平成26年 9月号

肺がん の 話
一色 重雄
外科 No.4
2014.09
呼吸器外科(肺・気管・気管支・縦隔 等)
一般外科・消化器外科
群馬大学 昭和48年卒
< 肺がん の 症状 >
咳(せき)や 痰(たん)
は、かぜ・慢性気管支炎等、呼吸器の病気で 最も
頻繁にみられる症状です。
しかし、せき・たん が 2 週間以上続く場合や、治療
してもよくならない場合は、
“肺癌(がん)”
の可能性も考える必要があります。
また 初期の 肺がん では、無症状のことも少なくありません。
< 肺がん の 種類 >
“肺癌(がん)”
には、色々な種類があるのが 特徴です。小細胞癌、腺癌、
扁平上皮癌 が主なものです。
1)小細胞癌 : 肺がん 全体の 約 4 % ですが、
極めて悪性度の高いものです。
新任医師の
紹介
半田 祐一(43歳)
自治医科大学 平成8年卒業
専門 消化器内科、地域医療
卒業後9年間を県北の医療過疎地域
に勤務。その後10年間、つくば市で在
宅診療をしておりました。
出身はつくば市の隣、
真壁です。
患者さんに信頼されるよう頑張ります。
宜しくお願い致します。
2)腺癌 : 肺の末梢に発生します。X線によく写ります。小さなものでも
転移 をおこしやすく、大きさで 病期 が判断できません。
肺がん の中で、最も多いタイプです。
3)扁平上皮癌 : 肺の中枢に発生します。
早期の段階では、
X線によく写らない
ことが多いです。喫煙 が大きな原因 と考えられています。
< 肺がん の 予防 >
肺がんの 一次的予防は、
禁煙 でしょう。
二次的予防は 検診ですが、
喫煙者
は、
X線 だけでなく、
喀痰細胞診 の併用を お勧めします。
“肺がん”
は、年々増加しており、すべての がん のなかで、死亡率 第 1 位
です。喫煙者は 非喫煙者と比べて、肺がんのリスクが 男性で 4.8倍、女性で
2.8倍 高くなるといわれています。
しかし、喫煙者でも 10年以上 禁煙すれば、
肺がん のリスクが 約30% 低下することも知られています。
したがって 禁煙
は、肺がん の一次予防として 最も重要といえます。
# 肺癌 に関するご相談は : 外科外来(一色 医師)まで
毎週(水)午前、 (木)午後、 (土)隔週午後
# 糖尿病・生活習慣病・メタボリック症候群 に関する ご相談・治療 は :
生活習慣病外来(星野病院長)まで
毎週(月)午前、
(水)午後、
(木)午前
癌(がん)や 生活習慣病 と どう向き合うか?(第4回)
<続>
糖尿病 ・ 生活習慣病 は 癌
(がん)
の 予備軍 ?
癌( が ん )に か かり
やすい 危険因子は?
① 一般的な(すなわち、多くの 癌 に共通した)危険因子としては、加齢、肥満、運動不足、
過剰な飲酒、喫煙、かたよった食事(肉の 摂りすぎ、野菜・果実・食物繊維の不足)。
② そのほかに、それぞれの癌に 特有の 危険因子、例えば、肺がん における喫煙や、
肝臓がん における ウイルス性肝炎(B型・C型)・肝硬変 等が、①に挙げた項目に
危険率として上乗せされます。
しかし よくみてみると、上記 ① に挙げた項目は、すべて 糖尿病 の危険因子とも一致
します。
“糖尿病 になりやすい人は、癌(がん)
にもなりやすい”ということです。
したがって、
健康的な食事・運動・体重コントロール・禁煙・節酒 は、糖尿病 や メタボリック症候群 を
改善するだけでなく、癌 のリスクの減少にもなる ので、二重の意味で お勧めです。
(筑波病院 病院長 星野 高伸)
筑波病院 の 正面玄関前