5.5.2.海域別分類及び割合(船舶)

5.5.2.海域別分類及び割合(船舶)
笠原
邦元
Report of sighting survey from the bridge at watch time (Vessels)
1.はじめに
以外は、目視によるものでおよその距離として
海鷹丸Ⅳによる専攻科遠洋航海の第 12 次航
記録したものである。目視観測された船舶の分
海(2003 年 11 月 21 日〜2004 年 3 月 9 日)にて
類は、漁船、客船、貨物船、タンカー、LNG 船、
(航跡図、撮要日誌参照)
、海上における漂流物、
軍艦、鉱石運搬船、コンテナ運搬船、自動車運
鳥類、魚類、海獣類の分布状況を調査すること
搬船、その他の船舶とした。
を目的として目視観測を行ったので報告する。
3.結果
尚、目視観測データは、2003 年 11 月 21 日〜2004
本航海での目視観測された船舶の数は述べ
年 1 月 24 日のものとした。
262 回に達した。その内訳は、漁船 148、客船 8、
2.方法
貨物船 17、タンカー20、LNG 船 3、軍艦 1、鉱石
目視観測は、航海ワッチ時に、1 日 24 時間船
運搬船 4、コンテナ船 12、自動車運搬船 2、そ
橋より行った。航海ワッチは、当直士官 1 名、
の他の船舶 155 であった。また、各寄港地間を
当直操舵手 1 名、当直学生 5 名により 4 時間交
①〜⑤に分け、それぞれのグラフの場所と期間
代で行った。目視観測の記録は、ワッチ中に観
は、①日本からベトナム(11 月 21 日〜11 月 28
測された物すべてについて、観測物の種類と観
日)②ベトナムからジャカルタ(12 月 3 日〜12
測時刻、発見距離及び最接近距離等を記録した。
月 6 日)、③ジャカルタからバリ(12 月 9 日〜
ただし距離はレーダーによって測定できるもの
12 月 23 日)
、④バリからシドニー(12 月 29 日
〜1 月 8 日)、⑤
シドニーからタ
ヒチ(1 月 14 日
〜1 月 24 日)
で、
漁船
航行中に目視さ
客船
貨物船
れた船舶の種類
タンカ ー
42
54
LNG
①
と数を円グラフ
軍艦
鉱石運搬船
②
2
42
12 3 7 2
にしたものであ
コンテナ船
自動車運搬船
34
るである。船舶
その他の船舶
46
01
01 5
③
が発見されたと
28
50
36
き船舶の写真を
0
30
2
8
示した。
31
6
10
3
⑤
2
45
2
4
10
3
0
④
Fig5.5.2‑1 海域別発見船舶図
86
01
0
1
Fig5.5.2‑2 タンカー
Fig5.5.2‑3 漁船
Fig5.5.2‑4 コンテナ船
Fig5.5.2‑5 その他の船(パイロットボート)
日本〜ベトナム ベトナム〜ジャカルタ
ジャカルタ〜バリ
バリ〜オーストラリア
オーストラリア〜タヒチ
漁船
54
46
36
10
2
客船
2
0
1
3
2
貨物船
7
5
3
2
0
タンカー
3
5
8
4
0
LNG
2
1
0
0
0
軍艦
1
0
0
0
0
鉱石運搬船
2
0
0
1
1
コンテナ船
4
1
3
3
1
自動車運搬船
2
0
0
0
0
その他の船舶
42
34
28
45
6
Table5.5.2‑1 海域別発見船舶数
4.考察
れた。また軍艦は日本〜ベトナム間の 1 隻しか
今航海では、船舶の発見は沿岸域または出入
見られなかった。夜間の船舶の目視観測におい
港時に集中していることがわかった。よって、
ては、船舶の判別が困難である。
沿岸域または出入港時は船舶に対する注意が十
分に必要である。太平洋海域では、やはり船舶
はほとんど発見されなかった。漁船は全ての海
参考文献
域において発見された。マラッカ海峡のせいも
1)『航海当直時における目視観測結果の報告』
あってか貨物船、タンカー、LNG 船がよく見ら
内田圭一
87
他