平成25年度 感染症講座(初級編) 質疑応答 質 問 回 答 大量に水を飲んでしまう利用者に対し、センサー式や上下 使用できる センサー式は電源を切れば水は出ない で水を出したり止めたりするタイプの蛇口は使ってよいか 上下に動かすタイプのものも蛇口をはずすことは可能 認知症で異食行動のある方(便を口に入れてしまう)の予 防法は 異食行動のある方の感染対策は難しい 便が出たらなるべく早くオムツ交換を行うなど、便を触る機会を 減らすように心がける 静養ができない利用者への対応 マスク着用や部屋に居ることができない方の隔離法 自分の身体が大変なら休むので無理に静養しなくてもいいと思 う 飛沫感染などで部屋からあまり出てほしくない場合はその都 度、話して部屋にいてもらうなどの対応をする マスクをしてい ないときはその都度するよう促す とにかく繰り返し話すしかな い 食事の前の手洗いができない知的障害者への対応 食事前に一緒に手洗いを行うなどの工夫をする どうしても洗 えない場合はウエットティシュでふき取りアルコール消毒を行う 手洗い後、水分を完全に拭き取らずにアルコール消毒して 水分が残っていると十分アルコールが揮発せず消毒効果は落 も効果があるのか ちる 手洗いとアルコール消毒の有効な方法 手に目に見える汚れがない場合はアルコール消毒、汚れがあ る場合は手洗いを行う 外出時やおやつの前に手洗いせずアルコール消毒をする 目に見える汚れがなければアルコール消毒で効果がある のはよいか MRSAやC型肝炎などの施設入所を断られることが多い MRSAもC型肝炎も標準予防策での対応でいいので通常の入 所者と同じように対応可能 断る理由にならないことを教育す る必要がある(感染症や感染対策の知識不足) おむつ交換時、布エプロン使用(プラスチックエプロンはな 感染対策のために使用するエプロンはプラスチックエプロンで い)、便処理や尿処理すべて同じエプロン使用で感染につ 使用後は廃棄が原則 布エプロンは水分を通してしまうので感 ながらないか 染対策にならない 使いまわしも感染の拡大につながる 布のエプロン・ガウンを使用する場合、洗濯は別にしたほう 布のエプロン・ガウンを使用した場合、使用後毎回洗濯を行う がいいか 洗濯は他のものと区別する必要はない 食事介助に食事用エプロン使用 意味あるのか疑問 食事介助はエプロンしなくてよい 何のために使うのか考える 必要がある 食事における感染対策は 食事における感染対策は食中毒の防止 食品の管理や調理室の環境、出来上がった食品の管理など 食卓の清潔管理と食事前の手洗い 食器の消毒はどのくらいの時間行うか 消毒薬の濃度により時間も変わる 例)0.1%ハイターは30分 0.01%ハイターは60分 コップや湯飲みなど毎日洗浄し熱乾燥しているが週1回ハ 毎日洗浄・熱乾燥していれば消毒の必要はないと思うが、茶渋 イターで消毒している毎週消毒の必要はあるか などで汚れている場合ハイターにつけることはある C型肝炎の人の食器は分けたほうがいいか 正しい消毒液の選択について C型肝炎は血液で感染するため、分ける必要はない 基本的には食器はどんな疾患でも分ける必要はない 本日もらった消毒薬ハンドブックを参考に施設での消毒薬マ ニュアルを作成し選択していく 平成25年度 感染症講座(初級編) 質疑応答 質 問 回 答 歯ブラシの消毒方法 利用者個人もちの歯ブラシは基本的には消毒の必要はない しかし、個人もちだが歯ブラシは集めて消毒して保管してある 場合は交差感染のリスクは残るため集めるたびに消毒が基本 (ただし歯ブラシは構造上、洗浄・消毒が確実には行えない) 歯ブラシ・コップを毎日消毒する施設があるが正しいか 共用したり、交差する可能性がある場合は消毒したほうがいい ただし、歯ブラシは洗浄・消毒が確実に行えない)個人使用で 交差しないよう管理すれば洗浄のみでよい 手洗いは必ず石鹸を使用すべきか 流水だけではだめか 手洗いは流水と石鹸使用が原則 流水のみでは汚れが落ちに くいので洗い残しが多くなる 作業台やドアノブなど頻回に触れる場所は1日1回以上ふき取 るのが原則 消毒スプレーを使用しているようだが、環境の消 知的障害者の作業所で毎日、作業台、ドアノブ、ロッカーな 毒にはスプレーは使用しないほうがよい スプレーは噴霧され ど消毒スプレーしているが週1回ではだめか るため人体に害を及ぼす可能性がある 布や紙に消毒液をし みこませふき取る方法に変えたほうがよい いんきんの作業者が使用したトイレは消毒布でふき取れば いんきんは直接接触しなければうつらないので消毒の必要は 大丈夫か ない 全員手袋したほうがいいが、施設の実情に合わせ検討すれば よい 口腔ケア時の手袋装着は毎日3回、約40名の介助をする たとえば、口の中に手を入れないと口腔ケアが行えない場合や ので大量に使用しコストがかかるがやったほうがいいのか なかなか口をあいてくれなくて噛まれる危険がある場合は装着 するなど決まりをつくる 吐物処理、下痢便処理時手袋を2枚重ねて使っているがよ 2枚重ねても効果は変わらないのでコストがかかるだけ 1枚で いか 十分 手袋をたくさんポケットに入れて使用するのはどうか ポケットは汚いことが多い 清潔にするためには箱から出して 使用する 使用済みの手袋の廃棄場所は 使用済み手袋は汚染されているので感染性の廃棄物になる 綿のマスクをしてくる利用者がいるが効果あるのか 綿のマスクは目が粗く感染対策として使用するのには適さない 飛沫感染対策で使用するマスクはサージカルマスク インフルエンザ流行期のマスク着用 流行期は施設に出入りする日とすべてにマスク着用をしてもら うのもいいが、咳やくしゃみなど呼吸器症状がある人や同居家 族や周りにインフルエンザにかかっている人がいる場合などに マスクを装着してもらえばよい(咳エチケットを遵守) 面会者のチェックを行い、面会を控えてもらったりマスクを着用 面会の子供がインフルエンザを持ってきてしまったり、職員 してもらう の子供がインフルエンザにかかってしまい施設内で感染す 職員の子供がインフルエンザの場合、その職員は1週間マスク ることがあるが防止策は 着用にて業務従事し毎朝健康観察(風症状はないか、熱はな いかなど)をしてから出勤などのルールを作る アウトブレーク(集団感染)の終息はいつか アウトブレークの終息はアウトブレークした疾患により違う 基本的にはその疾患の潜伏期の2倍の期間、新たな発生がな い時に終息とする 例)ノロウイルス下痢症は潜伏期が1~2日なので最終患者発 生後4日間新たな発生がないとき終息とする 平成25年度 感染症講座(初級編) 質疑応答 質 問 回 答 大浴場でのバスマットが1人1人変えられないがよい方法 は 大浴場でのバスマットを交換できない場合は、時間や人数で区 切り交換する バスマットを湿った状態で放置することがないよ うにする 入浴時の石鹸は固形か液体か 固形石鹸は管理が大変でカビが生えたりするため液体石鹸の ほうがよい 利用者が病院受診をした場合帰苑時や出かける前の感染 出かけるときはマスク着用し帰ってきたら、手洗い・手指消毒実 対策は 施 疥癬が疑われる場合、対応は 疥癬に順ずる対策を行い否定されれば解除する 内服薬や軟膏が処方されていれば、医師が感染性を否定でき るまでは対策実施 手袋はしたほうがいいが素手で手をつないでもすぐには感染し 爪水虫の方を手引き介助することがあるが手袋したほうが ない いいか 手引き介助後手洗いを行えばよいが手に傷がある場合は手袋 をすることを薦める インフルエンザ患者を個室隔離できない場合の対応 空気感染でないインフルエンザの場合は個室に隔離しなくても ベットの間隔を空けて対応することも可能 尿や便がついていなければきれいだが、汗などで湿気がこもり 前日の夜に使用したオムツを翌日もきれいだからと使用す 皮膚トラブルの原因になるのでせめて1日1回は交換したほう る家族がいるが注意すべきか がいい 手すりは1日1回掃除が必要か 手すりは頻回に接触する場所なので最低1日1回は拭きとりが 必要 食事前におしぼりを提供している施設があるが効果あるの 基本は流水と石鹸での手洗いだが手洗いできない場合などお か 絞り使用は効果ある 清拭車の中に濡れたタオルを入れおむつ交換時使用して タオルを濡れた状態で保管しておくのは細菌繁殖の原因となる いる のでやめたほうがいい 濡れたタオルは利用者が巻いて容器にいれストックしてい るが衛生的にどうか 保育園でも床の清掃は埃の除去よいか 保育園の場合は床に接触する可能性が高いため床もしっかり 洗浄剤で拭く必要がある 消毒ではなく洗浄剤で十分 液体石鹸も汚染されることがあるため、使い切って継ぎ足すの 継ぎ足しの液体石鹸は大きなボトルから継ぎ足しているが が原則でボトルも洗浄しないと汚染されるので洗浄乾燥してか 使い切ってボトルを乾燥させてから使用したほうがいいか ら継ぎ足す 石鹸が付いた手で蛇口を触っただけではきれいにならないの で石鹸でしっかり洗浄した後に手を石鹸で洗えばきれいだが、 手洗いのたびに石鹸で蛇口を洗浄することを考えると手間では 保育所の手洗い方法で節水のため手洗い途中で蛇口を閉 ないか めたり開いたりするが、石鹸が付いた手で蛇口をひねるの ただ、手拭はハンカチを使用しているので蛇口を閉めることが で石鹸で蛇口を洗い流すことになりよいのでは 難しいので蛇口を石鹸で洗い流水で流してから手を洗い蛇口 また、園児は自分のハンカチで手を拭く を閉める必要がある 手拭をハンカチにした場合、ハンカチが湿った状態で保管され ていると細菌繁殖が起こるので頻回に手洗いする場合、何枚 かハンカチが必要 静岡済生会総合病院 TQMセンター 感染対策室 感染管理認定看護師 杉村きよ美 ℡054-285-6171(代表) 内線2015 メールアドレス [email protected]
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