Chateau de Cazeneuve

Wine List
FRANCE
TERRA VERT
東京都港区赤坂 4-1-31 アカネビル 7 階
TEL03-3568-2415FAX03-3584-2681
2015年4月現在庫
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■新入港・限定ワイン・毎月の限定試飲会
■便利な検索機能付価格表(価格/スパークリング/熟成)
■期間限定のキャンペーン情報
■各造り手の詳細情報・画像
■欠品ワイン(その後の入港予定)
嘘のないファインワイン
最高の状態でお届けするためにテラヴェールの約束
『テラヴェールのワインは状態が良い』と言ってくださる方々が沢山いらっしゃることは私達の誇りです。
| 2 『劣化していない最高の状態のワインを飲んでいただければ、もっともっとワインの素晴らしさが一般のお客様まで伝わるはず』
テラヴェールでは海上輸送は勿論、フランス、イタリア国内輸送、日本国内輸送も全てリーファー輸送(定温15度)。日本国内の保管倉庫は横
浜帝蚕倉庫とし、定温管理は勿論、湿度も一定に保って保管。入出庫時も搬入口をドッグシェルターで囲み外気との接触を遮断して作業を行
います。また、契約店制度により契約を交わした配送環境の優れた酒販店様のみとのお取引とし、レストラン・ホテル様まで最高の状態でお届け
できるよう努力いたします。
フランス、イタリア国内全てのワイン輸送に関してリーファートラックを使用して
います。海上の定温輸送は定着しつつありますが現地国内輸送で100%リ
ーファー輸送を行っていることは稀です。テラヴェールではたとえ秋や冬の輸
送であろうと、ボジョレー・ヌーヴォーであろうと、価格競争の激しいボルドーで
あろうとも100%リーファー輸送に拘ります。
日本国内倉庫は横浜帝蚕倉庫。国内最高の保管環境を誇ります。定温保管
は勿論、湿度も一定に管理。ワインにとって最高の状態を約束します。また入庫
時には全てのワインをチェック。異物の混入やボトル不良などをできる限り排除
いたします。
フランス、イタリアから日本までの海上輸送は2ヶ月以上。その間、ワインは波に
揺られながら赤道を2回通過します。温度変化、振動に弱いワインが影響を受
けないはずはありません。赤道で40度以上にまで温められたワインは大きなダ
メージを受けることになります。テラヴェールは100%リーファーを採用。
出庫時はトラックの搬入口をドッグシェルターで囲み、
外気と遮断。一切外気に触れることなく、リーファートラ
ックに積み込まれます。
『ワインの状態を感じて欲しい』
残念ながら、成熟した日本のワイン市場でも劣化したワインは多く存在します。しかし、本当に状態の良いワインを飲んだ時の感動は忘れられま
せん。日本人は元来、旬の味を大切にしてきました。食材が最も美味しくなった状態で、その味を楽しんできたわけです。世界で最も繊細な味覚
を持つと言われる日本人ですからワインの状態も容易に感じることができるはずです。
日本でもっと健全なワインを楽しめる環境が増えれば、ワインを愛する人口はもっともっと増えるのではないでしょうか?ワインの本当の美味しさを、
ワインの本当の楽しさを少しでも多くの皆様にお届けする為、テラヴェールでは細心の注意をはらい、最高の状態でワインを皆様のセラーまでお
届けします。最高の状態管理で造り手の意思と土壌の個性をお届けします。
テラヴェールのフランスワイン造り手一覧
≪造り手名をクリックするとそれぞれの造り手にジャンプします TOPで戻ります≫
|3
ノルマンディー(P15)
ロワール(P16)
シャンパーニュ(P5)
デュポン
アンリ・ブルジョワ
クロ・アンリ(ニュージーランド)
カトリーヌ・エ・ピエール・ブルトン
ユエ
ゴッセ
ドラピエ
フランシス・ブラール
クレモン・ペルスヴァル
ユレ・フレール
ルイ・ニケーズ
フランク・パスカル
ジャマール
ドノン
ボルドー(P47)
シャトー・ル・ピュイ
テラヴェール・ボルドーセレクション
アルザス(P21)
レ・ビネール
チュスラン
ブルゴーニュ(P23)
ジャン・マルク・ブロカール
フレデリック・マニャン
カミュ
フィリップ・パカレ
ファニー・サーブル
ルー・ペール・エ・フィス
シュヴロ
シャトー・ド・ボールガール
マルセル・ラピエール
ジョルジュ・デコンブ
シュッド・ウエスト(P46)
クロ・トリゲディーナ
ラングドック・ルーション
(P42)
シャトー・ド・カズヌーヴ
シャトー・ド・ラ・バロンヌ
マス・アミエル
コート・デュ・ローヌ(P38)
プロヴァンス(P45)
ジャン・リュック・コロンボ
ジャン・ミシェル・ステファン
エステザルグ協同組合
シャトー・レウーブ
日本(P61)
ソラリス/長野(上田・小諸)
今月の新着フランスワイン
|4
造り手
商品記号
69469
696H4
696H3
696H9
Drappier
ドラピエ
Frederic Magnien
フレデリック・マニャン
Jean Marc Brocard
ジャン・マルク・ブロカール
696H6
696H8
Frederic Magnien
フレデリック・マニャン
696H7
695H6
695H8
696H2
695H9
696H0
Fanny Sabre
ファニー・サーブル
696H1
695H7
695H5
694H0
Ch Rauzan Segla
シャトー・ローザン・セグラ
69R63
694H1
69R58
Ch Figeac
シャトー・フィジャック
Ch Teyssier
シャトー・テシエ
697H4
697H5
692D7
Henri Bourgeois
アンリ・ブルジョワ
692D8
699F0
69Y48
69Y50
Les Binner
レ・ビネール
697H3
69Q56
697H8
697H9
698H0
Roux Pere et Fils
ルー・ペール・エ・フィス
698H1
698H3
Jean-Luc Colombo
ジャン・リュック・コロンボ
697H6
697H7
Chateau de Cazeneuve
シャトー・ド・カズヌーヴ
693F2
698H4
Chateau Le Puy
シャトー・ル・ピュイ
ワイン
Brut Nature "Sans Soufre"
ブリュット・ナチュール・サン・スフル
Meursault "Les Peutes Vignes"
ムルソー ・レ・プート・ヴィーニュ
Bourgogne Pinot Noir
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
Chablis 1er Cru "Vau de Vey"
シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴォード・ヴェイ
Morey Saint Denis Blanc "Les Larrets"
モレ・サン・ドニ・ブラン・レ・ラレ
Puligny Montrachet
ピュリニー・モンラッシェ
Saint Romain Blanc
サン・ロマン・ブラン
Hautes Cotes de Beaune Rouge
オート・コート・ド・ボーヌ・ルージュ
Beaune Rouge
ボーヌ・ルージュ
Beaune 1er Cru Rouge
ボーヌ・プルミエ・クリュ・ルージュ
Pommard
ポマール
Pommard ”Vaumurience"
ポマール・ヴォーミュリアン
Volnay
ヴォルネイ
Monthelie Rouge
モンテリー・ルージュ
Meursault "Sous La Velle"
ムルソー・スー・ラ・ヴェル
Lamouroux
ラムルー
Ch Real
シャトー・レアル
Ch La Fleur Pourret
シャトー・ラ・フルール・プーレ
Ch Teyssier
シャトー・テシエ
Petit Bourgeois Cabernet Franc
プティ・ブルジョワ・カベルネ・フラン
Sancerre Le MD
サンセール・ル・モン・ダネ
Sancerre Jadis
サンセール・ジャディス
Sancerre d'Antan
サンセール・ダンタン
Saveurs
サブール
Riesling Sec
リースリング・セック
Riesling "Bildstoeckle" Sec
リースリング・ビルドストックレ・セック
Pinot Noir
ピノ・ノワール
Gew urztraminer
ゲヴェルツトラミネール
Chambolle Musigny 1er Cru "Aux Combottes"
シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・オー・コンボット(ドメーヌ)
Chassagne Montrachet "Les Chenes"
シャサーニュ・モンラッシェ・レ・シェーヌ(ドメーヌ)
Saint Aubin 1er Cru "Les Cortons"
サン・トーバン・プルミエ・クリュ・レ・コルトン(ドメーヌ)
Santenay 1er Cru "Beaurepaire"
サン・トネイ・プルミエ・クリュ・ボールペール(ドメーヌ)
Crozes Hermitage Les Fees Brunes
クローズ・エルミタージュ・レ・フェ・ブリューヌ
Cazeneuve Blanc
カズヌーヴ・ブラン
Cazeneuve Calcaires
カズヌーヴ・カルケール
Cazeneuve Roc Des Mates
カズヌーヴ・ロック・デ・マット
Emilien
エミリアン
参考上代
現在庫
出荷開始
予定
VIN
色
サイズ
限定数
N.V
泡
750ml
6,900
2013
白
750ml
8,000 OK
2013
赤
750ml
3,400 OK
2013
白
750ml
5,400 OK
2013
白
750ml
6,300
0
2013
白
750ml
8,400
0
2013
白
750ml
4,800
0
2013
赤
750ml
4,800
0
600
2013
赤
750ml
6,400
0
180
2012
赤
750ml
8,400
0
2013
赤
750ml
7,600
0
300
2013
赤
750ml
8,200
0
120
2013
赤
750ml
7,800
0
240
2012
赤
750ml
6,400
0
120
2013
白
750ml
8,800
0
180
2011
赤
750ml
6,800
0
2010
赤
750ml
3,700
0
2005
赤
750ml
5,200
0
2010
赤
750ml
4,600
0
2013
赤
750ml
2,400
0
2013
白
750ml
5,600
0
2012
白
750ml
8,400
58
2012
白
750ml
8,400
1
2013
白
750ml
3,000 完売
2012
白
750ml
4,000 216
2012
白
750ml
5,200 133
2013
赤
750ml
4,000
0
2011
白
750ml
4,000
66
2012
赤
750ml
13,600
0
2013
赤
750ml
7,000
0
2013
白
750ml
7,200
0
2012
赤
750ml
6,800
0
2013
赤
750ml
4,000
0
2013
白
750ml
4,300
0
2013
赤
750ml
4,000
0
2006
赤
750ml
5,200 完売
2010
赤
750ml
6,800
ご注文数
(本)
37
出荷開始
9
180
17
15.04
30
0
ご注文はテラヴェールまで(FAX:03-3584-2681)
貴社名
ご担当者様
■ロットは12本バラ混載になります(欠品等の場合はロット調整をお願い致します)。
■入船日、通関等の都合により出荷開始日が遅れることが御座います。ご了承ください。
■入港数の少ない商品に関しては限定数欄に入港数を記入してあります。品切れの際はご容赦下さい。
帳合酒販店
納品希望日
テラヴェール株式会社
東京都港区赤坂4-1-31アカネビル7階
TEL:03-3568-2415 FAX:03-3584-2681
TOP
Champagne
Gosset
Ay
|5
アイ
400年間伝統的スタイルを守り続ける小規模メゾン
マロラクティック発酵はしない
ゴッセでは醸造時のマロラクティック発酵を行わない。
『リンゴ酸は葡萄本来が持つ自然な酸。この酸は長
い余韻と複雑なアロマをシャンパーニュにもたらす』
通常葡萄に含まれるリンゴ酸は3~5g/L。マロラクテ
ィック発酵を行う事でリンゴ酸は1g以下にまで減少し
てしまう。『マロラクティック発酵をする為には、ワイン
を加熱し培養乳酸菌を加える。更に発酵後にはスー
ティラージュも必要。ワインの味わいに影響がある』ゴ
ッセではアルコール発酵後のワインを10℃以下に冷
却する事でマロラクティック発酵の発生を抑えている。
ゴッセのデゴルジュマン時の総酸は6g/L(通常は3
~4g/L)。この豊富な酸が平均60カ月以上というゴ
ッセの長期瓶内熟成を可能にしている。
70村200栽培家の葡萄を使用
使用する葡萄はモンターニュ・
ド・ランスとコート・デ・ブランの
グラン・クリュ畑を中心に70村
200以上生産者。1haに満た
ないような小区画ばかりだ。ア
イ村から30キロ圏内のグラン・
クリュやプルミエ・クリュの葡萄
が主体だが、コート・デ・セザン
ヌやヴィトリィ・ル・フランソワの
シャルドネも使用する。『コート・
デ・ブランをベースに2つの他の地域のシャルドネを加える。コート・デ・
セザンヌのシャルドネは骨格と厚みを、ヴィトリィ・ル・フランソワのシャル
ドネはしなやかさを与えてくれる』ピノ・ムニエはエペルネに近いオーヴィ
商品記号
ワイン
Brut
697C1 Excellence
エクセレンス・ブリュット
レ村などマルヌ河右岸の村を選んでいる。『チョーク質で育つピノ・ムニ
エは粘土質のムニエと比べてしっかりとした骨格を持つ。モンターニュ・
ド・ランス北部のシャムリィ村などの砂地で育つ軽やかなピノ・ムニエと
合わせて使用する』マルヌ川に沿って西へ行くほど葡萄の価格は下が
るが、葡萄は酸が減り凝縮度に欠けたものになる。その為ゴッセでは、
シャティヨン・レ・バスティーユより東側の葡萄のみ使用する。
30年変わらない醸造・栽培責任者
醸造・栽培責任者のジャン・ピエール・マレネはが1983年から30年以
上ゴッセの醸造・栽培責任者を務めている。ジャン・ピエールの代にな
りジャイロ・パレットなどの設
備は導入をしたが、ノン・マ
ロラクティック発酵のスタイ
ルは変えていない。『数年
前に門出のリキュールに実
験的にMCR(酸や色素を
取り除除いた濃縮葡萄果
汁)を試した事がある。しか
し数か月で驚くほど酸化が
進んでしまい、ノン・マロラク
ティック発酵のシャンパー
ニュには合わない事に気づ
いた。味わいに関する部分はこれからも変えない』アッサンブラージュ
は100種以上の原酒からジャン・ピエールが試飲をして決定する。『ア
ヴィーズ村のシャルドネは毎年固い酸を持ち、メニル・シュル・オジェ村
の区画からは丸く厚みを持つシャルドネが出来る。同じ品種でも対極の
個性持つ葡萄を合わせる。若い時は互いの個性がぶつかるが、ゴッセ
の様に長期間熟成させる事で複雑さが生れる。
ヴィンテージ 色
N.V
泡白
サイズ
750ml
参考上代
7,400
メモ
在庫
W.S 90pt
◎
ピノ・ノワール45%、シャルドネ36%、ピノ・ムニエ19%。アイやアヴィーズ等グラン・クリュを含む複数のクリュのアッサンブラージュ。マロラクティック発酵。30カ月の瓶内熟成。ドザージュ約11g/L。
Reserve Brut
697C2 Grande
グランド・レゼルヴ・ブリュット
N.V
泡白
750ml
Reserve Brut≪1500ml≫
690D1 Grande
グランド・レゼルヴ・ブリュット・マグナム
N.V
泡白
1500ml
9,400 R.V.F 16/20
21,000
◎
○
ピノ・ノワール42%シャルドネ43%、、ピノ・ムニエ15%。アイ、アンボネイ等グラン・クリュの葡萄主体。マロラクティック発酵無し。最低36カ月の瓶内熟成。ドザージュ約8g/L。
Rose Brut
697C3 Grand
グラン・ロゼ・ブリュット
N.V
泡ロゼ
750ml
12,000 W.S 91pt
○
ピノ・ノワール42%、シャルドネ58%。シュイィ、アヴィーズ等グラン・クリュの葡萄主体。7%グラン・クリュ村のピノ・ノワールの赤をアッサンブラージュ。マロラクティック発酵無し。最低36カ月の瓶内熟成。ドザージュ約9g/L。
Blanc de Blancs Brut
697C4 Grand
グラン・ブラン・ド・ブラン・ブリュット
N.V
泡白
750ml
12,000
W.S 92pt
○
シャルドネ100%。アイ、ルーヴォワ、クラマン等、異なる地域のグラン・クリュのシャルドネをアッサンブラージュ。マロラクティック発酵無し。最低36カ月の瓶内熟成。ドザージュ約8g/L
Millesime Brut
697C5 Grand
グラン・ミレジム・ブリュット
2004
泡白
750ml
13,000 W.S 94pt
○
ピノ・ノワール45%、シャルドネ55%。アイ、ブジィ、メニル・シュール・オジェ等グラン・クリュの葡萄主体。マロラクティック発酵無し。84カ月年間の瓶内熟成。ドザージュ約8g/L。2004年は長熟可能な年。
Extra Brut
697C6 Celebris
セレブリス・エクストラ・ブリュット
2002
泡白
750ml
24,000 BetD 19/20
○
ピノ・ノワール48%、シャルドネ52%。アイ、ブジー、クラマン等グラン・クリュの葡萄主体。マロラクティック発酵無し。10年間の瓶内熟成。ドザージュ約5g/L。個性の強いグラン・クリュで仕上げた特別キュヴェ。
Extra Brut Rose
697C7 Celebris
セレブリス・エクストラ・ブリュット・ロゼ
2007
泡ロゼ
750ml
28,000 W.S 91pt
ピノ・ノワール41%、シャルドネ59%。アイ、ブジィ、クラマン等グラン・クリュの葡萄主体。7%グラン・クリュのピノ・ノワール赤をアッサンブラージュ。マロラクティック発酵無し。最低72カ月の瓶内熟成。ドザージュ約5g/L。
2007年は引き締まった酸と果実味が特徴的。特別キュヴェ。
○
TOP
Champagne
Drappier
Urville
ドラピエ
|6
SO2無添加に挑むメゾン・シャンパーニュ
自然派の造り手に愛されるメゾン・シャンパーニュ
フランスの自然派と呼ばれる造り手達との食事は必ずシャンパーニュ・
ドラピエで始まる。パリで人気のワインショップ、カーヴ・オジェの薦める
シャンパーニュもドラピエ。神に祝福された声を持つと言われ世界三大
テノールの一人ルチアーノ・パヴァロッティは“喉に優しい”とドラピエのシ
ャンパーニュを歌う前に飲んでいたという。ドラピエは自然と芸術を愛す
る人々に愛され続けるシャンパーニュである。シャンパーニュの生産地
としては南端のオーヴ県ウルヴィル村に醸造所を構える。12世紀にシ
ルタシアン派の僧侶達によって築かれた地下セラーは現在も瓶熟庫と
して使われており、当時
からこの地でワイン造りが
行われていた事を示して
いる。1808年よりこの地
でシャンパン造りを始めた
ドラピエファミリーは、現当
主ミッシェルで8代目。他
の大手メゾンとは異なり、
現在まで常に家族経営
を続けている。
完全無農薬とノン・ドザージュを追及
所有する53ha の畑では1989年から一切の農薬を使用しない有機栽
培を実践している。きっかけは長女シャルリーンの誕生だった。『子供
達の将来を考えた葡萄栽培を今こそはじめるべきだ』有機栽培の導入
への道のりは簡単ではなかった。合成肥料から堆肥への切り替え、農
薬の不使用によって病気、害虫被害が
増え一時は30%も収量は落ち込んだと
言う。しかし、この土地の可能性を信じて
ミッシェルは努力を重ねた。結果として、
一切の農薬を排除しながらもより良質の
葡萄を収穫出来るようになった。『葡萄
樹畑の見栄えは依然よりも悪くなった。
でも、それが本来の姿だった』ウルヴィル
周辺はおよそ1億4千万年前のジュラ紀
からの石灰石土壌が広がり、ブルゴーニ
ュから伝来したピノ・ノワールに最適な土
壌。よってドラピエはスタンダードラインか
ら全てのキュヴェでピノ・ノワールが機軸
となっている。またドサージュの少なさもド
ラピエの特徴。いわゆる“門出のリキュー
ル”はシャンパーニュの味わいに大きな
影響を与える各メゾンが最も気を使う工
程の一つであるが、ドラピエはどの銘柄においてもドサージュの量は非
常に少ない。たとえばブリュットでは15g/㍑まで許されているが、現在
カルト・ドール・ブリュットのドサージュは6~7g/㍑。これは葡萄の品質
に対する絶対の自信なのだと言う。しかも使われるのは25年間樽熟
成された角が取れたリキュール(使用は一部キュヴェを除く)。樽熟成
することで蔗糖の甘さから
全ての要素が馴染んだ自
然で柔らかな甘味に変化し
ていき、黒葡萄であるピノ・
ノワールに良く馴染むのだと
いう。『これも全て有機栽培
によって葡 萄 の品質を向
上させる事が出来たから』
ピノ・ノワール100%でドザ
ージュを一切行わないブリュット・ナチュールもこのメゾンの人気キュヴ
ェのひとつとなっている
“SO2無添加/ノン・ドザージュ/PN100%”キュヴェ
さらにドラピエの特徴として忘
れてはならないのが、酸化防
止の使用を極限まで減らして
いる事。『きっかけは私も父もS
O2のアレルギーだった事。そ
して、なによりSO2は果実本来
の香りを台無しにしてしまう』ド
ラピエでは数十年かけて使用
量を10%ずつ減らし、試行錯誤の末、通常100mg/L程度使われると
ころ35mg/Lまでに抑えている。収穫された健全な葡萄は小分けにし、
できる限り短時間でタンクに運ぶ。18℃を基本とした完全な温度管理
の下、野性酵母を使ってゆっくりと発酵。酸素を遮断するため圧搾機
を発酵層の真上に設置したグラヴィティシステムの採用といった拘りに
よってSO2無しでも果汁はバクテリアに侵されること無くワインへと変化
していくこととなる。2007年にはSO2完全無添加のブリュット・ナチュ
ール・サン・スフレの生産に成功し、大きな話題を呼んだ。15年の月
日をかけて誕生したピノ・ノワール100%・ノン・ドザージュ・SO2無添加
という一切を削ぎ落とした究極の1本である。ワインとして完成されるま
でにゆるやかに(良い
意味で)酸化していくこ
とで抜栓後、時間と共
に力強く開いていくよう
になるのだと言う。現
在作付面積およそ10
0ha。より良質の葡萄
を手に入れる為、少し
ずつではあるが年々所
有畑を増やしている。
また、オーク製の卵型
の樽を導入するなど、常に品質向上の努力を欠かさない。今では世界
中で大きな市場を持っているシャンパーニュだが、これだけ実直に葡
萄本来の旨味を感じさせてくれるメゾンは他に存在しない。
商品記号
ワイン
ヴィンテージ 色
Blanche Brut
69364 Carte
カルト・ブランシュ・ブリュット
N.V
サイズ
参考上代
メモ
在庫
泡白
750ml
6,200
◎
◎
○
○
○
△
ピノ・ノワール75%、ピノ・ムニエ15%、シャルドネ10%。ウルヴィル、モンターニュ・ド・ランス、エペルネ等12の異なる畑の葡萄を使用。
|7
d'Or Brut
69366 Carte
カルト・ドール・ブリュット
N.V
泡白
750ml
6,600 R.V.F 14.5/20
d'Or Brut≪化粧箱入≫
69710 Carte
カルト・ドール・ブリュット
N.V
泡白
750ml
6,600
d'Or Brut≪375ml≫
69283 Carte
カルト・ドール・ブリュット
N.V
泡白
375ml
4,000
d'Or Brut≪1500ml≫
69C07 Carte
カルト・ドール・ブリュット
N.V
泡白
1500ml
14,600
d'Or Brut Millesime
69312 Carte
カルト・ドール・ブリュット・ミレジメ
1992
泡白
750ml
15,500 限定120本
ピノ・ノワール85%、シャルドネ10%、ピノ・ムニエ5%。ウルヴィル村を中心として、モンターニュ・ド・ランス、エペルネからの葡萄を使用。極めてブラン・ド・ノワールに近くピノ・ノワールの造り手であるドラピエを代表するキュ
ヴェ。ピノ・ノワールの豊かな果実味と骨格が特徴。
Nature
69360 Brut
ブリュット・ナチュール
N.V
泡白
750ml
7,200
Nature "Sans Soufre"
69469 Brut
ブリュット・ナチュール・サン・スフル
N.V
泡白
750ml
7,500 亜硫酸完全無添加
Nature Rose
69K41 Brut
ブリュット・ナチュール・ロゼ
N.V
泡ロゼ
750ml
7,800
◎
○
○
5月予定
N.V
泡ロゼ
750ml
7,400
○
5月予定
N.V
泡白
750ml
8,800
×
9,800 BetD 17/20
×
ピノ・ノワール100%。ノン・ドザージュ。”Sans Soufre"は醸造中及び瓶詰め前に一切の亜硫酸を添加しない独自のキュヴェ。
Brut
69361 Rose
ロゼ・ブリュット
ピノ・ノワール100%。ウルヴィル村の”Val des Demoiselles"区画の葡萄のみを使用。セニエ方式。
Charles de Gaulle
69Q34 Cuvee
キュヴェ・シャルル・ド・ゴール【NVへ変更】
ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。ドラピエの愛飲者であったシャルル・ド・ゴール将軍の、兵役50周年祝典を記念して造られた肖像画をプリントしたボトル。
Exception
693D1 Millesime
ミレジム・エクセプション
完売
2008
泡白
750ml
ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%。ウルヴィル村のキンメリジャン土壌に育つピノ・ノワール主体。60カ月以上の瓶内熟成。良い年のみに醸造される特別キュヴェ。
Quattuor Blanc de Blancs
69309 Cuvee
キュベ・キャトゥール・ブラン・ド・ブラン
N.V
泡白
750ml
13,000
R.V.F 16/20
古代品種
○
アルバンヌ 25%, プティ・メリエ 25%、 ブラン・ブレ 25%、 シャルドネ 25%。ウルヴィルとその周辺で栽培される希少な古代品種を使用。キャトゥールはラテン語で数字の4を意味。
Sendree
691B7 Grande
グラン・サンドレ
2006
R.V.F 15.5/20
醸造所周辺の特別区画
○
泡白
750ml
16,500
N.V
蒸留
700ml
8,000
○
N.V
リキュール
700ml
5,800
×
ピノ・ノワール55%、シャルドネ45%。1838年の大火で焼灰に覆われたウルヴィル村の最良区画の古樹。13世紀のボトルを再現。
Vieux Marc de Champagne
69313 Tres
トレ・ヴュー・マール・ド・シャンパーニュ
自社畑のピノ・ノワール100%。アルコール度数40%。オーク樽にて10年熟成。
69D84
Ratafia de Champagne
ラタフィア・ド・シャンパーニュ
6月予定
自社畑のピノ・ノワール100%。アルコール度数18%。SO2無添加の果汁に2回蒸留のオー・ド・ヴィーを加える。
TOP
Champagne
Francis Boulard
Cauroy-les-Hermonville
フランシス・ブラール
|8
シャンパーニュ北限の地で完全ビオディナミに挑戦
シャンパーニュ北限の畑がもたらす酸
シャンパーニュ
で最も北に位
置し“ラ・プティ
ット・モンターニ
ュ・ド・ランス”と
呼ばれる地域
に醸造所を持
つフランシス・ブ
ラール。ここは
ランスの街から
北に飛び地に
なっており、モンターニュ・ド・ランスでも知られていない産地。ランスか
ら北上すると正面に表れる小高い丘陵の斜面に葡萄畑が続いている。
サン・ティエリーと呼ばれるこの丘陵より北には葡萄畑は無く、シャンパ
ーニュ生産の北限。気温は低く冬にはマイナス15℃になる日も珍しく
無い。土壌は珪質石灰で非常に砂が多い。砂地からの造られるシャン
パーニュは繊細だが時に線が細くなってしまう事が多いが、ブラールの
シャンパーニュは直線的な酸と余韻の長さが特徴的。『質の高いシャ
ンパーニュには潜在アルコールが10度以上になるまで熟した葡萄が
必要』葡萄の熟度に深い拘りを持つフランシス・ブラール。長年の経験
を活かしその区画のテロワールに合う最良の台木を選択。また樹勢が
強くなり過ぎないよう、樹齢に合わせて仕立て方を変えている。
完全ビオディナミへの転換
『正直に言うと以前
の私のシャンパー
ニ ュ は、 や や重 過
ぎたと思う。ビオデ
ィナミを導入した事
で、より純粋なミネ
ラルを手に入れる
事が出来、ワインに
長い余韻と張りがう
まれた』フランシス・
ブ ラ ー ル は 、以 前
は 2 人 の兄 弟と 共
に“レイモン・ブラー
商品記号
ル”としてワインを造っていた。しかし互いの方向性の違いから2009年
にドメーヌを分割。現在3人が個々にドメーヌを立ち上げている。ドメー
ヌ分割の最も大きな原因はビオディナミ導入に対する考え方の違いだ
った。分割後フランシスは娘のデルフィーヌと共に更にビオディナミを追
求。『ビオディナミを導入する上で重要なのは毎日畑に足を運ぶ事』そ
の為、ビオディナミに最初に転換が完了したのはドメーヌに近いサン・テ
ィエリーの区画。除草剤の使用を止め、畝の間は雑草を生やし、年に
数回馬による耕作を行っている。サン・ティエリーのブラールの畑は土
壌の色が明らかに周囲よりも黒味を帯びている。『土中の微生物や苔
類が増えた事で砂地ながら以前よりも土が黒色を帯びて来た。これは
土が生きかえった証拠』現在は娘のデルフィーヌが中心となりヴァレ・
ド・ラ・マルヌの畑のビオディナミ転換を進めている。『デルフィーヌはビ
オディナミを十分に理解し賛同している。心強いパートナーだ』将来的
には、全ての畑における完全ビオディナミの導入を目指している。
大・小5種類の樽で発酵・熟成
『葡萄は全て区画毎・品種毎に分けて樽で発酵・熟成させる。樽による
微量の酸化がワインを育てる』十分に熟度が上がるのを待って収穫さ
れた葡萄は、全て木樽で発酵・熟成される。使用するのは205Lのシ
ャンパーニュ樽や、228Lのブルゴーニュ樽から20hlのフードル樽まで
容量の異なる5種類。どれも5~12年の古樽のみで新樽は使用して
いない。『樽材の厚さによる使い分けも重要。ボルドー樽は樽材が薄く、
酸化が早く進む。シャルドネを熟成させると適度な酸化によって、よりミ
ネラルが引き
たつ様になる。
ブルゴーニュ
樽は樽 材に厚
みがあるので、
ゆっくりと酸化
が進む』手間
は掛るがヴィン
テージや区画
毎の葡萄の質
によって毎年
細かく樽を使い
分ける。畑から
醸造まで深い拘りの元に造られたな緻密なシャンパーニュ。
ワイン
de Noir Les Murgiers Brut Nature
69Z68 Blanc
ブラン・ド・ノワール・レ・ミュルジェ・ブリュット・ナチュール
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
在庫
泡白
750ml
7,800 Gault Millau 17/20
◎
N.V
泡白
750ml
9,200
○
N.V
泡白
750ml
9,800 シャンパーニュ北限の区画
○
N.V
ピノ・ムニエ70%、ピノ・ノワール30%。ノン・ドザージュ。ヴァレ・ド・ラ・マルヌの粘土石灰質土壌。平均樹齢25年。マサル・セレクション。
de Blancs Brut Nature
69Z69 Blanc
ブラン・ド・ブラン・ブリュット・ナチュール
シャルドネ100%。ノン・ドザージュ。収穫後は22hlのフードル樽で発酵・熟成。その後ビオカレンダーに従って醸造を行う。
de Blancs Vieilles Vignes Extra Brut
69Z70 Blanc
ブランド・ブラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ・エクストラ・ブリュット
シャルドネ100%。ドザージュ5g/L。ビオディナミ。ランス北西部、ティエリー山脈の珪質石灰土壌。Murtet区画。バリック樽及びドゥミ・ミュイ(600Lの木樽)にて発酵・熟成。
Rachais
69Z71 Les
レ・ラシャ
2007
泡白
750ml
14,000 シャンパーニュ北限の区画
シャルドネ100%。ノン・ドザージュ。ビオディナミ。ランス北西部、ティエリー山脈の珪質石灰土壌。マサル・セレクションによるブルゴーニュ産シャルドネの区画。ブルゴーニュ樽にて発酵後、長期熟成。
○
TOP
Champagne
Clémant Perseval
Chamery
クレモン・ペルスヴァル
|9
“粘土”“砂”“石灰”異なる土壌の個性を最大限にシャンパーニュに表現
100%プルミエ・クリュ・シャムリィ村の畑
20代後半の若手醸造家クレモ
ン・ペルスヴァル。学校卒業後
にジャック・セロス等で研修をし
て2010年に自らのドメーヌを設
立した。父から譲り受けた4ha程
の畑は全てプルミエ・クリュ・シャ
ムリィ村。モンターニュ・ド・ランス
の中地に位置し南東向きの斜
面を持つ小さな村だ。興味深い
のはこの村のテロワール。下層
はこのモンターニュ・ド・ランス特
有のチョークだが表面は2m以
上も砂質土壌に覆われている。
砂質土壌の特徴は水はけの良
さと葡萄の熟度の高さ。表土に
含まれる砂が日中の熱を蓄え葡萄樹を温め、熟度の高い葡萄が収穫
出来る。表土が浅いモンターニュ・ド・ランスの東ではダイレクトに根がチ
ョーク層に届く事で鋭角な酸がワインに表れるが、シャムリィ村の砂質
土壌からはより繊細でバランスのとれた緻密なシャンパーニュが生ま
れる。ペルスヴァルのシャンパーニュの品質の高さは、リリース直後か
ら周囲の造り手達やランス市内のカヴィストの間で評判に。現在では仏
国内でさえ入手困難になりつつある。『試飲会に参加した事は殆ど無
い。今のところは予約で完売してしまっているからね。それに僕は人前
に出るよりも畑で葡萄樹の手入れをしている方が好きなんだ』
“粘土”“砂”“石灰”3つの土壌が存在する区画
『シャムリィ村では同じ丘の斜面でも区画毎にミクロクリマが存在してい
る。調べてみると僕が所有する畑には同じ区画の中でも更に細かいテ
ロワールの違いがある事に気づいた』村の南西にある緩やかな傾斜を
持つクレモンの区画には3つの異なる土壌が存在する。区画の上部に
あるのは粘土質土壌。そこから50メートル程緩やかな斜面を下ると砂
質土壌。更に下方へ移動すると今度は白色石灰を多く含む粘土石灰
質土壌が表れる。この区画には全てシャルドネが植えられているが、土
壌によって仕上がるワインの個性は大きく異なる。繊細で華やかなアロ
マを持つ砂質土壌のシャルドネはピノ・ノワールやピノ・ムニエとアッサン
ブラージュ、石灰土壌のシャルドネはそのミネラル豊かな味わいを活か
商品記号
す為、ブラン・ド・ブランに使用する。『なぜ下の方には石灰が多い土壌
が有るかって?そ
れは僕も分からな
い。言える事は僕
の区画には希少な
マクロクリマが存在
するという事。面白
いでしょう。この特
徴の違いをより引
き出す様なシャン
パーニュを造りた
い』葡萄栽培は極
めて“シンプル”な
方法で行われる。父の代から冬の間は除草せずに畝の間に草を生や
す事で土壌を柔らかく保ってきた。クレモンは更に畑の品質向上に力
を注ぎ除草剤や化学肥料の使用を一切中止した。『畑の状態は3年
目の春に劇的に変わった。タンポポや他の花が畑を覆う様に咲き出し
たんだ』ビオロジックやビオディナミの認証には拘らず、気候的に難しい
年には最低限の有機肥料による処理を行う事もある。『“シンプル”にワ
インを造るという事は、葡萄樹に必要な処置を正しく選ぶことだと思っ
ている』砂質土壌のクレモンの畑は春になると黄色の絨毯を敷いたよう
にタンポポが咲く。土は指の間からさらさらとこぼれて行く程の柔らかく
細かい砂に細かい植物の根が多く混ざる。植物の根はバランスよく土
壌に空気を抱き込ませ、微生物がより活発に活動すると言う。
単一品種・単一区画・単一年のシャンパーニュ造りを目指す
『将来的に目指すのはブルゴーニュの様なシャンパーニュ。テロワール
を明確に表現して行きたい。今後は単一品種、単一区画、単一年で
シャンパーニュを造っていく』自らの所有する畑の土壌の複雑さを知る
ほど、その個性を反映したシャンパーニュを造りたいという思いは膨ら
む。数年後には3つの土壌を持つシャルドネの区画からは3つの異なる
キュヴェをリリースする予定だ。『畑を丁寧に耕して来た祖父や父は数
畝毎に異なるこの村の特殊な土壌に以前から気付いていた。だから各
土壌に相応しい品種を細かく分けて植えたんだ。僕はそれらを異なる
キュヴェのシャンパーニュとして仕上げて行きたい』今後は父が所有す
る残りの畑も徐々に引き継いで行く。クレモンは確実にこれからの時代
のシャンパーニュを代表する造り手となっていくだろう。
ワイン
1er Cru Brut
69T62 Chamry
シャムリィ・プルミエ・クリュ・ブリュット※トラディション・ブリュット名称変更
ヴィンテージ 色
完売
N.V
泡白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
砂質土壌
2,619本のみリリース
在庫
×
シャルドネ85%、ピノ・ノワール8%、ピノ・ムニエ7%。シャムリィ村の葡萄のみ使用。砂質土壌主体。プルミエ・クリュ・シャムリィ村の個性を表現。ノン・ドザージュ。
de Blancs Brut
69T63 Blanc
ブラン・ド・ブラン・ブリュット※ブラン・ド・ブラン・レゼルヴ・ブリュット名称変更
完売
N.V
泡白
750ml
石灰質土壌
2,022本のみリリース
×
完売
N.V
泡白
750ml
粘土質土壌
2,506本のみリリース
×
シャルドネ100%。シャムリィ村の葡萄のみ使用。石灰質土壌の個性を表現。ノン・ドザージュ。
de Noirs Brut
69T64 Blanc
ブラン・ド・ノワール・ブリュット※ブラン・ド・ノワール・プリヴィレージュ・ブリュット名称変更
ピノ・ノワール64%、ピノ・ムニエ36%。シャムリィ村の葡萄のみを使用。粘土土壌。ピノ・ノワールとピノ・ムニエが混植された樹齢40年以上の区画の葡萄主体。ノン・ドザージュ。
Brut
693G4 Rose
ロゼ・ブリュット
完売
N.V
泡ロゼ
750ml
新キュヴェ
2,002本のみリリース
×
シャルドネ61%、ピノ・ノワール29%、ピノ・ムニエ10%。10%の赤ワイン(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ)をアッサンブラージュ。ノン・ドザージュ。
Gourmandis
69X27 Ratafia
ラタフィア・グルマンディーズ
N.V
甘
700ml
2010年よりソレラシステムで仕上げているラタフィア。114Lの木樽で毎年3分の1を継ぎ足していく。厳選した葡萄果汁に95%のアルコールをミュタージュ。
10,500 ソレラ熟成
△
TOP
Champagne
Huré Frères
Lude
ユレ・フレール
| 10
30ヴィンテージを含むリザーヴワインが生む完璧なバランス
リュ―ド村で60年代から続く家族経営メゾン
モンターニュ・ド・ランスの東に位置するリュ―ド村。プルミエ・クリュに格
付けされピノ・ムニエを中心に栽培している。ユレ・フレールはこの村で
3代続くシャンパーニュ・メゾンだ。現在このメゾンの代表を務めるのが
フランソワ・ユレ。まだ34
歳だがフランス国内や
海外で多くの経験を積
み、近年レヴュー・ド・ヴ
ァン・ド・フランス誌や他
のメディアからシャンパ
ーニュの注目生産者と
して多く取り上げられて
いる。60年代にこの地
でシャンパーニュ造りを
始めたのはフランソワの
祖母のジャンヌ。当時女性がシャンパーニュ造りに携わる事は非常に
珍しかったが、彼女は果敢にもその世界にゼロから挑戦した。リザーヴ
ワインが揃うまでの最初の数年間は一部の葡萄を共同組合へ販売し
たが、その後は当時から自社で醸造。間もなく彼女の3人の息子が手
伝う様になったが、常にリーダーシップを取るのはジャンヌだった。197
1年からはフランソワの父ラウルが中心となりメゾンは徐々に拡大。20
08年からは正式にフランソワがメゾンを引き継いでいる。
醸造は小区画毎に最適な方法を選択
ディジョン大学で醸造学を学んだ後にフランソワはシャンパーニュ・フル
ーリー、オスピス・ド・ボーヌ、シャプティエ、ニューワールドと世界各地
でワイン造りを学んだ。フランソワに特に大きな影響を与えたのが、ブル
ゴーニュとニュージーランドでの経験だった。『ブルゴーニュでは区画毎
のテロワールの個性と伝統的醸造法をリスペクトする事の重要さを学ん
だ。反対にニュージーランドでは既存のルールにとらわれず新しい手法
に挑戦する精神を学んだ』フランソワがシャンパーニュに戻ったのは20
03年。その後彼の意見により葡萄畑の作業が大きく変えられた。除草
剤の使用を減らしていき、一部にはビオディナミの取り入れにより自然
に近い農法を取る様になった。また醸造面でも多くの改革を行っている。
商品記号
ワイン
Invitation
69P58 Brut
ブリュット・インヴィタシオン※ブリュット・レゼルヴ・ランヴィタシオン名称変更
彼の特徴は統一した手法を使うのではなく、区画毎に最適の手法を選
択している点。『以前は全てのキュヴェに同じ手法を取り入れていた。
しかし区画毎のテロワールを引き出す為には、その個性や造り出すキ
ュヴェに合わせて柔軟に醸造を変える必要があると気付いた。マロラク
ティック発酵の有無や野性酵母と野性酵母の使用も細かく分けてい
る』例えばブラン・ド・ブランに使用するワインはマロラクティック発酵を行
わない。温暖化の影響もある現在ではモンターニュ・ド・ランスの石灰
層で育つシャルドの魅力を十分に伝える為にはマロラクティック発酵を
行わずに敢えてフレッシュな酸を残す必要があると考えるからだ。より
高品質のシャンパーニュを造る為に、常に柔軟な対応を心掛けている。
ソレラシステムによるリザーヴワインを使用
現在では約10ヘクタールの畑を管理している。祖父が亡くなった後の
相続によって名義が父と2人の兄弟に分けられた為、叔父たちの畑の
葡萄は書類上フランソワが一度購入してから醸造している事になる。こ
の為に区分上はネゴシアン・マニピュランとなってしまう。ヴィルドマンジ
ュ、ブルイエ等複数の村に畑を所有しているが中
心となるのは本拠地であるプルミエ・クリュのリュ―
ド村。東にはグラン・クリュのマイィ・シャンパーニュ
村が隣接。40cm程の表土には粘土が多く含まれ
下層には石灰岩が含まれる白亜紀の土壌だ。この
石灰層まで葡萄樹が根をおろす事で、溌剌とした
豊かなミネラルを含み長期熟成可能なシャンパー
ニュが生まれる。『ノン・ヴィンテージの“ブリュット・
レゼルヴ・ランヴィタシオン”に加えるのは特別なリ
ザーヴワインで父が1982年からソレラシステムで
熟成させているもの。毎年約3分の1を残して新し
いヴィンテージを継ぎ足していく。複数ヴィンテージ
が合わさる事でよりバランス良く安定した味わいに
仕上がる』目指すのは華々しくも乾杯の一口だけ
で満足してしまうシャンパーニュでは無い。食事の
間を通して最後の一口まで飲み続ける事の出来る、
静かな品格のあるシャンパーニュ。
ヴィンテージ 色
N.V
泡白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
7,000 ソレラ熟成のリザーブ・ワイン
在庫
◎
ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール35%、シャルドネ15%。リュ―ド村を中心としたモンターニュ・ド・ランス産の葡萄のみを使用。リザーブワインを約30%アッサンブラージュ。24カ月熟成。ドザージュ9g/L
Reserve L'Invitation≪1500ml ≫
69Z67 Brut
ブリュット・レゼルヴ・ランヴィタシオン
N.V
泡白
1500ml
14,600 ソレラ熟成のリザーブ・ワイン
○
ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール35%、シャルドネ15%。リュ―ド村を中心としたモンターニュ・ド・ランス産の葡萄のみを使用。リザーブワインを約30%アッサンブラージュ。24カ月熟成。ドザージュ9g/L
Selection L'Instantanee
69W56 Brut
ブリュット・セレクション・ランスタンタネ
2006
泡白
750ml
8,400 W.S 91pt
○
8,400 ランスのシャルドネ100%
○
Jancis Robinson 18.5/20
○
ピノ・ノワール35%、シャルドネ35%、ピノ・ムニエ30%。リュ―ド村を中心としたモンターニュ・ド・ランス産の葡萄のみを使用。60カ月瓶内熟成。ドザージュ9g/L
de Blancs L'Inattendue
69W55 Blanc
ブラン・ド・ブラン・リナタンデュ
2006
泡白
750ml
シャルドネ100%リュ―ド村を中心としたモンターニュ・ド・ランス産の特に長期熟成可能な区画の葡萄のみを使用。60カ月瓶内熟成。ドザージュ6g/L
69W57 Memoire
メモワール
N.V
泡白
750ml
13,600 1982~2010年をソレラ熟成
ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ45%、シャルドネ10%。ソレラシステムで仕上げたリザーヴワインのみで仕上げた特別キュヴェ。1982~2010年までの全ての年のワインを含む。ドザージュ3g/L
Terre Natale
69P61 Cuvee
キュヴェ・テール・ナタル
Terre Natale
690G0 Cuvee
キュヴェ・テール・ナタル
1999
2002
泡白
泡白
750ml
14,600 ドザージュ5g/L
750ml
ドザージュ4g/L
14,600
W.S 93pt
シャルドネ40%,ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ30%。リュ―ド村の古樹の葡萄のみを使用。良年のみに造られる特別キュヴェ。120カ月の瓶熟成。
△
△
TOP
Champagne
Louis Nicaise
Hautvillers
ルイ・ニケーズ
| 11
シャンパーニュ発祥の地のテロワールを継承する新世代
ベレッシュ、ラエルトと共に学んだ若手実力派
シャンパーニュの聖地と
して多くの観光客が訪れ
るオーヴィレ村にルイ・ニ
ケーズは拠点を構える。
醸造学校の同級生だっ
たロールとクレモン夫婦。
ルイ・ニケーズの4代目
であるロールは学校卒業
後に実家に戻り父親の
元でシャンパーニュ造り
を。クレモンはジャック・
セロスで栽培・醸造を担当した後に、グラン・クリュ・マイィの協同組合
でデゴルジュマンの責任者として活躍。2012年よりルイ・ニケーズに
加わり、妻ロールと共に4代目としてシャンパーニュを造る様になった。
近年シャンパーニュ界において若手優良生産者の台頭が目覚ましい
が、クレモンもその中の1人。ラファエル・ベレッシュとオーレリアン・ラエ
ルトとは醸造学校で5年間共に学んだ大親友。各自のスタイルは異な
るがシャンパーニュの新しい時代を築くべく、切磋琢磨してシャンパー
ニュ造りに取り組んでいる。『二人とは今でも家族ぐるみの付き合い。シ
ャンパーニュに対する考えはそれぞれ異なる部分もあるが、互いのワイ
ン造りをリスペクトしている。アドバイスをし合いながらシャンパーニュの
品質向上に努めていきたい』
ドン・ペリニョンと同じ丘の区画
ニケーズは現在9.3haを所有するが、その内の大部分はオーヴィレ
村にある。シャンパーニュの歴史を語る上で、欠かす事の出来ない人
物、ドン・ペリニョン。彼は生涯をこのオーヴィレ村の修道院で過ごした。
村の中心にあるチョーク層の丘はモンターニュ・ド・ランスを代表する高
い品質の葡萄が産出される事で古くから知られていたが、現在はモ
エ・エ・シャンドン社が大部分を所有。主にドン・ペリニョン・ロゼに使用さ
れていると言う。ニケーズはオーヴィレ村の丘の斜面に複数の小区画
を持つ。斜面によってテロワールが異なる為、各区画に適した品種を
選択し栽培している。『モエ・エ・シャンドン社の陰に隠れてしまい、オー
ヴィレ村のテロワールの良さが語られる機会が少ないのが非常に残念』
オーヴィレ村の格付けは1級となっているが、造られる葡萄の品質は以
前より特級畑と並ぶ評価を受けている。『以前この村ではピノ・ムニエも
多く栽培されていた。しかし最近では大手ネゴシアンや葡萄をメゾンに
商品記号
ワイン
Reserve
690C5 Brut
ブリュット・レゼルヴ
販売する栽培農家は、高
価格で売り易いピノ・ノワー
ルやシャルドネばかりを栽
培する様になってしまった。
この村で造られるピノ・ムニ
エの質の高さにも、もっと
注目すべきだと思う』村の
斜面上部の森の近くには
厚い粘土土壌が広がって
いる。本来しっかりとした骨
格を持つピノ・ムニエに最適な区画だ。ニケーズは現在もピノ・ムニエを
栽培。基本キュヴェの“ブリュット・レゼルヴ”には30%を使用し、シャン
パーニュにバランス良い骨格と長い余韻をもたらしている。
伝統的フィスレ(麻紐がけ)ボトル
以前にロールの父が造っていたのは”ブリュット・レゼルヴ”と“ブリュット・
ミレジメ”の2キュヴェだけ。ロールとクレモンがドメーヌに加わった事で、
新しく個性豊かなキュヴェがリリースされる様になった。スペシャルキュ
ヴェの“ノワール・ブリュット”はオーヴィレ村のピノ・ノワール100%。ロー
ルの祖父が残した葡萄栽培の記録を元に選んだ3つの特別区画の葡
萄のみを使用。オーヴィレ村の森から切り出した木材でオリジナルの2
28Lオーク樽を造り、その中で熟成を行っている。『昔も今もシャンパ
ーニュの中心地であるオーヴィレ村。この村のテロワールで育つ葡萄を、
同じテロワールから造られた樽で熟成させる。まさに100%オーヴィル
を表現したシャンパ
ーニ ュだよ』 ヴァ ン・
ド・レゼルヴにはソレラ
式に熟成した複数ヴ
ィンテージのワインを
使 用。 デゴ ルジ ュマ
ン後のコルク栓は、ド
ン・ペリニョンの時代
と同じく麻の紐を使い
ひとつひとつ手作業
で結んでいる。歴史
のある村で新世代の造り手によって造られるシャンパーニュの今後に
大いに期待したい。
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
在庫
N.V
泡白
750ml
6,000
◎
2008
泡白
750ml
6,600
○
2007
泡白
750ml
7,400
○
N.V
泡白
750ml
9,000
シャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ30%。オーヴィレ村の葡萄主体。ドザージュ約10g/L
Millesime
690C6 Brut
ブリュット・ミレジム
シャルドネ60%、ピノ・ノワール25%、ピノ・ムニエ15%。オーヴィレ村の葡萄主体。ドザージュ約9g/L
Brut
690C7 Extra
エクストラ・ブリュット
シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%。オーヴィレ村の葡萄主体。ドザージュ約3g/L
de Blancs Les Noches Blanches
690C8 Blanc
ブラン・ド・ブラン・レ・ノッシュ・ブランシュ
ランスとコート・デ・ブラン
2地域のシャルドネ
○
シャルドネ100%(オーヴィル村60%、シュイリィ村40%)。モンターニュ・ド・ランスとコート・デ・ブランのシャルドネをアッサンブラージュ。ムルソーの木樽で熟成。ソレラ熟成のリザーヴ・ワインを使用。ドザージュ約8g/L
de Noirs "Noir" Brut
690C9 Blanc
ブラン・ド・ノワール”ノワール” ブリュット
N.V
泡白
750ml
15,000 麻紐がけボトル
ピノ・ノワール100%。マサル・セレクションによる古樹。オーヴィレ村の森から造った228Lの木樽にて熟成。ソレラ熟成のリザーヴ・ワイン使用。コルクは職人による手作業で麻紐掛け。ドザージュ約9g/L
△
TOP
Champagne
Franck Pascal
Baslieux-sous-Châtillon
フランク・パスカル
| 12
シャンパーニュにおけるビオディナミの継承者
ヴァレ・ド・ラ・マルヌの土壌を追求
フランク・パスカ
ルはヴァレ・ド・
ラ・マルヌ、マル
ヌ河の右岸の小
さな村に拠点を
構えるレコルタ
ン・マニュピュラ
ン。『傾斜の多い
この地でビオディ
ナミに挑戦する
のは大変な事。
1人が作業出来
る の は せ い ぜい
1ヘクタール。最終的に隣人より60%も費用がかかってしまう』しかし
彼にとって理想のシャンパーニュを造る為にはビオディナミ農法は欠か
す事が出来なかった。表土のすぐ下にチョーク層が広がるモンターニ
ュ・ド・ランスとは異なり、ここはシレックス・石灰・粘土の混ざる土壌。葡
萄樹が地下のミネラル分を十分に吸収する為には地中深くまで根を生
やさなくてはならない。しかし通常の葡萄栽培では表土に含まれる粘
土が水分を保持する為に根が浅い所で成長してしまう。故にこの一帯
から造られるのはミネラル感に欠ける重たいシャンパーニュになってし
まうのだ。そこで葡萄樹をより活性化させ地中深く根を伸ばす為にたど
り着いた農法がビオディナミだった。『今でも私の父を含めて周囲の仲
間達からは白い目でみられているよ。従来の手法で葡萄を作っても十
分に買い手がある。そんな環境の中であえてリスクを負いたくないのさ。
でも私はミネラルと酸のバランスのとれた繊細なシャンパーニュだけを
作って行きたい』
辿りついた答えはビオディナミだった
フランク・パスカルはグラン・ゼコール出身の工業工学博士号を持つエ
リート。交通事故で亡くなった兄に代わり1994年から地元に戻りワイン
造りに携わったが、直後に自らが使っている農薬の危険性に気が付い
た。『当時フランスには大学や国の機関、研究者が専用に使っている
インターネット回線があった。そこから世界中の農薬の研究者とコンタク
トをとったよ。最終的に除草剤や殺虫剤には化学兵器のマスタードガス
商品記号
ワイン
Nature)
69Q63 Reliance(Brut
ルリアンス・ブリュット・ナチュール
と極めて近い成分が含まれている事が分かった』そこで1998年からは
除草剤や除虫剤など一切の農薬の使用を中止。ビオロジック農法を
取り入れた。しかし実際には満足する結果がでなかった。『自分が思っ
ていたような畑の変化が表れなかった』そこで2003年から一部ビオデ
ィナミ農 法を取り 入れ る
実験を始めた。幸運にも
ビオディナミの先駆者で
あるフランソワ・ブシェに直
接教えを請う事も出来き
た。結果としてビオロジッ
クとビオディナミを比べる
と明らかにビオディナミの
畑の方が満足のいく出来
だった。ワインの味わいは
より純粋で明確になり、ヨ
ードや ミ ネラ ルを豊 富に
感じられるように。『目に
見えて畑と仕上がるワインのバランスが良くなった。何より安心して妻や
子供達を畑に連れて行く事が出来るようになったしね』
亜硫酸無添加への挑戦
2010年以降は完全にビオディナミへの転向が済んだが、次に彼が追
求しているのは亜硫酸無添加のシャンパーニ
ュ造り。『2008年から実験を重ねている。実
際に樽熟成をさせる際に亜硫酸を添加した
場合には無添加の場合に比べて樽香が付き
やすかった。理由は分からない。でも明らな
のは亜硫酸を使わない方がよりピュアではっ
きりとした輪郭を持つワインに仕上がる事』20
10年には初めて完全無添加に成功。現在
では生産量の半数以上を亜硫酸無添加で
造っている。『亜硫酸無添加でも私のシャン
パーニュからは酸化のニュアンスは感じられ
ない。これもビオディナミにより土壌と収穫さ
れる葡萄のバランスが整っている為。土壌、葡萄樹、醸造。全てに注
意を払わなくては出来ない事だ』
ヴィンテージ 色
N.V
泡白
サイズ
750ml
参考上代
メモ
9,600 ドザージュ無し
在庫
◎
ピノ・ムニエ40%、ピノ・ノワール45%、シャルドネ15%。ビオディナミ。天然酵母のみで発酵。同一シャンパーニュだが、ドザージュの有無で2キュヴェをリリースしている。
Brut)
69Q64 Reliance(Extra
ルリアンス・エクストラ・ブリュット
N.V
泡白
750ml
9,600 ドザージュ5g/L
◎
ピノ・ムニエ60%、ピノ・ノワール25%、シャルドネ15%。ビオディナミ。天然酵母のみで発酵。同一シャンパーニュだが、ドザージュの有無で2キュヴェをリリースしている。
Rose
69Q67 Tolerance
トレランス・ロゼ
N.V
泡ロゼ
750ml
12,000
○
泡白
750ml
11,000
○
泡白
750ml
11,000
○
ピノ・ムニエ58%、ピノ・ノワール39%、シャルドネ3%、ベースは2007年。ビオディナミ。天然酵母のみで発酵。ドザージュ4g/L
Blanc de Noir
69Q66 Harmonie
アルモニ・ブラン・ド・ノワール
2004
ピノ・ムニエ50%(古木、粘土石灰土壌)ピノ・ノワール50%(泥灰土壌)。ビオディナミ。天然酵母のみで発酵。ドザージュ4.8g/L
69Q65 Quintessence
カンテサンス
ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ25%、シャルドネ15%。ビオディナミ。天然酵母のみで発酵。ドザージュ4.4g/L
2004
TOP
Champagne
Jamart
Saint Martin d’Ablois
ジャマール
| 13
チョーク質土壌で育つ樹齢80年のピノ・ムニエ
比較的冷涼な気候
を好むシャルドネは
斜面上部 に、霜害
に強いピノ・ムニエは
丘 の 下 部に 植 えて
いる。『シャルドネの
栽培地としてはコー
ト・デ・ブランと似た
土壌ではあるけど、
ここで育つ シャ ルド
ネはより柔らかさを併せ持つ。コート・デ・ブランが張りつめたミネラルと
酸を持つのに対して、私達のシャルドネはより繊細で女性的なシャンパ
ーニュに仕上がる。通常のブラン・ド・ブランの強い酒質が苦手な方に
も楽しんで貰えるはず』マーケティングは数年前から母に代わってマキ
シムの妹エミリーが担当している。
エペルネ南の新地域“コトー・ド・シュッド・デペルネイ”
ジャマールの創設は1
934年。 パン屋を営
んでいたエミリアン・ジ
ャマールと、モエ・エ・
シャンドンのカヴィスト
として働いていた義父
が村の醸造所を購入
して始まった。当時は
村に共同組合が無か
った為、近隣の造り手
はジャマ ール の醸造
所 に 葡 萄を持 ち こみ
圧搾機を使用。その使用料やパン代のツケとして支払われた葡萄を
使ってワイン造りを始めたと言う。現在は4.8ヘクタールを自社所有。
家族経営のままで続けられる量だけを丁寧に造り続けている。ジャマー
ルの本拠地は“コトー・ド・シュッド・デペルネイ”のサン・マルタン・ダブロ
ワ村。“コトー・ド・シュッド・デペルネイ”は1996年に誕生した地域。ヴァ
レ・ド・ラ・マルヌとモンターニュ・ド・ランスの間、エペルネの南に位置す
る16の村が所属している。シャンパーニュの味わいの基盤となるチョー
ク層が浅い表土のすぐ下に豊かに広がり、起伏の多い丘の斜面に張り
付く様に葡萄畑が位置している。まだ余り知られていない地域だが、良
質のチョーク層に恵まれヴァレ・ド・ラ・マルヌのふくよかさと、コート・デ・
ブランのシャープなミネラルの両方を併せ持つワインが産出される。近
年ではラエルト・フレールなど、若手の優良生産者を輩出している。今
後も更に注目が集まるであろう地域だ。
ミネラル+ピノ・ムニエの古樹=柔らかさ、フィネス
白亜紀後期の凝縮したチョーク層
ジャマールの畑は白い。この地域の畑は20cm程の浅い表土の下に
は固いチョーク層が数十メートル続いている。畑の表土にもチョーク層
の欠片が多く含まれる為この地域の畑は全体的に白っぽく見える。こ
の周辺に露出するのは白亜紀後期のチョーク層。今から約1億年から
6千5百年前に生物の死骸が海底に堆積して出来た土壌だ。ランス周
辺の柔らかいチョーク層とは異なり、固く圧縮されたチョーク層へ葡萄
樹は30m以上も根を伸ばしていくという。『このチョーク層こそが私達の
シャンパーニュの主役。軽やかなアロマと繊細なミネラルをもたらしてく
れる。ランス周辺の土壌に比べると表土が浅く、より凝縮したチョーク
質土壌だ』と、4代目で現在栽培と醸造を担当するマキシム。ジャマー
ルでは、この土壌を好むピノ・ムニエとシャルドネを中心に栽培している。
商品記号
ジャマールの栽培品種はピノ・ムニエ50%、シャルドネ40%、ピノ・ノワ
ール10%。ピノ・ムニエは1930年代に植えられた区画を所有してい
る。この地域でも樹齢80年のピノ・ムニエは非常に希少。葡萄樹はチョ
ーク層に深く 根を下
ろし地中のミネラル
分 を 存 分 に ワイ ン に
表現する。醸造所で
は創業当時の設備を
現在でも使用してい
る。珍しいの は130
年前の正方形の垂
直式プレス機。プレス
毎に四方の木枠を取
り外す必要があり、4
人掛かりの作業になるが、通常の円形垂直式プレス機よりもゆっくりと
プレスが可能。果皮や果梗からの余分な成分の抽出をより避ける事が
出来ると言う。専門業者に依頼をして行われる事が多いデゴルジュマ
ンやドザージュ作業も、ジャマールでは全て醸造所内の小さな設備で
行う。『醸造方法は曽祖父の時代と殆ど変えていない。私達が造りた
いのは絢爛豪奢なシャンパーニュでは無い。この地域の個性である柔
らかく繊細なシャンパーニュを楽しんで欲しい』
ワイン
ヴィンテージ 色
Blanche
69U09 Carte
カルト・ブランシュ
N.V
泡白
サイズ
参考上代
メモ
在庫
750ml
5,800 樹齢80年のピノ・ムニエ
◎
ピノ・ムニエ100%。サン・マルタン・ダブロワ村の樹齢80年の古樹。 2010年をベースに2008、2009年をアッサンブラージュ。ドザージュ7g/L。
de Blancs Volupte Brut
69U10 Blanc
ブラン・ド・ブラン・ヴォリュプテ・ブリュット
N.V
泡白
750ml
6,600
○
N.V
泡ロゼ
750ml
6,200
×
泡白
750ml
6,200
○
シャルドネ100%。NVだが現行キュヴェは2007年のみ使用。ドザージュ7g/L。
Brut
69U12 Rose
ロゼ・ブリュット
完売
ピノ・ムニエ68%、シャルドネ17%、ピノ・ノワール15%。アッサンブラージュによるロゼ。2009年及び2010年を使用。ドザージュ7g/L。
Brut
69U11 Libertine
リベルティーヌ・ブリュット
N.V
ピノ・ムニエ50%、シャルドネ50%。ドザージュ3.5g/L。ジャマールの主要品種を使いテロワールとメゾンの味を表現。NVだが現行キュヴェは2008年のみ使用。
TOP
Champagne
Dosnon
Avirey-Lingey
ドノン(旧ドノン・エ・ルパージュ)
| 14
木樽熟成によるコート・デ・バール産シャンパーニュ
コート・デ・バールのテロワールを表現
『最高のシャンパーニュを造る為には、何よりも最高のワインを造らなく
てはならない』ドノンの当主ダヴィ・ドノンは語る。メゾンはシャンパーニュ
地方の南端コート・デ・バールに位置する。この地域の畑の特徴はシャ
ブリに続くキンメリジャン土壌であるという事。標高300m程の斜度の強
い丘が連なるこの地域では、良質の後期キンメリジャン土壌が露出す
る丘の中腹に葡萄が植えられている。チョーク層が主体のモンターニ
ュ・ド・ランスに比べて、コート・ド・バールのシャンパーニュにはキンメリジ
ャン土壌に由来する溌剌としたミネラルが特徴的に顕れる。『このバー
ルという土地の個性を体現したシャンパーニュを造りたい』本拠地は携
帯電話の
電波も繋が
らない小さ
なアヴィレランジェ村。
ダヴィ・ドノ
ンは生まれ
育ったこの
土地に約2
ヘクタール
を 所 有 。そ
して同じ理
念を持つ近
隣の造り手
より5ヘクタール程の葡萄を手に入れ毎年60000本のみを生産して
いる。
木樽熟成がベースワインに骨格を与える
コート・デ・バールのテロワールを表現したシャンパーニュを造る為にダ
ヴィ・ドノンが最適と判断したのは木樽を使うブルゴーニュ手法である。
彼のキュヴェの多くは228Lのオーク樽で発酵・熟成が行われる。樽は
ピュリニー・モンラッシェで最低でも5年使用されたもののみを購入。こ
れは樽を使用する目的が決して樽香やタンニンを抽出する為ではない
商品記号
Noire
69M92 Recolte
レコルト・ノワール
ワイン
事を明確にしている。『樽を使用する事でワインに繊細さやふくらみをも
たらすと共に、微
量な空気との接触
がワインに骨格を
与えてくれる。また
ワインそのものに
骨格があれば、ド
ザージュの量を減
らす事が出来、よ
り的確にこの地の
テロワールを表現
出来る』ヴァン・ド・
レゼルヴも全て木
樽にて保管をしている。その年の葡萄の出来具合によっては一部ステ
ンレスタンクも使用する。小規模メゾンならではの臨機応変さもブルゴ
ーニュのワイン造りに近いと言えるだろう。
全てのキュヴェで最低24カ月以上の瓶内熟成
瓶内2次発酵後の熟成にも彼のこだわりがある。全てのキュヴェにおい
て最低でも24カ月熟成の後に
デゴルジュマン。熟成の期間は
一定では無く試飲を重ねてフレ
ッシュさと熟成の具合が絶妙の
バランスになったと判断した時
に、手作業でデゴルジュマンを
行っていく。この土地のテロワー
ルがもたらす伸びのある酸と樽
熟成からくるふくらみのある味
わいが彼のシャンパーニュに奥
深さを与えている。もう一つ特筆すべきは非常にモダンで美しいボトル
である。キュヴェ毎にエチケットからミュズレ、キャップシールまでの色を
統一させている。多くの点においてコート・デ・バールのワイン造りに新風
を巻き起こす若き造り手である。
ヴィンテージ 色
N.V
メモ
在庫
750ml
7,000 キンメリジャン土壌
◎
泡白
750ml
7,600 キンメリジャン土壌
◎
泡白
750ml
8,000 キンメリジャン土壌
○
8,600 キンメリジャン土壌
○
泡白
サイズ
参考上代
ピノ・ノワール100%。ブラン・ド・ノワール。コート・デ・バール産の葡萄のみを使用。リザーブワインを約40%アッサンブラージュ。ドザージュ9g/L
Blanche
69M94 Recolte
レコルト・ブランシュ
N.V
シャルドネ100%。ブラン・ド・ブラン。コート・デ・バール産の葡萄のみを使用。リザーブワインを約40%アッサンブラージュ。ドザージュ8g/L
Brut
69M93 Recolte
レコルト・ブリュット
N.V
ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。コート・デ・バール産の葡萄のみを使用。リザーブワインを約40%アッサンブラージュ。エクストラ・ブリュット。ドザージュ4g/L
Rose
69M95 Recolte
レコルト・ローズ
N.V
泡ロゼ
750ml
ピノ・ノワール100% コート・デ・バール産の葡萄のみを使用。リザーブワインを約40%アッサンブラージュ。アッサンブラージュによって仕上げられるロゼ。ドザージュ7g/L
Cuvee Alliae
69M96 Grande
グラン・キュヴェ・アリエ ※木箱無しへ変更
N.V
泡白
ピノ・ノワール50%、シャルドネ50% コート・デ・バール産の葡萄のみを使用。10%新樽を使用して樽熟成。36カ月の瓶熟成。ゼロ・ドザージュ。
750ml
16,000 ラベル変更・木箱無しへ変更
○
TOP
Normandie
Dupont
Cidres du Pays d’Auge
デュポン
| 15
究極のガストロノミー・シードルの造り手
シャンパーニュに肩を並べるシードルを目指す
『ワインやシャンパ-ニュに比類するエレガントなシードルを造りたい』ドメ
ーヌ・デュポンの3代目オーナー・ジェロームは熱弁する。元来ワインと
比べてシードルはアルコール飲料の中では低く見られがちだ。ワインや
シャンパーニュの造り手達とも交流が深いジェロームは『エレガントさに
欠ける』『何もアロマがない』という彼らのシードルに対する低い評価に
常に不満を持っていた。『ワインに複数のセパージュがあるように、リン
ゴにも様々な品種がある。我々が栽培しているリンゴは13種類。それ
ぞれのリンゴの個性を組み合わせ、適切な醸造法を取り入れる事で、
シードルは驚くほど可能性を持った飲み物になる』ドメーヌ・デュポンは
ノルマンディー地方ヴィクト・ポンフォル村に約6000本のリンゴ樹を所
有し、収穫したリンゴからシードルとカルヴァドスを醸造している。カルヴ
ァドスはフランス国内の三つ星レストランには必ずオン・リストされている
と言って良
い程名が知
られている。
その彼らが
造り出すの
は、今まで
の一般的な
シードルの
『低アルコ
ールでシン
プルな味わ
い』というイメージを根本から覆す様な個性的なものばかりだ。
完熟して樹から落ちたリンゴを集める
約6000本のリンゴを所有するドメーヌ・デュポンでは徹底したリンゴ樹
の管理を行っている。リュット・レゾネを取り入れ、春先には樹勢をコント
ロールする為に丁寧な剪定作業を行う。リンゴは機械収穫されるが、
樹についている果実を採るのでは無く、完熟して木から落ちたリンゴの
みを1本の樹に対し3回に分けて集める。樹から落ちたリンゴを傷付け
ない様に地面には柔らかく短い芝を植えリンゴを受け止めるクッションと
している。『手間はかかるが高品質のリンゴを手に入れる為には必要な
事。ブドウ栽培と同じさ』収穫後のリンゴは通常はサイロの中で大量に保
管されるが、ドメーヌ・デュポンではリンゴを傷つけないように小容量の
商品記号
Bouche
694D4 Cidre
シードル・ブシェ
ワイン
木製の容器が使わ
れる。更に手作業
で選果を行い痛ん
だ果実を全て取り
除いた上で、洗浄・
カット。そして特別
に調整したワイン用
の圧搾機でゆっくり
と 時 間 を かけ て プ
レスを行う。人口
酵母は使わず野性酵母のみで発酵を行う。
アルコール11度のシードル“キュヴェ・トリプル”
『最近では良質のシードル造りに取り組む造り手が増えてきた。とても嬉
しい。シードルの時代がやってくるはず』以前は多くの造り手達は農業の
片手間にシードル造りを行っていた。シードルは地元でがぶ飲みされる
酒として考えられ、品質の向上には無関心だったという。近年では低ア
ルコール志向も手伝い、幅の広いタイプのシードル造りも注目される様
になってきた。ジェロームの造り出すシードルはアルコール度数も非常
に個性的。スタンダードな“シードル・ブシェ”はアルコール度数5%だが、
“シードル・キュヴェ・レゼルヴ”は7.5%。ベルギー・ビールの手法を取
り入れた“シードル・トリプル”に至っ
ては何と11%もあるのだ。通常はス
テンレス又は樹脂加工のタンクで一
定期間アルコール発酵を行った後
に瓶詰をしてすぐに販売されるが、
彼はキュヴェによっては瓶詰前に長
い熟成と複数回に渡るアルコール
発酵を行うからだ。『周りのシードル
生産者から見たら僕は相当の変わ
りものだと思う』自他共に認める“マ
ニア”なシードル。しかし近年彼のシ
ードルは各地のコンクールで高い評
価を受けている。彼の努力は確実
にシードルの地位向上と認知に貢
献している。
ヴィンテージ 色
サイズ
泡
750ml
2013
参考上代
メモ
2,400 伝統的製法
在庫
◎
ノルマンディ・オージュ地方の伝統的製法によって醸造。3種の異なるリンゴを使用。搾った果汁はステンレスタンクにて天然酵母のみでアルコール発酵。数回のスーティラージュを行う事でアルコール発酵を調整し、3月から4
月にかけて瓶詰めされる。香りは焼きリンゴ皮のニュアンス。果実味と適度な酸味のバランスが良い。アルコール度数5%
Cuvee Reserve
69R70 Cidre
シードル・キュヴェ・レゼルヴ
2011
泡
750ml
3,200 カルヴァドスの樽で熟成
◎
ステンレスタンクで2カ月アルコール発酵を行った後に、カルヴァドスを熟成させていた400Lの樽で更に6カ月熟成させる。こうする事で、シードルに凝縮感とエレガントさと与える。一般的なシードルよりもワインに近い味わい。
長期熟成が可能なガストロノミー向きのシードル。4種のリンゴをブレンド。アルコール度数7.5%
CuveeTriple
69M86 Cidre
シードル・キュヴェ・トリプル
N.V
泡
750ml
2,800 3回発酵、Alc11%
◎
苦みの強い品種のリンゴのみを使用し、黒ビールの製法を取り入れて造られたシードル。”トリプル”は、アルコールの高いベルギービールで”トリプルXXX”と表示される事に由来する。ベルギー・ビールの様な味わいを持つ個性
的な辛口シードル。アルコール度数11%。シャルキュルトリーや軽めの肉料理など食事とも相性が良い。
TOP
Loire
Henri Bourgeois
Sancerre
アンリ・ブルジョワ
| 16
サンセールの異なる土壌を熟知した造り手
AOCサンセールのパイオニア
今日多くの生産者が日本を
訪れるが、ジャン・マリー・ブ
ルジョワ程の有名人はそう多
くはないだろう。1980年代か
ら日本訪問を始めて訪問回
数は50回を超えた。『アンリ・
ブルジョワのワインは、日本食
と非常に相性が良い。私が来
日の度にしっかり確かめてい
るからね』常に安定した彼の
ワインはソムリエから圧倒的な
支持を受け、輸入開始当初
よりワイン・リストに採用し続け
ているレストランは少なくない。アンリ・ブルジョワの創業は1955年の事。
当時はわずか2ヘクタールしか所有しない貧しい造り手だった。『当時
はフランス国内でもサンセールワインの認知度は非常に低く、殆どが地
元でのみ消費されていた。その為、貧しい生活を送る生産者が多かっ
た。多くの若者は貧しさから脱却する為に村を出てしまっていたよ』自
分の生まれ育った土地のワインをもっと広めようと決意したアンリ・ブル
ジョワは、造ったワインを率先してパリへ持って行き、レストランを回って
売り歩いたと言う。その結果、徐々にサンセールワインの品質と個性が
高い評判を呼び、パリのソムリエやワイン愛好家が自らこの地域を訪れ
るようになった。ワインの銘醸地としても観光地として有名になり村人の
生活も次第に豊かになったという。そして彼の努力もありサンセールの
ソーヴィニヨン・ブランは世界を代表するワインとなった。現在ブルジョワ
家では、ジャン・マリーの次男が栽培、三男が営業、甥が醸造を担当と
まさに一族総出でドメーヌを切盛りしている。(長男は村内でレストランと
ホテルを経営)
“キンメリジャン”“シレックス”土壌毎に造られるキュヴェ
『サンセールは小
さなAOCだが、
そのテロワールは
非常に複雑だ』A
OCサンセールと
して認定されて
いる畑は約2,3
5 0 ヘクタール、
その内80%がソ
ーヴィニヨン・ブラ
ンから造られる
白ワインだ。この小さなAOCはロワール川の左岸サンセールの町を中
心に広がる複数の村からなる。車で移動をすれば遠くても20分程で移
動出来るエリアだが、実は驚くほど複雑な異なるテロワールから構成さ
れているのだ。『今では土壌毎にワインを分ける生産者が増えたが、当
時は皆全ての葡萄を一緒にしてただ“サンセール”として仕上げてい
た』早くからこの土壌の特異性に着目していたジャン・マリーの父は土
壌毎に分けてその特徴を前面に表現したキュヴェ造りに取り組んだ。ア
ンリ・ブルジョワが拠点とするのは“クロタン・ド・シャヴィニョール”という
山羊の乳から造られるフロマージュで有名なシャヴィニョール村。この
村の周囲には“マルヌ・キンメリジャン”土壌が広がっている。今から1
億6千万年前に海の底だった土壌で、アンモナイトの化石や牡蠣の貝
殻を多く含む。特に醸造所の正面にあるモン・ダネと呼ばれる急斜面
はサンセールの造り手が一度は手掛けたいと望む区画。ヨード香と花
や果実の複雑なアロマとミネラルに富んだ女性的なワインが生まれる。
シャヴィニヨール村の東、ロワール河沿いに南北に広がるのは“シレック
ス(二酸化ケイ素粘土)”土壌。9~8千万年前の白亜紀の土壌だ。表
土に砂利を多く含み、大きなシレックス(火打ち石)のかけらが見られる、
これが日中の熱を集め葡萄の成熟を早める。キンメリジャン土壌で感
じられる花や果実香は控えめで、若いうちはやや閉じたニュアンスとス
パイス香が全面にでる。また畑にある火打ち石を擦った時に出る煙香
と同質の香りをワインの中にも見つける事が出来る。またシレックス土
壌のサンセー
ルは熟成により
真価を発揮す
る。熟成させる
ことで、 煙香が
よりはっきりと感
じられる様にな
る。その他にも
メイン・キュヴェ
『サンセール・
レ・バロンヌ』が
造られる“テー
ル・ブランシュ(粘土石灰質)“土壌など、主に3つのテロワールからワイ
ンを造り出す。『今では1つの造り手が多くのキュヴェを造るのはあたり
まえになった。でも私達は異なるタイプのワインを造るのでは無く、異な
る土壌毎にほぼ同じ手法でワインを造っている。実際に仕上がるワイン
は大きな味わいの違いがあるでしょう。どれも同じソーヴィニヨン・ブラン
なのに、テロワールがこんなにも明確な個性の違いを生みだす。これが
サンセールの面白さだ』
10世代に渡りこの土地と向き合う
『私達の一族はこの土地で10世代に渡って生活している。この土地の
個性と伝統的ワイン造りに敬意を払い尊重すること。それは伝統を重
んじるということだけでなく、この土地の表現の為に最適の判断をすると
いうことだ』この土地を愛する気持ちはワイン造りだけ
にはとどまらない。醸造過程に出る糖分を含んだ水
(タンクやトラクターの洗浄で出る水など)が河に流れ
込むと、それが再発酵する事で河に住む生命体に
影響をおよぼす。これを懸念したジャン・マリーは息
子達と共に独自の浄水システムを考案。シャヴィニ
ヨール村から出る排水は全てこのシステムで浄水さ
れてから村の外に流されている。『世界中を旅する
のが好きだけれども、やはりサンセール村に勝るとこ
ろは無いよ』この土地と、ここから生まれるワインを心
より愛するブルジョワ一家。この地のテロワールを熟
知しその個性を表現したワインを世界に届けるワイン
からは、彼らのこの土地への深い愛情がひしひしと
感じられる。
商品記号
ワイン
ヴィンテージ 色
Bourgeois Sauvignon
690B6 Petit
プティ・ブルジョワ・ソーヴィニヨン
サイズ
参考上代
メモ
在庫
2013
白
750ml
2,400 AOCサンセール周辺の畑
◎
2013
赤
750ml
2,400 AOCサンセール周辺の畑
◎
750ml
2,400 AOCサンセール周辺の畑
◎
4,400 W.S 89pt
○
サンセール周辺の異なる複数の畑。平均樹齢10年~40年。品種個性を的確に表現。現地レストランでも最も定番のワイン。
Bourgeois Cabernet Franc
697H4 Petit
プティ・ブルジョワ・カベルネ・フラン
4月予定
サンセールの丘の斜面。樹齢10年~40年のカベルネ・フラン100%。100%除梗。ステンレスタンクで発酵後、一部木樽にて10カ月熟成。
| 17 696F6 Petit Bourgeois Rose Pinot Noir
プティ・ブルジョワ・ロゼ・ピノ・ノワール
2013
ロゼ
ロワール河に面した丘の斜面。樹齢10年~40年のピノ・ノワール100%。3日間のマセラシオンの後に圧搾、その後16℃~17℃にてアルコール発酵。
La Vigne Blanche
698C0 Sancerre
サンセール・ラ・ヴィーニュ・ブランシュ
2013
白
750ml
カイヨット中心の白亜質土壌。シャヴィニヨールに位置するカイヨットと呼ばれる石灰岩土壌が2/3を占める畑。樹齢は40年を越す。15~18℃に温度管理されたステンレスタンクで、18日間、自然酵母でアルコール発酵を行
う。(一部培養酵母使用することもある)発酵後6~7月の間、シュール・リーにて熟成され瓶詰め。
Les Baronnes Blanc
699B2 Sancerre
サンセール・レ・バロンヌ・ブラン
2013
白
750ml
4,200
粘土石灰質土壌
W.S 90pt
◎
粘土石灰質土壌。粘土質の比率は約65%と高く、土壌を保温する事で樹齢20年の比較的若木から40年の古木まで熟度の高い葡萄を産む。また石灰岩が程よいミネラル分を与え、果実味の強さと華やかな香りをと共に、
ソーヴィニヨンのミネラル感を維持している。
La Bourgeoise Blanc
69661 Sancerre
サンセール・ラ・ブルジョワーズ・ブラン
新入港
La Bourgeoise Blanc
69W88 Sancerre
サンセール・ラ・ブルジョワーズ・ブラン
2007
白
750ml
8,200 シレックス土壌
2011
白
750ml
6,200 シレックス土壌
△
○
シレックスの混じる粘土石灰質土壌。この畑特有の火打ち石の混じる土壌の畑で、樹齢50年以上の古木から上質の葡萄が収穫される。収量制限を課すことで、葡萄の実は凝縮度が上がり、綺麗な酸味とバランスの取れた
深い果実味を産む。
La Bourgeoise Rouge
694G2 Sancerre
サンセール・ラ・ブルジョワーズ・ルージュ
2012
赤
750ml
6,600 シレックス土壌
○
シレックスの混じる粘土石灰質土壌。南西の粘土石灰質土壌の畑。収量制限を課すことで葡萄の実は凝縮度の高いものとなり、綺麗な酸味とバランスの取れた深い果実味を産む。除梗は行わず、18日間、26~32℃で自
然酵母にて発酵。ピジャージュや1日2回のルモンタージュを行い、シュール・リーにて、色素やタンニンを丁寧に抽出。そして10~12カ月の間、トロンセ産樽にて熟成。
Le MD
69C67 Sancerre
サンセール・ル・モン・ダネ
新入港
Le MD
692D6 Sancerre
サンセール・ル・モン・ダネ
2009
白
750ml
7,000 キンメリジャン土壌
2012
白
750ml
5,600 キンメリジャン土壌
△
○
キンメリジャン泥灰土。シャヴィニヨールの起伏のある丘の斜面のキンメリジャン泥灰土と粘土石灰土壌で栽培される。完熟をゆっくり待ってから収穫され、丁寧に発酵槽へと運ばれる。最良の果汁を取り出す為、ゆっくりと圧
搾し低温にてデブルバージュ。21日間のステンレスタンクでの発酵(15~18℃)。シュール・リーにてゆっくり9ヶ月の間熟成させる。
Jadis
692D7 Sancerre
サンセール・ジャディス
2012
白
750ml
8,400 キンメリジャン土壌の最良区画
○
キンメリジャン泥灰土。樹齢30年以上の畑でリュット・レゾネによる栽培。ソーヴィニヨン・グリが数%含まれる。ステンレスタンクとフレンチオーク樽(1:1)で11ヶ月間の熟成。無清澄、無濾過で満月後に滓引き。
d'Antan
692D8 Sancerre
サンセール・ダンタン
2012
白
750ml
8,400 シレックス土壌の最良区画
○
シレックスでも特に優れた土壌。火打ち石の混じる石灰質土壌。樹齢40年。リュット・レゾネによる栽培。除梗せず自然酵母のみで発酵。フレンチオーク樽(60%)とステンレスタンクにて、11ヶ月間熟成。無清澄、無濾過で満
月後に滓引き。
Le Chene Saint-Etienne
69T01 Sancerre
サンセール・ル・シェーヌ・サン・テチエンヌ・ルージュ
2002
赤
750ml
10,800
樹齢435年の木樽を使用
限定キュヴェ
○
石灰岩。除梗を100%行い、自然酵母により、19日間のアルコール発酵後(26~32℃)。12ヶ月に渡り、樹齢435年のエチエンヌの樹で造った225lバリックと600lの伝統的な新樽で熟成させる。限定本数のみの希少なキュ
ヴェ。
Fume En Travertin
694G3 Pouilly
プイィ・フュメ・アン・トラヴェルタン
白
750ml
4,400
○
2009
白
750ml
8,200 キンメリジャン土壌
2012
白
750ml
6,400 キンメリジャン土壌
△
○
2013
粘土石灰土壌。圧搾後にステンレスタンクにて発酵(15~18℃)。その後ステンレスタンク5カ月間シュー・ル・リーにて熟成させる。
Fume La Demoiselle de Bourgeois
694G5 Pouilly
プイィ・フュメ・ラ・ドゥモワゼル・ド・ブルジョワ
Fume La Demoiselle de Bourgeois
694G4 Pouilly
プイィ・フュメ・ラ・ドゥモワゼル・ド・ブルジョワ
新入港
キンメリジャン泥灰土。自然酵母にて、ステンレスタンクとフレンチオーク樽にて22日の間、発酵。そしてシュール・リーにてゆっくり9ヶ月の間、熟成させる。翌年の夏に入ってから、ようやく瓶詰めされる。最も瓶詰が遅いキュ
ヴェ。
de La Saint Charles
69Z40 Vendenge
ヴァンダンジュ・ド・ラ・サン・シャルル
2008
甘
500ml
11,000 遅摘み甘口
キンメリジャン土壌。通常より数週間遅積みで収穫・糖度が上がった葡萄を一粒ずつ選果し、低温でゆっくりと発酵。冬の間に残糖を残し発酵は停止。木樽にて15カ月の熟成。
△
TOP
New Zealand
Clos Henri
Marlborough
クロ・アンリ
| 18
断層をまたぐアンリ・ブルジョワの新天地
アンリ・ブルジョワの新しい挑戦
アンリ・ブルジョワと言え
ば誰もが認めるサンセ
ールのトップ生産者だ。
そのブルジョワ・ファミリ
ーが新天地を求め、ソ
ーヴィニヨン・ブランとピ
ノ・ノワールの新たな可
能性を見出したのがニ
ュージーランドの南島
北部マールボロである。
1989年から現地の調
査をはじめ、2000年に98ha の畑を購入するまでに実に11年の歳月
を要したという。一口にマールボロと言ってもクラウディ湾に注ぐワイラウ
川に沿って10キロ以上にも渡る。内陸から湾へと土壌を押し出す様に
流れた氷河からワイラウ川が生まれたが、河口付近とクロ・アンリが位
置する内陸では、萌芽の時期が一週間も異なる程、気候も土壌も異
なる。アンリ・ブルジョワの当主であるジャン・マリーが選んだのはマール
ボロでも最も内陸に位置するワイホパイバレーである。(この辺りはマオリ
語の地名が多く残る。)なぜならマールボロでも最も複雑な土壌を持っ
ているからである。
NZでも土壌毎にワインを造る
まずワイラウ川周辺に
広がる“グレイワッケ”と
呼ばれる玄武岩が細
かく砂状になった堆積
土壌が河口よりも豊か
である。そしてこのワイ
ラウ川に南から合流す
るワイホパイ川が“ウィ
ザー・クレイ”という褐
色の粘土土壌を運ん
で来ている。更にニュ
ージーランドの南島を南北に分ける断層が畑の中央を南北に縦断して
いる。この断層が“グレイワッケ”と“ブロード・ブリッジ”と呼ばれる黒色粘
土土壌をくっきりと分けているのだ。水はけの良い”グレイワッケ“にはか
つてはワイラウ川の底にあった30センチ以上の丸い石がゴロゴロと転が
商品記号
ワイン
Clos Sauvignon
69Z72 Petit
プティ・クロ・ソーヴィニヨン
っており、ここではソーヴィニヨン・ブランが栽培される。”ブロード・ブリッ
ジ“ ”ウィザー・クレイ“では、ピノ・ノワールが栽培されている。
一度も人の手を加えられていない土地
またこの地でワイン造りを始める上でのもうひとつの優れた点は今まで
一度も手を加えられた事の無い自然のままの土地だったという事であ
る。以前は羊が放牧されていた広大な牧場は今まで開墾されたり、植
物が植えられたことの無い無垢の大地だった。『サンセールを含め、フ
ランス国内のブドウ栽培に適した土地で手付かずの場所を見つける事
はほぼ不可能である。広大な土地と自然を持つニュージーランドだか
らこそ、これ程に可能
性がある土地が残され
ていた』とアンリ・ブルジ
ョワは語る。この土地を
購入した後も自然環境
を急激に変える事が無
いように、ブドウの植樹
も数ヘクタール毎にゆ
っくりと進めている。ま
た冬場には羊達を放
牧 し 地 面 の 余 分な 雑
草を食べさせ、4年程前からは化学薬品を使わずに有機栽培を取り入
れている。有機栽培にしてから畑のコンディションが更に向上し土中に
はミミズなどの生物が多く見られるようになった。2年前からは灌漑設
備はあるものの一度も使用せずにブドウを栽培出来ている。畑にクロー
バーを植える事で葡萄樹を害虫から守るミツバチを増やし畑の生態系
を守る事もしている。『我々は長年にわたるサンセールでの経験を活か
しながら、テロワールの繊細さを表現したワインを造っている。時にこの
地域のスタンダードからは大きく外れ、地元の栽培家に失笑を買う事も
ある。でも、全ては工業製品では無く、このテロワールから生まれるワイ
ンを造る為。気にしてはいない』とディレクター兼醸造責任者のダミアン
は誇らしげに語る。クロ・アンリでの葡萄樹の蜜植率は1ヘクタール辺り
4,400~6,000本収量45hl/ha。対して周囲の畑の密植率は300
0本以下で更に収量100hl/ha 以上と考えると、その違いは明らかであ
る。ワイナリー創設から10年を迎えた2012年、ボルドーで行われたソ
ーヴィニヨン・コンクールでクロ・アンリ2010が世界最高ソーヴィニヨン
に選ばれた。新天地での彼らの努力は着実に身を結び始めている。
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
在庫
2013
白
750ml
3,200
◎
2013
赤
750ml
3,400
◎
2012
白
750ml
5,600 グレイワッケ土壌
○
新しい畑に植えられた若木を主体としたクロ・アンリのセカンドワイン。
Clos Pinot Noir
690F9 Petit
プティ・クロ・ピノ・ノワール
新しい畑に植えられた若木を主体としたクロ・アンリのセカンドワイン。
Henri Sauvignon
69Z74 Clos
クロ・アンリ・ソーヴィニヨン
グレイワッケ土壌。以前は近くの河を流れるワイラウ河の川底にあった大きな石を含む砂質の沖積土。通常よりも葡萄樹を密植し、更に収量を下げる事で良質の葡萄を収穫出来る。ステンレス発酵。
Henri Pinot Noir
696F7 Clos
クロ・アンリ・ピノ・ノワール
2012
赤
750ml
ブロードブリッジ土壌。鉄と黄土を含む粘土土壌。コクがあり余韻の長いピノ・ノワールに仕上がる。ステンレスタンクで発酵後は30%の新樽を含む木樽にて熟成。
7,000 ブロードブリッジ土壌
○
TOP
Loire
Catherine et Pierre Breton
Bourgueil
カトリーヌ・エ・ピエール・ブルトン
| 19
カベルネ・フランの繊細さを最大限に表現
ロワールにおける自然農法の先駆者
ピエール・ブルトン は大
学卒業後1985年に地
元のブルグイユに、ドメー
ヌを設立。妻のカトリーヌ
と二人でワイン造りを行
っている。設立当初より
葡萄栽培における化学
薬品の使用に疑問を感
じていた中で、マルセル・
ラピエールのワインに出
会い感銘を受ける。マル
セルと直接交流を深め、
自らも有機栽培を追究
していった。当時はブルグイユでは当たり前の様に農薬が使用され、大
量生産のワインが主流だった。当時は異端児としての眼を向けられた
が、現在ではこの地域における自然農法の先駆者として、他の造り手
からも高い信頼を集めている。1994年にはエコセールの認証を取得。
畑で使用するのは主にコンポストのみで、化学肥料や除草剤は一切使
用していない。『葡萄樹を観察し、自然の声に耳を傾ければ、農薬が
なくてもきちんと葡萄は育つ』。1990年からはビオディナミに移行。現
在はヴーヴレイ、シノンでもワインを手掛けている。
はこの2つの土壌の特徴を活かし、全く異なる2つの個性を持つブルグ
イユを仕上げている。第1テラスの畑からはスムーズな飲み口を持ち、
気軽に楽しむ事の早飲み出来るワイン。第2テラスでは古樹を中心に
堅固な骨格を持ち長熟可能なワインを造っている。
“活性化”したテロワールが重要
『テロワールはどこにでも存在して
いる。必要なのは“活性化した“テ
ロワール。つまり微生物を多く含
む良質の土壌に葡萄樹がしっか
りと根を下ろし、十分なミネラルを
吸収する事が出来る環境』。ブル
トンは葡萄栽培において①気候
②地形③地質④土壌⑤動物相
の5点を尊重する必要があると考
える。葡萄の樹勢は地形を考え
ながら、一部の葉を取り除き光合
成の量を変える事でコントロール。
夏場には雑草を畑に残し、地中の水分量を適正に保っている。『活性
化したテロワールに育つ葡萄だからこそ、その区画の特徴をワインに表
現出来る。カベルネ・フランの特徴
は”青さ“では無い。これは大量生産
のワインがもたらす誤ったイメージだ』
ブルトンのワインを飲んで驚くのは、カ
“早飲み”と“長熟”2つのブルグイユ
ベルネ・フランに多くみられる植物的
ブルグイユにはロワール川に沿って段々状に異なるテラスが存在する。
な青さが感じられない点。葡萄の熟
この地域一帯は100万年程前は海の底だった。その後中央山脈がせ
度を上げる為に最適な台木を選び
り出して来た事で海が引き大地となった。ロワール河近くは砂地で、葡
剪定により樹勢を調整。完熟した葡
萄栽培には適さず、主にイチゴやアスパラガス等の野菜を栽培。ロワー
萄のみを厳しく選果する事で、骨格と
ル川から35m程内陸に入った場所から葡萄が栽培されている。第1
なめらかななタンニン持つワインに仕
テラスと呼ばれる川から35~50mの場所はシレックスの砂利や砂が
上がる。カベルネ・フランが持つ奥深
主体。地表の石が日中の熱を吸収し畑を温暖に保つ事で晩熟のカベ
さと魅力が感じられるワインだ。
ルネ・フランの成熟を促す。第2テラスは白亜紀中期の粘土石灰質の
沖積土の斜面。葡萄はゆっくりと熟し豊富なタンニンを持つ。ブルトンで
商品記号
ワイン
Methode Tradition Brut La Dilettante
692B2 Vouvray
ヴーヴレイ・メソッド・トラディション・ブリュット・ラ・デイレッタント
色
サイズ
N.V
泡白
750ml
参考上代
メモ
在庫
4,400 瓶内2次発酵
○
2012
赤
750ml
3,400 セニエ方式
○
2012
赤
750ml
3,400 砂利・シレックス
○
2012
赤
750ml
4,400 RVF 15.5/20
2011
赤
750ml
2012
赤
2010
赤
シュナン・ブラン。シャンパーニュ方式で瓶内2次発酵。ドザージュ0.7g/Lのみ。
Avis de Vin Fort
691B8 Bourgueil
ブルグイユ・アヴィ・ド・ヴァン・フォール
ブルトン(カベルネ・フラン)。ロワール河に近い砂や砂利の多い畑の若樹。6~8日のマセラシオンの後セニエ。ロゼに近い軽やかな赤。
Trinchi
691B9 Bourgueil
ブルグイユ・トリンチ
ブルトン(カベルネ・フラン)。砂利を多く含む砂質土壌。若樹を中心とした区画のアッサンブラージュ。
Nuit d' Ivresse
692B0 Bourgueil
ブルグイユ・ニュイ・ディヴレス
粘土石灰質
○
5,600 RVF 14.5/20
粘土石灰質
○
750ml
4,000
○
750ml
5,600
○
ブルトン(カベルネ・フラン)。粘土石灰質土壌(第2テラス)の古樹。醸造時におけるSO2無添加。
"Clos Senechal"
692B3 Bourgueil
ブルグイユ・クロ・セネシャル
ブルトン(カベルネ・フラン)。粘土石灰質土壌(第2テラス)の斜面中腹の畑。熟成により表現される細やかなタンニンが特徴。
"Beaument"
692B1 Chinon
シノン・ボーモン
ブルトン(カベルネ・フラン)。シノン西部のボーモン地区。粘土石灰質土壌の古樹。
"Saint Louand"
692B4 Chinon
シノン・サン・ルーアン
ブルトン(カベルネ・フラン)。粘土石灰質土壌。シノン南部、ヴィエンヌ河に面した丘の特別区画。長期熟成可能。
TOP
Loire
Huet
Vouvray
ユエ
| 20
セックからモワルーまでシュナン・ブランの最高峰
3つの異なる土壌で育つシュナン・ブラン
トゥールから東へ10キロ
程、ロワール川右岸に位
置するヴーヴレイ村。ユエ
はこの小さな村に所有す
る異なる3つの区画で、シ
ュナン・ブランを栽培して
いる。最もロワール川に近
いのはシレックスを含む緑
色粘土土壌の“ル・モン”。
表土は浅く、トゥフォーと
呼ばれる石灰層の下へ葡萄樹は30メートル以上も根を伸ばす。この
区画のシュナン・ブランはこの石灰層が影響を与え、柔らかさと軽さを
持つ。北へ数百m離れた区画が“ル・オー・リュー”。褐色粘土を多く含
む粘土石灰質の表土が30mの深さで続き、この区画で育つシュナン・
ブランは、やや重く丸い味わいに仕上がる。西側には塀で囲まれた歴
史の長い区画“ル・クロ・ド・ブール”。ヴーヴレイ村の教会の前に広がる
この区画の表土は僅か1m程。浅い表土の下には石灰岩盤があり、葡
萄樹はこの岩盤に直接根をおろし、地中のミネラルを吸い上げる。仕
上がるワインは強く・骨格を持つようになる。『ユエに特別区画は存在し
ない。各区画のシュナン・ブランはテロワールとそのヴィンテージの影響
を受け、独自の個性を持ったワインを生む』醸造長のジャン・ポール・
ベルトメは35年以上に渡り、この3つの区画で育つシュナン・ブランだけ
を造り続けて来た。1988年からは全ての畑にビオディナミを導入。各
区画の個性がより鮮明にワインに表現される様になった。
葡萄の熟度がその年のワインを決める
『リリースするキュヴェはその年の葡萄の熟度によって変わる』ユエでは
ペティアンからモワルーまで複数のキュヴェをリリースしている。同じシ
商品記号
ュナン・ブランでも毎年の葡萄の熟度により、果汁に含まれる糖は150
g/Lから400g/L以上まで大きく異なる。糖度の高い葡萄程、発酵後
に自然な残糖を残す事が出来る。つまり葡萄の熟度の上がった良年
にしかドゥミ・セックやモワルーを造る事が出来ない。『シャプタリザシオ
ンをしないユエでは、その年に何を造るかは葡萄が決める事。人の手
でコントロールする事はしない』例えば2003年は稀に見る完璧な年。
葡萄の熟度に合わせて、ペティアンからモワルーまで、全てのキュヴェ
をリリースする事が出来た。一方で2013年の様に収穫量が少なく、熟
度が上がらなかった年は辛口しかリリースしない事もある。
辛口から甘口まで同じ醸造方法
ユエでは辛口から極甘口までを全く同じ醸造方法で仕上げている。醸
造中に加えるのはアルコール発酵後の僅かな亜硫酸だけ。グラヴィテ
ィシステムによりプレスされ
た果汁は、数時間のデブ
ルバージュの後に600Lの
木樽で発酵・熟成される。
瓶詰めは通常翌年の4月。
辛口から甘口まで基本的
に同じタイミングで瓶詰め
され、その時点で残糖とし
て残った糖分がワインの味
わいを決定する。瓶詰め
後は地下瓶熟庫で静かに熟成。数年の熟成を経た後、飲み頃を迎え
たキュヴェより順次リリースされる。モワルーは10年以上の熟成を行う
事もある。『シュナン・ブランは天候の影響を受けやすく難しい品種。そ
の為他の品種に改植を進める造り手も多い。でも、シュナン・ブラン程
にテロワールを純粋に表現出来る品種は無い』
ワイン
ヴィンテージ 色
Petillant Cuvee Huet Brut
691D2 Vourvray
ヴーヴレイ・ペティヤン・キュヴェ・ユエ・ブリュット
サイズ
参考上代
メモ
2009
泡
750ml
6,600 瓶内2次発酵
Sec "Le Mont"
691D3 Vouvray
ヴーヴレイ・セック・ル・モン
2012
白
750ml
7,400 R.V.F 17/20、BetD 19/20
Moelleux "Le Mont"
691D8 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・ル・モン
2003
白甘
750ml
9,800 残糖75g/L、石灰・シレックス
2008
白甘
750ml
在庫
○
二酸化ケイ素を含む粘土石灰質土壌。アルコール発酵後、残糖12度で瓶詰めし、瓶内2次発酵。36カ月の瓶内熟成。
Moelleux Premiere Trie "Le Mont"
698F6 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・プルミエ・トリ・ル・モン
新入港
残糖4,7g/L、石灰・シレックス
残糖63g/L、石灰・シレックス
14,000 房選りの特別キュヴェ
○
○
△
シレックスを含む緑色粘土石灰質土壌。ロワール川沿いのテラス上の区画。トゥフォーと呼ばれる石灰岩が含むミネラルを吸収し、繊細なワインに仕上がる。瓶詰めは翌年の4月。
Demi Sec "Le Haut Lieu"
691D6 Vouvray
ヴーヴレイ・ドゥミ・セック・ル・オー・リュー
2003
白甘
750ml
残糖29g/L、粘土
9,000 BetD 17/20
Demi-Sec "Le Haut Lieu"
691D5 Vouvray
ヴーヴレイ・ドゥミ・セック・ル・オー・リュー
2008
白甘
750ml
8,800
Moelleux "Le Haut Lieu"
691D7 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・ル・オー・リュー
2008
白甘
750ml
8,800
Moelleux Premiere Trie "Le Haut Lieu"
698F9 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・プルミエ・トリ・ル・オー・リュー
新入港
1993
白甘
750ml
22,000
Moelleux Premiere Trie "Le Haut Lieu"
698F8 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・プルミエ・トリ・ル・オー・リュー
新入港
2003
白甘
750ml
17,000
白
750ml
残糖30g/L、粘土
R.V.F 17.5/20、BetD 16.5/20
残糖53g/L、粘土
BetD 17/20
残糖67g/L、粘土
房選りの特別キュヴェ
残糖87g/L、粘土
房選りの特別キュヴェ
○
○
○
△
△
1928年より所有。30mの深さの表土を持つ褐色粘土石灰質土壌。しっかりとした骨格と果実味を持つ。瓶詰めは翌年の4月。
Sec "Clos du Bourg"
691D4 Vouvray
ヴーヴレイ・セック・クロ・デュ・ブール
2012
Moelleux "Clos du Bourg"
698F5 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・クロ・デュ・ブール
Moelleux Premiere trie "Clos du Bourg"
698F7 Vouvray
ヴーヴレイ・モワルー・プルミエ・トリ・クロ・デュ・ブール
新入港
残糖4.5g/L、石灰
7,400 R.V.F 17.5/20、BetD 19/20
2007
白甘
750ml
8,400
2006
白甘
750ml
14,000
村の中央部、塀で囲まれた区画。1m程の浅い表土の下は石灰岩盤。ボトリティスの付いた良年にのみ造られる。瓶詰めは翌年の4月。
残糖46g/L、石灰
R.V.F 17/20
残糖65g/L、石灰
房選りの特別キュヴェ
○
○
△
TOP
Alsace
Les Binner
Ammerschwihr
レ・ビネール
| 21
ドメーヌ・ビネールが2010年に設立したネゴシアン
親友の葡萄のみ使用“レ・ビネール”
アルザスのヴァン・ナチュールの造り手として必ず名前の挙がるドメー
ヌ・ビネール。古くから無農薬栽培に取り組むドメーヌで現当主のクリス
チャン・ビネールは妻や家族と共に出来る限り自然に近いワイン造りを
行っている。“レ・ビネール”は彼らが2010年から新たに始めたネゴシ
アン部門。ネゴシアンだが使用する葡萄はコルマールの南に畑を持つ
同じ意思を持つ親友
の葡萄のみ。2009
年のヴィンテージから
ク リ スチ ャ ン・ビ ネ ー
ルが一緒にワイン醸
造を手掛け、2010
年ヴィンテージ以降
は ビ ネ ー ルが ネゴ シ
アンとして正式に販
売している。ドメーヌ・
ビネールと同じ理念のもとにクリスチャンが手掛けるワインだ。
リースリングの理想区画“ビルドストックレ”
レ・ビネールに使用するの畑の多くはコルマールの南に位置する。モザ
イクの様に多様な土壌が複雑に組み合わさるアルザスの中で、彼が所
有するのは泥土を多く含む風化した石灰土壌。“黒い森”と呼ばれるド
イツ・バーデン地方からヴォージュー山脈にかけて存在した巨大な山
脈の崩落によって出来た地域だ。ヴォージュー山脈を背後に守られた
畑はアルザスの中でも年間の降水量が極めて少ない。ゲヴェルツトラミ
ネールやピノ・グリに向く肉付きの良いアルザスワインが生まれる。全て
商品記号
の畑はビオディナミ農
法が導入されている。
またリースリングに最
適の地として高名な
“ビルドストックレ”区画
も所有。“ビルドストッ
クレ”は小石と泥土を
含む質の良い石灰土
壌。グラン・クリュ“オ
ーバーモルシュヴィ
ア”の下方平地に近い
所に位地する。グラン・クリュの格付けはされていないもののその土壌・
真南向きの斜面、風通しの良さから周囲のグラン・クリュを凌ぐ品質の
リースリングを産出するとして人気の高い区画。平均齢40年を超える
古樹が植えられている。この区画からはレ・ビネールを代表するリースリ
ングが造られている。
“酵母・亜硫酸・リキュール”何も加えずに造るクレマン
レ・ビネールのワインは全て“ワインは醸造所ではなく畑で造られる”とい
うドメーヌと同様の理念の元で造られている。清潔で状態の良い葡萄
を造り、その後は出来る限りワインに手を加えない。仲間の造り手たち
からも高い評価を受けている“クレマン・ゼロ・ドザージュ”は野性酵母の
みで発酵、SO2無添加、ノン・ドザージュで造られる。瓶内二次発酵の
際も糖分や酵母は加えずにその年に収穫した葡萄の果汁のみを加え
るのみ。葡萄以外のものは一切加えずに造る究極の一本だ。僅か28
00本の生産のみ。
ワイン
ヴィンテージ 色
Zero Dosage
693G5 Cremant
クレマン・ゼロ・ドザージュ
2011
泡白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
4,000 ノン・ドザージュ、亜硫酸無添加
在庫
○
リースリング及びピノ・ブラン。天然酵母のみで発酵。瓶内2次発酵時にはその年の葡萄果汁を添加。18カ月の熟成の後に出荷。ドザージュ無し。醸造中及び瓶詰め前も含めて亜硫酸無添加。
699F0 Saveurs
サブール
4月予定
2013
白
750ml
3,000
×
シルヴァネール、ピノ・ブラン、ミュスカ、ピノ・グリのアッサンブラージュ。手摘み収穫。天然酵母のみで発酵。タンク内で澱引きせずに8カ月の熟成。ノン・フィルター。
Sec
69Y48 Riesling
リースリング・セック
2012
白
750ml
4,000
○
2012
白
750ml
5,200 コルマール南の特別区画
○
低温にてデブルバージュ後に天然酵母のみで発酵。澱と接触させながら11カ月の熟成。ガラス栓使用
"Bildstoeckle" Sec
69Y50 Riesling
リースリング・ビルドストックレ・セック
グラン・クリュに比類する優良区画”ビルドストックレ”のリースリング。低温にてデブルバージュ後に天然酵母のみで発酵。澱と接触させながら11カ月熟成。ノン・フィルター。ガラス栓使用。
Sec
69Q53 Muscat
ミュスカ・セック
完売
2011
白
750ml
4,000
×
天然酵母のみで発酵。発酵及び7カ月の熟成。一部は香りを引き出しワインを安定させる為にマールと一緒に発酵・熟成させる。ノン・フィルター。ガラス栓使用。
Gris Sec
699B1 Pinot
ピノ・グリ・セック
2012
白
750ml
4,000
○
2011
白甘
750ml
4,000 やや甘口
○
4,000
×
天然酵母のみで発酵。11カ月木樽にて澱と接触させながら熟成。ノン・フィルター。ガラス栓使用。
69Q56 Gewurztraminer
ゲヴェルツトラミネール
低温でデブルバージュ後に天然酵母のみで発酵。木製の大樽にて澱と接触させながら11カ月の熟成。ノン・フィルター。ガラス栓使用。残糖26g/L。
Noir
697H3 Pinot
ピノ・ノワール
4月予定
2013
天然酵母のみで発酵。10日間のマセラシオンを行う。その後澱と接触させながら11カ月の熟成。亜硫酸無添加。ガラス栓使用。
赤
750ml
TOP
Alsace
Zusslin
Orschwihr
チュスラン
| 22
品種個性を明確に表現する正統派アルザス
2大評価誌が最も注目する姉弟
フ ラ ン ス で 最 も 影 響 の あ る 2 つ の ワ イ ン 評 価 誌 “Le Guide Des
Meilleurs vins de France”と“Le Guide Bettane et Desseauve
des Vins de France”。2014年度版でこの評価誌が共に “最も注目
のアルザス生産者” “今年一番の新星”として取り上げたのが、チュス
ラン。現在は13代目にあたる30代の若い姉弟マリーとジャン・ポール・
チュスランが当主を
務めている。高く評
価されているのは、
純粋な品種個性の
表現と雑味や重さ
を一切感じさせない
直線的で輪郭のは
っきりとした味わい。
彼らの父親が199
0年代にビオディナ
ミ農法を導入してか
らは、チュスランの
持つ個性がより際立つ様になった。
フランスで最も乾燥した丘“ボーレンベルグ”
拠点となるオルシュヴィル村の周りは3つの丘が取り囲んでいる。以前
は一つの丘であったが、地殻変動や氷河の影響を受け、異なるテロワ
ールを持つ丘に分かれた。中心となるの丘は粘土石灰質土壌のボー
レンベルグ。畑の表土は遠くからでも赤く見える程の褐色の鉄と石灰岩
を含む。特に鉄が多く含まれ、畑では結晶化した直径10cmもの鉄の
塊を見つける事も出来る。『この鉄がもたらす豊富なミネラルがワインに
独特の塩味と真っ直ぐな余韻を与えてくれる』半地中海性気候のこの
丘の年間降水量は僅か500ミリ程。アルザスの中でも特に雨の少ない
地域で、ボーレンベルグの丘の上部には、オーキッドなど稀少な植物
が多く自生。一部はEUにより特殊植物の保護区にも指定されている。
商品記号
丘の東向斜面には氷河期にアルプスから運ばれた泥土や黄土が堆積。
ここで育つリースリングやミュスカは、強いアロマと長い余韻が特徴的に
表れる。
親子2代で追求するビオディナミ
栽培・醸造を担当しているのは弟のジャン・ピエール。ドメーヌに戻る前
はツイント・ウンブレヒトで働いており、その間にビオディナミの手法と理
念を習得した。『1990年代の早い時期から父がビオディナミを導入し
ていた。ツイント・ウンブレヒトでの経験は、父が選んだビオディナミが正
しい事を確信出来た』2003年には畑耕作用の馬と、専門の耕作人を
ドメーヌに迎え、出来る限りの区画を馬による作業に切り変えている。ま
た近年は収穫後の葡萄も馬がひくソリに乗せて運んでいる。『馬が運べ
ば、無理な振動により葡萄が傷付くのを防ぐ事が出来る。トラックのタイ
ヤで畑を押し固めてしまう事も無い』醸造中も出来る限り葡萄果への
負担を避ける。収穫後の葡萄は10時間以上かけて、全房でゆっくりと
プレス。補糖や補
酸は一切行わず天
然酵母のみで発酵
させる。発酵・熟成
に使用するのは30
hlのフードル樽。醸
造中は亜硫酸は加
え ずに 、週 に一 度
の補酒を行いなが
らゆっくりと12~1
8 ヶ月 か け て熟 成
する。『地元ボージュー産のフードル樽の中でワインは緩やかに酸化し
ながら熟成していく。栽培も醸造も葡萄にストレスを与えない事が重
要』年間の生産量は9万本程だが、常時30万本以上のボトルを熟成。
瓶詰後も飲み頃を迎えたワインから出荷を行う。
ワイン
d'Alsace Prestige
699G3 Cremant
クレマン・ダルザス・プレスティージュ
ヴィンテージ 色
新入港
2011
泡白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
4,200
在庫
○
オーセロワ、シャルドネ、ピノ・グリ、リースリング。収量を50hl/haにまで減らし(通常は80hl/ha)、凝縮した良質の葡萄のみ使用。シャンパーニュ方式。24カ月瓶内2次熟成。ドザージュ11g/L。
Blanc
692D2 Alsace
アルザス・ブラン
2012
白
750ml
3,600 5品種アッサンブラージュ
○
ドメーヌで栽培する全白品種のアッサンブラージュ。ゲヴェルツトラミネール、ミュスカ、リースリング、ピノ・グリ、シルヴァネール。天然酵母のみ使用。残糖7g/L。
692D1 SYMU
シミュ
2012
白
750ml
3,800 シルヴァネール+ミュスカ
○
2011
白
750ml
3,800 鉄+粘土石灰
○
シルヴァネール及びミュスカのアッサンブラージュ。澱と共にフードル樽にて発酵・熟成。天然酵母のみ使用。残糖7g/L。
Orschwihr
692D0 Riesling
リースリング・オルシュヴィール
新入港
オルシュヴィール村を代表するボーレンベルグ、クロ・リーベンベルグ、グラン・クリュ・フィングバーグ3区画のリースリング。澱と共にフードル樽にて発酵・熟成。天然酵母のみ使用。残糖8.3g/L。
Cuvee Marie
692D4 Muscat
ミュスカ・キュヴェ・マリー
2012
白
750ml
4,000 鉄+黄土
○
2012
甘
750ml
3,800 鉄+粘土石灰
○
2011
甘
750ml
4,800 仏で最も乾燥した丘
○
ボーレンベルグの鉄分を多く含む南東向きの粘土石灰質土壌。澱と共にフードル樽にて発酵・熟成。残糖8.4g/L。
Lutzelthal
692D3 Gewerztraminer
ゲヴェルツトラミネール・ルーツェルタール
南西向きの粘土石灰質土壌の区画。澱と共にフードル樽にて発酵・熟成。天然酵母のみ使用。残糖30g/L。
Gris Bollenberg Prestige
692D5 Pinot
ピノ・グリ・ボーレンベルグ・プレスティージュ
EUの希少植物保護区にも指定されている乾燥した丘の特別区画。粘土石灰質土壌。澱と共にフードル樽にて発酵・熟成。天然酵母のみ使用。残糖29g/L
TOP
Bourgogne
Jean-Marc Brocard
Chablis
ジャン・マルク・ブロカール
| 23
シャブリにおける最初のビオディナミ挑戦者
“ミネラル・ヨード香”シャブリ本来の味わい
現在約5,000ヘクタールあるシャブリの葡萄畑の多くは、大手の大企
業によって所有されている。その中で200haという広大な畑を所有し
ながらも、家族経営を続けているのがドメーヌ・ジャン・マルク・ブロカー
ルだ。ドメーヌの始まりは1973年、ジャン・マルク・ブロカールが妻の父
から買い取った
わずか0.3ヘク
タールの畑から。
義理の父からワ
イン造りを学びな
がら地道な努力
を重ねて畑を拡
大してきた。現在
はジャン・マルク
と共に次男のジ
ュリアンが中心と
なってドメーヌを運営している。『私達が造りたいのは本来のシャブリが
持つ“純粋さ・ミネラル・新鮮さ”を持つワイン。その為には良質のキンメ
リジャン土壌が不可欠だ』1億5千万年前のジュラ紀には海の底にあっ
たシャブリ。その後海水が引きこの地に海からの堆積物で構成される
キンメリジャン土壌が残された。キンメリジャン土壌には牡蠣の化石な
どが多く含まれる。これらがワインにシャブリ特有のミネラルとヨード香を
与えてくれる。AOCシャブリの地域が拡大される以前は多くのワインが
このシャブリの特徴的な味わいを表現していた。しかし世界的にシャブ
リの人気が高まった1970年代以降はAOCの地域が大幅に拡大。シ
ャブリの北部にある異なるポルトランディアン土壌の地域からのワインも
シャブリと名乗れる様になった。『私が大切にするのは真っ直ぐに伸び
るミネラルとヨード香。キンメリジャン土壌こそが葡萄にこの味わいを与
えてくれる』理想のシャブリを造る為、葡萄栽培・醸造に関しても彼ら独
自の拘りがある。その一つが収穫の方法。彼らは葡萄を酸とミネラルの
バランスの良い状態で仕込む為には、機械収穫が必要だと主張する。
『シャブリはシャルドネだけの単一品種なので、殆どの畑が同時に熟す。
収穫で手間取って葡萄が熟成のピークを超えてしまうより、機械によっ
て理想的なタイミングで収穫する方が何倍もメリットがある』ジュリアンは
言う。最も早く熟すグラン・クリュとシャブリ・ヴィラージュの収穫日の差
はわずか3、4日。機械収穫も同時に行う事で良質のミネラルと酸を保
った葡萄を手にする事が出来る。実際にグラン・クリュ、プルミエ・クリュ、
ビオディナミの畑は手摘みだが、その他の多くは機械収穫を行っている。
醸造は原則としてバリック樽は使用しない。彼らが追求しているワインの
“純粋さ・ミネラル・新鮮さ”とバリック樽は調和しないと考えるからだ。
100%ビオディナミを目指す
2代目のジュリアンがドメーヌに加わってからジャン・マルク・ブロカール
のワインは更に品質が向上したと言われる。その理由のひとつが1998
年から行っている畑へのビオディナミの導入。当初、父のジャン・マーク
は『ビオディナミ農法は狂信的宗教集団』だと猛反対。しかし転換を進
めた葡萄畑の品質の向上を目の当たりにし、現在はビオディナミの導
入に賛同している。元来シャブリは気温の低さや湿気の多さからビオ栽
培には向かないとされていた土地。当時は誰も取り組んでいなかったビ
オディナミを大きなリスクを承知で取り入れた。現在約80haの畑をビ
オディナミで栽培。既にひとつのドメーヌのビオディナミ栽培面積として
はブルゴーニュで最大である。またビオディナミの理念は醸造過程にお
いても率先して取
り入れている。特
徴的なのが熟成
容器。ステンレス、
大樽の他に『ウッ
フ(フランス語で
卵の意)』と呼ば
れるコンクリート製
の醸造容器を使
用している。この
コンクリート容器は
ビオディナミの哲
学に基づいて造られている。コート・ド・ローヌのビオディナミ生産者シャ
プティエも使用。大きさは700Lから800L、重さは約500kg。内側は
樹脂加工していない為コンクリートの隙間から木樽と同様に微量の空
気接触を行う事が出来る。樽香を避けるブロカールにとっては最も適し
た容器。また卵型の形状ゆえにバトナージュをしなくても澱を自然に攪
拌する事が出来るのもメリットだ。現在はグラン・クリュ・レ・プリューズに
実験的に使用。この容器の中で澱と共に16ヶ月の熟成を行っている。
AOCシャブリもキンメリジャン土壌の自社畑
ジャン・マルク・ブロカールが最も力を入れるのが“AOCシャブリ・サン
ト・クレール”。『ウィリアム・フェーブルやラロッシュとの大きな違いは私
達が造っているワインの多くがAOCシャブリだという事。シャブリは本来
手に入れられ易いワイン。グラン・クリュの様に手の届きづらい高級品
だけにしてはいけないと思っている』ブロカールが造るAOCシャブリは
全て自社畑の葡萄を使用。醸造所の隣接した畑で収穫後はすぐに仕
込みを行う事が出来る。通常AOCシャブリは買い葡萄から造る事が
多い。100%自社畑の造り手は他に数件しかない。また通常AOCシ
ャブリに使われるのは主にシャブリ北部の
オックスフォーディアン土壌からの葡萄。し
かしブロカールのAOCシャブリ“サント・クレ
ール”の畑はシャブリの中心を流れるセラン
川の左岸南に位置する。この辺りは石灰質
や化石成分の多い典型的な後期キンメリ
ジャン土壌。本来のシャブリが持つミネラル
豊かなワインに仕上がる。ジャン・マルクが
このシャブリを80年代にリリースした直後は
現代的な柔らかいシャブリの味わいに馴染
んだパリの人々からは固すぎると言われた
事もある。しかしこの個性を好むイギリスや
スカンジナビアの国、特にヨードの香りを理
解する国では非常に高い評価を受け、次
第にフランス国内でも指示される様になっ
た。ジュリアンによるビオディナミ農法の採用によりこのシャブリの特徴
的な味わいはより際立つ様になったと言う。ドメーヌ・ジャン・マルク・ブ
ロカールはシャブリの本当の価値を求めて真摯にワイン造りを続ける。
『シャブリ・ヴィラージュは、注意深く造れば、プルミエ・クリュやグラン・ク
リュと同じくらいの潜在性がある。ぜひその品質の高さを感じて欲しい』
商品記号
ワイン
ヴィンテージ 色
"Sainte Claire"
698B8 Chablis
シャブリ・サント・クレール
2013
白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
在庫
3,400 全て自社畑のACシャブリ
◎
4,200
○
△
○
このドメーヌのフラッグ・シップとなるAOCシャブリ。セラン川の左岸南、醸造所の近くに広がる典型的なキンメリジャン層の畑。樹齢は約20年。80ha所有。
Vieilles Vignes "Sainte Claire"
699F1 Chablis
シャブリ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・サント・クレール
2013
白
750ml
シャブリ・サント・クレールと同じ区画。樹齢約60年の古木が地中深く根を伸ばし地中の要素を吸い上げる事で、凝縮しバランスの良い葡萄が出来る。ビオディナミ。
| 24 69M47 Chablis "Boissonneuse"
シャブリ・ボワッソヌーズ
2010
白
750ml
3,900 1998年よりビオディナミ
"Boissonneuse"
699G4 Chablis
シャブリ・ボワッソヌーズ
2012
白
750ml
4,400 1998年よりビオディナミ
醸造所のあるプレイ村の斜面に位置するモノポールで11haの畑。非常に質の高いキンメリジャン土壌。ジャン・マルクの息子ジュリアンにより1998年からビオディナミ農法が行われている。
1er Cru ”Montmains”
69X41 Chablis
シャブリ・プルミエ・クリュ・モンマン
1er Cru ”Montmains”
698H9 Chablis
シャブリ・プルミエ・クリュ・モンマン
5月予定
2012
白
750ml
5,700
2013
白
750ml
5,700
△
×
セラン川の左岸、プレイ村よりもやや北に位置するプルミエ・クリュ。谷から来る風と冷涼な環境がこのワインにミネラルと美しい酸を与えている。セラン川左岸のシャブリの特徴がよく現れている。
1er Cru "Vau de Vey"
69W04 Chablis
シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴォード・ヴェイ
2011
白
750ml
4,800 斜度52%の急斜面
○
セラン川左岸、モンマンよりも北西に位置する斜度52度の険しい東向きの畑。認知度の低い畑であるが、繊細かつミネラル感豊かな高品質のシャブリが造られる。ビオディナミ。
1er Cru "Vaulorent"
69U32 Chablis
シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴォロラン
2011
白
750ml
5,800 グラン・クリュと同じ丘
○
グラン・クリュと同じ丘に唯一存在するプルミエ・クリュ。グラン・クリュ・レ・プルーズの北に位置する畑。プルミエ・クリュとして品質は非常に高く、エレガントで繊細なワインを生み出す。
Grand cru Valmur
698B9 Chablis
シャブリ・グラン・クリュ・ヴァルミュール
2011
白
750ml
9,000
○
丘の上部に位置する13.2haのグラン・クリュ。畑は北西から南向きまで様々な角度に広がる。バランスの良いミネラル感としっかりとした骨格を持ち、長期熟成可能なワインが造られる。
Grand Cru "Bougros"
699B0 Chablis
シャブリ・グラン・クリュ・ブーグロ
2011
白
750ml
9,000
○
グラン・クリュ・ブーグロは口中に丸く広がり余韻の長いエレガントなワインを生み出す。また蜜の様にフローラルで豊かな香り。熟成を経る事で、更にその素晴らしさが増していく。
Grand Cru "Les Preuses"
699F2 Chablis
シャブリ・グラン・クリュ・レ・プリューズ
2011
白
750ml
13,500 卵型コンクリート容器使用
グラン・クリュの中でも特に長熟のポテンシャルがある。またシャブリらしい力強いミネラル感が支配する一方でエレガントさも兼ね備えている。熟成には「ウッフ」と呼ばれる卵型容器が使用されている。ビオディナミ。
○
TOP
Bourgogne
Frederic Magnien
Morey Saint Denis
フレデリック・マニャン
| 25
「岩」「粘土」「鉄」テロワールの探究を続けるネゴシアン
各誌で高評価“マニャンは変わった!”
ここ数年でフレデリック・マニャンのワインの評価は驚くほど高くなってい
る。確かに時代の流行もあり2000年代初めのフレデリックのワインは
樽香が全面に出
た力強いタイプの
ワインだった。しか
し最近の彼のワイ
ンにはテロワール
の個性がストレー
トに表現されたピ
ュアな果実味が
ある。ボーヌの醸
造学校を卒業し
た後、フランスの
みならず世界各
国でワイン造りを学び、実家に戻ったのが1993年。その後1995年に
は自分の理想のワインを造るため、自身の名前を冠したネゴシアンワイ
ンの生産を始めた。より高品質のワインを造る為には、常に探究心を持
ち努力し続けなくていけない。彼のワインのスタイルが変わってきたのも、
テロワールを探究しワイン造りに専心してきた努力の結果であろう。実
際に年々彼のワインの評価は上がり、2012年版のベタンヌ・ドゥソーブ
両氏のワインガイドでは、ネゴシアンとしては最高評価の BD マーク4つ
を獲得した。非常に喜ぶべき事だが、当の本人はいたって冷静で、
黙々とワインを造り続けている。
ネゴシアンである事の優位性を活かす
『かつて研修したカレラではピ
ノ・ノワールを造るために粘土
石灰質土壌がある土地を探
し回らなければならなかった。
しかし私達には探さずともそ
れが足元にある』カリフォルニ
アでブルギニヨンであることを
再認識させられたのだという。
『しかし、ブルゴーニュの特殊
性を意識できているブルゴー
ニュ人が実は非常に少ない』
テロワールの価値を十分に理
解している生産者の少なさに
危機感を感じているよう。フレ
デリックが自分のワインを、し
かもネゴシアンワインを造ろう
と決心した大きな理由は、ブルゴーニュという特殊な土地において、生
産者の趣向や時々のトレンドを追うものではなく、異なるテロワールの個
性が自然な形で引き出されているワインを造りたかったのだと言う。そ
れは限られた畑のみを所有するドメーヌでは限界があった。『ネゴシア
ンであるが故に、自分の望むテロワールを表現したワインを造る事が出
来る』その為になによりも大事なのは、畑選びである。『朝日が一番早く
当たる区画(=日照量に恵まれた区画)を厳選する』新しい畑を探す
際はお気に入りの自転車で陽の昇る前から畑に行く。そして朝日が上り
始め、最初に陽が当たる畑を中心に土壌を見極めながら区画を選ぶ。
クリュの境界線は完璧に頭に入っていて、下層の土壌についても熟知
している。テロワールに拘り始めた頃から自然に葡萄畑を立体的にイメ
ージできるようになったのだという。その中で最重要視するのが樹齢。4
0年以上のヴィエーニュ・ヴィーニュを中心に厳選する。『テロワールを
表現するにはやはり樹齢が高く、根のしっかりと張った樹を選ばなけれ
ばならない。仕立てはできる限りコルドン・ド・ロワイヤルを選ぶ』(グイヨ
に比べてコルドンは収量が低く品質に差が出るからだ。)細かに観察し、
決めた畑は所有者に直接交渉を持ちかけ、所有者がバルクワインとし
て販売した金額を上回る代金を支払う。こうしてネゴシアンであることの
メリットを最大限に生かし、ワイン造りを行っているのだ。
限りなくドメーヌに近いネゴシアン
マニャンは葡萄耕作会社を設立し、契約した一部の畑での葡萄栽培
を、自身を含めた自前のスタッフで行うようになっている。つまり土地の
所有をしていないだけで、剪定から収穫まで全てフレデリックの意思と
タイミングで行う事が出来るのである。また畑の所有者が自ら葡萄栽
培を行う場合でも常にフレデリックが足を運んで作業を細かく指示して
いる。こうする事でドメーヌに劣らない高品質の葡萄を手に入れられる。
全てはテロワールへの大きな拘りがあるからだ。フレデリックのテロワー
ルへのこだわりは“クール・ド・ロッシュ(岩盤)”“クール・ダルジール(粘
土)”“クール・ド・フェール(鉄)”という土壌のタイプを表記したキュヴェ
を造っている事からも分かる。『テロワールは AOC 法だけで区別出来
るものではない』例えば彼が本
拠地とするモレ・サン・ドニ村で
は、Combe(コンブ)と呼ばれる
小さな谷があるが、その谷が形
成された際の氷河の動きによ
る堆積物は場所によって大きく
異なる。北側は石灰及び鉄分
が多いが、南側は粘土分が非
常に多い 。マニャンが手掛る
AC モレ・サン・ドニの区画は、
雨の日に歩くと靴の裏にねっと
りと張り付く程に粘土分の多い
土壌で、そこからは骨格のしっ
かりとした男性的なワインが生
まれる。そのテロワールの特徴
を楽しんで貰う為に、キュヴェ
名は“モレ・サン・ドニ≪クール・
ダルジール≫”としているのだ。これらのキュヴェを飲み比べると、土壌
がワインにもたらす要素を実感する事ができ非常に興味深い。ネゴシア
ンを立ち上げてから既に15年以上経つが、フレデリックはまだ40歳を
過ぎたばかり、これからのブルゴーニュを担う若手として、今後も素晴ら
しい飛躍が期待できる造り手である。
商品記号
| 26
ワイン
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
de Bourgogne "Blanc de Noirs" Extra Brut
69B27 Cremant
クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブラン・ド・ノワール・エクストラ・ブリュット
N.V
泡
750ml
3,900 ピノ・ノワール100%
Chardonnay
698G2 Bourgogne
ブルゴーニュ・シャルドネ
2013
白
750ml
3,400
Pinot Noir
696H3 Bourgogne
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
新入港
2013
赤
750ml
3,400
de Nuits Blanc "Coeur de Pierres"
696H5 Cote
コート・ド・ニュイ・ブラン・ "クール・ド・ピエール"
新入港
2013
白
750ml
4,500
2012
赤
750ml
4,200 "岩盤"土壌の特徴を表現
2012
赤
750ml
4,900
2012
赤
750ml
4,200 "粘土"土壌の特徴を表現
2012
赤
750ml
4,900
Chambertin Vieilles Vignes
691D1 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
2012
赤
750ml
6,600 樹齢55年以上の古樹
Chambertin 1er Cru "Coeur de Roches"
69U95 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ"クール・ド・ロッシュ"
2011
赤
750ml
9,800 "岩盤"土壌の特徴を表現
Chambertin 1er Cru "Lavaut St Jacques"
694G7 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラヴォー・サン・ジャック
2011
赤
750ml
13,800
Chambertin 1er Cru "Lavaut St Jacques"
691F3 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラヴォー・サン・ジャック
2012
赤
750ml
13,800
Chambertin 1er Cru "Cazetier"
694G6 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・カズティエ
2011
赤
750ml
13,800
Chambertin 1er Cru "Cazetier"
691F4 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・カズティエ
2012
赤
750ml
13,800
Chambertin Grand Cru
699F3 Charmes
シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ
2007
赤
750ml
24,000
Chambertin Grand Cru
691F5 Charmes
シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ
2012
赤
750ml
22,800
Chambertin Grand Cru
69Y65 Latricieres
ラトリシエール・シャンベルタン・グラン・クリュ
2005
赤
750ml
38,000
Clos de Beze Grand Cru
69C73 Chambertin
シャンベルタン・クロ・ド・ベズ・グラン・クリュ
2000
赤
750ml
38,000
Saint Denis Blanc "Les Larrets"
699B5 Morey
モレ・サン・ドニ・ブラン・レ・ラレ
2012
白
750ml
5,600 ピノ・ブラン、ピノ・ブーロ含む
2013
白
750ml
6,300 ピノ・ブラン、ピノ・ブーロ含む
Saint Denis "Coeur d'Argile"
694D6 Morey
モレ・サン・ドニ "クール・ダルジール"
2012
赤
750ml
6,200 "粘土"土壌の特徴を表現
Saint Denis 1er Cru "Clos Baulet"
694G8 Morey
モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・ボーレ
2008
赤
750ml
10,800
Saint Denis 1er Cru "Ruchots"
699F5 Morey
モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・ルショ
2007
赤
750ml
11,800
Mares Grand Cru
69W50 Bonnes
ボンヌ・マール・グラン・クリュ
2011
赤
750ml
30,800
Musigny Vieilles Vignes Bio Certifie
691D0 Chambolle
シャンボール・ミュジニー・ヴィエーユ・ヴィーニュ・ビオ・セルティフィエ
2012
赤
750ml
Musigny 1er Cru Les Charmes Vieilles Vignes
69X85 Chambolle
シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム・ヴィエイユ・ヴィーニュ
2011
赤
750ml
10,800
Musigny 1er Cru Les Charmes Vieilles Vignes
691F8 Chambolle
シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム・ヴィエイユ・ヴィーニュ
2012
赤
750ml
12,400
de Vougeot Grand Cru
69W51 Clos
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
2011
赤
750ml
21,800
de Vougeot Grand Cru
692F0 Clos
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
2012
赤
750ml
22,800
de Nuits Village "Coeur de Roches"
699A4 Cote
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ "クール・ド・ロッシュ"
de Nuits Village "Croix Violette"
699H2 Cote
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ "クロワ・ヴィオレット"
5月予定
"Coeur d'Argiles"
694D5 Marsannay
マルサネ "クール・ダルジール"
"Coeur de Violette"
699H1 Fixin
フィサン・クール・ド・ヴィオレット
Saint Denis Blanc "Les Larrets"
696H6 Morey
モレ・サン・ドニ・ブラン・レ・ラレ
5月予定
新入港
Romanee Vieilles Vignes
690D8 Vosne
ヴォーヌ・ロマネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
5月予定
2012
赤
750ml
Romanee "Aux Champs Perdrix"
699H0 Vosne
ヴォーヌ・ロマネ・オー・シャン・ペルドリ
5月予定
7,600 樹齢55年以上の古樹
2012
赤
750ml
10,000
2012
赤
750ml
12,800
Grand Cru
692F2 Echezeaux
エシェゾー・グラン・クリュ
2012
赤
750ml
24,800
Saint Georges 1er Cru "Thorey"
696G5 Nuits
ニュイ・サン・ジョルジュ・ブルミエ・クリュ・トレイ
2003
赤
750ml
16,000
Charlemagne Grand Cru
699F4 Corton
コルトン・シャルマーニュ・グラン・クリュ
2009
白
750ml
32,000
Charlemagne Grand Cru
69W53 Corton
コルトン・シャルマーニュ・グラン・クリュ
2011
白
750ml
23,800
Charlemagne Grand Cru
692F3 Corton
コルトン・シャルマーニュ・グラン・クリュ
2012
白
750ml
23,400
新入港
2013
白
750ml
8,000
1er Cru "Les Boucheres"
695G3 Meursault
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・ブシェール
2010
白
750ml
13,800
1er Cru "Les Perrieres"
69T05 Meursault
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・ペリエール
2007
白
750ml
14,800
1er Cru "Genevrieres"
69Y86 Meursault
ムルソー・プルミエ・クリュ・ジュヌヴリエール
2010
白
750ml
13,800
Montrachet
699A3 Puligny
ピュリニー・モンラッシェ
2012
白
750ml
7,600
2013
白
750ml
8,400
2012
白
750ml
4,400
2013
白
750ml
4,800
Montrachet
696H8 Puligny
ピュリニー・モンラッシェ
新入港
Romain Blanc
699A1 Saint
サン・ロマン・ブラン
Romain Blanc
696H7 Saint
サン・ロマン・ブラン
新入港
村の中心の区画、繊細・エレガント
樹齢70年以上の古樹
村の中心の区画、繊細・エレガント
樹齢70年以上の古樹
9,400 樹齢55年以上の古樹
Romanee 1er Cru "Les Souchots"
692F1 Vosne
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スーショ
"Les Peutes Vignes"
696H4 Meursault
ムルソー・レ・プート・ヴィーニュ
コンブの中腹に位置
冷涼な区画
コンブの中腹に位置
冷涼な区画
斜面の中腹
石灰分の多い区画
斜面の上部
粘土の多い区画
在庫
◎
◎
◎
◎
△
×
○
×
○
○
△
◎
○
○
○
△
△
△
◎
◎
◎
△
○
○
◎
○
○
○
△
×
×
○
△
○
△
△
△
◎
○
△
△
◎
◎
◎
◎
TOP
Bourgogne
Camus Pere & Fils
Gevrey Chambertin
カミュ・ペール・エ・フィス
| 27
180年の歴史を持つジュヴレ特級畑最大の所有者
ジュヴレ特級畑の最大所有者
1850年代から既にカミュ家では葡
萄栽培が行われていた。現当主ユ
ベールは16.8ヘクタールを所有。
その約2/3は特級畑で、これはジュ
ヴレ・シャンベルタン村において最大
の地主の一人だ。1981年から200
4年の長期間 INAO の地域代表を
努めた。更に1993年には IBV(ブル
ゴーニュワイン事務局)の局長となる
など、地元民の人望も厚く責任感の
強い人物。このドメーヌでは生産量の
約70%をドメーヌで元詰めし、残りはネゴシアンに販売。現在は娘のエ
ディーとの二人三脚でドメーヌを運営している。
“50年間変わらない”シンプルな醸造方法
ユベールのワイン造りは至って
シンプル。発酵時の温度調節
機の導入はなされたが、基本
的には約50年間なにも変わっ
ていない。40年を超える葡萄
樹から産まれる健全な葡萄は
収穫後100%除梗され、1週
間から10日の1次発酵に入る。
ルモンタージュとピジャージュを1日1回行い、ユベールお気に入りの1
920年製のプレス機でゆっくりプレスされたワインは15~18ヶ月、樽
熟成。新樽の比率は平均で25%(グラン・クリュに関しては約50%)。
商品記号
できるかぎりシンプルに。人為的介入を最小限に抑え、1つ1つの作業
を丁寧に行うことでブルゴーニュの、シャンベルタンの威厳が生まれる
と言う。ユベールにとっては何も特別なことはないが今のブルゴーニュ
においては非常に稀有な存在かもしれない。
純粋に土地の魂をワインに宿す
彼らは自身のワインに対する評価を真摯に受け止め敬意を表している。
数々の賞賛の声があると同時に、『現代風でない』彼等のワインに対す
るマイナスの評価も多々存在する。『私達は年間数十万本を生産して
いるわけではありません。ずっと続けているものはシャンベルタンという
特別な土地の魂をワインに宿すこと。伝統に拘るのもそのためで、それ
がクラシックな味わいと評価されるのは当たり前のこと。それでも我々
のワインを認めてくれる人たちがいるのはとてもありがたいし、その人た
ちのためのワイン造りが
今後も続けられれば
幸せです』控えめな口
調ながらカミュ親子の
この一言には彼らの信
念が垣間見えるよう。
濃縮感よりエレガントさ
を感じさせるワイン。力
強さより優しく長い余
韻。奥に潜む、味わい
の存在感は、ワイン全
体にエネルギーを与えているようにも思える。それを発見したとき、この
ドメーヌの本当の評価ができるのではないだろうか。
ワイン
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
Chambertin
69S34 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン
新入港
2001
赤
750ml
6,800
Chambertin
69791 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン
新入港
2002
赤
750ml
6,800
Chambertin
691C6 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン
新入港
2007
赤
750ml
7,200
Chambertin
69573 Charmes
シャルム・シャンベルタン
新入港
1997
赤
750ml
11,000
Chambertin
69Q44 Charmes
シャルム・シャンベルタン
新入港
1998
赤
750ml
10,500
Chambertin
69J70 Charmes
シャルム・シャンベルタン
新入港
2000
赤
750ml
11,000
Chambertin
69S33 Charmes
シャルム・シャンベルタン
新入港
2001
赤
750ml
10,800
Chambertin
69J71 Charmes
シャルム・シャンベルタン
新入港
2002
赤
750ml
11,000
Chambertin
69693 Charmes
シャルム・シャンベルタン
新入港
2004
赤
750ml
10,800
Chambertin
69Q45 Mazoyeres
マゾワイエール・シャンベルタン
新入港
2000
赤
750ml
9,200
Chambertin
69L52 Mazoyeres
マゾワイエール・シャンベルタン
新入港
2001
赤
750ml
9,400
2003
赤
750ml
14,800
Chambertin
69Y60 Latricieres
ラトリシエール・シャンベルタン
69Y56 Chambertin
シャンベルタン
新入港
2007
赤
750ml
20,000
696G6 Chambertin
シャンベルタン
新入港
2008
赤
750ml
22,000
メモ
在庫
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
TOP
Bourgogne
Philippe Pacalet
Beaune
フィリップ・パカレ
| 28
学術的根拠に基づくワインの造り手
ジュール・ショヴェ、マルセルに学ぶ
今やブルゴーニュの生産
者として筆頭に名前が挙
がる生産者となったフィリッ
プ・パカレ。ボジョレー出身
で、代々続く栽培・醸造家
の家系で育った。ボジョレ
ーの代表者故マルセル・
ラピエールを叔父に持つ。
幼い頃からマルセルと接し
ワインに関して多くの事を
学んだ。ブルゴーニュ・デ
ィジョン大学で醸造学を学
んでいた時にマルセルの
紹介でボジョレーの醸造家
であり高名な醸造科学者
でもあるジュール・ショヴェ
と知り合う。化学物質を使
わない自然なワイン造りを
行っていたショヴェ氏のも
と大学で『自然栽培と酵母』『土壌と酵母』についての研究を共に深め
ていく。卒業後は、ビオロジック農法団体『ナチュール・プログレ』で2年
程務めた後に、ドメーヌ・プリューレ・ロックの醸造及び販売責任者とな
った。2001年までの間10年に渡って働いたがこの間にロックのワイン
の評価は世界的に高まり、それと共にパカレの名声も上がっていった。
その後自身でワイン造りを始め、2001年が初ヴィンテージである。
野性酵母がワインにテロワールを表現する
パカレは自ら畑を持たずに賃貸契約畑でワインを仕上げる。しかし畑の
台木選びから醸造まで徹底したこだわりを持っている。2007年からは
自社で葡萄耕会社を設立。畑仕事のプロフェッショナル達が、パカレの
指示のもとで最適な作業を行う。『彼らに畑での作業を任せる事でより
丁寧な畑での作業が可能になった。お陰で自分はより醸造に専念する
事が出来る』収穫時にもパカレの収穫専門のチームを作り、収穫には
厳しい選果の基準を徹底的に指示する。『除草剤や除虫剤を使えば
畑での仕事は楽になる。でもそれはドーピングをするようなもの。葡萄
樹を栄養過多にして病気への抵抗力を落としてしまう。何より大切な
畑の酵母を死滅させてしまう事に繋がる』パカレが常に重視するのが畑
に生息する野生酵母の働き。土壌のミネラル分をテロワールとしてワイ
ンに表現する為にはこの野生酵母が不可欠と考えるからだ。その為に
土中の酵母を減らしてしまう化学薬品の使用は一切行わない。使用
するのは硫黄、及びオリゴを多く含む植物性調剤や、マグネシウムを含
むシリス等。発酵はセミ・マセラシオンカルボニック方式による全房発
酵。酵母の自然な働きを促す為に、発酵中の温度管理は行わないよ
うにしている。各区画に存在する酵母は約30種。それぞれが働く時期
は発酵の段階により異なると共に引き出すテロワールの風味も異なる。
人為的に温度コントロールすると、一部の酵母しか働かずに“単純”な
味わいのワインになってしまうからだ。『人口酵母では一種類の酵母し
か活動しない。ワインの持つ複雑な要素を引き出せず、どのワインも同
じ味わいにしてしまう』発
酵初期には、人がトロン
コニック型の発酵桶に
入り優しく葡萄をつぶし
ていく。アルコール発酵
を終えた後は、228Lの
樽でマロラクティック発
酵及び熟成。熟成中は
出来るだけ酸素との接
触を避け、澱と接触した
"還元的な状態“におい
ておく。『ワインの一部で
ある澱は胎盤の様なも
の。澱がゆっくりとワイン
を育てていく』熟成中は
定期的に試飲を行い、
途中でワインの入った樽
を転がす事で澱とワインを攪拌していく。自生酵母の働きを阻害するS
O2は醸造中には一切添加せず、瓶詰め前に必要最低量のみ添加。
瓶詰めはブルゴーニュ・ルージュからグラン・クリュまで、全て手作業で
行っている。
「ワイン造りは全て化学で証明出来る」
“自然派”の代表者として語られる事の多いフィリップ・パカレだが、実
際には自身が行うワイン造りは全て化学で証明出来ると考える理論派。
彼のワインに関する話はまるで学校の講義を聞いているかの如く分かり
易い。『不要な化学製品を排除する為に、造り手はワインに関する化
学を徹底的に知り抜くべき』という師匠ジュール・ショヴェの考えを継承
している。最近のヴィンテージでは、“Le guide des meilleurs vins de
france ル・ギッド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2013”等伝統的
なワインガイドにも他の著名な造り手と共に名前が挙げられるようになっ
た。妄信的な彼のワインファンによって『自然派の代表』として語られ過
ぎてしまったが、今のパカレは真の“ブルゴーニュ・ワイン”を追求する
造り手となった。『人口酵母の使用や近代設備での醸造を悪いとは思
わない。ただ
私が造りたい
のは伝統的
なスタイルの
“本物の”ブ
ルゴーニュ・
ワイン。その
為の手段が
自生酵母の
使用であり、
醸造における
SO2を使わ
ないというだ
けの事だ』
商品記号
ワイン
ヴィンテージ 色
Aligote
696G7 Bourgogne
ブルゴーニュ・アリゴテ
新入港
Pinot Noir Rouge
697G9 Bourgogne
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ルージュ
Pinot Noir Rouge Vieilles Vignes
698G0 Bourgogne
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
サイズ
参考上代
メモ
ピュリー・モンラッシェ村
樹齢55年の古樹
2013
白
750ml
8,600
新入港
2013
赤
750ml
7,000
新入港
2013
赤
750ml
9,000 ヴォーヌ・ロマネ村の区画
新入港
2013
白
750ml
13,800
Chambertin
691H3 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン
6月予定
2013
赤
750ml
12,800
Chambertin 1er Cru "La Perriere"
691H4 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラ・ペリエール
6月予定
2013
赤
750ml
21,000
Chambertin 1er Cru "Bel Air"
691H5 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ベル・エール
6月予定
2013
赤
750ml
21,500
Chambertin 1er Cru "Lavaux Saint Jacques"
691H6 Gevrey
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラヴォー・サン・ジャック
6月予定
2013
赤
750ml
23,000
Chambertin Grand Cru
691H7 Charmes
シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ
6月予定
2013
赤
750ml
44,000
Chambertin Grand Cru
691H8 Rochottes
ルショット・シャンベルタン・グラン・クリュ
6月予定
2013
赤
750ml
47,000
Musigny
691H9 Chambolle
シャンボール・ミュジニィ
6月予定
2013
赤
750ml
15,600
2012
赤
750ml
17,000
Chablis 1er Cru "Beauroy"
| 29 696G9 シャブリ・プルミエ・クリュ・ボーロワ
Musigny 1er Cru
69Z19 Chambolle
シャンボール・ミュジニィ・プルミエ・クリュ
Musigny 1er Cru
692H0 Chambolle
シャンボール・ミュジニィ・プルミエ・クリュ
6月予定
2013
赤
750ml
21,800
Romanee
692H1 Vosne
ヴォーヌ・ロマネ
6月予定
2013
赤
750ml
17,800
Romanee 1er Cru Les Chaume
692H2 Vosne
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ショーム
6月予定
2013
赤
750ml
24,000
Grand Cru
692H3 Echezeaux
エシェゾー・グラン・クリュ
6月予定
2013
赤
750ml
44,000
2012
白
750ml
14,000 ピノ・ブラン100%
Saint Georges Blanc
69Z08 Nuits
ニュイ・サン・ジョルジュ・ブラン
Saint Georges Blanc
697G6 Nuits
ニュイ・サン・ジョルジュ・ブラン
新入港
2013
白
750ml
16,800 ピノ・ブラン100%
Saint Georges
692H4 Nuit
ニュイ・サン・ジョルジュ
6月予定
2013
赤
750ml
13,800
Saint Georges 1er Cru "Aux Argillas"
692H5 Nuits
ニュイ・サン・ジョルジュ・ブルミエ・クリュ・オー・アルジラ
6月予定
2013
赤
750ml
18,900
Vergelesses
698G1 Pernand
ペルナンベルジュレス
新入港
2013
赤
750ml
10,500
Charlemagne Grand Cru
697G8 Corton
コルトンシャルルマーニュ・グラン・クリュ
新入港
2013
白
750ml
44,000 樹齢60年の古樹
2012
赤
750ml
13,500
1er Cru "Les Perrieres"
69Z26 Beaune
ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・ペリエール
1er Cru "Les Perrieres"
692H6 Beaune
ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・ペリエール
6月予定
2013
赤
750ml
16,800
692H7 Pommard
ポマール
6月予定
2013
赤
750ml
13,000
2012
赤
750ml
14,000
Cru "Les Arvelets"
69Z28 Pommard1er
ポマール・プルミエ・クリュ・デ・ザルヴレ
1er Cru "Les Arvelets"
692H8 Pommard
ポマール・プルミエ・クリュ・レザルヴレ
6月予定
2013
赤
750ml
17,800
1er Cru "Clos Gauthey"
696G8 Monthelie
モンテリー・プルミエクリュ・クロ・ゴティ
新入港
2013
白
750ml
13,400
697G0 Meursault
ムルソー
新入港
2013
白
750ml
15,400
1er Cru "Charmes"
697G1 Meursault
ムルソー・プルミエクリュ・シャルム
新入港
2013
白
750ml
22,800
1er Cru "Charmes"
697G2 Meursault
ムルソー・プルミエクリュ・シャルム
完売
2013
白
750ml
22,800
Montrachet
697G4 Puligny
ピュリニー・モンラッシェ
新入港
2013
白
750ml
16,800
Montrachet
697G3 Chassagne
シャサーニュ・モンラッシェ
新入港
2013
白
750ml
16,000 樹齢50年の古樹
Aubin 1er Cru "Les Murgers des dents de chien"
697G5 St
サン・トーバン・プルミエ・クリュ・ミュルジェ・デ・ダン・ド・シャン
新入港
2013
白
750ml
15,500
697G7 Rully
リュリー
新入港
2013
白
750ml
8,400
692H9 Cornas
コルナス
6月予定
2013
赤
750ml
12,800
2013
白
750ml
5,400
de Provence
699B6 Cotes
コート・ド・プロヴァンス
ロール100%、新キュヴェ
友人の葡萄のみ使用
在庫
△
△
△
△
×
×
×
×
×
×
×
△
×
×
×
×
△
△
×
×
△
△
△
×
×
△
×
△
△
△
×
△
△
△
△
×
○
TOP
Bourgogne
Fanny Sabre
Pommard
ファニー・サーブル
| 30
フィリップ・パカレに学んだ若手女性醸造家
フィリップ・パカレに10代から師事
30歳の女性醸造家ファニー・サ
ーブル。先代の父が2000年に急
逝し、2006年に22歳の若さでドメ
ーヌを継承した。造り手を突然失
ったドメーヌを支えたのが、当時プ
リューレ・ロックの醸造長を辞め、
自らのネゴシアンを立ち上げてい
たフィリップ・パカレ。子供達に畑を
残したいと考えたファニーの母が
パカレにコンサルタントを依頼した
のだ。『フィリップ・パカレと出会えた
のは本当に幸運だった。彼のお陰
で質より量を重視していた父のワイ
ン造りから脱却し、品質主義に方向を転換出来た』ファニーの父が所
有していた畑はパカレの指導の元で、徐々に本来のポテンシャルを取
り戻していった。醸造面でもパカレによって野性酵母の使用、全房発酵
が導入。父とは180度異なるパカレのワイン造りを、当時まだ10代だっ
たファニーは、傍らで一から吸収していった。5年程パカレと共にワイン
造りを行った後、2006年からは完全に独立。現在ではファニーが自ら
ワイン造りを行っている。
1 キュヴェ=僅か3、4樽のみ
ファニーが所有する畑は約5ヘクタール。全てコート・ド・ボーヌに位置
する極小区画だ。父から受け継いだ畑に加えて少しずつ新しい畑も買
い足している。『小さくても良質の区画だけを選んでいる。キュヴェの数
が増えてしまい大変だけど、大きなやりがいがあるわ。複雑なテロワー
ルを持つブルゴーニュに生まれた事を、造り手として誇りに思う』基本
的に栽培・醸造はファニーがたった独りで行っている。造っているのは
全部で18キュヴェ。平均すると各キュヴェは僅か3~4樽程しかない。
その為一部のキュヴェは予約の時点で既に売り切れてしまう。『ヴァン・
商品記号
Aligote
691F1 Bourgogne
ブルゴーニュ・アリゴテ
ナチュールと呼ばれるワインは、時にAOCの個性を消してしまいがち。
でもどの様な造りをしていても、ポマールであればポマールの味わいが、
ムルソーであればムルソーの味わいがするべきだと思うの』ファニーは
ワインにテロワールとヴィンテージの特徴を率直に表現する。年によっ
てはピノ・ノワールがロゼの様な淡い色調に仕上がる事もあるが、醸造
による修正は決して行わない。『私にとってポマールは頑固な男性。ボ
ーヌは軽快に踊るダンサーのイメージ』ヴィンテージの特徴がありながら
も、各クリュの変わらない個性は常に一貫して感じられる。コート・ド・ボ
ーヌのテロワールを再確認出来る様なワイン。
今後のボーヌを代表する女性醸造家
『最近は少しずつ自分が望むワインの造り方が定まってきた。フィリッ
プ・パカレに教わった事
を基本にして、独自の
手法も取り入れて行き
たい』現在もパカレと同
様に全房で発酵を行う
が、ここ数年はマセラシ
オン時の二酸化炭素
注入は行わないように
なった。白は空圧式プ
レス機で搾った後に、5
00Lの樽で発酵・熟成。赤は開放型の木樽とコンクリート・タンクでアル
コール発酵。糖度が2,3g残った状態でバリック樽に移して引き続き
発酵を行う。『赤は若干の糖を残して樽に移しアルコール発酵を続け
る事で、発生する二酸化炭素がワインを酸化から保護してくれる。また
より状態が安定するので、マロラクティック発酵もスムーズに進む事に
気づいたの』既に10ヴィンテージ以上を重ねた経験による自信が、近
年のファニーのワインには表れている。今後ブルゴーニュを代表する女
性醸造家になるに違いない期待の造り手だ。
ワイン
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
2013
白
750ml
4,200
Blanc
691F0 Bourgogne
ブルゴーニュ・ブラン
2013
白
750ml
4,400 ムルソーに接する区画
Rouge
691F2 Bourgogne
ブルゴーニュ・ルージュ
2013
赤
750ml
4,400 ポマール周辺の区画
Cote de Beaune Rouge
699A5 Haut
オー・コート・ボーヌ・ルージュ
2012
赤
750ml
4,600
Rouge
695H8 Beaune
ボーヌ・ルージュ
新入港
2013
赤
750ml
6,400
1er Cru Rouge
696H2 Beaune
ボーヌ・プルミエ・クリュ・ルージュ
新入港
2012
赤
750ml
8,400
Les Beaune Rouge
699A9 Savigny
サヴィニィ・レ・ボーヌ・ルージュ
2012
赤
750ml
6,000
Beaune 1er Cru "Vignes Franches"
690B3 ボーヌ・プルミエ・クリュ・ヴィーニュ・フランシュ
2010
赤
750ml
8,400
2013
赤
750ml
7,600
2011
赤
750ml
7,400 一部1er Cruを含む
2013
赤
750ml
7,800
Rouge
690B0 Monthelie
モンテリー・ルージュ
2011
赤
750ml
6,200
"Sous La Velle"
699A7 Meursault
ムルソー・スー・ラ・ヴェル
2012
白
750ml
8,400 村の南側、中心に近い区画
1er Cru "Les Charmes"
699A8 Meursault
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム
2012
白
750ml
695H9 Pommard
ポマール
新入港
Vielles Vignes
690B2 Pommard
ポマール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
696H1 Volnay
ヴォルネイ
新入港
ピュリニィ・モンラッシェとの
13,400 境界の区画
在庫
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
TOP
Bourgogne
Roux pere et fils
Saint Aubin
ルー・ペール・エ・フィス
| 31
“樽発酵・樽熟成”伝統的ブルゴーニュ
130年続くコート・ド・ボーヌの老舗
ルー・ペール・エ・
フィスの初代が葡
萄栽培を始めたの
は1885年。130
年以上コート・ド・
ボーヌでワイン造り
を行ってきた老舗
メゾンだ。『大事な
のは家族が130
年培ってきた想い
や技術を忘れない
事。ルーのワインの味わいは家族の歴史』5代目のセバスチャン・ルー。
醸造を担当する弟マチューと共にメゾンを運営している。栽培から販
売までの各部門は7人の家族で分担。ブシャール・ペール・エ・フィス
社やルイ・ジャド社のように大手企業の資本が入る事が多いブルゴー
ニュのメゾン・ドメーヌとしては非常に珍しい。『ルー・ペール・エ・フィス
のスタイルを守っていく為には家族経営であることは重要。今後も続け
て行きたい』
隠れた銘醸地AOCサン・トーバン
拠点とするのはAOCサン・トーバン。ピュリニー・モンラッシェとシャサー
ニュ・モンラッシェを分けるコンブ(峡谷)の奥に広がるAOCだ。一部の
畑はピュリニー・モンラッシェと同じ丘に位置。モンラッシェの特級畑か
らは50メートル程しか離れていない区画もある。『周辺の産地に比べ
て無名 の産地 だ
ったが、10年程
前から品質の高
さに注目が集まっ
ている。コート・ド・
ボーヌでも最も可
能性のあるAOC
だと思っている』
サン・トーバンはコ
ンブ(峡谷)から
の堆積物の影響
で、周辺よりも複
雑な傾斜と土壌を持つ。村の入り口付近でピュリニーモンラッシェに接
する周辺は白色泥灰土。粘土と石灰のバランスが良く、骨格とミネラ
ルを合わせ持つバランスの良いワインに仕上がる。一方で村の奥に広
がる周辺は白色石灰が多い。軽やかな酸と細く長い余韻が特徴の白
ワインに仕上がる。丘の下部に広がる褐色粘土土壌では、程良い厚み
とミネラルを持つバランスの良い赤が造られる。『2014年にはサンヴァ
ンサン祭りがこの村で行われもっと注目が集まる。サン・トーバンは私達
家族の魂がある所。このAOCの品質の高さをもっと知って貰いたい』
現在ではサン・トーバンを中心に13の村に70haを所有する。所有畑
にはモノポールの“ムルソー・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ポリュゾ”も含む。
ネゴシアンとしては47の栽培家と長期契約を結んで葡萄を購入。年
毎の作柄に影響される事なく葡萄を買い続ける事で信頼関係を築き、
ドメーヌと同じ品質の葡萄を手にいれる事が出来ている。
”樽発酵・樽熟成“で仕上げる
栽培・醸造を担当するのは
セバスチャンの弟マチュー。
醸造は伝統的なブルゴー
ニュ手法によりオーク樽で
発酵・熟成を行う。新樽比
率は多くても30%。熟成
期間は区画やヴィンテージ
によって調整する。樽の中
でゆっくりと空気と触れあい
ながら醸造・熟成させる事
で、ワインは自然な柔らか
さと特有な口当たりの良さ
を持つ。『ブルゴーニュで
新樽の使用がもてはやされた時代も、父達は伝統的な醸造方法を変
えようとはしなかった。私達が造るのは樽やアルコールの高さに支えら
れたワインでは無い。祖父や曽祖父が造っていた当時と変わらない、
本来のブルゴーニュの味わいを持つワイン』サン・トーバン村に数ヵ所あ
るセラーには、ブルゴーニュ樽が整然と並んでいる。マチューは毎日セ
ラーに通い、キュヴェ毎に発酵・熟成の状態を確認している。
『私達のワインは
飲み疲れする事
なくゆっくりと楽し
める。それこそが
ブルゴーニュワイ
ンの本来の姿だ
と思っている』彼
らのワインは作
為が全く無い。
純粋・無垢でワ
インそのものの
姿が素直に伝わ
ってくる。古き良き時代のブルゴーニュを彷彿されてくれるワインだ。
商品記号
ワイン
Chardonnay "Les Murelles"
698C1 Bourgogne
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・ミュレル(ドメーヌ)
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
サン・トーバン村、ピュリニィ・
モンラッシェ村の葡萄を使用
サン・トーバン村、ピュリニィ・
モンラッシェ村の葡萄を使用
2013
白
750ml
3,400
Pinot Noir "La Moutonniere"
693D8 Bourgogne
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ラ・ムートニエール(ドメーヌ)
2013
赤
750ml
3,400
Musigny
694G0 Chambolle
シャンボール・ミュジニー(ドメーヌ)
2012
赤
750ml
8,800
2008
赤
750ml
13,600 レ・シャルムに隣接した区画
4月予定
2012
赤
750ml
13,600 レ・シャルムに隣接した区画
完売
2010
赤
750ml
26,800
2009
赤
750ml
13,200 GCの東側に隣接する小区画
新入港
2012
赤
750ml
13,200 GCの東側に隣接する小区画
完売
2010
赤
750ml
26,800
Corton
69U27 Aloxe
アロックス・コルトン(ドメーヌ)
2009
赤
750ml
6,800
Charlemagne Grande Cru
690C4 Corton
コルトン・ シャルルマーニュ・ グラン・クリュ
2011
白
750ml
23,000
Montee Rouge
69U25 Beaune
ボーヌ・モンテ・ルージュ(ドメーヌ)
2011
赤
750ml
5,200 斜面の最上部の区画
69U29 Pommard
ポマール
2011
赤
750ml
7,000
1er Cru "Grands Epenots"
690C2 Pommard
ポマール・プルミエ・クリュ・ グラン・ゼプノ
2012
赤
750ml
698C3 Meursault
ムルソー
2013
白
750ml
1er Cru "Gouttes d'Or"
69U21 Meursault
ムルソー・プルミエ・クリュ・グット・ドール
2011
白
750ml
13,400 石灰岩盤、ミネラル
1er Cru "Clos des Poruzot"
69U22 Meursault
ムルソー・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ポリュゾ(ドメーヌ)
2011
白
750ml
15,200 ポリュゾの上部の小区画
Montrachet
696F8 Puligny
ピュリニィ・モンラッシェ(ドメーヌ)
2013
白
750ml
9,200
Chambolle Musigny 1er Cru "Aux Combottes"
| 32 69U31 シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・オー・コンボット(ドメーヌ)
Musigny 1er Cru "Aux Combottes"
697H8 Chambolle
シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・オー・コンボット(ドメーヌ)
de la Roche
69V13 Clos
クロ・ド・ラ・ロッシュ
1er Cru "Les Petits Vougeots"
690C3 Vougeot
ヴージョ・プルミエ・クリュ・レ・プティ・ヴージョ(ドメーヌ)
1er Cru "Les Petits Vougeots"
694G1 Vougeot
ヴージョ・プルミエ・クリュ・レ・プティ・ヴージョ(ドメーヌ)
de Vougeot
69V14 Clos
クロ・ド・ヴージョ
13,400 ポマール最良の1er Cru
8,400
モノポール
Montrachet
696F9 Chassagne
シャサーニュ・モンラッシェ(ドメーヌ)
6月予定
2013
白
750ml
8,600
Montrachet "Les Chenes"
697H9 Chassagne
シャサーニュ・モンラッシェ・レ・シェーヌ(ドメーヌ)
4月予定
2013
赤
750ml
7,000 樹齢60年以上の古樹
Montrachet 1er Cru "Les Macherelles"
69U18 Chassagne
シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル(ドメーヌ)
2011
白
750ml
13,200 ピュリニィ側の区画
Aubin "La Pucelle"
693D9 Saint
サン・トーバン・ラ・ピュセル(ドメーヌ)
2013
白
750ml
5,000 石灰質、軽やか
Aubin "L'Ebaupin"
69X93 Saint
サン・トーバン・レボーパン(ドメーヌ)
2011
赤
750ml
4,400 石灰質、軽やか
Aubin "l'Ebaupin"
69Z36 Saint
サン・トーバン・レボーパン(ドメーヌ)
2012
赤
750ml
4,400 石灰質、軽やか
Aubin 1er Cru "Les Cortons"
698H0 Saint
サン・トーバン・プルミエ・クリュ・レ・コルトン(ドメーヌ)
4月予定
2013
白
750ml
7,200
Aubin 1er Cru "Les Frionnes"
697F0 Saint
サン・トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ(ドメーヌ)
6月予定
2013
白
750ml
6,800
2009
赤
750ml
6,800 斜面中腹の傾斜地
2012
赤
750ml
6,800 斜面中腹の傾斜地
"La Perriere"
69X94 Mercurey
メルキュレイ・ラ・ペリエール(ドメーヌ)
2012
赤
750ml
4,300
"Clos de Mollepierres"
69U19 Rully
リュリー・クロ・デ・モルピエール(ドメーヌ)
2011
白
750ml
4,400
"Clos de Mollepierres"
694D1 Rully
リュリー・クロ・デ・モルピエール(ドメーヌ)
2013
白
750ml
4,600
1er Cru "Beaurepaire"
690C1 Santenay
サン・トネイ・プルミエ・クリュ・ボールペール(ドメーヌ)
1er Cru "Beaurepaire"
698H1 Santenay
サン・トネイ・プルミエ・クリュ・ボールペール(ドメーヌ)
4月予定
在庫
◎
◎
◎
○
×
×
○
○
×
○
○
◎
◎
○
◎
○
○
◎
×
×
○
◎
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
◎
TOP
Bourgogne
Chevrot
Marange
シュヴロ
| 33
今後のAOCマランジュを担う新世代
コート・ド・ボーヌ最南端AOCマランジュ
コート・ド・ボーヌ最南端
のAOCマランジュ。数
多くあるブルゴーニュの
アペラシオンの中でも
指折りのマイナー産地。
しかし、AOCに認定さ
れてからの20年間マラ
ンジュはかつてない程
のスピードで進化を遂
げている。(かつてマラ
ンジュはコート・ド・ドー
ルの隣のソーヌ・エ・ロワール県に位置し、コート・ド・ボーヌの地図では
隣村のサントネイまでしか載っていなかった)3つの村の統合により198
9年、コート・ド・ボーヌ最南端のAOCとしてマランジュが誕生した。19
97年、サン・ヴァンサンの祭りがマランジュで開催されたのをきっかけ
に社会的にも認知されるようになった。ドメーヌ・シュヴロは日本人のか
おり・シュヴロさんが当主の奥様であることで日本ではお馴染みだが、も
ともと地場に密着し、堅実にワインを造り続けた実力派ドメーヌで、マラ
ンジュを表舞台に押し上げた功労者の1人。近年では全面ビオディナ
ミの採用に切り替えた。
2億年前の粘土石灰土壌
コート・ドールの南の玄関口であるマランジュ村は2億年以上前のジュ
ラ紀の土壌から成っており、シュヴロの所有する8haの畑もその時代の
商品記号
石灰土、粘土と白亜の混合土が表土を形成し、葡萄栽培には恵まれ
た環境にある。現在最も古いもので80年、平均で35年の畑では3代
に渡って自然環境に敬意を払い、土に息吹を吹き込むように丁寧に耕
作を行ってきた。(現在では完全有機栽培への移行も完了)化学的肥
料の不使用。トラクターを使用せず、馬による耕作によって土を固めな
いよう配慮。現在ドメーヌは3代目の兄パヴロと弟のヴァンサン、そして
パヴロの妻かおりさんによって運営される。家族経営ドメーヌ。ワインは
硬く、ファーストノーズからミネラルを感じさせる引き締まった味わいで
バランスの良さと伸びのあるフィニッシュが印象的。
樹齢45年の古木から生まれる長熟アリゴテ
マランジュ村のワインは圧
倒的に赤が多く、粘土成分
の多い土壌も黒葡萄に向
いている。しかし、シュヴロ
は白ワインでも注目を集め
ている。現当主パヴロの父
が自分の畑に植わる樹齢
の高いアリゴテに熟成の可
能性を感じ、酸を基調に伸
びのある余韻を持つワイン
に仕上げている。特に樹齢45年を超えるティユルは10年以上の熟成
も可能。また、マランジュ・ブランの畑はクロ・ド・タールが所有していた
優良畑。こちらも高い樹齢で長く有機栽培が実践された最高の環境と
なっている。
ワイン
ヴィンテージ 色
Aligote
698G5 Bourgogne
ブルゴーニュ・アリゴテ
2013
白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
3,200
在庫
○
4つの東向きの区画で計1.95ha。粘土石灰質。場所によってマグネシウム砂岩を含み、テロワールの異なる畑のアッサンブラージュは複雑味を増す。平均樹齢は25年。収量は50hl/haで全て手摘み。
Aligote Tilleul
698G7 Bourgogne
ブルゴーニュ・アリゴテ・ティユル
2012
白
750ml
5,200 樹齢45年の希少なアリゴテ
○
大変珍しく貴重な樹齢45年のアリゴテから造られる。 この貴重な樹を守るために今でも昔と変らぬ馬での耕作を続けている。収穫は他の畑より遅く、全て手摘み。
Pinot Noir
69Y52 Bourgogne
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
2011
赤
750ml
3,800 マランジュ周辺の区画
○
2012
白
750ml
4,200
○
2010
赤
750ml
4,200
○
2011
白
750ml
5,600
○
2010
赤
750ml
4,600 樹齢50年の古樹
○
粘土石灰質。平均樹齢40年の古樹。収量はACブルゴーニュとしては非常に少ない37hl/ha。
Cotes de Beaune Blanc
691B4 Hautes
オート・コート・ド・ボーヌ・ブラン
新入港
石灰岩の小石が表土を被う粘土石灰質。炭酸カルシウムを含む青色泥灰も見られ、より強いミネラル分を葡萄に与える。
Cotes de Beaune Rouge
69U77 Hautes
オート・コート・ド・ボーヌ・ルージュ
石灰岩の小石が表土被う粘土石灰質。収量ヘクタール辺り35hl/haにまで収量制限することで凝縮し、熟度の高い葡萄を得ている。
Blanc
69V69 Maranges
マランジュ・ブラン
ジュラ紀の低土に細かな石灰岩を含んだ粘土石灰質はシャルドネにとても適している。平均樹齢は40年の古樹。
Rouge "Sur le Chene"
691B5 Maranges
マランジュ・ルージュ・シュール・ル・シェーヌ
真南を向いた細かな石灰岩の多い粘土質。平均樹齢50年の古木が粒の小さいミネラル豊富な完熟した葡萄を産む。Sur le Chene (樫の木の上)の名は昔この畑の隣に樫の木が生殖していたことに由来。
1er cru "Les Clos Roussots"
69U78 Maranges
マランジュ・プルミエ・クリュ・レ・クロ・ルソ
1er cru "Les Clos Roussots"
699G0 Maranges
マランジュ・プルミエ・クリュ・レ・クロ・ルソ
新入港
2010
赤
750ml
6,200 斜面中腹、粘土主体
2011
赤
750ml
6,200 斜面中腹、粘土主体
○
○
マランジュで最も高名な区画の1つで平均樹齢50年以上の古木が植えられている。収量は20hl/haにまで抑え完熟した葡萄のみを収穫する事とで、凝縮感と独特な深みを持ったワインに仕上がる。
1er cru "Fussiere"
69Y53 Maranges
マランジュ・プルミエ・クリュ・フュシエール
2010
赤
750ml
6,000 斜面上部、石灰主体
○
灰色泥灰土壌と石灰泥土という2つの土壌の異なる区画の葡萄をアッサンブラージュして造られる。現在ビオロジックに転換中の畑。木樽で16カ月の熟成の後に清澄・濾過は行わずに瓶詰めされる。
1er cru "Le Croix Moines"
699G1 Maranges
マランジュ・プルミエ・クリュ・クロ・モワンヌ
新入港
2011
赤
750ml
8,800 斜面最上部の特別区画
灰色泥灰土壌と石灰泥土という2つの土壌の異なる区画の葡萄をアッサンブラージュして造られる。現在ビオロジックに転換中の畑。木樽で16カ月の熟成の後に清澄・濾過は行わずに瓶詰めされる。
○
TOP
Bourgogne
Joseph Burrier
| 34
Chateau de Beauregard
Fuisse
ジョセフ・ブーリエ/シャトー・ド・ボールガール
プイィ・フュイッセの探究者
モザイク様に複雑なプイィ・フュイッセのテロワール
マコネのワインはシン
プルで退屈なワインだ
と言う人がいる。確か
に平坦で焦点の定ま
らないワインに出会う
ことも多い。しかし一
度プイィ・フュイッセの
畑 を 見れば 、こ の 土
地の可能性にすぐ気が付くはずだ。不規則に入り組んで小さな丘状に
なった畑が連なり、土壌はアルカリ性が強く粘土の下には石灰岩が豊
富に含まれている。この変化に富んだテロワールを誠実に表現しようと
した時、マコン・ヴィラージュとは違う世界が広がる。ブーリエ家は5世
代に渡りブル
ゴーニュ南部
(マコネ・ボジ
ョレ地区)にお
いて、葡萄畑
を所有し、ワ
イン造りを営
んできた歴史
ある家系。15
世紀よりこの
地方にその名
を 残 し “ Les
Burrier” ( レ・
ブーリエ)と呼ばれるフュイッセ村から7km の村に位置する。マコネ・ボ
ジョレー地区において広大かつ良質の畑を所有することで知られ、そ
の中にはマコネ地区最高峰のひとつと名高いプイィ・フュイッセ・レ・メネ
トリエールやラ・マレショード、ボジョレー地区のグラン・クリュとも言える
丘の斜面に位置する樹齢80年以上のムーラン・ナヴァン・ラ・サロミン
などの畑も所有する。
フュイッセの代表を務めるなど、地
元生産者からも厚い信頼を得なが
ら積極的に活動を行っている。特に
この地に戻った後に彼が着手したの
は『クリマ(小区画)』の地図の作成。
今までになく詳しい土壌調査を行い、
各クリマの土壌特性が一目で分か
る様な詳細な地図を仕上げた。『コ
ート・ドールでの経験の後より“テロワ
ール”という概念を強く持つようにな
った。まずプイィ・フュイッセの複雑
なテロワールをしっかりと認識しなく
てはいけない。この土地からはコー
ト・ドールに比類する白ワインを造る
事が可能だ』
こだわりのキュヴェ“プイィ・フュイッセ・クラシック”
ジョセフ・ブーリエを代表するキュヴェがプイィ・フュイッセ・クラシック”。
生産量も多いベースとなるワインだが、最もメゾンが力を入れているキ
ュヴェだ。使用する葡萄樹の平均樹齢は30年以上。畑は有機肥料の
みで健全に保たれ、微生物のバランスがとても良い状態だと言う。葡
萄樹は地中深くまで根を張り巡らせワインにミネラルと骨格を与える。
収穫は勿論、全て手作業。年により異なるが約30
区画の葡萄をアッサンブラージュして仕上げる。
『大事なのはキュヴェに含まれる葡萄の出処をしっ
かりと把握する事。各クリマの個性を組み合わせる
事で、毎年安定した品質のワインに仕上げる事が
出来る』毎年フレデリックがアッサンブラージュを担
当するが、彼の頭の中にはその年のキュヴェに含
まれるクリマが全てインプットされているという。この
地のクリマを詳細に把握しているフレデリックだから
こそ仕上げられる究極の“プイィ・フュイッセ”だ。醸
造過程では昔ながらの直接的プレス機を使い果汁
のみならず、果皮のエキスを多少ワインに取り込ん
初めてプイィ・フュイッセの土壌を調査
でいる。今では空気圧を使って果皮や種子の影響
常にマコネ・ボジョレー地区のリーダー的存在として、そこに生きる『テロ
を極力排した果汁が好まれる傾向だが、ボールガ
ワールの個性』を引き出すことを目指し、妥協のないぶどう栽培を徹底
ールでは果皮由来の苦味、塩味、厚みを大切にし
してきた。その姿勢は現当主フレデリック・マーク・ブーリエにより更に強
ている。果皮成分(特にタンニン)を取り込み、通常
固なものとなり今のブーリエ家を支えている。リュット・レゾネを基本とし、
のプイィ・フュイッセよりも熟成に耐えうる酒質にな
農薬の使用を最小限にとどめ、土への風通しと水はけを考えた耕作と、
っていながら、若いうちでも、その果実感を隠すこと
樹が健康に深く、強い根を張るように一年の多くの時間を畑仕事のた
はない。3~5年程度の熟成期間を経ると、樹齢3
めに費やす。現当主フレデリック・マーク・ブーリエは若くから家業である
0年樹のパワフルながら老練な洗練されたブルゴーニュワインへと変化
ワイン造りの道を志し、ディジョン大学醸造学科を卒業、農業技士免許
を取得。その翌年にはリヨンの高等商業学校においてマネジメントを学 を遂げる。彼の造るワインは、アラン・デュカス、ジョルジュ・ブラン、ピエ
び、1988年ルイ・ジャドに入社。のちに輸出部長として、またワイン造り ール・ガニエールをはじめとする多くのトップレストランにオンリストされる
にも参加しながらメゾンの中心的存在として活躍。その後1999年、父 など、極めて高い評価を得るに至っている。
ジャック・ブーリエより家業を受け継ぎ当主となった。また AOC プイィ・
商品記号
ワイン
ヴィンテージ 色
Blanc Chevalier Frederic
69V70 Bourgogne
ブルゴーニュ・ブラン・シュヴァリエ・フレデリック
2011
白
サイズ
750ml
参考上代
メモ
3,000
在庫
○
プイィ・フュイッセ村周辺の6つの村にある計5haの畑。特に石灰質の多い畑にこだわっている。買い葡萄ながら先代からの付き合いで木の仕立てから剪定、収穫に至るまで細かな連携によって上質の葡萄を得る。平均樹齢3
5年。除梗はせず、昔ながらのセメントタンクにて3週間、ゆっくりと時間をかけてマセラシオン、発酵。
Vergisson
694D3 Macon
マコン・ヴェルジッソン
| 35
2013
白
750ml
3,600
◎
レモン、グレープフルーツを想わせる爽やかな酸味と透き通るクリアなミネラルが引き締まった果実味を産む。ジョゼフ・ブーリエはシャトー・ド・ボールガールとジョルジュ・ボールガールを所有する生産者の名称
Veran Classic
69Z37 Saint
サン・ヴェラン・クラシック
Veran Classic
698H7 Saint
サン・ヴェラン・クラシック
5月予定
Veran Classic≪375ml≫
69W89 Saint
サン・ヴェラン・クラシック
2012
白
750ml
4,000
2013
白
750ml
4,000
2012
白
375ml
2,500
○
×
○
サン・ヴェランはプイィ・フュイッセの北と南に広がるアペラシオンで北と南で個性が異なる。このサン・ヴェランは南側境界線のシャスラ村の異なる複数の区画で計7.2ha。プイィ・フュイッセのアペラシオンの影響が強い区画と
なるがボジョレーにも近く豊かな粘土質が熟度の高い葡萄を生む。
Fuisse Classic
698H8 Pouilly
プイィ・フュイッセ・クラシック
Fuisse Classic≪375ml≫
699F7 Pouilly
プイィ・フュイッセ・クラシック
5月予定
2013
白
750ml
5,200
2013
白
375ml
3,200
×
○
ヴェルジッソン、ソリュトレ・フイィの葡萄を中心にその他フイッセ村の30区画からの計7.2haの畑。石灰岩がちの粘土石灰質の沖積層(主体) 東、南東向き(標高250-300m)。多くの区画の葡萄を合わせることで安定した品
質の昔ながらのプイィ・フュイッセを目指す。
Fuisse "Les Insarts"
690G1 Pouilly
プイィ・フュイッセ・レ・ザンサール
2011
白
750ml
6,800 粘土、高い熟度
○
近年までメネトリエールと思われていたが実はレ・ザンサールだった事が2005年に明らかに成った。小高い丘の南/南東向き斜面の中腹に位置する。日中の熱を保持する中程度の小石が豊富な石灰質土壌だが少し掘れば
重い粘土質。香にミネラルを含む華やかさを感じさせる。クラシックで完熟度が高く力強いタイプ。
Fuisse "Vers Cras"
69W91 Pouilly
プイィ・フュイッセ・ヴェール・クラ
2010
白
750ml
6,800 石灰、ミネラル
○
醸造所の正面に位置する完全ビオディナミの畑。その名の通りクラ=白亜・石灰土壌の強く出た特異な畑。若干固めな印象ながらミネラリーで硬質。果実のボリューム感というより、シャープな酸は高品質で伸びのある余韻に
なっている。
Fuisse "La Marechaude"
699A0 Pouilly
プイィ・フュイッセ・ラ・マレショード
2010
白
750ml
6,800 粘土石灰質、バランス
○
最も北に位置するヴェルジッソン岩山の南/南東向斜面の畑。土壌はジュラ紀の石灰質で小石を多く含むことから、水はけがよく、日中の熱もしっかり保つ為に葡萄は理想的な熟度を誇る。昼夜の温度差が大きくワインは引き
締まった味わいに。
Beauregard Pouilly Fuisse
69Q68 Grand
グラン・ボールガール・プイィ・フュイッセ
2007
白
750ml
9,600 8区画の最良の樽をブレンド
△
ボールガールが有する8つのクリマのブレンド。各クリマの最も状態の良い樽を選別してブレンドしているボールガールのトップキュヴェで長期熟成に向く。プイィ・フュイッセの常識を覆す奥行きのある味わいは圧倒的。熟成に
よって真価を発揮する。1999年よりジョセフ・ブーリエへのオマージュとして造られることとなった。
TOP
Bourgogne
Marcel Lapierre
Chateau Cambon
マルセル・ラピエール/シャトー・カンボン
| 36
故マルセル・ラピエールの意思は家族が継いでいく
自然派ワインの父“マルセル・ラピエール”
“濃さ”と“スムースな飲み口”が両立
2010 年秋に 60 歳の若さで他界したマルセル・ラピエール。彼の訃報
はボジョレー地区だけでなく、フランス全土、世界各国の醸造家ワイン
愛好家を
悲しませ
た。アンリ・
フレデリッ
ク・ロック、
フレデリッ
ク・コサー
ル、マル
ク・アンジ
ェリ、フィリ
ップ・パカ
レ ・ ・・。 ボ
ジョレー地
区だけで
なく多くの造り手達がマルセルの考え方に賛同し、その人柄に魅せられ
たと言う。マルセルはジュール・ショヴェ氏の最も近くにいた人物であり、
最も多くを吸収したと言われる。『ワインに対するあらゆる化学を熟知す
ることで、あらゆる化学から守る』と言ったジュール・ショヴェ氏の教えに
従い1981年より畑では科学的薬剤は一切排除され、必要に応じて
極僅かの植物由来の堆肥を撒くだけ。火山由来の花崗岩が堆積して
できているカンボンの土壌は黒く拳大の岩が散らばっている。下草はあ
る程度まで伸ばされ、刈り取られると土に帰される。樹齢も上がり、より
一層葡萄果実はピュアさを増している。区画ごとに収穫された葡萄は
木製の発酵槽に投入される。低い温度を確保されたセラー内ではコー
ルド・マセレーションに近い状態に置かれ果実本来の繊細なアロマが抽
出される。発酵は野性酵母のみでゆっくりと始まる。ここでは発酵による
炭酸ガスを利用したセミ・マセラシオン・カルボニックが採用され、嫌気
的環境下で人為的介入なく健全にワインへと変化していく。
ラピエールのワインは醸造過程での最適な判断によってしっかりとした
“濃さ”と“フレッシュでスムースな飲み口”を両立させていると言える。
これは長年醸造を繰り返してきた彼らの経験によるものなのだろう。ま
たノンフィルターでできる限り少ないSO2添加でボトリングされる。『その
土地で、その土地の自然環境を壊すことなく育てた葡萄を、その土地
に息づく野性酵母によって発酵させ、余計なものを加えたり、余計と判
断したものを引いたりすることなくボトルに詰め込む』そういう酒こそがワ
インなのだろう。
商品記号
家族に引き継がれたマルセルの想い
マルセルが亡くなった後は、妻のマリーが中心となり息子マチューら子
供達と共にワイン造りを行っている。『自然派ワインの父』と称されたマ
ルセル・ラピエール。飲めば皆が感じるであろうがそのワインには無理が
ない。作為がない。そして誰にとっても難しくない。単純な美味しさ、華
やかさが鼻腔から口中からストレートに感じられる。果実の詰まったよう
な“濃厚さ”を感
じさせながらも、
どこか“水”のよ
うに溶け込んで
いってしまう“楽
さ ” があ る。 そ し
て飲み終えた後
にはこのワインで
しか感じ得ない
満足感で満たさ
れることとなる。
カンボンに育つ
葡萄、ストレスのない醸造、そしてこの地に育ったヴィニュロン、全てが
揃ってテロワールなのかもしれない。マルセルの思いは残された家族に
よって確実に受け継がれている。
ワイン
ヴィンテージ 色
690D5 Beaujolais
ボジョレー
2013
赤
サイズ
750ml
参考上代
メモ
在庫
◎
3,400
化学肥料や除草剤・殺虫剤不使用。収穫後は厳しい選果の後樹脂タンクの発酵槽でセミ・マセラシオン・カルボニックによる発酵。天然酵母のみ。発酵の途中で大樽に移し残糖分の発酵を続ける。大樽による熟成は発酵期
間も含めて約8ヶ月。
Rose
690D6 Beaujolais
ボジョレー・ロゼ
2013
ロゼ
750ml
◎
3,200
セニエ方式のロゼ。化学肥料や除草剤・殺虫剤不使用。収穫後は厳しい選果の後、木樽にて発酵。天然酵母のみ使用。やや深めの色合いのロゼ。ピュアな赤い果実のアロマと僅かな甘味が特徴。
Beaujolais Le Cambon
ボジョレー・ル・カンボン
完売
2011
赤
750ml
1914年植樹の古樹
×
シャトー・カンボンで良年のみに造られるキュヴェ。”Grille-Midi”と呼ばれる、特別区画。1914年に植えられた古樹も多い。化学肥料や除草剤・殺虫剤不使用。収穫後は厳しい選果の後樹脂タンクの発酵槽でセミ・マセラシ
オン・カルボニックによる発酵。天然酵母のみ。発酵の途中で大樽に移し残糖分の発酵を続ける。大樽による熟成は発酵期間も含めて約14ヶ月。
TOP
Bourgogne
Georges Descombes
Beaujolais
ジョルジュ・デコンブ
| 37
自然な造りから新しいガメイの味わいを追求する
『マルセルのワインに衝撃を受けた』
ジョルジュ・デコンブはワイン醸造学校を卒業後、ワインの瓶詰め会社
で働いていた。ボジョレーの大御所マルセル・ラピエールのワインを瓶
詰めした際、『私が造りたいのはこういうワインだ!!』と、そのワインの
質の高さに衝撃を受けた。それからはマルセルの元へ足繁く通い、す
ぐ側でワイン造りを学ぶと共に、自らも家族から譲り受けた畑でワインを
造り始めた。
モルゴンで最も標高の高い畑
師匠マルセルと同じモルゴン村
の中でも最も標高の高い400メ
ートルの冷涼な丘にある畑を所
有している。一部には祖父の代
に植えられた葡萄樹は樹齢10
0年以上のものもあり、高台な
らではの昼夜の気温差でゆっく
りと葡萄が熟していく。また、砂
利や砂が混じる花崗岩の土壌
の痩せた土地で、除草剤を撒
かなくても雑草が生えにくいの
だと言う。手摘みで収穫を行っ
た後は、二酸化炭素の注入を
行わずに密閉タンクの中に自
然発生した二酸化炭素のみを
閉じ込めて行うセミ・マセラシオ
ン・カルボニック法にて醸造。発酵時は野性酵母のみを使用している。
また発酵・熟成時には亜硫酸は一切添加せず、瓶詰め前に僅かに加
えるのみ。『輸送や保存コンディションの影響を考えて僅かに加えてい
るが、可能ならば喜んで亜硫酸の添加を忘れてみたいものだ』とジョル
ジュ。彼は自分では決して“自然派”とは名乗らない。『俺はただ当たり
前の事をしているだけだよ。地球を汚すような行為はしたくないし、人の
体に悪いような造りはしたくないだけさ』しかし、彼がいう“当たり前”の自
然な栽培を行う為には、通常の数倍のリスクと手間がかかっているの
商品記号
だ。例えば天然酵母
の み で 発 酵を 行う 為
には化学薬品の使用
を避け、収穫時には
雑菌の繁殖源となる
腐敗果を徹底的に取
り除かなくてはならな
い 。 様 々な 作 業 に お
い て 、 通常 の 数 倍 の
時間を掛けている。し
かし過酷な作業も彼
はそれが当然とばかりに『ヌヌス(熊ちゃん)』と呼ばれる大きな体で
黙々と進めていくのだ。
グルナッシュさえも彷彿させる力強いガメイ
彼の造るワインはしばしば『ボジョレーで最も力強いワイン』と言われる。
確かに口に含むとグルナッシュさえも彷彿させる豊富なタンニンと凝縮
感に驚く。しかしその奥にやや北向きで冷涼な斜面からの葡萄がもたら
す酸がフレッシュさを与え、彼のガメイ種のワインを奥深い味わいへと
高めている。いわゆるボジョレーを典型的な“軽い飲み口”のワインと思
いながら彼のワインを飲むと、誰
もがその力強さに驚く。以前には
彼のボジョレーが、『軽い飲み口』
のボジョレーを造る生産者からの
圧力によって、出荷直前に許可
が下りなかった事がある。その時
も彼は動じず、しかし許可が下り
るまでは決してその場を離れな
かったという。そんな彼のワインに
対する意思の強さと彼自身持つ
温厚さが、現れているワインであ
る。
ワイン
ヴィンテージ 色
Cuvee GiGi
691B1 Beaujolais
ボジョレー・キュヴェ・ジジ
2013
赤
サイズ
750ml
参考上代
メモ
3,400 新価格
在庫
○
収穫後は徐梗せずに葡萄を0~5℃に冷却後、セミ・マセラシオン・カルボニックにて発酵。発酵には天然野生酵母のみを使用し自然発酵させる。発酵・熟成はセメント槽及びグラスファイバー槽を使用。醸造の期間中は亜
硫酸の添加は一切行なわず、瓶詰め前にのみ極小量を添加する。キュヴェになっている“GIGI(ジジ)”は、ジョルジュ・デコンブの最愛の妻ジズレーヌの愛称である。
691B2 Morgon
モルゴン
2012
赤
750ml
4,200 新価格
○
ヴィリエ・モルゴンの標高の高い(350~400m)小渓谷にある畑の完熟した葡萄を使用。除梗せずに葡萄を0℃~5℃に冷却後、セミマセラシオンカルボニックにて発酵。天然酵母のみ使用。セメント槽及びグラス・ファイ
バー槽で発酵・熟成。SO2添加は瓶詰め前に極少量のみ。
Vielles Vignes
69X38 Morgon
モルゴン・ヴィエーユ・ヴィーニュ
2011
赤
750ml
5,400 樹齢100年以上の古樹
○
ジョルジュの祖父が植樹した、ドメーヌで最も古い区画の葡萄を使用。除梗せずに葡萄を0℃~5℃に冷却後、セミマセラシオンカルボニックにて発酵。天然酵母のみ使用。セメント槽及びグラス・ファイバー槽で発酵後木樽で
8ヶ月の熟成。SO2添加は瓶詰め前に極少量のみ。
690H2 Brouilly
ブルイィ
新入港
2013
赤
750ml
○
4,200
コート・ド・ブルイィの丘の麓の位地する畑の完熟した葡萄を使用。徐梗せずに葡萄を0~5℃に冷却後、セミ・マセラシオン・カルボニックにて発酵。天然野生酵母のみを使用し自然発酵させる。発酵・熟成はセメント槽及びグ
ラスファイバー槽を使用。醸造の期間中は亜硫酸の添加は一切行なわず、瓶詰め前にのみ極小量を添加する。
Vielles Vignes
69M83 Brouilly
ブルイィ・ヴィエーユ・ヴィーニュ
Vielles Vignes
691B3 Brouilly
ブルイィ・ヴィエーユ・ヴィーニュ
2010
新入港
2012
赤
赤
750ml
750ml
コート・ド・ブルイィ正面の丘の
5,200 急斜面
5,400
コート・ド・ブルイィ正面の丘の
急斜面
○
○
コート・ド・ブルイィの丘を正面に臨む急斜面の区画。日照時間にも恵まれ、完熟した葡萄が育つ。徐梗せずに葡萄を0~5℃に冷却後、セミ・マセラシオン・カルボニックにて発酵。発酵には天然野生酵母のみを使用し自然発
酵させる。セメント槽及びグラスファイバー槽で発酵の後、木樽で約8ヶ月熟成。清澄・フィルター作業は行わない。醸造の期間中は亜硫酸の添加は一切行なわず、瓶詰め前にのみ極小量を添加する。
TOP
Côte du Rhône
Jean-Luc Colombo
Cornas
ジャン・リュック・コロンボ
| 38
シラー発祥の地AOCコルナスの復興
1982年にコー
ト・デュ・ローヌ
のコルナスに妻
のアンヌと共に
醸造コンサルタ
ントのラボを開
設したジャン・リ
ュック・コロンボ。
コート・デュ・ロ
ーヌの造り手を
中心に50件以
上のドメーヌの醸造コンサルタントを務めている。その後1995年からは
ネゴシアンとドメーヌ業も開始。自らワインを手掛けている。『どうして多く
の人はドメーヌものとネゴシアンものを区別したがるのだろう。大切なの
は仕上がったワインの質。素晴らしい料理を造るグラン・メゾンのシェフ
が食材を全て自分達で育てている訳では無いでしょう?品質の良い葡
萄を選び最良のワインを造るのが醸造家の仕事だ』とジャン・リュック・
コロンボ。現在では北ローヌと南仏に自社畑を所有。ネゴシアンとして
は自らが醸造コンサルタントを手掛ける生産者の葡萄を購入しワインに
仕上げている。2010年からはボルドーとモンペリエで醸造学を学んだ
娘のロールがメゾンに参加。現在は母と娘が醸造を担当。ジャン・リュ
ックはコンサルタント業を中心に行い、変わらず家族経営を続けている。
ナスは中部の大陸性気候と南部の地中海性気候が丁度ぶつかる場
所。植物も両方の気候の影響を受け、楢やブナの木の隣にオリーブ、
ローズマリーやタイム等の南の植物が育つ。この2つの気候が合わさる
環境こそが複雑で奥行きのあるシラーを生みだす。『ワインの香りにもこ
の両方の特徴があらわれる。スパイスやスミレのような冷涼な香りのと
共に南のワインの特徴であるガリグーや牧草の様な香りが感じられる。
これはコルナスのシラーの特徴よ』ヴィンテージによって北と南のどちら
か一方の気候の影響が出やすいという。2010年はブルゴーニュ・ワイ
ン的ニュアンスが強く、2009年は南仏ワインの要素が強く出ていると
い う。非 常 に興 味
深い。また、コルナ
スのもう一つの特
徴は風化した花崗
岩。60センチ程の
表土は砂・花崗岩
に僅かな粘土が含
まれる。その下に
は風化した花崗岩
盤。葡萄樹は水分
を求めて下層土に
もしっかりと根を下
ろし、十分にミネラルを吸収。シラーの特徴である力強さに加え洗練さ
れた酸とキメの細かいタンニンを持つワインが生まれる。
2つの気候+花崗岩=シラー最適の地
プレ・フィロキセラのシラー古樹
『シラー種の本物の味わいを
知りたかったら、コルナスを飲
んで欲しい』娘のロールは、生
まれ育ったコルナスのシラーに
人一倍思い入れがあると言う。
シラーを主要品種とする北ロ
ーヌ。しかしシラーの持つ特有
の強いタンニン故に、シラー1
00%で造られる事は少ない。
コート・ロティは若干のヴィオニ
エを、エルミタージュではマル
サンヌやルーサンヌがブレンド
される。その中で唯一コルナス
だけがシラー100%で造る事
が定められている。『シラーはとても難しい品種。十分な日照量が必要
ではあるが、南へ行きすぎるとアルコール度数が高くなり、煮詰めたジ
ャムの様な味わいが支配してしまう。世界各国でシラーが造られてい
るが、その多くが本来シラー種が持つ個性を失っている。本来のシラー
は緻密なタンニンとフレッシュさを持つもの。ここコルナスでは本来のシ
ラーの味わいを表現出来る。他の品種を混ぜる必要は無いわ』コルナ
スはコート・デュ・ローヌで最小のアペラシオンで作付面積はわずか12
0ha程。大きな特徴は2つ。2つの気候の影響と花崗岩土壌だ。コル
コルナスは北ローヌで最小のアペラシオンで僅か120ha程。ジャン・リ
ュックは1982年に丘の中腹の区画”Les Ruchets レ・リュッシュ“を購
入。現在は12haの自社畑を所有する。レ・リュッシュ畑にはプレ・フィロ
キセラのシラーも一部残っている。原種のシラーは細い幹がねじれるよ
うに畝っているのが特徴的。『以前はもっと多くのプレ・フィロキセラのシ
ラーが残っていたそ
う。でも花崗岩の急
斜面での作業はとて
も厳しく1900年代
半ばには多くの造り
手が畑を見捨ててし
まった。本当に残念
な事。私達の世代
でもう一度以前のコ
ルナスの名声を取り
戻したいと思ってい
る』ロールはシラー
発祥の地と言われるコルナスの復興に意欲を燃やす。畑ではリュット・
レゾネを実施。急斜面での表土の流失を防ぐ為にの畑に木片を撒くな
ど、独自の手法にも積極的に導入。数年前からは過去に放置されてし
まった優良区画の再開拓にも取り組んでいる。コロンボ一家はコルナス
の発展にこれからも力を注いでいく。
父・コンサルタント/母娘・醸造責任者
商品記号
ワイン
ヴィンテージ 色
du Rhone Les Abeilles Blanc
69Z29 Cotes
コート・デュ・ローヌ・レ・ザベイユ・ド・コロンボ ブラン
2013
白
サイズ
750ml
参考上代
メモ
在庫
◎
2,100
クレレット80%、ルーサンヌ20%。粘土砂質。南ローヌのラストー、ヴァケラス、ケランヌ地区の畑が主体。クレレットはステンレスタンクにて10~12カ月熟成。ルーサンヌは木樽(2~5年)でシュール・リーにて6カ月の熟成。
du Rhone Les Abeilles Rouge
690B7 Cotes
コート・デュ・ローヌ・レ・ザベイユ・ド・コロンボ ルージュ
2012
赤
750ml
◎
2,100
グルナッシュ60%、シラー30%、ムールヴェードル10%。粘土砂質。南ローヌのラストー、ヴァケラス、ケランヌ地区の畑が主体。除梗後発酵。ステンレスタンクにて12カ月熟成。
| 39 695C0 Les Collines de Laure Syrah
レ・コラン・ド・ロール・シラー
2013
赤
750ml
2,500
2011
赤
750ml
11,000
コルナスの若木
新価格
○
シラー100%。北ローヌの若木の葡萄主体。手摘み収穫。適切な温度管理の元で発酵。7カ月熟成後に瓶詰め。
Rotie La Divine
697F1 Cote
コート・ロティ・ラ・デヴィーヌ
○
シラー95%、ヴィオニエ5%。雲母を含む片岩の急斜面。手摘み収穫。除梗後適切な温度管理の元でゆっくりと発酵。その後木樽(新樽15%含む1~3年の樽にて18カ月熟成。
Amour de Dieu
69Z31 Condrieu
コンドリュー・アムール・ド・デュー
2012
白
750ml
○
8,000
ヴィオニエ100%。花崗岩土壌の南向き斜面の楢の木に囲まれた区画。手摘み収穫。その後バトナージュを行いながら木樽(新樽15%含む2~4年の樽)にて10~12カ月熟成。
Hermitage Les Fees Brunes
69W05 Crozes
クローズ・エルミタージュ・レ・フェ・ブリューヌ
Hermitage Les Fees Brunes
698H3 Crozes
クローズ・エルミタージュ・レ・フェ・ブリューヌ
4月予定
2011
赤
750ml
4,000 シラー100%
2013
赤
750ml
4,000 シラー100%
◎
◎
シラーの古木100%。花崗岩土壌の斜面及び、ローヌ河の沖積土からなる段丘。除梗した後、適切な温度管理の下ステンレスタンクにて発酵。木樽(新樽15%含む1~4年の樽)にて18カ月熟成。
Le Rouet Blanc
69V65 Hermitage
エルミタージュ・ル・ルエ・ブラン
2012
白
750ml
○
10,500
ルーサンヌ85%、マルサンヌ15%。氷河期に形成されたエルミタージュの丘。木樽にてゆっくりと発酵。その後木樽(新樽15%含む2~5年の樽)にて12~16カ月熟成。
Le Rouet Rouge
69V64 Hermitage
エルミタージュ・ル・ルエ・ルージュ
2010
赤
750ml
○
11,000
シラー97%、ルーサンヌ3%。花崗岩及び黄土。木樽にてゆっくりと発酵。手摘み収穫。除梗後適切な温度管理の元で約1カ月発酵。その後木樽(新樽15%含む1~4年の樽にて18~20カ月熟成。
Terres Brulees
690H3 Cornas
コルナス・テール・ブリュレ
新入港
Terres Brulees≪1500ml≫
69S83 Cornas
コルナス・テール・ブリュレ
2012
赤
750ml
9,400
2010
赤
1500ml
16,800
○
△
シラーの古木100%。花崗岩土壌の斜面。典型的なAOCコルナスの異なる20区画の葡萄をアッサンブラ-ジュ。手摘み収穫。除梗後適切な温度管理の元で3週間発酵。木樽(新樽15%含む1~4年の樽)にて
18カ月熟成。
樹齢90年の古樹
750ml
赤
69S84 Cornas "Les Ruchets"
2010
12,400
コルナス・レ・ルシェ
"Les Ruchets"
690B9 Cornas
コルナス・レ・ルシェ
"Les Ruchets"
690H4 Cornas
コルナス・レ・ルシェ
新入港
"Les Ruchets"≪1500ml≫
69S85 Cornas
コルナス・レ・ルシェ
2011
赤
750ml
2012
赤
750ml
2010
赤
1500ml
BetD 17.5/20
樹齢90年の古樹
13,600
BetD 17/20
樹齢90年の古樹
13,800
BetD 16.5/20
26,000 樹齢90年の古樹
○
○
○
△
シラー100%。樹齢90年を含む古木。南東向きの単一区画。花崗岩土壌。表土の流出を防ぐ為及び自然農法の一貫として、細かく砕いた木片で地面を覆っている。手摘み収穫。除梗後適切な温度管理の元で
1カ月発酵。木樽(新樽を3分の1含む1~3年の樽)にて20~24カ月熟成。
Vallon de L'Aigle
69S87 Cornas
コルナス・ヴァロン・ド・レイグル
2010
赤
750ml
36,000
日本割り当て12本のみ
BetD 18/20
△
シラー100%。良い年にのみ造られるスペシャル・キュヴェ。2010年の生産本数は694本のみ。オークの森に囲まれた南向きの斜面の古樹。除梗後1カ月ゆっくりと発酵。木樽(新樽30%含む1~2年の樽)にて
22カ月の熟成。シリアルナンバー入り。
Peray La Belle de Mai
690H5 Saint
サン・ペレ・ラ・ベル・ド・メ
新入港
2013
白
750ml
5,400 BetD 15/20
○
ルーサンヌ60%、マルサンヌ40%。黄色泥土に覆われた土壌。木樽にてゆっくりと発酵。その後木樽(新樽15%含む2~4年の樽)にて12~16カ月熟成。初めの1カ月はバトナージュを行う。
La Violette
697F2 Viognier
ヴィオニエ・ラ・ヴィオレット
新入港
2013
白
750ml
2,400 南仏産ヴィオニエ
◎
2012
赤
750ml
2,400 南仏産シラー
◎
2012
ロゼ
750ml
2,400 ごく軽くプレス、淡い色調
○
ヴィオニエ100%。ラングドックの粘土石灰質土壌。適切な温度管理の元で発酵を行った後8~10カ月熟成(5%は木樽)
La Viollette
69W06 Syrah
シラー・ラ・ヴィオレット
シラー,。ラングドックの粘土石灰質土壌。適切な温度管理の元で発酵を行ったコンクリートタンクにて10~12カ月熟成。
Pins Couches Rose
69S86 Le
ル・パン・クシェ・ロゼ
シラー40%、サンソー40%、20%ムールヴェードル。ラングドックの粘土石灰質土壌。低温にて軽くプレス後に発酵。その後フレッシュさを保つ為にすぐに瓶詰め行う伝統的手法のロゼ。
TOP
Côte du Rhône
Jean-Michel Stéphan
Côte-Rôtie
ジャン・ミッシェル・ステファン
| 40
コート・ロティの元来の味わいを表現する
パカレと共にジュール・ショヴェの影響を受ける
コート・デュ・ローヌ最北の産
地コート・ロティはリヨンから
車で20分程。ローヌ河から
沿いに見上げると首が痛くな
る様な40℃の急斜面に葡
萄畑が続く場所である。コー
ト・ロティには著名な2つの
丘”コート・ブロンド“と”コート・
ブリュンヌ“があるが、ジャ
ン・ミッシェル・ステファンは
両方に畑を所有する。その
控えめな人柄と同様に彼の
醸造所は非常に目立たない。
知らない人は見落としてしま
いそうな小さな看板が掲げ
られた醸造所は、元は果樹
栽培を行っていた父親が収
穫した果物の保管庫として使っていた場所だ。ボジョレーの醸造学校
を卒業したジャン・ミッシェルが家に戻ったのは1991年。生物学と農
学を元にこの地でワイン造りに挑戦している。ラピエール一家やフィリッ
プ・パカレとも親交が深く、皆共にジュール・ショヴェの影響を強く受けて
いる。急斜面での作業は一部馬による作業を行う他は、殆どを手作業
で行う。化学薬品は一切使わず、必要な場合はボルドー液と硫黄のみ
使用。醸造は228L の木樽を使用するが、SO2は添加していない。
コート・ロティのシラーの元祖“Serine(スリーヌ)種”
コート・ロティではシラー種に20%までヴィオニエを混ぜる事が許され
ている。ジャン・ミッシェルが拘るのはこの地域で”Serine(スリーヌ)“と
呼ばれるシラー品種だ。80年以前はコート・ロティにはわずか70ha程
しか葡萄畑が無かった。その後この土地のワイン品質の高さが脚光を
浴びた途端に、瞬く間に葡萄畑は200haにまで拡大。その際に多くの
クローン・シラーが植えられたが、殆どが南ローヌのシラー種に由来す
るクローンであった。対して本来この土地に元々植えられていたシラー
種は”スリーヌ“と呼ばれ、クローン・シラーに比べて収量は落ちるもの
商品記号
ワイン
の、より繊細で香り豊かな葡萄に仕上がる。ジャン・ミッシェルはこのス
リーヌに拘りを持ち、
キュヴェ”コート・デ
ュ・テュパン“はスリ
ーヌ100%で仕上
げている。現在は
畑をメタイヤージュ
しているが、新しく
植樹する際はボジ
ョレー の苗木屋 か
ら購入するマサル
セレクションによる
スリーヌ種のみを植えている。『スリーヌはこの土地のテロワールを表現
するには不可欠。この品種を絶やしてはいけない』
出荷は冬と春しか行わない
『私のワインは非常に繊細だ。品質を保つ為に5月から11月までの出
荷は、全て断っているよ』過去に依頼があり夏場に低温カーでの出荷
を受け入れた所、ワインを引き取りに来たトラックからはその前の積荷
の魚の匂いがしたそう。怒ったジャン・ミッシェルは、ワインは渡さずにト
ラ ックを 突き返 し
た事があったとい
う。醸造の過程に
おいてSO2を使
わない彼のワイン
は時折還元的な
状態が表れる事
がある。『状態に
よっては私のワイ
ンはカラフェして
貰いたい』確かに
コート・ロティの中において彼のワインは特殊と言われる事も多い。しか
し80年代以降コート・ロティの味わいが画一化して行く中で、エレガント
で果実味豊かな彼のワインこそコート・ロティの本来のシラーを表してい
る。
ヴィンテージ 色
サイズ
参考上代
メモ
INAOから認可されなかった為
コート・ロティを格下げ
在庫
(Vin Sans Origine)
69V02 VSO
ヴァン・サン・オリジーヌ
2011
赤
750ml
10,500
Rotie
693D4 Cote
コート・ロティ
2012
赤
750ml
11,200
○
○
14,500
○
コート・ロティの異なる6区画の葡萄を使用。228Lのアリエール産の木樽にて12カ月の熟成。シラー(クローン)90%、ヴィオニエ(マサル・セレクション)10%
Rotie "Coteau de Bassenon"
693D5 Cote
コート・ロティ コトー・ド・バスノン
2008
赤
750ml
コンドリューに近い1.3haのコトー・ド・バスノン区画。黒雲母を含む片岩と花崗岩を多く含む土壌。スリーヌ60%、シラー40%に少量のヴィオニエをアッサンブラージュしている。16か月木樽にて熟成。濾過及びSO2の添加は
行わない。
Rotie "Coteau de Tupin"
69V01 Cote
コート・ロティ コトー・ド・テュパン
2009
赤
750ml
15,200 スリーヌ(シラーの原種)100%
○
醸造所の裏手の急斜面に広がる2haのコトー・ド・テュパン区画。片麻岩を多く含む。収量は15-20hl/haと非常に低い。スリーヌ100%。36カ月木樽にて熟成。濾過及びSO2の添加は行わない。師匠であるジュール・ショ
ヴェの考えに基づいて造ったキュヴェ。
Rotie Vieille Vigne en coteau
693D6 Cote
コート・ロティ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・アン・コトー
2011
赤
750ml
良年のみに造られるスペシャル・キュヴェ。コトー・ド・バスノン区画。1896年植樹のスリーヌの古樹主体。スリーヌ85%、ヴィオニエ15%。22か月木樽にて熟成。
17,500 1896年植樹のスリーヌ
△
TOP
Côte du Rhône
Les Vignerons d’Estezargues
Estezargues
エステザルグ協同組合
| 41
品質主義のフランス最小ワイン協同組合
協同組合>エステザルグ>ドメーヌ
『カーヴが出来たのは1965年。エステザルグ村の10軒の生産者が
集まった。今でも同じメンバーで運営している』醸造設備の共同使用を
目的に造られたエステザルグ協同組合。僅か10軒の生産者で構成さ
れており、フランス国内でも最も小規模の協同組合のひとつ。『我々協
同組合の目的はワ
インを量産する事
では無い。造り手と
区画の特徴を顕
著に 表わ したワイ
ンを造る事』醸造
長 の ド ニは 話 す 。
ここに持ち込まれ
るワインの全ての
醸造はドニ・デュシ
ャンが行う。その
代わりに各畑の作業はそれぞれの生産者が責任もって管理。造り手
達は畑仕事に集中する事が出来、より質の高い葡萄を手に入れる事
が出来る。以前はエステザルグで造ったワインは全てネゴシアンに販
売をしていた。しかし1990年に南仏でより自然に近いワイン造りを提唱
していたジャン・フランソワ・ニックが醸造長に就任した事で、品質主義
へと方向を転換した。また以前は10生産者の葡萄を集めてワインを造
っていたが、現在は各生産者毎にドメーヌ・ワインとしてリリースしている。
ノン・フィルター、ノン・コラージュ、酵素等は使用せずSO2の添加も出
来る限り抑えている。ジャン・フランソワの後を継いで醸造長に就任した
ドニもこの理念を継承。将来的にはビオディナミへの転換も視野に入れ
て更なる品質向上に取り組んでいる。
ローヌ・ヴィラージュで最も南の産地
コート・デュ・ローヌ最南部に
位置するエステザルグ。こ
の地域には、AOCコート・デ
ュ・ローヌとAOCコート・デ
ュ・ローヌ・ヴィラージュ・シ
ナルグというテロワールが異
なる二つのAOCが存在す
る。どちらも以前はローヌ河
の底だった地域で、アルプ
スから運ばれてきた石や砂・粘土の堆積物で構成。コート・デュ・ローヌ
は主に粘土が主体。対してコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・シナルグ
商品記号
ワイン
Pierredon Cote du Rhone Rouge
697C8 Domanie
ドメーヌ・ピエルドン・コート・デュ・ローヌ・ルージュ
にはローヌ河によって運ばれて来た丸い大きな石が表土に多く見られ、
下層には砂と粘土の層が広がっている。ここには主要品種であるシラ
ー・グルナッシュに加えてサンソーやムールヴェードル等の南仏品種も
植えられている。『ここはローヌとラングドックの交差点の様な場所。ロ
ーヌの内陸性気候とラングドックの地中海性気候の2つ地域の影響を
受けた独自のワインに仕上がる』どのワインにもミネラルがもたらす冷涼
さと、南仏特有の熟した果実味によるボリュームの双方が感じられる。
シラーやグルナッシュの古樹はゴブレで仕立てられているが、近年改
植された畑の多くはコルドン・ロワイヤル。『ゴブレは古樹になると樹勢が
安定して高品質の葡萄をもたらしてくれる。でも問題は機械での収穫
が出来ない事。良質のワインを安定した価格で提供する事も我々の目
的。近年では機械収穫の出来るコルドン・ロワイヤルを導入する事にし
た』エステザルグのワインは質の高さに加えて、その安定した価格の面
でも圧倒的に高い評価を得ている。
アルプスから運ばれた石の畑“シナルグ”
醸造所周辺の標
高150mの台地
にある畑は2004
年にAOCコート・
デュ・ローヌ・ヴィ
ラージュ・シナル
グとして認定され
た。“シナルグ”と
は古くから呼ばれ
ていたこの地域の
名前で同じテロワ
ールを持つ4つの
コミューンを含む。
畑の表面は大小異なる大きさの丸い石が覆っている。この石は約1億
年前の氷河期後期にローヌ河によってアルプスから運ばれて来た。20
0~300キロという長い距離を流される間に巨大な岩は砕かれ、徐々
に角がとれて丸くなった。表土は30cm程でこれらの石に砂が混ざるご
く痩せた土壌。シャトー・ヌフ・デュ・パプとほぼ同じテロワール。その為
保水性が低く、葡萄樹は水や栄養分を求め、酸化鉄を多く含む褐色
粘土質の下層土にまで根を伸ばし、鉄分・ミネラル等複雑なテロワー
ルの要素を吸収する。緻密な骨格と熟した丸いタンニンがバランスした
良質のワインに仕上がる。
ヴィンテージ 色
2013
赤
サイズ
750ml
参考上代
メモ
在庫
◎
2,000
シラー60%、グルナッシュ40%。エステザルグの中心に位置する小さな丘の名が付けられたドメーヌ。エステザルグ下部の斜面及び平地に位地する複数区画のアッサンブラージュ。
Pierredon Cote du Rhone Villages Signargues Rouge
69Z64 Domanie
ドメーヌ・ピエルドン・コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・シナルグ・ルージュ
2012
赤
750ml
シャトー・ヌフ・デュ・パプと同様に
2,300 石で覆われた畑
◎
2,600
◎
グルナッシュ50%、ムールヴェードル50%。ヴィラフランシアン紀の石・砂・粘土の混ざる土壌の台地シナルグの複数区画の葡萄をアッサンブラージュ。
des Fees Cote du Rhone Rouge
69Z65 Domanie
ドメーヌ・デ・フェ・コート・デュ・ローヌ・ルージュ
2012
赤
750ml
シラー50%、グルナッシュ50%。コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・シナルグの葡萄も含む。10haのみを所有の小規模生産者。冷涼な区画に有る為、葡萄は晩熟で強い酒質のワインに仕上がる。
de La coudette Cote du Rhone Villages Signargues Rouge
69Z66 Domanie
ドメーヌ・ド・ラ・クーデット・コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・シナルグ・ルージュ
2012
赤
750ml
シャトー・ヌフ・デュ・パプと同様に
2,400 石で覆われた畑
シラー50%、グルナッシュ50%。エステザルグ北部の石灰の岩山の名を冠したドメーヌ。ガリーグ(灌木樹)に囲まれ、大きな丸い石を多く含む区画。ゴブレで仕立てられた古樹が主体。
◎
TOP
Languedoc
Chateau de Cazeneuve
Pic Saint Loup
シャトー・ド・カズヌーヴ
| 42
南仏品種で造られる長熟エレガントワイン
ラングドックで最も北に位置する産地
『AOCラングドックの中
でも、ここは独自のテロ
ワールがある。異なる
土壌がモザイクの様に
広がりワインに複雑な
アロマを与える。そして
何より異なるのは気候
的特徴だ』地中海に沿
って広がるワイン産地
ラングドックの中で、ピ
ク・サン・ルーはもっとも
北に位地する。ラングドックのドメーヌのあるロレ村を含む13のコミュー
ンから成り、ここで造られたワインはAOCコトー・デュ・ラングドックの表
示に加えて“ピック・サン・ルー”というコミューン名を表示する事が出来
る。ピック・サン・ルーの年間平均気温はラングドック全体から比べ非常
に低く、年間降水量は約1200ml。これは30キロ程南のモンペリエに
比べて約2倍となり、乾燥したこのエリアの中では非常に珍しく、昼夜の
気温差も含めて葡萄栽培に適した土地だ。当主のアンドレ・レナルトが
このドメーヌを手に入れたのは1987年。当時このドメーヌは所有者達
による畑の分割によって、ほぼ見捨てられた状態であった。そこから15
年以上の月日をかけて葡萄樹の植え替えや醸造所の整備を進めた。
シャトー・ド・カズヌーヴのワインを飲んで驚くのは、何よりもそのエレガン
トさである。一般的なラングドックワインで想像されるアルコールの高さ
が全面に出たワインでは無く、キメの細かいタンニンとワインに芯を与え
る酸が特徴的だ。『ラングドックで最も恵まれたこのテロワールを表現し
たワインを造る』
らかい石灰岩に泥灰が混ざる土壌。冷涼な気候と土壌性質から葡萄
はゆっくりと熟す。比べて上部は小石の多く混ざる固い粘土石灰岩土
壌でブドウは先に熟して収穫を迎える。この2つの異なる土壌と南仏系
品種の組み合わせか
ら、シャトー・ド・カズヌ
ーヴのワインは造られ
る。(赤系品種シラー、
ムールヴェードル、グ
ルナッシュ・ブラン、
サンソー、カリニャン
白系品種ルーサンヌ、
マルサンヌ、グルナッ
シュ・ブラン、ヴィオニ
エ、ロール、ミュスカ)。
『葡萄畑で必要な作業は時間と手間を掛けても徹底的に行う。そして
醸造中は出来る限り手を加えない様にしている』
長期熟成可能なラングドックワイン
『我々フランス人も含めて、ラングドックワインは早飲みのテーブルワイ
ンと思っている人ばかりだ。きちんと造られたピック・サン・ルーのワイン
は安心して8~10年の長期熟成が可能』シャトー・ド・カズヌーヴの熟
成したキュヴェからは角のとれた滑らかなタンニンと驚くほどの余韻を
感じる事が出来る。今
までのラングドックワイ
ンの印象を覆す、まさ
にエレガントなワイン。
ロレ村の村長も務める
アンドレは、今後近隣
の生産者とグループ
南仏系品種を2つの異なる土壌で仕上げる
を造り、北ラングドック
シャトー・ド・カズヌーヴは現在30haを所有。更に近年隣のコミューンに
ワインの品質向上と周
息子のクァンタンが10haを取得。現在は親子で一緒にワイン造りを行
知を目指していく。
っている。南及び南東向きの畑は標高100m~400mの斜面に点在。
周辺の畑では管理し易いゴブレ仕立てを導入する造り手がいる中でも、
全ての畑でパリサージュを行っている。斜面の下部と醸造所周辺は柔
商品記号
ワイン
Blanc
697H6 Cazeneuve
カズヌーヴ・ブラン
ヴィンテージ 色
4月予定
2013
白
サイズ
参考上代
メモ
在庫
750ml
4,300
×
粘土石灰質土壌。ルーサンヌ40%グルナッシュ・ブラン30%ヴィオニエ14%ロール8%ミュスカ8%。バトナージュをしながら木樽による熟成。
Rouge
69V73 Cynarah
シネラー・ルージュ ※カルリーヌ・ルージュ名称変更
2011
赤
750ml
3,200
○
2011
赤
750ml
4,000 R.V.F 15/20
○
シラー45%サンソー40%グルナッシュ・ブラン15%。ステンレスタンクによる熟成。
Calcaires
69Z33 Cazeneuve
カズヌーヴ・カルケール
シラー45%グルナッシュ25%サンソー20%カリニャン10%。 粘土石灰土壌及び粘土泥灰土壌。長めのマセラシオンの後、ステンレスタンク及び大樽にて熟成を行う。
Roc Des Mates
693F2 Cazeneuve
カズヌーヴ・ロック・デ・マット
4月予定
2006
赤
750ml
5,200 長期熟成・蔵出し
×
750ml
5,800
△
シラー80%(樹齢25年以上)グルナッシュ20%。粘土石灰質土壌。30日間のマセラシオンの後18カ月バリック樽にて熟成。新樽比率20%。
Le Sang du Calvaire
69M80 Cazeneuve
カズヌーヴ・ル・サン・ドゥ・カルヴェール
95%ムールヴェードル5%シラー。30日間のマセラシオンの後24カ月バリック樽にて熟成。
2008
赤
TOP
Languedoc
Chateau La Baronne
Fontcouverte
シャトー・ラ・バロンヌ
| 43
カリニャンの可能性を追求するコルビエール代表生産者
ラングドック西端の冷涼な気候
ラングドックの西端に位置
するAOCコルビエール。シ
ャトー・ラ・バロンヌの畑は
森や灌木の林に囲まれた
大自然の中にある。ここは
ラングドックの最西端 。地
中海式気候と大西洋式気
候の気候の二つの影響を
受ける土地だ。近くにそび
えるのは石灰岩で形成され
た標高600mのアラリック
山。地中海から吹く暖かい風はアラリック山を越える際に冷やされ、こ
の冷えた風が葡萄畑を適温に保つ事が出来る。またアラリック山の石
灰質土壌はスポンジの様に雨を吸い蓄える為、この地特有の乾燥の
被害から葡萄樹を守ってくれる。『私達の畑には自然のエコ・システム
が存在する。森や林が葡萄樹を守り、外敵の侵入を防いでくれる。葡
萄畑が密集しているブルゴーニュやボルドーでは考えられないような理
想的な環境』今までも化学薬品が基本的に使われた事の無い畑ばか
り。有機栽培に加えて、2013年からはビオディナミも導入している。
1892年植樹のカリニャンの古樹
バロンヌが誇るのは醸造所であるシャ
トーの隣にある樹齢120年のカリニャ
ンの区画。フィロキセラ被害直後の1
892年に植樹され、現在でも熟度の
高い凝縮した葡萄をもたらす。仕立
てはラングドックのゴブレ仕立て。ブ
ルゴーニュのゴブレ仕立てに比べる
と枝が四方に広がらない様に中心に
集められているのが特徴。『この畑の
カリニャンは樹齢120年近い。収量
は少ないが、凝縮して品質の高い葡
商品記号
ワイン
Les Lanes Blanc
692B5 Corbieres
コルビエール・レ・ラーヌ・ブラン
萄が収穫出来る。誰でもこのカリニャンの質の高さには驚く筈』この区
画のカリニャン100%で造られる“ピエス・ド・ロッシュ”はシャトーを代表
するキュヴェ。しかしAOCコルビエールではカリニャン単一品種での醸
造は認められていない為、IGPに格下げされてしまう。『1985年にAO
Cコルビエールが制定された際、AOC委員会はカリニャンを“高貴では
ない品種”と判断。その為に多くの造り手が質の高いカリニャンまで抜
いてしまった。残念だよ』バロンヌは、コルビエールにおけるカリニャンの
復権に力を注ぐ。
アンフォラ×木樽×セメント
『ワイン造りは料理にも似ていると思う。異なる醸造をしたワインをブレン
ドする事は、料理に複数のスパイスを与える様なもの。それによってワ
インはより複雑なアロマと味わいを持つ』バロンヌが醸造に使用するの
はステンレス・タンク、セメント・タンク木樽、アンフォラと幅広い。天然酵
母を使い、材質の異
なる容器で発酵・熟成
されたワインは瓶詰め
前にアッサンブラージ
ュされる。同じ葡萄を
使用しても、異なる容
器で熟成を行うと、明
確に味わい の違いが
表れるのが興味深い。
特にバロンヌが好んで
いるのはアンフォラを
使った醸造。赤も白もシュール・リーの状態で発酵・熟成させるが、他
の容器で仕上げた場合と比べるとより香り高くしなやかな口当たりに仕
上がるという。2014年からはバロンヌの敷地内の粘土を使って特別に
焼成したアンフォラを使い始めると言う。自らの土地で育った葡萄を同
じテロワールで造ったアンフォラで醸造する。2015年の完成時には大
きな注目を浴びるだろう。2014年度版の“Le Guide des meilleur
vins de France2014”ではコルビエールで唯一の2つ星に昇格。名実
共にラングドックを代表する生産者になった。
ヴィンテージ 色
2013
白
サイズ
750ml
参考上代
メモ
在庫
○
2,800
ヴェルメンティーノ、グルナッシュ・ブラン。2013ヴィンテージはヴェルメンティーノの比率が高く80%。コンクリート及びステンレス・タンクで発酵・熟成。清澄無し、ノン・フィルター。
Les Lanes Rouge
692B6 Corbieres
コルビエール・レ・ラーヌ・ルージュ
2011
赤
750ml
2,800 MVF15.5/20
○
ロゼ
750ml
3,800 アルコール度数9.8%
○
750ml
3,800 MVF16.5/20
○
赤
750ml
4,200
赤
750ml
5,200
カリニャン、グルナッシュ。コンクリート及びステンレス・タンクで発酵・熟成。その後一部木樽にて醸造。清澄無し、ノン・フィルター。
Lanes Rose
693B1 Les
レ・ラーヌ・ロゼ
2013
ムールヴェードル、カリニャン。通常の収穫期よりも早い9月上旬に酸を多く残し収穫。2日程葡萄を冷却し、除梗後に直接プレスする。アルコール度数9.8%。
Les Chemains
692B8 Corbieres
コルビエール・レ・シュマン
2011
赤
カリニャン(樹齢50年)、グルナッシュ、シラームールヴェードル。コンクリート及びステンレスタンクで発酵。木樽にてでシュール・リー10カ月熟成。
Les Chemains de Traverse
692B7 Corbieres
コルビエール・レ・シュマン・ド・トラヴェルス
2013
亜硫酸無添加
MVF16.5/20
○
カリニャン(樹齢50年)、サンソー、ムールヴェードル。開放型木樽で全房発酵。足踏みで破砕。天然酵母のみ。SO2完全無添加。
Alaric
692B9 Corbieres
コルビエール・アラリック
2011
○
カリニャン(樹齢60年)、シラー、ムールヴェードル。コンクリート及びトロンコニック型木樽で25~30日間のマセラシオン。その後木樽にて捕酒せずに10カ月熟成。樽を回転させてバトナージュ。
de Roche
693B0 Piece
ピエス・ド・ロッシュ
2011
赤
1892年植樹のカリニャン100%。トロンコニック樽にて発酵。その後木樽にて捕酒せずに10カ月熟成。樽を回転させてバトナージュを行う。
750ml
6,800
樹齢120年のカリニャン
MVF17.5/20
○
TOP
Roussillon
Mas Amiel
Maury
マス・アミエル
| 44
ヴァン・ドゥー・ナチュレルの代表生産者
ヴァン・ドゥー・ナチュレルの代表産地としてしられるAOCモーリィ。地
中海とピレネー山脈に挟まれたアペラシオンだ。マス・アミエルはフィロ
キセラの前の1816年からこの地でワイン造りを行っている。1999年
からボルドーにもシャトーを所有するオリヴィエ・デュセルが所有してい
る。地中海気候のこの地は“トラモンターヌ”と呼ばれる強風が一年を
通して吹き冬は温暖で夏は非常に暑く年間260日以上の晴天に恵ま
れる乾いた土地である。吹きさらす風と年間降水量の少なさから非常
に痩せた畑は2つの土壌が露出している。白亜紀セノマニアンの黒色
片岩を含む土壌と白亜紀のアルビアンの黒色泥土を含む土壌だ。こ
の地の主要品種はグルナッシュ・ノワール。地中海沿岸の痩せたガリ
ーグ(石灰質の荒れ地)の地に適合する品種だと言う。特に黒色片岩
を多く含む丘の中腹及び下部に植えられている。
で出来る独自のワインを世界にも
広めたい』オリヴィエはモーリィ造り
に情熱を傾ける。モーリィのキュヴ
ェ“10アン・ダージュ”“15アン・ダ
ージュ”は、屋外に設置されたボ
ンボンヌと呼ばれるガラス製の丸
いボトルで造られる。ボンボンヌで
1年の熟成を行った後に、350ヘ
クト・リットル(35,000リットル)の
大樽で9年及び14年の熟成。こう
する事で果実に由来するアロマが
モーリィ特有のドライフルーツやナ
ッツ香へゆっくりと変化していくと言う。マス・アミエル独自のキュヴェだ。
ボンボンヌで造られる天然甘口ワイン
辛口ワインのAOC認定を目指す
この造り手の代名詞である
モーリィはミュタージュとい
う技法によって造られる天
然甘口ワイン。グルナッシ
ュ・ノワールを75%使用
する事が義務付けられて
いる。潜在糖度が15%以
上の葡萄を使い発酵途中
で葡萄を原料としたアルコ
ールを加え発酵を強制的に停止させる。これによって葡萄本来の糖
分が残る甘口ワインに仕上がる。『1936年にこの地で甘口ワインのA
OCが定められてからモーリィはフランスを代表するヴァン・ドゥー・ナチ
ュレルになった。この地の気候、地形、土壌など全ての要素が揃う事
モーリィでは恒久的な問題として畑での水不足が挙げられる。オリヴィ
エは葡萄畑の改良に積極的に取り組みこの問題に取り組んでいる。
『生きた土壌を造る事で畑が水分を保持する力を引き出したい。その
為にコンポストを畑に撒いたり、畑の間に休耕地をつくり土地のバランス
を整えている。馬での耕作も積極的に進めているよ』また近年ではグル
ナッシュ・ノワールを主体とした辛口スティル・ワインにも力を入れてい
る。『現在は辛口ワインにはAOCモーリィとつける事が出来ずAOCコー
ト・ド・ルーションになってしまう。我々の辛口ワインはこのテロワールの
個性をしっかりと反映している。今後はAOCモーリィと付ける事が出来
るよう働きかけているよ』歴史の長い造り手だが、甘口・辛口ワイン共に
今後の更なる品質の向上が期待出来る。
グルナッシュ・ノワールの最適地AOCモーリィ
商品記号
Rose
69Q14 Plaisir
プレジール・ロゼ
ワイン
ヴィンテージ 色
2011
ロゼ
サイズ
参考上代
750ml
メモ
在庫
2,600
○
4,600 アルコール度数15.3%
○
グルナッシュ・ノワール50%、シラー25%、カリニャン20%、ムールヴェードル5%。片岩の南向き及び北向き斜面。手摘み収穫後2回の選果を行う。セニエ方式。
693D7 Muscat
ミュスカ
2012
甘
750ml
ミュスカ・プティ・グラン80%、ミュスカ・ダレキサンドリー20%。PHが高く石の多く混ざる片岩の南向き斜面。手摘み収穫。2回の選果。ステンレスタンクにてアルコール発酵中にミュタージュを行う。
Vintage
69Q16 Maury
モーリィ・ヴィンテージ
2010
甘
750ml
4,900 アルコール度数16.5%
○
グルナッシュ・ノワール100%。PHが高く石の多く混ざる片岩の南向き斜面。手摘み収穫。2回の選果。ステンレスタンクにてアルコール発酵中にミュタージュを行う。捕酒せずに10カ月熟成。
ans d'Age
69Q17 Maury 10
モーリィ・ディザン・ダージュ
NV
甘
750ml
6,000
ボンボンヌ熟成
アルコール度数16%
○
グルナッシュ・ノワール90%、マカブー5%、カリニャン5%。片岩・黒色泥土の混ざる南向き斜面。手摘み収穫。2回の選果。アルコール発酵中にミュタージュを行う。捕酒せずに10カ月熟成。屋外のガラス製容器にて12カ
月の熟成、350HLの大樽にて9年以上熟成。
ans d'Age
69Q18 Maury 15
モーリィ・キャーンザン・ダージュ
NV
甘
750ml
7,400
ボンボンヌ熟成
アルコール度数16%
○
グルナッシュ・ノワール90%、マカブー5%、カリニャン5%。片岩・黒色泥土の混ざる南向き斜面。手摘み収穫。2回の選果。アルコール発酵中にミュタージュを行う。捕酒せずに10カ月熟成。屋外のガラス製容器にて12カ
月の熟成、350HLの大樽にて14年以上熟成。
69S96 Maury Millesime
モーリィ・ミレジム
1969
甘
750ml
18,800
ボンボンヌ熟成
アルコール度数16%
△
グルナッシュ・ノワール90%、マカブー5%、カリニャン5%。片岩・黒色泥土の混ざる南向き斜面。手摘み収穫。2回の選果。アルコール発酵中にミュタージュを行う。捕酒せずに10カ月熟成。屋外のガラス製容器にて12カ
月の熟成、350HLの大樽にて熟成。
TOP
Provence
Château Léoube
Borme-Les-Mimosas, France
シャトー・レウーブ
| 45
高品質プロヴァンスの先駆けオット父子の新たな挑戦
ドメーヌ・オットの元所有者が造るプロヴァンス・ワイン
年間を通して欧州
人を魅了する南
仏プロヴァンス。シ
ャトー・レウーブの
英人所有者バン
フォード家も当初
はバカンス用の別
荘を建てる目的で
古いシャトーと20
ha程の葡萄畑の
ついたこの土地を
購入した。その後
に自身もイギリスで25年前からオーガニック農園とショップを経営する
経験からこの地での葡萄栽培のポテンシャルの高さに気付き、敷地内
で自然な農法によるワイン造りを決意。荒れ放題だった葡萄畑の植え
替えと整備を始めた。ワイン造りに関しては素人であった彼が初めに相
談をしたのがすぐ隣のル・クロ・ミレイユを所有するドメーヌ・オットのジャ
ン・ジャック・オットだった。その後ジャン・ジャック・オットは2000年に所
有するドメーヌ・オットを売却。同時に息子のロマンと共にシャトー・レウ
ーブの醸造を担当するようになった。現在でもこの2人が醸造責任者
を担当し、シャトー・レウーブのワインは飛躍的に品質を向上させている。
海抜1mの地中海に面した葡萄畑
シャトー・レウーブは地中海に面した560haの敷地を所有している。葡
萄畑は65ha程のみでそ
れ以外は若干のオリーブ
畑がある他は手つかずの
自然が広がっている。夏
は非常に暑く乾燥した土
地だが、夜の湿った海風
が葡萄樹を冷やし、背後
にそびえる丘陵がミストラ
ルから畑を守る。南仏で
の葡萄栽培には理想的
な環境だ。この地では既
商品記号
de Chateau Leoube
69Q08 Blanc
ブラン・ド・シャトー・レウーブ
ワイン
に紀元前2世紀からローマ人がワイン造りを行っていたという。海岸線
まで数10メートルという海抜1m程の平地から丘の中腹の斜面まで葡
萄畑は敷地内に点在している。敷地内には砂・粘土・結晶片岩など異
なる地層が露出している。この土壌の複雑さがシャトー・レウーブのワイ
ンに他のプロヴァンス・ワインと異なる複雑さを与えている。葡萄を植樹
する際には地質調査を徹底的に最も適した品種を選択している。丘側
には結晶片岩と粘土を含む土壌、海岸線近くは砂と粘土を多く含む土
壌がある。特に丘側に多い結晶片岩土壌は日差しに反射するとキラキ
ラと輝いて見える程の雲母と大理石を含みミネラルが豊富な土壌だ。
ここには主にグルナッシュが多く植えられているが葡萄樹は地中のミネ
ラルを吸収しワインに力強さと繊細さを与える。また畑の周囲にはラベ
ンダーやタイムなど野生のハーブ類が自生しており、仕上がるワインの
アロマに特有の個性を与えている。
目指すのは風土と自然の法則を尊重したワイン
ジャン・ジャック・オットと息子のロマンが目指すのは“この地の風土と自
然の法則を尊重したワイン造り”。イギリスで長年自然農法の経験を積
んだオーナーと共にワイン造りを始めた事で自らがドメーヌ・オットを所
有していた時以上に自然に近い栽培・醸
造を行うようになった。畑ではビオロジック
農法を導入し、収穫は全て手摘み。野性
酵母のみで発酵を行う。異なる土壌が露
出しているシャトー・レウーブでは区画毎に
グルナッシュ、シラー、サンソー、ムールヴ
ェードル、ロール、セミヨン等最も適した品
種を植えているが、人為的な操作を避け
安定したワインを造る為にワインのタイプ毎
に全ての品種をアッサンブラージュした状
態でプレスを行う。代表キュヴェであるロゼ
は全房のままゆっくりと時間をかけてプレス
する事で、このテロワールに由来する複雑
なアロマと色調を引き出していく。『広大な
自然に囲まれたシャトー・レウーブはヨーロ
ッパ中で最も美しく恵まれていた場所。与
えられた自然の恵みを最大限表現したワ
インを造る』
ヴィンテージ 色
2011
白
サイズ
参考上代
750ml
メモ
在庫
3,200
◎
3,200
◎
ロール50%、セミヨン50%。手摘み収穫。プレス、低温浸漬を行った後ステンレスタンクにてアルコール発酵及びマロラクティック発酵を行う。天然酵母のみ使用。
de Chateau Leoube
69V86 Rose
ロゼ・ド・シャトー・レウーブ
2012
ロゼ
750ml
グルナッシュ40%、サンソー40%、シラー10%、ムールヴェードル10%。手摘み収穫。ゆっくりとプレスを行った後にステンレスタンクにてアルコール発酵及びマロラクティック発酵を行う。天然酵母のみ使用。
Secret de Leoube
69Q11 Rose
ロゼ・スクレ・ド・レウーブ
2011
ロゼ
750ml
3,800
グルナッシュ40%、サンソー40%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%。手摘み収穫。ゆっくりとプレスを行った後にステンレスタンクにてアルコール発酵及びマロラクティック発酵を行う。天然酵母のみ使用。
◎
TOP
Cahors
Clos Triguedina
VIRE-SUR-LOT
クロ・トリゲディーナ
| 46
マルベックの繊細さを異なる土壌で表現
フィロキセラ以前から続くカオールの名門
クロ・トリゲディーナ
の設立は1830年。
1877年のフィロキ
セラや1956年の
冷害など壊滅的な
事 態を 経 験し なが
らも家族経営を続
けて来た。当主のジ
ャン・リュック・バル
デスは7代目。この
地を流れるロット川
沿いの台地に65ヘクタールを所有する。バルデス家は常にカオール・
ワインの品質向上の為、他の造り手に先駆けて新しい試みを行ってき
た。カオール生産者組合の設立、ステンレスタンクの導入、密植(8,0
00本/ha)の推奨など。そして現当主のジャン・リュックは、カオールが
持つ複雑なテロワールに注目。今までは“カオール”という大きな枠組
みの中でしかとらわれる事のなかったテロワールを小区域に分けて、テ
ロワールの個性を率直に表わしたワイン造りを行っている。ジャン・リュッ
クはゴー・ミヨー誌でフランス最高醸造家にも選ばれている。
「マルベックは本来繊細な品種」
AOCカオールには75%以上マルベック(コット)を入れる事が義務付
けられている。この品種がカオールの特徴とも言える濃い色調と豊富
なタンニンをワインにもたらす。時にはこの特徴が飲み辛さとして捉えら
れる場合もあるが、クロ・トリゲディーナの造るカオールは非常に繊細で
エレガント。『私達は昔から“食”と楽しむ為のワインを造ってきた。マル
ベックは本来繊細な品種。テロワールを意識して丁寧に造れば、若い
内から楽しむ事の出来るフィネスと、長期熟成が可能な骨格を持った
ワインに仕上がる。カオールは食事と共に楽しむ事で真価を発揮する
ワインだ』所有する65ヘクタールの内マルベックは75%程。その他は
商品記号
Petit Clos
69U03 Cahors
カオール・プティ・クロ
ワイン
メルローやタナを栽培し、マルベックを支える要素として使用している。
クロ・トリゲディーナは世界の多くのグラン・メゾンの他にエリゼ宮でも使
用されている。
“粘土”“小石”“キンメリジャン”
現当主ジャン・リュックが2007年にリリースし注目を集めているのが異
なる3つの土壌から造るキュヴェ。『ブルゴーニュと同様にカオールに
はミクロクリマが存在する。異なる土壌で育った葡萄を全てアッサンブ
ラージュしてしまうのでは無く、ブルゴーニュにおける“クリュ”の様にそ
れぞれの特徴をより前面に出したワインに仕上げた。カオールの複雑
なテロワールが持つ味わいの個性を楽しんで貰いたい』ロット川沿いの
斜面は段々畑状になっており、4つのテラス(台地)がある。河に近い
第1テラスは平坦な土地の為クロ・トリゲディーナでは第2テラスから第
4テラスに畑を所有。マ
ルベック100%で仕上
げ ら れる3 種 類の 土 壌
キュ ヴェ は 同じ 醸造方
法で仕上げられるが、全
く個性の異なるワインに
仕上がっている。第2テ
ラスはよりロット川に近い
為、赤色粘土を多く含
む沖積土。よりエレガントでバランス良いカオールに。醸造所周辺の第
3テラスは鉄分を多く含む珪質泥岩土壌。ロット川に流されてきた丸い
石も多く含み、力強さと骨格を持ったワインに仕上がる。標高300mに
ある第4のテラスはキンメリジャン土壌。より引き締まった酸とミネラル
が豊富で、長期熟成向きのカオールに。「カオールは決して単一で退
屈な味わいのワインでは無い。各テロワールの特徴を熟知する事で、ア
ッサンブラージュしてもバランスが良く、繊細さと深みを持つカオールに
仕上がる」クロ・トリゲディーナはこれからもAOCカオールを牽引してい
く。
ヴィンテージ 色
2010
サイズ
参考上代
メモ
在庫
赤
750ml
3,200
○
赤
750ml
5,000 樹齢50年以上の古樹
○
マルベック80%、メルロー20%。リュット・レゾネ。100%除梗後29℃で20日間のマセラシオン。ステンレスタンク及び木樽にて熟成。
Clos Triguedina
69U04 Cahors
カオール・クロ・トリゲディーナ
2009
マルベック80%、メルロー15%。タナ5%。リュット・レゾネ。手摘み収穫。ルモンタージュを行いながら、10~15日程かけて発酵。木樽(3分の1新樽)にて18カ月の熟成。
Probus
69U05 Cahors
カオール・プロビュス
2009
赤
750ml
8,800
○
マルベック100%。リュット・レゾネ。手摘み収穫。古くから所有する最良の区画。20~25日程かけてゆっくりと発酵。新樽にて18カ月の熟成。全ての樽を試飲し、最良の樽のみ瓶詰め。
Au coin du Bois
69U06 Cahors
カオール・オー・コワン・デュ・ボワ
2009
赤
750ml
6,000 粘土主体
○
マルベック100%。リュット・レゾネ。手摘み収穫。ロット河沿いの平地より1段高い標高90mの台地に位置する区画。赤色粘土を多く含む20万年前の沖積土。下層には水はけの良い石灰層。20~25日程かけてゆっくりと発
酵。木樽(3分の1新樽)にて18カ月の熟成。
Les Gallets
69U07 Cahors
カオール・レ・ガレ
2009
赤
750ml
6,000 小石主体
○
マルベック100%。リュット・レゾネ。手摘み収穫。ロット河沿いの平地より2段高い標高110mの台地に位置する区画。鉄を多く含む50万年前の珪質泥岩土壌。表土にはロット河に由来する丸い小石を多く含む。下層には水
はけの良い石灰層。20~25日程かけてゆっくりと発酵。木樽(3分の1新樽)にて18カ月の熟成。
Les Petites Cailles
69U08 Cahors
カオール・レ・プティ・カイユ
2009
赤
750ml
6,000 キンメリジャン
○
マルベック100%。リュット・レゾネ。手摘み収穫。ロット河沿いの平地より3段高い標高300mの高地の区画。ジュラ紀キンメリジャン土壌。非常に鉄分を多く含む。カオールで古くから存在する区画。20~25日程かけてゆっく
りと発酵。木樽(3分の1新樽)にて18カ月の熟成。
TOP
Bordeaux
Chateau le Puy
Cote de Francs
シャトー・ル・ピュイ
| 47
400年以上の間一度も農薬が使われていない畑
完璧な生態系が葡萄樹を守る
観光客で賑
わうサンテ
ミリオンの町
から、シャト
ー・ル・ピュ
イまでは車
で20分程。
しかし、そこ
はまるで嘘
のように、
静謐な空
気に包まれ
ている。メドック地区の豪華絢爛なシャトーとは異なるシンプルな2階立
ての醸造所の周囲には葡萄畑と森が続き、周囲の道の車通りはほとん
ど無い。『我々の敷地の中では、出来る限り生態系を整えるようにして
いる。有機栽培を続ける為には、それが一番大切だ』現在シャトー・
ル・ピュイの敷地は60haあるが、葡萄を植えているのは38haのみ。残
る敷地には森や沼が広がり、のんびりと馬や牛が草を食んでいる。『葡
萄畑の周囲の生態系を保つ事で、そこに住む動植物が自然と葡萄を
守ってくれる』例えば葡萄樹が蜘蛛に襲われそうになると、周囲の環境
より蜘蛛の天敵となる昆虫がやってきて、自然と退治してくれる。だから、
化学薬品を使用しなくても毎年良い葡萄を得る事が出来るという。ある
葡萄畑の隣には、わずかに畝の形が残る草の生えた場所がある。『数
年前までは“エミリアン”用の葡萄樹を植えていた場所だ。でも、あそこ
に葡萄を植えた
事で敷地全体
の生態系のバラ
ンスが崩れてき
た事に気付き、
去年葡萄樹を
引き抜いた』フラ
ッグ・シップとな
っているキュヴェ
の葡萄畑を惜し
げも無く引き抜
いてしまう程、生態系を重視している。『森も畑も動物も微生物も全て
が生態系の一部で、我々のワインを造るには欠かす事が出来ない』
微生物の唾液がテロワールの味を生む
『シャトー・ル・ピュイがテロワールの味わいを表す事が出来るのは、この
土中にいる微生物の唾液のお陰だ』葡萄樹の傍らの驚くほど柔らかい
土壌に立ちながらアモロー氏は語る。シャトー・ル・ピュイの畑には1立
方メートル当たり2億5千万匹の微生物が住み付いている。目には見え
ないが、まとめると150グラム程。微生物は葡萄の根に寄生して、樹
液の中の糖分を吸い上げる。その後彼らが吐き出す酸性の唾液が土
中のカルシウムを溶かす事で、土中にミネラルが豊かに含まれる様に
なる。このミネラルこそが、その土地ならではのテロワールを表す要素と
なるという。つまり土中のミネラルを葡萄樹が吸い上げる事は、テロワー
ルを葡萄に蓄える事になるのだ。その為には土中の微生物が欠かせ
ない。一度でも除草剤や化学薬品を使ってしまうと、土中の微生物は
激減してしま
う。必然的に
テロワールを
表したワイン
は造れなくな
る と い う 事 だ。
『最近では除
草剤や化学
薬品を大量
に使っている
造り手達でも、
皆が自分の
ワインはテロワールを表現していると主張するが、それは我々の理論で
は不可能だ。我々が400年以上も有機栽培にこだわっているのはテロ
ワールの味わいを表現し続ける為なのだ』
19 世紀より亜硫酸の使用を疑問視していた
『私たちのワイン造りは家族の歴史だ。』と13代目の現当主ジャン・ピエ
ール・アモロー氏。9代目当主は1868年の時点で既に酸化防止剤の
使用に疑問を持ち始める。その後10代目当主はより滑らかでアロマテ
ィックな果汁を得る為に100%除梗を実施、11代目は発酵中に果帽
を十分に浸漬する為に独自の方法を考案した。またワインに余計な樽
の要素を残さない為、全て3年から15年の古樽を使用。醸造過程に
おいて、補糖、人口酵母の
添加、濾過・清澄は一切行
わないという徹底した姿勢
を貫いている。ジャン・ピエ
ール氏曰く、全ては『純粋
にテロワールを表現する
為』に一家のこだわりが
代々受け継がれているのだ。
1994年ヴィンテージから
はジャン・ピエール氏が息
子のパスカル氏と共にSO2
無添加のキュヴェ”バルテ
ルミ”と”マリー・セシル“を造
っている。”バルテルミ“は、
最初に酸化防止剤の使用
を自問した9代目の名にち
なんでいる赤ワインだ。”マリ
ー・セシル“はセミヨン100%で、収穫後は古樽で発酵及び熟成を行
い、”バルテルミ“と同じくSO2を一切使わずに仕上げている。また、”エ
ミリアン“に使われる酸化防止剤の量も極めて僅かである。発酵及び
瓶詰め時にはSO2を一切添加せず、樽熟成の際のみボンド・アセプテ
ィック(Bonde Asceptique、液体硫黄を入れ樽口に取り付ける栓)を使
用し気化させた硫黄を樽内でごく微量ワインの表面に触れさせる方法
をとっている。また、どのキュヴェも瓶詰は月の動きに注意し、満月から
徐々に欠けていく間に行われ瓶詰め時には最上級のコルクを使用し、
手作業でロウ付けされる。現在、ジャン・ピエールとパスカルは、このシ
ャトー・ル・ピュイの地を独立したAOCとしての認可を受けるべく動き始
めている。もし、認可された場合には、ボルドー唯一のモノポールとなる。
商品記号
des Nauves
694D2 Duc
デュック・デ・ノーヴ
ワイン
ヴィンテージ 色
新入港
2012
赤
サイズ
750ml
参考上代
メモ
2,800 ル・ピュイのセカンド・ワイン
在庫
◎
メルロー70%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。シャトー・ル・ピュイの樹齢の若い葡萄を使用。ビオディミ。区画毎に分けて小容量のコンクリートタンクにて発酵・熟成。必要に応じてピジャージュ・及びル
モンタージュを行う。清澄・濾過は行わない。SO2は熟成時に極微量のみ使用。
691B0 Emilien
エミリアン
| 48 698H4 Emilien
エミリアン
4月予定
2009
赤
750ml
6,800
2010
赤
750ml
6,800
○
×
メルロー85%、カベルネ・ソーヴィニヨン14%、カルムネール1%。ビオディナミ。100%除梗。コンクリート槽で2~4週間程天然酵母による発酵の後、澱引きせずに大樽で12カ月の熟成をした後250Lの木樽で更に12カ月の
熟成を行う。清澄・濾過は行わずSO2は大樽での熟成時にのみ極少量を加える。
696A0 Barthelemy
バルテルミ
2009
赤
750ml
25,800 亜硫酸完全無添加
○
メルロー85%、カベルネ・ソーヴィニヨン14%、カルムネール1%。ビオディナミ。所有区画の中でも”レ・ロック”と呼ばれる特別区画の葡萄を使用。コンクリート槽で2~4週間程天然酵母による発酵の後、澱引きせずに200~
250Lの木樽で24カ月の熟成を行う。その間は月の動きに合わせて週に2回のバトナージュを行う。SO2は瓶詰め前も含めて一切添加しない。
692D9 Marie-Cecile
マリーセシル
2013
白
750ml
9,800 亜硫酸完全無添加
○
セミヨン100%。ビオディナミ。100%除梗。圧搾後は木樽で天然酵母のみで発酵。発酵後はそのまま澱引きせずに6カ月熟成。清澄・濾過は行わず月の動きに合わせて瓶詰めする。SO2は一切添加しない。
Marie
69P62 Rose
ローズ・マリー
2011
ロゼ
750ml
7,800 初リリースのロゼ
○
初ヴィンテージ。メルロー100%(年毎に最適のセパージュを選ぶ)ビオディナミ。セニエ方式によって造られるロゼ。発酵は木樽の中で6~10カ月かけて行われる。SO2は瓶詰め前も含めて一切添加しない。
693D0 Marie-Elisa
マリーエリザ
2010
甘
500ml
78,000
亜硫酸完全無添加
限定6本のみ
△
セミヨン100%。1926年以降僅か5ヴィンテージしか造られた事の無い希少キュヴェ。11月に良質な貴腐菌が付いた粒のみを複数回に分けて収穫。ゆっくりとプレスした後に、天然酵母のみ使用し木樽で3年間ゆっくりと発
酵させる。亜硫酸完全無添加。500本のみ生産
TOP
Bordeaux
Terra Vert Bordeaux Selection
テラヴェール・ボルドー・セレクション
| 49
テロワールの個性、生産者の情熱、熟成の醍醐味を味わう
シャトー・ラトゥールやシャトー・ラフィット・ロートシルトは確かに魅力的な
ワインである。しかしそれは様々な情報、評価によって、言わば頭で理
解している限りの魅力ではないだろうか。実際ラトゥールやラフィットは
素晴らしいワインであることは揺ぎ無い事実であろう。しかし最近の価格
ははたして適正と言えるのか。ワインの質が価格に比例することはある
程度認めなければならないだろうが、現在のトップシャトーの価格がは
たしてそのまま品質に見合うものかどうかの判断は難しい。ラトゥールや
ラフィットは少々極端な例だがテラヴェールボルドーセレクションではそ
ういった高額銘柄とは全く異なる分野の、品質を追求した明確なコンセ
プトに基づいた銘柄を取り揃えたラインナップとなっている。
② 健全に熟したワイン
今やカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローは世界中どこでも作られる品
種となった。しかしボルドーワインがその頂点に君臨し続ける理由は一
部のトップシャトーがボルドーブランドを牽引している事実もあるがやはり
他の産地では難しい熟成の醍醐味を味わえるからではないだろうか。
ボルドーの土壌が育むカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどのポテン
シャルは健全に熟成してこそボルドーワインの奥深さ、迫力を発揮でき
る。ここにリストアップされたバックヴィンテージは生産者の元でゆっくりと
熟成を重ね今まさに飲み頃を向かえた銘柄である。
③ 適正な価格
① テロワールの個性を引き出したワイン
ボルドーワインは他の産地のものとは異なり緻密な理論の積み重ねの
末に出来上がる、言わば完成されたものである。それゆえにテロワール
や生産者の感性を表現することが難しい。しかし完成されたものをわざ
わざ壊して個性的と表現するのは更に邪道ではある。ここにリストアップ
される銘柄はあくまでもテロワールの個性に忠実に自然なワイン造りを
目指したもの。葡萄は無農薬、または減農薬で栽培され、野性酵母で
の発酵を基本としたワイン造りによりその土地本来の個性を生かすとい
う信念に基づいている。
ワインをより美味しく造るという観点において設備投資や規模の違いこ
そあれ、ワイン造りの本質に大きな違いはなく、むしろ無駄な費用を全
て削ぎ落としたこれらの生産者こそ真の優良生産者と言える。彼らの
造るワインはワイン消費の土台を支え、しばし飲み手に発掘する喜びを
与えている。今は人気プティ・シャトーとなった銘柄も数年前までは殆
ど知られていなかった。そんな例が最も多いのもボルドーという特別な
産地だから。ここにリストアップされた銘柄はそんな可能性も秘めてい
る。
Lamouroux (Chateau Rauzan Segla)
Margaux
ラムルー (シャトー・ローザン・セグラ)
シャトー・ローザン・セグラのもう一つのセカンドワイン
現在ボルドーの殆どの格付けシャトーはセカンドワインを生産し、グラン
ヴァンと同様の経路で市場に流通している中、シャトー・ローザン・セグ
ラのセカンドワインは独自の戦略のもとに展開している。一般的にシャト
ー・ローザン・セグラのセカンドワインはセグラとして知られ、これは日本
市場で一社のみが独占販売し、他国でも一つの市場に対して一社が
セグラの販売権を所有する。ところがこのセカンドワインには実はもう一
つの”顔”が存在する。テラヴェールがやはり独占的に輸入販売する”ラ
ムルー”である。サードワインやジェネリックワインならともかく、これほど
有名なシャトーのセカンドワインがこのような方法で取り扱われるのは極
めて珍しく、今後のセカンドワインの流通に影響を与えることがあるかも
しれない。しかも二つは同じワインでありながら価格差があり、ラムルー
は後発ゆえに価格においてアドバンテージを与えている。この戦略によ
り市場はある程度特定されるものの、その市場でのブランディングが可
能となり長い目で見た場合、メリットも大きいと考えている。
グランヴァンを意識したワイン造り
醸造、栽培において明確な規定のないセカンドワインのアプローチはシ
ャトーごとに異なる。例えばシャトー・ラトゥールのようにグランヴァンとは
異なる(セカンドワイン専用)畑を使う。シャトー・レオヴィル・ラス・カー
ズは区画自体がグランヴァンから離れており、醸造の始めの段階から
グランヴァンとは異なる工程で造られる
セカンドワインもある。一方シャトー・ロー
ザン・セグラは『グランヴァンをイメージ
できるように』と、一部の若木の区画
(樹齢を重ねればグランヴァンとなる)
以外はグランヴァンと同区画の葡萄を
使い、マセラシオンの期間や、熟成期
間などグランヴァンと同様の工程を経
て造られる。但し新樽の比率、最終的
な葡萄品種比率はそれぞれ異なるが、
これは区画ごとにある程度新樽の使用
率を決めていることと、ボトリング前のア
ッサンブラージュ時に最良の比率を優先するためだが、基本品種であ
るカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの品種構成には大きな違いはなく、
シャトー・ローザン・セグラの凝縮感、エレガントで繊細な飲み口はラム
ルーとの共通の個性と言える。
2008▽C.S.59%、Me36.5%、P.V.3%、C.F.1.5% 収量:55hl/ha
生産比率55%(R.Segla 45%)
2009▽C.S.57% Me34% C.F.6% P.V.3% 収量:41hl/ha
TOP
Chateau Les Ormes
Saint Julien
シャトー・レ・ゾルム
| 50
かつてはレオヴィル・バルトン、グリュオ・ラローズ、85%が格付けシャトーの畑だった
ベイシュヴェルの小高い
丘にはシャトー・ベイシュ
ヴェルを始めレオヴィルの
3シャトー、グリュオ・ラロ
ーズ、タルボ、サン・ピエ
ールなど名だたる格付け
シャトーが軒を連ねる。シ
ャトー・レ・ゾルムはそんな
環境の中にあるマイクロシ
ャトー。所有するのは数
区画からなる僅か1.5haのみ。しかしその畑の85%は上位格付けさ
れるレオヴィル・バルトン、グリュオ・ラローズなどが所有していた畑を購
入したもの。当然地続きとなっている区画が多く、平均樹齢30年の円
熟した葡萄樹が熟度の高い上質の葡萄を産み重厚でしっかりとしたタ
ンニンを感じる力強い味わいを造りだす。しかし畑の区画だけが上質の
ワインを生むわけではない。醸造家のディアナ・ゴンザレスは若くし
て醸造長を務めるが畑仕事も精力的にこなし畑、そして葡萄のポテン
シャルを最大限に引き出すための努力に余念がない。『私たちのよう
に小規模なシャトーでは一つの
作業の結果がワインの出来に
直結するから日々チャレンジ
が必要なの。手抜きは絶対に
許されない』その端正な顔立
ちからは想像しにくい強い信念
を持つ。『もしも今の時点で格
付けが見直されるような事が
あれば確実にその中に名を連
ねる自信はあるわ』近隣シャトーに挑戦するかのようなその言葉は、長
い間守られてきた壁を打ち破る布石となるかもしれない。
●ワイン・スペクテーター-89pt、 ワイン・エンスージアスト-92pt
【その他のテクニカル情報】
▽C.S.70% Me25% P.V.3% C.F.2% 平均樹齢:30年 発酵・
マセラシオン:ステンレス 樽熟成:12ヶ月(新樽:50%) 卵白による清
澄のみ ライトフィルター
Chateau de Gironville
Haut Medoc
シャトー・ド・ジロンヴィル
土壌の潜在力がフィロキセラ被害も乗り越えた
記録によると18世紀からワインを造っていたと言われ、当時の格付け
はクリュ・ブルジョワ・スペリュール。しかし1863年のフィロキセラ被害
であっけなく全滅し、以来畑からは葡萄が消え松の木が植えられてい
た。ところが1987年このシャトー前オーナーであるレミー・フーアンが
古い文献などからこの土壌の潜在力を見出し約10haの畑を購入した。
このシャトーはマルゴーに隣接するオー・メドック南部のマコー地区に位
置し、一般的には砂質の混じった年度石灰質土壌が多く、メルローの
比率の高いワインが多い。しかしこのシャトーでは当時メルロー、カベル
ネを主体としながらプティ・ヴェルドが約3割植えられていて区画によっ
ては100年近い樹齢。2003年にこのシャトーを取得したヴァンサン・
ムリエは『このシャトーの畑は地中深くまで砂利の多い特異な土壌で、
プティ・ヴェルドがしっかりと熟す。だからメルロー、カベルネだけでは出
せない複雑味、香ばしさ、そして力強い味わいが生まれる』と言ってい
た。PJ モルガンのバンカーから転身してワイナリーのオーナーとなった
ムリエは元来の緻密で理論的かつ大胆な発想の持ち主で、猛勉強の
末に得たワイン造りの知識と豊富な資金力を武器にシャトー・ジロンヴ
ィルを含む所有する3つのシャトーを成功に導いた。ところが2010年
ヴァンサン・ムリエは44歳の若さで突然この世を去る。しかしムリエが
所有する前からの醸造責任者ヴァンサン・バッシュはムリエの強力な
サポーターであり、現在もムリ
エの意思を継ぐ最高の理解
者でもある。2000年代中盤
以降プティ・ヴェルドの比率
は下げ、その分カベルネの比
率を上げている。ヴァンサン・
バッシュによるとこれは『気候
の変動による品種ごとの生育
度合の変化、それとカベルネ
が樹齢を重ね十分な熟度を得るようになったから』だと言うがプティ・
ヴェルドの比率は今でも10%以上で近隣のシャトーと比べだいぶ高い。
複雑味に富み、力強く立体的な構成は同クラスのそれとは歴然とした
違いを認めざるを得ない。
【その他のテクニカル情報】
▽Me50% C.S.40% P.V.10% 平均樹齢:26年 発酵・マセラシ
オン:ステンレス(25日間) 樽熟成:12ヶ月(新樽:20% 1年樽:5
0% 2年樽:20% ステンレス:10%) 卵白による清澄のみ ノンフィ
ルター
TOP
Chateau Real
Haut Medoc
シャトー・レアル
| 51
2人の偉大な醸造家によって蘇ったマイクロシャトー
サンテステフのすぐ北、
サン・スーランド・ド・カド
ゥルヌに位置するシャト
ー。1824年の創業よ
りレメニャン家が所有。
同家が所有するシャト
ー・セリランが近年ジャ
ン・リュック・テュヌヴァ
ンの発掘によって注目
を集めるようになるとシ
ャトーの運営を託され
現醸造ディレクター、ディディエル・マル
ているマルセリス・ディ
ディエールにシャトー・レアルの運営も任せるようになった。規模こそ6h
セリス
aと小さなシャトーであったが豊富な資金力を使い大刷新を行った。そ
して醸造家には2001年までシャトー・ムートン・ロートシルト、クレール・
ミロン、オーパス・ワンなどの醸造長を務めたフィリップ・レスピーと、今
や名実ともにトップ醸造家として圧倒的な影響力をもつオリヴィエ・ドゥ
ウガを起用し2006年全く新しいシャトー・レアルが誕生した。もともとサ
ンテステフに近い優れた立地と厳格なリュットレゾネによって低収量を
維持していた畑であったため葡萄の質は極めて高く、ポテンシャルを
引き出すことは彼らの手によれば決して難しい事ではなかった。シャト
ー・レアルは完全に生まれ変わった。もともと短期の契約だったためフ
ィリップ・レスピーとオリヴィエ・ドゥーガに代わり今ではシャトー・ポンテ・
カネを大成功に導いたベルナール・フランとシャトー・アンジェリスのユ
ベール・ド・ブアールが受け継ぎさらなる飛躍を続けている注目のシャト
ー。酒質は凝縮感に富んでいてドラ
イ。まさにサンテステフの北隣であ
るためにその特徴に良く似ているが、
これはテロワールもさることながら4
2hl/haというボルドーの、しかもオ
ー・メドックとしては低い収量とすべ
て手摘みで収穫し、選果するという
仕事が大きく関係している。土地の
高いボルドーでは効率
が優先されがちだが、
『少しでも質の高いもの
を』という志の高いオー
ナーの考えのもとに集
まったワイン職人たちの
意気込みがこのワイ ン
には感じられる。
【その他のテクニカル情
報】
▽C.S.55%、Me35%、
C.F.10% 発酵・マセラ
シオン:ステンレスタン
ク 樽熟成:6~8ヶ月
(毎年60%の新樽を使用)
Chateau Grand Bertin de Saint Clair
Medoc
シャトー・グラン・ベルタン・ド・サン・クレール
「プティ・ポイヤック」と呼ばれる優れた土壌
わずか4.5haのこ
のシャトーはサン・
テステフの北、ガロ
ンヌ河口に近いベ
ガダンの村にある。
この村一帯の畑
は”プチ・ポイヤッ
ク”と呼ばれる土壌
が広がり、ポイヤッ
クで産するワインの様にフィネスに富んだ重厚な味わいと評される。多
くのメドック左岸の土地がそうであるように数百万年前の堆積土が隆起
した土壌は多くの砂利が混じった粘土石灰質である。そして氷河期が
終わり山脈から流れる溶けた氷河がガロンヌの砂を川岸に運んだと言
われる。ポイヤックはガロンヌ川に近く
その氷河の通り道だったのではないか
と見られており砂利を含んだ粘土石灰
層を細かい砂質が被う地層となってい
る。ベガダンは同じ地層を持ち、かつ川
と海からの冷涼な風によって似たよう
なワインを産する事から”プチ・ポイヤッ
ク”と呼ばれるようになった。醸造長の
アントニー・メドヴィルは「下層の砂利と
粘土石灰層が凝縮度と同時にエレガ
ンスを生み、上層の砂質がフィネスを
与える」と言う。力強くも重心が良いバ
ランスで保たれているのはそのフィネスやワインのシャープさが引き出
TOP
されているからであり、まさにポイヤックのようなボリューム感を生み出
している。『醸造は毎年同じようにしている』と語るように、至ってシンプ
ルであり、それが土壌の特性を引き出している。ちなみに同じ系統の
土壌を持つ畑として、シャトー・パタシュ・ドーやシャトー・トゥール・ド・ベ
イなどの日本でもお馴染みの優良シャトーがある。
【その他のテクニカル情報】
▽C.S.60% Me40% 平均樹齢:15年 発酵・マセラシオン:ステ
ンレス 樽熟成:12ヶ月(新樽:50%) 卵白による清澄のみ ライトフィ
ルター
| 52
Chateau de Panigon
Medoc
シャトー・ド・パニゴン
時代に取り残された特異な土地が産む骨太ワイン
サンテステフの更に北
の、いくつかのコミュー
ンからなる地域を”低い
土地”と言う意味で Bas
=Medoc(バ・メドック )と
呼ばれていた。かつて
ある著名なワインライタ
ーは「辺鄙で時代に取
り残された土地」と表現
した。半島の先端で大
西洋とジロンド川に挟ま
れた地形がもたらす気
候は島と同様で、大半
の重く湿った土壌が葡
萄の育成に大きく影響
した。しかし一方では砂利の多い水はけの良い土壌も存在し、メルロー
を主体とすることで力強い葡萄を産む畑が存在し、この地域のワインを
一概に評価する事を難しくしている。つまり品質のばらつきが地区、さら
には畑ごとにあり、この産地で成功できるかどうかは畑の条件が大きく
影響すると言える。幸運にもシャトー・パニゴンではシヴラック村に90
ha の広大な畑を所有し50ha にだけ植樹している。オーナーであるカリ
ーヌ・ルベイエ・ダッダは「葡萄を植えて
いるのは栽培に向いている場所だけ。
今でこそ科学的にそれを証明できるよう
になったが驚くのはそれを100年以上
前から続けている事」と言う。シャトー・
パニゴンとして少なくとも 1850 年にはワ
インを造っていたとされる記録が残って
いる。その頃から畑の場所、葡萄を栽
培している区画ははあまり変わっていな
いのだ。近年になって科学的に土壌を
分析したが、優れた土壌はやはり昔か
ら栽培されていた土地だった。「幸い53
ha はメドックでも十分な広さ。先人達に
敬意を表し、同じ畑で栽培を続けるよ。」確かに葡萄が植えられている
土壌は砂利が多く、他の場所よりも白く見える。メルローはもちろん、こ
こでは凝縮度の高い上質のカベルネもその砂利勝ちの土壌が産む。
●ボルドーワインコンクール-金賞
【その他のテクニカル情報】
▽Me50% C.S.45% P.V.5% 平均樹齢:25年 発酵・マセラシ
オン:ステンレス 樽熟成:12~18ヶ月(新樽:50%)
Chateau Teyssier
Saint Emilion
シャトー・テシエ
ル・ドームを産んだ濃厚かつち密な奥深さ
シンデレラワインの筆頭と
もいわれるル・ドーム。い
まやシュヴァル・ブランに
匹敵する価格で取引さ
れ、もはや簡単には手の
届かない存在となった。
ル・ドームはシャトー・テシ
エの最高級キュヴェであ
オーナーのジョナサン・マルタス
り、シャトー・テシエのオーナー、
ジョナサン・マルタスの挑戦で
あった。醸造コンサルタントに
はシュヴァル・ブラン、グラシア
のジル・パウケ。ヴィンヤードマ
スターにはプティ・ヴィラージュ
のローベール・フォーティンを
起用するなど最高のチームを
TOP
結成し、瞬く間にサクセスストーリーを築いた。ジョナサンがシャトーを
購入して僅か数年の事である。シャトー・テシエ自体の設立は1714
年にまで遡る。サンテミリオンの南西部にあり、鉄分を多く含んだ粘土
石灰質を砂質土壌が被う畑で、シュヴァル・ブランや、アンジェリスの
畑に似ている。所有する畑のうちシャトー・テシエを産するのは約30ha
で、その大部分は平均樹齢75年のヴィエーユ・ヴィーニュだ。ジョナサ
ンは『いいワインを造るにはいろいろな要素が必要だが、人が選択でき
| 53 る範囲に限って言えばヴィエーユ・ヴィーニュはとても重要』と語る。古
木の働きの重要性を今更説く必要はないが、それを生かす作業や条
件もまた重要であり、全ての工程において最も厳しい作業を自ら強い
ている。収穫はもちろん手摘みだが収穫時は50人態勢で臨む。収量
は45hl/haを上回る事はなく、厳しい選果を施す。酵母の添加は一切
行わず自然の働きのみに委ねる等、ストイックなまでに品質にこだわる
姿勢は『Decanter』誌や『Wine Advocate』誌などからも注目され、高
い評価を与えている。多くのガレージワインに共通する濃厚な味わいな
がら、それだけに支配されておらずメルロー本来の滑らかな質感とカベ
ルネ・フランのスパイシーさ、爽やかな酸がバランスよくまとまっている
ために十分な奥行きも感じる。圧倒的な差こそないものの同レンジの
他のワインとは明らかに異なる完成度の高さである。エアラインを始め、
ウィンブルドンのオフィシャルワインであったり、ローリング・ストーンズ欧
州ツアーに配備されていたりと、品質を裏付ける材料には事欠かない
注目のシャトー。
●パーカー-92pt
【その他のテクニカル情報】
▽Me70%、C.F.30% 収穫:100%手摘み 収量45hl/ha 除梗:
100% 発酵・マセラシオン:ステンレスタンク(一部樽発酵) 樽熟
成:18ヶ月(毎年20%の新樽を使用)
Chateau d’Arcole
Saint Emilion
シャトー・ダルコル
300年以上続く有機栽培から得たピュアな果実味
1796年にバルト家
が所有して以来、
代々受け継がれてい
るシャトー。畑はシャ
トーの周囲に広がる
30haの単一区画の
み。この畑は300年
以上も科学肥料、農
薬、そして除草剤す
ら使用していない正
真正銘の無農薬。
土中のバクテリアが
供給するミネラル分
を深い根元から樹が
充分に吸い取れるよ
うにバクテリアを殺す
化学薬品の使用は
徹底的に排除してい
る。『※ナポレオンから与えられた由緒ある畑だ、我々人間の手で汚す
わけにはいかないよ』とユーモラスに語る現当主のヴェロニク・バルトは
有機栽培の真の意味を理解する生産者。栽培規模の大きなボルドー
地方でリスクの高い有機栽培を続ける事はとても難しく、ボルドーの大
部分の生産者は安定した生産を選んでいる。しかし『ボルドーワインを
比較して、個性のなさに気付かされる事がしばしばある』とヴェロニクが
指摘するのは、栽培方法、醸造方法が画一的でテロワールの個性を
封印してしまっているがゆえ。『テロワールを反映させて質の高い葡萄
を育てなければいいワインはできないよ』当たり前のような言葉だが実
際に300年以上もの間続けている有機栽培の本来の目的を語るヴェ
ロニクの言葉には十分な重みがある。テロワールそして環境を何よりも
大切にするシャトーの姿勢は葡
萄栽培だけに止まらない。単
一の区画をシャトーの周囲に
持つことで収穫から即醸造工
程に移れる環境はとても大き
な意味を持つ。またグラヴィテ
ィシステムを採用することでワ
インに余計なストレスを与える
ことなく醸造を進める事が出来
る。さらにはボトルの軽量化や
ラベルを含むパッケージ素材
は100%リサイクル可能なの
だと言う。最近の健康志向に
迎合し、有機栽培を到達点としているにわか生産者とは異なり、有機
をあくまでも手段とし、テロワールと葡萄本来の個性を引き出す真の意
味での有機を実践している貴重な生産者だ。
※このシャトーの名前(アルコル)とラベルに描かれたナポレオンにはこ
のシャトー設立に密接に関わる。アルコルの戦いはフランス革命戦争
の戦いの一つで1796年、当時オーストリアの支配下にあった北イタリ
アが舞台となった。現在の所有者であるヴェロニク・バルトの祖先であ
るジャン・バルトはナポレオンの護衛としてこの戦いに参加し、勝利を収
めた功労者の一人として勲章を授かっている。褒美として与えられた
葡萄園の名にアルコルと名付けバルト家に代々受け継がれ今に至っ
ている。
【その他のテクニカル情報】
▽Me70%、C.S.30% 発酵・マセラシオン:ステンレス 樽熟成:12
ヶ月(毎年30%の新樽を使用) ノンフィルター
Chateau La Fleur Pourret
Saint Emilion
シャトー・ラ・フルール・プーレ
| 54
「シャトー・フィジャックの歳の離れた弟かな」
120年以上もシャト
ー・フィジャックを所
有しているマノンクー
ル・ファミリーがこの
シャトー・ラ・フルー
ル・プーレットを購入
したのは2002年。
以来フィジャックの
醸造チームがフィジ
ャックの設備で造ら
れている。畑はフィジ
ャックに隣接した4.5ha の砂礫質でフィジャック、そして245号にそって
続くシュヴァル・ブランと同じ土壌。実はシュヴァル・ブランの畑の一部
はかつてフィジャックのものだったことからもこの地区の親密な関係が
窺える。チームのディレクターを務めるフレデリック・ファイは「シュヴァ
ル・ブラン、フィジャック、そしてこのラ・フルール・プーレットは価格こそ
大きな違いがあるけど、実は畑の位置や醸造環境、醸造方法にそれ
ほど差はないんだ。あるとすれば歴史や知名度の差であり、価格ほど
の差は品質にはない。」と言う。しかもラ・フルール・プーレットは僅か4.
5ha のシャトーながらフィジャックの設備を使って造られる。同程度のシ
ャトーに比べはるかに恵まれた
環境で造られている。「普段飲
みのシャトー・フィジャックを作
りたかったんだ。だから価格を
抑えなきゃいけない。でもフィ
ジャックのキャラクターは残さ
なきゃいけない。」セパージュ
こそ異なるが収穫の時期、方
法から醸造に至るワイン造りは
フィジャックの醸造チームがフ
ィジャックと同じように行う。フ
ィジャック最大の特徴は右岸
のトップシャトーで最も高いカベルネ・ソーヴィニヨンの比率にあるが、も
ともと砂礫質のためタンニンの細かい柔らかなカベルネ・ソーヴィニヨン
となり、複雑さが際立つ豊かなボディを作る。一方ラ・フルール・プーレ
ットはカベルネ・フラン、メルローの比率が高く、比較的早く熟成する。
「この二つのワインには土壌と言う共通のキーワードがあり、この地区で
はその土壌がワインに大きな影響を与える。歴史こそ大きく異なるが環
境やワインの個性には共通するものが多く、フレデリック・ファイは「フィ
ジャックの歳の離れた弟のような存在かな。」と気さくに笑う。
【その他のテクニカル情報】
▽Me54% C.F.40% C.S.6% 平均樹齢:40 年 100%手摘み 発酵・マセラシオン:ステンレス 18 ヵ月樽熟成(新樽 10%、残りはフィジャック2年
樽も)
TOP
Chateau Pavillon Figeac
Saint Emilion
シャトー・パヴィヨン・フィジャック
シュヴァル・ブランの隣家に佇む未知の伏兵
ここ数年で極めて高額になりす
ぎたシャトー・シュヴァル・ブラン。
今や簡単には購入できないワイ
ンとってしまった。メドック、ポム
ロールでも同様のシャトーが増
えたため、人々の求めるものも
ここ数年で大きく様変わりしてい
る。高額帯から中高額帯へ、中
高額帯から低中額帯へと一段
階下げてボルドーワインを楽しん
でいる人も多い。一見悲観的に
も思える状況だが今の成熟しつ
つある日本市場の消費者には
フランスを凌ぐ知識が備わり自ら発掘する事を学び楽しむようになった。
恵まれた立地、実力のある著名な醸造家、コンサルタントの手によっ
て高い品質のワインが次から次へと産まれている。だが知名度の低さ
ゆえに正当に評価される機会になかなかめぐり合わないでいる。特に
サンテミリオンは規模の小さなシャトーがひしめき合い、その機会をさら
に小さくしている。シャトー・パヴィヨン・フィジャックはまさにそんな状況
にあるシャトーの一つであり、本来の質の高さを正当に評価されるべき
シャトーである。このシャトーの最も注目すべき点は畑のロケーション。
| 55 先述のシャトー・シュヴァル・ブランの目と鼻の先、通りを一本隔てた立
地に約7haの畑を持つ。さらに周りを見渡せばシャトー・フィジャック、シ
ャトー・ラトゥール・パン・フィジャック、さらにはポムロールのシャトー・ボ
ールガールやシャトー・ラ・コンセイアントなど錚々たる名門シャトーが
集中している地区である。この地区は粘土勝ちのサンテミリオンでは珍
しく砂利や砂質が多く堆積している土壌でその土壌の特性を引き出す
ため平均樹齢は45年を下回ることはなく、収量を40hl/haに制限して
いる。そしてシュヴァル・ブラン同様にカベルネ・フランの比率が高く、
深遠で濃縮度の高いワインを造る。収穫はもちろん手摘みで選果台を
使い選果を行う。近年有機栽培に完全転換し、更なるテロワールの表
現に力を入れている。
【その他のテクニカル情報】
▽Me65%、C.F.35% 発酵・マセラシオン:セメントタンク 樽熟成:
10~15ヶ月(毎年 50%の新樽を使用) 卵白を使ってのコラージュ
(ノンフィルター)
Chateau Moya
Castillon Cotes de Bordeaux
シャトー・モヤ
ファーストヴィンテージで90pt(WS)獲得の実力
オーナーのデヴィッド・カール
フロンサックのシャトー・デュ・ガビ
ィがカスティヨンの畑を購入し新
しいシャトーとして運営を始めた。
1970年から有機栽培を続けて
いる起伏に富んだ8haの畑で、3
0~35年の古いメルローが主体。
収穫は100%手摘みで収量は
約40hl/ha。そのうえ2度選果
する徹底ぶりはカスティヨンでは
稀。『カスティヨンはメドックに負
けないポテンシャルを秘めた畑
があるんだよ。有機栽培も、古い
樹齢も、低収量もすべてこのテロ
ワールのため』と語るオーナーの
デヴィッド・カールはすっかりこの
畑に魅了された。ファーストヴィ
ンテージが2009年であっ
た幸運もあったのだろうが
厳しい評価で知られるワイ
ン・スペクテーターでいきな
り90ポイント獲得は、それ
なりの努力と高い技術がな
ければ成しえない。カスティヨンで
はいつくかのシャトーが非常に高い
評価を得ている。シャトー・プピー
ユ、シャトー・デギーユなどは日本
でもおなじみ。シャトー・モヤはデビ
ューしたてで、それらの著名なシャ
トーと同等かそれ以上の評価を少
なくとも同誌から得た事になる。人
の評価が全てではないが、同誌が
評している黒果実の凝縮感、アニ
スを想わせる香ばしさ、クリアなスト
ラクチャーなどの表現はこのワイン
TOP
の特徴を的確に表している。有機
栽培や自然酵母、その他の高い技術は今や珍しい事ではないが優れ
たテロワールが大前提であることが何よりも重要であり、シャトー・モヤ
は全てを兼ねそろえたサラブレッドとして今後がとても楽しみなシャトー
である事は明らかだろう。
●ワイン・スペクテーター-90pt
【その他のテクニカル情報】
▽Me93%、C.S.7% 除梗:100% 自然酵母による発酵 マセラ
シオン:大樽 樽熟成:12ヶ月(新樽:50% 1,2年樽50%)
Chateau Fleur Haut Gaussens
Bordeaux Superieur
シャトー・フルール・オー・ゴーサン
| 56
リュットレゾネ、収量制限にいち早く目をつけた志高きボルドー・スーペリュール
リュイリエ家が3代に渡っ
て所有するシャトー。フロ
ンサック近郊、ヴェラック
村に位置し、リュットレゾネ
の採用、低収量、セメント
発酵槽、排水の循環設
備などボルドー・スペリュ
ールとしては極めて志の
高い生産者。30haの広
大な畑を所有しながら栽
培者との協力で減農薬農
法を早くから取り入れ、収量45hl/haに抑えられたぶどうは100%除
梗、選果された上質のぶどうに限定される。このシャトーでは2001年
頃からそれまで使用していたステンレスタンクから伝統的なセメントの
発酵槽に徐々に移行し、より深みのある味わいを目指している。新樽
比率3割で12ヶ月間熟成されたワインは、強い果実味が前面に出た
モダンな味わいでありながら複雑味があり長い余韻はボルドー・スペリ
ュールの域を超越した品質といえる。このシャトーではセラーで使用さ
れた排水を自前の循環濾
過機によって洗浄するなど、
ワインの品質だけでなく環
境への配慮にも気を配って
いる。『自然の恩恵に与る
者の責任として当然のこと』
と語るエルベ・リュイリエ氏
のワインはワイン・スペクテ
ータ、ギド・アシェット、クラ
スマンなどでも高く評価。
●ワインスぺクテーター-85~88pt
【その他のテクニカル情報】
▽Me90%、C.S.5%、C.F.5%。 醸造コンサルタントは Sociando
Mallet, La Tour Carnet で成功を収めたオリヴィエ・ドウゥガ。右岸のス
テファン・ドノンクールに対して左岸のオリヴィエ・ドウゥガと称される人気
コンサルタント。
Chateau Larteau
Bordeaux Superieur
シャトー・ラルトー
繁栄と衰退を経て復活を遂げた老舗シャトー
このシャトーの歴史は大変
古く記録によると18世紀末
にはワイン醸造を始めてい
た。当時シャトーの経営は
爵位を持った騎士であるフ
ランソワ・ド・ベルシェに委ね
られていたが特別優れたワ
インではなかった。1778
年、のちにボ
ルドーのネゴ
シャンとして
確固たる地
位を築くベロ
イ家が所有
権を得ると
大規模な設
備投資の結
果、大きな
繁栄を遂げ
た。シャトー・
TOP
ラルトーはベロイ家が最初に所
有したシャトーとして同家のシン
ボルとなり、その後200年近くも
の間優れた品質を誇った。しか
し1900年代に入ると相次ぐ相
続によってシャトーの運営は不
安定になりその結果品質のばら
つきが目立つようになった。戦
争や貧困の時代にあってこれ
はシャトー・ラルトーにだけ見舞
われた悲劇ではなく、多くのシャ
トーが同様の憂き目に遭った時代だった。1960年以降、情勢は比較
的安定に向かい、品質の向上が加速するのだがこのシャトーに劇的な
転換をもたらしたのが 2001 年、シャトー・グラン・コルバン・デスパーニ
ュのオーナーで醸造コンサルタントでもあるフランソワ・デスパーニュの
運営協力だった。デスパーニュは畑の植栽から、栽培作業、醸造設
備、醸造方法など、全ての工程を一から見直し、テロワールと自然環
境と守り継ぐ事を基本理念とし、最新のセメントタンクやバイブレーショ
ン選果台などの最新設備を導入。区画ごとに醸造するなど、伝統と近
代技術を融合したワイン造りをシャトーにもたらした。現在シャトーはグ
ラン・ピュイ・デュカス、レイネ・ヴィーニョなどのオーナーでもある、ジャ
ン・ピエール・アングリヴェイル・ド・ラ・ボーメルが所有し、グランヴァン
並みの高い品質を保ち完全復活を遂げた。
【その他のテクニカル情報】
▽Me100% 植樹面積:12ha 5,500本/ha 平均樹齢:20年
発酵・マセラシオン:セメントタンク 樽熟成:12ヶ月月(新樽:30%) 卵
白による清澄のみ ライトフィルター
| 57
Chateau Monroze
Bordeaux Superieur
シャトー・モンローズ (ボルドー・スーペリュール)
繁栄と衰退を経て復活を遂げた老舗シャトー
このシャトーが所有する畑は
かつて AOC フロンサックとし
て認定されていた地区。後
にフロンサックの区域が政
治的背景により制限される
ようになり、このシャトーの畑
を含む多くの区画がボルド
ー・スーペリュールとなった。
端から見ればいわば“格下
げ”と見られるこの動きは生
産者たちの経営に少なから
ず影響を及ぼしたが、安価
で高品質のボルドー・スーペリュールとして市場には大いに歓迎された。
その中でもこのシャトー・モンローズはフロンサックの丘の麓で高い粘土
比率の石灰土壌に60年から最も古いもので110年のメルローが栽培
されており熟度の高い果実味が凝縮した滑らかな飲み口のワインとな
る。オーナーのマルク・セギノは本業の水産食品加工会社を経営する
傍らここに5ha の畑を購入。「いまは道楽だけどいずれ引退したらワイ
ン造りを本業にしたい。」と言う。そのために畑はなるべく安く、しかし造
る楽しみ、もちろん飲む楽しみを得られるシャトーでなくてはならなかっ
た。メルローを主体とする右岸の安価な土地はまさにうってつけだった。
「メルローほど多様性に富んでいて、どんな土地にも柔軟に馴染みそ
のテロワールを反映させる
品種は他にはない」と主張
する。ボルドー・スーペリュ
ールというアペラシオンはこ
こフロンサックやアントゥル・
ドゥ・メールの地域に多くの
シャトーがあるが、ボルドー
ワインを造る場所のいたる
所に存在する。「だからボ
ルドー・スーペリュールと言
っても味わいや品質は実に多様で、例えばここはすぐ隣がフロンサック
で地続きの粘土質土壌だからしっかりとしたボディの力強いワインにな
る。」そして「それをさらにおもしろくしているのが主品種であるメルロー
なんだ。」と続ける。「カベルネ・ソーヴィニヨンはある一定の条件下でと
ても有効な品種であり、ボルドーワインには欠かせない品種だけど、キ
ャラクターが画一的に感じることがしばしばある。」とも分析する。その
言葉の裏には多少なりとも自分のワインのアピールもあるだろうがメルロ
ーの多様性については世界中で栽培されている事でも正しい考えだろ
う。
【その他のテクニカル情報】
▽Me85% C.S.15% 植樹面積:5ha
樹齢:60~110年
TOP
Chateau Franc Magnus
Bordeaux Superieur
シャトー・フラン・マグヌス
一枚岩の石灰岩盤上の畑
サンテミリオン・第一特別級 B に
格付けされているシャトー・カノ
ンやシャトー・クロ・フォルテがあ
る南部には数キロ四方に渡り巨
大な石灰岩盤が地下部分を占
めている。昔は建築用としてそ
こから石灰石を切り出していたと
いう。地表にはメルローに適
した粘土層が広がっている
が、メルローのイメージと異
なる力強や、豊かなミネラ
ル感はこの石灰岩盤の影響
が大きいと言われている。そ
れとよく似た地質がシャトー・
フラン・マグヌスの畑である。もともとフロンサックは石灰質含有率の高
い土壌だがフロンサックの町から北西に離れたこのシャトーのあるサン
ジェルマン・ド・ラ・リヴィエール村は特にその含有率が高く、白い畑が
特徴的だ。現オーナーのアルノー・ルー・オーリーによるとフロンサック
は19世紀頃までは非常に優れたワインが多く生産されておりサンテミ
リオンよりも高く評価されていたほどだという。ところが19世紀末のフィ
ロキセラでほとんどの畑が全滅し、立て直しを図るもポムロールをはじ
| 58
め周囲から遅れを取った。ようやくかつての品質を取り戻し始めたのは
90年代に入ってから。フロンサック地区にいくつものシャトーを所有す
るルー・オーリーはこのシャトー・マグヌスの畑のポテンシャルにかねて
から目を付けており2011年購入することとなる。「このワインは私のい
くつかのシャトーの中でもトップクラスのワインになるだろう」と言う。「とこ
ろによっては地表まで張り出した石灰岩盤が多くのミネラル分と力強さ
を葡萄にもたらし、エレガントで滑らかなメルローに別の個性を加える。
強いて言えば南サンテミリオンのように肉厚のワインに近いかもしれな
いがこのワインはやはりこの地区だけの個性だよ。」タンニン、ミネラル、
力強さを感じるのに若いヴィンテージでも飲み疲れない安心感がある。
「アペラシオンで言えばボルドー・スーペリュールということになるけど私
の中では”フロンサック・スーペリュール”だね」とこのワインの質の高さを
例えた。
【その他のテクニカル情報】
▽Me95% C.F.5% 植樹面積:10ha 6,000本/ha 平均樹齢:
35年 手摘み、破砕せずに発酵、マセラシオン
ステンレスタンク発酵、熟成(一部樽熟成)
Jean-Luc Thunevin / Bad Boy
Bordeaux Rouge
ジャン・リュック・テュヌヴァン/バッド・ボーイ
やんちゃオヤジの粋なボルドー
銀行員からボルドーネゴシャン
へと転身した特異な経歴の持
ち主。ワイン商を経て、後に念
願のワイン造りをスタート。サン
テミリオンの選び抜いた畑の区
画を購入し、シャトー・ヴァランド
ローを生産。わずか二年でトッ
プシャトーと方を並べるほどの
評価を得るなど、ボルドー最高
のサクセスストーリーはワイン愛
好家の伝説となる。彼の持ち
味である、ずっしりと存在感の
あるワインは地道な畑仕事のた
まもの。一房一房丁寧に気の遠くなるような厳しい仕事が行き届いて
いるからこそ、その後のワイン造りが生きる。彼に続く若い醸造家の手
本にもなっている。今やテュヌヴァンは生産者としてだけでなく、醸造コ
ンサルタント、そして同時に自身のワイン会社を持ち、幅広くワイン界に
貢献している。バッド・ボーイもジャン・リュック・テュヌヴァンの遊び心、
そして彼のワイン造りへの姿勢がふ
んだんに盛り込まれたワインとして
2006年ファーストヴィンテージがリ
リース。高品質低価格であるなら
たとえ産地をボルドーとしなくても、
という型破りのワインとして注目を
集める。従来の原産地呼称制度
に対する彼の挑戦でもあり、そんな
気概の表れが“Bad Boy”である。
もちろんワイン自体の出来は極め
て上質。樹齢40年のメルローが主
TOP
体となっているがダークチェリーや
ブラックベリーのような黒果実の香
りにコーヒーを思わせる香ばしさの
ある、重厚で凝縮感を大いに感じ
るワインです。生産量は偶然とは思えぬ6666ケース(6入り)。このワ
インの由来となったのは、ジャン・リュックを“やんちゃ者”と評価したロ
バート・パーカーJr.の言葉。
Pon Rouge du Paveil
Bordeaux Rouge
ポン・ルージュ・デュ・パヴェイル
| 59
マルゴー・クリュ・ブルジョワのシャトーがマルゴー村で造る AOC ボルドー
シャトーパヴェイル・
ド・リューズはマルゴ
ー北部の村スーサ
ンに1700年後期
から、6 代の リュー
ズ家に受け継がれ
た歴史あるシャトー。
このポン・ルージュ・
デュ・パヴェイルは
同じ村にあったシャ
トーを2005年に同
シャトーが買い取り、今で
はセカンドワイン的な位置
づけとしている。かつては
他人が所有するシャトー
のワインを自社銘柄として
生産することは珍しいが、
もともとの畑の位置が近い
ことや、当時の畑を現在
の10ha までに拡張し、葡萄樹
も一部植え替えるなど新たな
環境を整え、明確なコンセプト
のもとに産まれたワインである。
現在のオーナーであるフレデリ
ック・リューズはこのワインを「フ
レッシュな果実味溢れる軽快
なボルドーワインとして食事の
前半に飲んでもらえたら」と考
える。そのため抽出はごく軽く、
新樽の使用は最小限に留めフ
ルーティーさを重視しているのだが、そこは粘土質のマルゴー産らしく
密度の高い濃度もあり、豊かな果実味となって全体のバランスを整え
ている。生産者の意図を反映させながらもボルドーワイン、ひいてはマ
ルゴーっぽさが堪能できるワインである。
【その他のテクニカル情報】
▽Me70% C.S.30% 平均樹齢:20年
ンレス 樽熟成:12ヶ月(新樽:25%)
発酵・マセラシオン:ステ
Chateau Fort Roquetaillade Blanc
Bordeaux Blanc
シャトー・フォール・ロックタイヤ―ド・ブラン
美しき古城で造られるモダンスタイルボルドー・ブラン
14世紀初め当時
のローマ法王クレマ
ン5世の甥によって
建てられた歴史あ
るシャトー。当時は
戦略拠点としての
役割を担っていた
が今は美しいぶどう
畑に囲まれ、 観光
名所として当時のま
まの外観を保ち、
醸造設備はこの城内を改装したセラーに配備されている。2000年ヴ
ィンテージでデビューしたワインだが、もともとこのシャトーが持つ畑は平
坦なグラーヴ地区にあって比較的高低差のある畑は水はけに優れ、ミ
ネラル分を豊富に含んだ細かな貝殻や石灰岩が層となっており、ソー
ヴィニヨン、セミヨンなどの白葡萄品種には絶好の条件が整っていた事
に加え醸造家ステファン・ドゥルノンクールの手腕により極めて短期間
で成功を収める。専門家による高評価を得た事も大きく影響している
が、一時のブームで終わらない人気が
このワインの本質を表している。100%
手摘みで低収量(45hl/ha)。除梗後に
選果台で厳しく選果したのちは可能な
限りシンプルに醸造をまとめ、コストパフ
ォーマンスの優れたワインながら良質の
葡萄のポテンシャルを最大限に引き出
す手法が取られている。その結果ミネラ
ル、酸味、果実感が高いレベルで融合
し、爽やかでありしっかりとした葡萄の要
素も感じさせる。工業的に大量生産さ
れるボルドーワインとは明らかに異なる”
温かい味”を思い出させてくれるワインである。
TOP
【その他のテクニカル情報】
▽Se50%、S.B.50% 収穫:100%手摘み 収量:45hl/ha 除梗:
100% 発酵・マセラシオン:ステンレスタンク 熟成:約8カ月(ステン
レスタンク)
L (Generique) Sauternes
Sauternes
エル・(ジェネリック)・ソーテルヌ
| 60
世界最高の貴腐ワインが産んだジェネリックワイン
残念ながらシャトーの名称を明確にすること
は出来ないが”世界最高の貴腐ワインを造る”
といえば誰もがその名前を浮かべることができ
る。優れたトップシャトーと同じように今や簡単
には手の届
かない存在
となってしま
ったシャトー
にもセカンド
ワインという
逃げ道が存
在する。しか
しセカンドワ
インを生産し
ないこのシャ
トーは文字
通り高嶺の花となり、通常の流通網からさえ姿を消しつつある。
しかしそうなってしまったのにも、それなりの理由があり常にトップ
でい続ける努力を怠らない狂信的とも言える品質の追求に余
念がないからである。一部ではあるが以下に挙げた具体例によ
ってこのシャトーの姿が見えてくる。
●固有の微気候を伴う完璧な立地条件
●8hl/ha の超低収量
●97km にも及ぶパイプを用いた精巧な排水システム
●セカンドワインを生産しない
●最も良質なワインだけを生産しようという狂信的執念
●最高品質でなければその年は一本も生産されない
ストイックなまでの姿勢は畑仕事にとどまらずセラーにおいても
厳しい基準が設けられ、もともと少ない生産量は毎年数樽がボ
トリングされずそれらの樽はこのシャトーの名を冠することなく他
者へ販売される。しかし他のシャトーと異なりセカンドワイン、サ
ードワインを生産しないため樽で選別される工程の最後の部分
まではグランヴァンとして扱われ、実質的なワインの品質はグラ
ンヴァンと変わらない極めて高いものとなる。このワインはその数
樽を独占的に定期購入するネゴシャンが瓶詰め後に引き取り
ジェネリックワインとして販売されたもの。
【その他のテクニカル情報】
▽Se80%、S.B.20%
商品記号
ワイン
Rauzan Segla Lamouroux
69Z61 Ch.
シャトー・ローザン・セグラ・ラムルー
ヴィンテージ 色
メモ
ローザン・セグラの
もう一つのセカンド
在庫
85%が格付け畑だった
W.S.-89pt
○
濃厚かつエレガント
◎
3,700
元ムートンの醸造長が育てた
シャトー
×
750ml
3,300
プティ・ポイヤックと呼ばれる土
壌
○
赤
750ml
3,700
2010
赤
750ml
4,600
2008
赤
750ml
5,400
2005
赤
750ml
5,200
2008
赤
750ml
5,500
○
2011
赤
750ml
3,900
◎
2009
赤
750ml
2,500
◎
新入港
2006
赤
750ml
2,600
新入港
2010
赤
750ml
2,400
◎
新入港
2011
赤
750ml
2,500
◎
新入港
2011
赤
750ml
4,400
◎
2009
赤
750ml
2,700
2011
白
750ml
2,600
2010
白
750ml
7,600
新入港
サイズ
参考上代
2009
赤
750ml
8,400
2009
赤
750ml
6,500
2010
赤
750ml
3,800
2010
赤
750ml
2010
赤
新入港
2010
4月予定
○
AOCマルゴー 〈品種〉カベルネ・ソーヴィニヨン57% メルロー34% カベルネ・フラン6% プティ・ヴェルド3%
Les Ormes
69Y89 Ch.
シャトー・ド・レゾルム
AOCサンジュリアン 〈品種〉カベルネ・ソーヴィニヨン70% メルロー25% プティ・ヴェルド3% カベルネ・フラン2%
| 61 69V84 Ch. de Gironville
シャトー・ド・ジロンヴィル
AOCオー・メドック 〈品種〉メルロー50% カベルネ・ソーヴィニヨン40% プティ・ヴェルドー10%
Real
69R63 Ch.
シャトー・レアル
4月予定
AOCオー・メドック 〈品種〉カベルネ・ソーヴィニヨン55% メルロー35% カベルネ・フラン10%
Grand Bertin de Saint Clair
69Y90 Ch.
シャトー・グラン・ベルタン・ド・サン・クレール
AOCメドック 〈品種〉カベルネ・ソーヴィニヨン60% メルロー40%
Panigon
693B3 Ch.
シャトー・パニゴン
○
AOCメドック 〈品種〉メルロー50% カベルネ・ソーヴィニヨン45% プティ・ヴェルド5%
Teyssier
69R58 Ch.
シャトー・テシエ
ル・ドームを生み出した秀逸
シャトー
×
300年以上前から完全無農薬
○
フィジャックによる運営、醸造
×
AOCサンテミリオン 〈品種〉メルロー70% カベルネ・フラン30%
d'Arcole
69S81 Ch.
シャトー・ダルコル
AOCサンテミリオン 〈品種〉メルロー70% カベルネ・ソーヴィニヨン30%
La Fleur Pourret
694H1 Ch.
シャトー・ラ・フルール・プーレ
4月予定
AOCサンテミリオン 〈品種〉メルロー54% カベルネ・フラン40% カベルネ・ソーヴィニヨン6%
Pavillon Figeac
694F9 Ch.
シャトー・パヴィヨン・フィジャック
AOCサンテミリオン 〈品種〉メルロー65% カベルネ・フラン35%
Moya
693B7 Ch.
シャトー・モヤ
AOCカスティヨン・コート・ド・ボルドー 〈品種〉メルロー93% カベルネ・ソーヴィニヨン7%
69N93 Ch. Fleur Haut Gaussens
シャトー・フルール・オー・ゴーサン
AOCボルドー・スーペリュール 〈品種〉メルロー90% カベルネ・ソーヴィニヨン5% カベルネ・フラン5%
693B9 Ch. Larteau
シャトー・ラルトー
G.P.デュカスオーナー所有
△
AOCボルドー・スーペリュール 〈品種〉メルロー90% カベルネ・ソーヴィニヨン5% カベルネ・フラン5%
693B2 Ch. Monroze (Bordeaux Supelieur)
シャトー・モンローズ (ボルドー・スーペリュール)
AOCボルドー・スーペリュール 〈品種〉メルロー85% カベルネ・ソーヴィニヨン15%
698B0 Ch. Franc Magnus
シャトー・フラン・マグヌス
AOCボルドー・スーペリュール 〈品種〉メルロー90% カベルネ・フラン10%
Luc Thinevin Bad Boy
691C7 Jean
ジャン・リュック・ティヌヴァン・バッド・ボーイ
AOCボルドー 〈品種〉メルロー90% カベルネ・ソーヴィニヨン5% カベルネ・フラン5%
Rouge du Paveil
693B8 Pon
ポン・ルージュ・デュ・パヴェイユ
マルゴー村のACボルドー
◎
AOCボルドー・スーペリュール 〈品種〉メルロー70% カベルネ・ソーヴィニヨン30%
Forts de Roquetaillade Blanc
69W98 Ch.
シャトー・フォール・ド・ロックタイヤード・ブラン
○
AOCグラーヴ 〈品種〉ソーヴィニヨン・ブラン50% セミヨン50%
(Generique) Sauternes
69X23 Lエル・(ジェネリック)・ソーテルヌ
AOCソーテルヌ 〈品種〉セミヨン80% ソーヴィニヨン・ブラン20%
貴腐ワイン最高峰シャトー
のデグラッセ
○
TOP
国産
SOLARIS
上田・小諸, 長野
ソラリス
| 62
肥えた土壌、雨の多いこの国のワインで世界に並ぶ
量から質への転換
『質を上げた分、量は大きく減りました』(醸造責任者:島崎大)一番多
いワインでも年産500ケース。信州小諸シャルドネ樽仕込に至っては 5
樽(およそ1500本)という少量生産のソラリス。マンズワインは2つのワ
イナリーを所有。勝沼は甲州等多くのワインを造っているが、ソラリスが
造られるのは小諸ワイナリー。世界
に負けないワインを造りたいとの想
いを抱き続けてきたマンズワインが
1973年に設立。収量の多い国産
品種等からカベルネや独自に品種
交配させた信濃リースリング等に変
更。量ではなく質を高めることに集
中し、ソラリスは2001年に初リリー
スされた。『長野県上田と小諸の葡
萄だけを使用し、徹底した収量制
限を施した。剪定、グリーン・ハーヴェストは勿論、収穫も全て手作業。
選果もバイブレーション選果台を使い手作業で行っている』最も重要な
畑である東山のカベルネは収穫時点での収量が30hl/ha。これはブル
ゴーニュのトップ・ドメーヌなみの低収量。『何十年も前からこの地で葡
萄を育ててきたので、今では良い葡萄を得ることができるようになった。
あとは人間の手で最も良い形にすること。まだまだソラリスは良くなるは
ず。土壌や畑の位置、樽の種類や相性と取り組むべき課題も多いので
す。それだけ良くなる可能性が残されているのです』
日本の風土ならではの葡萄栽培
『肥沃で重い土壌の日本では畑選びが重要ですが、実はそれ以上に
標高や、畑の向き、気温の変化、水はけが重要』契約農家の畑は細
商品記号
かく区分けされており、契約農家1軒あたりの所有面積は1ha 以下。
現在約40軒の農家と契約しているが自社畑と合わせても約17ha の
畑からソラリスは産まれる。『昔と違い今は栽培と醸造の垣根がなくなり、
私達の考えを農家さんに理解してもらえるようになりました。収穫期に
は皆さんが選果も手伝ってくださる。時間と手間をかけて生まれてくる
ものこそ日本らしいと思うのです』
醸造責任者:島崎 大
ワインとの出会いは中学生の頃。親が頒布会で買ったワインのパンフレ
ットを見て様々な国、品種などのバリエーションに魅力を感じたのがき
っかけ。その後、ワイン醸造を学べる山梨大学へ進学し、83年マンズ
ワインに就職。87年にはボルドー大学へ(利酒適性資格と仏国家資
格醸造士を取得)。在学中は白ワイン
の魔術師と呼ばれたドゥニ・デュブルデ
ューの研究室に入り浸っていたそう。シ
ャトー・ラトゥールでの研修経験もある。
帰国後は欧州、南米で醸造経験を積
み2000年からソラリスの醸造に集中。
『ボルドーで学んだことは大きい。しかし
日本は気候や、土壌、畑の広さや管理
の仕方が違う。それぞれの仕事は年1
回しか経験できないことなので日本で
のワイン造りを経験し、試行錯誤を積
み重ねてきた』2007年にはニューズウィーク誌で世界が尊敬する日
本人100人にも選出された。島崎氏の言う挑戦の1つに有機栽培の
導入が挙げられる。高温多湿の日本の風土での有機栽培は極めて困
難を伴うことだが、必ず実現されるだろう。
ワイン
698C5 信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン
9月入荷
予定
ヴィンテージ
色
サイズ
2012
赤
750ml
参考上代
7,000
メモ
在庫
△
赤
750ml
5,000
△
2010
赤
750ml
7,000
○
2009
赤
750ml
5,000
△
6,500
△
〈上田市塩田平東山地区〉松林を開墾した前作のない南向きの最適地。最も厳しく収量制限され、葡萄の質の良い年だけ生産される。
690D0 信州カベルネ・ソーヴィニヨン
2011
〈上田市塩田平〉東山斜面の下方と盆地状の塩田平の畑。契約農家のそれぞれの畑は広さ、場所が異なり、収穫日が異なることもある。
690D2 信州小諸メルロー
〈小諸市大里地区〉マンズワインの最も古い畑の一つ。東山カベルネ同様、良い年だけ生産される。
698G3 信州千曲川産メルロー
〈長野県千曲川流域〉千曲川が流れる上田市、小諸市は葡萄育成時期の雨が少なく日照時間も長い。粘土が主体の一体の畑はメルローには最適地となる。
698C9 信州小諸シャルドネ樽仕込
2013
白
750ml
〈小諸市〉ワイナリー内の畑を含む小諸の優良なシャルドネだけを使用。厳しい収量制限の末生産量は1,000本に満たない。新樽100%にて樽発酵、熟成
699C0 信州シャルドネ樽仕込
2012
白
750ml
5,000
△
2012
白
720ml
3,500
△
〈長野県〉ワイナリー周辺の畑。シャルドネの華やかな香りを活かすため新樽、古樽を併用。
690D3 信州リースリング
〈長野県〉信濃リースリングは、マンズワインがシャルドネとリースリングを交配させて産んだ品種。低温発酵する一方で果汁の一部を保存し瓶詰め時にブレンドすることで甘みを残す。
693H0
信州リースリング辛口
2013
白
720ml
3,500
△
〈長野県〉マンズワインが産んだシャルドネとリースリングの交配品種。発酵後も酵母を残すシュール・リーでリースリングのまろやかな部分を引き出し、調和のとれた爽やかな味わいとなる。
699C3 信州リースリング・クリオエクストラクション
2012
白
720ml
5,000
△
750ml
3,500
△
〈長野県〉完熟した葡萄を凍らせて溶けだした果汁を搾る製法。通常の3倍以上の原料を必要とする。濃厚でリッチな甘口に仕上げられている。
699C9 信州シャルドネ・マセラシオン・リミテ
2010
白
破砕後にごく短時間(リミテ)果皮と果汁を一緒に漬け込む(マセラシオン)製法によって深い味わいを形成する。密閉タンクで熟成することでフレッシュな果実味を維持する。
699C5 ユヴェンタ
2011
赤
750ml
3,500
△
2012
白
750ml
3,500
△
750ml
3,800
○
750ml
3,800
○
〈長野〉「若さ、若者」を意味するラテン語。長野県産メルローを主体としたソラリスのセカンドワイン的存在。
699C6 信州ソーヴィニヨン・ブラン
〈長野県〉ワイナリー南側の畑。収穫後すぐに搾汁し発酵。シュール・リーでタンク熟成。ごく短期間の醸造により柑橘系の爽やかな果実味が活きている。
696F4
ソラリス・ルージュ
2012
赤
〈長野県〉長野県産メルローを主体としカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンド。果実味を重視した滑らかな飲み口ながらソラリス本来の重厚感も健在
696F5
ソラリス・ブラン
ステンレス発酵・熟成で造るシャルドネ。マセラシオン・リミテの上級キュヴェ
2012
白