名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター

先端医療・臨床研究支援センター
Vol.11
平成25年9月1日発行
発行:名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター センター長 石黒 直樹
TEL:052-744-1956、1962 FAX:052-744-2948 URL: http://www.nu-camcr.org/cms/
新任教員よりご挨拶
先端医療・臨床研究支援センター・臨床試験企画室に3名の教員が
着任しましたので、皆様に謹んでご紹介申し上げます。パワフルな
先生方が加わり、臨床研究、生物統計、バイオインフォマティクス
に関する相談・支援体制が強化されました。
室谷先生
病院助教
室谷 健太
むろたに けんた
鍬塚先生
中杤先生
ニーズを掴み、それに応えるための一手が打てるよ
うに日々精進しております。
統計学的方法論開発では、これまで diagnostic
medicine を主に研究して参りました。Diagnostic
medicine といいますのは、ある疾患を診断するた
4 月 1 日より先端医療・臨床研究支援センター
病院助教として着任いたしました室谷健太と申し
ます。出雲大社で有名な島根県の出身です。同郷の
方がいらっしゃったら気軽にお声をかけてもらえ
たらうれしいです。
前職は神戸の臨床研究情報センター(TRI)の統
めの診断方法の性能評価や性能比較をするための
生物統計学的手法を表しています。感度(病気の人
を正しく病気と診断する確率)、特異度(健常の人
を正しく健常と診断する確率)の評価もその 1 つ
です。一見、単純そうですが、データの採取の仕方、
診断法の特徴(機械的に診断されるものか、主観に
基づくものか、など)によっては、途端に複雑な問
計解析部で 3 年間、研究員をしておりました。臨
題となります。現在は確定診断が得られない状況に
床研究のプロトコルの統計学的考察の検討や、実際
おける診断法の比較について、数学的に考察しなが
の統計解析・報告書作成等を担当しておりました。
ら方法論開発に取り組んでいます。
私の専門は生物統計学です。生物統計家として、
生物統計学のご相談やデータ解析については、
臨床研究の統計学的支援と、統計学的方法論の開発
生物統計相談窓口からも受け付けております。
を大きなテーマと考えております。
http://inside.nu-camcr.org/cms/ctc/interior/
臨床研究支援はこれまで外科・循環器科・放射線
医学・精神科等の共同研究で統計家として携わって
まいりました。アイデアを統計学的な言葉で表現
toukei/
普段は中央診療棟 3 階臨床試験企画室におりま
す。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
し、共同研究者と対話をしながら形にするスタイル
を大事にしています。対話の中で、早く、的確に
(中杤先生、鍬塚先生のご紹介が裏面に続きます)
v
病院助教
中杤 昌弘
なかとち まさひろ
病院助教
鍬塚 八千代
くわつか やちよ
今年度より、病院助教として先端医療・臨床研究
平成25年6月1日より先端医療・臨床研究支援
支援センターに務めさせて頂く事になりました
センターでの勤務を拝命致しました。どうぞよろし
中杤昌弘と申します。バイオインフォマティクスを
くお願い申し上げます。
専門としています。何卒よろしくお願い申し上げま
す。
私は名古屋大学を卒業後、名古屋第一赤十字病院
で初期臨床研修と血液内科のトレーニング、その後
私はこれまで、遺伝子関係のバイオベンチャーに
は社会人大学院生としてトヨタ記念病院、愛知県
てバイオインフォマティクス部門の主任研究員を
がんセンター中央病院に勤務しました。平成20年
5 年間勤めながら、大学院にて研究活動を行ってき
からは大学院生としてヒト造血器腫瘍マウスモデ
ました。そしてその過程で、ゲノムワイド関連解析
ルを用いた研究に携わるとともに、名大附属病院で
(GWAS)や連鎖解析をはじめとするゲノミクス、
臨床に従事しました。
mRNA・miRNA 等のトランスクリプトミクス、近
年注目を集めている DNA メチル化アレイをはじめ
とするエピゲノミクス等、様々な大規模オミクスデ
ータ解析に貢献して参りました。現在は上記に加
え、プロテオミクス、メタボロミクス、次世代シー
クエンサーの解析にも携わっております。
日赤病院に居た頃から諸先生方が実施される臨
床研究や、造血幹細胞移植の登録データを用いた研
究に関わる機会があったことから、臨床研究の手法
をしっかり学びたいと思うようになり、平成23年
から2年間、全米の造血幹細胞移植(骨髄・臍帯血
移植)のデータセンター(Center for
近年、次世代・次々世代シークエンサーを用いた
International Blood and Marrow Transplant
研究が活発化してきました。それに伴い、データ量
Research, CIBMTR)に留学し、人種的背景が同
は爆発的に増加し、また、DNA・RNA・タンパク
種造血幹細胞移植成績に与える影響をテーマとし
質・遺伝子修飾といった生命情報が一括して取得さ
て臍帯血移植の日米比較研究を行いました。当初は
れ易くなった事で、これらの情報を統合的に解析す
日々の臨床から生じた疑問点を大規模な登録デー
る事がより重要になってきました。そのため、この
タを用いて明らかにすることに面白さを感じて留
様な大量の情報を、高速かつ正確に処理し、統計
学しましたが、臨床研究データと研究の質を高める
的・生物学的観点から重要な情報を抽出できるバイ
べく研究組織がどのように機能しているかを目の
オインフォマティクスの必要性が増してきました。
当たりにする貴重な経験となりました。
私は、これまで培ってきた知識・経験を活かして、
また留学先では、ボスから勧められるままに
名古屋大学のこれらの研究に貢献したいと考えて
Clinical and Translational Science の修士課程
おります。至らぬ点も多々有るかと存じますが、
に所属し、研究生活の傍ら疫学・生物統計・臨床研
何卒よろしくお願い申し上げます。
究方法論・研究倫理・医療機器承認審査といった臨
床研究の基礎について、広く学ぶ経験を得ました。
微力ながら、臨床研究支援部門で今後皆さまのお
役に立つことができればと思っております。ご指導
治験審査委員会(IRB)日程
第 32回 平成 25 年 9 月 17 日(火)
第 33回 平成 25 年 10 月 21 日(月)
賜りますようお願い申し上げます。
16時から東病棟 8 階大会議室にて開催
先端医療・臨床研究支援センターニュース編集委員
石黒陽子
野村直美
伊豆原優子
濱口道子
最明晴美
[八嶋ゆかり]