画像化による 超音波探傷試験技術

■ 安全と品質を支える非破壊検査
画像化による
超音波探傷試験技術
非破壊検査株式会社/城下 悟
国内の多くのプラントが高経年化を迎え、プラントで使用されている容器や配管の健全性を確認
することがより重要になっている。健全性を確認する手法の最も基本的なものは目視検査であ
る。
目視で変形や変色、割れや腐食の有無が確認されるが、直接見えない部分に対しては非破壊
試験が適用される。
本稿では、超音波探傷試験を使用した腐食検査の画像化を紹介する。紹介するのは配管、ボル
ト、伝熱管の腐食等を検出し評価する技術で、画像化により、腐食の程度を分かりやすく表示す
ることができる。
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MS-UT
タドライバで上側が超音波探傷器である。図 1 右
のノートパソコンは MS-UT のソフトウェアを内
1.1 MS-UT装置
蔵し、超音波探傷器のパラメータの設定、データ
MS-UTは超音波の多数回反射
(マルチスキップ)
収集、画像表示、表示データの解析が行える。ス
を利用して配管や容器の目に見えない部分の腐食
キャナはモータ駆動方式と手動方式があり、現場
を測定して定量的に評価する技術である。測定に
での状況に合わせて使い分けることができる。ス
使用する装置を図 1 に示す。図 1 左の下側がモー
キャナは開発当時から改良を重ね、現在に至って
いる。装置はすべてバッテリ方式で、現場での
100V 電源は不要である。
1.2 MS-UTの測定結果
図 2 は実機に使用されていた配管で、配管と架
台の隙間に侵入した雨水により腐食し、貫通に
至っている。配管を切り出した後は図 3 のように
レーザ変位計を使用して減肉形状の測定が行える
が、配管が使用されている状態でも MS-UT を適
用すれば図 4 のように減肉状態を把握できる。
図 1 MS-UT 装置
左:超音波探傷器とモータドライバ
右:表示用パソコン
56 ︱February 2014
1.3 MS-UTの原理
MS-UTは、2 個の探触子を図 5 に示すように送
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