静粛に聴き,疑問点があれば遠慮なく質問して下さい。
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