EUへ輸出する際の 注意事項

EUへ輸出する際の
注意事項
はじめに
EU向けの貨物輸送を行う場合、EUにおいて輸入者が書類上の輸入者(Importer of record)の資格を有しているか確
認をしておくことが重要です。
1. EU側の状況の確認
EUでの輸入申告は大きく分けて「通常通関」と「特殊通関」があります。
大部分が「通常通関」に分類されます。また「特殊通関」とは数量割り当て規制(quota)がある物品、エネルギー関連
品目、農作物等、EU加盟国の規制に当たるものを指します。品物によっては輸入禁制品に該当する場合がありま
すので、詳細についてはお問合せください。
輸入通関に必要な書類
【輸出者側で用意するもの】
① インボイス
② パッキングリスト
【輸入者側で用意するもの】
※1 Economic Operator Registration and Identification の略。
税関に登録されるEU共通の企業番号
※2 Value Added Tax(付加価値税)の略。
① 通関委任状(EORI番号(※1)、輸入者のVAT ID(※2)が明記されたもの)
② その他税関やEU当局の要求する書類(国により必要書類の有無が異なります)
2. EUでの輸入申告
輸入者は通関業者に輸入通関業務を委託することができます。多くのEU加盟国では通関申告は電子化されてお
り、申告データに基づいて簡易審査、書類審査、検査を要する審査と判別され、通関の所有時間も変わってきます。
審査後に関税VATの納付を済ませて輸入許可となり、荷受人のもとに荷物が配達されます。
(ワンポイントアドバイス)
EUへの輸出において想定以上に時間が掛ることがあります。チェックポイントは以下の通りです。
NO.
よくあるケース
ワンポイントアドバイス
①
輸入しようとする者が、輸入者資格を持っ
ているかどうかわからない場合
輸入者にEORI番号やVAT番号をご確認いただくことを
おすすめします。確認が取りづらい場合は、弊社EU法人
経由でお調べすることも可能ですので、お気軽にお問合
せください。
②
送ろうとしている品物がEUで輸入可能な
のか、または、特別な規制があるのかわか
らない場合
まずは弊社にお問合せください。
品物と個数、価格、送り先(HS CODEもわかれば尚可)を
お知らせいただければ、EUの税関や通関士に確認する
ことが可能です。
③
輸入申告する商品の統計品目番号
(HS CODE)が正しいか?
一般的にHS CODEは輸入者が通関業者に業務委託す
る際に提供します。初めて輸入する商品やHS CODEの
特定が難しい場合は、予め現地の税関に相談、登録する
事が可能です。弊社EU法人がお手伝いいたします。
出荷前に確認が必要とされる主な項目および規制
Ⅰ.発地国側の事前準備
① EU向けの梱包規制情報
EU側で輸入する際に、貨物の木材梱包材料の確認が行われます。
木材を使用した梱包資材を使用する場合、ISPN No,15基準
(国際基準No.15「国際貿易における木材梱包材の規制の為の指針」)に従い、針葉樹、非針葉樹を問わず、消毒(熱処理又は臭化
メチル燻蒸処理)を行い、IPPCマーク※による梱包資材本体への刻印が必要です。
※IPPCマーク:消毒処理材を証明するスタンプに含まれるマークのこと
② 食品、原材料の輸入規制
農産物、畜産商品、例えば乳製品(チーズ、バターなど)、肉類(ソーセージ、ジャーキーなど)、生野菜、果物は輸入禁制品となりま
す。ただし、乾物など輸入手続きが比較的簡易なものもありますので、判断がつかない場合はご相談ください。
EU内に輸入される食品とその原材料のうち、2011年3月11日以降に日本で生産・加工されたものに対しては、輸入が規制されてい
ます。
出荷前に各都道府県の関係省庁にて、輸出証明書を取得する必要があります。最寄の政府機関へのご確認をお願いします。
③ その他 規制
CEマーキング CE marking
(製品が安全規格に適合していることを示すマークです。)
EU域内の流通には製品上にこのマークをつける必要があります。
ROHS
Restriction of Hazardous Substances
(家電・電子機器に含まれる特定 有害物質 の使用を制限)
EUでは、ROHS指令により、原材料や部品に水銀、鉛などが使用された商品の輸入が制限されています。
REACH
Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals
WEEE
Waste Electrical and Electronic Equipment
(さまざまな化学物質の規制、リサイクルの規制)
EUでは、REACH規則やWEEE指令により、EUの環境法
規制の概要と動向を常に確認する必要があります。
Ⅱ.EU側での事前準備
通関委任状の作成
通関委任状とは、輸入者が通関業者に対して通関業務を委託する際の依頼書です。
会社名、住所、連絡先、EORI番号、VAT番号などの記載が必要です。
書式の内容が国によって若干異なりますので、詳細については弊社までお問合せください。
その他注意点
【必要書類項目、規制事項を満たさない場合、現地税関にて差し止め、品物の没収、破棄および返送となる
可能性があります。】
※EU内各国により、条件・規制等が一部異なる場合もあります。
※上記記載項目以外にも禁止・規制品や輸送上の規制がある場合があります。
※掲載情報につきましては充分に注意して掲載しておりますが、全てが最新で、かつ、当該サイトにアクセス頂いた時点において、
その内容が実効性を保有していることを保証するものではございません。当情報が原因にて、発生した損害につきましては、弊社
では責任を負いかねますのでご注意下さい。(掲載情報取得日:2013.2.1)
※掲載情報に関わる最終的な法的解釈判断は、各国当局に帰属します。