フランスの風景 樹をめぐる物語

企画概要
名
称
: フランスの風景 樹をめぐる物語
主
催
: 山梨県立美術館、山梨日日新聞社・山梨放送
会
場
: 山梨県立美術館 南館2階 特別展示室
会
期
: 2016年10月22日(土)~12月11日(日)
休 館 日
: 10月24日、31日、11月7日、14日、24日、28日、12月5日
開館時間
: 午前9:00~午後5:00(入館は午後4:30まで)
後
: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
援
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テレビ山梨 テレビ朝日甲府支局 朝日新聞甲府総局 毎日新聞甲府支局
読売新聞甲府支局 日本経済新聞社甲府支局 産経新聞甲府支局
共同通信社甲府支局 時事通信社甲府支局 山梨新報社
日本ネットワークサービス エフエム富士 エフエム甲府
協
力
: エールフランス航空/KLMオランダ航空、日本航空、山梨交通株式会社
観 覧 料
: 一般:1,000円(840円)、大学生:500円(420円)
高校生以下の児童・生徒は無料。
*( )内は20名以上の団体料金、前売料金、県内宿泊者割引料金
*山梨県内在住の65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
*障害者手帳をご持参の方は、ご本人と介護の方1名が無料
般:1,000円(840円)、大学生:500円(420円)
オープニングセレモニー
日時:10月21日(金)午後2:00~
場所:山梨県立美術館 講堂
プレスツアー
日時:10月21日(金)午後1:00~1:50
場所:山梨県立美術館 特別展示室入口
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企画内容
移ろいゆく季節の中、同じ場所で静かに佇み、永い時を生きる樹木。
古来、人々は樹木から恩恵を受け、生活を形作ってきました。
19世紀のフランスでは、産業化の進展に伴って失われていく自然に
対する関心が高まり、風景画が人気を博すようになりました。樹木は背
景の構成要素として、そして時に中心的な主題として、画家たちに想を
与え、様々に絵画を彩ってきました。
自然を観察し、写し出そうと努めたバルビゾン派、光や大気が見せる
一瞬の表情を捉えた印象派、宗教的・詩的な観念の表現を志した象徴
主義など、画家たちはそれぞれの興味関心に従い、「樹木」を用いて絵
画表現の探求を行いました。
本展では、国内外所蔵の優品約110点を展観し、樹木をテーマにフラ
ンス絵画の変遷をたどります。
第1章 戸外制作の画家たち
19世紀のフランスでは、それまで位の低いジャンルと
見なされがちであった風景画の人気が高まります。画家
たちは、古画の研究や従来のアトリエでの制作のみなら
ず、戸外での観察や制作を重要視する傾向を見せるよう
になります。この流れに寄与したのが、ヴァランシエンヌ
やマンドヴァールといった風景画家の作品や著作でした。
彼らの手による風景画概説書は、1800年頃から出版さ
れ、後世の画家たちに影響を与えました。
バルビゾン派と呼ばれる画家たちは、このような流れ
の中で登場してきました。コロー、ルソー、ディアズといっ
た画家たちは、豊かな自然を求め、1820年代以降、バル
ビゾン村近郊のフォンテーヌブローの森で制作するよう
になりました。画家自身のフィルターを通して自然の表情
絵筆で捉えようとした彼らの絵画には、現実に観察され
るありふれた自然の美しさを湛えています。大木を主題
にした作品から、森の木々のさざめきや、差し込む光を
とらえることに主眼が置かれた作品まで、様々な作例が
描かれました。
また本章では、崇高さを感じさせる風景主題を好んだ
ロマン主義的な作品や、遺跡や廃墟への興味を見せる
ピクチャレスクな美学を感じさせる作品まで、19世紀初頭
から中ごろまでに制作された風景画における樹木の表
現についても併せてご覧いただきます。
シャルル=フランソワ・ドービニー 《ヴァルモンドワの下草》
1872年, カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ
カミーユ・コロー 《エトルタ近くの風景》
1872年, フォン・デア・ハイト美術館、ヴッパータール
テオドール・ルソー 《夏の風景》
制作年不詳, フォン・デア・ハイト美術館、ヴッパータール
ジュール・バスティアン=ルパージュ 《ダンヴィエの村》
制作年不詳, フォン・デア・ハイト美術館、ヴッパータール
第2章 印象派の画家たちと同時代の風景画
クロード・モネ 《ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール(夕暮れの効果) 》 1880年頃, 個人蔵
バルビゾン派の画家たちが推し進めた方向性を引き継ぎ、風景画における革新的な表現をおこなったのが、印象派の画家たち
です。明るい色彩、そして捕色の効果を用い、素早い筆遣いにより描き出される彼らの作品の中で、季節や時刻により変化する樹
木の表情は、より一層鮮やかに描き出されています。
さらに本章では、印象派と同時代の画家たち、そして印象派の探求をさらに推し進めた新印象派の作品をご紹介します。光と色
彩の科学的な理論により厳格に従い、細かい点状の筆触が用いた新印象派画家たちの作品の中には、樹木が織りなす、光と影
の表現への強い関心を見ることができます。
ギュスターヴ・カイユボット 《セーヌ河岸、プティ・ジュヌヴィリエ》
1870年頃,アルジャントゥイユ美術館
(カミーユ・ピサロ美術館寄託)
リュシアン・ピサロ 《松林》
1892年, カミーユ・ピサロ美術館、 ポントワーズ
ポール・シニャック 《リース広場》のための習作
1893年頃, 個人蔵
マクシミリアン・リュース
ポール・シニャック 《エルブレーのセーヌ川》
1888-1889年頃, カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ
《日没の風景》 1888年, 個人蔵
第3章 ポスト印象主義と20世紀前衛芸術への試み
モーリス・ドニ
《小さなブルターニュの女性たち、沼のほとり》
1892年頃, 個人蔵
印象派、新印象派と展開していった、視覚的な風景表現の探求の一方で、主題を再び絵画の中心に据えて作品を
制作しようとした画家たちが現れました。彼らの作品に登場する樹木は、作品全体が表そうとする宗教的、詩的な観
念の表現に従い、形状や色彩に自由な変化が加えられました。
また、20世紀になると、色彩や形状など、絵画を組み立てているそれぞれの構成要素に注目が集まりました。例と
して挙げられるのが、フォーヴィスム(野獣派)と呼ばれた、力強い色彩表現を特徴とする画家たちです。この派に数
えられた画家たちは、その後急速に主義主張の異なる別々のグループへと展開していきました。自然に観察される
色彩や形状を出発点としながらも、色彩や線描そのものの持つ抽象的な魅力が自由に探求されました。
フェリックス・ヴァロットン 《オンフルールの眺め、朝》 1912年,
オワーズ県美術館、ボーヴェ
アンリ・マティス 《オリーブの並木道》 1919年, パリ市立近代美術館
関連イベント①
記念講演会
「樹をめぐる変奏:フランス近代絵画における風景画の多様性」
講師 小泉順也氏 (一橋大学准教授)
日時 10月22日(土) 午後2:00~
会場 講堂(申し込み不要、聴講無料)
「英仏海峡をわたったバルビゾン絵画:フォンテーヌブローの森からロンドンへ」
講師 安藤智子氏 (法政大学非常勤講師)
日時 11月5日 (土) 午後2:00~
会場 講堂(申し込み不要、聴講無料)
樹木医とめぐる鑑賞ガイドツアー
各地での自然教室の開催や、執筆活動、テレビ、新聞、雑誌など、幅広く活
躍される樹木医の石井誠治氏と共に、芸術の森公園で樹木について理解
を深めた後、展示室で作品鑑賞をします。
講師 石井誠治氏(東京樹木医会、森林インストラクター)
日時 10月30日(日)、11月13日(日)
午前10:00~11:30 ②午後1:30~3:00
場所 芸術の森公園(雨天時はワークショップ室、特別展示室)
(各回定員約30名、申し込み・本展チケットが必要です)
関連イベント②
こども美術館 「これで君も樹木ハカセ!」
『樹木ハカセになろう』(岩波ジュニア新書)の著者でもある樹木医 石井誠治氏と共に、
芸術の森公園と展覧会場をめぐり、樹木の不思議を楽しく学びます。
講師
日時
場所
対象
石井誠治氏(東京樹木医会、森林インストラクター)
11月23日(水・祝) ①午前10:00~11:30 ②午後1:30~3:00
芸術の森公園(雨天時はワークショップ室、特別展示室)
小学1~6年生とその保護者
(各回定員約30名、参加無料、申し込みが必要です)
記念コンサート
演奏 堀澤麻衣子(声楽)
日時 11月6日(日) 午後2:00~2:40
場所 1階ロビー (申し込み不要、入場無料)
担当学芸員のギャラリー・トーク
日時 11月19日(土) 午後2:00~
場所 特別展示室(申し込み不要、本展チケットが必要です)
大人のための美術講座
ギャラリー・トーク前のお手軽なレクチャーです。
講師 担当学芸員
日時 11月19日(土) 午後1:00~1:30