C h .la Baronne

シャトー
ラ
バ
ロ
ン
ヌ
C h .la Baronne
ヴィニフィエ
パ
ブ ル ー ノ
ド ゥ シ ェ ン
~Vinifie par Bruno Duchen~
~南仏の新たなプロジェクト~
Bruno Duchen と聞けばグルナッシュのスペシャリスト♪
お蔭様で彼のワインはリリースと共に瞬時で無くなる、レアワインとなっておりますが、
沢山の方の口に入りません。その彼の作るワインをもっと多くの方に飲んで貰いた
い! 又、彼の他の品種のスタイルを見てみたい!との思いで、このプロジェクトが立
ち上がりました。そして 2008 年初夏、毎年彼の所に試飲に行く時にその話が持ち上
がりました。
★
「前々から思っていたのだけど、Bruno のワインは生産量が少なくて、お客様が沢山
待っていて、今の持ち畑でなくても他のワインを作る気持ちはあるのでしょうか?」
「実はネゴシアンを立ち上げようと考えてはいるのだけど、なかなか時間的な問題と
かあって、実現していない段階なんだ」
「実は私の友人で同じ南仏の無農薬の畑を沢山所有している人がいて、彼の畑の葡
萄を使って Bruno が醸造をする気持ちはあるかしら?」
「えッそんな事が可能なの」
「ええ、承知してくれると思って話を進めてあるの」
★
こうして Bruno と一緒に Jean の畑を見に行く事になりました。
今から 2 年以上前の事です。
ジ ャ ン
リ ニ エ ー ル
Jean Ligneres氏は、南仏、Languedoc に 90ha もの畑を持つ Ch,Baronne のオー
ナー。本職は医者であり、この畑はお父様の代、1957 年に購入しました。
この頃はボルドーの畑を買うのも南仏の畑を買うのも価格的には大差なかったとの
事。本当なのでしょうか? その購入されたお父様もお医者様でワインが大好き。
今から 50 年以上前にワインナリーを購入したのです。
そのワイナリーを 2 代目の Jean が引き継ぎ、本業よりもワイン作りが楽しくなり、美味
しいワインをつくる為、2002 年から全ての畑を 100%無農薬にしました。
そしてエコセールの正式な認定は 2007 年に取得しました。
共同経営者に同じお医者様のお兄様も加わっており、規模で言うと 10 人の従業員、
収穫時には 30 人の収穫者を雇い、年間生産量 230,000 本と中堅よりもやや大きい
ワイナリーです。平均樹齢 45 年、1Ha の平均生産量は 3000 本と生産量を少なく、
拘った作りを行っております。その敷地の中には 1892 年に植樹した、ウルトラ VV の
カリニャン、フィロキセラすら寄せ付けなかった葡萄が存在しております。
そのカリニャンを見た時に「こういう葡萄でワインを作ってみたい!」と思うのはとても
自然な位に素晴らしい畑です。
↑ カリニャン VV(樹齢 120 年)の畑とブルノ(左)とジャン(右)
畑の品種構成は、赤が 9 割強、その中で 45%カリニャン、20%シラー、15%メルロー、
15%グルナッシュ、5%サンソー、ここは AOC で言うとコルビエールになります。
白をほんの少しだけ所有し(1 割未満)ルーサンヌ、グルナッシュ・グリがあります。
敷地内にはシャトーがあり、それは前の所有者、Madame Baronne が 120 年前の
19 世紀に建てました。そこからこのシャトーを地元の人が Chateau Baronne と呼ぶ
ようになりました。Jean の作るワインはアメリカを筆頭にドイツ・ベルギー等生産量の
9 割が海外輸出、残りの 1 割がフランス国内で販売されております。
日本へは1度だけ、三井美術館が 600 本だけ輸入しました。
この Jean の素晴らしい畑を見て、思わず「カリニャンの畑を醸造させて下さい」との申
し出に最初は難色を見せておりましたが、友人の Bruno の話や、私が実際に作った
ワインを飲んで頂き、徐々に Jean の心を溶かす事が出来たのです。
なのでこのプロジェクトが実現となりました。
さてそのプロジェクトというのは、この Jean が守っている畑で作ったカリニャンを友人
の Bruno に栽培・醸造責任者として、この Chateau Baronne で醸造してもらう事で
す。それが 2009 年リリースはお蔭様で大好評。そして第二回目のリリース 2010 年が
やっと入荷です。首を長~くして待っておりました。そして新たなワインが3種類加わり
ました。それは待ちに待ったグルナッシュ・グリです。1つは Bruno が醸造し、もう1つ
は Bruno に革命的に影響を受けた Jean が作りました。そしてもう1つは新しい赤、
なんとムールヴェードルです♪
Bruno はグルナッシュに魔法にかけ、本当に美味しい果実香を秘めた、素晴らしいワ
インに変えます。それを前からカリニャンでも飲んでみたかったのです。
カリニャンは品種として軽視されがちの量産品種です。1962 年にフランスから独立し
たアルジェリアの消費ワインの穴埋めの為に沢山植えられ、そして消費が少なくなる
と軽視され始めました。200hl/ha も取れると言う驚異的な品種です。
しかし私個人の考え方では、どんな葡萄も収量を抑え、丁寧に醸造すれば、その葡
萄の個性を出す事が出来る。ましてや樹齢の古い葡萄の味わいは格別です。
そういう意味でもこの品種を是非 Bruno に醸造して貰いたかったのです。
彼は完全に期待を裏切りませんでした。恐ろしい位にパーフェクトな出来栄えです。
日常気軽に飲むカジュアルな赤ワイン。彼の醸造方法はご存知カルボニックという葡
萄本来の香を前面に出す、葡萄に優しい方法です。しかしこの方法は温度や葡萄の
形状等々、色んな要因が必要で、カリニャンはカルボニック法で醸造するのが難しい
と言われている品種の1つです。天才 Bruno はどう料理したのでしょうか?
ラベルは Jean の奥様が担当しました。とても可愛らしい工具をデザイン化しました。
ボトルもこの価格帯では使わないしっかりとした風格のある少し太めのボトル、コルク
もこの価格帯では使う事が出来ない長いしっかりとして質の良いコルク。
彼らの意気込みを感じます。こんなに安くして貰って悪い気がします。
味わいもそこらに負けません。今迄コスモジュンが扱ったワインでは一番コストパフォ
ーマンスが良いかもしれません。フランスでは販売されておりません。コスモジュンが
Bruno に頼んで日本向けだけに作って貰ったからです。出来るなら皆様に飲んで頂
きたい、是非是非お試し下さい。
(2011.2.8 第 4 回目訪問)
ヴィニフィエ
パ
ブ ル ー ノ
ド ゥ シ ェ ン
~vinifier par Bruno Duchen~
グルナッシュ
グ リ
コ ス ト リ ソ
★VdT Blanc Grenache Gris Costoliso 2010
待ってました。このプロジェクトの初めての白ワインです。
グルナッシュ・グリ 100%の白ワイン、コルビエールは名
乗る事は出来ず、AOC ではありません。たった3樽だけ
作りました。南仏の白葡萄を何と 9/28 に収穫。プレス後 5
~6 年の古樽で発酵、その後、Cuvee(INOX タンク)で熟
成させました。標高 500m の高さなので綺麗なミネラルがワインに溶け込み、非常に
洗練された味わいです。赤の魔法を白にすら施します。
問題なのはたった 852 本しか生産されていない事、これは急がれて下さい!
マロン色のラベル♪ 天然アルコール度数 14.72 度。40~60 歳の樹齢。
コルビエール
ルージュ
ル
ノワール キューヴ
★AOC Corbières Rouge Le Noir Cuve 2010
サ ン
ス ー フ ル
-sans sulfites-
白の収穫後 9/29 に収穫。朝は 5 度、お昼は 22 度という外
気です。100%INOX タンクで熟成させたカリニャン 100%
のワイン。去年は3つの中で一番やんちゃな野性的な味わ
いでしたが、今年はぐっとシャープで垢抜けました。とても飲
みやすいです。1960 年の葡萄です(樹齢 50 年)。
生産量 312 本。天然アルコール度数 14.18 度。
ピンクのラベル♪
コル ヴィ エー ル
ルージュ
ル
ノワール
バ リ ッ ク
★AOC Corbières Rouge Le Noir Barrique 2010
サ ン
ス ー フ ル
-sans sulfites-
去年最も評判が良かったので樽熟成のキュヴェの数を増
やしました。100%樽熟成ですと、まだ固い感じが若干印象
に残っており若干クローズ気味、それでもかなり旨みがあ
って噛むような味わいです!
生産量 1236 本 天然アルコール度数 14.41 度。
紫のラベル ♪
コ ル ビ エ ー ル
ル ー ジ ュ
★AOC Corbières Rouge
水色のラベル♪
コ ル ビ エ ー ル
ル
ノワール
ア ッ サ ン ブ ラ ー ジ ュ
サ
Le Noir Assemblage2010
ン
ス ー フ ル
-sans sulfites-
Le Noir Cuvee と Le Noir Barrique をブレンド、生産本数
1536 本。去年もそう思いましたが、やはり一番バランスが
良く、落ちついた味わい。ブレンドした方が上手に味わい的
にまとまりまるのは何故でしょうか?多分、この葡萄のポテ
ンシャルだと 100%樽熟成だと重いのかもしれません。でも
どっちも美味しいですけど…。もし3つの中で迷ったら、是非
これを選ばれて下さい。 天然アルコール度数 14.26 度
ル ー ジ ュ
★AOC Corbières Rouge
ピ エ ス
ド
ロッシュ
Piece de Roche 2010
サ
ン
ス ー フ ル
-sans sulfites-
Jean が一番大切にしている樹齢 119 歳のカリニャンから作
られたワイン。1892 年に植えられ、今も沢山の葡萄を実ら
せております。やはり南仏は凄いですね。ミストラルが病気
になりにくいので、こんな老木さえ存在できるのですから
…。
開放桶に漬け込み、プレス後樽で 9 ヶ月熟成させました。味わいは文句なし。これが
他の地域なら通常 6000~7000 円位してもおかしくないかもしれません。カリニャン
100%のワインでは Top 中の Top、問題は何年先が飲み頃になるのでしょうか?
勿論、今も十分に飲める柔らかさがありますが、そのしたたかさの幅が広いのです。
非常に複雑で 10 年後に飲んでみたいです。今年は去年より良い子ぶりっこの優等生
タイプに出来あがりました。2年目だからかもしれません。
Bruno 節が一番感じられるカリニャン、この品種の新たなポテンシャル発見です。
白と黒のラベル
生産量わずか3樽(780 本) 天然アルコール度数 14.54 度
↑ラベルのデザインになってる工具の棚をモチーフにした掛け軸(シエ内にあります)
ヴィニフィエ
パ
ジ ャ ン
リ ニ エ ー ル
~Vinifie par Jean Ligneres~
グ ル ナ ッ シ ュ
グ
リ
ド
ジ ャ ン
★VdT Blanc Grenache Gris de Jean 2010
こっちは Jean が作ったグルナッシュ・グリ 100%のワイン、当然
VdT でコルビエールは名乗れません。でも色が玉ねぎ色です♪
彼は白ワインを作ったつもりですが、ロゼかもしれません(笑)
白でもロゼでも味が美味しいので問題はありませんが♪
収穫後、実は丸丸2日間マセラシオンで漬け込みました。ここが
Bruno のグルナッシュ・グリと違う所です。ですから若干色が出た
のです。
これは 7 樽あるので Bruno のよりは数に若干余裕があります。
が、コスパが良いのでこれも急がれた方が良いです♪
最後に若干残糖がありますが甘さは感じません。なので敢えてガスを残しました。
非常にタッチの軽いワインで天然アルコール度数 14.36 ですが、これほどあると感じ
させません。これはテクニカル的に南仏のワインでは難しいのですが、それだけエレ
ガントに仕上がっております。Jean の上品さがそのままワインに溶け込んだ感じで、
同じ品種でも2つ共違うワインになりました。
40~60 歳の樹齢、ラベルは Ch,la Baronne のオリジナルです。
ル ー ジ ュ
★VdT Rouge
ムールヴェードル
ド
ジ ャ ン
Mourvedre de Jean
サ ン ス ー フ ル
-sanssulfites-
初リリースの赤ワイン。これははっきり言って買って下さい!
何と 10/19 迄待った収穫で 100%Mourvedre の赤ワインを作
りました。結果、天然アルコール度数は 15.40 度。2 週間クー
ルマセラシオンし、エグラッペ無しで木の開放桶で発酵。でも
重たくありません。通常この品種だけだと野暮ったくなりがちで
すが、Jean の品の良さはこの品種さえもエレガントに仕上げ
ます。
この品種 100%のワインでなかなかこれと納得のゆくワインは少ないです。
Yoyo の Mourvedre は数が少ないのでなかなか購入できませんが、この Jean のワ
インなら少し数に余裕があります。最後に厚みを感じる甘い風味がやけに心地よいで
す。是非 Get されて下さい。