ソフトバンクモバイル:iPhone人気と純増数No.1を支えた

顧客事例
ソフトバンクモバイル株式会社 | 通信 | webMethods
ソフトバンクモバイル:iPhone人気と純増数No.1を支えた
webMethodsによるオーダー管理システム!
課題
情報通信業界は、現在最も競争が激しい業界であり、またMNP(携帯電話番号ポータ
ビリティー)やスマートフォンの普及、商品・サービス体系の複雑化など、めまぐる
しい環境の変化に置かれています。またそれに伴い、M&Aや事業再編も活発化
しています。事業者は、ビジネスをスピードアップさせるためにいかに生産性を
向上させるか、また、社会インフラを提供する事業者としていかに安定したサー
ビスを提供できるか問われています。
ソフトバンクモバイル株式会社は「情報革
命で人々を幸せに」というソフトバンクグル
ソリューション
ープの経営理念の下、2006年4月に移動体
通信事業に参入後お客さまに選ばれる携帯
そうしたなか、
ソフトバンクモバイルでは、基幹システムを刷新する一大プロジェクト
電話サービスを目指しお客さまのニーズに
を2008年から開始。テクノロジー・リフレッシュと共に携帯電話のオーダー管理システ
いち早く応えるべくさまざまな取り組みを
ムの基盤にwebMethodsを採用しました。
強化してまいりました。
生産性と安定性を向上させるために、EAIとESBのコンセプトを導入し、2010年5月に
稼働を開始させ、純増数No.1のビジネスの継続に貢献しています。
2008年7月には「iPhone 3G」、2010年5月
には「iPad」の販売を開始し、
「モバイルイ
ンターネットNo.1」企業として、他社に先駆
けてスマートフォンやスマートパッドの市場
効果
・ 顧客満足度を向上させ、
「新規顧客の獲得」
というビジネス目標の支援強化
・ 共通部品化、モジュール化で開発効率を大幅改善
・ 初期コスト/保守コストの大幅削減を実現
を開拓することで日本国内の携帯電話市場
をけん引してきました。ソフトバンクグルー
プが目指す「No.1モバイルインターネットカ
ンパニー」実現に向け、その中核的な役割
を担っています。
・ 社会インフラとしての安定性を実現
・ システム間の疎結合の実現
・ 外注化していたシステムの内製化を可能な限り実現(標準化への取り組み)
・ 携帯電話番号ポータビリティでのポートイン数増加、年間純増数No.1継続への貢献
Get There Faster.tm
「ソフトバンクモバイルは変化の激しい通信業界で勝ち抜くために基幹システムの
再構築プロジェクトを実施しました。
それにより生産性を向上させ、社会インフラとしての安定性の向上を実現しました」
システムサービス事業統括部サービスプラットフォーム部サービス基盤開発課 課長 勝見亮氏
■「情報革命」に挑戦し続けてきた
例 えば、ソフトバ ンクモバイル の旧システムで
「オーダー管 理システムは、新 規 登 録、情 報 変
ソフトバンクグループ
は、数年以内にシステムキャパシティの上限を超
更、解約といった業務機能を提供するものです。
えてしまうことが懸念されていました。社会イン
このシステムが止まってしまえば携帯電話事業
2010年に創業30周年を迎え、
「情報革命で人々
フラとしての安定性が損なわれる危険があった
そのものがストップするという最重要の基 幹シ
を幸せに」を経営理念とする新30年ビジョンの
のです。また、MNP (携帯電話番号ポータビリテ
ステムに位置づけられます。システム再 構 築で
実現に取り組んでいるソフトバンクグループ。同
ィー) や、固 定 電 話と携 帯 電 話 の 融 合( F i x e d
は、新しいアーキテクチャを採用しつつ、どのよ
社は現在、主にソフトバンクモバイルが展開する
Mobile Convergence)、iPhoneに代表されるス
うにして生産性の高さと安定性を実現していくか
「移動体通信事業」、ソフトバンクBBが中心とな
マートフォンの普及といった情報通信業界を取り
がカギでした」と勝見氏は話します。
って展開する「ブロードバンド・インフラ事業」、
巻く市場の変化に対応していく必 要がありまし
ソフトバンクテレコムが中心の「固定通信事業」、
た。競争の激化や、市場の変化に素早く対応し、
そして、ヤフーを中心とした「インターネット・カ
お客様が満足できるサービスや端末をリリースす
ルチャー事業」という4つのセグメントで事業を
るには、生産性の向上が求められました。
■webMethodsが採用された理由
生産性の向上、および社会インフラとしての安定
性 の 向 上 と い う 2 点 を 実 現 す る う え で 、
展開しています。
こうしたことから同社は2008年4月から基幹シス
これら4つのセグメントでの事業体制の基礎が作
テムを再構築するプロジェクトに取り組みます。
られたのは2006年のことです。2006年4月に英
そして、ソフトバンクモバイルにおける携帯電話
国ボーダフォンの株式を取得し、同年10月にはソ
のオーダー管理システムにおいて、
webMethods
フトバンクモバイルへと社名を変更しました。ま
を用いた新しい基 幹システムを構築したのです
た、同じ月には、2004年からグループ入りしてい
(図)
webMethodsは以下の点で優れていました。
・グラフィカルなフロー言語でコーディングレス
であるため、開発者が習得しやすかった
・開発プログラムを共通部品化(モジュール化)
た日本テレコムの社名をソフトバンクテレコムに
することで、改修の局所化、工数削減を見込め
変更しました。これにより、1990年代から日本の
た
インターネットを牽引してきたヤフー、2000年代
初頭から日本のブロードバンドを牽引してきたソ
フトバンクBBと合わせ、固定電話、携帯電話、イ
・一部システムですでに導入が済んでおり、安定
稼働が確認されていた
ンターネットという情報通信サービスを総合的に
提供する企業となったのです。
・一部システムの導入経験から、社内にノウハウ
が蓄積されていた
■事業拡大を支える「スピード」と「安定性」
こうしたM&Aや事業再編を進めるなかで、ソフト
バンクはシステム的な課題に直面しました。シス
テムサービス事業統括部サービスプラットフォー
ム部サービス基盤開発課で課長を務める勝見亮
氏は、その課題について次のように話します。
「ソフトバンクテレコムやソフトバンクモバイル
が加わりグループとして新しい事業体制になった
にもかかわらず、グループが利用するシステム基
盤は以前から利用していたレガシーシステムを引
き継いでいました。ソフトバンググループの事業
経営の1つの特 徴はスピードです。また、通信と
いう社 会インフラを提 供していくためには安定
性も必須です。レガシーシステムは、そうしたス
ピードや安定性の面で新しいインフラの装備が
急務でした」
図: ソフトバンクモバイルの本プロジェクトシステム概要
「プログラミング経験の少ない若手社員でも速やかに開発に携わることができるのが魅力でした。
以前に比べて開発期間を短縮することができました」
システムサービス事業統括部サービスプラットフォーム部サービス基盤開発課 原彰彦氏
webMethodsの特徴として、コーディングレスで
あることが挙げられます。Javaなどのプログラミ
ング言語の知識が足りなくても、フロー言語とそ
の 知 識 があ れば 容 易に実 装 することが で きま
す。また、システム全体で共通して利用する部分
を モ ジュールとして 切り出して 再 利 用 で きる
SOA(サービス指向アーキテクチャ)の枠組みを
プロトタイプ開発時点でのPoCや性能評価、性能試験、並行稼動試験を実施し、安定性向上を確実に実現
備えていることも大きな特徴です。これにより、
機能の新規開発などの際の工数を大きく削減で
安定性向上のための工夫:
■EAIとESBのコンセプトを導入
きます。
・プロトタイプ開発時点でのProof of Concept
さらに、特徴的なことは、生産性と安定性を向上
また、基幹システムの再構築にあわせて、システ
(以降Po C )や性 能評 価 、性 能試 験、並行 稼 動
させるために、EAI(Enterprise Application In-
ムの内製化にも取り組みました。従来、要件定義
試験を実施
部 のパートナーに実 装を依 頼していました。た
だ、
「市場の変化にスピーディーに対応するため
tegration)とESB(Enterprise Service Bus)の
コンセプトを導入していることです。
や基本設計といった上流工程を済ませた後は外
・ボトルネック箇所やウィークポイントを洗い出
し、フローサービスを改善
具体的には、EAIについては、webMethods
In-
tegration ServerとwebMethods Brokerを組み
には内製化は欠かせない」との判断から、それま
での体制を大きく改めたのです。システムサービ
生産性向上のための工夫としては、まず、アーキ
合わせて、キューイングによる非同期大量TXN処
ス事業統括部サービスプラットフォーム部サービ
テクチャチームがシステム設計の段階で業務を
理を行なっているほか、顧客システムのデータベ
ス基盤開発課の原彰彦氏は、webMethods採用
精査して、標準テンプレートを作成。そして、それ
ースを料金システムのデータベースとリアルタイ
の理由を次のように話します。
に基づいて共通部品を先行して実装することで、
ムに連携させています。
開発チームが自分の担当分野に専念できるよう
にしました。共通部品としては、テーブルの採番
また、ESBについては、各システムからのオーダー
やかに開発に携わることができるのが魅力でし
モジュール、カレンダーから日時を取得するモジ
(新規登録、情報変更、情報参照など)をオンラ
た。また、機能の新規開発や改修をスピーディー
ュール、ログの書き出しモジュールなど数十種類
インで処理しているほか、オーダーをサービス単
に行うことができると思いました。以前のシステ
あります。開発する部品を共通化・モジュール化
位で実装し、システム間の疎結合を実現していま
ムでは機能の追加の際には、新しい部品を一か
することで、システムとしての柔軟性や拡張性を
す。
ら作るケースがほとんどで、影響調査だけで1週
高めています。
「プログラミング経験の少ない若手社員でも速
間ほどかかってしまうこともありました。それら
を数日に短縮することが期待できました」
また、安定性向上のための工夫としては、開発段
階からのPoCや性能評価を綿密に行なったこと
■スケルトンを作成してPoCや性能評価を実施
が挙げられます。本番環境と同様のトランザクシ
ョンを想定して、数ヶ月にわたる負荷試験も実施
実際に導入する際には、webMethodsの特徴を
しました。こうした長期で複数回に渡っての段階
最 大 限 に活 かす ために独自の工夫を行 いまし
的なテストにより、社会インフラとして求められ
た。具体的には、以下のような点です。
るシビアな環境に対応できるようにしたのです。
生産性向上のための工夫:
・スケルトンと呼ばれる標準テンプレートを作成す
る体制を確立(アーキテクチャチームを結成)
・各種機能(サービス)を実装するための共通部
品を先行して実装し、それを開発チームに展開
ESB適用イメージ
■顧客増加に伴い、急増したトランザクションを
■ソフトウェア・エー・ジー、
乗り切る
コンサルティング・サービスもプロジェクトに参加
新基 幹システムは2010年5月から稼働を開始し
ソフトバ ンクモ バ イルで は 、2 0 0 5 年 の w e b -
ました。その後、顧客の増加に伴い、ショップ、量
Metho ds導入後、その初期段階からソフトウェ
販 店、コールセンター、Webサイトなどからのト
ア・エー・ジーのグローバル・コンサルティング・
ランザクションは増加しました。休日などピーク
サービスを活用しています。スタッフが常駐し、ソ
時の申込件 数やトランザクション数は通常の数
フトバンクモバイルのシステム開発、運用をソリ
倍にも達しました。
ューション、テクニカルの両面から支援をしてい
ます。
「このような高負荷な状況であってもシステムは
キーとなるコンポーネント
webMethods Integration Server は、標準
ベースの統合プラットフォームで、サービス指
向アーキテクチャ(SOA)の基礎でもあり、最も
完全で利用可能なエンタープライズ・インテグ
レーション・インフラストラクチャです。このエ
ンタープライズ・サービス・バス(ESB)は、サービ
スやアプリケーションのようなテクノロジーや、
効率的にコミュニケーションできるシステムと
の会話を可能にします
長期に渡って、メンバーの一員としてユーザをサ
webMethods Broker は、アプリケーション
以降、携帯電話の契約者数は増え続けている状
ポートすることで顧 客の立場にたった支 援と提
間のメッセージングのために信頼性がある高
況にありますが、これまでに業務停止につながる
案を継続的に行えていることも特徴的です。
きわめて安定して稼働しています。システム稼動
ような重大障害は一度も発生していません」と勝
見氏。
性能のバックボーンを提供するESBと協働し
ます。
webMethods Adapter は、コーディングなし
こうした安定性向上の成果にくわえ、生産性向上
についての効果も具体的にあらわれています。例
えば、開発の効率についても「共 通部品の再利
用やフローサービスによるコーディングレスなど
に企業の既存アプリケーションをESBへ連携
させます。
最寄りの Software AG 営業所は、
http://www.softwareag.com/jp/Company/
offices/default.asp を参照ください。
より迅速な実現のため、次なるステップへ
で感覚的には2割程 度の生産性増」とのことで
す。
SOFTWARE AG について
え る 基 盤 と な って い る こ と で し ょう 。 「20 08年1月から2011年12月まで4年連続年間
純増数No.1を獲得することができました。現在、
製品を市場に提供してきました。
の向上を目指すとのことです。また、開発フェー
弊社は、エンド・ツー・エンドの使いやすいビジネス・プロ
弊社は、
エンド・ツー・エンドの使いやすいビジネス・プロセ
ソー
リシ
ュョ
ーン
シを
ョもっとも低い
ンを安価な
セ ス・ マ ネ ジ メ(
ンBPM
ト()
BPM
ソ リ)ュ
ス・マネジメント
TCO(Total Cost of Ownership) でお客様に提供しています。
業 界 ト ッ プ の ブ ラ ン ド(ARIS、webMethods、Adabas、
、グローバル・コンサルティング・サー
IDS Scheer Consulting)は、以下の
Natural、CentraSite、
ようなユニークな製品構成となっています
ビス)
は、以下のようなユニークな製品構成となっています
: プロセス戦略、:
デザイン、統合とコントロール ; SOA ベースの統合とデータ
・
プロセス戦略、デザイン、統合とコントロール
、SOA ベース
マネジメント ; ・マネジメント
プロセス駆動の 、
インプリメンテーション
SAP
SAP インプリ;
の統合とデータ
プロセス駆動の
戦略的なプロセス・コンサルティングとサービス。
メンテーション、
戦略的なプロセス・コンサルティングとサー
年
名の従業員、
Software
AG は、AG
2011
12 月現在、約
5,4005,400
Software
は、
2012
年 9月現在、約
名の従
ビス。
以上の顧客を世界
10,00010,000
70 カ国に有しています。弊社の包
以上の顧客を世界
70 カ国に有しています。弊
業員、
括的なソフトウェアとサービス・ソリューションは顧客のビ
社の包括的なソフトウェアとサービス・ソリューションは顧
ジネスの成功を支援しています。
客のビジネスの成功を支援しています。
ズだけでなく、ビジネスプロセスを含めたBPMに
Software AG – Get There Faster
契約数は3000万を超えています。この結果を影
で支えたシステムです」
(勝見氏)と話します。
今後の展望としては、グループ会社へのアーキテ
クチャ展 開を 進 めているところです。具体 的に
は、携帯事業統合プロジェクトにおいて、E AIや
ESBを用いた仕 組みを適 用し、生 産性と安定性
適用していく可能性を模索しています。そのうえ
で、webMethodsをプラットフォームとして、グル
ープの基盤として拡大できないかを検討中です。
※ 当資料に記載された製品および機能に関し、日本国内における提供
/ 出荷時期について別途お問い合わせください。
ソフトウェア・エー・ジー株式会社
〒 100-6112
東京都千代田区永田町 2 丁目 11 番 1 号
山王パークタワー 12 階
TEL: 03-5157-7600
FAX: 03-5157-7601
WWW.SOFTWAREAG.COM/JP
Software AG および Software AG プロダクトは、Software AG の商標もしく
は登録商標です。
本文書中に記載した他の企業名および製品名は、それぞれの会社の商標もしくは
登録商標です。
Copyright © Software AG and/or its suppliers, Uhlandstrase 12, 64297
Darmstadt, Germany.
ビジネス・プロセス・エクセレンスを達成する方法を知るには、WWW .SOFTWAREAG.COMをご覧ください。
SAG_ARIS_BusArchDesign_FS_J_Oct10
SAG_Kneipp_4PG_RS_J_Jun12
SAG_SOFTBANKMOBILE_4PG_RS_J_SEP12
最も大きい成果は、ソフトバンクのビジネスを支
プロセス・エクセレンスのグロー
Software AG は、ビジネス・プロセス・
バル・リーダーです。40
バル・リーダーです。4
3年間の歴史の中で、世界初の高速ト
ランザクショナル・データベース「Adabas」、プロセス分析
、そして B2B サーバーと SOA ベー
プラットフォーム「ARIS」
スの統合プラットフォーム「webMethods」という革新的な