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2004年3月期
アニュアルレポート
Time to Catch the
1 これが私たち大和証券グループです
2 財務ハイライト
4 CEOからのメッセージ
11 特集:私たちの成長戦略 〜Time to Catch the Big Wave〜
第一部 国内環境の変化に対応した事業戦略
12
第二部 国際環境の変化に対応した地域戦略
19
21 事業概況
グループ全体像
22
マーケット・ポジション
24
事業別・グループ会社別概況
26
リテール
26
ホールセール
31
アセット・マネジメント
38
リサーチ、
システム、
コンサルティング
42
サポート
44
ベンチャー・キャピタル
46
47 グループのマネジメント体制 〜社会とともに持続可能な成長・発展を目指して〜
基本姿勢・理念
48
推進体制(コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス)
49
環境報告
51
社会性報告(CSRへの取組み、人材マネジメント)
52
経済性報告(財務戦略、
リスク・マネジメント、
インベスター・リレーションズ)
54
57 数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
5年間の財務ハイライト
58
事業別・地域別情報
59
8
四半期の財務ハイライト
60
オペレーション情報
62
65 その他情報
組織図・役員
66
大和証券 国内サービス網
72
国内子会社・関連会社
76
海外拠点
77
株式情報
78
79 2003年度の業績回顧と分析
89 連結財務諸表
118 大和証券グループ本社 会社概要
本アニュアルレポートは、2003年度(2003年4月1日〜2004年3月31日)の業績および今後の経営ビジョンに関する情報の提供を目的としたものであり、当社が
発行する有価証券の投資を勧誘することを目的としたものではなく、
また何らかの保証・約束をするものではありません。本アニュアルレポートに記載された意見
や予測等は、
アニュアルレポート作成時点の当社の判断であり、その情報の正確性、完全性を保証または約束するものではなく、
また今後、予告なしに変更され
ることがあります。
大和証券グループ アニュアルレポート2004
これが私たち大和証券グループです
差別化と経営効率の向上による「成長性」
と
「収益性」、
事業ポートフォリオ分散による「安定性」の両立を追求しています
事業ポートフォリオの分散化が進んでいます
各種経営改革が奏功、
「収益性」が大きく向上しました
〜インベストメント・バンキング、
債券の比率が拡大〜
〜純営業収益が同じレベルだった1996年度と比較して
2003年度の収益性は大きく向上〜
純営業収益の構成(連結)
経常利益率(連結)
100 (%)
30 (%)
11.6%
80
13.6%
その他
27.3%
10.4%
15.8%
イ ベス
インベ
ストメント・バンキ
キング
キ
23.3%
60
12.2%
20
アセット・マネジメン
アセ
ント
15.0%
40
エクイティ
36.9%
フィックスト・
インカム
21.4%
10
46.4%
20
0
8.4%
2000
2001
2002
0
2003年度
1996
2003年度
各機能における一層の「差別化」
と
「グループ総合力」の活用がこれを支えています
深いリサーチ機能
・アナリスト・エコノミストランキ
キング
ングNo.1
*日経金融新聞およびエコノミスト
ト誌
(大和総研)
長期的視野に立った資産運用で卓越
・日
日本郵政公社の郵便貯金・簡易保険両資金の
日本
本株委託運用機関として日系で唯一選定される
(大和
和住銀投信投資顧問)
和
多様化するニーズを的確に捉える
チャネルと営業体制
・バブル期(1989年)
を超えた
大和証券総顧客資産
・オンライン口座数伸び率 大手総合証券で1位
位
(大和証券)
高度な金融知識と創造性を駆使した投資銀行機能
造性を
−日本初のメガバンクと大手証券の合弁
バンクと大
2003年度リーグ
グ
グテーブル
ル
・社債総合で1位
・新規公開、
株式公募
公募・売出し、
国内公募ABSで2位
(大和証券SMBC)
これが私たち大和証券グループです
1
財務ハイライト
大和証券グループ本社および連結子会社
2001年度
2003年度
2003年度
2002年度
百万円
百万US$
(別途記載のものを除く)
(注記1)
市場環境
TOPIX(年度平均、指数). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,133
932
981
—
東証1部売買代金(1日平均) . . . . . . . . . . . . . . . . .
812,432
729,049
1,145,296
10,804
金利:長期国債指標銘柄利回り(年度平均、%) . .
1.37
1.12
1.13
—
為替レート:対ドル(年度平均、円) . . . . . . . . . . . . .
125.1
121.9
113.0
—
対ユーロ(年度平均、円). . . . . . . . . . .
110.6
121.0
132.6
—
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
488,044
387,659
453,814
4,281
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
284,932
270,810
352,435
3,324
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
262,163
246,701
259,915
2,452
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
22,769
24,109
92,520
872
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
25,849
29,200
96,130
906
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(130,547)
(6,323)
42,637
402
営業成績
純営業収益
営業利益と営業利益率
600(十億円)
250(十億円)
500
200
総資産
(%)50
営業利益(左軸)
営業利益率(右軸)
40
400
10,000
8,000
150
30
100
20
300
6,000
200
4,000
50
100
10
0
0
1999 2000 2001 2002 2003年度
2
12,000(十億円)
大和証券グループ アニュアルレポート2004
0
1999 2000 2001 2002 2003年度
2,000
0
1999 2000 2001 2002 2003年度
2001年度
2003年度
2003年度
2002年度
百万US$
百万円
(注記1)
財務状況
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,827,306
9,502,826
10,765,665
101,562
うち リスクアセット(注記2). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
541,364
422,019
371,294
3,502
株主資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
570,839
541,719
604,170
5,699
円
1株当たり数値
US$
当期純利益(損失)
(注記3). . . . . . . . . . . . . . . . . .
(98.27)
(4.75)
31.66
0.30
株主資本(注記3). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
429.68
407.84
453.60
4.28
年間配当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6.0
6.0
10.0
0.09
%
財務指標
株主資本利益率(注記4). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
—
—
7.4
株主資本比率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7.3
5.7
5.6
11,559
11,565
人
その他
11,483
従業員数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
注記:
1. 米ドル金額は読者の便宜のために提供するものであり、換算レートは1US$=106.00円(単位未満切捨て表示)を使用しています。
2. リスクアセットは、営業投資有価証券、有形固定資産、投資有価証券の合計として計算しています。
3. 1株当たりの当期純利益(損失)および株主資本の計算にあたっては、各年度の平均発行済株式数を使用しています。
4. 株主資本利益率の計算にあたっては、分母の株主資本として前期末株主資本と当期末株主資本の平均値を使用しています。
5. 各種会計基準改訂に伴い、勘定科目の新設・変更等があるため、単純な時系列比較はできません。主な変更点は以下のとおりです。
・2000年度においては、
「退職給付に係る会計基準」を適用しています。また「金融商品に係る会計基準」を適用しており、その他有価証券の時価評価に伴って発生した
評価差額から税効果額を控除した額を「評価差額金」として資本直入しています。そのほか、従来、資産の部で計上していた為替換算調整勘定を、資本の部に計上して
います。
・2001年度より、改正後の「証券業経理の統一について」
(2001年9月28日付日本証券業協会理事会決議)を適用しています。そのため、1999年度および2000年度につい
ても、改正後の基準にもとづき組替えを行なっています。
株主資本 vs. リスクアセット
800(十億円)
150(十億円)
リスクアセット
従業員1人当たり純営業収益
当期純利益(損失)
と株主資本利益率
株主資本
100
(%)30
当期純利益(損失)
(左軸)
株主資本利益率(右軸)
20
50(百万円)
40
600
50
10
0
0
-50
-10
-100
-20
30
400
20
200
0
-150
1999 2000 2001 2002 2003年度
財務ハイライト
-30
1999 2000 2001 2002 2003年度
10
0
1999 2000 2001 2002 2003年度
3
CEOからのメッセージ
私たちには「責任」があります
「自信」と「誇り」があります
そして、
「実績」に繋がってきました
2004年6月、大和証券グループのCEOが、原良也(写真右)から鈴木茂晴(写真左)にバトンタッチされました。
原の6年半のCEO在任の間、当社グループはマーケティング体制、経営体制ならびにバランスシートの改革など、数々の
経営改革を行なってきました。今般、その成果が着実に現れてきたのを機に、新たな経営体制のもとで、一層の差別化
と実力主義の徹底を図り、多様化・高度化するお客様のニーズを着実に捉えることで、第二の変革期にある金融業界
における「勝ち組」を目指します。
2003年度の業績とポイント
大幅な業績向上を実現
2003年度の連結業績は、純営業収益が3,524億
円と対前年度比30.1%増加、また、経常利益は
961億円と、前年度に比べ約3.3倍という大きな伸
過去3年間の業績推移
400(十億円)
純営業収益
経常利益
張を果たしました。この飛躍的な業績回復の背景
には、大きく3つの要因があると、私は考えます。
ひとつには、株式市場や景気全般のリバウンドと
300
200
いう「外部環境の好転」です。東証一部の売買
代金が前年度比57%増となったほか、日本の企
100
業業績が大きく改善し、資金需要が急速に拡大
0
しました。
4
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2001
2002
2003年度
外部環境の好転のみならず、
攻守バランスのとれた改革効果が今後の株主資本の増加をもたらす
攻めと守りのバランスがとれた経営改革
上は、2005年度から導入が義務付けられている減
大和証券グループの業績回復をもたらした残りの2
損会計を2年前倒しで適用したものです。このよう
つの要因は、いずれも「自助努力効果」といえま
な前倒し措置を行なったのは、私たちの将来の利
す。後に詳述しますが、
これまで私たちは、○販売、
益成長に対する「期待」が、2003年度において
商品・サービスの開発および供給、○リサーチ、の
「確信」へと変わったからです。今後は、利益の蓄
3つの機能それぞれをレベルアップさせるとともに、
積などによって、株主資本を着実に増加させてい
これらを有機的に結びつけて相乗効果を高めるた
けるものと、私は信じています。
○
めの「前向きな改革」を、着実かつスピーディーに
行なってきました。
同時に、人件費を中心にコストを可能な限り
変動費化することで業績の安定性を向上させ
環境認識:
日本経済に芽生えた大きな成長の兆し
るとともに、本業とは関係のない資産を圧縮し、
対外債務の削減を進めることで、
「資本効率の
待ちに待った成長の息吹
極大化」に努めてきました。これらの複数の要
日本経済は長い厳冬の時代から抜け出て、本格
素が相俟って、今回の業績の大幅改善につな
的な春を迎えています。民間の過剰債務や不良
がったと考えます。
債権、デフレという複数の重石が徐々に取れ始め
たことが大きいと考えます。また、日本の経済成長
一層透明かつ磐石な財務基盤の確立に向けた
の回復パターンにも、
これまでにはない変化が現れ
バランスシート改革
てきています。既存市場での価格競争に主眼を
大和証券グループは、これまでも透明かつ磐石な
置いたコストダウン中心の戦略から、独創性のある
財務基盤を確立すべく、バランスシート改革を積極
技術をベースとした市場創造型の戦略へと転換し
的に行なってきましたが、2003年度において、
さら
つつあります。その具体例として、デジタル家電の
に不動産関連等の減損損失127億円を計上しま
急 成 長があります。これは、日 本がオリジナリ
した。これにより、見通せる限りにおいて、すべて
ティーを発揮した、国際的にも優位性を持つ産業
の膿を出し切ったと考えています。今回の損失計
だといえます。
固定資産と対外債務の推移
800(十億円)
固定資産
GDPと民間企業設備投資
対外債務
GDP
民間企業設備投資
30(%)
(実質値、前四半期比年率換算)
25
700
20
600
15
10
500
5
400
0
0
-5
2001
2002
2003年度
1Q
2Q
3Q
2002年度
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
2003年度
出所:内閣府
CEOからのメッセージ
5
今ほど私たちへの期待が高まっている時はない
ニーズを捉えることはすなわち日本経済に貢献すること
しっかり先を見通し、
資格要件を整えてきたものだけが勝ち組になれる
経済の血液を循環させる重要な役割を担って
米国が謳歌したこのような長期的な経済成長が、
しかし、体力と気力(自信)が戻っただけでは、
今、日本にも訪れようとしています。それが実現す
持続的な成長は可能となりません。必要なところに
るかどうかは、私たちの双肩にかかっている、私は
エネルギーを届ける血液の循環をよくすることが不
そう考えています。
可欠です。いうまでもなく、経済の血液はマネーで
す。技術やサービスの優位性を背景に伸びようと
するベンチャー企業、効率的に動けるまでに体を
大和証券グループの戦略
スリム化した大企業など、成長すべきところにお金
をしっかりと回していかなければなりません。
一方、資金を出す側の状況はどうでしょうか。経
済の回復で企業サイドの新たな資金需要が拡大
しているとはいうものの、日本の企業全体では未
プロローグ:チャンスを活かすには資格がいる
「チャンス」はすべての業界プレイヤーに到来しま
すが、それを「活かせる」ものは限られています。
「責任」はすべてのものにありますが、すべてのプ
だ30兆円もの余剰資金があります。個人にいたっ
レイヤーがそれを果たせるとは限りません。
結局は、
ては、その1,400兆円もの金融資産の6割弱が、
ま
経済の大きな変化を、いかに予見し、正しい戦略
だ現預金に眠っているというのが現状であり、日本
を立て、それを着実に実行してきたか、それです
経済の血液循環はよいとはいえません。現預金を
べてが決まると私は考えています。
預かる間接金融だけでは、血液循環の良化は十
日本に訪れた大きな波を着実に捉え、責任を
分に果たせません。リスクテイクに限界があるうえ
持ってさらに大きな波にしていく資格をもったプレイ
に、資金供給先のガバナンスも、十分に働かない
ヤーになるため、私たちは、地道に、そして着々と、
からです。
経営改革を行なってきました。
やはり、血液がしっかりと適切に流れ、
リスクに
見合ったリターンとなるよう企業を統治するには、直
戦略1:持てる機能のそれぞれを「差別化」する
接金融市場がフル稼働しなければなりません。企
私たちは、多様化するニーズを着実に捉え、質の
業と投資家のニーズに対し、マーケットを通してソ
高い商品・サービスをお客様のニーズに合わせて
リューションを提供する私たち大和証券グループの
「創造」し、
タイムリーに供給する戦略を採ってきま
役割と責任は極めて大きくなっています。
した。そのためには、①多様化するニーズを着実
に捉える営業体制の確立、②質の高い商品・サー
6
日本にも長く、持続的な経済成長をもたらすために
ビスを「創造」できる頭脳(情報調査・分析力)と
資金循環へのニーズの高まりは、私たちにとって大
開発体制の構築、③即座に行動できる意思決
きなビジネスチャンスです。それと同時に、今こそ日
定・命令系統の確立、による「差別化」が必要と
本経済への貢献という私たち本来の責任を果た
なります。
す時だといえます。米国は1990年代初頭までに不
まず、①の営業体制の確立のための施策として
良債権問題に決着をつけ、
その後のIT革命にも
は、
リテール分野において、
「エリア・マーケティング
乗って、10年を超える持続的繁栄を果たしました。
体制(母店制)」と「マルチ・チャネル体制(2つの
大和証券グループ アニュアルレポート2004
商品開発・供給
販売
券グル
価値連
運用
リサーチ
お取引コース)」を融合させた新しい営業体制を
証券内では母店制の導入にあたってインターナ
確立させました。一方、ホールセール分野では、日
ル・ホールセラーという新しい職務を創設し、母店
本初の大手証券・メガバンク間の連携体制を築き
と本部のマーケティング部門の連携強化を図って
上げました。
います。大和証券SMBC内では、債券部と金融
②の「質」の面では、グループのシンクタンク
商品開発部との統合を行ないました。
(大和総研)やアセット・マネジメント会社(大和証
券投資信託委託、大和住銀投信投資顧問)では
確信につながる実績
成果主義導入などでレベルアップを図る一方で、
戦略がいかに合理性を持とうとも、成果につながら
ホールセール証券会社(大和証券SMBC)にお
なければ何の意味も持ちません。私はここ数年、
いては、各業界に精通したアナリスト集団である産
大和証券グループが自信をもって進めてきた戦略
業調査部(現 事業調査部)を設置しました。また、
が、着実に実を結び始めたと思っています。特に
リテール(大和証券)、ホールセールに限らず、全
2003年度は、こうした自信が「確信」に変わった
営業員の研修と教育の強化による質の向上に全
年だと感じています。
力をあげてきました。③の組織系統の面では、マ
まず2003年度において、大和証券の顧客資産
ネージャーレベルへの権限委譲を進めてきました。
が、ついにバブル期の水準を超えました。景気が
これら3つのいずれもが、導入の時期、改革のス
回復したとはいえ、株価水準ではバブル期に遠く
ピードと程度の双方において、業界内で十分な差
及ばないのが現状であることから、
この成果は、既
別化を図ることができたと私は考えています。私た
述した私たちの改革が奏功したことによるものと考
ちの戦略は、
「ボリュームNo.1」を目指すという売
えています。総合証券会社は、オンライン専業証
る側の論理に立った営業から、
「クオリティNo.1」
券会社の飛躍で衰退するというようなことも一時い
「生産性No.1」を目指すことで、お客様の視点に
立った営業に転換することであったといえます。
われていましたが、実際には、大和証券のオンライ
ン口座数は、大手総合証券の中ではNo.1、オンラ
イン専業証券を入れても高い伸び率を2003年度に
戦略2:価値連鎖を生み出す
おいて示しています。
私たちは、○販売、○商品・サービスの開発および
ホールセール事業でも、成果は着々とあがって
供給、○リサーチ、のそれぞれの機能を向上させ
います。具体例としては、2003年度までの4年間、
てきただけではありません。この3つの機能を有機
主幹事リーグテーブルにおけるシェアが、普通社債
的に結合することで、それぞれの機能向上の成果
においては18.2%から22.2%へ、公募・売出しにお
を極大化する取組みも行なってきました。たとえば、
いては6.9%から28.2%へ、新規公開においては
最大の商品供給元である大和証券SMBCと大和
17.1%から26.8%へ 、
それぞれ上昇しました。特に、
証券の連携はもちろんのこと、投資信託の設定・運
普通社債においては、2001年度から2003年度ま
用を行なうアセット・マネジメント会社と大和証券と
で3年連続してトップシェアとなっています。
の連携や機関投資家向け営業における大和証券
そして、大和証券グループの今後の「成長の源
SMBCと大和総研との連携などです。また、大和
泉」であると考えていた「頭脳」部分のレベルアッ
CEOからのメッセージ
7
これまでの改革が奏功し、
着実に成果が現れてきた
プです。過去3年向上してきていた大和総研のア
券会社である大和証券にも拡大することとしまし
ナリスト・エコノミストランキングが、2003年にはつい
た。また、2003年度において、高度なコンサルティ
に1位となりました。また、アセット・マネジメント分野
ング能力を兼ね備えた営業員を選抜する作業を
では、大和住銀投信投資顧問が、その運用手腕
進め、本年4月には上席コンサルタントとして170名
を認められ、日本郵政公社の郵便貯金・簡易保
を、大都市圏の営業店を中心に配置しました。上
険両資金の日本株委託運用先に指定されました。
席コンサルタントは、2005年度末までに600名程度
これらすべてのことが、預り資産の増大や業績の
に増員する予定です。また高付加価値サービス
向上につながっていることは疑う余地がありませ
の提供のために、
ラップビジネスの導入準備を進め
ん。差別化戦略、価値連鎖戦略による成果である
ています。加えて、証券仲介業に関しては、本年
と、私は申し上げたいと思います。
12月に予定されている銀行への解禁も考慮し、す
でに解禁された事業会社等はもちろんのこと、いく
つかの金融機関との連携の可能性についても模
課題と対応策
索しています。
総論
トレーディング収益の一層の向上
確信を持てたことは事実ですが、決して油断はし
トレーディング収益については、水準・安定性の双
ていません。冒頭にも述べたとおり、
業績の改善は、
方が、
ここ数年急速に回復してきましたが、それで
株式市場の回復による部分も大きいのです。成果
もまだ業界最大手との格差を明確に縮めるまでに
のすべてが、自助努力によるものだとは考えていま
はいたっていません。トレーディングにおける収益
せん。外部環境の改善に隠された積み残し課題
力向上には、執行能力の向上はもちろんのこと、ス
をしっかりと見つめ、謙虚に反省し、対応策を講じ
トックレンディング(株券等貸借取引)ビジネスの
ていくことこそが、経営者の責務であると私は自覚
拡大などを通じて、お客様とのコミュニケーションを
しています。
強化し、ニーズを把握することも重要です。既述し
てきたマーケティング体制の改革や価値連鎖の戦
各論
略は必ず顧客基盤の一層の拡大にもつながるも
リテールにおける富裕層・法人のお客様の開拓:
のであることから、
まずは、これらの基本戦略を継
上席コンサルタントの配置、
ラップビジネスへの対応、
続し、
さらに加速させたいと考えます。
証券仲介業解禁に伴う新たなる連携
8
現状、最も迅速に対応すべき課題は、
リテール事
アセット・マネジメント事業の建て直し
業における富裕層・法人のお客様の開拓だと認識
既述したとおり、当該部門では、年金運用で差別
しています。これに対しては、既にいくつかの手を
化できているものの、投資信託業務の差別化はま
打っています。ひとつは、従来、ホールセール事業
だまだ満足にはほど遠いものです。しかし、徹底的
を中心に行なっていた三井住友銀行との連携を、
なコスト効率の向上努力が実を結んできたところ
特に法人のお客様の開拓を図るため、
リテール証
に、事業環境が底を打ち、
ようやく最悪期を脱しま
大和証券グループ アニュアルレポート2004
富裕層・法人のお客様の開拓は、
○ 上席コンサルタン
トの配置
○ラ
ップビジネスの展開
○ 幅広い連携
が3本柱
した。安定収益源の拡大、すなわち大和証券グ
CSR(社会的責任)への取組み
ループの収益の「質の向上」と「グループ全体へ
の波及効果」
(価値連鎖)という点で、アセット・マ
「企業の社会的責任」という言葉は何も新しい言
ネジメント事業の再構築は不可欠です。成果主義
葉ではありません。ただ、今問われている「CSR」
の徹底によるファンドマネージャーの意識改革およ
は、明らかに以前の議論とは異なります。
び運用ファンド数の見直しなどにより、運用パフォー
マンスの向上を図り、収益性を高めていきます。
現在、私たちの社会・経済は、
「生産者」から
「消費者」の視点へ、
「官」から「民」の視点へ、
大量生産と消費にもとづく「開発」から「情報」
「環境」の視点へと、大きく構造を転換することが
コーポレート・ガバナンス
求められています。この変革の実現に企業の果た
す役割が大きいことはいうまでもありません。
委員会等設置会社への移行
大和証券グループでは、CSRを 責任 といっ
そもそもマーケットの声をきくことは、私たちの本業
た受身で捉えるのではなく、自らの社会的 信頼
である証券ビジネスの第一歩ですので、「株主主
を積極的に創っていく戦略であると考えています。
権による企業統治」の概念は十分に認識していま
CSRを競争力に変えうる企業こそが、
こうしたパラ
す。また、マーケットの声以上に効率的なものさし
ダイム変化の中でビジネスチャンスを捉えることが
は見出せないと考えています。
でき、その永続的な発展が可能となるからです。
これまで大和証券グループでは、戦略策定を担
また、CSRとは広義のコーポレート・ガバナンスの
う取締役会と、業務執行を担う「経営会議」
「執
ことを意味します。企業は、自らを取り巻く多様な
行役員会議」を軸に、経営諮問委員会や報酬委
ステークホルダーの要請に応え、そして信頼を得
員会によるガバナンスを行なってきました。2004年
るために、自らの事業活動が経済・社会・環境に
度において、持株会社である大和証券グループ本
及ぼす影響を考慮した経営を行なわなければな
社が「委員会等設置会社」に移行し、監督と業
りません。
務執行の機能を明確に分離しました。委員会等
こうした考えのもと、大和証券グループでは、メセ
設置会社では、商法の定めにより過半数が社外取
ナ活動やボランティア活動といった社会貢献活動
締役で構成される「指名委員会」
「監査委員会」
はもちろんのこと、本業である証券業を通じたCSR
「報酬委員会」
の設置が義務付けられていますが、
への取組みを積極的に進めています。CSRの視
こうした監督機能により、経営の透明性をさらに高
点から投資先企業を選別するSRI(社会的責任
めていきます。
投資)ファンドの充実や、青少年への経済・金融
教育へのサポート、大学・大学院との金融先端技
術の共同研究などに力を入れています。
CEOからのメッセージ
9
株主・投資家の皆様へ
従業員へのメッセージ
右肩上がりの経済であった時には、大幅な赤字と
厳しい環境下、原 前社長は、大和証券グループ
黒字の繰り返しという「揺れ動く経営」をしていて
の経営基盤を磐石なものとすべく全力をあげ、成
も存続は可能でした。しかし先進国の経済が成
果を残しました。私のミッションは、
この経営基盤を
熟した今日、
「経営効率の徹底的向上」と「差別
土台として、大きく拡大しつつあるビジネスチャンス
化」を進めることで、成長と安定の両立を実現す
を着実に捉えるべく、さらに「アグレッシブ」かつ
ることは不可欠です。そうすることが唯一、企業価
「機動的」な経営を行なうことだと認識しています。
値を高めることであると私は認識しています。
いうまでもなく、金融ビジネスでは人材がすべてで
これまで述べてきたとおり、大和証券グループは
す。競争に打ち勝ち、お客様から圧倒的な支持を
不退転の決意でさまざまな改革を行ない、その成
得るためには、次の2つにおいて他社を凌駕せね
果が着実に現れてきました。これまで当社グルー
ばなりません。ひとつは、金融のプロフェッショナル
プでは、中期的なROEのターゲットを12%程度とし
としての「高いスキル」、
もうひとつは、誇りに裏打
ていました。しかし株価の上昇に伴い純資産倍率
ちされた「情熱」です。当社グループでは、プロ
が上昇したことで、株主様の実質リターンが、名目
フェッショナルとしてのスキルを極めるための教育・
的なROEより低下していることも事実です。このこ
研修を徹底的に充実させます。また、人事・報酬
とを勘案し、
さらに中長期的なROEのターゲットを
体系の改革をさらに進めることでモチベーションの
引き上げる必要性を感じています。当面の目標と
向上を図ります。
しては、安定的に15%程度を達成していくことを
考えています。
大和のDNAを核に、最強のプロフェッショナリズ
ムを確立することができれば、いかなる環境におい
当社グループはこれまで資本不足の状態にあり
ても、間違いなく競争に勝ち抜いていけます。その
ましたが、改革の成果が出てきたことに伴い、今後
ために、私は、
より早く、
より強く、
より深く、
より分か
は資本余剰に転換する見込みです。この余剰部
りやすい経営を行なっていきます。大和証券グ
分を、高い投資効率が期待できる事業に振り分け
ループの飛躍を目指し、
ともに頑張りましょう。
る、そして株主様に還元する、
という2つの手法の
ベストミックスで臨むことで、資本を無駄に眠らせない
2004年7月
ようにすることもまた、経営者である私の責務です。
大和証券グループ本社
執行役社長
なお、2003年度は、成果の配分として、1株当たり
鈴木 茂晴
配当金を4円増配し、10円とさせていただきました。
資本不足から余剰への転換期
高いリターンが見込める事業への投資と株主還元を適切に行ない、
無駄な資本を持たないROE経営を徹底する
10
大和証券グループ アニュアルレポート2004
特集:私たちの成長戦略
〜Time to Catch the Big Wave〜
12 第一部 国内環境の変化に対応した事業戦略
19 第二部 国際環境の変化に対応した地域戦略
特集:私たちの成長戦略
〜Time to Catch the Big Wave〜
第一部 国内環境の変化に対応した事業戦略
国内における環境の変化
3つの過剰問題
長続きするのでは、
という見方が広がりました。
バブル崩壊以降の十年余りの間、日本経済は出口
加えて、日本の経済成長のパターンにも変化が
の見えないトンネルの中に迷い込んでいたといって
みられました。バブル崩壊以降、輸出頼みの小さ
も過言ではありません。政府が幾度も大規模な財
な景気回復があっては、
また落ち込むという脆弱体
政支出を行ない、景気を刺激したにもかかわらず、
質から抜け出せなかった日本経済ですが、DVD
経済が本格的に浮上するまでにはいたりませんで
レコーダー、デジタルカメラ、薄型テレビといった、い
した。これは、設備、雇用、債務という「3つの過剰」
わゆる「新三種の神器」およびその周辺機器が国
が大きな重石となっていたからにほかなりません。
内市場において期待以上の成長をみせました。こ
れらは、日本が技術的に先行し、世界的にもまだま
設備過剰感のピークアウトと
企業の先行き見通しの改善
だ市場ポテンシャルが大きく、優位性の高い大ヒッ
長い年月はかかりましたが、この3つの過剰問題
通しの改善につながり、設備投資は、2003年度第
はようやく峠を越えたようです。まず設備の過剰に
2四半期以降、大幅な増加トレンドに転じました。
ト商品と呼べるものです。こうしたことが、企業見
ついては2002年度前半にはすでに峠を越えてお
り、民間設備投資が増加に転じるかどうかは、企
回復の勢いは、雇用情勢にも波及
業サイドの先行きに対する自信次第という状況に
この状態を受けて、なかなか悪化傾向から抜け出
ありました。米国一国が世界経済を引っ張る状態
ることができなかった雇用情勢にも変化がみられま
では、企業の先行きに対する見通しは、はっきりと
した。完全失業率が、2003年度第2四半期から低
明るいとはいえない状況であったと思われます。
下し始めたのです。失業率の低下は、
タイムラグを
しかし、2003年度に入り、中国を中心とするアジア
おいて、当然のように消費にも好影響を与えます。
圏の経済回復は本物であり、想定していた以上に
実際、第4四半期あたりから、小売売上など消費関
過剰設備のピークアウト
雇用状況も改善へ
20
5.6(%)
完全失業率
5.4
15
5.2
10
全産業・全規模 生産・営業用設備DI
5
0
4.8
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q
2000年度
2001年度
出所:日本銀行
12
5.0
(「過剰」−「不足」)
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2002年度
2003年度
4.6
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
2001年度
2002年度
2003年度
出所:総務省
てきました。こうしたことは、バブル崩壊以降、低迷
資金需要・財務リストラ需要の盛り上がりと
多様化および高度化
の一途をたどっていた内需にも刺激を与える可能
このような状況で、日本にはおよそ十数年ぶりに本
性が強く、
さらに企業の景気回復への見通しを改
格的に設備能力拡大、設備更新といった「前向き
善させ、設備投資を増加させるという好循環を生
の資金需要」が出始めています。ただ、いくら過
み出しています。
剰債務問題が一山越えたといっても、バランスシー
連の統計に、底打ち反転を示唆するものが増加し
トを拡大させられるレベルの企業は限定的であり、
過剰債務問題も全体ではほぼ解消
従来以上に資金調達の手法には創意工夫が必
もともと、設備よりも先に過剰感がピークアウトした
要となっており、ニーズは多様化しています。また、
のは債務です。全企業の負債のキャッシュフロー
IT時代においては、行動が迅速であることが重
に対する倍率は、1999年からの2年間で大幅に低
要であり、従来のように時間をかけて設備や事業
下しました。これは主として財務面のリストラクチャ
を拡大するだけではなく、既存設備や事業の買収
リングの成果です。全企業ベースでの同倍率は、
へのニーズも高まってきています。一方、財務リス
すでに、バブル以前の水準にまで低下しています。
トラのニーズもまだ根強いものがあります。前述し
ただし、規模別にみると、
まだまだ差が大きいことが
たように、
とりわけ中小・中堅企業に、一層のバラン
わかります。資本金10億円以上の大企業の場合、
スシート改革が必要です。
負債/キャッシュフロー比率は1980年の水準以下
このように対企業では、お客様との接点をいか
にまで低下しているのに対し、中小・中堅企業につ
に拡大するか、そしてニーズの多様化と高度化に
いてはまだ1990年代初頭の水準にあり、財務リス
いかに対応していくかによって、直接金融業者の
トラが十分とはいえない状況です。とはいえ、日本
生死が分かれるといっても過言ではありません。
全体で捉えれば、過剰債務も峠を越えたといえる
運用ニーズの回復と多様化
でしょう。
続いて、資金を供給する側の状況に目を転じてみ
過剰債務問題の解消
ましょう。日本の場合、個人の金融資産は1990年
20(倍)
末の1,049兆円から2003年度末には1,412兆円へ
と拡大しています。しかし、この増加分の大半は
15
現預金という形で滞留しており、
リスク商品へのマ
10
ネー流入はほとんどなかったというのが現状です。
この結果、1990年末には46%であった個人金融
負債/キャッシュフロー 比率
5
資産全体に占める現預金の割合が、2003年度末
全規模
大企業(資本金10億円以上)
中小・中堅企業(資本金10億円未満)
0
1980
1985
1990
1995
出所:財務省
特集:私たちの成長戦略 〜Time to Catch the Big Wave〜
第一部 国内環境の変化に対応した事業戦略
には55%まで上昇しました。長引く不況で企業の
2000年
資金需要が一向に盛り上がりをみせなかったこと
13
業界の優勝劣敗を決めるのは、
○ お客様との接点の拡大
○ 多様化・高度化するニーズへの対応
○ サービスの質における差別化の度合い
が背景のひとつです。また、第二次世界大戦後か
金融業界フレームワークの変化
ら1980年代半ばまで日本の経済成長が右肩上が
資金の供給サイド、需要サイドのニーズがそれぞれ
りにあったため、高金利の状態が長く続き、個人
に高まっていることは、証券会社にとって喜ばしい
サイドに利回り選好という発想がなかなか生まれな
ことではありますが、その一方で、金融ビッグバンに
かったことも一因といえます。
よる規制緩和の進展もまた加速し、競争が一層激
しかし、状況は変わりつつあります。長引く低金
化しているということにも留意が必要です。たとえ
利に業を煮やし始めた個人投資家が、
リスクを十
ば、低い手数料率を武器にオンライン専業証券会
分考慮したうえで利回りを追求し始めたのです。
社が成長してきました。またそれ以外にも、金融の
また、通貨分散や運用目的別のポートフォリオ構
垣根は次々と取り払われており、事業会社の参入
築に対する意識も高まってきました。個人向けビジ
に加えて、金融業界内部、つまり銀行、信託銀行、
ネスでもやはり、○お客様との接点の拡大、○ニーズ
証券、保険を規制する枠組みも撤廃されつつあり
の多様化・高度化への対応、が直接金融に携わ
ます。こうした流れは、今後も加速することはあっ
る者にとって重要となっています。さらに、○金融商
てもとどまることはないという認識で、私たちは勝ち
品を販売する前と後のサービスの質の向上、
も重
残るための競争に臨まなければなりません。私た
要です。これまで商品説明が不十分で、アフター
ちにとって「差別化」を図ることが生き残るために
フォローが不徹底であった日本証券業界が、個人
不可欠な要素となっているのです。
投資家の不信感を払拭できなかった面があること
を否定できないからです。
日・米個人金融資産構造の比較(2004年3月末時点)
その他 3.7%
その他
3.2%
現預金
13.0%
保険・年金
保険・年金 27.9%
日本
1,412兆円
債券
30.0%
8.3%
米国
55.2% 現預金
34.9兆ドル
8.2%
株式・出資金
33.1%
投信 2.3% 2.6% 債券
出所:日本銀行
14
大和証券グループ アニュアルレポート2004
株式・出資金
出所:米連邦準備制度理事会(FRB)
12.5% 投信
大和証券グループの事業戦略
これまで述べてきたような外部環境の変化を大和
に600名程度に増員する予定です。これにより、大
証券グループはいち早く予測し、以下のような改革
和証券の営業体制は三分化され、
「富裕層・法人
を業界他社に先駆けて行なってきました。また今
のお客様層」
「資産形成層」
「資産運用層」など、
後も優位性を維持し、
さらに拡大するために、次々
セグメントごとのニーズに合わせた、
きめ細かなフォ
と新しい施策を打ち出していきます(詳細につい
ローアップが可能となります。このことは単に「営
ては、本アニュアルレポートの「事業概況」をご覧
業強化(お客様との接点の拡大)
」につながるだ
ください)。
けでなく、
「サービスの良質化」
「営業効率の向上」
という一石三鳥の効果をもたらします。
1. ハード面の改革
1)マーケティング改革
まず行なったのはマーケティング改革です。これは
主として、お客様のニーズを的確に捉えるための
新営業体制は、顧客層の拡大に加え、
サービスの良質化、営業効率の向上という
一石三鳥の効果をもたらす
「マーケティング戦略・チャネル戦略」、多様化・高
度化するニーズに応える「商品・サービス戦略」に
二分することができます。
一方、ホールセール事業では、日本で初めて、メガ
バンク
(三井住友銀行グループ)との合弁会社を
①マーケティング体制
設立しました。両者の連携による収益は年々増加
まずリテール事業では、
「母店制」というエリア・
してきており、2003年度においては当社グループ
マーケティングと「取引コースの多元化(マルチ・
全体で500億円弱と、1999年度の約6倍に拡大し
チャネル)」を融合させた営業体制を確立させま
ています。銀行が持つ顧客基盤と私たちが持つ
した。この2つを組み合わせているのは、日本の証
商品・サービス力、あるいはその逆の「相互補完」
券業界の中で大和証券グループだけであると認識
によるものです。連携効果が出ている分野は、引
しています。
受、
IPO、M&A、ストラクチャード・ファイナンス、デ
さらに、2004年度からは新しい営業体制に移行
リバティブなど多岐にわたっています。さらに、評価
しています。顧客セグメントに応じた営業体制をよ
体系や組織の改革を継続的に行なっており、連携
り進歩させる、セグメントごとのニーズに応じて、
よ
効果はますます拡大していくものと、私たちは考え
り高度なコンサルティング営業を展開するための移
ています。
行です。新営業体制のもとでは、金融・財務など幅
広い専門知識を有するプロフェッショナルな人材
170名を選抜し、2004年4月から大都市圏の営業
店を中心に設置した「上席コンサルタント課(部)」
効果があるから連携する
しかし効果の度合いは連携の仕方によって違う
に配置しました。この有資格者を2005年度末まで
特集:私たちの成長戦略 〜Time to Catch the Big Wave〜
第一部 国内環境の変化に対応した事業戦略
15
このような証券・銀行間の強力な連携が、当社
ト・マネジメントといった各事業間や、事業内のさま
グループの優位性向上につながるものと考えてお
ざまなセグメント間において「価値連鎖」という付
り、2004年度からは、この連携のフレームワークに
加価値の創出を重視しています。
リテールの大和証券を加えることで、全国規模で
の法人のお客様作りを図っていきます。
たとえばアセット・マネジメント事業は、信託報酬
という比較的安定した収益源を有している反面、
その事業を単独でみた場合、収益性が必ずしも高
②商品戦略
いとはいい切れません。しかし、同事業がお客様
金融業の場合、新しい商品を開発しても、他社が
のニーズに適った金融商品を開発・提供すること
追随しやすく、商品が陳腐化しやすいという現実
で、グループ全体として高い収益性を維持するこ
があります。やはり、商品戦略での優位性維持の
とが可能となります。また、大和総研が高度な調
鍵を握るのは「品揃え」と「提案力」です。大和
査・分析とシステム開発を行なうことで、やはりグ
証券では、すべてのチャネルで同一の商品を提供
ループ全体の収益性向上をもたらします。
するという業界で稀有な戦略を採っています。
また、
当社グループは、情報システムの共有化を図る
大和証券SMBCの事業調査部や大和総研など、
ことで、事業の分散と収益性・成長性の相反の解
グループ内の情報インフラを整備することで、グ
消を図っています。たとえば、
リテール事業におけ
ループ全体としての提案力を一層高めています。
る「オンライン事業」と「対面営業」の関係です。
つまり、頭脳部分における差別化そのものを商品
手数料が相対的に低いオンライン事業では、
とくに
力の差別化につなげようという発想です。
情報インフラ投資の負担が重くなります。これを解
消するために、大和証券では情報インフラの共有
化*を図っています。こうすることで、オンライン事業
品揃え、提案力で他社と差別化
における情報システム投資への負担が軽減される
とともに、他のオンライン専業証券会社以上に高度
2)事業ポートフォリオ改革
な情報をお客様に提供するという「差別化」を実
企業価値極大化のためには、
「利益成長性」
「収
現しています。
益性」に加えて、業績の「安定性」にも配慮する
*共有化は、情報の核となる部分におけるものであり、実際に提供して
ことが肝要です。大和証券グループは、事業ポー
いる情報の質と量はチャネルによって異なっています。
トフォリオの分散化により、業績の安定性の確保に
注力してきました。しかし、事業ポートフォリオの分
散は、時として「利益成長性」や「収益性」を低
価値連鎖により
下させることにつながる場合があります。このため、
付加価値を創出する
当社グループでは、
リテール、ホールセール、アセッ
16
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2. ソフト面の改革
2)情報改革
1)人事改革
情報インフラを共有化することで投資負担を軽減
ハード面がいくら充実しても、それをどう活かすか
し、収益性の向上を図るという戦略については、
は人次第です。とりわけ金融業の場合は、人が
前述のとおりです。ここでいう情報改革は、情報の
最大の財産といっても過言ではありません。ニー
インフラと機能そのものの高度化により、営業力の
ズが多様化している今日、いくらハードを対応さ
向上を図るための改革です。たとえば大和証券で
せても、マニュアルどおりに動くだけではもはや通
は、2001年度から導入した「CRM(Customer
用しません。社員に個としての自立意識を持た
Relationship Management)システム」を年々
せることが、企業としての成功につながるのです。
進歩させてきました。現在このシステムには、顧客
このような考えのもと、たとえば大和証券では、各
情報だけでなく、優れた成功事例のアクションプロ
エリアやグループの長への権限委譲を進めてい
セスも反映されており、営業員の支援ツールとして
ます。また、グループ全体で2003年度に成果主
欠かせないものとなっています。また、大和証券
義を徹底させた人事報酬体系を導入しました。
SMBCにおいては、2002年7月に企業動向、企業
一年間は移行期間としていましたが、2004年度
財務および企業評価に関する調査、研究などを行
からは本格稼働します。この新人事報酬体系の
なう産業調査部(現 事業調査部)を新設しまし
導入により、社員個々の自立は、一層促進される
た。ここでの調査・分析が、大和証券SMBCの投
ものと考えています。
資銀行業務におけるオリジネーション支援に大きく
貢献しています。
人材と情報力の向上が差別化を促進させる
特集:私たちの成長戦略 〜Time to Catch the Big Wave〜
第一部 国内環境の変化に対応した事業戦略
17
過去の成功例が教える
大和証券グループの経営改革の妥当性
3. 米国の金融改革成功例との照合
4. 資本の充実が次のステージでの鍵
現在の日本の金融業界の状況は、ある意味で、
私たちは常に次のステージを見据えています。米
米国の1990年代半ばによく似ています。米国でも
国金融業界は、 バンクワン と JPモルガン の
不良債権問題が峠を越えた1990年代半ばから
合併にみられるように、新たな金融変革ステージに
「経営モデル改革」が起こり、差別化に成功した
入り始めました。
「差別化による優勝劣敗」の後に
企業がシェアを急速に拡大させました。代表的な
は「外から成長力を買ってくる」という時代が必ず
事例としてあげられるのは、CRMを活用したクロス
日本にも来ると考えています。そのときのために、
セル・マーケティングで名をはせた シティ
・グループ
やはり資本の充実は欠かせません。幸い、当社グ
ウェルズファーゴ などです。これらの事例に共通
ループでは、収益力の向上などによって、今後は余
しているのは、
「お客様の視点に立った新しいマー
裕資本が生じる見込みとなってきました。ROEを
ケティング手法」と「効率経営」です。
低下させないように一部を株主に還元する、
もしく
私たち大和証券グループが行なってきた改革も
また、
こうした発想から生まれたもので、
リテールで
は、成長力を外から買って成長率・収益性を引き
上げるということも考えています。
は「エリア・マーケティング」
「マルチ・チャネル」
「バックオフィスの集約」など、
またホールセールを
含むグループ全体では「情報インフラの共有化・高
度化」
「人材の高度専門職化や成果主義の徹底」
などの改革を次々と行なってきました。大和証券
グループは自信をもって、現在の改革路線を突き
進みます。
大和証券グループは
金融改革の次のステージをも見据えている
18
大和証券グループ アニュアルレポート2004
特集:私たちの成長戦略
〜Time to Catch the Big Wave〜
第二部 国際環境の変化に対応した地域戦略
海外における環境の変化
アジアにおける経済成長性の急速な高まり
資金流入が活発化
米国、EU、日本などの先進諸国の経済が成熟す
アジアは証券業界にとっても重要な地域となってき
る中で、アジア諸国の成長ポテンシャルがますます
ました。中国、香港、台湾、韓国およびインドの株
高まりをみせています。東アジア経済圏(日本、中
式市場の時価総額は合計で、日本の東証一部の
国、韓国およびASEAN10カ国)のGDPは6.3兆ド
それに肉薄するまでに成長してきました。経済の
ルと、EU15カ国の8兆ドル(2003年、EUは2004年
成長ポテンシャルが一段と高まっていることに加え
7月末現在25カ国)に迫る状況となってきました。
て、外貨準備高が急増、通貨の切り上げ圧力が
上昇していることも、投資資金をアジアに呼び込ん
安定性が格段に向上
でいる要因と思われます。各地域内では株高に伴
日本を除くアジアの経済成長性の高さは今に始
い、企業の資金調達も活発化しています。当社グ
まったわけではありませんが、近年、その中身が大
ループでは、アジアのなかでも、
とりわけ中国に注
きく変わっていることに私たちは注目しています。
目しています。
これまでは、世界の工場としての色合いが強く、主
要輸出先である先進国の需要動向に影響されて
いたことから、アジア地域の経済はぶれが大きいと
いう脆弱さがありました。しかし、中国を中心に一
大経済圏が築き上げられ始めたことや生活水準
の高まりなどを受けて、アジアは生産基地としての
重要性に加えて、消費地という面でも急速に存在
感を増し、世界の一大マーケットとして立ち上がっ
てきています。
欧・米・アジアのGDP成長率
中国・香港・台湾・韓国・インドの株式時価総額合計
250,000(十億円)
8.0(%)
ASEAN
6.0
200,000
4.0
米国
150,000
EU15カ国
2.0
0
0
2002
2003
2004
(予想)
2005年度
(予想)
出所:ADB、OECD、大和総研
1999
2000
2001
2002
2003年
注:韓国、香港は全上場株、
インドはボンベイ、台湾は一部、二部合計、
中国はA株、B株合計
出所:ADB、OECD、大和総研
特集:私たちの成長戦略 〜Time to Catch the Big Wave〜
第二部 国際環境の変化に対応した地域戦略
19
大和証券グループのアジアにおける実績
さらに確固たる地位を確立する
の投資信託として過去最大のファンドに成長して
大和証券グループは、アジアにおいて着々とその
います。
基盤を強化してきています。まず、債券部門では、
また、当社グループにとってアジア地域は、目覚
円債においてベスト主幹事に、
ドル債においても
しい成長を示しているだけではなく、すでに収益
シティ
・グループ 、 ゴールドマン・サックス に続
貢献面でも無視できない存在になっているほか、収
いて第3位(国内証券ではトップ)と、国内同業他
益性の面では、国内同業他社をリードしていると自
社に対して圧倒的地位にあります。さらに、国内
負しています。2003年度においては、POWL*を通
投資家向け販売実績でも第1位となっています
じて資金調達を行なったアジア企業8社のうち、大
(いずれも『ユーロウィーク』誌 2003年アウォード)
。
和証券SMBCは5社の主幹事を務めました。今後
今日、アジアの中心的存在となってきた中国にお
も中国を最重点地域の中心に据えつつ、アジア地
いても、当社グループは、着々とその地位を向上さ
域に経営資源を積極的に投入していきたいと考え
せています。大和住銀投信投資顧問が設定した
ています。
トンフェイ
「チャイナ騰飛 」が、日本における中国株式関連
*POWL
(Public Offering Without Listing)とは、国内非上場公募
のことで、外国企業が日本の取引所に上場せずに株式を販売できる
仕組み。
大和証券グループは、
アジアにおいても取引と収益面で
他社をリードしています
中国関連投信純資産残高の状況(2004年6月末)
大和証券投資信託委託
アジア・オセアニアの業績(経常損益ベース)
2,000(百万円)
カーマ
ダイワ・ハイブリッド・エクイティ
・オープン
(デジタル・凱馬)
557億円
ダイワ・チャイナ・ファンド
185億円
中国関連・日本株オープン
(チャイナパワー)
389億円
大和住銀投信投資顧問
1,500
1,000
500
0
チャイナ騰飛
981億円
-500
2001
20
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2002
2003年度
事業概況
22 グループ全体像
24 マーケッ
ト・ポジション
26 事業別・グループ会社別概況
事業概況:
グループ全体像
「販売」
「商品・サービスの開発および供給」
「リサーチ」の強い有機的結合により、
グループ企業価値の極大化を目指します
対象
提供ソリューション
個人
■
最適資産運用のためのアドバイスと商品・サービスの提供
提供商品・サービス
株式、債券、投資信託、保険商品など
機関投資家
■
最適資産運用のためのアドバイスと商品・サービスの提供
提供商品・サービス
株式、債券、仕組債など
企業
■ 企業価値最大化のための財務戦略へのアドバイスと商品・サービスの提供
提供商品・サービス
株式・債券発行による資金調達
プリンシパル・ファイナンス
ストラクチャード・ファイナンス
M&Aなど
22
企業、
投資ファンド等
■
直接投資
全お客様
(間接的関与)
■
証券事務代行、店舗管理など大和証券グループの補助業務
大和証券グループ アニュアルレポート2004
ソリューション提供に関与する
大和証券グループの部門
機能
主要グループ会社
リテール
販売
大和証券
大和証券SMBC
商品供給
供給
給・運用
大和証券SMBC
大和証券投資信託委託
大和住銀投信投資顧問
ホール
ルセール
アセット・マネ
ネジメント
大和証券グループの
価値連鎖
リサーチ、
システ
テ
テム、
コンサルティング
グ
ベンチャー・キャピタル
ル
サポート
事業概況:グループ全体像
シンクタンク
ンクタン
(調査・分析
分析)
大和総研
投資
大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ
エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ
証券事務代行
店舗管理
大和証券ビジネスセンター
大和プロパティ
23
事業概況:
マーケット・ポジション
高い「クオリティ」と「生産性」により、
確固たる業界プレゼンスを獲得しています
2003年度シェア
大和証券グループのシェア推移
国内普通社債
大和証券
SMBC
その他
三井住友銀行との連携効果により、多くの
実績をあげています。
す 2003年度も多数の大
型案件を獲得し、
3年連続1位となりました。
18%
40(%)
シェア(左軸)
募集金額(右軸)
(億円)20,000
22%
日興シティ
グループ
12%
証券
30
15,000
20
10,000
10
5,000
19% 野村證券
三菱証券
13%
16%
0
みずほ証券
出所:大和証券SMBC(条件決定日ベース)
公募・売出し
その他
30(%)
11%
日本電気(1,941億円)、
フジテレビジョン
(1,259億円)
などの大型案件を手がけました。
35%
日興シティ
グループ
証券
野村證券
26%
28%
出所:大和証券SMBC(払込日ベース)
N E Cエレクトロニクス(1,554億円)、太陽
生命保険(768億円)
などの大型案件を手
がけました。
8%
2001
2002
シェア(左軸)
募集金額(右軸)
2003年度
(億円)6,000
5,000
20
4,000
15
3,000
10
2,000
5
1,000
0
0
1999
その他
モルガン・
スタンレー
証券
13%
2000
25
大和証券SMBC
新規公開
0
1999
50(%)
日興
シティグループ
28% 証券
2000
2001
2002
シェア(左軸)
募集金額(右軸)
2003年度
(億円)5,000
40
4,000
30
3,000
20
2,000
10
1,000
24%
野村證券
27%
大和証券SMBC
出所:大和証券SMBC(公開日ベース)
24
大和証券グループ アニュアルレポート2004
0
0
1999
2000
2001
2002
2003年度
大和証券グループのシェア推移
2003年度シェア
サムライ債
韓国産業銀行(650億円)、
フォルクスワーゲ
日興
シティグループ
27% 証券
その他
26%
ンFSNV(500億円)
などを手がけました。
三菱証券
9%
シェア(左軸)
募集金額(右軸)
(億円)5,000
40
4,000
30
3,000
20
2,000
10
1,000
14%
野村證券
12%
12%
メリルリンチ日本証券
出所:大和証券SMBC(条件決定日ベース)
0
0
1999
大和証券SMBC
国内公募ABSブックランナー
40(%)
2000
2001
2002
シェア(左軸)
募集金額(右軸)
2003年度
(億円)4,000
野村證券
オリエントコーポレーションのオートローン債
権(340億円)、
第5回東京都CLO(30億円)
50(%)
22%
その他
30
3,000
20
2,000
10
1,000
38%
などの証券化を手がけました。
22%
みずほ証券
18%
出所:
トムソンディールウォッチ(払込日ベース)
0
大和証券SMBC
7.2% 大和証券
エクイティ
(東証立会内取引・立会外取引合計)
大和証券SMBC
オンライン取引の急増によりやや低下し
してきて
いるものの、7%超のシェアを確保し
しています
す。
0
1999
2000
2001
2002
2003年度
2002
2003年度
シェア
15(%)
10
5
92.8%
0
出所:大和証券SMBC
その他
事業概況:マーケット・ポジション
1999
2000
2001
25
事業概況:事業別・グループ会社別概況
リテール
大和証券株式会社
取締役社長
鈴木 茂晴
百万円
業績ハイライト
%
2002年度
129,817
2003年度
171,605
対前年度増減率
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年度
127,541
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
126,713
129,311
171,216
32.4%
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
137,966
125,810
136,136
8.2%
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(11,253)
3,500
35,079
902.1%
経常利益(損失) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(11,028)
3,531
35,219
897.2%
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(3,641)
1,047
19,272
1,740.5%
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100
100
100
32.2%
—
要約と視点
●
大和証券は日本を代表するリテール証券会社のひとつです。同社では、母店制を核としたエリア・マー
ケティング戦略のもと、グループ各社のインフラを最大限活用し、お客様のニーズを的確に捉えた商品・
サービスの提供を行なっています。
●
2003年度は、経常利益が前年度の約10倍となり、株主資本利益率は9.8%となりました。
●
2004年度からは、高度な金融知識を有した上席コンサルタントを大都市圏の支店を中心に配置したうえ
で、商品・サービスの拡充を図ることにより、
「コンサルティング営業」をさらに推進します。また、証券仲介
業への取組みを推進することで、
より幅広い層のお客様との取引の拡大を図ります。
事業内容と特色
●
大和証券は、大和証券グループ本社が100%出資
ティング・サービスをお客様に提供し、資産運用に関
する子会社です。グループの中核会社として、リ
するご要望やご相談にお応えしています。
テール証券業務を展開しており、個人のお客様をは
じめとして、ホールセール証券業務を営む大和証券
●
大和証券では、お客様の多様化・高度化するニーズ
SMBCの担当地域外の金融機関、事業会社などの
に的確に対応するべく、店舗、コールセンター、イン
法人のお客様との取引を行なっています。
ターネットという3つのチャネルを通じて、商品・サービ
スを提供しています。また、母店制を核とした「エリ
●
大和証券は、有価証券の売買・取次または代理など
従来の証券業務だけではなく、
リサーチや商品開発
などにおいてグループ各社と連携を図り、そのインフ
ラをフル活用することで、付加価値の高いコンサル
26
大和証券グループ アニュアルレポート2004
ア・マーケティング」に取り組んでいます。
マクロ認識と基本戦略
1. チャネル戦略、マーケティング戦略
超低金利の長期化に加え、医療費負担率の高まり、年
マルチ・チャネル戦略
金保険料の増加など、家計の負担が拡大するなかで、
大和証券では、全国123の店舗網(2004年6月末現
将来への備えとして、
またよりよい生活を営むために、
在、ステーションプラザを含む)、国内最大級のコール
「資産運用」に関する意識がこれまでになく高まりつつ
センター、インターネットという3つのチャネルをベースに、
あります。このような環境変化に加えて、2003年5月頃
「ダイワ・コンサルティング」コースと「ダイワ・ダイレクト」
からの株式市場の活況が後押しし、個人投資家層の
コースという「2つのお取引コース」を提供しています
リスクテイクに対する許容度は確実に高まってきました。
(「3つのサービス・パッケージ」を2003年5月に改編)。
それと同時に資産運用のニーズも多様化・高度化して
これは、対面のコンサルティング・サービスの提供を希
きています。こうしたニーズに的確に対応するため、大
望されるお客様と、希望されないお客様に、サービス・
和証券では、マーケティング体制の強化およびクオリ
手数料体系の異なる選択肢を提供するものです。
ティの高い商品・サービスの提供を目的として、以下の
ような戦略を実施しています。
「ダイワ・ダイレクト」コースでは、他のオンライン専業
証券会社と比較して、商品の品揃え、情報コンテンツ
を含むサービスのクオリティにおいて差別化を図ってい
ます。例えば、同コースのお客様がコールセンター経
由で取引を行なう場合、上場株式の現物・信用取引
はもとより、VWAP-Gトレード、投資信託、外貨建債券、
デュアル・カレンシー債、年金保険など、オンライン専業
「ダイワのオンライントレード」のサービス実施のタイムテーブル
第1弾
■
4月1日〜5月20日
■
第2弾
7月22日
第3弾
8月〜10月
会社四季報
インターネット入金サービス
■ 約定通知メール
■ 大和総研アナリス
トレポート
■ 多機能チャー
ト
■ 投資情報サイ
トのリニューアル
■ ロイ
ターニュース/FISCOニュース/毎日新聞記事/四季報速報
■ 銘柄情報/企業情報/各種ラ
ンキング情報/信用情報の拡充
■ テクニカル分析ツール/テクニカルスク
リーニングツール
■ 登録銘柄一覧画面へのワ
ンクリック登録機能
■ 米国を中心と
した海外株式情報の拡充
■ 株式スク
リーニングツールの拡充
■ 株主優待情報
■ 株式マーケッ
ト分析
■ 株式ポー
トフォリオ分析
■ ライ
フプランシミュレーション
■ 「ダイ
ワ・ダイレクト」コースでの公募・売出株式の取扱い
証券会社にはない多様な金融商品をご用意していま
す。また、2004年度において、オンライントレードの情報
コンテンツ・サービスを大幅に拡充します。具体的には、
大和総研のアナリストレポートの提供、多機能チャート
などの株式分析ツールや海外株式情報の拡充など、
情報コンテンツをさらにグレードアップするとともに、オン
ライントレード画面の大幅リニューアルによる操作性の
向上や取引機能の強化などを進め、
さらなるサービス
の向上を図ります。
http://www.daiwa.co.jp/ja/access/onlinetrade/service/index.html
事業概況:事業別・グループ会社別概況 リテール
大和証券株式会社
27
事業概況:事業別・グループ会社別概況
リテール
大和証券株式会社
地域の特性にも配慮したマーケティング体制
2004年度より新営業体制へ
現在、大和証券では、全国の店舗網を13エリア、14グ
お客様のニーズに応じたきめ細かな対応と、コンサル
ループに区分した、母店制によるエリア・マーケティング
ティング営業への移行をこれまで以上に促進するた
に取り組んでいます*。これらのエリア、グループの長
め、大和証券では、2004年4月より、
これまでの営業体
(母店長)に権限委譲を行なうことで、各地域の特性
制をより進化させた新営業体制へと移行しました。具
等にもとづき、質の高い商品・サービスを機動的に提供
体的には、金融・税務など幅広い専門知識を有する
することが可能となっています。また、母店制とともに
プロフェッショナルを選抜し、大都市圏の支店を中心
「インターナル・ホールセラー」を配置しました。インター
に新設した「上席コンサルタント課(部)」に配置しま
ナル・ホールセラーは、各エリア、グループと本部をつな
した。これにより、多様化・高度化しているお客様の
ぐ役割を担っており、各エリア、グループがクオリティの
ニーズに的確にお応えし、
より専門的なコンサルティン
高い業務を行なえるよう、
さまざまなサポートを行なって
グ営業を行なうことが可能となりました。また、各営業
います。
店の組織を上席コンサルタント課(部)、資産管理営
*大都市圏ではエリア制、地方ではグループ制とし、これらを合わせて
「母店制」と称しています。
業課(部)、投資サービス課(部)に改編し、お客様
のセグメントに応じた営業活動を行なうことで、
よりお客
様のニーズに即したサービスを提供するとともに、効率
性の向上を図ります。2004年4月末現在、上席コンサ
ルタントは170名ですが、2005年度末までに600名程度
に増員する予定です。
預り資産残高1,000万円以上の口座の状況
新営業体制
150(指数)
上席コンサルタント課
レベルアップ
15
(%)
富裕層
法人
100
10
50
5
資産管理営業課
投資サービス課
+
ダイレクトコース
資産形成層
資産運用層
0
0
02/3 02/6 02/9 02/12 03/3 03/6 03/9 03/12 04/3
02/3=100とした場合の預り資産残高1,000万円以上の口座数(左軸)
預り資産残高1,000万円以上の口座数÷総預り口座数(右軸)
28
大和証券グループ アニュアルレポート2004
顧客基盤の拡大に向けた追加施策
2. 商品戦略
さらなる顧客基盤の拡大に向けて、グループ各社や
多様化・高度化するお客様のニーズにお応えするため
他社との連携を通じたシナジー効果を追求していきま
には、マーケティングの強化や販売チャネルの充実とと
す。そのためにまず、三井住友銀行との連携により、
もに、
商品・サービスのクオリティの向上が不可欠です。
地方の公共法人、学校法人、中堅企業へのアプロー
大和証券では、グループ各社の商品開発力やリサー
チをさらに積極化していきます。大和証券グループで
チ能力をフル活用するとともに、お客様の声を迅速に
は、これまでホールセール事業、アセット・マネジメント
フィードバックすることによって、よりお客様本位の商
事業などで三井住友銀行との連携を進め、大きな成
品・サービスを提供することに努めています。
果をあげてきましたが、これを大和証券の法人向けビ
2003年度においては、株式型投資信託では、毎月
ジネスにも拡大するものです。この戦略のもと、2003
分配型外国債券ファンドや中国関連の株式投資信託
年度下期には、三井住友銀行から人員を派遣してい
などの新ファンドを提供してきました。また、お客様にそ
ただき、各地で大和証券の営業員に対する説明会を
れぞれの資産運用スタイルに合致した株式型投資信
実施しました。
託を選択していただくため、株式型投資信託の中から、
また、証券仲介業の解禁を控えて、2004年2月に大
「ダイワの特選株投」を厳選しました。一方、高付加価
和証券内に仲介業務推進課を設置するとともに、4月
値サービスの提供という観点から、VWAP取引を強化
にはプロジェクトチームを設置しました。2004年12月に
しているほか、本格的な資産管理型営業への取組み
は銀行にも証券仲介業が解禁されることから、顧客基
として、2004年度より実質的に兼業が可能となった
盤の一層の拡大を図ることを目的に、三井住友銀行
ラップビジネスに対応すべく投資顧問室を設置し、
のみならず、地方銀行、事業会社などとの連携を視野
サービス開始に向けて準備を進めています。
に対応を進めています。
「オンライン」と「ダイワ・ダイレクト」コースの口座数・預り資産
1,000(千口座)
オンライン口座数(左軸)
「ダイワ・ダイレクト」コース口座数(左軸)
800
オンライン預り資産(右軸)
ダイレクト預り資産(右軸)
(十億円)5,000
4,000
600
3,000
400
2,000
200
1,000
リテール顧客資産
20,000(十億円)
その他
年金保険
15,000
公社債投信
株式投信
債券
10,000
0
0
02/6
02/9 02/12 03/3
03/6
03/9 03/12 04/3
事業概況:事業別・グループ会社別概況 リテール
大和証券株式会社
5,000
エクイティ
0
02/3
02/9
03/3
03/9
04/3
29
事業概況:事業別・グループ会社別概況
リテール
大和証券株式会社
とどまりました。結果として、ROEは2002年度の0.6%
2003年度の業績回顧と今後の方向性
から9.8%へと大きく上昇しました。
大幅な業績回復を実現
大和証券の2003年度業績は、純営業収益が前年度
「クオリティ」と「生産性」の一層の向上を目指す
比32.4%増、営業利益が前年度の10倍、当期純利益
大和証券では、中期経営計画において、①コンサル
が同18.4倍となりました。純営業収益の内訳では、受
ティング能力の向上、②お客様との接点の拡充と質の
入手数料が前年度比43.1%増、
トレーディング損益が
向上、③商品提供力の向上、④お客様の満足度の向
同5.0%増、金融収支が同1.3%減となりました。商品
上、⑤効率経営の追求、を基本戦略としています。既
別では、
上期は毎月分配型投資信託・外貨建債券が、
述したマーケティング体制の強化、クオリティの高い商
下期は株式の売買、公募・売出し、株式型投資信託
品・サービスの提供に加え、証券仲介業やラップビジネ
が好調でした。マーケットの回復に加え、
これまで述べ
スの解禁に伴う新たな取組みを軸に、中期経営計画
てきたマーケティング体制の強化と商品戦略が奏功し
最終年度(2005年度)の目標達成に向けて、お客様
たものと考えています。これに伴い、2003年度末の大
の信頼度と満足度において他を凌駕するリテール証
和証券総顧客資産は、バブル期の水準(1989年12月
券会社を目指します。
の18.0兆円)を超え、20.4兆円に達しました。
一方、販売費・一般管理費は前年度比8.2%増にと
どまりました。営業収益の増加に伴い、取引関係費
(同12.6%増)や人件費(同14.8%増)が増加しまし
たが、不動産関係費(同1.5%減)と減価償却費(同
8.8%減)が減少したほか、事務費は同1.1%の増加に
純営業収益の内訳
百万円
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受入手数料 . . . . . . . . . . . . . .
委託手数料(株券等). . . .
委託手数料(債券等). . . .
募集・売出しの取扱手数料
(受益証券) . . . . . . . . . .
その他の受入手数料 . . . . .
(受益証券) . . . . . . . . . .
トレーディング損益 . . . . . . . . .
(株券等) . . . . . . . . . . . . . .
(債券・為替等). . . . . . . . . .
金融収益 . . . . . . . . . . . . . . . .
金融費用 . . . . . . . . . . . . . . . .
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . .
30
.
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大和証券グループ アニュアルレポート2004
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2002年度
2003年度
129,817
93,204
34,177
0
31,980
13,207
26,808
12,425
34,990
274
34,715
1,623
505
129,311
171,605
133,388
61,486
0
48,038
21,366
23,701
10,218
36,724
1,222
35,501
1,492
388
171,216
増減率
大和証券総顧客資産
32.2%
43.1%
79.9%
18.9%
50.2%
61.8%
-11.6%
-17.8%
5.0%
345.5%
2.3%
-8.0%
-23.2%
32.4%
25(兆円)
20
15
10
5
0
89/12
04/3
事業概況:事業別・グループ会社別概況
ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
取締役社長
斎藤 辰栄
百万円
業績ハイライト
%
2002年度
118,300
2003年度
161,681
対前年度増減率
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年度
109,481
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
102,670
110,875
152,216
37.3%
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
90,288
95,401
111,332
16.7%
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,381
15,473
40,884
164.2%
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13,231
16,565
41,873
152.8%
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,426
6,357
23,227
265.4%
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
60
60
60
36.7%
—
要約と視点
●
景気が堅調に回復するなかで、企業の資金調達ニーズが高まるとともに、財務効率性向上のニーズも継
続しています。そして、
これらのニーズは、個別企業ごとに多様化・高度化する方向にあります。
●
大和証券SMBCは、大和証券グループと三井住友銀行グループという日本の大手証券とメガバンクの合
弁会社であり、それぞれが持つ、ブランド、顧客基盤、金融ノウハウ・スキル、調査・分析力といった経営資
源を有効に活用しつつ、その相乗効果を高めて、多様化・高度化するお客様のニーズに応え、信頼と支
持を獲得しています。
●
2003年度は、中期経営計画の目標ペースを大幅に上回る好業績となりました。なかでも、株券等引受
け・売出し手数料が大幅に増加しました。
事業内容と特色
●
大和証券SMBCは、日本初の本格的な投資銀行で
SMBCプリンシパル・インベストメンツを通じて、プリン
あり、大和証券グループ本社が60%、三井住友フィ
シパル・ファイナンス業務を行なっています。
ナンシャルグループが40%出資する、日本の大手証
券とメガバンクとの合弁企業である点が大きな特長
となっています。
●
投資銀行部門では、普通社債の引受で圧倒的な
プレゼンスを発揮しており、2001年度から2003年度
まで3年連続で主幹事リーグテーブル1位を獲得、
●
エクイティや債券、およびそれらを含むデリバティブ
EUROMONEY誌(日本語版)では2003年の
等の取引、商品・サービスの開発・供給を行なう「商
「THE BEST DEBT HOUSE」
に選定されました。
品部門」と、株式新規公開(IPO)を含む引受、ス
また株式の新規公開、公募・売出しではいずれも
トラクチャード・ファイナンス、M&Aなどの「投資銀
2003年度主幹事リーグテーブル2位となっており、
行部門」を2つの柱として、国内外で幅広いサービ
THOMSON DealWatchの「EQUITY HOUSE
スを展開しています。また、子会社の大和証券
OF THE YEAR」にも選定されました。
事業概況:事業別・グループ会社別概況 ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
31
事業概況:事業別・グループ会社別概況
ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
マクロ認識と基本戦略
グループ全体で約6倍に拡大しています。この連携を
さらに強化するために、人材交流および人材育成関
高度な金融ノウハウを駆使しつつ、
日本経済再生に貢献する
連の取組みを進めています。
日本経済は、長いトンネルを抜けて、回復・成長の芽が
ようやく根付いた感があります。企業の資金調達ニー
リサーチ力の活用による質の高いサービスの提供
ズ、競争力強化に向けたバランス・シートの改善や事
大和証券SMBCでは、グループのリサーチ能力を活用
業再編などへのニーズは、
ますます高まりをみせていま
し、質の高い提案営業を行なっています。まず、2003
す。これらのニーズに的確に応えていくためには、高
年度のアナリスト・エコノミストランキングで1位(日経金
度な専門知識とスキル、
さらには調査・分析力、戦略立
融新聞およびエコノミスト誌)に輝いた大和総研との
案能力が必要です。大和証券SMBCは、大和証券グ
連携により、世界各国の経済・市場・産業・企業に関す
ループと三井住友銀行グループ双方が持つブランド、
る調査と分析をタイムリーにお客様に提供しています。
顧客基盤、金融ノウハウ・スキル、調査・分析力などの
また、2002年7月には、大和証券SMBC内に産業調
「経営資源」を活用し、その相乗効果により、日本経
査部(現 事業調査部)を設置しました。同部は、会
済の再生に寄与し、それによって自らの成長を果たす
計士を含む財務戦略のプロフェッショナルを配した「財
ことを、戦略のひとつとしています。
務戦略チーム」と、大和総研のアナリスト出身者を中
心とする「事業戦略チーム」で構成されており、
「コン
三井住友銀行との連携強化
サルティング&ソリューション」の質的充実と強化に努
三井住友銀行との連携効果は徐々に拡大しており、
めています。これまでに同部は多数の案件獲得に貢
2003年度までの4年間で連携による収益は、大和証券
献しています。
企業のライフサイクルと大和証券SMBCの収益機会
公開企業
M&A、
M
買
買収側FA
A
証券化
券化・流動化
流動
三井住友銀行との連携効果(グループ全体)
500(億円)
各種
ファイナンス
M&A、
M
被
被買収側F
FA
事業拡大
事業縮小
6倍
約
で
間
4年
IPO
公開準備
上場廃止
(私的・法的整理)
D
DIP
ファイナンス
プライベー
ライベート
エクイティ投資
クイティ投
バルクセール
バルクセー
企業再生投資
企業再生投
未公開企業
0
1999
32
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2000
2001
2002
2003年度
商品開発力の強化
グローバル戦略
お客様のニーズを的確に捉え、信頼・支持を獲得する
大和証券SMBCでは、欧州およびアジアを中心に、海
ために、商品開発力は重要な武器となります。大和証
外においてもビジネスを展開しています。また、グルー
券SMBCでは、商品開発の面でも高いプレゼンスを有
プ企業の海外拠点とも緊密に連携をとり、グローバル
しています。一例をあげると、2001年3月に開発・販売
ネットワークを構築しており、エクイティ分野での日本株
を開始した「円満債」があります。円満債については、
および外国株の海外投資家向け引受や販売、日本市
金利・エクイティの混合型という性質、そして商品組成
場における外国株売出し、債券分野でのサムライ債の
時の高度なヘッジ技術などにより、競合他社が同様の
引受などで業界をリードしています。
商品を発売するまでに、金融商品としては異例の長期
なかでも、成長著しいアジアにおける収益力および
間を要しました。また、当社グループでは、大和証券お
プレゼンスは急速に高まっており、ユーロウィーク誌
よび大和証券SMBCを中心として、グループ横断の新
2003年アウォードでは、円債における国内発行体のベ
商品開発プロジェクトチームを2003年9月に新設しまし
スト主幹事に選定され、同債の販売実績でも国内外
た。これまでに、初めて米系格付会社が格付を付与し
の競合証券会社を抑えてNo.1となりました。また、
ドル
たCEO債(Collateralized Equity Obligation/合
債のアジア投資家向け販売実績においても、日本の
成株式担保証券)など、仕組み債を中心に多数の金
証券会社でNo.1となっています。
融商品を開発、商品化しています。
今後も、中国を中心にさらに積極的な業務展開を図
ります。大和証券SMBCでは、上海国際集団有限公
トレーディング収益の拡大
司(SIG)の傘下企業である上海証券有限責任公司
こうした戦略をベースに、大和証券SMBCではトレー
(SSC)と、中国において日系初の合弁証券会社の設
ディング収益の拡大を図っています。エクイティトレー
立認可を取得しました。両社の優位性を十分に活用
ディング収益については、お客様の多様なニーズに対
し、日系進出企業を含む現地企業の、中国国内外に
応した商品横断的な総合売買提案によるオーダーフ
おけるより効率的なファイナンスの実現と、広範囲かつ
ローの取り込みを通じて、
収益の拡大を図ります。
また、
優良な案件の相互紹介などを行なっていきます。また、
プロプライアタリー取引においても、
リスク管理を徹底
2004年5月には、中国証券監督管理委員会から適格
したうえで、運用規模の拡大、新規運用スキームの
外国機関投資家(QFII)の認可を受けました。これ
投入等を通じ、収益の拡大を図ります。債券・為替等
により、日本における中国証券投資の普及および大和
トレーディング収益についても、顧客基盤、商品供給
証券グループの商品ラインアップの充実を図るとともに、
力 、販 売 力の強 化などにより、収 益 基 盤の拡 大を
現地株(A株)売買ノウハウの取得、アナリスト体制の
図っています。
充実を図ります。
事業概況:事業別・グループ会社別概況 ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
33
事業概況:事業別・グループ会社別概況
ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
2003年度の業績回顧と今後の方向性
一方で、販売費・一般管理費は、前年度比16.7%
中期経営計画の目標ペースを大幅に上回る業績
の増加にとどまりました。取引関係費(同28.8%増)、
大和証券SMBCの2003年度業績は、純営業収益が
人件費(同12.4%増)が業績の拡大に伴って伸びた
前年度比37.3%増、営業利益が前年度の2.6倍、当期
ほか、IT投資に伴い減価償却費が同24.7%増となり
純利益が同3.7倍と大幅な伸びとなりました。純営業収
ましたが、事務費は逆に同1.5%減となるなど、事業効
益の内訳としては、
受入手数料(前年度比31.6%増)、
率化への取組みの成果が着実に現れています。これ
トレーディング損益(同48.6%増)、金融収支(同
らの結果、ROEは2002年度の1.8%から6.4%へと大
23.3%増)といずれも大幅な増加となりました。受入手
きく上昇しました。
数料の増加の背景には、株式市場の活況により株券
等委託手数料が40.8%増加したこともありますが、新
規公開および公募・売出しの増加により、株券等引受
け・売出し手数料が同103.0%増と大きく拡大したこと
が主因です。
純営業収益の内訳
百万円
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受入手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
委託手数料(株券等). . . . . . . . .
委託手数料(債券等). . . . . . . . .
引受け・売出し手数料(株券等) .
引受け・売出し手数料(債券等) .
募集・売出しの取扱手数料 . . . . .
その他の受入手数料 . . . . . . . . . .
トレーディング損益 . . . . . . . . . . . . . .
(株券等) . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(債券・為替等). . . . . . . . . . . . . . .
金融収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金融費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
34
大和証券グループ アニュアルレポート2004
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2002年度
2003年度
118,300
52,073
8,228
99
16,144
8,424
1,159
17,649
44,308
(1,646)
45,954
21,919
7,425
110,875
161,681
68,508
11,584
37
32,776
8,619
861
13,820
65,829
42,136
23,692
27,343
9,465
152,216
増減率
36.7%
31.6%
40.8%
-62.5%
103.0%
2.3%
-25.7%
-21.7%
48.6%
—%
-48.4%
24.7%
27.5%
37.3%
投資銀行業務の実績
を務めました。国内ABSでは、三井住友銀行、中央
2003年度においては、普通社債では、三井住友銀行、
三井信託銀行の住宅ローン証券化などで主幹事を務
東京電力など、財投機関債では、日本道路公団、国
めました。M&Aでは、カネボウの化粧品事業の営業
際協力銀行、公営企業金融公庫などで、主幹事を務
譲渡でカネボウ側アドバイザーを、
ダイエーの福岡事業
めました。公募・売出しでは、下期において、NEC、フ
(球場、ホテル、ショッピングモール)の売却でダイエー
ジテレビジョン、住友不動産などの大型案件の主幹事
側のアドバイザーを務めました。
2003年度の主なディール実績
三井住友銀行(計4,100億円)
、東京電力(計1,500億円)
、住友信託銀行(計900億円)、
普通社債
トヨタファイナンス(500億円)
、阪急電鉄(計500億円)
日本道路公団(計1,620億円)
、国際協力銀行(計1,200億円)
、公営企業金融公庫
財投機関債
(計1,200億円)、中小企業金融公庫(計700億円)、国民生活金融公庫(計700億円)
ストラクチャード・ファイナンス
三井住友銀行の住宅ローン証券化(発行・引受1,050億円)、
森トラスト総合リート投資法人IPO(発行800億円、引受480億円)
、
泉ガーデンタワーのCMBS(発行740億円、引受370億円)
日本電気(1,941億円)、
フジテレビジョン(1,259億円)
、住友不動産(750億円)
、
公募・売出し
楽天(642億円)
、鹿島建設(362億円)
カネボウの化粧品事業の営業譲渡(カネボウ側アドバイザー)
M&A
ダイエーの福岡事業売却(ダイエー側アドバイザー)
住友建設と三井建設の合併(住友建設側アドバイザー)
SMBCフレンド証券による泉証券吸収合併(仲介)
NECエレクトロニクス(1,554億円)
、太陽生命保険(768億円)
、
新規公開
石油資源開発(316億円)
韓国産業銀行(650億円)、
フォルクスワーゲンFSNV(500億円)、
サムライ債
クロアチア共和国(250億円)、ポーランド共和国(250億円)
今後の方向性
前述の通り、大和証券グループ、三井住友銀行グルー
プが持つ経営基盤を一層効率的に活用しながら、優
秀な人材を武器に、
さらなる攻めの経営を行なってい
きます。中期経営計画の最終年度である2005年度の
目標について、1年前倒しで達成できるよう、全力をあ
げていきたいと考えています。
事業概況:事業別・グループ会社別概況 ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
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事業概況:事業別・グループ会社別概況
ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
プリンシパル・ファイナンス業務
大和証券SMBCでは、100%子会社である大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツを通じてプリンシパル・
ファイナンス業務を営んでいます。以下、当該業務の概要を説明します。
要約と視点
●
不良債権を含む金銭債権、不動産、プライベート・エクイティといった幅広いオルタナティブ・アセットへの投
資を自己資金により実行する一方、各種投資ファンドの組成・運営も積極的に推進しています。
●
特に、地域再生ファンド、企業再生ファンド、不動産投資ファンドを含む各種ファンドの組成・運営により、
リ
スクマネーの提供だけでなく、
リスクマネーの仲介者としての役割も果たしており、日本再生ビジネスのメ
インプレイヤーとしてのプレゼンスも高まっています。
●
「攻めの経営」のスタンスのもと、
自己資金の投資枠を、
前年度末比2倍の1,000億円へ拡大しています。
事業内容と特色
●
マクロ認識と基本戦略
大和証券グループのプリンシパル・ファイナンス部門
大きな成長ポテンシャル
は、大和証券SMBC設立前の1998年春に活動を開
日本企業の売上高総額の6割を占める中小・中堅企
始しました。その 後 2 0 0 1 年 1 0 月に、大 和 証 券
業の財務リストラはまだ十分とはいえません。大企業に
SMBCプリンシパル・インベストメンツを大和証券
おいても、減損会計など企業会計ルールの国際化に
SMBCの子会社として設立し、金銭債権、不動産、
伴う固定資産のオフバランス化と売却や国際競争力
プライベート・エクイティへの投資などを通じて、企業
向上に不可欠な事業ポートフォリオ改革といったニー
再生、事業再構築などのさまざまなニーズに対する
ズは高まる一方です。また、景気回復に伴い、投資家
ソリューションを提供しています。
のリスクテイクの許容度も増大しており、オルタナティ
ブ・アセット・ファンドに対する需要が拡大しています。
●
地域再生ファンド、企業再生ファンド、不動産投資
ファンドなど、各種投資ファンドの組成・運営も積極的
投資の基本スタンスと指標
に推進しており、自己資金によるリスクマネーの提供
金銭債権投資や不動産投資については、保守的な価
だけでなく、
リスクマネーの仲介者として日本におけ
値算定と比較的短い投資期間(1〜3年程度)を前
る事業再生ビジネスをリードしています。
提に投資を行なっています。一方、企業投資について
は、厳密な成長性分析のもと、やや長期(3〜5年程
●
大和証券グループと三井住友銀行グループのネット
度)の投資スタンスで投資を行なっていますが、
きめ細
ワークをフルに活用できる点、および金銭債権、不動
かい経営モニタリングとアセット・アセスメントを行なうこ
産、プライベート・エクイティなど幅広い投資分野を持
とでリスクの軽減に努めています。
つ点において、
同業他社との差別化を図っています。
36
大和証券グループ アニュアルレポート2004
積み重ねてきた豊富な実績
ファンド」、三井住友海上火災保険と三井住友銀行と
金銭債権投資については、2003年度末までに累積約
の共同による企業再生ファンド「デイスターファンド」を
450取引、計約1,100億円の投資を実行してきました。
立ち上げたほか、ゴールドマン・サックスグループや三
地方金融機関などとのネットワークを構築してきたこと
井住友銀行グループと債権買取ファンド「日本エンデ
が寄与しています。不動産投資については、累積約
バーファンド」を組成しました。
230物件、計約250億円の投資を実行してきました。対
象物件の所在地はほぼ全都道府県に及んでいます。
投資枠を拡大
プライベート・エクイティについては7件、約140億円の
企業のリストラニーズや資産運用ニーズの増大と、大
投資を実行しています。代表的な投資先としては、自
和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツの執行能
動車用金型大手のオギハラ、東証2部上場の明星電
力向上を背景に、自己資金の投資枠を前年度末の
気などがあげられます。いずれも、世界的に優位性を
500億円から1,000億円へと倍増しました。また、投資
誇る技術を持ちながらも、財務面などで改善の余地が
枠の拡大に伴い、大和証券SMBCプリンシパル・インベ
あった企業であり、当グループの高度かつ複合的な財
ストメンツの自己資本の充実も図り、30億円の増資を
務改善提案が評価されたことが投資実現につながり
実行することにより、同社の資本金は5億円から20億
ました。
円に増加、2004年3月末時点の自己資本は約110億
円となりました。
2003年度の業績回顧と今後の見通し
今後の方向性
2003年度の実績
2003年度の経常利益は54億円、前年度比8%減とな
前述の通り、自己資金投資によるリスクマネーの提供
に加え、地域再生ファンド、企業再生ファンド、不動産
りました。
2003年度末の投資残高は635億円と、前年度末比
で約7割増となりました。内訳は、金銭債権投資が約
397億円、不動産投資が約78億円、企業投資が約
125億円、その他ファンド投資等が約35億円となって
投資ファンドを含む各種ファンドの組成・運営により、
リ
スクマネーの仲介者としての役割を積極的に果たして
いきます。
また、大和証券グループ、三井住友銀行グループの
ネットワークを最大限に活用しながら、日本の事業再
います。
2003年度においては、不動産投資では、Japan
Real Estate Recovery Fund(米投資会社のWLロ
ス社が組成)と共同で、オフィスビルや社宅などを中心
生ビジネスを支えるメインプレイヤーとして、質の高い
サービスとさまざまなニーズに対するベストソリューショ
ンを提供していきます。
に約180物件(第1号案件で120件、第2号案件で60
件)への投資を実行しました。プライベート・エクイティ
投資では、米系プライベート・エクイティ
・ファンドである
オリンパスキャピタルと共同で、アリスタライフサイエンス
社宛投資を実行しました。またファンド組成では、地域
企業再生ファンドの先駆けとなった「北海道企業再生
事業概況:事業別・グループ会社別概況 ホールセール
大和証券エスエムビーシー株式会社
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事業概況:事業別・グループ会社別概況
アセット・マネジメント
大和証券投資信託委託株式会社
取締役社長
秦野 輝男
百万円
業績ハイライト
%
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年度
42,476
2002年度
22,865
2003年度
16,638
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
38,150
22,260
16,825
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,326
604
(186)
—
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,156
1,556
772
-50.4%
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
911
(138)
221
—
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100
100
100
—
対前年度増減率
-27.2%
-24.4%
要約と視点
●
株式市況の好転により株式型投資信託の底入れが鮮明となってきましたが、超低金利が続くなか、公
社債型投資信託の資金流出傾向は継続しています。
●
大和証券投資信託委託では、経営の効率化を継続する一方、成果主義の徹底による運用パフォーマン
スの向上、商品開発力の強化により投資家の信頼を獲得する、差別化された資産運用会社を目指して
います。
事業内容と特色
●
大和証券投資信託委託は、大和証券グループのア
セット・マネジメント業務を担う中核企業であり、純資
産残高ベースで15%強(2004年3月末現在)の市
場シェアを有し、業界大手の一角に位置しています。
きる」
「比較的小額な資金でも分散投資が図れる」と
いうメリットを有した「株式型投資信託」が再び見直
されてきました。一方「公社債型投資信託」について
は、超低金利が長期化するなかで、当面資金の流入
は見込めないものと考えています。
業界全体では、株式市況の回復もあり、過去3年間
●
インハウスのアナリスト、エコノミストによる、ファンダメ
ンタルズや市場に関わる深い調査と分析による中長
期的な視野に立った運用に定評があります。また、
毎月分配型ファンド、J-REITのファンドオブファンズな
ど、多種多様な品揃えも特色です。
減少が続いていた投資信託純資産残高は、2003年
度末に前年度末比13%の増加に転じました。このうち、
追加型株式投資信託は同42%の大幅な伸びとなりま
した。しかし、一方で、投資信託販売会社や投資家
による運用会社とファンドの選別は一層厳しさを増して
います。投資家の運用ニーズを的確に捉えた商品開
発力、運用パフォーマンス、
さらには説明責任やリスク
マクロ認識と基本戦略
管理における差別化により、業界内における優勝劣敗
マクロ環境―株式市場の回復により最悪期を脱出、
一方で競争は激化
が鮮明となる時代に突入したと認識しています。
個人・法人を問わずリスクテイクの許容度が増大する
一方、株式投資へのニーズも高まりつつあります。この
ような背景のもと、
「資産運用の専門家に運用委託で
38
大和証券グループ アニュアルレポート2004
戦略1. 運用パフォーマンスの向上
また、販売チャネルごとの戦略を明確化したうえで、各
ファンドマネージャーに年俸制を導入するとともに、ファ
チャネルへのサポート体制を強化し、シェア拡大を目
ンドマネージャーとアナリストの相互評価の仕組みを構
指します。
築、プロフェッショナル意識や競争意識をこれまで以上
に高めるようにしました。今後、ファンドマネージャー以
経営効率化の推進
外にも年俸制導入を図るとともに、社外からの人材の
ファンド運営の効率化のために、
ファンド本数を2002年
登用の拡大も計画しています。また、運用チームの再
度末の269本から2003年度末には237本まで削減しま
編やファンドマネージャー相互の情報共有化、運用部
した。2004年度においてもさらなる削減を計画してい
門とリサーチ部門との連携強化によって、組織的な運
ます。また、グループ総合力の強化のために事業分野
用体制の強化を図っています。
の見直しを図り、2003年12月末をもって投資信託の直
接販売における対顧客業務から撤退しました。
戦略2. 商品ラインアップの充実と開発力強化
2003年度は、毎月分配型外国債券ファンドのフルライ
ンアップ化、J-REITのファンドオブファンズの設定など
2003年度の業績回顧と今後の見通し
を行ないました。また、市場環境やニーズを重視した
2003年度末現在の運用資産残高は、前年度末比6%
商品開発やマーケティングを行なったことで、日本株
減の5兆9,473億円でした。株式型投資信託の運用資
ファンド「大潮流」や中国関連日本株ファンド「チャイ
産残高は、株式市場の回復による運用資産の増加と
ナパワー」では設定後も大きく残高を伸ばしました。
毎月分配型外国債券ファンドの販売が大きく伸びたこ
2004年4月には、中国関連銘柄やデジタル関連銘柄
とから、同31%増となりました。一方で、公社債型投資
カーマ
に投資する「デジタル・凱馬」を設定しました(2004年
信託は超低金利の継続を背景に、同15%減となりまし
6月末残高 557億円)
。また、5月にはダイワSRIファンド
た。このような状況において、販売費・一般管理費の
を設定しました(2004年6月末残高 294億円)。
削減に努めたものの、公社債型投資信託の信託報酬
の減少が響き、2003年度の営業収益は前年度比
戦略3. 品質管理と説明責任の遂行による
信頼性向上、販売会社へのサポート強化
27.2%減の166億円、経常利益は同50.4%減の7億円
ファンドの評価基準を明確にし、
より高度なリスク管理
心に、投資家のニーズを的確に捉えた商品開発力の
や説明責任の遂行に役立てるとともに、コンプライアン
強化と運用パフォーマンスの向上に努める一方、経営
ス体制をはじめとした内部統制を強化していきます。
の効率化を継続していくことで業績の向上を図ります。
となりました。2004年度以降は、株式型投資信託を中
「武蔵」
・
「底力」対TOPIX相対運用パフォーマンス
運用資産残高とシェアの推移
(%)40
200
30
150
5,000
20
100
2,500
10
50
0
0
10,000(十億円)
株式型投資信託
公社債型投資信託
シェア(右軸)
7,500
0
02/3
02/6
02/9 02/12 03/3
03/6
03/9 03/12 04/3
底力
(ダイワ・バリュー株・オープン)
武蔵
(アクティブ・ニッポン)
98/11
99/11
00/11
01/11
02/11
03/11
設定日
(「武蔵」は98年11月20日、
「底力」は00年2月10日)
を100とする
対TOPIX指数
事業概況:事業別・グループ会社別概況 アセット・マネジメント
大和証券投資信託委託株式会社
39
事業概況:事業別・グループ会社別概況
アセット・マネジメント
大和住銀投信投資顧問株式会社
取締役社長
小森 脩一
百万円
業績ハイライト
%
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年度
6,904
2002年度
6,765
2003年度
7,336
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,058
4,017
4,345
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
610
542
568
4.8%
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
672
542
523
-3.5%
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
239
(49)
114
—
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
44
44
44
—
対前年度増減率
8.4%
8.2%
要約と視点
●
大和住銀投信投資顧問は、大和証券グループ本社が44%出資する持分法適用会社で、年金運用と国
内バリュー株運用に定評があります。
●
2003年度の経常利益は4%減となったものの、厳しい環境下においても、年金受託資産は順調に拡大し
トンフェイ
ました。また、新規に設定した中国関連の株式投資信託「チャイナ騰飛」が大ヒットとなりました。
●
引き続き、高い運用パフォーマンスを背景とした競争力の維持と個別採算を重視したマーケティング展開
を進め、
「効率性に裏付けられた高収益力」と「差別化されたブランド力」を目指します。
託運用先に選定されました。また、簡易保険資金に
事業内容と特色
●
ついては、外国株式の委託運用先にも選ばれてい
住友銀行(当時)との戦略的提携により、1999年4
ます。
月1日に大和証券グループの大和投資顧問、住友
銀行グループの住銀投資顧問およびエス・ビー・ア
●
●
大和住銀投信投資顧問のもうひとつの特長は、国
イ・エム投資信託の3社が合併して誕生した資産運
際展開にあります。米国の大手資産運用会社T. ロ
用会社です。
ウ・プライス社と提携し、グローバルな調査・運用体
特に年金運用に定評があり、運用資産残高の約
60%が年金運用資産となっています。R&I「年金
制を整えており、
海外年金運用機関の受託先として、
豊富な実績を有しています。
情報」による顧客評価調査における「運用能力の
●
40
総合評価」で2001年度、2002年度は1位にランクさ
マクロ認識と基本戦略
れました。2003年度の同調査では、調査や評価の
運用環境は好転、年金受託競争は激化
方法が変更されましたが、定性・定量評価のいずれ
超低金利の継続で公社債型投資信託の低迷が続い
も4位となり、日系運用機関に限ればトップを維持し
ていますが、株式市況の好転もあり、株式型投資信託
ました。
への資金流入が活発化してきました。景気が回復基
また、国内バリュー株運用に大きな強みを有し、日
調となるなか、分散運用によるリスクヘッジと運用専門
本郵政公社より、日系運用機関としては唯一、郵便
家の有効活用へのニーズが回復してきたものといえま
貯金資金と簡易保険資金双方において、日本株委
す。年金運用に関しては、企業の厚生年金基金代行
大和証券グループ アニュアルレポート2004
返上に伴う運用資産の減少および運用機関の削減に
競争力を裏付けるインフラ構築
より、競争は厳しさを増していますが、逆にこれは運用
トレーディングやオペレーションをサポートするデータ処
パフォーマンスと実績において優位に立つ同社にとっ
理環境の整備や、情報セキュリティ体制の強化を図る
て、中長期的なシェア拡大の「追い風」となると考え
とともに、
コンプライアンス・オフィサーやリスク管理委員
ています。同社では、
「効率性に裏付けられた高い収
会の設置によって内部統制力を強化しています。
益力の確立」と「差別化されたブランドの構築」を基
本戦略とし、
「The Top in Quality」を目指していま
人事処遇の充実
す。そのための具体的な施策は以下のとおりです。
成果主義、実力主義を反映した人事処遇のさらなる
充実を図ります。
競争力のあるプロダクト・ラインの構築
お客様のニーズに合致した魅力ある商品をタイムリー
に開発・供給し、投資信託残高の大幅な増加を目指
2003年度の業績回顧と今後の見通し
します。同社はこれまで、小型株ファンド、外株・外債
運用資産残高は増加基調を継続し、前年度末比
型ファンド、バリューインデックスファンドなど、
さまざまな
32%増の3兆3,030億円となりました。そのうち年金資
商品を開発してきました。今後は外株・外債型ファンド
産が16%増の2兆430億円、投資信託資産は「チャイ
の商品性、競争力をさらに高め、国内やアジアの投資
ナ騰飛」が中国株式関連の投資信託史上最高の設
家からの一層の支持獲得を目指します。また、オルタ
定額(設定額622億円、2004年6月末残高 993億円)
ナティブ商品の開発にも積極的に取り組みます。
となったことなどを背景に、64%増の4,995億円となりま
トンフェイ
した。このような状況を反映して、営業収益、営業利
採算性重視のマーケティング
益はそれぞれ8.4%増、4.8%増となりました。今後も、
やみくもに運用資産の拡大を目指すのではなく、長期
これまでの実績に裏付けされたブランドを背景に、年
運用目的の資金の獲得を目指します。そのための
金運用資産のさらなる拡大を目指すとともに、投資信
ターゲットとなるお客様に対しては、
コンサルティング力
託ビジネスの拡大も図ることで、収益基盤を強化してい
や提案力を強化し、サービスの向上を図っています。
きます。
運用資産残高の推移
「黒潮(日本バリュー株ファンド)」の運用パフォーマンス
その他
投信資産
年金資産
3,500(十億円)
12,000
3,000
10,000
2,500
黒潮基準価格(指数)
2,000
8,000
1,500
1,000
TOPIX(指数)
6,000
500
0
4,000
1999
2000
2001
2002
2003年度
99/7
00/7
01/7
02/7
03/7 04/1
1999/7(設定日)
を10,000とする指数
事業概況:事業別・グループ会社別概況 アセット・マネジメント
大和住銀投信投資顧問株式会社
41
事業概況:事業別・グループ会社別概況
リサーチ、システム、コンサルティング
株式会社大和総研
取締役社長
武本 嘉之
百万円
業績ハイライト
%
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年度
71,809
2002年度
61,675
2003年度
65,388
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,391
9,130
9,075
-0.6%
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,794
3,706
5,667
52.9%
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,542
3,444
5,529
60.5%
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,352
1,043
835
-20.0%
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
96
96
100
—
事業内容と特色
●
●
大和総研は、大和証券グループのシンクタンクとして、
リサーチ、システム、
コンサルティングの各サービスを
グループ会社に提供し、グループ全体のサービスの
対前年度増減率
6.0%
システムサービスでは、金融・証券をはじめ、通信、
流通、公共といった幅広いお客様の基幹業務システ
ムについて、総合的なシステムサービスを提供してい
ます。同社では、システムのさらなる信頼性向上を
質の向上に貢献しています。また、
グループ外のお客
目指し、各種安全対策を実施したほか、従前より専
様に対しても、高品質なサービスを提供しています。
門委員会を設置するなど独自に取り組んできた個人
情報保護を含む情報セキュリティに関する体制整備
●
リサーチサービスでは、主に国内外の経済予測や
を進め、2003年度においては、プライバシーマーク
金融市場、資本市場、企業・産業動向などに関して、
(日本情報処理開発協会)、ならびに「情報セキュ
高水準の調査・研究・分析を行なっています。2003
リティマネジメントシステム適 合 評 価 制 度( 通 称
年度においては、日経金融新聞と「エコノミスト」誌
ISMS)」における認証を取得しました。加えて、プロ
双方のアナリスト・エコノミスト総合ランキングで1位に
ジェクトマネジメント力強化に向けた組織対応や、中
輝きました。
国所在の協力会社への業務委託の拡大および生
産性の向上に取り組むなど、競争力の強化にも努め
ました。
アナリストランキングの上昇
日経金融新聞アナリストランキング
全セクター
(総合部門除く)+ストラテジスト等
2001年度
2002年度
2003年度
1位 野村證券
野村證券
大和総研
大和総研
野村證券
モルガン・スタンレー・
2位 ディーン・ウィッター
証券*
3位
日興ソロモン・スミス・日興ソロモン・スミス・
ドイツ証券
バーニー証券** バーニー証券**
*現 モルガン・スタンレー 証券
42
**現 日興シティグループ証券
大和証券グループ アニュアルレポート2004
を通じて提供することで、オンラインビジネスにおける他
マクロ認識と基本戦略
適時・的確な情報提供とその活用
現代の情報化社会においては、深い分析にもとづく的
確な情報をタイムリーに入手すること、
さらに、その情報
を迅速に活用しうる仕組みである優れたシステムを構
築することは、投資家、運用会社、そして企業の「生
死」をも分ける最重要事項であるといえます。このよう
ななかで、大和総研のサービスは、大和証券グループ
内外の情報力の強化と効率的なシステム活用に大き
社との差別化に貢献しています。今後は、グループ各
社との連携をさらに強め、大和総研のリサーチ能力を
コンサルティング営業や日本経済再生プロジェクトなど
に役立てていきます。
一方、システム部門では、グループ会社のより一層
の業務効率向上を実現するため、基幹業務システム
の見直しに取り組んでいます。2003年度においては、
大和証券、大和証券SMBCそれぞれにおいて次期
基幹系業務システムが一部稼動を開始しており、今
く貢献しています。
後の本格稼動により、
さらなる生産性の向上が期待さ
成果主義の徹底による人材のレベルアップ
れます。
社会の重要な情報基盤を支えるという自負のもと、大
和総研では、社員の能力向上を追求しています。研
2003年度の業績回顧と今後の見通し
修体系の充実により人材レベルの向上を図りつつ、人
営業収益は前年度比6.0%増の653億円となりました。
事評価・報酬制度においても業績・成果主義の徹底に
一方、不動産関係費の抑制などにより、販売費・一般
より、多くのプロフェッショナルを育成しています。
管理費は同0.6%減となったことなどから、経常利益は
60.5%増の55億円となりました。2004年度以降も、
大和証券グループへの貢献
サービスの品質を高めつつ、販売力の強化とコスト削
リサーチ部門では、調査・分析にもとづく予測などを活
減による収益力のさらなる向上を図っていきます。
かし、大和証券グループならびに業界の政策や戦略
策定への提言機能を高めています。また、企業分析・
経済レポートなどを大和証券のお客様にインターネット
事業概況:事業別・グループ会社別概況 リサーチ、
システム、
コンサルティング
株式会社大和総研
43
事業概況:事業別・グループ会社別概況
サポート
株式会社大和証券ビジネスセンター
取締役社長
福田 憲一
百万円
業績ハイライト
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年度
8,472
2003年度
8,558
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,176
7,853
8,111
3.3%
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,458
619
447
-27.8%
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,490
627
448
-28.5%
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,235
350
209
-40.1%
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100
100
100
—
事業内容と特色
●
●
1.0%
2003年度の業績回顧と今後の見通し
営業収益は前年度比1.0%増の85億円となった一方、
ループの証券事務代行業務を担う、証券関連の
販売費・一般管理費が同3.3%増の81億円となったこ
バックオフィス業務を提供する総合アウトソーシング受
とから、経常利益は同28.5%減の4億円となりました。
託企業です。証券管理業務や外国債券決済業務、
また、当期純利益は同40.1%減の2億円となりました。
顧客口座管理業務をはじめとする多種多様な証券
2004年度は業務効率化に注力し、
さらなる事務コスト
事務を代行しています。
の低減を目指します。
「変化」の激しい今の時代において、アウトソーシン
グを利用したビジネス・プロセス・リエンジニアリング
は、まさに時代の潮流であるといえます。大和証券
ビジネスセンターではこれらのニーズを着実に捉える
とともに、大和証券グループのコスト競争力のさらな
る向上に寄与することを基本方針としています。
●
対前年度増減率
大和証券ビジネスセンターは、主として大和証券グ
マクロ認識と基本戦略
大和証券ビジネスセンターでは、サービス水準の向
上によるお客様満足度の向上を基本戦略としていま
す。2002年12月には、グループ内の大和証券および
大和証券SMBCに対するバックオフィス部門におい
て、品 質マネジメントシステムの国 際 規 格である
「ISO9001:2000年版」を証券バックオフィス業務受
託業界で初めて認証取得しました。今後も高い品
質と効率性を追求し、証券ビジネス全体の生産性向
上に貢献します。
44
%
2001年度
9,635
大和証券グループ アニュアルレポート2004
事業概況:事業別・グループ会社別概況
サポート
大和プロパティ株式会社
取締役社長
盛本 正
百万円
業績ハイライト
%
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年度
11,571
2003年度
17,402
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
318
727
128.5%
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,254
5,904
38.8%
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,035
4,019
97.4%
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,797
(54,137)
—
グループ持分(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
92
94
—
対前年度増減率
50.4%
* 大和プロパティは、2001年度中に大和土地建物よりグループ事業用不動産の管理業務等を会社分割の方法によって継承したため、
2002年度からの記載となっています。
事業内容と特色
●
2003年度の業績回顧と今後の見通し
大和プロパティは、店舗・オフィス・社員寮などを保有
営業収益が前年度比50.4%増の174億円となったこ
し、大和証券グループ各社に賃貸するとともに、その
とに加えて、金融収支が改善したことにより、経常利
管理を請け負っています。また、店舗の新設、既存
益は同97.4%増の40億円となりました。一方、減損
店舗の増・改築および移転なども支援しています。
会計の前倒し適用により、603億円の減損損失を計
上したことから、最終損益は541億円の赤字となりま
マクロ認識と基本戦略
●
した。この結果、2003年度末において422億円の債
お客様のニーズを捉えた「プロパティマネジメント体
制の強化」と「ソリューションビジネス化」がますます
重要となってきました。大和プロパティでは、創業以
来50年にわたる不動産経営で培った「ノウハウ」と
不動産コンサルタントおよび不動産鑑定士など「人
材」を駆使して、
これらの動きに対応していきます。
●
務超過となりましたが、2004年6月23日付で、大和証
券グループ本社を割当先とする23,000株の第三者割
当増資(総額582億円)を実施し、これを解消しまし
た。資本の充実が図れたことと、前述の戦略の着実
な履行により、2004年度以降、安定的な収益の確保
を目指します。
プロパティマネジメント体制の強化策としては、大和
証券グループ所有・賃借物件の状況把握体制の確
立(データ管理)、耐震対策、防災体制の徹底、賃
借物件のリスク管理などを推進します。
●
ソリューションビジネスでは、大和証券SMBCプリンシ
パル・インベストメンツとの連携を通じて、アセット・マネ
ジメント業務や、不動産経費削減や減損処理に絡
む不動産関連のコンサルティング業務の獲得を目指
します。
事業概況:事業別・グループ会社別概況 サポート
株式会社大和証券ビジネスセンター/大和プロパティ株式会社
45
事業概況:事業別・グループ会社別概況
ベンチャー・キャピタル
エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ株式会社
取締役社長
山村 信一
百万円
業績ハイライト
%
営業収益* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年度
8,845
2002年度
1,340
2003年度
5,207
販売費・一般管理費* . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,222
3,868
3,916
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,289
(3,457)
492
—
経常利益(損失) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,336
(2,850)
465
—
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,257
(9,319)
555
—
グループ持分(%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
79
79
79
—
対前年度増減率
288.5%
1.2%
* 大和証券グループ本社連結決算用に組替えた数値を掲載しています。
事業内容と特色
●
●
●
こうしたなか、エヌ・アイ・エフ ベンチャーズでは、IT、
革新的な技術やビジネスモデルを持ち、将来的に株
バイオテクノロジーやナノテクノロジーなど高度な技
式公開が見込まれる有望企業への「ベンチャー投
術を持つベンチャー企業等、成長有望な企業を十
資」と、優良な経営資源を有する企業の事業再構
分精査・選別し、積極的な投資を行なっていきます。
築を支援する「バイアウト投資」をコア・ビジネスとす
また、優良な経営資源を有する中小・中堅企業に注
る総合プライベート・エクイティハウスです。
目し、バイアウト投資も拡大していきます。
投資先企業の支援、育成や経営参画を通じての企
業価値の向上や新しいビジネスの創出を図ることで、
●
中国での投資体制構築のため、拠点の設置を検討
します。
日本経済の成長に貢献しています。
●
海 外 への投 資にも積 極 的に取り組んでいます 。
2003年度末の海外への投資残高は310億円と、投
資残高全体の38%を占めています。
●
2002年3月にジャスダック市場に上場しました。大和
証券グループ内における上場会社は、グループ本社
以外では同社のみとなっています。
2003年度の業績回顧と今後の方向性
2003年度の業績は大幅に改善
経常利益は前年度の28億5,000万円の赤字から2003
年度は4億6,500万円の黒字に転換しました。過去に
投資したIT関連のベンチャー投資の損失処理はあり
ましたが、投資先企業の上場が7社増えて24社になっ
たことと、株式相場の回復により利益が押し上げられ
マクロ認識と基本戦略
●
2003年度の国内の新興三市場(東証マザーズ、
2003年度の投資実行額は前年度比30%減の140
ジャスダック、大証ヘラクレス)の新規公開社数は、
億円にとどまりました。国内での投資は65%増と順調
合計103社で前年度の105社から若干減少しました
に拡大させたものの、株式公開市場が低調だった海
が、上期の35社に比べ、下期は68社に増加し、活
外での投資を抑えたためです。
況を呈しました。日本の景気回復が顕著となるなか、
46
ました。
引き続き、投資案件の発掘のための質の高い情報収
ベンチャー企業の株式公開は、今後も高い水準で
集力、投資先企業の経営支援体制、そしてファンド開発
推移していくものと思われます。
力を強化・拡充し、生産性のさらなる向上を目指します。
大和証券グループ アニュアルレポート2004
グループのマネジメント体制
〜社会とともに持続可能な成長・発展を目指して〜
大和証券グループは、
「成長性」
「収益性」
「安定性」の3要素をバランスよく向上させて
こそ「企業価値の極大化」が図れることを
強く認識しています。充実したマネジメント
体制のもと、○自己研鑽の継続、○企業外部
の意見の経営への反映、○社会・環境への
貢献、を着実に行なっていくことで、あらゆ
るステークホルダーの皆様との「共存共栄」
を図ります。
48 基本姿勢・理念
49 推進体制
51 環境報告
52 社会性報告
54 経済性報告
グループのマネジメント体制
基本姿勢・理念
近年、
「企業の社会的責任」
(CSR:Corporate Social Responsibility)にスポットライ
トが当て
られています。この言葉は決して新しいものではありませんが、以前とはその言葉の持つ意味が変
わってきています。私たち大和証券グループでは、CSRの本質は「責任」といった受身ではなく、企
業の社会的「信頼」であると考えており、ブランド経営の礎として積極的に取り組んでいます。
グループ企業理念
ブランド・ステートメント
私たち大和証券グループがもっとも重視するのは信頼
2000年10月、お客様からの信頼の証としてのブランド
の構築です。お客様からの信頼を得て初めて、大和
を確立するため、当社グループでは「コーポレートブラ
証券グループのブランドが成り立つと考えています。こ
ンディング・プロジェクト」を立ち上げました。翌2001年
うした考え方を背景に、当社グループの精神的支柱と
3月には、お客様への「約束」を明確に宣言した「ブ
して「グループ企業理念」を制定しています。グルー
ランド・ステートメント」を公表しました。
プ企業理念では、
「信頼の構築」を第一に、当社グ
ループの競争力の源泉である「人材の重視」、当社グ
社会的責任(CSR)
ループに誇りと繁栄をもたらす「社会正義の貫徹」、健
世界的にCSRが高まりをみせている背景には、環境問
全なビジネス展開を通じて企業価値を高める「健全な
題や社会不安の増大、貧富の格差の拡大など、地球
利益の確保」を掲げています。
規模でのサステナビリティ(持続可能性)の課題があ
ります。こうした課題を解決していくためには、企業の
果たす役割が不可欠です。これからの企業には、株
コーポレート・ブランド経営とサステナビリティ
主やお客様といった特定のステークホルダーのみを重
視するのではなく、すべてのステークホルダーからの要
お客様
株主・投資家
社会
請のバランスをとる経営が求められています。私たち
従業員
大和証券グループでは、CSRは広義のコーポレート・ガ
バナンスそのものであり、適切な情報開示、コミュニ
サステナビリティに向けた活動
ブランド経営
ブランド・ステートメント
グループ企業理念
48
信頼の構築
人材の重視
社会正義の貫徹
健全な利益の確保
大和証券グループ アニュアルレポート2004
ケーション活動が不可欠であると考えています。
グループのマネジメント体制
推進体制
コーポレート・ガバナンス
大和証券グループは、
コーポレート・ガバナンスにおいても、先駆的な改革者であり続けたいと考えます。
2004年6月開催の定時株主総会の決議を経て、大和証券グループ本社は「委員会等設置会社」に移行しました。こ
れにより、経営の監督と業務執行との分離、経営の透明性・客観性のさらなる向上を図ります。
2003年度においては「ディスクロージャー・ポリシー」を制定、適時・適正かつ公正な情報開示に対する当社グループ
の考え方を明示しました。また、経営監理委員会を新設し、内部統制、
リスク管理体制および内部監査体制の整備を
図っています。
委員会等設置会社への移行
2004年3月には、こうした当社グループの情報開示に対する基
大和証券グループは、1999年に我が国上場企業初の持株会社
本的な考え方を明文化した「ディスクロージャー・ポリシー」を制
体制に移行し、グループ各社の独自性・専門性を活かしつつ、
定、
さらに、ポリシーの実効性を高めるため、グループ本社では
グループ経営を実践する体制を確立しました。さらに、2004年6
「ディスクロージャー規程」を制定し、ディスクロージャー委員会
月には、
「指名委員会」
「監査委員会」
「報酬委員会」のいわゆ
の設置や情報開示の方法などを定めました。また、主要子会社
る「三委員会」および執行役の設置を義務付けた「委員会等
においても同様の規程等を制定し、グループの情報開示方針の
設置会社」へ移行し、経営の監督と業務執行を明確に分離し
統一を図っています。これらの規程において定める当社グルー
ました。委員会等設置会社への移行目的は以下のとおりです。
プの「経営関連情報」については、法令・諸規則にもとづいた
1. 社外取締役を増員し、指名・監査・報酬の三委員会を設置す
情報だけでなく、社会的責任を果たすために求められる、
コンプ
ることにより、経営の透明性向上につなげます。
ライアンスやコーポレート・ガバナンスに関する情報、地域社会や
2. グループ本社執行役の一部がグループ各社の主要役員を兼
環境に関する情報も含まれています。
務することにより、グループ戦略にもとづいた部門戦略を効果
的・効率的に実現します。
経営監理委員会の新設
3. 取締役会から執行役への大幅な権限委譲と執行役の業務
経営監理委員会は、執行役会の分科会として当社グループの
分掌の明確化により、意思決定の機動性を向上させます。
業務に係る内部統制・リスク管理体制・内部監査体制の整備に
関する事項について審議・決定します。経営監理委員会は、原
グループ本社においては、取締役会および三委員会が監督機
能を、執行役会および執行役が業務執行機能を担い、経営の
則として3ヶ月に一回開催して、内部統制システムの向上に努
めます。
透明性および客観性のさらなる向上を目指します。
委員会等設置会社制度
ディスクロージャー・ポリシーの制定
株主総会
選任・解任
企業にとって、情報開示の充実は、経営の透明性の確保、ガバ
選任・解任
ナンスの向上に不可欠なものです。当社グループでは、株主・投
資家をはじめとするステークホルダーの皆様の当社グループに
対する理解を促進し、適正な評価・判断に資するべく、適時・適
正かつ公正な開示を基本としています。
執行役
取締役会
報告
選任・解任
報告
指名委員会
監査委員会
報酬委員会
グループのマネジメント体制
基本姿勢・理念/推進体制
49
グループのマネジメント体制
推進体制
コンプライアンス
コンプライアンスは、ブランド構築の根幹を成すものであり、企業の存続に不可欠であるとの認識の
もと、大和証券グループでは、
コンプライアンス部門による営業店の訪問や研修などを通じて役職員の
自覚を促すとともに、グループ各社それぞれにおいてチェック体制を確立しています。
大和証券グループ本社における取組み
大和証券SMBCにおける取組み
大和証券グループ本社では、グループ横断的な施策
大和証券SMBCでは、法務考査部を中心とした管理
として「企業倫理ホットライン」
(内部通報制度)を
体制の強化を図っています。2002年度より、投資銀行
2003年1月に導入しました。組織の自浄システムを
部門の従業員が有価証券取引を行なう際の承諾者
構築することで、違法行為や当社グループのブランド
を法務考査部長に一本化していましたが、2004年1月
を毀損する行為を抑止することを目的としています。
には、全役職員についても承諾者を法務考査部長に
通報者の保護体制を整え、イントラネット、eメール、電
一本化しました。
話など、さまざまな手段を通じて通報できる制度と
なっています。
また、
コンプライアンス意識の浸透のために研修を拡
充しています。2003年度においては、
コンプライアンス
研修の対象者を大きく拡大、新任役員、新任部長、昇
大和証券における取組み
級者への集合研修を開始しました。さらに、業務に即
大和証券では、2002年度においてコンプライアンス部
した部門別・テーマ別研修も行なっています。また、各
のスタッフを増強し、営業店へのチェック体制および指
部署に配置している内部管理責任者については、法
導を強化しましたが、2003年度においては、
コンプライ
務考査部を兼任し、内部牽制機能を強化しました。
アンス担当役員のもとにコンプライアンス副担当5名
(地域別担当)を配置しました。さらに、2004年4月よ
り、各母店に「コンプライアンス・オフィサー」を配置し
ました。コンプライアンス・オフィサーはコンプライアンス
部に所属し、部外者の視点で営業店の内部管理責
任者や営業責任者の指導・監督を行ないます。また、
コンプライアンス研修を拡充し、2003年度には新たに
「内部管理責任者のスキルアップ研修」
「コンプライア
ンス実地検査研修」
「中堅営業員向け研修」を実施
しました。
50
大和証券グループ アニュアルレポート2004
グループのマネジメント体制
環境報告
大和証券グループでは、健全な環境の維持は、企業の持続的成長の礎であるとともに、社会の一員
としての当然の責務であるとの認識のもと、主要な環境負荷データを収集、経年変化を注視するとと
もに、
さまざまな対応を行なっています。
上水使用量削減への取組み
省エネルギーへの取組み
大和証券グループでは、電灯の部分消灯や事務用機
「水を無駄に消費しないキャンペーン」の実施や、厨
器の不要時の電源オフなどにより、日常的にエネル
房・
トイレなどへの節水装置の設置により、当社グルー
ギーの節約に努めるとともに、設備更新の際には可能
プの上水使用量は2000年度から漸減傾向にありま
な限り省エネルギー対応の設備を導入しています。ま
す。2003年度においては43,800万リットルと、2002年
た、大和総研の拠点の一部では、廃熱を利用した給
度の47,300万リットルから7%減少しました。
湯や夜間電力を活用したエコアイス設備を導入してい
ます。これらの成果により、2000年度以降の当社グ
省資源、
リサイクル、廃棄物削減への取組み
ループの主要オフィスビルにおけるエネルギー使用量
大和証券グループにとって「省資源、
リサイクル、廃棄
は、電力が横ばいで推移していたのが2003年度には
物削減」への取組みにおける最大の課題は、紙の使
4%減、都市ガスについては漸減傾向であったものが
用の削減および紙ごみのリサイクルです。当社グルー
2003年度には17%減となっています。
プ内では、eメールやイントラネットの活用によって社内
文書を大幅に削減したほか、機密情報に属さない文
CO2削減に向けた取組み
書については裏面コピーの利用を促進し、紙の使用
相対的に規模の大きい大和証券本店ビル、永代ダイ
量の削減を図っています。また、大和証券では、
これま
ヤビル、大和永代ビルでは、2002年6月に「地球温暖
で紙でお客様に配布していた目論見書について、イン
化対策計画書」を東京都に提出、2004年度の温室
ターネットを通じて交付するサービスを2003年5月より
効果ガス排出量(CO2換算)を2001年度比でそれぞ
開始しました。一方、紙ごみについては、分別を徹底
れ2.0%、0.1%、1.9%削減する目標を掲げて、取組みを
し、処理会社とも連携して最終リサイクルが確実に行
進めています。2003年度時点では、2001年度比でそ
なわれるようにしています。ここ数年、紙のリサイクル率
れぞれ17%減、3%減、1%増となっています。
は平均して90%弱となっています。
電力使用量推移
10,000(万kwh)
グループ14ビル
グループ18ビル+大和証券の各支店
上水使用量推移
50,000(万リットル)
8,000
40,000
6,000
30,000
4,000
20,000
2,000
10,000
0
グループ12ビル
グループ16ビル+大和証券の各支店
0
2000
2001
2002
2003年度
*2002年度よりデータの対象範囲を拡大しています。
2000
2001
2002
2003年度
*2002年度よりデータの対象範囲を拡大しています。
グループのマネジメント体制
推進体制/環境報告
51
グループのマネジメント体制
社会性報告
CSRへの取組み
大和証券グループの事業活動は社会の健全な発展のうえに成り立つものであるとの認識のもと、本
業を通じて、
また、社会貢献活動を通じて、
さまざまな形でCSRへの取組みを進めています。
本業を通じたCSRへの取組み
社会貢献
SRI(社会的責任投資)
従業員のボランティア活動の支援
SRIは、市場のメカニズムを活用して社会性に配慮した
当社グループでは、グループ本社のCSR室が中心と
資金の流れを生み出す仕組みで、大和証券グループ
なって、各種ボランティア活動を主催したり、
さまざまな
が、本業である証券業を通じて貢献できる分野です。
団体や企業が主催する活動に参加しています。また、
当社グループでは、2001年6月より環境への配慮を銘
新入社員研修時に「社会貢献プログラム」を導入し
柄選定基準にするエコ・ファンド「Mrs. グリーン」
(設
ているほか、管理職研修にも福祉体験講座を取り入
定・運用:大和住銀投信投資顧問)を、2003年10月か
れており、役職員の社会貢献に対する意識向上を
らは、企業のCSR遂行度に着目して銘柄を選定する
図っています。
「UBSグローバル株式40」を販売してきました。さらに、
2004年5月には大和証券投資信託委託が設定・運用
3つの財団を通じた地域社会・国際社会への助成活動
する「ダイワSRIファンド」を発売しました。このファンド
当社グループでは、3つの財団を通じて地域社会・国
は、 企業の誠実さと透明性 を重点的に評価して銘
際社会への助成活動を行なっています。
「大和証券
柄を選定しています。
ヘルス財団」
(1972年設立)は、生活習慣病の予防
や治療に関する調査・研究、健康保持・増進に関する
教育・研究活動
啓発活動を、
「大和証券福祉財団」
(1994年設立)は、
私たちが本業を通じて社会に貢献できるもうひとつの分
福祉・医療分野におけるボランティア活動への助成を
野として、経済・金融分野での教育・研究があります。
行なっています。また、
「大和日英基金」
(1988年設立)
当社グループでは、産学連携や大学発ベンチャーの
は、英国と日本の相互理解の促進を目的としたプログ
支援などを推進しています。最近では、2004年4月に
ラムに取り組んでいます。
開講した早稲田大学大学院ファイナンス研究科と提携
し、寄付講座「債券インベストメント」を開設しました。
文化事業への協賛活動
今後も、共同研究、講師派遣、インターンシップなどを
当社クループは、歌劇、演劇、絵画展などの文化事業
通じて、資本市場の発展に貢献していきます。このほ
への協賛にも積極的に取り組んでいます。2003年度
か、大和証券の各地の支店長やグループ各社の役職
においては、5月から6月にかけて、東京・滋賀にて北
員が、多くの大学院、大学、短期大学で講義を行なっ
イタリアのジュゼッペ・ヴェルディ歌劇場「トリエステオペ
ており、証券知識の普及に努めています。また、米国
ラ」の公演に特別協賛しました。
発祥の青少年経済教育NPOの「ジュニア・アチーブメ
ント」による中学・高校生向けの実技体験型経済教育
の支援も行なっています。
52
大和証券グループ アニュアルレポート2004
人材マネジメント
「人材」は大和証券グループの競争力の源泉であり、ブランド構築の基礎です。従業員が「働きが
い」
「誇り」
「満足感」を持って業務に取り組めるように、
「人材マネジメント制度の充実」を中期経営
計画の重点課題のひとつとしています。
成果主義の徹底
公正な評価制度の確立
クオリティと生産性の向上に対する各自のパフォーマ
公正な人事評価は人材マネジメントの要です。当社グ
ンスをこれまで以上に報酬に反映させることで、
よりモ
ループでは「双方向評価」と「全方位評価」を実施
チベーションを高めるべく、職種別処遇体系の導入や
しています。
「双方向評価」では、上司と部下が互い
人事考課の細分化、評価による格差の拡大などを進
に評価を行ないます。
「全方位評価」では評価者をさ
めました。また、大和総研のアナリストや、大和証券投
らに広げ、業務上関係が深い他部署からの評価を取
資信託委託のファンドマネージャーには、実績を反映さ
り入れることで、
より公正な評価を行なうことができると
せた年俸制も導入しています。
考えています。全方位評価は現在、グループ本社と大
和証券SMBCで実施していますが、今後はグループ
各社に広げていく予定です。
選択肢の拡充
意欲と能力のある従業員の可能性を広げるため、
2000年に導入した「グループ内公募制度」の対象と
人材の質的向上
なる部署を拡充しています。応募資格を満たし、論文、
専門的スキルを持つ人材を積極的に採用するととも
面接などの試験に合格すれば、グループ内の希望す
に、従業員の専門知識・スキルアップのための研修制
る部署に転籍することができます。2003年度までに6
度の充実を図っています。2002年度には大和証券、
回実施しており、応募者・合格者とも着実に増加して
2003年度には大和証券SMBCにおいてeラーニング・
います。
システムを導入し、従業員の自発的なスキルアップを
サポートしています。また、外部資格取得への支援拡
充や、社内資格制度を導入することで、専門知識の習
得やスキル向上を促進します。一方で、管理職のレベ
ルアップのために、選抜された部室店長を対象とした
「大和経営アカデミー」や同じく選抜された次長を対
象とした「大和リーダーシップ・プログラム」を開講して
います。2003年度においては、新たに「キャリア・マネ
ジメント研修」を開始しました。
グループのマネジメント体制
社会性報告
53
グループのマネジメント体制
経済性報告
財務戦略
大和証券グループでは、株主価値の持続的向上を最重要の目標として、ROEを重視した経営戦略
の立案と、経営のトレースを行なっています。具体的には、経営資源をコア・ビジネスである証券関連
業務に集中させ、各事業に固有のリスクをしっかりと把握・管理する財務運営により、持続可能な成
長を目指しています。
成長性と安全性のバランス
経営資源の配分
大和証券グループでは、持続可能な成長を達成する
財務リスクを軽減する一方、事業計画にしたがって、
ために、
コア・ビジネスと関連の薄い資産の売却を進め、
事業展開や成長に必要な資本や資金をグループ各社
コア・ビジネスである証券関連業務へ経営資源を集中
に配分します。ただし、証券子会社(大和証券、大和
しています。同時に、それらの業務において直面する
証券SMBC)と上場子会社(エヌ・アイ・エフ ベン
市場リスクや信用リスクなど、事業面でのリスクのモニ
チャーズ)は、
リスク管理体制を確保したうえで、資金
タリングとコントロールを行なっています。また、コア・ビ
の調達および管理を独自に行なっています。これは、
ジネスと関連の薄い負債を削減するなど、財務面での
証券会社の資金調達が営業活動の一環であるという
リスクにも効果的に対応しています。
ことと、上場子会社には親会社に依存しない資金調
達が要請されていることによるものです。
バランスシートの改善
当社グループでは、1999年度末から2003年度末まで
経営トレース
の4年間で、固定資産を8,284億円から5,556億円へと
大和証券グループでは、株主価値の持続的向上を最
圧縮しました。なかでも有形固定資産は、不動産賃貸
重要の目標として、ROEを重視した経営計画の立案
事業から撤退したことや、2005年度から義務付けられ
や経営成績のトレースを行なっています。連結株主資
る「固定資産の減損に係る会計基準」を2年前倒し
本はこれまでほぼ全額がグループ会社に適正に配分
で適用したことにより、同期間で3,246億円から1,431億
されていましたが、財務およびコア・ビジネス以外の事
円に減少しています。また、投資有価証券も同期間に
業のリストラクチャリングを行なった効果により、2004年
2,201億円から1,874億円まで削減しました。一方で、
度からは再配分可能な余裕資本が発生するものと考
これらの資産圧縮によって回収した資金などを活用し
えています。当社グループでは、当面、この余裕資本
て、コア・ビジネス以外の対外債務を1999年度末の
を高い成長性・収益性が見込める事業へと配分する
9,160億円から2003年度末には4,730億円にまで削減
ことによって、株主価値を高めていきます。そうするこ
しました。
とにより、中期経営計画における2005年度の連結
ROE目標12%を少しでも上回る結果を残したいと考
えており、
また、中期的には15%程度のROEを達成し、
株主への還元も進めていきたいと考えています。
54
大和証券グループ アニュアルレポート2004
リスク・マネジメント
グループ各社では、事業活動のなかでさまざまなリスクをとり、それを管理しつつ、
リターンをあげて
います。また、グループ全体としても、大和証券グループ本社とグループ各社の担当部署と共同で
リスク・マネジメントを行なっています。リスク・マネジメントの詳細は、本アニュアルレポートの「2003年度の
業績回顧と分析」の「リスク・マネジメント」の項目をご覧ください。
市場リスク
オペレーショナル・リスク、
システム・リスク
トレーディング・ポジションの市場リスクを計測しモニタリ
多様な業務に応じて、権限の厳正化、人為的ミス削減
ングする指標のひとつとして、統計的管理手法として
のための手作業事務処理の機械化、業務マニュアル
知られているバリュー・アット・リスク(VaR)を採用して
の整備等の必要な対策を講じており、グループ各社の
います。
業態の特性に応じたオペレーショナル・リスクの削減に
努めています。
トレーディング・ポジション以外の市場リスク
トレーディング・ポジション以外に取引関係目的等で長
リーガル・リスク
期保有する上場株式については、保有枠などを定め
証券関連業務およびそれ以外の業務執行一般につ
るとともに、VaRを計測し、四半期ごとに経営監理委員
いての法令・諸規則等の遵守事項に抵触することの
会に報告されています。
ないよう、各社においてコンプライアンスを担当するセク
ションを定め、経営会議等の取締役を構成員とする会
議体において検討がなされています。
信用リスク
ホールセール証券業務においては、取引先ごとに与信
枠を設けて信用リスクを制限しています。また、取引先
レピュテーショナル・リスク
ごとに社内格付を割当て、取引実行の判断基準のひ
情報管理と情報提供の観点から、ディスクロージャー・
とつとしています。社内格付は、外部の格付会社に
ポリシーおよびディスクロージャー・ポリシーにもとづく各
よって付与された格付と同等のものです。
種規程を整備し、執行役会の分科会であるディスク
ロージャー委員会を設置しています。
流動性リスク
当社グループの資産の大半は流動性が高いものと
なっていますが、十分な支払能力を確保するために、
流動性の維持・管理が重要です。市場環境の急変に
よるクレジット・クランチの発生の際にもビジネス活動が
継続できるよう、新規の無担保資金調達に依存するこ
となく、1年間程度の資金需要に対応できる流動性
ポートフォリオ等を維持しています。
グループのマネジメント体制
経済性報告
55
グループのマネジメント体制
経済性報告
インベスター・リレーションズ(IR)
決算情報をはじめとする経営関連情報を適時・適正に開示するのはもちろんのこと、グループの戦略
や事業の動向などをわかりやすく説明し、経営の透明性の向上を図ることで、各ステークホルダーの
信頼獲得と大和証券グループのブランド確立を目指しています。
ホームページなどの活用
株主・投資家の皆様とのコミュニケーション拡充
当社グループでは、グループ本社の広報部およびIR室
当社グループでは、個人株主および投資家の皆様との
が中心となり、
さまざまなコミュニケーション手段を活用
コミュニケーションの拡充にも注力しています。大半の
して情報開示を行なうとともに、ステークホルダー間の
株主が株主総会に出席したことがないという状況を踏
情報格差解消にも努めています。四半期ごとに開示
まえ、インターネット議決権行使の導入や、大阪・名古
している決算情報は、発表後速やかに当社ホーム
屋における株主総会の衛星同時中継などを行なって
ページ内のIRサイトに掲載し、決算発表日の夕刻には
います。
アナリスト・機関投資家向け電話会議を実施するととも
また、事業報告書をA4サイズに拡大し、見やすく、
に、同サイト上でライブ中継を行なっています。さらに、
わかりやすいものとなるように改善しました。さらに、
海外向けにも、英語サイトを通じて同様の情報開示を
2003年度から、新しい株主優待として、大和証券の
行なっています。
また、半期に一度、CEOによる経営戦略説明会を開
「ダイワの証券総合サービス ポート・ワン」のポイントプ
ログラムの交換ポイントを贈呈することとしました。
催しているほか、欧・米・アジアにおいても経営陣による
投資家への個別訪問や会社説明会を実施していま
す。これらの説明会等で使用したプレゼンテーション資
料もIRサイト上で開示しており、
また、経営戦略説明会
の動画配信も行なっています。
大和証券グループ本社IRサイト
(http://www.daiwa.jp/ir/)
56
大和証券グループ アニュアルレポート2004
数値で見る
事業環境と大和証券グループの状況
58 5年間の財務ハイライ
ト
59 事業別・地域別情報
60 8四半期の財務ハイライ
ト
62 オペレーション情報
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
5年間の財務ハイライト
大和証券グループ本社および連結子会社
1999年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
百万US$
百万円
営業成績
2003年度
(注記1)
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
651,298
714,909
488,044
387,659
453,814
4,281
受入手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
364,116
254,704
171,869
144,283
194,163
1,831
トレーディング損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
126,170
169,506
67,249
91,307
122,013
1,151
金融収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100,530
220,790
195,934
114,707
103,224
973
その他の営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
60,482
69,909
52,992
37,362
34,414
324
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
512,276
464,057
284,932
270,810
352,435
3,324
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
224,778
177,109
22,769
24,109
92,520
872
税金等調整前当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . .
135,173
166,615
(119,968)
11,845
76,926
725
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
105,376
64,549
(130,547)
(6,323)
42,637
402
百万US$
百万円
財務状況
(注記1)
9,502,826 10,765,665
101,562
422,019
371,294
3,502
45,270
40,733
384
188,451
162,339
143,123
1,350
310,273
214,409
187,437
1,768
570,839
541,719
604,170
5,699
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6,693,308
7,694,051
7,827,306
リスクアセット(注記2). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
589,376
590,345
541,364
営業投資有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
44,742
48,564
42,638
有形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
324,561
313,906
投資有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
220,072
227,875
株主資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
666,072
716,816
US$
円
1株当たり数値
(注記1)
当期純利益(損失)
(注記3). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
79.43
48.62
(98.27)
(4.75)
31.66
0.30
株主資本(注記3). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
502.05
539.72
429.68
407.84
453.60
4.28
年間配当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13.0
13.0
6.0
6.0
10.0
0.09
%
財務指標
株主資本利益率(注記4). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
16.1
9.3
—
—
7.4
株主資本比率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10.0
9.3
7.3
5.7
5.6
11,483
11,559
11,565
人
その他
従業員数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,415
11,114
注記:
1. 米ドル金額は読者の便宜のために提供するものであり、換算レートは1US$=106.00円(単位未満切捨て表示)を使用しています。
2. リスクアセットは、営業投資有価証券、有形固定資産、投資有価証券の合計として計算しています。
3. 1株当たりの当期純利益(損失)および株主資本の計算にあたっては、各年度の平均発行済株式数を使用しています。
4. 株主資本利益率の計算にあたっては、分母の株主資本として前期末株主資本と当期末株主資本の平均値を使用しています。
5. 各種会計基準改訂に伴い、勘定科目の新設・変更等があるため、単純な時系列比較はできません。主な変更点は以下の通りです。
・2000年度においては、
「退職給付に係る会計基準」を適用しています。また「金融商品に係る会計基準」を適用しており、その他有価証券の時価評価に伴って発生し
た評価差額から税効果額を控除した額を「評価差額金」として資本直入しています。そのほか、従来資産の部で計上していた為替換算調整勘定を、資本の部に計上
しています。
・2001年度より、改正後の「証券業経理の統一について」
(2001年9月28日付日本証券業協会理事会決議)を適用しています。
そのため、1999年度および2000年度についても、改正後の基準にもとづき組替えを行なっています。
58
大和証券グループ アニュアルレポート2004
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
事業別・地域別情報
百万円
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
純営業収益の事業別構成
エクイティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
トレーディング損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
フィックスト・インカム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
トレーディング損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アセット・マネジメント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
インベストメント・バンキング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
215,151
84,851
130,300
39,062
3,726
35,336
107,939
48,095
53,810
464,057
80,974
60,667
20,307
47,755
4,671
43,084
61,403
36,313
58,487
284,932
49,178
47,242
1,936
96,580
4,585
91,995
40,870
39,638
44,544
270,810
130,084
80,061
50,024
75,390
5,219
70,171
43,046
55,805
48,111
352,435
受入手数料の事業別構成
エクイティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
委託手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
フィックスト・インカム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アセット・マネジメント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
委託手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
募集・売出しの取扱手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
信託報酬等(代理事務手数料を除く). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
代理事務手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
インベストメント・バンキング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
引受け・売出し手数料:株券等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
引受け・売出し手数料:債券等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
募集・売出しの取扱手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(M&A手数料等). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生命保険販売手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資事業組合運営報酬 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受入手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
84,851
82,231
2,620
3,726
107,939
8
37,510
31,783
38,637
48,095
31,131
7,727
2,099
7,137
10,093
—
4,526
5,567
254,704
60,667
58,280
2,387
4,671
61,403
244
14,734
20,917
25,507
36,313
17,112
9,070
876
7,619
8,815
654
2,419
5,740
171,869
47,242
45,403
1,839
4,585
40,870
276
14,059
13,029
13,506
39,638
18,092
9,522
608
11,084
11,948
3,500
2,439
6,007
144,283
80,061
78,194
1,867
5,219
43,046
209
21,904
9,992
10,940
55,805
36,927
8,400
1,662
8,049
10,032
1,485
2,652
5,895
194,163
250,266
17,082
24,553
5,696
239,719
7,677
23,331
5,862
315,579
11,217
27,369
7,672
23,831
1,973
5,051
(571)
24,054
(3,404)
3,386
67
83,310
1,020
6,956
1,561
5,560,406
1,757,738
661,297
72,098
7,270,670
1,817,691
656,448
63,721
8,617,452
1,948,621
768,712
63,531
地域別情報
純営業収益
424,957
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
24,897
米州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
20,965
欧州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,735
アジア・オセアニア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業利益
170,785
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,156
米州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,792
欧州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,065
アジア・オセアニア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資産
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5,542,775
米州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1,817,112
572,244
欧州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
76,507
アジア・オセアニア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
5年間の財務ハイライト/事業別・地域別情報
59
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
8四半期の財務ハイライト
大和証券グループ本社および連結子会社
2002年度
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
TOPIX(四半期平均、指数). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,082
959
858
831
三市場立会内売買代金(1日平均、十億円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
801
657
598
595
法人 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(671)
1,001
924
(447)
個人 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
266
(417)
(880)
(2)
外国人 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,125
(1,027)
2
200
証券会社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
87
45
(168)
(52)
金利:長期国債指標銘柄利回り(四半期平均、%). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1.38
1.25
1.02
0.81
為替レート
:対ドル(四半期平均、円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
126.9
119.3
122.4
118.9
対ユーロ(四半期平均、円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
116.5
117.3
122.5
127.6
市場環境
主体別売買動向買越(売越)
(三市場合計、十億円)
百万円
営業成績
営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100,717
95,198
100,114
91,628
受入手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
38,990
37,507
34,480
33,305
委託手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
15,562
10,753
12,328
8,197
引受け・売出し手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,988
6,893
7,077
7,986
募集・売出しの取扱手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,965
3,634
2,961
4,105
その他の受入手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13,472
16,226
12,113
13,015
トレーディング損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
24,355
18,686
25,099
25,790
営業投資有価証券売買損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,001
(744)
(281)
(2,599)
金融収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
27,123
30,695
32,218
24,669
その他売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
9,246
9,054
8,597
10,462
金融費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
21,720
24,716
25,701
18,455
売上原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,756
6,162
6,290
7,046
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
72,240
64,319
68,123
66,126
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
62,502
62,465
61,238
60,494
取引関係費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10,277
10,833
9,958
9,583
人件費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
31,923
30,764
30,781
30,434
不動産関係費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,097
9,004
8,384
7,861
事務費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,503
3,621
3,872
3,711
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,143
5,190
5,219
5,513
租税公課 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,446
1,101
1,016
1,106
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,110
1,949
2,006
2,283
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
9,738
1,853
6,884
5,631
営業外収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,854
2,746
1,186
1,370
営業外費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
666
959
423
1,016
経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,926
3,640
7,647
5,985
特別利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,325
5,804
961
6,498
特別損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,195
3,664
6,527
20,557
税引前純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,056
5,780
2,081
(8,073)
純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,785
1,434
(2,544)
(10,998)
注:決算短信の表示に基づく未監査データ
60
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2003年度
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
830
984
1,027
1,082
715
1,150
1,197
1,346
(1,390)
(3,710)
(1,487)
(3,171)
(339)
(474)
(837)
(1,213)
2,003
4,026
1,984
3,629
(48)
24
(51)
(56)
0.60
1.21
1.39
1.32
118.5
117.5
108.9
107.2
134.6
132.1
129.5
134.1
百万円
111,996
110,362
108,462
122,991
31,547
49,441
52,960
60,213
12,939
21,911
21,069
23,724
4,073
10,241
15,656
16,122
5,328
5,631
5,136
7,469
9,206
11,657
11,098
12,896
43,679
24,958
23,221
28,336
288
136
599
793
28,516
27,763
23,830
23,113
7,963
8,063
7,850
10,535
21,985
19,591
17,467
18,285
5,431
5,295
5,322
7,997
84,579
85,475
85,672
96,708
62,672
64,702
63,718
68,820
9,174
9,925
10,119
10,566
34,099
33,352
33,966
35,545
7,846
8,205
7,661
8,805
3,529
3,933
3,619
3,816
4,964
5,242
5,221
6,101
1,172
2,018
1,202
1,224
1,886
2,025
1,926
2,761
21,906
20,772
21,953
27,887
2,654
1,328
954
1,075
878
699
465
359
23,682
21,401
22,442
28,603
314
2,047
748
5,851
394
3,774
3,026
20,971
23,602
19,674
20,164
13,483
11,028
8,263
9,100
14,244
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
8四半期の財務ハイライト
61
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
オペレーション情報
十億円
(別途記載のものを除く)
2002年度
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
大和証券
リテール顧客資産 * . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エクイティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
株式投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
公社債投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金保険 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13,154
6,156
2,899
4,018
1,111
2,907
25
58
12,630
5,795
2,995
3,728
1,000
2,728
51
61
12,514
5,675
3,213
3,511
963
2,548
65
50
12,219
5,369
3,394
3,339
949
2,390
65
53
資産導入額 ** . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未上場法人 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
個人 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
130
60
70
205
19
186
329
41
288
(90)
(61)
(29)
証券総合サービス契約件数 *(千口座). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,074
2,102
2,278
2,292
オンライン口座数 *(千口座). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オンライン預り資産 * . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オンライン取引約定件数(千件). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オンライン比率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オンライン売買代金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オンライン比率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
500
1,673
568
50.8%
244
13.9%
532
1,737
441
53.2%
169
13.1%
609
1,846
435
47.3%
167
8.6%
639
1,914
407
58.2%
152
27.7%
「ダイワ・ダイレクト」コース口座数 *(千口座). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
同預り資産 * . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
205
380
216
374
236
366
244
367
主要商品販売額
株式投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円貨建債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
外貨建債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
120
n.a.
278
95
n.a.
236
94
201
267
109
267
376
大和証券SMBC
総預り資産 * . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エクイティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
株式投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
公社債投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
15,839
6,637
7,174
1,336
369
967
693
15,388
6,248
6,667
1,231
355
876
1,242
15,298
5,462
7,008
1,160
320
840
1,668
15,313
5,253
7,697
1,045
277
767
1,317
大和証券投資信託委託
運用資産残高 * . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
公社債型投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
株式型投信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,933
6,352
1,581
7,243
5,842
1,401
6,788
5,472
1,316
6,325
5,097
1,228
注)* 四半期末時点
** 資産導入額=入出金差額+入出庫差額
62
大和証券グループ アニュアルレポート2004
十億円
(別途記載のものを除く)
2003年度
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
13,573
6,215
3,567
3,480
1,114
2,366
81
230
14,597
7,243
3,395
3,646
1,226
2,420
97
216
15,061
7,567
3,555
3,616
1,313
2,304
110
212
16,762
8,979
3,695
3,757
1,475
2,282
124
207
161
89
73
264
34
230
283
15
268
188
(1)
189
2,303
2,332
2,373
2,430
658
2,291
650
56.4%
270
27.4%
692
2,786
1,031
57.6%
543
27.5%
770
3,389
1,033
62.7%
590
30.4%
807
4,160
1,218
65.7%
715
34.4%
252
451
268
540
282
583
313
707
168
287
458
186
224
226
157
302
142
205
352
259
16,480
6,152
7,569
961
299
662
1,798
17,213
7,091
8,446
849
316
533
827
17,690
7,569
8,304
923
380
543
895
19,395
8,968
8,147
1,002
477
525
1,278
6,203
4,853
1,349
6,141
4,702
1,438
5,989
4,415
1,573
5,947
4,335
1,612
数値で見る事業環境と大和証券グループの状況
オペレーション情報
63
64
大和証券グループ アニュアルレポート2004
その他情報
66 組織図・役員
72 大和証券 国内サービス網
76 国内子会社・関連会社
77 海外拠点
78 株式情報
その他情報:組織図・役員
大和証券グループ本社
1)組織図(2004年7月20日現在)
株主総会
指名委員会
取締役会
監査委員会
報酬委員会
監査委員会室
秘書室
人事部
人事課
人材開発課
給与・厚生課
経営企画部
企画課
グループ事業課
法務部
政策調査課
法務課
知的財産課
広報部
報道課
広告宣伝課
経営監理委員会
執行役会
ディスクロージャー委員会
グループIT戦略会議
代表執行役
IR室
財務部
財務課
企画課
経理課
システム企画部
企画課
業務課
事務管理室
企業倫理室
CSR室
経営監査部
66
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2)役員(2004年7月1日現在)
執行役副社長
取締役
三委員会
取締役会長
指名委員会
樋口
原
良也
取締役副会長
清田
瞭
取締役
鈴木
茂晴
原
良也(委員長)
鈴木
茂晴
川上
哲郎
安田
隆二
北島
敬介
執行役副社長
秦野
執行役副社長(CIO)
武本
辰栄
哲夫
監査委員会
林部
健治(委員長)
北島
敬介
宇野
紘一
専務執行役
長谷川
三千人
取締役
脇水
純一郎
取締役
日比野
隆司
取締役
林部
専務執行役
中村
報酬委員会
原
良也(委員長)
鈴木
茂晴
川上
哲郎
安田
隆二
専務執行役
宇野
紘一
井上
専務執行役
大村
社外取締役
安田
隆二
常務執行役(CFO)
執行役
脇水
社外取締役
宇野
紘一
純一郎
当社取締役
代表執行役社長(CEO)
鈴木
常務執行役
茂晴
日比野
隆司
当社取締役
社外取締役
敬介
洋一郎
大和証券エスエムビーシー(株)専務取締役
当社取締役・大和証券(株)代表取締役社長
北島
信明
大和証券エスエムビーシー(株)専務取締役
健治
哲郎
康男
大和証券(株)専務取締役
社外取締役
川上
明
大和証券(株)代表取締役専務取締役
取締役
樋口
嘉之
(株)大和総研 代表取締役社長
取締役
前
輝男
大和証券投資信託委託(株)代表取締役社長
取締役
斎藤
三千人
当社取締役
大和証券エスエムビーシー(株)代表取締役副社長
代表執行役副社長(COO)
斎藤
執行役
辰栄
当社取締役
大和証券エスエムビーシー(株)代表取締役社長
原
哲夫
当社取締役・大和証券(株)代表取締役副社長
良也
当社取締役会長
執行役
執行役副社長
野田
郁夫
アメリカ大和証券(株)会長
執行役
執行役副社長
前
森
清田
賢治郎
大和証券エスエムビーシー(株)代表取締役副社長
瞭
当社取締役副会長
(株)大和総研 理事長
その他情報:組織図・役員
大和証券グループ本社
67
その他情報:組織図・役員
大和証券
内部監査担当
内部監査部
経営企画部
1)組織図(2004年7月20日現在)
人事部
リーガル・コンプライアンス担当 コンプライアンス部
支店
商品・管理部門統括
財務担当
財務部
管理担当
業務部
システム企画部
商品本部
商品本部長
株主総会
商品企画部
投資情報室
エクイティ部
債券部
商品業務部
監査役会
監査役
アセットマネジメント担当
監査役室
投資信託部
保険年金部
営業部門統括
営業戦略本部
取締役会
経営会議
営業戦略本部長
マーケティング戦略室
情報管理室
CS推進室
執行役員会議
法務監査会議
リスクマネジメント会議
営業企画部
営業サポート部
法人担当
公益法人部
総合法人部
ダイレクト本部
ダイレクト本部長
コール・ネット企画部
コールセンター
エリア営業本部
エリア営業本部長
法人ビジネス担当
エリア営業本部副担当
投資銀行第一部
本支店
グループ営業本部
グループ営業本部長
法人ビジネス担当
グループ営業本部副担当
68
大和証券グループ アニュアルレポート2004
投資銀行第二部
支店
法人ビジネス担当
投資銀行第三部
制度ビジネス担当
制度貯蓄部
プライベートバンキング担当
プライベートバンキング部
投資顧問担当
投資顧問室
2)役員(2004年7月1日現在)
取締役
監査役
執行役員
代表取締役社長
監査役
執行役員
鈴木
茂晴
代表取締役副社長
前
哲夫
代表取締役専務取締役
長谷川
明
多田
勇夫
監査役
上田
進
木
健治
深井
執行役員
中村
小出
常務取締役
山
徳三
執行役員
専務取締役
康男
義美
執行役員
監査役
林部
村上
崇史
富城
執行役員
章
白川
真
常務取締役
石橋
俊朗
常務取締役
嶋村
佳秀
常務取締役
準二
常務取締役
有明
一夫
その他情報:組織図・役員
大和証券
69
その他情報:組織図・役員
大和証券エスエムビーシー
エクイティ担当
エクイティ部
エクイティ運用部
エクイティ企画部
エクイティ戦略室
機関投資家営業部
エクイティ法人営業部
クオンツ開発部
債券担当
債券部
外貨債券部
債券調査部
債券業務部
債券営業部
債券営業推進室
投資信託部
1)組織図(2004年7月20日現在)
商
品
本
部
商品統括部
株主総会
金融・公共法人担当
金融法人第一部
金融法人第二部
公共法人部
事業法人営業担当
事業法人営業部
法人企画担当
法人企画部
事業法人担当
事業法人第一部
事業法人第二部
事業法人第三部
事業法人第四部
事業法人第五部
事業法人第六部
事業法人第七部
事業法人業務推進室
コーポレート・
ファイナンス担当
事業調査部
コーポレート・ファイナンス第一部
コーポレート・ファイナンス第二部
コーポレート・ファイナンス第三部
エクイティ・キャピタルマーケット部
デット・キャピタルマーケット部
国際金融部
公開引受部
ストラクチャード・ファイナンス部
大阪キャピタルマーケット部
大阪公開引受部
名古屋コーポレート・ファイナンス部
M&A担当
企業提携部
制度商品担当
制度商品部
企業年金推進室
大阪支店担当
大阪支店金融公共法人部
大阪支店事業法人営業部
大阪支店事業法人第一部
大阪支店事業法人第二部
大阪支店事業法人第三部
名古屋支店担当
名古屋支店法人営業部
名古屋支店法人第一部
名古屋支店法人第二部
リーガル・
コンプライアンス担当
法務考査部
引受審査部
財務・管理担当
営業管理部
国際事務部
リスクマネジメント部
財務部
IT統括部
総務事務部
企画担当
秘書室
経営企画部
監査役会
監査役
監査役室
取締役会
執行役員会議
投
資
銀
行
本
部
経営会議
法務監査会議
リスクマネジメント会議
引受会議
国際業務企画部
海外担当
[アジア・オセアニア地域]
[欧州・中近東地域]
70
大和証券グループ アニュアルレポート2004
ソウル支店
上海駐在員事務所
北京駐在員事務所
海外現地法人
海外現地法人
2)役員(2004年7月1日現在)
取締役
監査役
執行役員
代表取締役社長
監査役
常務執行役員
斎藤
辰栄
代表取締役副社長
野田
賢治郎
代表取締役副社長
樋口
三千人
専務取締役
大村
山崎
龍治
監査役
藤野
大祐
常務執行役員
岸朗
監査役
妹尾
佐治
良昭
松場
清志
常務執行役員
渡辺
秀雄
監査役
信明
吉武
文徳
常務執行役員
竹内
宏
専務取締役
井上
洋一郎
村上
常務取締役
炭谷
太郎
浩司
代表取締役常務取締役
藤岡
博史
福島
章
執行役員
赤松
和彦
執行役員
駿田
常務取締役
豊
執行役員
田辺
常務取締役
太田
執行役員
和彦
純夫
執行役員
常務取締役
吉留
上田
照章
真
執行役員
田中
光晴
執行役員
山根
正喜
執行役員
多田
正己
執行役員
橋
昭夫
執行役員
鈴木
俊一
執行役員
草木
頼幸
その他情報:組織図・役員
大和証券エスエムビーシー
71
その他情報:
大和証券 国内サービス網 (2004年7月20日現在)
店舗名
郵便番号
住所
電話番号
本店
100-8155
東京都千代田区大手町2丁目6番4号
(03) 3243-2626
本店ステーションプラザ
100-0005
東京都千代田区丸の内1丁目8番1号
(03) 3243-2626
札幌支店
060-8601
北海道札幌市中央区南一条西4丁目13番地
(011) 214-6111
釧路支店
085-0015
北海道釧路市北大通10丁目3番地
(0154) 23-0161
青森支店
030-8611
青森県青森市新町2丁目5番13号
(017) 777-2111
盛岡支店
020-8701
岩手県盛岡市菜園1丁目12番10号
(019) 652-1171
仙台支店
980-0021
宮城県仙台市青葉区中央2丁目8番13号
(022) 221-5111
秋田支店
010-0001
秋田県秋田市中通4丁目5番2号
(018) 831-2811
山形支店
990-0043
山形県山形市本町2丁目4番9号
(023) 622-8151
福島支店
960-8651
福島県福島市栄町11番25号
(024) 522-3111
郡山支店
963-8661
福島県郡山市中町10番10号
(024) 932-3111
いわき支店
970-8026
福島県いわき市平字田町1番地の7
(0246) 23-0111
310-8601
茨城県水戸市泉町2丁目3番2号
(029) 226-9111
北海道・東北地区
関東地区
水戸支店
72
宇都宮支店
320-0033
栃木県宇都宮市本町13番18号
(028) 621-3531
高崎支店
370-0849
群馬県高崎市八島町58番1 号
(027) 327-7111
大宮支店
330-0802
埼玉県さいたま市大宮区宮町1丁目89番地
(048) 642-3881
大宮支店西口ステーションプラザ
330-0854
埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目1番27号
(048) 648-5500
越谷営業所
343-0816
埼玉県越谷市弥生町4番44号
(048) 966-5555
浦和支店
330-0063
埼玉県さいたま市浦和区高砂2丁目14番18号
(048) 834-6111
川口支店
332-0012
埼玉県川口市本町4丁目2番1号
(048) 225-3611
新座志木営業所
352-0001
埼玉県新座市東北2丁目31番地14号
(048) 487-5370
所沢支店
359-1193
埼玉県所沢市東町12番12号
(04) 2922-8111
所沢支店ステーションプラザ
359-1123
埼玉県所沢市日吉町12番1号
(04) 2922-8111
千葉支店
260-0015
千葉県千葉市中央区富士見2丁目2番3号
(043) 227-8181
船橋支店
273-0005
千葉県船橋市本町4丁目40番22号
(047) 424-2111
松戸支店
271-8501
千葉県松戸市本町19番地15
(047) 366-5111
うすい支店
285-0837
千葉県佐倉市王子台1丁目28番地8
(043) 462-1009
柏支店
277-0005
千葉県柏市柏2丁目2番4号
(04) 7166-2701
日比谷支店
100-0011
東京都千代田区内幸町2丁目2番2号
(03) 3508-8111
銀座支店
104-0061
東京都中央区銀座3丁目5番4号
(03) 5250-8585
新宿支店
160-8401
東京都新宿区新宿3丁目30番11号
(03) 3352-5141
高円寺営業所
166-0002
東京都杉並区高円寺北2丁目6番2号
(03) 3310-2121
新宿センタービル支店
163-0663
東京都新宿区西新宿1丁目25番1号
(03) 3345-1661
上野支店
110-8515
東京都台東区上野2丁目13番10号
(03) 3832-0191
亀戸支店
136-0071
東京都江東区亀戸2丁目22番17号
(03) 3681-3181
五反田支店
141-8504
東京都品川区西五反田1丁目1番8号
(03) 3493-1211
自由が丘支店
152-8561
東京都目黒区自由が丘2丁目12番15号
(03) 3717-0141
大和証券グループ アニュアルレポート2004
店舗名
郵便番号
住所
電話番号
蒲田支店
144-8502
東京都大田区西蒲田7丁目45番6号
(03) 3732-9171
大森支店
143-0016
東京都大田区大森北1丁目5番1号
(03) 5471-3311
成城支店
157-0066
東京都世田谷区成城2丁目34番12号
(03) 3415-5211
渋谷支店
150-0041
東京都渋谷区神南1丁目23番14号
(03) 3463-9211
溝の口営業所
213-0001
神奈川県川崎市高津区溝口1丁目9番5号
(044) 811-8011
中野支店
164-0001
東京都中野区中野2丁目30番5号
(03) 5385-1311
池袋支店
171-0022
東京都豊島区南池袋2丁目28番14号
(03) 3982-2141
池袋西口支店
171-0014
東京都豊島区池袋2丁目2番地1号
(03) 3980-1005
赤羽支店
115-8711
東京都北区赤羽1丁目9番5号
(03) 3903-0311
練馬支店
176-0012
東京都練馬区豊玉北5丁目17番13号
(03) 3992-0131
千住支店
120-0034
東京都足立区千住2丁目26番
(03) 3879-6111
吉祥寺支店
180-8521
東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目1番10号
(0422) 22-9311
三鷹営業所
181-0013
東京都三鷹市下連雀3丁目26番9号
(0422) 41-0777
国立支店
186-0002
東京都国立市東1丁目4番地11
(042) 571-0211
立川支店
190-8686
東京都立川市曙町2丁目7番16号
(042) 526-1711
八王子支店
192-8655
東京都八王子市中町3番14号
(0426) 44-2211
多摩支店
206-8520
東京都多摩市関戸1丁目7番地5
(042) 375-5511
町田支店
194-8521
東京都町田市原町田6丁目20番20号
(042) 722-2131
横浜支店
231-0015
神奈川県横浜市中区尾上町2丁目20番地
(045) 671-6700
横浜駅西口支店
220-8656
神奈川県横浜市西区南幸1丁目11番1号
(045) 311-1271
戸塚支店
244-8601
神奈川県横浜市戸塚区戸塚町4100番地
(045) 864-1715
川崎支店
210-8502
神奈川県川崎市川崎区駅前本町12番地1
(044) 244-2121
藤沢支店
251-0052
神奈川県藤沢市藤沢462番地
(0466) 23-8111
鎌倉支店
248-0006
神奈川県鎌倉市小町1丁目4番31号
(0467) 23-1616
厚木支店
243-8601
神奈川県厚木市中町4丁目14番1号
(046) 224-8111
茅ヶ崎支店
253-0044
神奈川県茅ヶ崎市新栄町9番9号
(0467) 58-6111
横須賀支店
238-0008
神奈川県横須賀市大滝町2丁目7番
(046) 821-1800
新潟支店
951-8611
新潟県新潟市本町通七番町1093番地の2
(025) 223-4101
長岡支店
940-0066
新潟県長岡市東坂之上町1丁目2番5号
(0258) 37-9001
富山支店
930-8611
富山県富山市荒町3番3号
(076) 424-2411
高岡支店
933-0023
富山県高岡市末広町1014
(0766) 21-3500
金沢支店
920-8701
石川県金沢市高岡町3番28号
(076) 262-4211
福井支店
910-8601
福井県福井市中央1丁目4番28号
(0776) 22-3311
甲府支店
400-0031
山梨県甲府市丸の内2丁目16番4号
(055) 222-0121
長野支店
380-0824
長野県長野市南石堂町1282番16号
(026) 227-6501
松本支店
390-0874
長野県松本市大手2丁目3番18号
(0263) 35-0131
岐阜支店
500-8566
岐阜県岐阜市神田町7丁目7番地の8
(058) 265-2171
静岡支店
420-8722
静岡県静岡市追手町1番1号
(054) 254-3151
浜松支店
430-8675
静岡県浜松市砂山町6番地1
(053) 454-1411
中部・北陸地区
その他情報:大和証券国内サービス網
73
店舗名
郵便番号
住所
電話番号
沼津支店
410-0801
静岡県沼津市大手町5丁目7番22号
(055) 962-3590
名古屋支店
460-8653
愛知県名古屋市中区錦3丁目15番30号
(052) 963-7111
名古屋駅前支店
450-0002
愛知県名古屋市中村区名駅4丁目6番23号
(052) 571-3111
豊橋支店
440-0888
愛知県豊橋市駅前大通1丁目27番1号
(0532) 55-0011
岡崎支店
444-0860
愛知県岡崎市明大寺本町2丁目16番
(0564) 24-6811
一宮支店
491-0859
愛知県一宮市本町3丁目2番14号
(0586) 71-6311
津支店
514-8601
三重県津市丸之内32番18号
(059) 226-7111
彦根支店
522-0075
滋賀県彦根市佐和町6番9号
(0749) 23-2111
京都支店
600-8005
京都府京都市下京区四条通麩屋町西入立売東町28-2
(075) 251-2111
大阪支店
530-8265
大阪府大阪市北区曽根崎新地1丁目13番20号
(06) 6454-7778
梅田支店
530-0012
大阪府大阪市北区芝田1丁目1番3号
(06) 6373-3311
難波支店
542-8511
大阪府大阪市中央区難波4丁目2番3号
(06) 6632-5151
京橋支店
534-0024
大阪府大阪市都島区東野田町2丁目9番23号
(06) 6354-1201
阿倍野支店
545-0052
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋2丁目4番46号
(06) 6624-0333
岸和田支店
596-0055
大阪府岸和田市五軒屋町3番8号
(0724) 23-3501
豊中支店
560-0021
大阪府豊中市本町1丁目5番9号
(06) 6854-1131
川西能勢口駅営業所
666-0033
兵庫県川西市栄町20番1号
(072) 758-7201
茨木支店
567-0829
大阪府茨木市双葉町10番1号
(072) 632-0651
神戸支店
650-0021
兵庫県神戸市中央区三宮町1丁目2番4号
(078) 392-7911
姫路支店
670-0927
兵庫県姫路市駅前町254番地
(0792) 23-2881
尼崎支店
660-0882
兵庫県尼崎市昭和南通4丁目27番地
(06) 6411-1481
明石支店
673-0892
兵庫県明石市本町2丁目2番22号
(078) 917-0001
西宮支店
662-0832
兵庫県西宮市甲風園1丁目10番8号
(0798) 66-3500
奈良支店
630-8666
奈良県奈良市高天町48番の1
(0742) 23-1271
和歌山支店
640-8651
和歌山県和歌山市本町1丁目47番地
(073) 431-1131
鳥取支店
680-8511
鳥取県鳥取市今町1丁目121番地
(0857) 29-1511
松江支店
690-0003
島根県松江市朝日町480の8
(0852) 27-7151
岡山支店
700-0907
岡山県岡山市下石井1丁目1番3号
(086) 225-1111
広島支店
730-0011
広島県広島市中区基町12番9号
(082) 228-5211
福山支店
720-8641
広島県福山市延広町1番1号
(084) 931-3333
下関支店
750-0016
山口県下関市細江町1丁目2番12号
(0832) 31-5151
徳山支店
745-8611
山口県周南市みなみ銀座1丁目1番地
(0834) 21-5601
徳島支店
770-0834
徳島県徳島市元町1丁目24番地
(088) 623-0131
高松支店
760-8611
香川県高松市番町1丁目1番1号
(087) 822-2222
松山支店
790-0003
愛媛県松山市三番町3丁目9番地10
(089) 941-7101
近畿地区
中国地区
四国地区
74
大和証券グループ アニュアルレポート2004
店舗名
郵便番号
住所
電話番号
新居浜支店
792-0016
愛媛県新居浜市港町2番10号
(0897) 33-5800
高知支店
780-0870
高知県高知市本町1丁目2番7号
(088) 823-0323
福岡支店
810-0001
福岡県福岡市中央区天神1丁目12番5号
(092) 713-4007
北九州支店
802-0003
福岡県北九州市小倉北区米町1丁目2番26号
(093) 531-1141
九州・沖縄地区
久留米支店
830-0032
福岡県久留米市東町35番地9
(0942) 33-2131
佐賀支店
840-0816
佐賀県佐賀市駅南本町4番1号
(0952) 24-6121
長崎支店
850-0033
長崎県長崎市万才町7番1号
(095) 823-0181
熊本支店
860-8688
熊本県熊本市花畑町12番28号
(096) 353-2551
大分支店
870-0035
大分県大分市中央町1丁目4番26号
(097) 537-8111
宮崎支店
880-0805
宮崎県宮崎市橘通東4丁目6番30号
(0985) 29-5211
鹿児島支店
892-0828
鹿児島県鹿児島市金生町6番9号
(099) 223-5141
那覇支店
900-0032
沖縄県那覇市松山1丁目1番14号
(098) 861-5200
大和証券コールセンター
フリーダイヤル 0120 - 010101
大和証券ホームページ
h
t
t
p
://www.daiwa.co.jp/
その他情報:大和証券国内サービス網
75
その他情報:
国内子会社・関連会社 (2004年7月1日現在)
会社名
郵便番号
住所
電話番号
大和証券(株)
100-8101
東京都千代田区大手町二丁目6番4号
(03) 3243-2111
大和証券エスエムビーシー(株)
100-8289
東京都千代田区丸の内一丁目8番1号丸の内トラストタワーN館
(03) 5533-8000
大和証券投資信託委託(株)
103-0025
東京都中央区日本橋茅場町二丁目10番5号住友生命茅場町ビル
(03) 5695-2111
135-8460
東京都江東区冬木15番6号大和総研ビル
(03) 5620-5100
大和住銀投信投資顧問(株)
103-0027
東京都中央区日本橋二丁目7番9号大手町建物日本橋ビル
(03) 3243-2915
(株)大和証券ビジネスセンター
135-0016
東京都江東区東陽二丁目3番2号東陽町センタービル
(03) 5633-6100
大和プロパティ(株)
103-8219
東京都中央区日本橋茅場町一丁目1番9号大和証券兜町ビル
(03) 3665-5601
エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ(株)
104-0031
東京都中央区京橋一丁目2番1号大和八重洲ビル
(03) 5201-1515
100-8289
東京都千代田区丸の内一丁目8番1号丸の内トラストタワーN館
(03) 5533-6058
大和ペンション・コンサルティング(株)
135-0016
東京都江東区東陽二丁目3番2号東陽町センタービル
(03) 3615-7771
大和インベスター・リレーションズ(株)
100-8289
東京都千代田区丸の内一丁目8番1号丸の内トラストタワーN館
(03) 3283-7000
(株)大和証券メディアネットワークス
100-8101
東京都千代田区大手町二丁目6番4号
(03) 3243-2166
(株)大和総合研修センター
206-0035
東京都多摩市唐木田三丁目1番2号
(0423) 89-2111
101-0021
東京都千代田区外神田二丁目5番9号
(03) 5256-4111
103-8219
東京都中央区日本橋茅場町一丁目1番9号大和証券兜町ビル
(03) 3665-5331
大和土地建物(株)
103-8219
東京都中央区日本橋茅場町一丁目1番9号大和証券兜町ビル
(03) 3665-5501
大和住宅サービス(株)
103-8219
東京都中央区日本橋茅場町一丁目1番9号大和証券兜町ビル
(03) 3665-5501
大和リアルエステートマネジメント(株)
103-0027
東京都中央区日本橋二丁目2番2号
(03) 3272-4314
大興電子通信(株)
162-8565
東京都新宿区揚場町二丁目1番軽子坂MNビル
(03) 3266-8111
(株)大和ソフトウェアリサーチ
102-0083
東京都千代田区麹町一丁目5番2号インペリアルビル
(03) 3262-8558
(株)沖縄不二ホテル
900-0036
沖縄県那覇市西一丁目6番1号
(0988) 68-1118
不二観光開発(株)
060-0062
北海道札幌市中央区南2条西七丁目10番地
(011) 271-1616
ディーアイアールシステムマネジメント(株)
135-8461
東京都江東区永代一丁目14番6号大和永代ビル
(03) 3820-3295
135-0047
東京都江東区富岡二丁目11番6号長谷萬ビル
(03) 5620-4180
104-0031
東京都中央区京橋一丁目2番1号大和八重洲ビル
(03) 5201-1535
(株)大和総研
大和証券エスエムビーシー
プリンシパル・インベストメンツ(株)
大和サンコー(株)
(株)大和カードサービス
(株)エーシーテック
エヌ・アイ・エフ事務サービス(株)
76
大和証券グループ アニュアルレポート2004
その他情報:
海外拠点 (2004年7月1日現在)
(株)大和証券グループ本社
現地法人
アメリカ大和証券株式会社
Financial Square, 32 Old Slip, New York, NY10005, U.S.A.
(1) 212-612-7000
大和セキュリティーズトラストカンパニー
One Evertrust Plaza, Jersey City, NJ 07302, U.S.A.
(1) 201-333-7300
大和セキュリティーズトラストアンドバンキング(ヨーロッパ)PLC
ロンドン本店
5 King William Street, London EC4N 7JB, United Kingdom
(44) 20-7320-8000
ダブリン支店
Level 3, Block 5, Harcourt Centre, Harcourt Road, Dublin 2, Ireland
(353) 1-478-3700
大和証券エスエムビーシー(株)
現地法人・支店等
大和証券SMBCヨーロッパリミテッド
本店
5 King William Street, London EC4N 7AX, United Kingdom
(44) 20-7597-8000
大和証券SMBCシンガポールリミテッド
6 Shenton Way #26-08, DBS Building Tower Two,
Singapore 068809, Republic of Singapore
(65) 6220-3666
フランクフルト支店
Trianon Bldg., Mainzer Landstrasse 16,
60325 Frankfurt am Main, Federal Republic of Germany
(49) 69-717080
大和証券SMBCオーストラリアリミテッド
Level 34, Rialto North Tower, 525 Collins Street, Melbourne, Victoria
3000, Australia
(61) 3-9916-1300
パリ支店
112, Avenue Kléber, 75116 Paris, France
(33) 1-56 26 22 00
DBP-大和証券SMBCフィリピン、 Inc.
18th Floor, Citibank Tower, 8741 Paseo de Roxas,
Salcedo Village, Makati City, Republic of the Philippines
(632) 813-7344
ジュネーブ支店
^
50, rue du Rhone,
P.O.Box 3198, 1211 Geneva 3, Switzerland
(41) 22-818 74 00
ミラノ支店
Via Senato 14/16, 20121 Milan, Italy
(39) 02 763271
スペイン支店
Jose Ortega y Gasset 20, 7th floor, Madrid 28006, Spain
(34) 91-529-9800
ミドルイースト支店
7th Floor, The Tower, Bahrain Commercial Complex,
P.O. Box 30069, Manama, Bahrain
(973) 1753-4452
大和証券SMBC香港リミテッド
香港金鐘道88號 太古廣場一座26樓
(852) 2525-0121
大和國泰證券股 有限公司
台湾台北市基隆路1段200号14楼
(886) 2-2723-9698
上海海際大和投資諮詢有限公司
中華人民共和国上海市浦東新区陸家嘴東路166号04-07単元
中国保険大厦15階
(86) 21-6841-9066
大和証券エスエムビーシー株式会社
ソウル支店
6th Floor, DITC Building, #27-3, Youido-dong,
Yongdungpo-gu, Seoul, Republic of Korea
(82) 2-787-9100
北京駐在員事務所
中華人民共和国北京市建国門外大街19号 国際大厦2103
(86) 10-6500-6688
上海駐在員事務所
中華人民共和国上海市浦東新区銀城東路101号匯豊大厦38階
(86) 21-6841-3333
その他情報:国内子会社・関連会社/海外拠点
77
その他情報:
株式情報
1. 株価・出来高の推移
1,200(円)
(千株)240,000
1,100
220,000
1,000
200,000
株価(左軸)
900
180,000
800
160,000
700
140,000
600
120,000
500
100,000
400
80,000
出来高(右軸)
300
60,000
200
40,000
100
20,000
0
0
03/4
03/5
03/6
03/7
03/8
03/9
03/10
03/11
03/12
04/1
04/2
04/3
出所:ブルームバーグ
2. 大株主(上位10名)(2004年3月31日現在)
株主名
持株数(千株)
日本トラスティ
・サービス信託銀行株式会社(信託口). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ステート ストリート バンクアンドトラストカンパニー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
株式会社三井住友銀行 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイロンドン エス エル オムニバス アカウント .
太陽生命保険株式会社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
メロン バンクトリーティー クライアンツ オムニバス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
日本トラスティ
・サービス信託銀行株式会社・住友信託退給口 . . . . . . . . . . . . . . .
日本生命保険相互会社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ザ チェース マンハッタン バンク 385036 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(注)株式数は千株未満を切捨てています。
3. 所有者別株式分布状況(2004年3月31日現在)
その他
2.2%
個人
20.7%
外国人
31.2%
その他国内法人
78
大和証券グループ アニュアルレポート2004
6.2%
金融機関
39.8%
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113,804
61,243
37,746
30,328
29,010
28,140
25,425
24,888
23,185
22,487
持株比率(%)
8.55
4.60
2.83
2.28
2.18
2.11
1.91
1.87
1.74
1.69
Management’s Discussion & Analysis
2003年度の業績回顧と分析
Management’s Discussion & Analysis
2003年度の業績回顧と分析
マクロ経済環境
1. 日本の状況
2002年度にみえ始めた経済回復の「息吹」は、2003
GDP(前四半期比年率換算)
年度に入り「大きな躍動」へと変化しました。デフレ圧
8 (%)
力も徐々に軽減され、GDPが、実質のみならず、名目
6
ベースでもプラス成長となりました。2002年度に比べ、
4
為替が対ドルで円高に振れたにもかかわらず、好調な
実質GDP
2
0
アジア経済にも支えられて、今回の景気回復局面では、
名目GDP
-2
輸出の腰折れがみられませんでした。また、低迷を続け
-4
てきた内需にも、ようやく回復の兆しが出てきたことが、
-6
2003年度の最も大きな特徴であったといえます。とりわ
-8
1Q
2Q 3Q
4Q
1Q
2001年度
2Q 3Q
4Q 1Q
2002年度
2Q 3Q
4Q
2003年度
け民間設備投資は、年度後半から二桁の高い伸びを
出所:内閣府
示すようになり、工場建設が国内に回帰する傾向が現
れてきました。2003年度第4四半期には、
これらの効果
為替レートの推移
が、GDPに大きな影響を与える消費にも波及しました。
150(円)
株式市況も好転し、2003年度末の日経平均株価は、
140
前年度末比47%上昇、2003年度の東京証券取引所
130
市場第一部の1日平均売買代金にいたっては、前年
120
度比57%の大幅増となりました。
110
ユーロ/円
ドル/円
100
2. 海外の状況
0
01/3
米国
テロや財政赤字の拡大という不安要素を抱えながら
も、米国経済は底堅い動きが続いています。実質
01/9
02/3
02/9
03/3
03/9
04/3
出所:ブルームバーグ
日経平均株価、売買代金
GDP成長率は2001年の0.5%から2002年は2.2%、
14,000(円)
2003年には3.1%と、モメンタムはむしろ加速している状
況です。また、減税効果により、住宅投資、消費に底
(十億円)2,000
日経平均株価(月末値、左軸)
東証一部1日平均売買代金(右軸)
12,000
1,500
10,000
1,000
8,000
500
堅さがみえます。2003年度において、
ダウ工業株30種
は30%、ナスダック総合指数は49%上昇しました。
6,000
01/3
0
01/9
02/3
02/9
出所:ブルームバーグ、東京証券取引所
80
大和証券グループ アニュアルレポート2004
03/3
03/9
04/3
欧州
アジア
欧州も景気回復期にはありますが、米国、日本、
アジアに比
2003年のGDP成長率は、香港、台湾、韓国において
べるとその動きは緩慢です。とりわけドイツはリストラクチャリ
3%台、中国にいたっては9.1%の高成長となりました。
ングを中心とした企業部門の改革の影響もあり、個人消費
欧米の景気回復に支えられてIT産業が活発となった
の低迷からなかなか抜け出ることができない状況が続いて
ほか、オリンピックを控えた中国の内需拡大が、アジア
います。リセッションに入るとの見方はまだ少数派ですが、
地域全体に好影響を及ぼしています。
ユーロ高もあり、足元は一進一退の状態が続いています。
損益計算書の状況
一方、
トレーディング損益は1,201億円、前年度比
① 純営業収益
純営業収益は3,524億円、前年度比30%増と、大幅な
28%増となりました。これまでトレーディング損益は、当
伸びとなりました。このうち受入手数料は1,941億円、
社グループにとって大きな業績変動要因となっていまし
同35%増となりました。株式市場の回復に加え、当社
たが、収益水準は2001年度の634億円から、2002年
グループが採ってきたチャネル整備、品揃えの充実など
度は939億円、2003年度には1,201億円と、着実に高
の戦略が、多様化する投資家や企業の資金運用・調
まってきています。基盤となるお客様層の充実に加え、
達のニーズにうまく合致した結果であると考えています。
トレーディング能力の向上と収益管理の厳格化が寄与
しています。
純営業収益の内訳
2
(百万円)
2003年度
2002年度
2003年度
増減率
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
受入手数料 . . . . . . . . . . . . . .
144,283
194,163
34.6%
31,547
49,441
52,960
60,213
トレーディング損益 . . . . . . . . .
93,932
120,195
28.0%
43,679
24,958
23,221
28,336
金融収支 . . . . . . . . . . . . . . . .
24,113
25,892
7.4%
6,531
8,171
6,362
4,827
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,481
12,183
43.6%
2,822
2,904
3,128
3,331
純営業収益 . . . . . . . . . . . . . .
270,810
352,435
30.1%
84,579
85,475
85,672
96,708
② 販売費・一般管理費
収益が大幅に増加する一方で、販売費・一般管理費
販売費・一般管理費
変動費
固定費
減価償却費
300(十億円)
は2,599億円と、前年度比5%の増加にとどまりました。
250
増加額132億円の大半が変動費の増加であり、特に
業績連動の賞与の増加によるものです。販売費・一般
管理費のうち人件費は1,369億円、前年度比11%増と
なりましたが、不動産関係費は325億円、同2%減とな
りました。
200
150
100
50
0
2000
2001
2002
2003年度の業績回顧と分析
2003年度
81
③ 経常利益と当期純利益
ループに含まれる大和証券、大和総研などの将来の
以上の結果、経常利益は961億円、前年度の約3.3倍
収益力に見合った税効果を認識したことから、税金費
と大幅に増加しました。2003年度においては、2005年
用のマイナス(利益要因)として法人税等調整額171
度より適用される減損会計を2年前倒しに導入したこと
億円をグループ本社において計上しています。こうした
による減損損失127億円を計上したこともあり、特別損
結果、当期純利益は2002年度の63億円の損失から
益合計で192億円の損失となりました。また、2004年度
2003年度は426億円の利益へと黒字転換しました。
より連結納税制度を適用することとし、連結納税グ
(百万円)
経常利益・純利益
2
2003年度
2002年度
2003年度
増減率
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
経常利益 . . . . . . . . . . . . . .
29,200
96,130
229.2%
23,682
21,401
22,442
28,603
純利益(損失). . . . . . . . . .
(6,323)
42,637
11,028
8,263
9,100
14,244
—
部門別、グループ会社別、地域別の動向
① 受入手数料における部門別内訳
を背景に、公社債型投資信託において厳しい状態が
受入手数料の内訳については、エクイティ部門が800
続いていますが、株式型投資信託の販売が増加、残
億円、前年度比69%増と大幅な伸びとなりました。株
高も増加傾向となったことによります。インベストメント
・バ
式市場の回復と、多様化するお客様ニーズに合致した
ンキング部門は558億円、同41%増と大幅に増加しまし
戦略が奏功した結果です。フィックスト・インカム部門は
た。下期に入り、既公開企業の公募・売出しが増加し
52億円、同14%増となりました。アセット・マネジメント部
たことに加えて、新規公開を含め大型案件の主幹事
門は430億円、同5%増となりました。超低金利の継続
を多数獲得したことによります。
受入手数料内訳
2
82
(百万円)
2003年度
2002年度
2003年度
増減率
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
エクイティ . . . . . . . . . . . . . .
47,242
80,061
69.5%
13,058
22,086
20,808
24,107
フィックスト・インカム . . . . . . .
4,585
5,219
13.8%
1,004
1,550
1,352
1,311
アセット・マネジメント . . . . . .
40,870
43,046
5.3%
9,783
10,560
10,005
12,695
インベストメント・バンク . . . .
39,638
55,805
40.8%
5,130
12,796
18,064
19,813
その他 . . . . . . . . . . . . . . . .
11,948
10,032
-16.0%
2,570
2,448
2,728
2,285
受入手数料 . . . . . . . . . . . .
144,283
194,163
34.6%
31,547
49,441
52,960
60,213
大和証券グループ アニュアルレポート2004
アセッ
ト
・マネジメント事業の大和証券投資信託委託は、
② 主要グループ会社の動向
リテール証券事業の大和証券の営業収益は1,716億
前年に続いて厳しい状況が続き、経常利益は7億円、
円、前年度比32%増、経常利益は352億円、前年度の
前年度比50%減となりました。販売費・一般管理費の
約10倍と大幅に増加しました。エクイティ関連商品お
削減に努めたものの、超低金利の継続による公社債
よび外貨建債券などの販売増により収益が増加する
型投資信託の信託報酬の減少が続いており、減益は
一方で、販売費・一般管理費が前年度比8%増にとど
避けられませんでした。また、同じくアセット
・マネジメント
まったことによります。
事業を営む、持分法適用会社の大和住銀投信投資
ホールセール証券事業の大和証券SMBCの営業収
顧問の経常利益は5億円、
前年度比4%減となりました。
益は1,616億円、前年度比37%増、経常利益は418億
このような厳しい環境下ではありましたが、年金受託残
円、前年度の約2.5倍となりました。企業の資金需要
高の増加が続いており、
また、同社が設定した投資信
ニーズの拡大に伴い、株券等の引受け・売出し手数料
託「チャイナ騰飛 」が日本における中国関連の株式
が大幅に増加し、
またトレーディング損益も大幅に増加
投資信託で史上最高の設定額となりました。
トンフェイ
したことが主な要因です。
主要グループ会社業績
2
(百万円)
大和証券
大和証券SMBC
大和証券投資信託委託
大和総研
2002年度
2003年度
2002年度
2003年度
2002年度
2003年度
2002年度
2003年度
営業収益
129,817
171,605
118,300
161,681
22,865
16,638
61,675
65,388
経常利益
3,531
35,219
16,565
41,873
1,556
772
3,444
5,529
当期純利益(損失)
1,047
19,272
6,357
23,227
(138)
221
1,043
835
大和住銀投信投資顧問*
大和証券ビジネスセンター
2002年度
2003年度
2002年度
2003年度
2002年度
2003年度
2002年度
2003年度
6,765
7,336
8,472
8,558
11,571
17,402
1,340
5,207
542
523
627
448
2,035
4,019
(2,850)
465
(49)
114
350
209
1,797
(54,137)
(9,319)
555
営業収益
経常利益(損失)
当期純利益(損失)
大和プロパティ
エヌ・アイ
・エフ ベンチャーズ
*持分法適用会社
③ 地域別の動向
アニアが19億円と同9倍弱になりました。この結果、海
世界的な株高を反映して、海外業績も順調に拡大しま
外合計の経常利益は107億円、同12倍弱と大幅な増
した。地域別の経常利益は、米州が12億円と黒字転
加となりました。
換し、欧州が75億円と前年度の2倍強に、アジア・オセ
地域別経常利益
2
(百万円)
2002年度
2003年度
米州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(2,836)
1,270
欧州 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,528
7,538
アジア・オセアニア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
220
1,977
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
912
10,786
2003年度の業績回顧と分析
83
貸借対照表およびキャッシュ・フローの状況
① 資産の部
2003年度末の総資産は10兆7,656億円、前年度末比
リスクアセットの推移
1兆2,628億円増となりました。内訳は、流動資産が10
600
兆2,100億円、同1兆3,461億円増、固定資産が5,556
500
億円、同832億円減となりました。流動資産のうち、
ト
400
レーディング商品が国債の減少などにより同4,974億円
300
減となりましたが、株式市場の活況に伴い信用取引が
200
増加したことにより信用取引資産が同1,286億円増、
100
法人のお客様との債券貸借取引に関連して有価証券
営業投資有価証券
投資有価証券
有形固定資産
700(十億円)
0
1999
2000
2001
2002
2003年度
2000
2001
2002
2003年度
2000
2001
2002
2003年度
担保貸付金が同1兆1,266億円増となりました。固定資
産では、有形固定資産が192億円、投資有価証券が
大和証券投資信託委託の銀行劣後債売却などにより
269億円、繰延税金資産が253億円、それぞれ前年度
末比で減少しました。
対外債務の推移
1,000(十億円)
800
600
② 負債の部・資本の部
負債合計は9兆9,958億円、前年度末比1兆1,887億円
増となりました。内訳は、流動負債が9兆1,221億円、
同9,071億円増、固定負債が8,685億円、同2,803億円
400
200
0
1999
増となりました。流動負債のうち、有価証券担保借入
金が同2,632億円減となる一方、
トレーディング商品が
同1兆3,937億円増加しました。固定負債では、グルー
プ本社が1,200億円の社債を発行したことなどにより、
株主資本の推移
800(十億円)
社債が同2,311億円増となりました。
600
資本合計は6,041億円、前年度末比624億円増とな
りました。利益の計上に加えて、株式市場の回復など
400
により、その他有価証券評価差額金が同254億円増
加しました。
200
0
1999
84
大和証券グループ アニュアルレポート2004
③ キャッシュ・フロー
(同4,473億円の減少)となりました。為替の影響を控
営業活動によるキャッシュ・フローは、有価証券担保貸
除した後の現金及び現金同等物の残高は前年度と比
付金が増加し有価証券担保借入金が減少したことな
べて486億円増加し、4,869億円となりました。
どから、1,112億円の減少(前年度は3,697億円の増
加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、
キャッシュ・フローの推移
2
(百万円)
2002年度
2003年度
営業キャッシュ・フロー . . . . .
369,749
-111,242
679億円の増加)となりました。財務活動によるキャッ
投資キャッシュ・フロー . . . . .
67,967
50,143
シュ・フローは、社債の発行などにより1,144億円の増加
財務キャッシュ・フロー . . . . .
-447,392
114,407
投資有価証券の売却などにより501億円の増加(同
設備投資の状況
当社グループでは、競争力強化のための基盤整備な
システムおよびトレーディングシステムの強化などを目的
らびにお客様の利便性向上などを目的に、設備投資
に、総額296億円のIT関連投資を行なったことに加え、
を行なっています。2003年度においては、大和証券の
店舗網の整備などの設備投資を行ないました。
基幹系業務システム、大和証券SMBCの基幹系業務
リスク・マネジメント
リスクの認識
ク管理体制・リスク管理プロセスのモニタリングを通じ、
当社グループでは、そのビジネス活動において、さまざ
リスクを管理しています。各子会社はさまざまな種類の
まなリスクが発生します。主なリスクとしては、市場リス
リスクを、その事業特性、
リスク、
プロファイルにしたがっ
ク、信用リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、
て管理する体制を構築しています。
システム・リスク、
リーガル・リスク、およびレピュテーショナ
ル・リスクがあります。当社グループは、健全な財務構
当社グループのリスクの中で重要なものとしては、市場
造、収益構造を維持するために、固定資産などのリス
リスクと信用リスクがあります。証券業を営む当社グ
ク管理のほか、
ビジネス活動から発生するさまざまな種
ループにおいては、
トレーディング業務から生じるこれら
類のリスクを認識・評価し、適切に管理することが重要
のリスクは特に重要です。したがって、市場リスクと信
であると認識しています。
用リスクを効果的に管理することが当社グループの財
務健全性維持のためには不可欠です。
リスク・マネジメント体制
当社グループにおいては、大和証券SMBCと同社の
当社グループにおいて、前述の各リスクは各子会社が
完全子会社である大和証券SMBCヨーロッパ・リミテッ
第一義的に責任を負い、
グループ本社は子会社のリス
ド、およびグループ本社の完全子会社である大和アメ
2003年度の業績回顧と分析
85
リカCorporation(米国持株会社。アメリカ大和証券を
のリスク管理部門に報告されています。
はじめとする傘下各社を含めて指す。)がトレーディン
大和アメリカCorporationにおいても同様のリスク管
グ業務の中心になります。大和証券では、その方針と
理体制が整備されており、現地経営陣とグループ本社
してトレーディング業務を必要最小限に抑えており、お
にリスク状況が報告されています。
客様との取引についても十分な担保を受け入れている
上記子会社のトレーディング・ポジションのリスク状況
ことから、
トレーディング業務から発生する市場リスクと
は、グループ本社のリスク管理部署を通じて、経営陣
信用リスクは軽微です。
に毎日報告されており、
これによってグループ本社の経
営陣はトレーディング・ポジションのリスク状況を適切に
大和証券SMBCでは、同社およびその子会社のリスク
把握することができます。
管理を統括しており、
リスク管理に係る主要な権限はリ
スクマネジメント会議に付与されています。リスクマネジ
さらに、
これらのトレーディング・ポジションの市場リスクと
メント会議では、
リスク管理方針、手続き、同社および
信用リスクの状況に加え、
トレーディング・ポジション以外
その子会社のトレーディング・ポジション等のリスク枠が
の金融資産の市場リスク、信用リスクの状況について
決められます。そして、
トレーディング部門に割り当てら
も、四半期ごとに包括的かつ網羅的に、執行役会の
れたリスク枠の遵守状況を確認し、経営陣に報告する
分科会である経営監理委員会に報告されています。
体制が整えられています。トレーディング・ポジションの
これらの日次、月次、四半期ごとの報告にもとづい
市場リスクと信用リスクの状況は、日次レポートと月次
て、グループ本社は投下資本である各子会社の自己
レポートによって経営陣に報告され、その他のリスク情
資本が過大なリスクにさらされていないかをモニターし
報を含む包括的な四半期レポートがリスクマネジメント
ています。
会議に提出されています。
また、大和証券SMBCヨーロッパ・リミテッドにおいて
主要リスクごとの取組み
は、現地の法令にもとづき、独立したリスク管理体制が
① 市場リスク
構築されており、
トレーディング・ポジションの市場リスク
市場リスクとは、株式・金利・為替およびそれらの派生
と信用リスクの状況が現地経営陣と大和証券SMBC
商品等の市場価格や金利変動により保有する金融資
大和証券SMBCのバリュー・アット・リスク (VaR)
2
<VaRの範囲と前提>
● 信頼水準
:片側99% ● 保有期間:1日 ● 商品間の価格変動の相関を考慮
億円
02/3
02/6
02/9
02/12
03/3
03/6
03/9
03/12
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10.6
12.3
7.4
4.2
6.3
3.9
11.1
7.8
5.2
金利 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1.9
4.6
3.6
3.0
5.8
6.8
8.5
5.1
5.4
(月末)
為替 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
0.2
0.4
0.3
0.2
0.2
0.5
0.4
1.0
0.5
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12.7
17.3
11.3
7.4
12.3
11.2
20.0
13.9
11.1
分散効果 . . . . . . . . . . . . . . . . .
-1.9
-3.6
-2.9
-1.9
-4.6
-1.8
-2.6
-4.5
-3.6
VaR . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10.8
13.7
8.4
5.5
7.7
9.4
17.4
9.4
7.5
2002年度
2003年度
86
04/3
最大値:17.0億円
最大値:19.9億円
最小値:5.1億円
最小値:4.6億円
大和証券グループ アニュアルレポート2004
平均値:9.6億円
平均値:9.6億円
産・負債の価値が変動した結果、損失を被る可能性を
④ 流動性リスク
指しています。当社グループのトレーディング・ポジション
流動性リスクとは、市場環境の変化、財務内容の悪化
は主にこの種のリスクにさらされています。
等により資金繰りに支障をきたしたり、通常よりも著しく
当社グループでは、
トレーディング・ポジションの市場リ
高い資金調達コストを要求される等のリスクです。
スクを計測し、モニタリングする指標の一つとして、統
当社グループは、多くの資産ならびに負債を用いて
計的管理手法として知られているバリュー・アット
・リスク
ビジネス活動を行なっています。資産の大半は流動性
(VaR)を採用しています。VaRは、
トレーディング・ポジ
が高いものとなっていますが、負債との適正なバランス
ションがある一定の期間、一定の信頼水準において被
を維持するために、流動性の維持・管理が重要です。
る損失の推定額を表しています。当社グループでは、
市場環境の急変によるクレジット・クランチの発生の際
保有期間1日、信頼水準99%を採用しています。
にもビジネス活動が継続できるよう、新規の無担保資
金調達に依存することなく、1年間程度の資金需要に
②トレーディング・ポジション以外の市場リスク
対応できる流動性ポートフォリオ等を維持しています。
当社グループがトレーディング・ポジション以外に取引関
また、緊急時の資金調達に備えて、
コミットメント・ファシ
係目的等で長期保有する上場株式等の投資有価証
リティを用意しています。
券も、市場リスクにさらされています。これら上場株式
については保有枠などを定めるとともに、VaRを計測し、
グループ・キャッシュ・マネジメント・システム
四半期ごとに経営監理委員会に報告される体制と
必要となる資金量の確保や資金調達コストは、市場環
なっています。さらに、
この四半期報告では、VaRによ
境や当社グループの信用格付等により影響を受けま
り市場リスクを把握できない未公開株式やベンチャー・
す。当社グループでは、市場環境が悪化した場合に
ファンド等についても保有残高状況が報告されます。
おける流動性リスクを最小化させ、また、資金調達コ
ストを減少させるために、グループ本社が子会社のビ
③ 信用リスク
ジネス活動に必要な資金も含めて調達し、グループ資
信用リスクとは、取引の相手方が契約を履行できない
金を一元的に管理するグループ・キャッシュ・マネジメン
結果、損失を被る可能性を指しています。当社グルー
ト・システム(グループCMS)を導入しています。ただ
プでは、ホールセール証券業務において、取引先ごと
し、大和証券、大和証券SMBCおよびエヌ・アイ・エフ
に信用リスクを制限するために与信枠を設けています。
ベンチャーズの3社については、証券会社の資金調達
また、取引先ごとに外部の格付会社によって付与され
が業務活動の一環であること、
また、上場子会社の資
た格付と同等の社内格付を割当て、社内格付を取引
金管理は親会社からの独立性が要請されていること
実行の判断基準のひとつとしています。これらの与信
から、それぞれ独自に資金の調達および管理を行なっ
枠の使用状況は定期的にモニターされています。
ています。
また、取引先の財務状況の定期的見直し、包括的
なネッティング契約の締結や担保の徴求、
さらには取引
⑤ オペレーショナル・リスク、
システム・リスク
期間の制限等の方法によっても、ホールセール証券業
オペレーショナル・リスクとは、内部プロセス、人、システ
務に係る信用リスクの管理を行なっています。
ムが不適切であること、
もしくは機能しないこと、
または
外生的事象が生起することから生じる損失に係るリス
2003年度の業績回顧と分析
87
クです。業務の高度化・多様化、システム化の進展等
抵触することのないよう、一義的には各社においてコン
に伴い、さまざまなリスクが生じており、オペレーショナ
プライアンスを担当するセクションを定め、経営会議等
ル・リスク管理の重要性が年々高まっています。
の取締役を構成員とする会議体において検討がなさ
当社グループでは、多様な業務に応じて、権限の厳
れています。特に重要な証券子会社である大和証券
正化、人為的ミス削減のための手作業事務処理の機
および大和証券SMBCには専門のコンプライアンス部
械化、業務マニュアルの整備等の必要な対策を講じて
門を設け、社長を議長とする法務監査会議を設置して
おり、
グループ各社の業態の特性に応じたオペレーショ
います。
ナル・リスクの削減に努めています。
また証券関連取引、その他第三者との契約の締結
等において、その適法性、法的適正性の判断につい
また、オペレーショナル・リスクのひとつであるシステム・
て高度な専門性が要請されるケースに対応するため、
リスクは、コンピューターシステムのダウンまたは誤作動
海外を含め提携弁護士事務所の整備などに取り組ん
等、システムの不備等により損失を被るリスク、
さらにコ
でいます。
ンピューターが不正に使用されることにより損失を被る
リスクです。
当社グループでは、
この種のリスクを軽減するため、
レピュテーショナル・リスクとは、当社グループに関する風
システム・リスク管理の基本となる情報セキュリティポリ
評の発生、評判の失墜等により、お客様、利益等を喪
シーを定めるとともに、それを具現化するための情報セ
失するリスクです。このリスクは、従業員による不正や
キュリティ関連規程類(セキュリティスタンダード)を整
業績の低迷等いろいろな事象に起因するため、その管
備し、役職員に対する周知徹底とその遵守を図ってい
理手法は必ずしも一律のものではありません。当社グ
ます。さらに、重要なシステムについては、常時システ
ループでは、特に情報管理と情報提供の観点からディ
ムの稼動状況を監視し、障害の発生を極小化するとと
スクロージャー・ポリシー、およびディスクロージャー・ポリ
もに、万一、障害が発生した場合にも、迅速な対応が
シーにもとづく各種規程を整備し、執行役会の分科会
できるよう体制を整備しています。
であるディスクロージャー委員会を設置しています。
⑥リーガル・リスク
リーガル・リスクとは、法令、諸規程、企業倫理等にした
がわないこと、
または第三者と締結した契約が不適切
であることにより損失を被るリスクです。
当社グループは、
証券関連業務を中核事業としてグループ経営を行なっ
ていますが、国内外における同業務の執行にあたって
は、証券取引業者等として法令・諸規則等により遵守
すべき事項が定められています。加えて、当社グルー
プを構成する各社は、証券関連業務以外の業務執行
一般についても、
さまざまな規制を遵守することが要請
されています。当社グループでは、これら遵守事項に
88
⑦ レピュテーショナル・リスク
大和証券グループ アニュアルレポート2004
Consolidated Financial Statements
連結財務諸表
90 連結貸借対照表
92 連結損益計算書
93 連結株主持分計算書
94 連結キャッシュ・フロー計算書
96 連結財務諸表注記事項
117 独立監査人の監査報告書
株式会社大和証券グループ本社
連結貸借対照表
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在
百万円
資産
2004
現金・預金:
現金・預金(注記9) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
預託金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取債権:
顧客貸付金 . . . . . . . . . .
その他の貸付金 . . . . . .
約定見返勘定 . . . . . . . .
信用取引資産(注記3).
その他 . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金 . . . . . . . . . .
486,932
109,941
596,873
2003
¥
438,249
105,641
543,890
2004
$
4,593,698
1,037,179
5,630,877
.
.
.
.
.
.
13,533
83,247
580,674
235,535
142,283
(355)
1,054,917
15,287
65,872
—
106,874
203,745
(648)
391,130
127,670
785,349
5,478,057
2,222,028
1,342,292
(3,349)
9,952,047
担保付短期ファイナンシング・アグリーメント(注記4) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,391,437
3,264,812
41,428,651
トレーディング資産(注記5、9). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,031,945
4,529,438
38,037,217
繰延税金資産(注記15). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
57,484
76,733
542,302
242,057
(98,934)
143,123
261,565
(99,225)
162,340
2,283,557
(933,340)
1,350,217
25,523
261,649
12,389
202,645
(12,320)
633,009
29,159
289,679
13,605
220,639
(18,599)
696,823
240,783
2,468,387
116,877
1,911,745
(116,226)
5,971,783
¥ 10,765,665
¥ 9,502,826
$ 101,562,877
.
.
.
.
.
.
.
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.
その他の資産:
有形固定資産(注記9). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却累計額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期差入保証金 . . . . . . . .
投資有価証券(注記6、9).
長期貸付金(注記10). . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金 . . . . . . . . . . . .
注記参照
90
¥
千US$(注記1)
大和証券グループ アニュアルレポート2004
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百万円
負債・資本
2004
社債・借入金:
短期借入金(注記9、10、13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
コマーシャル・ペーパー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務(注記10、13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払債務:
顧客に対する債務(注記12).
受入預金 . . . . . . . . . . . . . . . .
約定見返勘定 . . . . . . . . . . . .
信用取引負債(注記3、9). . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 1,408,776
273,721
859,492
2,541,989
千US$(注記1)
2003
2004
¥ 1,475,901 $ 13,290,340
332,800
2,582,273
611,599
8,108,415
2,420,300
23,981,028
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174,537
51,753
—
93,450
19,823
339,563
226,256
14,117
79,625
53,158
67,396
440,552
1,646,575
488,236
—
881,604
187,010
3,203,425
担保付短期ファイナンシング・アグリーメント(注記 4) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,092,022
4,355,308
38,603,981
トレーディング負債(注記5). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,914,556
1,520,776
27,495,811
.
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15,406
6,833
19,376
18,867
42,086
102,568
2,813
2,615
12,054
15,888
32,851
66,221
145,340
64,462
182,792
177,991
397,038
967,623
特別法上の準備金(注記16) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,133
3,892
48,425
少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
165,664
154,058
1,562,867
引当金・その他の負債:
未払法人税等 . . . . . . . . . . .
繰延税金負債(注記15). . .
賞与引当金 . . . . . . . . . . . . .
退職給付引当金(注記14) .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . .
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偶発債務及びコミットメント(注記17)
資本(注記18、19)
:
普通株式、無額面;
授権株式数 - 4,000,000千株
発行済株式 - 1,331,735千株
資本剰余金 . . . . . . . . . . . . . . .
利益剰余金 . . . . . . . . . . . . . . .
その他有価証券評価差額金 . .
為替換算調整勘定 . . . . . . . . .
自己株式 . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . .
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138,432
117,940
330,780
27,298
(9,590)
(690)
604,170
¥ 10,765,665
1,305,962
138,432
1,112,642
117,786
3,120,566
297,404
257,528
1,824
(90,472)
(11,321)
(6,509)
(2,406)
5,699,717
541,719
¥ 9,502,826 $101,562,877
連結財務諸表
連結貸借対照表
91
株式会社大和証券グループ本社
連結損益計算書
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する各連結会計年度
百万円
千US$(注記1)
2004
2003
2002
2004
受入手数料(注記21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 194,163
¥ 144,283
¥ 171,869
$ 1,831,726
トレーディング損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
122,013
91,307
67,249
1,151,066
金融収益(注記10). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
103,224
114,707
195,934
973,811
営業収益:
34,414
37,362
52,992
324,661
453,814
387,659
488,044
4,281,264
金融費用(注記10). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
77,331
90,594
164,506
729,538
その他の営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
24,048
26,255
38,606
226,868
純営業収益(注記20). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
352,435
270,810
284,932
3,324,858
販売費・一般管理費(注記14、20、22). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
259,915
246,701
262,163
2,452,028
営業利益(注記20). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
92,520
24,109
22,769
872,830
その他の営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の収益(費用)
:. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
特別法上の準備金‐純額(注記16). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(1,241)
(960)
(957)
(11,708)
その他‐純額(注記23). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(14,353)
(11,304)
(141,780)
(135,406)
(15,594)
(12,264)
(142,737)
(147,114)
76,926
11,845
(119,968)
725,716
15,170
2,671
2,613
143,113
税金等調整前当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等(注記15)
:
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等調整額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
少数株主利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
5,638
12,686
2,990
53,188
20,808
15,357
5,603
196,301
(13,481)
42,637
(2,811)
(4,976)
(127,179)
(6,323)
¥ (130,547)
¥
$
円
402,236
US$(注記1)
1株当たり情報:
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
31.66
¥
(4.75)
¥
(98.27)
$
0.30
潜在株式調整後当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
30.28
—
—
0.29
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10.00
6.00
6.00
0.09
注記参照
92
¥
大和証券グループ アニュアルレポート2004
株式会社大和証券グループ本社
連結株主持分計算書
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する各連結会計年度
百万円
普通株式数
(千株)
2001年3月31日現在 . . . . . . . . .
当期純損失 . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . .
その他有価証券評価差額金 . .
為替換算調整勘定の増減 . . .
自己株式の増減-純額 . . . . . . .
2002年3月31日現在 . . . . . . . . .
当期純損失 . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . .
自己株式処分差損(注記18).
その他有価証券評価差額金 . .
為替換算調整勘定の増減 . . .
自己株式の増減-純額 . . . . . . .
2003年3月31日現在 . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式処分差益(注記18).
連結子会社増加による
利益剰余金減少高 . . . . . . .
その他有価証券評価差額金 . .
為替換算調整勘定の増減 . . .
自己株式の増減-純額 . . . . . . .
2004年3月31日現在 . . . . . . . . .
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資本金
1,331,735
1,331,735
資本剰余金
利益剰余金
その他
有価証券評価
差額金
為替換算
調整勘定
¥ 138,432 ¥ 117,786 ¥ 459,994 ¥ 18,984 ¥ (15,807) ¥
(130,547)
(17,266)
(462)
(6,288)
8,296
138,432
117,786
311,719
(6,323)
(7,971)
(15)
(6)
12,696
(7,511)
自己株式
(2,573)
290
(2,283)
(10,872)
(3,810)
1,331,735
138,432
117,786
297,404
42,637
(7,970)
1,824
(11,321)
(123)
(2,406)
154
(1,291)
25,474
1,731
1,331,735
¥ 138,432 ¥ 117,940 ¥ 330,780 ¥ 27,298 ¥ (9,590) ¥
1,716
(690)
千US$(注記1)
資本金
2003年3月31日現在 . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式処分差益(注記18). .
連結子会社増加による
利益剰余金減少高 . . . . . . . .
その他有価証券評価差額金 . .
為替換算調整勘定の増減 . . . .
自己株式の増減-純額 . . . . . . .
2004年3月31日現在 . . . . . . . . . .
資本剰余金
利益剰余金
その他
有価証券評価
差額金
為替換算
調整勘定
自己株式
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.
. $1,305,962 $1,111,189 $2,805,698 $ 17,208 $(106,802) $ (22,698)
402,236
.
(75,189)
.
1,453
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
(12,179)
.
240,320
.
16,330
.
16,189
.
. $1,305,962 $1,112,642 $3,120,566 $ 257,528 $ (90,472) $ (6,509)
注記参照
連結財務諸表
連結損益計算書/連結株主持分計算書
93
株式会社大和証券グループ本社
連結キャッシュ・フロー計算書
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する各連結会計年度
百万円
2004
千US$(注記1)
2003
2002
2004
営業活動によるキャッシュ・フロー:
(6,323)
¥ (130,547)
21,530
21,067
18,775
貸倒引当金-純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
680
4,278
4,962
6,415
退職給付引当金-純額(注記14) . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,979
3,038
3,432
28,104
特別法上の準備金-純額(注記16) . . . . . . . . . . . . . . . .
1,241
960
957
11,708
投資有価証券に関する損益(注記23). . . . . . . . . . . . . .
208
12,058
18,444
1,962
有形固定資産に関する損益(注記23). . . . . . . . . . . . . .
13,015
217
2,238
122,783
厚生年金基金引当金戻入益(注記14、23). . . . . . . . . .
—
—
(13,692)
—
厚生年金基金への支払額(注記14). . . . . . . . . . . . . . .
—
—
(15,253)
—
不動産事業再編費用(注記23). . . . . . . . . . . . . . . . .
—
(812)
127,401
—
営業権償却(注記23). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
—
—
5,000
—
法人税等調整額(注記15). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,637
12,686
2,990
53,179
少数株主利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13,481
2,811
4,976
127,179
受取債権の減少(増加)及び支払債務の増加(減少).
(30,291)
(6,841)
352,319
(285,764)
1,224,767
(1,861,067)
338,229
11,554,406
及び信用取引負債の減少(増加). . . . . . . . . . . . . . .
(88,369)
29,123
115,681
(833,670)
担保付短期ファイナンシング・アグリーメントの減少(増加). .
(1,369,799)
2,113,920
(1,549,168)
(12,922,632)
その他資産の減少(増加). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
40,013
43,686
(152,983)
377,481
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
42,637
¥
$
402,236
営業活動によるキャッシュ・フローに係る
当期純利益(損失)の調整
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
203,113
(不動産事業再編費用引当金戻入益)
トレーディング資産の減少(増加)及び
トレーディング負債の増加(減少) . . . . . . . . . . . . . . . .
信用取引資産の減少(増加)
94
その他-純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,027
948
1,088
104,028
調整額合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(153,881)
376,072
(734,604)
(1,451,708)
営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(111,244)
369,749
(865,151)
(1,049,472)
大和証券グループ アニュアルレポート2004
百万円
2004
千US$(注記1)
2003
2002
2004
投資活動によるキャッシュ・フロー:
有形固定資産の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(8,147)
¥
(6,107)
¥
(11,754)
$
(76,858)
有形固定資産の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,144
21,115
8,857
57,962
投資有価証券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(36,407)
(51,946)
(124,061)
(343,462)
投資有価証券の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100,880
129,716
58,472
951,698
長期貸付金の減少額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,067
1,065
176
10,066
その他-純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(13,394)
(25,876)
(48,842)
(126,358)
投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
50,143
67,967
(117,152)
473,048
(66,936)
(416,057)
1,152,333
(631,472)
財務活動によるキャッシュ・フロー:
短期借入金の増加(減少)額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入金の減少額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(16,295)
(8,697)
(117,205)
(153,726)
社債の発行による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
318,832
167,690
161,904
3,007,849
社債の償還による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(112,675)
(182,138)
(46,835)
(1,062,972)
少数株主からの払込による株式の発行 . . . . . . . . . . . . . . . . .
—
—
6,580
—
配当金の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(7,971)
(7,971)
(17,265)
(75,198)
少数株主への配当金の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(2,328)
(89)
(20,579)
(21,962)
その他-純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,780
(130)
312
16,792
財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
114,407
(447,392)
1,119,245
1,079,311
キャッシュに係る換算差額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(5,003)
(6,634)
3,553
(47,198)
キャッシュの増加(減少)額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
48,303
(16,310)
140,495
455,689
キャッシュの期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
438,249
454,559
314,064
4,134,425
連結追加に伴うキャッシュの増加額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
380
—
—
3,585
キャッシュの期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 486,932
¥ 438,249
¥ 454,559
$ 4,593,698
¥
¥
92,311
¥ 174,980
$
(13,002)
31,397
キャッシュ・フローに関する補足情報:
各年度の現金支払(受取)額:
支払利息 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
74,077
1,749
698,840
16,500
注記参照
連結財務諸表
連結キャッシュ・フロー計算書
95
株式会社大和証券グループ本社
連結財務諸表注記事項
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する各連結会計年度
1. 連結財務諸表の基礎
連結財務諸表は、日本において設立された会社である株式会社大和証券グループ本社(「グループ
本社」)及びその子会社(以下これらをあわせて「大和」)について作成されています。主要な子会社
は以下のとおりであります。
−大和証券株式会社(「大和証券」)
−大和証券エスエムビーシー株式会社(「大和証券SMBC」)
−大和証券投資信託委託株式会社(
「大和投信」)
−株式会社大和総研(「大和総研」)
−エヌ・アイ
・エフ ベンチャーズ株式会社(「NIF」
)
大和証券は、大和のリテール業務を担っております。同社は、123の支店及びインターネット等の新規の
チャネルを有しております。また、同社は、電話によるサービスを提供するため、本格的なコールセンター
を運営しております。大和証券SMBC(旧 大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ株式会社)は、
1999年4月5日に株式会社三井住友銀行と共同で60%を出資して設立されており、大和のホールセー
ル業務を担っております。大和投信は、大和のアセット・マネジメント業務を担っております。また、大和
は複数の海外子会社を有しており、主として証券業務を行っております。
大和の主たる事業は、証券業を中核とする投資・金融サービス業であり、ブローカレッジ、
トレーディング、
引受け、戦略アドバイス、金融商品開発、ストラクチャード・ファイナンス等のサービスを提供しております。
加えて大和は、アセット・マネジメント業務、ベンチャー・キャピタル業務、主要な資本市場におけるネット
ワークを利用したリサーチ業務、その他のサービスを提供しております。
グループ本社及び国内連結子会社は、円貨建で会計帳簿を作成しております。この連結財務諸表は、
日本の証券取引法等及び日本において一般に公正妥当と認められる会計基準(「日本基準」)に準
拠して作成しております。なお、日本基準は適用及び開示の面において、部分的に国際会計基準と異
なっております。在外連結子会社は、それぞれの連結子会社が国籍を有する国において一般に公正
妥当と認められる会計基準に準拠して会計帳簿を作成しております。
この連結財務諸表は、日本基準に準拠して作成し、証券取引法に従って監督当局に提出した有価証
券報告書を英訳したものであります(一部、追加記載及び組替えを行っており、連結株主持分計算書
を加えております)が、いくつかの補助的な情報については記載しておりません。
連結財務諸表に表示されている米ドル金額は、利用者の便宜のために、円貨額を米ドルに換算した金
額であります。なお、換算レートは、2004年3月31日の実勢為替レート1US$=106円を使用しております。
この簡便的な換算は、日本円の残高が特定の時点において、
このレートを含む特定のレートで換算さ
れうることを表すものではありません。
96
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2. 重要な会計方針
連結 — 連結財務諸表においては、グループ本社及び主要な子会社の財務諸表を連結しております。
なお、子会社とは、他の会社により議決権の過半数を実質的に所有されている会社又は他の会社によ
り所有される議決権の割合が50%以下であっても、その議決権の割合が高く、かつ、当該他の会社に
より意思決定機関が支配されている一定の事実が認められる会社であります。
また、議決権の20%以上を所有している会社に加え、議決権の15%以上20%未満を所有しており、営
業及び財務の方針決定に重要な影響を与えることのできる会社について持分法を適用しております。
連結上、連結会社間の重要な債権債務残高、内部取引高及び内部利益については、相殺消去して
おります。
連結キャッシュ・フロー計算書 — 連結キャッシュ・フロー計算書においては、現金及び預入期間が
1年未満の預金をキャッシュとしております。現金・預金は、預入期間が3ヶ月を超える預金を含んでおり、
その残高は2004年3月31日現在において6,809百万円(64,236千US$)、2003年3月31日現在におい
て15,564百万円であります。
トレーディング資産及び負債 — 証券子会社で所有する有価証券及びデリバティブ取引を含むト
レーディング資産及び負債は、約定基準で認識し時価評価しております。トレーディング目的の有価証
券取引の損益は約定基準で認識しております。評価損益は、連結損益計算書上「トレーディング損益」
に計上しております。また、
トレーディング目的のデリバティブ取引に関する損益についても、評価損益を
含め、連結損益計算書上「トレーディング損益」に計上しております。トレーディング目的以外で所有す
る有価証券については、連結貸借対照表上「投資有価証券」として表示しております。トレーディング
目的以外で保有する有価証券である「投資有価証券」については、次のとおりであります。
投資有価証券 — 大和は、有価証券を保有目的により(a)満期まで保有する目的の債券(「満期保
有目的債券」)
(b)子会社株式・関連会社株式(c)上記のいずれにも分類されないその他の有価証
券(「その他有価証券」)に分類しております。
満期保有目的債券は、償却原価により評価しております。子会社株式・関連会社株式は、移動平均に
よる原価法により評価しております。時価のあるその他有価証券は決算期末日の市場価格等に基づ
く時価法により評価しており、売却原価は移動平均法に基づき算定しております。評価差額について
は、税効果会計を適用の上、資本の部に計上しております。
その他有価証券のうち、時価のない債券は、償却原価から回収不能と見込まれる金額を控除した金
額を計上しております。その他有価証券のうち、時価のない株式は、移動平均法による原価法で計上
しております。
その他有価証券のうち、時価のあるものについて、時価が著しく下落した場合には、時価評価し、時価
と簿価の差額を当該期間の損失として認識しております。その他有価証券のうち、時価のないものに
ついて、実質価額が著しく低下し、実質価額の回復可能性が認められない場合には、実質価額まで減
損処理し、損失額を連結損益計算書に計上しております。
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
97
ヘッジ会計 — 大和は、ヘッジ目的以外のデリバティブ取引を時価評価し、評価損益を認識しておりま
す。ヘッジ手段に係る評価損益は、主として、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで資産又は負債と
して繰延べる方法によっております。ヘッジ手段である金利スワップ取引については、時価評価せず、
金利スワップ取引に係る受取利息又は支払利息を、ヘッジ対象資産又は負債に係る利息に加減して
計上しております。また、ヘッジ手段である先物為替予約取引については、時価評価せず、予約差額
を為替予約の期間にわたって認識しております。
担保付短期ファイナンシング・アグリーメント — 担保付短期ファイナンシング・アグリーメントには、売
戻条件付有価証券購入取引(「リセール」)及び買戻条件付有価証券売却取引(「リパーチェス」)、
借入有価証券担保金及び有価証券貸借取引受入金並びに金融取引として処理している買現先取
引及び売現先取引が含まれております。リパーチェス及びリセールは、在外連結子会社で行われてお
り、契約金額により評価しております。借入有価証券担保金及び有価証券貸借取引受入金は、差入
担保金及び受入担保金の金額で計上しております。買現先取引及び売現先取引は、売戻条件付有
価証券購入取引・買戻条件付有価証券売却取引の一形態であり、日本発祥のものであります。現先
取引は、金融取引として会計処理しております。
貸倒引当金 — 国内連結子会社においては、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念
債権及び破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。また、在外連結子会
社においては個別の債権について回収可能性を検討し、貸倒見積額を計上しております。
会計方針の変更 - 固定資産の減損に係る会計基準の早期適用 — 2004年3月31日に終了する連
結会計年度から「固定資産の減損に係る会計基準」
(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関
する意見書」
(企業会計審議会2002年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」
(企業会計基準適用指針第6号2003年10月31日))を適用しております。これによる2004年3月31日に
終了する連結会計年度の税金等調整前当期純利益に与える影響額は、12,797百万円(120,726千
US$)であります(注記23参照)。
有形固定資産 — 有形固定資産は、取得原価により計上しております。減損損失累計額は、資産の
金額から直接控除しております。減価償却の方法は、国内連結子会社については、主として定率法に
よっており、耐用年数については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物については定額法によっております。在外連結子会社は、
主として定額法を採用しております。
無形固定資産 — 無形固定資産は、主として定額法により償却しております。なお、耐用年数につい
ては、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。ただし、ソフトウェア(自社利
用分)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっております。
賞与 — 日本の慣行にしたがい、グループ本社及び国内連結子会社は、6月及び12月に従業員に対
し賞与を支給しております。負債に計上している賞与引当金は、
決算日現在の支給見込額であります。
株主総会の承認を必要とする取締役賞与金は、利益剰余金の分配として処理しております。
98
大和証券グループ アニュアルレポート2004
退職給付会計 — 大和は、一時金制度及び閉鎖型年金等の制度を設けております(注記14参照)。
不動産事業再編費用引当金 — 2002年にグループ本社は、国内連結子会社で営んでいる賃貸事業
から撤退することを決定いたしました。
これに伴い不動産の簿価を売却見込み価額まで切り下げました。
グループ会社で営む不動産事業の再編のため、当該事業を営む子会社に対する増資等の支援の検
討を開始することを2001年10月26日開催の取締役会で決議いたしました。不動産事業再編費用引
当金には、2002年3月31日現在における支援見込額を計上しております。2003年3月31日に終了する
連結会計年度において、グループ会社で営む不動産事業の再編のために要した金額を引当金から控
除し、残額を取崩しております(注記23参照)。
法人税等 — 法人税等には、法人税、住民税及び事業税が含まれております。未払法人税等はグ
ループ本社及び各子会社の税引前当期純損益に課税所得計算上必要とされる調整を行って計算し
ております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、会計上の資産又は負債の金額と現行税法における課税所得計
算上の資産又は負債の金額との間の一時差異により、法人税等が将来、減算又は加算されると見込
まれる金額を計上しております。繰延税金資産については、将来の回収見込を検討した上で計上して
おります。繰延税金資産及び繰延税金負債は、連結貸借対照表上、
「繰延税金資産」又は「繰延税
金負債」として表示しております。また、繰延税金資産及び繰延税金負債の増減額は、連結損益計
算書上、
「法人税等調整額」に計上しております。
グループ本社、大和証券、大和総研及びその他すべての国内100%子会社は、2005年3月31日に終
了する年度から、連結納税制度を適用いたします。この結果、今期において税金軽減効果を認識して
おり、マイナスの税金費用(即ち、収益)17,152百万円(161,811千US$)を法人税等調整額に計上し
ております。
一部の連結子会社において、2003年3月31日に終了する連結会計年度から連結納税制度を適用し
ております。
外貨換算 — グループ本社及び国内連結子会社は、外貨建資産及び負債を決算日の直物為替レー
トで円貨に換算しております。
外貨建財務諸表の換算 — 在外連結子会社の財務諸表については、資産及び負債は決算日の直
物為替レートにより、剰余金は発生時の為替レートにより円換算しております。また、収益及び費用につ
いては、期中平均レートにより円貨に換算しております。換算差額については、資本の部における為替
換算調整勘定に含めております。
自己株式及び法定準備金 — 2002年4月1日以降に開始する連結会計年度については、
「自己株式
及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」
(企業会計基準第1号 企業会計基準委員会 2002年
2月21日)を適用しております。
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
99
1株当たり当期純利益(損失) — 1株当たり当期純利益(損失)は期中平均株式数により計算して
おります。
2002年4月1日以降に開始する連結会計年度から、
「1株当たり当期純利益に関する会計基準」
(企
業会計基準第2号 企業会計基準委員会 2002年9月25日)及び「1株当たり当期純利益に関する会
計基準の適用指針」
(企業会計基準適用指針第4号 企業会計基準委員会 2002年9月25日)を適
用しております。
潜在株式調整後当期純利益は、希薄化効果のある転換社債の転換権が、2004年3月31日に終了す
る連結会計年度の期首に全て行使された場合の期中平均株式数によりに計算しております。2003年
3月31日に終了する連結会計年度及び2002年3月31日に終了する連結会計年度の潜在株式調整後
当期純利益については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
100
大和証券グループ アニュアルレポート2004
3. 信用取引資産及び信用取引負債
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在の信用取引勘定の内訳は、以下のとおりであります。
百万円
2004
千US$
2003
2004
信用取引資産:
信用取引貸付金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
34,419
$ 875,773
142,703
72,455
1,346,255
¥ 235,535
¥ 106,874
$2,222,028
¥
¥
$
信用取引借証券担保金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
92,832
¥
信用取引負債:
信用取引借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,636
89,814
信用取引貸証券受入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
93,450
¥
2,915
34,302
50,243
847,302
53,158
$ 881,604
信用取引貸付金は、顧客の信用取引に係る有価証券の買付代金相当額を計上しており、本担保株
券及び信用取引受入保証金若しくは代用有価証券によって担保されております。信用取引貸証券受
入金は、顧客の信用取引に係る有価証券の売付代金相当額を計上しております。
4. 担保付短期ファイナンシング・アグリーメント
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在の担保付短期ファイナンシング・アグリーメントの内訳は、
以下のとおりであります。
百万円
千US$
2004
2003
2004
リセール . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 1,579,194
¥ 1,644,820
$ 14,898,057
借入有価証券担保金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,812,243
1,619,992
26,530,594
¥ 4,391,437
¥ 3,264,812
$ 41,428,651
リパーチェス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 2,088,654
¥ 1,810,010
$ 19,704,283
有価証券貸借取引受入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,681,036
1,908,019
15,858,830
資産:
負債:
売現先取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
322,332
637,279
3,040,868
¥ 4,092,022
¥ 4,355,308
$ 38,603,981
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
101
5. トレーディング資産及びトレーディング負債
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在のトレーディング資産及びトレーディング負債の内訳は、
以下のとおりであります。
百万円
2004
千US$
2003
2004
トレーディング資産:
株券
¥
257,410
¥
83,342
$ 2,428,396
国債、社債、その他の債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,119,109
3,646,400
29,425,557
受益証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
111,193
119,077
1,048,991
CD・CP等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
42,205
104,076
398,160
オプション取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
59,274
24,046
559,189
先物取引及び先渡取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
28,100
15,456
265,094
スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
414,779
537,186
3,913,009
その他のデリバティブ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,825
1,338
17,217
(1,950)
(1,483)
(18,396)
¥ 4,031,945
¥ 4,529,438
$ 38,037,217
¥
¥
$
クレジット・リザーブ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
トレーディング負債:
株券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
94,128
38,235
888,000
国債、社債、その他の債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,350,637
958,099
22,175,821
受益証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
795
358
7,500
オプション取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
85,106
24,827
802,887
先物取引及び先渡取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
21,727
18,298
204,972
スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
361,885
480,844
3,414,009
278
115
2,622
¥ 2,914,556
¥ 1,520,776
$ 27,495,811
その他のデリバティブ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6. 投資有価証券
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在のその他有価証券の取得原価及び時価は、以下のと
おりであります。
百万円
取得原価
時価
差額
2004年3月31日現在:
61,882
¥ 109,244
国債、社債、その他の債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
18,554
18,301
(253)
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,827
6,909
82
¥
87,263
¥ 134,454
¥
¥
69,307
¥
¥
株券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
¥
47,362
47,191
2003年3月31日現在:
株券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
国債、社債、その他の債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
102
大和証券グループ アニュアルレポート2004
74,277
75,501
72,745
8,683
7,899
¥ 152,267
¥ 156,145
6,194
(1,532)
(784)
¥
3,878
千US$
取得原価
時価
差額
583,792
$ 1,030,604
$ 446,812
175,038
172,651
(2,387)
2004年3月31日現在:
株券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$
国債、社債、その他の債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$
64,406
65,179
773
823,236
$ 1,268,434
$ 445,198
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在の時価のない有価証券は、以下のとおりであります。
百万円
2004
株券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
52,628
¥
12,205
国債、社債、その他の債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
千US$
2003
2004
59,747
$ 496,491
12,165
115,142
42,440
35,101
400,376
¥ 107,273
¥ 107,013
$1,012,009
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
上記のほか、投資有価証券には、非連結子会社株式及び関連会社株式が、2004年3月31日現在に
おいて19,922百万円(187,944千US$)、2003年3月31日現在において26,521百万円含まれております。
満期保有目的債券の残高は、
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在において少額であります。
7. トレーディング目的以外のデリバティブ取引
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在のトレーディング目的以外のデリバティブ取引(ヘッジ会
計を適用しているものを除く)の評価損益は、以下のとおりであります。
百万円
契約額等
時価
評価益(損)
2004年3月31日現在:
金利スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
8,704
¥
(12)
2
通貨スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
0
(12)
0
2003年3月31日現在:
金利スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
3,837
¥
10
137
通貨スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(0)
10
(0)
千US$
契約額等
時価
評価益(損)
2004年3月31日現在:
金利スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
通貨スワップ取引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$
82,113
19
$
(113)
0
$
(113)
0
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
103
8. トレーディングに関するリスク管理情報
国内証券子会社である大和証券及び大和証券SMBC(以下証券子会社)は、顧客の注文に応じる
ため及び自己の資金運用のために、受託者あるいは当事者としてトレーディングを行っております。ト
レーディングには、
(1)株券・債券等の現物取引(2)株価指数先物・債券先物・金利先物及びこれら
のオプション取引に代表される取引所取引の金融派生商品(3)金利及び通貨スワップ取引・先物外
国為替取引・選択権付債券売買・通貨オプション取引・FRA・有価証券店頭デリバティブ取引等の取
引所取引以外の金融派生商品(店頭デリバティブ取引)が含まれます。
トレーディング取引に内在する主要なリスクは、市場リスクと信用リスクであります。市場リスクとは、市
場価格や金利変動により保有する金融資産の価値が変動した結果、損失を被る可能性を指しており
ます。市場リスクについては、大和証券SMBCは、商品毎の保有残高・損益を把握することに加え、
リ
スク管理のためにバリュー・アット・リスクを採用しております。信用リスクとは、取引の相手方が契約を履
行できない結果、損失を被る可能性を指しております。証券子会社は、社内格付けによって取引の相
手方の信用力を勘案し、想定元本及び与信相当額によってその金額を把握しております。
大和証券SMBCは、①経営の積極的な関与、②牽制機能の働く組織体制、③リスク・リミット設定によ
る経営の健全性確保、④緊急時を想定したリスク管理、⑤リスク管理プロセスの透明化、の5つのリス
ク管理を基本に据えております。大和証券SMBCはこれら5つの原則を遵守することにより、
トレーディン
グ業務に関連するリスクが、経営者の想定する範囲内にコントロールできると考えております。
9. 担保提供資産
2004年3月31日現在、短期借入金1,056,492百万円(9,966,906千US$)及び信用取引負債
3,636百万円(34,302千US$)を担保するため、以下の資産を担保に供しております。
百万円
現金・預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
$
250,708
トレーディング資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
809,436
7,636,189
有形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
728
6,868
57,734
544,660
¥ 894,473
$ 8,438,425
投資有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
なお上記担保提供資産の他、2004年3月31日現在、536,441百万円(5,060,764千US$)の借入れた
有価証券を担保として差入れております。
104
26,575
千US$
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2004年3月31日現在における、差入れを受けた有価証券等の時価は以下のとおりであります。
百万円
千US$
消費貸借契約により貸付けた有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 7,774,686
$ 73,346,094
現先取引で売却した有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
322,781
3,045,104
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
413,837
3,904,123
¥ 8,511,304
$ 80,295,321
2004年3月31日現在における、差入れを受けた有価証券等の時価は以下のとおりであります。
千US$
百万円
消費貸借契約により借入れた有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 8,838,711
$ 83,384,066
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
253,514
2,391,642
¥ 9,092,225
$ 85,775,708
10. 関連当事者との取引
グループ本社の監査役の一名は、太陽生命保険株式会社の代表取締役社長を兼務しております。
2004年3月31日現在の、太陽生命保険株式会社との主な債権債務残高は、長期貸付金5,000百万円
(47,170千US$)、短期借入金2,000百万円(18,868千US$)及び長期借入金10,000百万円(94,340
千US$)であります。また、グループ本社は、支払利息374百万円(3,528千US$)を支払い、受取利息
178百万円(1,679千US$)を受取っております。2004年3月31日現在の未払利息は67百万円(632千
US$)、未収利息は54百万円(509千US$)であります。さらに、グループ本社は、太陽信用保証株式
会社の株式5,000株、78百万円(733千US$)を太陽生命保険株式会社に売却しております。
11. リース取引
リース物件の所有権が借主(大和)に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引(所有権
移転外ファイナンス・リース取引)については、資産計上せずオペレーティング・リースと同様の会計処理に
よっております。2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在のリース取引関連の情報は、以下のとおりで
あります。
千US$
百万円
2004
2003
2004
所有権移転外ファイナンス・リース取引:
取得価額相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却累計額相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
14,359
7,830
¥
17,322
$ 135,462
9,985
73,868
減損損失累計額相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
—
19
未経過リース料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,643
7,455
62,670
(うち1年内). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,605
3,288
24,575
未経過リース料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,981
14,189
113,028
(うち1年内). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,892
2,042
17,849
オペレーティング・リース取引:
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
105
12. 顧客に対する債務
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在の顧客に対する債務の内訳は、以下のとおりであります。
百万円
2004
顧客預り金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受入保証金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
千US$
2003
80,527
¥
49,208
2004
65,492
$
40,172
759,689
464,226
44,802
120,592
422,660
¥ 174,537
¥ 226,256
$ 1,646,575
13. 金融機関からの借入金及び長期借入債務
日本における慣習として、借入金に保証が付されていない場合には、一定の事由を条件として、銀行
から要求があれば担保を提供しなければなりません。また、銀行は預金及び担保資産を返済期限到
来済の債権と相殺する権利を有しております。さらに、
債務不履行等の一定の事実が生じた場合には、
銀行は全ての債権について相殺する権利を有しております。現在、銀行からそのような要求はなく、
ま
た、権利が行使されたことはありません。
2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在の長期借入債務の内訳は、以下のとおりであります。
百万円
千US$
2004
2003
2004
円建普通社債:利率1.4%、償還期限2005年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 100,000
¥ 100,000
円建普通社債:利率0.95%、償還期限2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
120,000
—
円建転換社債(転換価額2,367円/株)
:利率1.4%、償還期限2003年 . . . . . . .
—
36,269
円建転換社債(転換価額1,094円/株)
:利率0.5%、償還期限2006年 . . . . . . .
79,986
79,986
754,585
新株引受権付社債(行使価額1,345円/株)
:利率1.37%、償還期限2004年 . .
8,400
8,400
79,245
連結子会社が発行した円建社債:利率5.0%、劣後社債、償還期限2005年 . . .
1,011
1,011
9,538
424,132
297,717
4,001,245
(発行枠5,000百万US$)
:利率は種々、償還期限2008年まで . . . . . . . . . . . .
13,149
17,062
124,047
円建劣後借入金、返済期限2005年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
40,000
40,000
377,358
金融機関からの借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
72,809
31,070
686,877
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5
84
49
¥ 859,492
¥ 611,599
$ 8,108,415
$
943,396
1,132,075
—
連結子会社が発行したミディアム・ターム・ノーツ:
利率は種々、償還期限2034年まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結子会社が発行したユーロ・ミディアム・ターム・ノーツ
上記転換価額は、一定の条件の下に調整されます。
106
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2004年3月31日現在、長期借入債務の各年度別の返済予定額は、以下のとおりであります。
3月31日に終了する各年度
2005年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
百万円
¥
21,103
千US$
$
199,086
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
187,395
1,767,877
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
118,697
1,119,783
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
9,785
92,311
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
137,312
1,295,396
2010年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
385,200
3,633,962
¥ 859,492
$ 8,108,415
2004年3月31日現在、グループ本社及び連結子会社における借入コミットメントに係る未実行残高は231,265
百万円(2,181,745千US$)であります。
14. 退職給付
従業員に対する退職給付制度 — 大和は、従業員について以下の退職給付制度を設けております。
退職一時金制度
グループ本社及び一部を除く国内連結子会社は、貢献度、能力及び実績等に応じて各事業年度ごと
に各人別に勤務費用が確定する、社外積立のない退職一時金制度を有しております。この退職一時
金制度における支給額は、各従業員の貢献度に応じた各事業年度ごとの累積額にみなし運用付加
金を加算した額となります。各事業年度ごとの累積額及びみなし運用付加金の要支給額は、連結貸
借対照表の退職給付引当金に計上しており、その金額は、2004年3月31日現在において14,735百万
円(139,009千US$)、2003年3月31日現在において12,483百万円であります。連結損益計算書に計
上した退職給付費用は、2004年3月31日に終了する連結会計年度において3,278百万円(30,925千
US$)、2003年3月31日に終了する連結会計年度において2,915百万円及び2002年3月31日に終了す
る連結会計年度において4,018百万円であります。
閉鎖型年金制度
グループ本社及び国内連結子会社は、1999年4月1日に確定給付型年金を閉鎖しているため、当該
制度への新規加入者はなく、
また、当該制度による勤務費用は発生しておりません。当該制度の連結
財務諸表における影響は、軽微であります。
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
107
役員退職慰労金 — 連結貸借対照表の退職給付引当金に含まれる役員退職慰労引当金は、2004年
3月31日現在において1,565百万円(14,764千US$)、2003年3月31日現在において1,717百万円であ
ります。連結損益計算書に計上された役員退職慰労引当金繰入額は、2004年3月31日に終了する
連結会計年度において368百万円(3,472千US$)、2003年3月31日に終了する連結会計年度におい
て509百万円及び2002年3月31日に終了する連結会計年度において588百万円であります。
厚生年金基金引当金 — グループ本社及び一部の国内連結子会社は、総合型基金である日本証券
業厚生年金基金に加入しておりました。同基金は、低金利や日本市場における株価低迷により厳しい
状況におかれ、運用成績が低下しておりました。同基金の予測給付債務と年金資産の公正な評価額
との差額のうちグループ本社及び連結子会社の負担分を見積り、2000年3月31日に終了する連結会
計年度において厚生年金基金引当金繰入額を計上しております。
2001年9月29日に、グループ本社及び国内連結子会社は、日本証券業厚生年金基金を脱退いたしま
した。これにより、日本証券業厚生年金基金からの脱退に際し負担した金額を引当金から控除した
額を厚生年金基金引当金戻入益として、2002年3月31日に終了する連結会計年度の連結損益計算
書に計上しております(注記23)。
15. 法人税等
グループ本社及び国内連結子会社における、2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日
に終了する各連結会計年度の法定実効税率は約42.1%であります。
2003年3月31日に地方税法が改正され、2004年4月1日以降に開始する年度における事業税率が引
き下げられております。グループ本社及び国内連結子会社は、将来の税率の変更を考慮し、2003年3
月31日現在の繰延税金資産及び繰延税金負債を、流動項目について約42.1%、固定項目について
約40.5%の実効税率により計算しております。しかし、約40.5%の実効税率は、改正税法の詳細が未
確定であったことから見積税率によっており、確定税率ではありませんでした。したがって、2003年3月
31日現在の見積税率は、変更される可能性がありました。実効税率の変更により、繰延税金資産の金
額が2,208百万円減少し、法人税等調整額が2,271百万円、その他有価証券評価差額金が63百万円
増加しております。
地方税法の改正の詳細が確定したことにより、2004年4月1日以降に開始する年度の実効税率は、約
40.7%に確定しております。2004年3月31日現在の繰延税金資産及び繰延税金負債は、税率の確定
に伴い、流動項目及び固定項目について約40.7%の実効税率により計算しております。その結果、変
更前に比べて、繰延税金資産の金額が158百万円(1,491千US$)増加し、法人税等調整額が260百
万円(2,453千US$)
、その他有価証券評価差額金が101百万円(953千US$)減少しております。
在外連結子会社については、それぞれの国の税率に従っております。
108
大和証券グループ アニュアルレポート2004
2004年3月31日現在の繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳は以下のとおりであります。
百万円
千US$
2004
2004
繰越欠損金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 116,984
$ 1,103,623
繰延税金資産:
投資有価証券評価減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,922
121,906
不動産事業再編費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,459
70,368
退職給付引当金繰入限度超過額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,232
68,226
賞与引当金繰入限度超過額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,979
65,840
貸倒引当金繰入限度超過額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,285
49,858
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
26,003
245,311
繰延税金資産小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
182,864
1,725,132
評価性引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(108,584)
(1,024,377)
繰延税金資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
74,280
700,755
繰延税金負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
23,629
222,915
繰延税金資産の純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
50,651
$
477,840
2003年3月31日現在の繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳は以下のとおりであります。
百万円
2003
繰延税金資産:
繰越欠損金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
133,702
投資有価証券評価減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
18,398
営業権償却損金算入限度超過額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
18,366
不動産事業再編費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,055
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
33,667
繰延税金資産小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
216,188
評価性引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(139,455)
繰延税金資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
76,733
繰延税金負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,615
繰延税金資産の純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
74,118
グループ本社及び一部の連結子会社は、繰延税金資産のうち、回収不能見込額について評価性引
当金を計上しております。
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
109
2004年3月31日に終了する連結会計年度の法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との
差異の原因となった主な項目別の内訳は以下のとおりであります。
2004
法定実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
42.1%
評価性引当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(12.5)
永久に損金に算入されない項目 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1.3
永久に益金に算入されない項目 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(0.9)
外国子会社との税率差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(1.7)
その他-純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(1.2)
税効果会計適用後の法人税等の負担率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
27.1%
2003年3月31日に終了する連結会計年度及び2002年3月31日に終了する連結会計年度における、法定実
効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異については、当期純損失を計上しているため記
載しておりません。
16. 特別法上の準備金
日本の証券取引法上、証券会社は、証券取引に関する証券会社の債務不履行によって顧客が損失を被る
ことを防止するため、取引に比例した準備金の積立が必要であります。特別法上の準備金は、主として証
券取引責任準備金であり、2004年3月31日現在において5,133百万円(48,425千US$)、2003年3月31日現
在において3,892百万円であります。
17. 偶発債務及びコミットメント
2004年3月31日現在、大和は従業員の借入金等について、4,592百万円(43,321千US$)の保証をしてお
ります。
2004年3月31日現在、融資事業を行っている連結子会社における貸出コミットメントに係る貸出未実行残高
は5,682百万円(53,604千US$)であります。
また、クレジットカードローン事業を行っている連結子会社における、消費者ローンに係る貸出コミットメント限
度額は、2004年3月31日現在において16,557百万円(156,198千US$)であります。消費者ローンに係る貸
出コミットメントは、顧客が保有するクレジットカードローンの限度額の未使用残高であります。
110
大和証券グループ アニュアルレポート2004
18. 資本
日本の商法の規定上、原則として株式の発行価額の総額を資本金とする必要がありますが、取締役会決
議により発行価額の2分の1を超えない額を資本準備金とすることが可能であります。資本準備金は資本剰
余金に含めて表示しております。
商法は、資本準備金の額とあわせて資本金の4分の1に達するまで、毎決算期に利益処分として支出する額
の10分の1以上を利益準備金として積み立てることを規定しております。利益準備金及び資本準備金は、株
主総会決議による欠損填補及び取締役会決議による資本組入れに使用することが可能であります。また、
株主総会決議により利益準備金及び資本準備金の合計額から資本金の4分の1を控除した額を限度として
取り崩すことが可能であります。利益準備金は連結貸借対照表上、利益剰余金に含めて表示しております。
配当可能限度額は、商法の規定に従いグループ本社の単体財務諸表に基づいて計算しております。2004
年3月31日現在の利益剰余金の配当可能限度額は、231,233百万円(2,181,443千US$)であります。
2004年6月23日開催の株主総会において、ストック・オプション制度が承認されました。これは、取締役、執行
役及び主要な使用人に対して4,500千株を限度とするストック・オプションを付与するものであります。このス
トック・オプションの行使期間は2006年7月1日から2014年6月23日までであり、行使価額は発行時に決定さ
れます。
2002年6月26日開催の株主総会において、グループ本社は定款を変更し、発行する株式の総数を、普通株
式4,000,000千株に変更いたしました。2004年6月23日開催の株主総会において、グループ本社は定款を変
更し、取締役会の決議をもって自己株式を買受けることができる旨を定めております。
19. 自己資本規制
日本国内の証券会社は、監督当局が規定した自己資本規制に従う必要があります。国内証券子会社2社
は、規定に従った自己資本比率を報告しております。自己資本規制比率が140%を下回った場合は、当局
が一定の行政措置をとることになっております。2004年3月31日現在及び2003年3月31日現在における自己
資本規制比率は、大和証券が363.3%(未監査)及び379.5%(未監査)、大和証券SMBCが336.9%(未監
査)及び370.0%(未監査)となっております。
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
111
20. セグメント情報
大和の事業区分は、単一の事業セグメントに属しております。グループ本社及び連結子会社の主要な事業
活動は、
(1)有価証券及びデリバティブ商品の売買等(2)有価証券及びデリバティブ商品の売買等の受
託の媒介(3)有価証券の引受け及び売出し(4)有価証券の証券取引に関するその他の業務(5)有価
証券の私募の取扱いであります。
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する3連結会計年度の所在地別の営業収益
の要約及び2004年3月31日現在並びに2003年3月31日現在の所在地別の資産の要約は以下のとおりであ
ります。
百万円
日本
米州
アジア・
オセアニア
欧州
消去又は
全社
連結
2004年3月31日に終了する連結会計年度:
純営業収益:
外部顧客からの純営業収益 . . . . . .
¥
314,190
¥
7,749
¥
23,956
¥
6,540
¥
—
¥
352,435
セグメント間の内部純営業収益 . . .
1,389
3,468
3,413
1,132
(9,402)
—
計 ..........................
315,579
11,217
27,369
7,672
(9,402)
352,435
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . .
232,269
10,197
20,413
6,111
(9,075)
259,915
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . .
¥
83,310
¥
1,020
¥
6,956
¥
1,561
¥ 1,948,621
¥ 768,712
¥
63,531
¥
¥
¥
5,238
¥
(327)
¥
92,520
2004年3月31日現在:
所在地別資産 . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 8,617,452
¥ (632,651)
¥ 10,765,665
¥
¥
2003年3月31日に終了する連結会計年度:
純営業収益:
外部顧客からの純営業収益 . . . . . .
¥
237,465
セグメント間の内部純営業収益 . . .
2,254
計 ..........................
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . .
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . .
6,977
21,130
—
270,810
700
2,201
624
(5,779)
—
239,719
7,677
23,331
5,862
(5,779)
270,810
215,665
11,081
19,945
5,795
(5,785)
246,701
¥
24,054
¥
(3,404)
¥
3,386
¥
67
¥ 1,817,691
¥ 656,448
¥
63,721
¥
¥
¥
4,933
¥
6
¥
24,109
2003年3月31日現在:
所在地別資産 . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 7,270,670
¥ (305,704)
¥ 9,502,826
¥
¥
2002年3月31日に終了する連結会計年度:
純営業収益:
外部顧客からの純営業収益 . . . . . .
240,542
16,434
23,023
—
284,932
9,724
648
1,530
763
(12,665)
—
計 ..........................
250,266
17,082
24,553
5,696
(12,665)
284,932
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . .
226,435
15,109
19,502
6,267
(5,150)
262,163
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . .
112
¥
セグメント間の内部純営業収益 . . .
大和証券グループ アニュアルレポート2004
¥
23,831
¥
1,973
¥
5,051
¥
(571)
¥
(7,515)
¥
22,769
千US$
日本
米州
アジア・
オセアニア
欧州
消去又は
全社
連結
2004年3月31日に終了する連結会計年度:
純営業収益:
外部顧客からの純営業収益 . . . . . .
$ 2,964,056
$
73,104
$
226,000
$
61,698
$
— $
3,324,858
セグメント間の内部純営業収益 . . .
13,104
32,717
32,198
10,679
(88,698)
—
計 ..........................
2,977,160
105,821
258,198
72,377
(88,698)
3,324,858
(85,613)
2,452,028
2,191,217
販売費・一般管理費 . . . . . . . . . . . .
営業利益(損失) . . . . . . . . . . . . . .
$
785,943
96,198
$
192,575
9,623
$
57,651
65,623
$
14,726
$
(3,085) $
872,830
2004年3月31日現在:
所在地別資産 . . . . . . . . . . . . . . . .
$ 81,296,717
$ 18,383,217
$ 7,252,000
$ 599,349
$ (5,968,406) $101,562,877
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する3連結会計年度の海外売上高は以下のとおりであります。
百万円
米州
アジア・
オセアニア
欧州
計
2004年3月31日に終了する連結会計年度:
海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
10,945
¥
20,353
¥
8,249
¥
39,547
352,435
連結純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3.1%
連結純営業収益に占める海外売上高の割合 . . . . . . . . . . . . . .
11.2%
2.3%
5.8%
2003年3月31日に終了する連結会計年度:
海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
8,144
¥
21,589
¥
6,951
¥
36,684
270,810
連結純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3.0%
連結純営業収益に占める海外売上高の割合 . . . . . . . . . . . . . .
13.5%
2.5%
8.0%
2002年3月31日に終了する連結会計年度:
海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
20,389
¥
21,195
¥
7,358
48,942
284,932
連結純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結純営業収益に占める海外売上高の割合 . . . . . . . . . . . . . .
¥
7.2%
7.4%
2.6%
17.2%
千US$
米州
欧州
$ 103,255
$ 192,009
アジア・
オセアニア
計
2004年3月31日に終了する連結会計年度:
海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$
77,821
連結純営業収益に占める海外売上高の割合 . . . . . . . . . . . . . .
$ 373,085
3,324,858
連結純営業収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3.1%
5.8%
2.3%
11.2%
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
113
21. 受入手数料
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する3連結会計年度における事業部門
別の受入手数料の内訳は、以下のとおりであります。
百万円
エクイティ
(株式関連)
2004年3月31日に終了する連結会計年度:
¥ 78,194
委託手数料 . . . . . . . . . . . .
フィックストインカム アセット マネジメント インベストメント・バンキング
(投資銀行)
(債券)
(資産運用)
¥
—
引受け手数料 . . . . . . . . . .
1,242
¥
209
¥
—
—
—
46,094
合計
その他
¥
—
¥
79,645
—
46,094
売出し手数料 . . . . . . . . . .
—
—
21,904
1,662
—
23,566
その他の受入手数料 . . . .
1,867
3,977
20,933
8,049
10,032
44,858
¥
80,061
¥
5,219
¥
43,046
¥
2003年3月31日に終了する連結会計年度:
¥ 45,403
委託手数料 . . . . . . . . . . . .
¥
1,163
¥
276
¥
—
引受け手数料 . . . . . . . . . .
—
—
55,805
¥
10,032
¥
194,163
—
¥
—
¥
46,842
27,946
—
27,946
売出し手数料 . . . . . . . . . .
—
—
14,059
608
—
14,667
その他の受入手数料 . . . .
1,839
3,422
26,535
11,084
11,948
54,828
¥
47,242
¥
4,585
¥
40,870
¥
39,638
¥
11,948
¥
144,283
2002年3月31日に終了する連結会計年度:
¥ 58,280
委託手数料 . . . . . . . . . . . .
¥
1,229
¥
244
¥
—
¥
—
¥
59,753
引受け手数料 . . . . . . . . . .
—
—
—
27,818
—
27,818
売出し手数料 . . . . . . . . . .
—
—
14,734
876
—
15,610
2,387
その他の受入手数料 . . . .
¥
60,667
3,442
¥
4,671
46,425
¥
61,403
7,619
¥
36,313
8,815
¥
8,815
68,688
¥
171,869
千US$
エクイティ
(株式関連)
2004年3月31日に終了する連結会計年度:
$ 737,679
委託手数料 . . . . . . . . . . . .
引受け手数料 . . . . . . . . . .
$
—
11,717
$
1,972
$
—
—
—
434,849
その他
$
合計
—
$
751,368
—
434,849
売出し手数料 . . . . . . . . . .
—
—
206,642
15,679
—
222,321
その他の受入手数料 . . . .
17,613
37,519
197,480
75,934
94,642
423,188
49,236
$ 406,094
$ 526,462
94,642
$ 1,831,726
$ 755,292
114
フィックストインカム アセット マネジメント インベストメント・バンキング
(投資銀行)
(債券)
(資産運用)
大和証券グループ アニュアルレポート2004
$
$
22. 販売費・一般管理費
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する3連結会計年度の販売費・一般管
理費の主な内訳は以下のとおりであります。
百万円
千US$
2004
2003
2002
2004
人件費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 136,964
¥ 123,904
¥ 129,972
$ 1,292,113
支払手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
14,573
14,867
16,176
137,481
通信費・運送費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
17,444
17,317
18,518
164,566
不動産関係費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
32,519
33,348
35,090
306,783
事務費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
14,899
14,708
16,474
140,557
租税公課 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,617
4,671
5,328
52,991
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
21,530
21,067
18,775
203,113
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
16,369
16,819
21,830
154,424
¥ 259,915
¥ 246,701
¥ 262,163
$ 2,452,028
23. その他の収益(費用)
2004年3月31日、2003年3月31日及び2002年3月31日に終了する3連結会計年度の連結損益計算
書における「その他–純額」の内訳は以下のとおりであります。
百万円
2004
投資有価証券売却損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資有価証券評価減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分変動損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産評価損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産売却益、除売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付債権売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
厚生年金基金引当金戻入益(注記14) . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
不動産事業再編費用引当金戻入益(不動産事業再編費用).
早期退職割増金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業権償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減損損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関係会社株式清算損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
店舗等統廃合移転費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
海外銀行子会社再編費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
6,704
(2,691)
—
(58)
(159)
(557)
—
(648)
—
—
—
90
(12,797)
(4,221)
(2,473)
(595)
3,052
¥ (14,353)
千US$
2003
¥
8,241
(20,298)
—
(272)
55
—
—
(4,152)
812
—
—
265
—
—
—
—
4,045
¥ (11,304)
2002
¥
4,103
(26,615)
4,068
(247)
(1,991)
(128)
13,692
(4,517)
(127,401)
(731)
(5,000)
963
—
—
—
—
2,024
¥ (141,780)
2004
$
63,245
(25,387)
—
(547)
(1,500)
(5,255)
—
(6,113)
—
—
—
849
(120,726)
(39,821)
(23,330)
(5,613)
28,792
$ (135,406)
連結財務諸表
連結財務諸表注記事項
115
固定資産の減損会計の適用に当たり、グループ本社及び国内連結子会社は、主として投資
の意思決定を行う際の単位を考慮して資産をグルーピングしており、各資産グループにつき、収
益性を評価しております。その結果、以下の資産について減損損失を認識し、帳簿価額を減
額しております。2004年3月31日に終了する連結会計年度において、12,797百万円(120,726
千US$)の減損損失を認識しております。減損損失の内訳は以下のとおりであります。
継続使用資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
9,103百万円
(85,877千US$)
処分予定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,694百万円
(34,849千US$)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,797百万円
(120,726千US$)
なお、継続使用資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フローを5%から8%で割り
引いて算定しております。
また、処分予定資産は、正味売却価額により測定しており、建物及び土地については不動産
鑑定評価基準に基づき評価しております。
24. 後発事象
利益処分 — 商法の規定上、取締役会の提出した利益処分案は、期末日後3ヶ月以内に株
主総会によって承認されなければならないことになっております。2004年3月期についての利
益処分案、配当金13,307百万円(125,538千US$)
(1株につき10円(0.09US$)
)は、2004年
6月23日開催の株主総会において承認されております。
116
大和証券グループ アニュアルレポート2004
独立監査人の監査報告書
株式会社大和証券グループ本社
株主各位及び取締役会
御中
当監査法人は、株式会社大和証券グループ本社及び連結子会社の日本円で表示された、2004年
3月31日現在及び2003年3月31日現在の連結貸借対照表並びに2004年3月31日までに終了する3連
結会計年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書について監
査を行った。この連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、当監査法人の責任は独立の立場から連
結財務諸表に対する意見を表明することにある。
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準は、当監査法人に連結財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を
得ることを求めている。監査は、試査を基礎として行われ、経営者が採用した会計方針及びその適用
方法並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての連結財務諸表の表示を検討す
ることを含んでいる。当監査法人は、監査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断
している。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計
の基準に準拠して、株式会社大和証券グループ本社及び連結子会社の2004年3月31日現在及び
2003年3月31日現在の財政状態並びに2004年3月31日までに終了する3連結会計年度の経営成績
及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
また、2004年3月31日現在及び同日をもって終了する連結会計年度の連結財務諸表は、利用者の
便宜のために、円価額を米ドルに換算している。当監査法人は、換算の再計算を行った結果、日本円
で表示された連結財務諸表は、連結財務諸表注記事項1に記載される方法により米ドルに適切に換算
されているものと認める。
追記情報
連結財務諸表注記事項2に記載のとおり、株式会社大和証券グループ本社及び国内連結子会社は、
2004年3月31日に終了する連結会計年度より、固定資産の減損に係る会計基準を早期適用している。
あずさ監査法人
日本国 東京
2004年6月24日
連結財務諸表
独立監査人の監査報告書
117
株式会社大和証券グループ本社 会社概要
住所
株主数
〒100-8101
114,687名(2004年3月31日現在)
東京都千代田区大手町二丁目6番4号
電話:
(03)3243-2100(代表)
独立監査人
あずさ監査法人
ホームページURL
http://www.daiwa.jp/
上場証券取引所
東京、大阪、名古屋、
ロンドン、パリ、
フランクフルト、ブリュッセル
創業日
1902年5月1日
名義書換代理人
設立日
大阪市中央区北浜四丁目5番33号
1943年12月27日
住友信託銀行株式会社
会社が発行する普通株式の総数
同事務取扱場所
4,000,000 千株
東京都千代田区丸の内一丁目4番4号
住友信託銀行株式会社
発行済株式数
1,331,735 千株(2004年3月31日現在)
証券代行部
(郵便物送付先)
〒183‐8701
東京都府中市日鋼町1番10
住友信託銀行株式会社 証券代行部
(電話照会先)
住友信託銀行株式会社
住所変更等用紙のご請求:0120‐175‐417(フリーダイヤル)
その他のご照会:0120‐176‐417(フリーダイヤル)
(ホームページURL)
住友信託銀行株式会社
http://www.sumitomotrust.co.jp/STA/retail/service/daiko/index.html
お問い合わせ先
IR室
(03)3243-3841
電話:
ファックス:
(03)3242-0955
Eメールアドレス: [email protected]
URL:
http://www.daiwa.jp/ir/
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株式会社大和証券グループ本社 会社概要