あおぞら銀行 市場営業部 あおぞら銀行 Weekly Market Report Jan 17, 2011 FX, JPY Interest Rate, Equity 1. 為替相場概況 先週の 先週のドル円相場 ドル円相場は 円相場は方向感なく 方向感なく推移 なく推移 ドル円上値 ドル円上値は 円上値は重く、住宅関連指標の 住宅関連指標の結果次第では 結果次第では再 では再び円高ドル 円高ドル安 ドル安トレンドに トレンドに 先週のドル円相場は、方向感の無い展開に終始した。 USD/JPY (過去1年間) EUR/JPY (過去1年間) EUR/USD (過去1年間) 週初83円前半でスタートしたドル円は、ダウの下落を背景に83円 台を割り込んだが、11日の野田財務大臣の欧州金融安定化債 購入に関する発言やフィラデルフィア地区連銀総裁のQE2再考 に関する発言を受け83円台半ばまで回復した。しかし、その後は 米国金利の低下やユーロの急騰、週末の米12月小売売上高が 市場予想を下回ったことにより、再度83円台を割り込む展開とな り週の取引を終えた。 一方ユーロは、週初に欧州財政不安の再燃により対ドルで一時 1.28台まで下落したが、日本政府による欧州金融安定化債の購 入の発表、週央のポルトガル・スペイン国債の入札結果が良好 で欧州財政不安拡大の懸念が和らいだことが材料となり、一時 1.34台半ばまで上昇し、1.33台後半で越週。ユーロは対円でも 110円後半まで上昇して越週した。 今週のドル円相場は上値の重い展開を予想する。 年明け後、ドル円は米国の景気回復期待から83円台半ばまで 上昇したが、米雇用統計(12月)発表以降はドル買いトレンドが一 服し、その後明確な方向性は出ていない。今週発表の米・住宅 関連指標が、前月まで同様低調な内容となれば、円高ドル安トレ ンド再開の契機となりうるので注意が必要である。一方、指標内 容が改善したとしても、本邦輸出企業の円買い意欲はクロス円 中心に根強く、ドル円の上値も限定的となるだろう。 また、中国国家主席の訪米や中国経済指標の発表内容にも神 経質にならざるを得ない週である。 (山本) (出所)トムソンロイター 今週の 今週のレンジ予想 レンジ予想 (USD/JPY) 予想者 大西泰壽 後藤賢太郎 森松敬博 國井靖子 今週のレンジ 予想のポイント 82.00-84.00 FOMCまでは方向感は見えずレンジ相場を予想。金利上昇を意識した円安ドル高の動きには注目。 81.00-83.50 米中首脳会談(19日)前後の人民元相場(元高)やNDF動向が変動要因。一時的なドル安円高も。 82.00-84.00 米企業決算の反応に注目。好決算を材料に米株価底堅く推移すればドル高円安方向に。 81.50-83.50 胡国家主席の訪米あり、人民元高が一層加速する可能性も。中国の動向と経済指標に注意したい。 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではありません。 1 ここに示した意見は当資料作成時点の筆者の意見を示すのみであり、今後予告なしに変更される可能性があります。 データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。またデータ・資料については、数値等の誤りが含まれている可能性があります。当資料に含まれるグラフ等は一部トムソン ロイターのデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソンロイターは何らの責任を負わないものとします。 投資に関しては、すべてご自身でご判断ください。当資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失については当行は一切責任を負いません。 当資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。 円金利相場概況 2. 円金利相場概況 債券相場はもみ 債券相場はもみ合 はもみ合い相場が 相場が継続しやすい 継続しやすい地合 しやすい地合 景気の 景気の底入れ 底入れ期待を 期待を背景とした 背景とした短中期 とした短中期ゾーン 短中期ゾーンの ゾーンの軟調地合に 軟調地合に変化が 変化が起きるか注目 きるか注目 先週の円金利マーケットは、米国雇用統計発表等を受けて米債 高(金利低下)につられて始まったものの、週を通して、長期債の 利回りの低下は限定的で、10年国債は1.10台後半の水準でのも み合いに終始した。 週半ばは、欧州財政問題を巡る緊張が緩和し、グローバルにリス ク選好が活発化し長期金利にも上昇圧力がかかる局面もあった が、1.2%台乗せでは公的サイドからのしっかりした債券買いのフ ローが入った。一方、国内外の景気に底打ち感が広がる中、現水 準から積極的に買い進める動きも乏しく、債券相場は狭いレンジ でのもみ合い相場の様相を呈した。 なお、木曜日の30年国債入札は順調に消化されたものの(応札倍 率、5.77倍(前回:2.95倍))、相場の流れを方向づける材料とはな らなかった。 今週は、18日(火)に行われる、5年国債入札に対する国内大手行 のスタンスに注目したい。景気の底入れ期待を背景に、中短期 ゾーンの不安定な地合いは年明け以降も解消していないが、ボラ ティリティに軟化の兆しが見られたことは債券相場には明るい材 料といえる。一方、米国長期金利は10年トレジャリーが3.4%から 3.5%の水準でサポートされている様子ではあるが、景気楽観論と 財政悪化懸念から再び上振れる展開となれば、国内長期金利に 対してはネガティブな材料となる。 長期金利は1.2%台ではサポートされる可能性が高いものの、中 短期ゾーンの安定がなければ、一段の低下へのハードルは高い と思われる。 スワップ市場については、起債に絡む固定金利の受けが見受け られるものの、目立ったフローもないことから、相場に動意がなけ れば債券につられて上下する程度であり、JGBスワップスプレッド にも特に変化は見られないと思われる。 (渡邉) 年国債金利 (過去1年間) 10 年スワップレート (過去1年間) 5 (出所)トムソンロイター 今週の 今週のレンジ予想 レンジ予想 (5年スワップレート) スワップレート) 予想者 渡辺憲之 伊藤功一郎 牧野剛 木下陽 今週のレンジ 0.58%-0.65% 0.65%-0.70% 0.63%-0.70% 0.59%-0.67% 予想のポイント 堅調な株式相場を背景に金利上昇基調だが、米企業決算次第では、金利低下による調整局面も。 急激な円高進行がない限り、当面は楽観的な株高⇒債券軟調が継続し金利上昇しやすい地合。 米企業の好決算を背景に日本株も堅調地合い続く。底堅い株価に支えられ金利上昇局面もあるか。 これまで堅調な株式相場に調整売りが入るようだと、債券が買われ金利低下局面も。 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではありません。 2 ここに示した意見は当資料作成時点の筆者の意見を示すのみであり、今後予告なしに変更される可能性があります。 データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。またデータ・資料については、数値等の誤りが含まれている可能性があります。当資料に含まれるグラフ等は一部トムソン ロイターのデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソンロイターは何らの責任を負わないものとします。 投資に関しては、すべてご自身でご判断ください。当資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失については当行は一切責任を負いません。 当資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。 株式相場概況 3. 株式相場概況 欧州不安の 欧州不安の一旦の 一旦の後退による 後退による通貨 による通貨ユーロ 通貨ユーロや ユーロや欧州周辺国株の 欧州周辺国株の急激な 急激なショートカバー 警戒された 警戒されたインテル されたインテル決算 インテル決算も 決算も波乱なし 波乱なし 日本株は 日本株は、引き続き緩やかな上昇基調 やかな上昇基調を 上昇基調を維持 【海外市場】 先週は、欧州不安の一旦の後退や、米企業好決算発表によって、 当面の懸念事項に対する不安がひとまず落ち着いた形となった。 NYダウは上昇基調を維持、欧州株はリスク回避ポジションの巻 き戻しによって特に周辺国株は急激なショートカバーが行われた。 一方で、新興国株は、インフレに強い国と弱い国で二極化してい る。 (→新興国株については、「今週のトピックス」参照) <欧州問題> 日中首脳からの周辺国国債購入発言もあって、先週、焦点と なっていたポルトガル・スペイン国債入札は順調に消化された。 (ただ、欧州問題は息の長い問題であって今後もくすぶり続ける だろう。) また、先週、独メルケル首相が「ユーロ支援のためにあらゆるこ とを行う。救済パッケージにも前向き。」と発言したことがヘッジ ファンドなどのショートカバーを加速させた。これは従来の消極的 な支援スタンスからの方針転換とも取れる発言である。 <米企業決算> ハイテクの指標銘柄であるインテル決算については、スマート フォンやタブレット型端末をめぐり懸念があったことや、たとえ好 決算を発表しても同社株は売られることが多いことから警戒感が あった。 しかし、結果は、決算が予想を上回りインテル株は売られたもの の、JPモルガンの好決算によってNYダウは上昇した。 米銀株は、好業績による増配観測から12月以降、上昇基調に ある。 【国内市場】 日本株については、米国経済回復と、円高進行ストップによる日 本企業の収益回復予想から、中期的には楽観的な見方が支配 的である。 今年は日本株復権の年であり、年末時点での大幅株高を予想 する向きもある。 確かに日本株を取り巻く投資環境は良好であるものの、今のとこ ろ足元では、物色の中心はあくまで個別のセクターやテーマであ り、日経平均など指数の上昇ピッチは緩やかである。 日本株に大きな影響を及ぼすドル円も81~84円のレンジが固 まって膠着しており、ボラティリティは低い。 日経平均が本格的に動意付くのは、ドル円がレンジを越えてくる などの材料が出てくるときであろうか。 (棚瀬) NY DOW (過去1年間) Price USD 11,500 11,000 10,500 10,000 .12 16 01 16 01 16 03 17 01 16 01 16 02 16 01 16 01 18 01 16 01 16 03 17 01 10 2 10 3 10 4 10 5 10 6 10 7 10 8 10 9 10 10 10 11 10 12 11 1 日経平均 (過去1年間) (出所)トムソンロイター 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではありません。 3 ここに示した意見は当資料作成時点の筆者の意見を示すのみであり、今後予告なしに変更される可能性があります。 データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。またデータ・資料については、数値等の誤りが含まれている可能性があります。当資料に含まれるグラフ等は一部トムソン ロイターのデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソンロイターは何らの責任を負わないものとします。 投資に関しては、すべてご自身でご判断ください。当資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失については当行は一切責任を負いません。 当資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。 今週のトピックス 4. 今週の グローバルマネーの グローバルマネーの新潮流 ~ グローバルマネーは グローバルマネーは新興国から 新興国から資源国 から資源国に 資源国にシフト ~ 商品市況高騰による 商品市況高騰によるインフレ によるインフレ・ インフレ・金融引き 金融引き締め懸念から 懸念から、 から、QE2で QE2で高騰した 高騰した南 した南アジア・ アジア・東南アジア 東南アジア株 アジア株が下落 新興国は 新興国は、インフレに インフレに弱い国(インド、 インド、インドネシア、 インドネシア、バングラディッシュ) バングラディッシュ)と強い国(ブラジル、 ブラジル、ロシア) ロシア)で二極化 各国株価指数 (2010年以降) 2010年の世界の株式市場は、FRBの金融緩和と中国の景気 拡大により、中国周辺のアジア株がベストパフォーマンスをあ げた。 今回、昨年末からの投資環境の変化によって、顕在化しつつ あるグローバルマネーの新たな流れについて見てみたい。 (2010年年初=100) 南アジア、東南アジア、中国 Value None バイン゙ララ゙ィィロィ 最近の資源をはじめとする商品市況高騰によって、新興国の インフレと金融引き締めが意識される中で、南アジア・東南ア ジア株が昨年末から調整基調に転じている。 これらの地域の国々は、基本的にインフレに弱い経済構造を 持っている。 (→右チャート参照) 170 160 150 140 【インドネシア】 インドネシアでは、昨年12月の消費者物価指数が政府の誘 導目標水準を上回ったため、これまで長期に渡って政策金利 を据え置いてきた中銀も2月以降は利上げに転じるとの見方 が広がっている。 【バングラディッシュ】 昨年、株価指数が82%上昇したバングラディッシュでは、10 日、取引開始直後から株価が急落し、取引停止となった。 これを受け、損失を被った投資家数千人が取引所に殺到し、 警官隊と衝突、暴動が発生した。 急落の直接的な引き金は、規制を超えて株式投資を増やして いた銀行に対し、中銀が株式投資を規制の範囲内に収めるよ う指示したためである。 しかし、実態は昨年の大幅上昇の反動であることは明らかで あり、これもQE2の副産物の一つといえる う。 だろ 潮 【世界の株式市場の新 流】 新興国の中でも ラジルやロシア の資源国では、株価は引 き 調に して り、インフレに い国と弱い国で 化 している。つまり、グローバルマネーは資源国にシフトしている のである。 ブ 推移 お 続 堅 等 左 強 要因 120 110 イイオ゙ 100 中中(上上) 90 80 .123 資源国 Value None ロロロ 125 120 ブラロ゙ル 115 110 105 100 95 オオオオラオロ 90 .12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 1 1 2010 Q1 2010 Q2 2010 Q3 2010 Q4 二極 『 』 注 130 イイオ゙ネロロ 【インド】 インドでは、1次産品インフレ率が前年比+20%と上昇が加 速したことから国民生活に危機感が広がり、大幅利上げ観測 が台頭している。 現政権への汚職疑惑も加わって、外国人投資家が株式市場 から資金を引き上げた。 1 2 3 4 2011 Q1 (出所)トムソンロイター 今年の投資パフォーマンスを 右する として、 商品市況 高騰に う新興国のインフレと、金融引き締め に 目が と われる。 ( ) 思 伴 必要 棚瀬 商号:株式会社あおぞら銀行 (登録金融機関 関東財務局長(登金)第8号) 加入協会:日本証券業協会、(社)金融先物取引業協会 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではありません。 4 ここに示した意見は当資料作成時点の筆者の意見を示すのみであり、今後予告なしに変更される可能性があります。 データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。またデータ・資料については、数値等の誤りが含まれている可能性があります。当資料に含まれるグラフ等は一部トムソン ロイターのデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソンロイターは何らの責任を負わないものとします。 投資に関しては、すべてご自身でご判断ください。当資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失については当行は一切責任を負いません。 当資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。
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