コンプライアンス遵守について ○建築基準法 ○消防法 ○工場立地法 1 コンプライアンスとは 法令遵守、すなわち法律や規則を守ること 当社は2008年以降、 建築基準法、消防法、工場立地法に関わる コンプライアンスチェックを工場管理者様と共に行い、 不適格部分を撤去・改修等により是正して来ました。 コンプライアンス違反への社会の目は年々厳しくなっています。 特に今後、工場や事務所の増改築を計画する場合には 上記法令に違反があると許可を受けられません。 前もってチェックし是正しておくことが重要です。 2 コンプライアンス違反の事例 ×建築基準法 ×消防法 ×工場立地法 3 確認申請が必要 4 準耐火構造になっていない 5 防火区画がされていない 6 延焼措置がされていない 7 法22条地域内の措置がされていない 8 緑地減少の措置がされていない 9 10 建築確認申請の解説 建物を新築・増改築・移転する場合の留意点 11 1.建築確認申請 建築確認申請とは 建物を新築・増改築等する場合に(例:工場/事務所の新築・増築,庇新設etc) 工事内容の大小に関わらず、計画が建築基準法に適合するかどうかの 審査を受けることです。 ※申請が許可されなければ工事はできません (審査期間は2ヵ月~4ヶ月) 注意)確認申請は全ての建設工事に必要ではありません。 説明は次頁へ 12 建築確認申請について知る-① 確認申請の必要な場合とは・・・ 項 目 内 容 新築工事 増改築工事 建物移転工事 エレベーター 延べ床面積10㎡超(注) (建築面積ではありません) 荷重条件に関係なく設置する場合 確 認 申 請 提 出 (注)10㎡以下で確認申請の提出が必要でない場合でも 当然合法的に建てなければなりません。事前に確認下さい 13 建築確認申請について知る-② 延べ床面積とは 建物各階の床面積の合計 延べ床面積 2階床面積:40㎡ 図の場合 は・・・ 1階床面積:80㎡ 80㎡(1階床面積)+40㎡(2階床面積)=120㎡(延べ床面積) 14 建築確認申請について知る-③ 建築面積とは・・・ 真上から見た面積(水平投影面積)です。 何階建てであろうと建築面積は変わりません。 地上6階建て 100㎡ 建物A 100㎡ 建物B 真上から見た図 平屋(1階建て) 建物A 建物B 横から見た図 高さが違っても、建物A , Bの建築面積は等しい 15 2.工事例ー① 例-① 延べ床面積10㎡を超える増築 ・既設工場内に事務所設置 ・敷地内に事務所設置 敷地 敷地 事務所設置 平屋20㎡ 事務所設置 平屋20㎡ 既設工場 既設工場 確認申請必要 確認申請不要 (延べ床面積が増加している) (延べ床面積が増加していない) 16 工事例-② 例-② 増築・・庇 ・新設の庇 8㎡を建てる ・新設の庇 30㎡を建てる 敷地 敷地 庇新設 8㎡ 庇新設 30㎡ 既設工場 既設工場 確認申請必要 確認申請不要 (延べ床面積が10㎡超のため) (延べ床面積が10㎡以下のため) 事務所/休憩所の新設などでも同様となります 17 3.確認申請の流れ 確認申請 工 事 計 画 作 成 確 認 申 請 提 出 審 査 確 認 済 証 受 領 この間のリードタイム 約2~4ヶ月 工 事 着 工 可 中 間 検 査 完 了 検 査 建 物 使 用 許 可 中間検査・完了検査時にも 確認済証が必要となります。 18 建物の延焼ラインの解説 隣接して建物を造る場合の留意点 19 1.延焼ラインの概要 1.延焼ラインの概要 隣接する建物の火災が発生した場合、炎が燃え移る 可能性のある距離を延焼ラインと呼びます。 延焼ライン 20 2.延焼ラインの解説 延焼ライン部分 延焼ラインとならない例 2) 外壁間の中心線 ( 同一敷地内) 3) 敷地境界線 5m 建物A 300㎡ 5m 建物Cと建物D 【条件】 両方の建物面積合計が500㎡以下 5m 1) 道路中心線 5m 5m 5m 建物C 300㎡ 建物B 700㎡ 建物D 100㎡ 2階 2階 2階 1階 1階 建物E 600㎡ 3階 2階 1階 3m 3m 3m 3m 敷地: A 1階 3m 3m 3m 3m 敷地: B 道路 敷地: C 2) 外壁間の中心線 ( 同一敷地内) 内 容 1階部分 2階以上 1)道路中心線からの距離 3m 5m 2)同一敷地内の2つの建物外壁間の中心線からの距離 3m 5m 3)敷地境界線からの距離 3m 5m 21 3.延焼ラインにかかった場合の対応例 ・延焼ラインにかかった建物を接続して同一棟とする。 《この方法での留意点》 Aの接続面は防火区画の処置が 必要です。 施工範囲 A B 防火区画 ・延焼ラインにかかった外壁を防火構造にする。 施工範囲 A 防火構造 B 《この方法での留意点》 Aの屋根まで防火構造の壁とする 必要があります。 22 23 推奨事例 仕 様 屋外に休憩室を造る場合 【ポイント1】 床面積が10㎡超の場合、 確認申請を提出する 【ポイント2】 工場の外壁を1時間耐火 の壁とする ・工場側外壁 1時間耐火の壁 ■工場側外壁 スレート壁の上に1時間耐火 の壁を貼り付ける 3m 3m 屋外休憩室 24 防火区画の解説 ・工場内に間仕切壁を設置 ・工場内に事務所等を設置 する場合の留意点 25 1.防火区画とは 床面積1,500㎡以上の施設は1,500㎡毎に1時間耐火 の壁で延焼防止の区画をする必要があります。 《1,800㎡の工場の区画例》 1800㎡ 1500㎡ 300㎡ 耐火壁を設置することにより 1500㎡と300㎡に区画 【なぜ工場はオープンな環境で生産出来るか?】 区画出来ない理由を提出し許可されれば、1500㎡毎の 区画免除を受けることができます。(免除例は次頁) 26 2.防火区画 免除(例) 例① 生産レイアウトに支障がでる場合 1500㎡ 500㎡ 溶接 組付 製品 出荷 生産レイアウトに支障がでる場合 免除申請が出来ます 通常は耐火壁が必要 例② 天井クレーンがある場合 クレーンガーター 1500㎡ 500㎡ ク レ ー ン ク レ ー ン クレーンガーター 通常は耐火壁が必要 クレーンにより区画出来ない為、 27 免除申請が出来ます 3.防火区画における留意点 1,500㎡以上のエリアにおいて、事務所などを設置 する場合は耐火仕様で工事しなければなりません。 【必要例】 1500㎡以上のエリアに事務所を造る 1500㎡以上の工場 事務所設置 1時間耐火の壁・天井で 区画、耐火認定の 窓・扉を設置 【不要例】 1500㎡の区画内に事務所を造る 1500㎡区画内 耐火仕様で工事する必要は ありません 事務所設置 28 4.防火区画の仕様 壁: 1時間耐火認定の壁で工事 【壁の施工例】 石膏ボード 12.5㎜ 両面2枚張り 石膏ボード 21㎜ 片面2枚張り 下地:軽量鉄骨 下地:軽量鉄骨 窓:耐火ガラス又は防火シャッターの設置 はめ殺しの 耐火ガラス 防火シャッター の設置 扉:防火認定扉 窓が必要な場合は ヒューズ付シャッター を設置する ヒューズが溶けて 鉄板で遮断 29 推奨事例 仕 様 【ポイント】防火区画する 荷役用エレベーターを囲う場合 ・壁材 1時間耐火認定の壁で囲う 石膏ボード 21㎜+21㎜(片面2枚張り) 石膏ボード 21mm (断面) 石膏ボード 21mm 荷役用エレベーター ・シャッター 煙感知器連動 防火シャッター ・扉 防火戸 壁材 1時間耐火認定の壁 鉄骨 ヒューズ付ダンパー 下降 ・シャッター 煙感知器連動の防火シャッター 設置 防火戸 30 準耐火建築物の解説 工場の屋根、外壁等の材質 に関する留意点 31 1.準耐火建築物の概要 建物の主要構造部を不燃材料で施工したもの 主要構造部 仕様 梁 屋 根 梁 柱 床 外 壁 屋根 不燃材料 で造ること 柱 外壁 床 一般の工場は殆どが準耐火建築物で造られている 32 2.工事の留意点 ①屋根・外壁 不燃材(金属板,スレート等)を使用して下さい。 可燃材(アクリル板、ベニヤ板等)の使用は不可。 ②柱・梁 鉄骨として下さい。 ③床 コンクリート,アスファルト等を使用して下さい。 33 改修事例 工場の鉄骨階段に風雨除けの壁を貼る場 合 ・屋根 折板(鉄板) ・アルミサッシュ ・網入りガラス ・壁材 サイディングボード (不燃認定品) 仕 様 【ポイント】不燃材を使用する 注)アクリル板等の可燃材は 使用できません。 ■壁材 ①サイディングボード(不燃認定品) ②スレート ③角波鉄板 ■窓 アルミサッシュ,網入りガラス ■屋根材 折板(鉄板) 厚み 0.8mm ・通路屋根 折板(鉄板) ■通路屋根材 折板(鉄板) 厚み 0.8mm 34 法22条区域について 屋根の材質に関する留意点 35 1.法22条区域とは 防火地域および準防火地域以外の指定地域で、 広域的な防火対策を図る目的から、建築物の屋根を ①不燃材で造る 又は ②不燃材で葺く ことを義務づけた区域です。 ①・・・屋根・断熱材・下地 屋根 を不燃材で造る (屋根が瓦などの場合) 断熱材 ②・・・屋根 を不燃材で 葺く(おおいつくる) 下地 屋根断面図 36 2.基本的な考え方 新築,増改築,改修工事を実施する場合は、 法22条区域を確認し工事を実施して下さい 例:工場にプレハブハウスを新設する 愛知県の場合 ほとんどが法22条区域 であるため、 屋根は不燃材で葺か(又は 造ら)なければならない 【推奨例】 ・カルバリウム鋼板 0.8mm折板葺き ・カラー鉄板 0.8mm折板葺き 37 工場立地法の解説 一定規模以上の工場を新築・増改築 する場合の留意点、特に緑地に注意 38 1.工場立地法とは ・生産施設を設置(生産施設面積の増加) ・植栽を撤去(緑地の減少) 上記のような工事 の際は注意が必要 ①工場立地法の目的 企業が工場の立地・運用に際して周辺地域の 環境保全を図り社会貢献と注意義務を全うする ②工場立地法の主な要件 生産施設面積の制限 緑地面積の確保 環境施設面積の確保 工事着工90日前に届出を行う必要があります 39 2.届出対象と規制の内容 1)届出対象 次の条件に当てはまる工場が届出対象となります。 ①敷地面積: 9,000㎡以上 ②建築面積の合計 3,000㎡以上 A B C ③業種: 製造業、電気、ガス、熱供給業(水力、地熱発電を除く) 2)規制の内容 内 容 敷地面積に対する割合 ①生産施設面積 40%未満に抑える ②緑地面積 20%以上確保 ③環境施設面積 緑地を含め25%以上確保 40 最後に 建物コンプライアンス工事は 当社までご相談・ご下命を お願いします ご拝読ありがとうございました 41
© Copyright 2024 Paperzz