Ⅳ CSR マネジメント Ⅳ CSR マネジメント 1. 日立金属グループの CSR 日立金属は、1956 年 10 月に日立製作所から分離独立して以来、「『最良の会社』を具現して社会に貢 献する」という「経営理念」のもとに、高い技術力をもって社会の課題解決に取り組んできました。 そして「事業活動において利潤を追求するだけでなく、さまざまなステークホルダーの要請に応え、社 会の発展に貢献する」というCSR経営は、日立金属の経営理念にある考え方にまさに符合するものです。 日立金属グループのCSRの原点は、分離独立以来掲げ、実践し続けてきた「経営理念」にあります。 日立金属グループは経営理念を原点として、本業を通じて社会に貢献することを基本方針として CSR 活動を推進しています。 (1) CSR を実践するための指針 日立金属グループでは、CSR を実践するための指針を以下のように体系付けています。 経営理念は、日立金属グループの全ての企 業活動を導くものであり、CSR 活動の原点で もあります。 「日立金属グループ企業行動指針」は、「経営 理念」を従業員に求められる行動原則に落と し込んだものです。社会に対し日立金属グ ループが成すべき方向性を宣誓するものであ り、企業倫理としても機能しています。「企業 行動指針」は、すなわち「CSR 活動指針」でも あります。 「日立金属グループ行動規範」は、CSR に関 するさらに詳細な規範を定めた会社規則で す。さまざまな社内基準や社内手続きのルー ルとともに、「行動規範」を確実に守ることで、 法令・規則を逸脱することを予防します。 法令・規則は、企業活動を行う上で遵守すべ き基本的かつ最低限のルールです。 日立金属グループでは、全ての役員および従業員が、日々の業務の中で法令・規則および「日立金属 グループ行動規範」を守り、「日立金属グループ企業行動指針」を実践していくことで、社会的責任を果 たし、経営理念を具現化していくことをめざしています。 16 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (2) 日立金属グループのステークホルダー 日立金属グループの事業は、多様なステークホルダー(利害関係者)のみなさまとの関わりによって成 り立っています。日立金属グループでは事業活動に特に関わりの深い主なステークホルダーを「お客 様」「調達取引先」「株主・投資家」「従業員」「社会・地域社会」ととらえ、これらのステークホルダーから の要請・期待に応え続けていくことで、CSR 活動を進化させていきます。 主なステークホルダーとステークホルダーに対する責任 (3) CSR を推進するための体制 日立金属では、CSR 推進部が本社の CSR 関連部門(環境保全、品質保証、調達、経営企画、お客様 満足(CS)等)や社内カンパニー、国内外グループ会社の CSR 担当部署と連携し、定期的な会議を開 催して方向性を共有しながらグローバルに推進しています。 また、日立金属グループでは M&A 等により事業領域がグローバルに急拡大しており、経営の基盤と なる CSR/コンプライアンスの徹底が一層重要となっています。これを受けて 2015 年 1 月に各社内 カンパニーにコンプライアンス推進部を設置し、各カンパニーが従来以上に自律的に CSR/コンプライ アンスに取り組む体制を整えました。CCO(Chief Compliance Officer)を委員長、CSR 推進部が事務局、 本社の CSR 関連部門および社内カンパニーのコンプライアンス推進部長を委員とするコンプライアン ス・マネジメント委員会を四半期ごとに開催し、さまざまな CSR/コンプライアンス事項について全社方 針の確認や情報の共有を図るとともに、不適切事案再発防止策の策定・実施をし、CSR/コンプライ アンスの徹底が着実に実行される体制を構築しました。 17 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (4) CSR 活動の取組み実績と計画 ①ISO26000 に沿った経営品質の継続的向上 2014 年に日立グループでは、経営と CSR の融合をいっそう進めることを目的として、「日立グループ CSR 活動取り組み方針(2005 年策定)」を企業の社会的責任のグローバル・スタンダードである ISO26000 をベースとした新しいフレームワークへと改訂しました。これに従って日立金属も、国際社 会の期待を的確に認識しその責任を着実に果たすとともに、経営品質を継続的に向上させていくた め、CSR マネジメントの PDCA サイクルをいっそう強化していきます。 2014 年度は、新しいフレームワークに従って改めて自社の現状を確認し、重要課題の整理と取組み 方針・実施計画の設定をしました。CSR 統括部門である CSR 推進部が中心となり、CSR 関連各部門 とともに ISO26000 の中核 7 主題に沿った取組み状況の洗い出しを実施しました。これをもとに、特定 非営利活動法人 経済人コー円卓会議日本委員会のアドバイスも得て、日立金属グループの事業 特性を踏まえて重要な取組み課題(マテリアリティ)を検討した上で、中長期的な実施項目と主要評 価指標(KPI)、2015 年度までの計画を定めたロードマップを策定しました。 日立金属グループは 2015 年度以降、新しいフレームワークに基づき毎年、取組み実績を評価し、次 年度以降の目標・施策を設定する等ロードマップの形に再度落とし込み、実行するというサイクルを 繰り返していくことで、経営品質を継続的に高めていきます。 18 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント ②2014 年度の取組み実績と 2015 年度計画 ★★★ 目標達成 2014 年度の実施施策(計画) 1. 社会的責任の認識 ・外部有識者に当社 CSR 活動に 対するアドバイスや評価をい ただく( 従来から継続) ・マテリアリティ分析に向けた準備 2. 組織統治 ・コンプライアンス・マネジメント 委員会の立ち上げ ・日立グループの環境活動レベ ル評価システム「GREEN212015」※1 における評価向上 ・CSR 巡回研修を全事業拠点で 実施 ・環境教育を本社および各カン パニーで実施 ・日立グループの従業員満足度 調査である「Hitachi Insights」の 実施 2014 年度の実施施策(成果) ・法政大学人間環境学部長谷川教授に当社 CSR 活動に対するアドバイスや評価をいただ き、CSR 報告書に第三者意見として報告 ・関連するガイドライン類および事例等の調 査、現状精査の目的でISO26000に基づくCSR 活動の課題整理を実施 ・各カンパニーにコンプライアンス推進部を新 設。委員長CCO、事務局CSR 推進部、委員各 コンプライアンス推進部長、CSR 関連部門長 からなるコンプライアンス・マネジメント委員会 を立ち上げ ・ 環境活動レ ベ ル 評価シ ス テ ム 「GREEN21-2015」における評価向上(581GP) ・CSR 巡回研修を全事業所(235 事業所)で実施 ・環境 e-ラーニング実施(受講率 100%)、環境 監査員養成研修実施(1 回) ・日立グループの従業員満足度調査である 「Hitachi Insights」を間接部門全員を対象に実 施( 連結ベースで 6,585 人) 3. 人権 ・「日立金属グループ人権方針」 (2014 年 3 月策定)をグループ 会社に周知 ・「日立金属グループ人権方針」を国内外全グ ループ会社において規程化 ・日立金属グループ全体におけ る人権研修の計画的実施 ・日立金属グループ全体における人権研修の 計画的実施(合計2,572 人) 4. 労働慣行 ・管理専門職向けダイバーシ ティ研修を全国の主要拠点で 実施 ・ダイバーシティ・マネジメントを 評価項目として組み入れた管 理・専門職評価制度の構築 ・労働協約改訂に伴う育児関連 制度の充実 ・障がい者の法定雇用率 2.0%を 雇用 ・非定常作業の安全衛生管理に 焦点をあてた全員参加のリス クアセスメントを実施 ・日立グループの方針に沿った ミニマム安全基準の各事業拠 点への適用に向けた検討 ・管理専門職向けダイバーシティ研修を実施(6 回・4 拠点) ・2015 年度から実施する管理・専門職(全 1,800 人)を対象としたコンピテンシー評価(行動評 価)の項目にダイバーシティ・マネジメントを組 み入れる ・育児短縮勤務対象年齢 3 才→小学3 年生に延 長 ・育児短縮時間単位 0.5 時間→0.25 時間に細分 化 ・時間外勤務配慮対象年齢 小学校入学始期→ 小学3 年生に延長 ・積立年休使用項目に「不妊治療」を追加 ・育児休暇の半日単位での取得も可能とする ・障がい者の法定雇用率2.0%を達成 ・非定常作業の安全衛生管理に焦点をあてた 全員参加のリスクアセスメントを実施 死亡災害0 件 ・日立グループの方針に沿ったミニマム安全基 準の各事業拠点へ の適用に向けた検討を実施 ★★ 目標90%達成 ★ 目標未達 自己評価 2015 年度施策の計画 ★★★ ・外部有識者に当社CSR活動に対する アドバイスや評価をいただく(継続) ・マテリアリティ分析に向けた検討に着手 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ・コンプライアンス・マネジメント委員会 を四半期ごとに開催し、事業に関わる 社会面・環境面のリスクに関する事象 の分析、再発防止策の策定、情報共 有を実施 ・ 環 境活動 レ ベ ル 評価 シ ス テ ム 「GREEN21-2015」における評価向上 (目標レベル:544GP) ・CSR 巡回研修を全事業拠点で実施 (継続) ・環境教育を本社および各カンパニー で実施(継続) ・日立グループの従業員満足度調査で ある「Hitachi Insights」を継続して実施 ・「日立金属グループ人権方針」のグ ループ会社へのいっそうの浸透 ・日立グループ全体の方針に沿った人 権デュー・ディリジェンスの準備 ・日立金属グループ全体における人権 研修の計画的実施(継続) ・ダイバーシティ研修の実施(継続) ・評価項目にダイバーシティ・マネジ メントを組み入れた管理・専門職評価 制度の運用を開始 ・「くるみん」マーク等の認証取得への 取組み開始 ・女性機会均等を促進する制度見直し の実施 ・障がい者の法定雇用率を上回る 2.2% を目標とする ・非定常作業の安全衛生管理に焦点を あてたリスクアセスメント結果に基づ く対策の検討 ・毎年実施している安全教育に加え、 特に職長教育、危険有害業務従事者 への教育を重点的に実施 ・日立グループの方針に沿ったミニマ ム安全基準を各事業拠点へ順次適用 開始 19 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 2014 年度の実施施策(計画) 2014 年度の実施施策(成果) 4. 労働慣行 ・次代を担う人材の育成プランを 策定し、計画的な人事ローテー ションや研修プログラムを実施 ・海外グループ会社において、ナ ショナルスタッフの育成を進める ・日立金属グループ会社より選定した優先支援 会社の幹部候補を日本に招聘し、教育実施 ・各国のナショナルスタッフを対象に経営理念、 企業文化の浸透を促進するための研修実施 5. 環境 ・VOC 大気排出量の活動量原単 位の削減 (基準年度(2006 年度)対比14%) ・エネルギー使用量の活動量原 単位の削減 (基準年度(2005 年度)対比9%) ・廃棄物・有価物発生量の活動 量原単位の削減(基準年度 (2005 年度)対比16%) ・環境適合製品の売上高比率 (目標88%) ・対象製品の CO2 排出量抑制量 (目標130 万t) 6. 公正な事業慣行 ・コンプライアンス(独占禁止法) 特命監査の実施 ・当社CSR 関連方針※2 の調達取 引先への周知と各社 CSR 対応 状況把握のためのアンケート 調査を実施 ・企業倫理月間(10 月)の実施 (2009 年度から継続) ・情報セキュリティ教育実施 ・情報セキュリティ自己監査実施 ・個人所有パソコンの業務情報 点検削除 ・標的型攻撃メール対策 7. お客様のために(消費者課題) ・会社幹部が出席する落穂拾い 会議※3 を本体工場および主要 国内子会社で実施(10 回/年) ・連結子会社においてカンパ ニー主催ミニ落穂拾い会議の 拡大 ・新製品売上高比率の拡大およ び戦略新製品の開発 自己評価 2015 年度施策の計画 ★★★ ・2014 年度の実施内容の横展開の推 進(海外グループ会社も含め、次代を 担う人材を育成する) ・VOC大気排出量の活動量原単位の削減(基準 年度(2006 年度)対比18%) ★★★ ・VOC 大気排出量の活動量原単位の 削減(基準年度(2006 年度)対比22%) ・エネルギー使用量の活動量原単位の削減(基 準年度(2005 年度)対比14%) ★★★ ・廃棄物・有価物発生量の活動量原単位の削減 (基準年度(2005 年度)対比23%) ★★★ ・環境適合製品の売上高比率(98%) ・対象製品の CO2 排出量抑制量(133 万t) ・コンプライアンス特命監査(書類閲覧、営業担 当部長全員への聞き取り調査)を実施 ・当社調達額の 90%をカバーする国内サプライ ヤー439 社を対象に当社 CSR 関連方針の周 知と各社 CSR 対応状況調査を実施、回収 435 社(回収率99.1%) ・10 月の企業倫理月間に、倫理的行動と法令遵 守を徹底する各種施策を実施 ・情報セキュリティ教育をメールアドレス所持者 を対象に実施 ・情報セキュリティ自己監査による規則の遵守 状況のチェックを日立金属グループの対象事 業所にて実施 ・個人所有パソコンの業務情報点検削除をメー ルアドレス所持者を対象に実施 ・標的型攻撃メール模擬訓練をメールアドレス 所持者全員を対象に実施 ・会社幹部が出席する落穂拾い会議(10 回実施) ・カンパニー主催ミニ落穂拾い会議を、国内2拠 点、海外2 拠点で新規開催 ・新製品売上高比率の拡大および戦略新製品 の開発(新製品売上高比率27%) ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★★ ・エネルギー使用量の活動量原単位 の削減(基準年度(2005 年度)対比 10%) ・廃棄物・有価物発生量の活動量原単 位の削減(基準年度(2005 年度)対比 18%) ・環境適合製品の売上高比率(90%) ・対象製品のCO2排出量抑制量(150万t) ・コンプライアンス(独占禁止法)特命 監査の実施(継続) ・2014 年度の CSR 対応アンケート結果 の分析、および海外調達取引先への CSR アンケート実施 ・企業倫理月間(10 月)の実施(継続) ・贈収賄関連法令・規則遵守状況の監 査検討 ・情報セキュリティ教育実施(継続) ・情報セキュリティ自己監査実施(継続) ・個人所有パソコンの業務情報点検削 除実施(継続) ・標的型攻撃メール模擬訓練の実施 (継続) ・連結会社における落穂拾い会議の実 施(継続) ・カンパニー主催ミニ落穂拾い会議の国 内・海外事業拠点における拡大(継続) ・新製品売上高比率の拡大および戦略新製 品の開発(新製品売上高比率30%以上) ・技術メガトレンドをふまえた技術開発 の中期ロードマップの策定 20 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 2014 年度の実施施策(計画) 2014 年度の実施施策(成果) 8. コミュニティへの参画およびコミュニティの発展 ・事業所・工場が立地する地域を ・事業所・工場が立地する地域を中心に地域貢 中心に地域貢献活動を実施 献活動を実施 (社会貢献実施額2 億3 千万円相当) ・財団法人材料科学研究助成基 ・財団法人材料科学研究助成基金への支援を 通じた材料科学技術研究への寄与(支援額 4 金への支援を通じた材料科学 百万円) 技術研究への寄与 ・日本古来の製鉄法「たたら製 ・島根県奥出雲町にある「日刀保たたら」におい て、(財)日本美術刀剣保存協会が行う日本古 鉄」操業の支援 来の製鉄法「たたら製鉄」操業の支援(操業場 所・人の拠出) 9. CSR 活動の確認と改善 ・CSR 調査を活用したマネジメン ・CSR 調査の採点結果を関係各部門にフィード ト品質の向上 バックし次の活動につなげる活動を実施(順 位73 位向上) ・CSR に関する国際基準や、各 ・国際標準化機構(ISO)の社会的責任に関する 種調査・評価機関の要請に適 手引きである ISO26000 に基づく CSR 活動の 合した活動を展開 課題整理実施 ・サステナビリティ・レポーティングの国際的なガ イドラインである GRI-G4 に沿った開示範囲の 拡充 自己評価 2015 年度施策の計画 ★★★ ・地域住民や地域文化とより密接に関 わることができる社会貢献活動の検討 ★★★ ★★★ ★★★ ・財団法人材料科学研究助成基金への 支援を通じた材料科学技術研究への 寄与(継続) ・日本古来の製鉄法「たたら製鉄」操業 の支援(継続) ・CSR 調査を活用した経営品質の向上 (継続) ・CSR に関する国際基準や、各種調 査・評価機関の要請に適合した活動 を展開(継続) ・カーボン・ディスクロージャー・プロ ジェクト(CDP)※4 への回答拡充 ※1 環境活動分野を 8 カテゴリー52 項目に分類し、環境行動計画の目標達成度や活動内容を評価する仕組みです。各カテゴ リーの満点を 100GP(グリーンポイント)とし、各項目を 5 段階で評価します ※2 サプライチェーン CSR ガイドブック、調達方針、紛争鉱物調達方針、BCP 対応のお願い ※3 常にお客さまの立場に立ち、製品事故の根本原因の究明と未然の防止策を審議する制度 ※4 世界の機関投資家が連携し、企業に対して気候変動に関する情報開示を求めるプロジェクト 21 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (5) 経済パフォーマンス ①創出、分配した直接的経済価値 下記ページをそれぞれご参照ください。 WEB 決算情報 http://www.hitachi-metals.co.jp/ir/ir-pack.html 社会貢献活動 P36-38(「3. 社会・地域社会とともに」 (2) 2014 年度に実施した社会貢献活動) 環境会計 P50(「1. 環境マネジメント」 (6)環境会計) ②企業年金制度について 2014 年度末時点で退職一時金及び確定給付型年金に係る退職給付債務は 2,041 億円となってい ます。このうち 1,460 億円(カバー率 71.5%)を年金資産として社外の基金に拠出しています。退職給 付債務と年金資産の差額である積立不足 581 億円を、全て引当金として計上しています。 ③政府からの補助金・助成金等の状況 2014 年度に政府から受けた補助金や助成金等は 54 億円でした。 22 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 2. コンプライアンス (1) 基本的な考え方と現状認識 日立金属では、2006 年 7 月に経営理念を従業員に求められる行動原則に落とし込んだ「日立金属グ ループ企業行動指針」を制定しました。その後、2006 年および 2007 年に独占禁止法違反の事例が発 覚したことを厳粛に受け止め、行動指針に定めた「法を守り正道を歩む」を企業活動の基盤におくとと もに、2010 年 9 月には行動指針を補完するグループ内規則として「日立金属グループ行動規範」を制 定し、高い倫理観の醸成と遵法の徹底に取り組んできました。 しかしながら、2013 年に再び公正取引委員会から独占禁止法違反行為があったとして、課徴金納付命 令を受けました。また 2014 年 2 月(現地時間)には欧州委員会から欧州競争法違反に関して制裁金を 課す旨の決定通知を受けました。さらに 2014 年 10 月(現地時間)には米国司法省との間で、米国反ト ラスト法違反に関連し、制裁金 125 万米ドルを支払うことを内容とする司法取引契約を締結しました。 日立金属グループでは、二度とこのような法令違反を起こさないために、国内外の事業所において コンプライアンス部門による巡回研修等の再発防止策を継続して実施していきます。 (2) コンプライアンス啓発活動 ①日立金属グループ倫理月間の実施 2014 年度も 10 月を日立金属グループ企業倫理月間とし、以下の施策を行いました。 i) 日立金属グループ企業倫理月間コンプライアンス会議を開催し、取締役、執行役、事業役員、理 事、支店長、営業所長、研究所長、コーポレート部門長、グループ会社社長、海外販売会社社長 を対象にコンプライアンス勉強会を実施しました。 ii)社長メッセージを日本語・英語・ドイツ語・韓国語・タイ語・インドネシア語・中国語・ベトナム語・マ レーシア語・スペイン語・ウクライナ語・チェコ語・フランス語・ポルトガル語・ポーランド語・イタリア 語の各国語で作成し全世界の日立金属グループの従業員に配布しました。 iii)日立金属グループ CSR ガイドブック自己点検チェックリストを全従業員が実施し、上長に報告しま した。 iv)日立金属グループ CSR ガイドブックによる自己評価結果登録票を各部署で作成し、本社へ提出 しました。 23 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント ②巡回研修 国内事業所 研修内容 海外事業所 独占禁止法遵守および行動指針、贈賄行為防止のためのグローバルコンプライアン ス、情報セキュリティ研修 講師 営業管掌役員およびコンプライアンス部門 コンプライアンス部門 対象事業所 日立金属 本社、支店および営業所、製造 海外事業所 事業所、研究所、並びにグループ会社本社 および営業拠点 対象者 メールアドレス所持者 管理職以上 期間 2014 年 8 月~2014 年 12 月 2015 年 1 月~2015 年 5 月 開催回数 169 事業所 112 回 66 拠点 58 回 (一部、合同および複数回開催) (一部合同開催) ③階層別コンプライアンス研修 2014 年 4 月:新入社員導入研修 6 月:新任係長研修 7 月:新任副参事研修 7 月、12 月:顧客対応研修 8 月:新任マネージャー研修 (3) コンプライアンス監査 ①コンプライアンス特命監査(実施期間:2015 年 1 月~2015 年 4 月) コンプライアンス担当部門が、日立金属の全事業所を対象とした、特命監査を実施しました。対象事 業所の書類(課金、加入団体書類)の閲覧および営業担当部長全員から、独占禁止法に触れる違 反行為がないか聞き取り調査を行いました。 また、業界団体等の会合に出席した際の記録簿(コンプライアンス情報記録ノート*)の記載状況も 閲覧し、違法行為が行われていないことを確認しました。 * コンプライアンス情報記録ノート:業界団体等の会合で、やむを得ず競合他社の社員と会ってしまった時等に、法に触れる ような行為はしていないという記録を残しておくノート。 ②コンプライアンス監査 コンプライアンス担当部門が、監査室による日立金属グループの全事業所を対象とした社内監査に 同行し、法令違反の疑いがないかコンプライアンス監査を行いました。 24 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (4) 輸出管理 日立金属は、企業行動指針において「法を守り正道を歩む」を行動の基本とすることを謳っています。 これに基づき、輸出管理においては「輸出関連法令を遵守し、国際的な平和および安全の維持に貢献 する」を基本方針とし、1989 年にはこの方針に則り「コンプライアンス・プログラム」(現在の「安全保障 輸出管理規則」)を制定、厳格な輸出管理を行ってきました。具体的には、全ての輸出貨物・技術につ いて、輸出先の仕向国・地域、用途、顧客を審査した上で、法令に基づいて手続きを進めています。国 内外のグループ会社もこの方針に則り適切な輸出管理を行うよう、輸出管理規則の制定、体制の確立 について指導するとともに、教育の支援および内部監査を実施しています。 日立金属は、今後も国際的な平和および安全の維持に対する企業の社会的責任を果たすために、万 全の取組みを継続していきます。 2014 年度、日立金属グループによる輸出管理に関する重大な違反はありませんでした。 25 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 3. 情報の保護・管理 (1) 基本的な考え方 インターネットとりわけ SNS(Social Networking Service)に代表される IT の進化普及は、セキュリティリ スクを増大させており、個人情報をはじめ、企業情報を適切に管理、保護することは、企業の社会的責 任としてますます重要となってきています。日立金属グループでは 2004 年 4 月に「情報セキュリティ基 本方針」を、次いで 2005 年 1 月には「個人情報保護方針」を制定し、これらの方針に基づき個人情報保 護/情報セキュリティ体制を確立し、情報セキュリティ対策に継続的に取り組んでいます。 (2) 推進体制 個人情報をはじめとする会社情報の取り扱いや情報機器利用、情報システムのセキュリティ対策に関 するルールを定め徹底を図っています。また、法制度や環境変化に応じて毎年、規則の見直し・改定を 実施しています。 26 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (3) 情報システムのセキュリティ対策 標的型攻撃をはじめとした不正アクセスやコンピュータウィルス等外部からのリスクや、社内からの情 報持ち出しや紛失・盗難、電子メールの誤送信等内部からのリスク、自然災害等さまざまなリスクに対 する対策を計画的に実施しています。 また、2006 年から継続的に実施している日立金属グループ全従業員の個人所有パソコンの、業務情 報の有無点検および削除を 2014 年度も行いました。さらに 2007 年からは、お取引先に対しても同様の 施策をお願いし、ファイル共有ソフト等による個人所有パソコンからの業務情報の漏えいを防止してい ます。2009 年から業務情報の社外持ち出し防止対策として全ての社外メールに対してフィルタリングシ ステムを導入、また、高機能化が進む携帯電話やスマートフォン等の紛失に対する対策として携帯情 報端末の管理につき見直しを行う等、情報漏えい防止対策の強化を図ってきました。 (4) 従業員教育 毎年、情報機器を利用する全従業員(派遣者等を含む)に対して情報セキュリティ教育を実施し、個人 情報をはじめとする情報の取り扱いや個人所有パソコンでの業務利用厳禁等、情報機器利用ルール の徹底を図っています。2014 年度も日立金属グループ拠点巡回教育(コンプライアンス研修と同時開 催)や企業情報を狙う社外からの標的型攻撃対策の為の標的型攻撃メール模擬訓練を継続して実施 し、従業員一人ひとりのセキュリティ意識向上を図っています。 国内事業所巡回研修 実施時期 2014 年 8 月~12 月 海外事業所巡回研修 2015 年 1 月~5 月(一部事 標的型攻撃メール模擬訓練 2015 年 6 月~7 月 業所は 2015 年度に繰り越 して実施) 対 象 開催回数 日立金属グループのメール 管理職以上 日本国内メールアドレス アドレスを 所持する者全員 所持者 169 事業所 112 回(一部、 66 拠点 58 回(一部合同開 合同および複数回開催) 催。2015 年 5 月までの実 1回 施実績) (5) 自己監査 毎年、個人情報保護/情報セキュリティ自己監査を実施し、規則の順守状況をチェックして、不備に対 して改善を図っています。2014 年度は 11~12 月に実施しました。 27 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (6) 知的財産の保護 日立金属は「知的財産を積極的に創造し、適切に保護して効果的な活用に努めること」および「他者の 知的財産権を尊重すること」を会社の基本方針に掲げています。 研究・開発・製造等において創造される知的財産の適切な保護と効果的な活用のために、従業員によ る職務上の発明・考案に関する権利は、日立金属の規則に基づき会社が取得します。事業のグロー バル展開に応じて、各国において必要な知的財産権を保全・維持することにより、日立金属グループ の持続的な成長に活用しています。また、自社の知的財産権を侵害する行為に対しては、法的手段に よる権利の行使等適切な対策を講じています。 一方、他者の知的財産権の尊重においては、他者の知的財産権を侵害する事態を未然に防止し、円 滑な事業推進を図るため、日立金属の規則により、新製品・新技術の研究・開発・設計等の段階にお いて、国内外の他者の知的財産権を事前に調査しています。その上で、他者の知的財産権の使用が 必要な場合には、ライセンスを取得しています。 また、従業員に対しては、自社および他者の知的財産の保護と尊重の意識を浸透させるため、知的財 産に関する教育・研修を継続的に実施しています。 28 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 4 人権尊重・国際規範の遵守 日立金属グループは「企業行動指針」において「社会の人々との相互信頼を確保し、誠実で差別のな い企業活動を行います。」と宣言しており、事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を尊重す ることを基本姿勢としています。2013 年 12 月に「日立金属グループ企業行動指針」および「日立金属グ ループ行動規範」を補完するものとして、「日立金属グループ人権方針」を策定しました。本方針では、 国際人権章典および国際労働機関(ILO)の「労働の基本原則および権利に関する宣言」に記された人 権を最低限のものと理解し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デュー・ディリ ジェンス*や適切な教育の実施、日立金属グループが事業活動を行う地域や国の法令遵守等、国際的 な人権の原則を尊重するための方法を追求していくことを明確に定めています。本方針が日立金属グ ループにおける全ての活動に組み込まれるよう、各種ハラスメントの相談窓口等、これらを担保する会 社制度の設置はもちろんのこと、e-ラーニングによる人権教育や階層別教育等さまざまな機会を通じ て計画的に人権意識を高める啓発活動を行っています。また、今後は人権デュー・ディリジェンスの実 施に向けた準備を進めていきます。 * 人権デュー・ディリジェンス:事業上の人権への影響を特定して評価し、負の影響に対して防止・軽減の措置を講じて、その効 果を継続的に検証すること。 29 日立金属グループ CSR 活動報告 2015[詳細活動報告]
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