香川県漁連ホームページ

平成 13 年 2 月 1 日(木)
第466号
香川漁連だより
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人と魚と海のネットワーク
発行者 香川県漁業協同組合連合会
香川県漁連ホームページ
高松市北浜町8−25
http//seaclub.power.co.jp/
E-mail:[email protected]
TEL 087-825-0350
FAX 087-851-0699
に遷都を決めた時、天皇に従ってきた多くの公達が、
沢山の珍しい小さい魚を見た。
「はて、さて、この小
去る1月21日からいかなご込網漁業(通称イカ
さい魚は、いかなる魚の子なるや」と尋ね給うた。
公達はきっとこの魚は鰤のように大きくなる魚の子
ナゴコマセ、バッシャ)が始まった。
現在出漁しているのは、瀬戸内漁協所属の3隻だ
けで、初漁は昨年よりやや少な目であったが、魚体
だと思っていたのに違いない。それからイカナゴと
云う名称が出来たと云う説がある。また、
「名産名物
図会」によると「カマスと云う魚の子也。又はいか
は大きく、今後の漁が期待できるのではとバッシャ
漁業者は話している。水揚げされたイカナゴは全量
なご共云」昔は、カマスの子だと思われていた。ま
た、カマスの子ではない「いかなる魚の子なりや」
加工業者に引き取られ、釜揚げとして市場へ出荷さ
れる。
わからないからイカナゴ、
「むかしカマス(叺)に入
れて諸国に送った」からカマスゴなどと、まことし
やかな解釈をした本もある。
イカナゴの「イ」は接頭語で「カナ」は糸、つま
り、糸のように細い魚という意味がある。
(出典:魚
のたべ方400選奥本光魚著)とのことだが、真偽の
程を調べる方法がない。
関西では普通イカナゴと言う。香川では特に稚魚
をコナ、やや成長をするとシンコ、2年以上をフル
セと言う。山陰その他ではコウナゴと言い、北海道
では小さいものをコオナゴ(小女子)
、成長した大き
いものをオオナゴ(大女子)と言う。その他カマス
イカナゴ水揚げ作業
イカナゴ漁の漁期は、高松地区が1月15日から6
月末、庵治、中讃地区が2月1日から6月末で、瀬
戸内12、香西3、下笠居1、庵治26、与島2、
本島1、小手島10、高見島10、佐柳漁協1の計
66統である。例年の出漁パターンは、高松地区で
は、最初に3隻が出漁し、2月初旬に1隻増え、2
月中旬以後から徐々に出漁隻数が多くなり、新子が
出始める頃には全船が出漁する。
庵治では2月20日頃に初出漁があり、ノリ養殖
漁業との兼業者が多いため、ノリ養殖漁期が終了す
る4月初旬に全船が揃うようになる。
込網漁業は潮流と平行に袋状の網を敷設し魚が乗
るのを待って獲る漁法。イカナゴ込網の他に餌料い
わし込網(漁期7月1日∼7月31日)、いか込網(4
月20日∼6月20日)
、まながつお込網(7月1日
∼9月30日)、魚込網(7月11日∼11月30日)
などがあり、それぞれ規模、網地等に違いはあるが、
基本的な構造はほぼ同様であり、漁期漁獲物などが
異なる。込網漁業者は、海域、魚の価格等にあわせ
て漁法を変えて出漁する。
イカナゴと言う名称は、昔、平清盛が福原(神戸)
ゴと言う地方もある。
イカナゴをさっと湯がいた「釜揚げ」は早春の味。
酢醤油にからしを効かせて食べる。鮮度落ちが早い
ので、普通は水揚げされたら加工場に直行し湯がか
れる。この他、船から揚ったばかりのイカナゴで、
さし身、南蛮漬け、唐揚げ、棒いりなどにして食べ
れば最高だ。また、
「イカナゴ醤油」は讃岐の特産品、
秋田の「しょっつる」
、奥能登の「いしる」とともに
日本三大魚醤といわれ、古来より有名だ。その味は
塩っからく、旨味があるが、特有の臭いが敬遠され、
一時跡絶えていた。最近は復活しており、一度賞味
されては。
イカナゴの釜揚げ作業
平成 13 年 2 月 1 日(木)
第466号
香川漁連だより
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全漁連と(社)大日本水産会では、12年度
より水産庁の5ヶ年継続補助事業として「水
産物消費改善推進事業」を実施しているが、
その一環として去る1月29日に、平成12
年度全国魚食普及担当者育成研修会を開催した。
研修会には全国の漁連、各水産団体、県
の魚食普及担当者約100名が参加した。研
修会は主催者挨拶で始まり、水産庁水産流通
課西嵜課長補佐が来賓挨拶を行った。その後
景気が回復すればマグロなどの高級魚の消
費が増え、大衆魚の消費は減る――。水産庁
講演会に移り、服部栄養専門学校の服部幸應
校長が「食育―魚と食生活」の演題で、子供
時代の食生活がその人の一生の食を決定する
中央水産研究所は、日本の水産物消費状況を
社会科学的な見地から分析、これまでいわれ
てきたような「魚離れ」はないことや、消費
ので、子供の食教育が如何に大切であるかを
訴えた。
続いて、
「週末に家族で囲む大皿料理」のテ
ーマ*材料費/5000円以内(4∼5人分)
される水産物の平均価格が少しずつ高くなっ
てきていること、マグロ、エビなどは国際的
料理時間/1時間以内*部門及び応募資格
1.プロの部:調理師専門学校の生徒を含む。
2.学生の部:小学校、中学校、高等学校生
徒。3.一般の部:1.2以外の方。*応募
締切 平成12年11月30日(木)必着*
審査委員 服部幸應氏(服部栄養専門学校校
長)他で募集したシーフード料理コンクール
の審査発表が行われ、最優秀賞には大阪府箕
面市 畑繁良さんの「エスニック魚のカリカ
リサラダ」が選ばれた。部門別賞の発表も行
われたが、いずれも新鮮な感性と豊かなアイ
デアを活かした魚料理であった。
10分間の休憩後、各県の魚食普及推進事
例3例の紹介があり、「食卓と日本の漁業を
つなぐコミニュケーショ」の題で、コアコー
ド㈱田中昌一郎氏が講演を行った後、水産物
消費改善推進事業についての自由討論、活発
な意見交換を行い研究会を終了した。研修会
の後は会場を近くの「すきずき中央店」に移
し、不況下の魚価安、販売不振についてどう
対処すればよいかや各県の事業状況等につい
て担当者同士が交流した。
となどを明らかにした。研究結果を発表した
中央水産研究所経営経済部比較経済研究室の
多田稔室長は、「水産消費における常識が数
第1回シーフードコンクール表彰式
に価格が形成され、消費も伸びていることか
ら、世界的に価格が上昇する可能性が高いこ
値化された」と説明している。
この研究解析は、多大な水産物を消費する
日本の需要動向と家計消費の関係、国際価格
に及ぼす影響を明らかにする目的で行われた。
水産物の消費はこれまで、1960年代か
ら徐々に減少してきており、これに対して肉
類の消費が増えてきているとみられていた
が、実はこれは「家庭内で生鮮魚介類が消費
されている量」であって、中食、外食などで
の消費を加えると、少しずつではあるが消費
量が伸びており、肉類に代替されたわけでは
ないことが分かった。また、肉類に対する水
産物の小売価格は高くなってきていることが
分かった。
従来、水産物の需要は、家計消費支出の増減に伴
って、増加か減少するという方程式で示されてきた
が、こうした分析を下地に水産物の需要を調査して
みると、一概にはこの方程式には当てはまらないこ
とが分かった。分析の結果、
「高級魚」や「調理しや
すい魚」
(マグロ、ヒラメ、エビ、カニなど)は家計
消費支出の伸びに伴って需要が伸びてきているもの
の、その伸びは鈍化しており、
「大衆魚」や「調理し
にくい魚」
(サンマ、カレイ、サバ、イワシ、タラ、
ブリなど)は、85年以前に需要が飽和状態になり、
その後は減少していることが分かった。
多田氏は、こうした結果から、魚の種類によって
需給状況は「二極化」していると分析。需要が予想
できる方程式を考案し、その方程式が、実際の需給
状況にも当てはまることを確認。景気が回復し、家
平成 13 年 2 月 1 日(木)
第466号
計支出が増加すると、「高級魚」は需要が増加し、
「大衆魚」はある一定の時期に需要増が頭打ちとな
主な行事予定(2/1∼2/28)
り、その後は減少するとの解析結果を導き出した。
一方、マグロ、エビ、サケの輸入量の多い水産物
香川漁連だより
2月
1日(木)
香川県海区漁業調整委員会
2月
2日(金)
税務説明会
価格に反映されるタイミングは違うものの、相互に
2月
8日(木)
第6回海苔共販
強い関連があることが分かり、各市場国間で相互依
2月13日(火)
香川県海区漁業調整委員会
存的に価格が形成されていることがわかった。また、
2月 13∼14 日
第26回全国かん水養殖シ
について、国内市場価格・輸入価格と外国における
輸出価格との関連を分析したところ、魚種によって
これらの魚種については、世界的な需要の増大も予
測され、資源量が減少、漁業規制の強化などがある
ンポジウム
2月16日(金)
ことから、将来は世界的に市場価格が上昇する可能
性が高いことが分かった。
多田氏は、
「日本の景気が立ち直ると、高級魚の需
要が増加し、また、外国市場と価格が連動するマグ
ロやエビでは、価格が上昇する可能性が高いことが
示唆される」と分析結果を説明している。
(2000.9.28 水産経済新聞)
香川県水産増養殖研究会技
術部会
2月20日(火)
香川県資源管理型漁業研修
会
2月25日(日)
第7回海苔共販
2月26日(月)
平成12年度第2回漁業技
術研修会
伝承の背景
材料(4人分)
わけぎ
たこ
からし酢味噌
白味噌
練り辛子
酢
砂糖
1束(180g)
150g
60g
小さじ1/4
大さじ2/3
30g
作り方
①わけぎは洗って、白い根元の方と青い方に分
け、どちらとも3㎝位の長さに切っておく。
②沸騰したお湯に、白い根元の方を入れ、次に
青い方を入れてゆで、ざるにとって冷ます。
(少しの水でから炒りしてもよい)
③たこは、塩もみしてぬめりをよくとり、熱湯
に、塩ひとつまみを入れて、さっとゆで、一
口大に切る。
④すり鉢に白味噌、練り辛子、酢、砂糖を入れ
てよくすり混ぜ、冷ましたわけぎとたこをあ
える。
・昔から農家は、季節の野菜としてわけ
ぎを作り、春先からあえものとして旬の
味を楽しみました。
・和える素材は、まて貝、たこ、いかな
ご等、いろいろですが、春の献立には必
ず登場する一品。
・土庄町豊島では祝い膳の一品として、
よい事が長続きするよう「わけぎのぐる
ぐる」と言って、わけぎを切らずに一口
大に巻く習慣があります。
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