東京で第30回世界連邦日本大会開催

昭和 27 年 4 月 18 日第 3 種郵便物認可
世界連邦 Newsletter
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1 部 100 円(奇数月 1 回 28 日発行)
東京で第30回世界連邦日本大会開催
第 30 回世界連邦日本大会 in 東京 2011 が 11 月 13
日、政策研究大学院大学想海樓ホールで開催され、
約 250 名が参加した。主催は世界連邦推進日本協議
会。後援は外務省、文部科学省、JICA(国際協力機構)、
国連 UN-OHRLLS 支援事務所、国連の友 Asia-Pacific。
テーマは「ポスト 3・11 時代に求められる人類の地球
的課題」。
午前 10 時から木戸寛孝実行委員長が司会を行い、
海部俊樹大会長があいさつ。高らかに日本大会開催
を祝した。続いて宗教委員会代表の稲垣裕彦氏の司
式により、東日本大震災で亡くなられた方々および
世界連邦運動のために力を尽くした故人のために平
和記念黙祷が捧げられ、来賓の方々の紹介が行われ
開会行事を終えた。
第1部では、歴史・理念として城忠彰副会長から
「世界連邦の歴史と展開」の講演、山脇直司東京大
学教授から「9・11 と 3・11 以降のグローカル政治哲学
の課題」の講演。V・ポポフスキー国際連合大学サス
テイナビリティと平和研究所学術審議官から「持続
可能な平和と保護する責任」の講演が行われた。
食事休憩をはさんで午後12 時 50 分から第 2 部
「予測不能な時代―21 世紀における世界連邦運動の
ビジョンと課題―9・11 と 3・11 を踏まえて」と題して、
ニューヨークの WFM-IGP のウィリアム・ペイス専務
理事が基調講演を行い、国際刑事裁判所への加盟国
を増やしたり、「保護する責任(RtoP)」の考え方を
広めたりするなど具体的なプロジェクトを通じて、
段階的にグローバル・ガバナンスを高めて世界連邦
を目指すことを伝えた。
第 3 部では、川崎哲ピースボート共同代表が「核
の惨害を繰り返さないために」と題して講演を行い、
鬼丸昌也テラ・ルネッサンス創設者・理事が子ども
兵と武器問題について講演。最後に犬塚直史元参議
院議員が「保護する責任と UNEPS 国連緊急平和部隊」
について講演した。午後 4 時 35 分から閉会行事に移
り、谷本真邦宣言起草委員が朗読した宣言文が拍手
で採択され、日本大会は閉会された。
午後 6 時半から国立新美術館ポールボキューズ・
ミュゼで懇親パーティが和やかに行われ、全ての日
程を終了した。
1
第1部: 歴史と理念
から世界に発信すべきグローカルな理念と果たすべ
き課題を、憲法の前文と平和思想と人権思想に即し
て述べた。
山脇直司: 東京大学大学院総合文化研究科国際社会
科学専攻教授
「世界連邦運動の歴史と展開」
城 忠彰
世界連邦の構築を目指した運動が、西欧や日本で
燎原の火のごとく広まっていったのは第二次世界大
戦終結直後。そこにどのようなインセンティブがあ
ったのか。新たに発足した国際連合の限界、深刻な
冷戦の進行と、それに伴う熱核戦争勃発の可能性へ
の危惧など。世界連邦の理念が世界平和に果たす役
割を、原水爆禁止・核兵器廃絶を希求する平和運動
などとの関連において考察した。
城忠彰: 広島修道大学法学部教授(国際法)。非核兵
器地帯条約を中心にした軍縮国際法を専門とする。
「持続可能な平和と保護する責任」
ベセリン・ポポフスキー
持続可能で永続的な平和は、国家が「保護する責
任」を行使し、国民をジェノサイド、人権侵害、戦
争行為など集団的残虐行為から守って初めて可能に
なる。「保護する責任」(RtoP)の概念は2001 年の
ICISS 報告書で発表され、2005 年、世界サミットで
の国連総会で承認され、2009 年国連総会の報告書
「保護する責任の実行」で展開された。しかし、2011
年のリビアとシリアでの出来事が「保護する責任」
(RtoP)に大きな課題をつきつけた。もし、国際社
会がリビアにとった迅速かつ決然とした行動が成功
を示すとすれば、シリアに対してとったあまりにも
消極的で遅すぎた行動は「保護する責任」の失敗を
示すものだ。
ベセリン・ポポフスキー: 国際連合大学サステイナビリ
ティと平和研究所 学術審議官
「9・11 と3・11 以降のグローカル政治哲学の課題」
山脇直司
グローカル政治哲学(Glocal Political Philosophy)
とは、「活動の中心」を意味する英語のlocus に由
来するlocal に、個人一人一人が生きる「現場の」
や「地域の」という意味を付与し、それと「地球的」
を意味するglobal を結びつけ、「各自が活動するそ
れぞれの現場や地域に即して全地球的な政治的諸問
題を論考する哲学」と定義。2001 年9 月11 日と2011
年3 月11 日の出来事を受けて、日本という場・地域
第 2 部: ウィリアム・ペイス WFM-IGP 専務理事 基調講演
「予測不能な時代―21 世紀における世界連邦運動のビジョンと課題―9・11 と 3・11 を踏まえて」
ウィリアム・ペイスWFM-IGP専務理事
WFM Japanを率いておられる海部俊樹会長、森山眞
弓会長代行、日下部禧代子理事長にごあいさつ申し
上げます。お三方とも国会議員経験者であることは
素晴らしいことです。
2005年に日本が衆議院で世界連邦に関する国会決
議を得たことは特筆すべきことです。
基調講演を行う前に、3月11日に日本を襲った東日
本大震災で亡くなられた方にお悔みを申し上げます。
何ヶ月も復興に向けて努力している日本の方々の勇
気ある行動を賞賛いたします。
本日は副題にありますように、9・11から3・11の
2
教訓を踏まえてお話しいたします。
まずはじめに、国際刑事裁判所(ICC)- ローマ規
程の批准を成し遂げることに貢献したWFM Japanや
JNICCメンバーの方々に御礼申し上げます。日本は
ICCを批准し、資金的にも同ローマ規程を最も支えて
いる国であります。
日本の世界連邦運動が特にアジアにおいて加盟国
を増やすことを目指していることを喜ばしく思いま
す。国際刑事裁判所は、WFMの長年にわたる活動の中
で、もっとも成功した民主的グローバル・ガバナン
スの仕組みであるだけでなく、同ローマ規程は国連
憲章の採択以降、国際的にも世界法における偉大な
進展であります。
第二次世界大戦の焦土から日本は世界第二の経済
大国になるほど奇跡的な発展を成し遂げました。
このことは一般に認識されている以上に重要なこ
とであります。
今日のお話の中で私がお伝えしたいのは、日本は
21世紀において、もっと成熟した段階へ移行しなけ
ればならないということです。
(もちろん日本だけでなく全ての主要な先進国に
おいてそうなのですが、とりわけ日本のリーダーシ
ップは必須です。)
今世紀、日本や他の先進国は、高齢化する人口、
社会保障や年金における問題、失業、気候変動、経
済格差、エネルギー問題をどうするかといった様々
な価値に基づく社会を形成しなければなりません。
テロや地域的不安定、ファシズム、大量破壊兵器
を用いた戦争など、国家の安全保障政策が危険性を
はらんでいることは、極めて重要でかつ20世紀から
の往年の課題であります。
みなさんの多くがご承知のように、戦後、日本の
外交政策は世界的に見ても日米同盟に圧倒的に比重
をおいたものと見られています。
今回の講演で私が強調したいのは、日本は、国際
民主主義を盛り立て、代替的グリーンエネルギーシ
ステムを開発するリーダーとなり、国際連帯税のよ
うな地球公共税をサポートし、グローバルな環境ガ
バナンスを強化し、紛争予防を効果的に支援し、国
連や地域レベルにおいて平和を作り出す仕組みに貢
献するよう大きなステップを踏んでいくものと信じ
ているということです。
2001年から2009年までのアメリカ合衆国政府の政
策の悲惨な失敗を思い返してみると、アメリカ政府
は9・11から正しい教訓を明らかに何も学んでいない
ということを示しています。私は日本が3・11で間違
った教訓を得るという同じ間違いをしないことを強
く望みます。
国際法秩序における無政府状態、少数独裁、偽善
平和や武器取引や安全保障を規定する国内法はき
わめて不十分であります。また地球規模で銀行取引
や貿易、デリバティブ、タックスヘイブンを規定す
る国際法もきわめて不十分であります。
国内のみで行動する国家によっては解決できない
グローバルな問題について、世界法や憲法を必要と
するWFMの理念にあてはめると、世界秩序における民
主制の欠如があります。
国連には193カ国あるいは194カ国が加盟していま
す。しかしその成員は政府官僚によって占められて
います。国連の安全保障理事会の15カ国のうち 5つ
は拒否権をもつ常任理事国です。
日本と国際民主主義 日米関係
私はこの大会で今後の日米関係について実のある
じっくりとした議論がもてることを期待しています。
というのは多くの不確定要素が日本人の心の中にあ
るからであり、多くの西洋人の心もまた同じです。
私は世界が日本に対して、21世紀において国際社
会の一員として、何を期待しているのか議論したい。
日本はアジアの覇権国家になるかわりに、グロー
バル・ガバナンスを先導する国家となってほしい。
日本は人口、経済貢献、国家としての地位に関わ
る意思決定のプロセスにおいて、グローバルな制度
をつくる上で国際民主主義のための闘士たらねばな
3
りません。
日本は常任理事国を目指すのでなく、(人間の安
全保障などを実現する)オルタナティブとして活躍
していただきたい。
日本と3・11、気候変動、グリーンエネルギーと原子力
エネルギー
3・11の災害とそれにともなう復興活動は、日本の
人たちに重くのしかかっています。その影響は、特
に電力不足に関しては国家規模のように感じられま
す。私はエネルギーの代替資源について語ることは
喫緊の課題であると思います。
日本は3・11に関連する様々な、陰鬱で往々にして
気を滅入らせることを、代替的でクリーンなエネル
ギー源に関する前向きなことに変える潜在能力をも
っています。
日本は長年、気候変動と戦う上で傑出した担い手
であるので、グリーンエネルギーの新しい国際的な
顔としての可能性をもっています。
日本と国際民主主義
WFMがどうやって世界連邦を実現しようとしてい
るか、それをプロジェクトとして列挙すると、
UNPA(国連議員総会)の設立、ICC(国際刑事裁判
所・ローマ規程の充実)、RtoP(保護する責任)、
UNEPS(国連緊急平和部隊の創設)、FTT (金融取
引税の創設)、安全保障理事会の改革、国連総会の
改革、国連選挙改革、グローバル・ファイナンス、
貿易、金融法及び保護に関する改革、軍縮―ATT、核
不拡散―、軍縮法としての国際刑事裁判所、そして
国際民主主義を広めることがあります。
(※保護する責任とは、当該国家が自国の国民を
守らない、あるいは守る力がない際は、国際社会が
守る責任を持つという考え方である。リビアへの介
入がこれにあたる。)
日本は地域的にも国際的にも国際民主主義のリー
ダーになれます。
日本が安全保障理事会で常任理事国入りしようと
するのは間違ったアプローチです。そもそもそのよ
うなことは起こらないし、そうなるべきではない。
それは問題解決ではなく覇権主義をもたらすだけで
す。
国際ファンディング
国際的にファンディングを得ることはとても重要
です。国際的に、政府を超えた活動のファンディン
グという側面がありますが、こうしたファンディン
グが行われることは稀です。
国際民主主義のリーダーとしての日本
日本は主要国と中小の国の橋渡しをする存在です。
1947年から時を越えて1971年のウ・タント国連事
務総長のスピーチが2011年の今、よみがえります。
の市民社会、自治体の首長、国会議員のみなさん、
私たちの平和運動と国際民主主義は、極めて重要な
ものとなるでしょう。
WFM(世界連邦運動)はこれからもWFM Japanとと
もに活動して参ります。
「人間性とともに平和を築きなさい。
生命とともに平和を築きなさい。
この星とともに平和を築きなさい。」
日本は歴史的な貢献をすることができます。日本
センターの委員長であり、ワン・アース財団の諮問
委員会のメンバーであると同時に、国連の持続可能
な開発委員会(CSD)の NGO 運営委員会と、国連安全
保障理事会の NGO ワーキング・グループの共同設立
者でもある。人権のためのアーバン・モルガン研究
所からJ・バトラー人権賞受賞、アショカ財団のフ
ェローでもある。国際裁判、国際情勢、多国間条約
制定のプロセス、国際的な意思決定における市民社
会の参画に関するいくつもの記事やレポートを執筆
している。
講師プロフィール ウィリアム・ペイス
世界連邦運動世界政策研究所(WFM-IGP)専務理事。
国際刑事裁判所 NGO 連合(CICC)の呼びかけ人、共
同設立者でありまた「保護する責任」を求める国際
NGO連合(ICRtoP)の運営委員会メンバー。国際
正義、法の支配、環境法、人権についてこの 30 年間
携わってきた。かつてハーグ平和アピールの事務局
長を務め、国際法開発研究所のディレクターやアム
ネスティ・インターナショナルの人権財団が主催す
る『人権のためのコンサート』のセクション・リレ
ーションズ・ディレクターを兼任。また、国連改革
第3部: 「シビル・パワーが世界を変える」
ルネッサンスがウガンダ、コンゴで実施する「元子
ども兵社会復帰支援」で出会った元子ども兵が語る
事実をもとに、紛争下に生きる子どもたちが、子ど
もらしく生活できる社会の実現に向けて、私たちに
何ができるのかを考察した。
核の惨害を繰り返さないために
川崎 哲
フクシマを経た今日、核の危険を除去し、これ以
上核被害者を出さないために世界の市民が共にでき
ることは何か。第一に、核兵器禁止条約の交渉を開
始すること。核不拡散条約だけでは軍縮は進まず、
むしろ核の危険は世界に広がる。第二に、核燃料サ
イクルから撤退すること。プルトニウム利用計画は
危険なばかりか経済的にも破綻している。第三に、
原発輸出競争を止めること。安全性、不拡散、テロ
対策などの基準の厳格化が必要だ。輸出国側の、政
府・企業の責任は重い。第四に、世界のヒバクシャ
が連帯すること。広島・長崎、チェルノブイリ、核
実験やウラン採掘等の被害者が経験を交流させ、核
被害の非人道性を世界の共通認識にしなければなら
ない。
鬼丸昌也:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス創設
者・理事
保護する責任とUNEPS 国連緊急平和部隊
犬塚 直史
国家として独立間もない南スーダンに陸上自衛隊
がPKO として派遣される予定になっている。自国民
の保護もままならない南スーダンに展開するPKO と
して、平和構築に係るあらゆる役割が期待されてい
る。ここでは、こうした複合的PKO の理念的支柱と
なりつつある「保護する責任」と、PKO の早期展開
を可能にする「UNEPS 国連緊急平和部隊」を取り上
げ、なぜポスト3・11 の日本がUNEPS 設置推進の機運
をつくる可能性があるのか、日本のイニシアティブ
でこの構想を前進させるための実現性、経済性、将
来性を論じた。
川崎哲: ピースボート共同代表。核兵器廃絶国際キャ
ンペーン(ICAN)副代表、「アボリション2000」調整委員。
僕は13 歳 職業、兵士。
~子ども兵と武器問題について~
鬼丸 昌也
犬塚 直史:元参議院議員。立教大学卒、テキサス州ダ
ラス大学院MBA。ハワイ州でのホテル経営などを経て
MDM 世界の医療団設立会員。
10 代で徴兵される子どもたち。軍隊の中で子ども
たちは暴力と恐怖の中で暮らすことになる。テラ・
4
第30回世界連邦日本大会宣言文
家の専権事項とされてきたが、今日ここに基調講演
をされたウィリアム・ペイス氏が、国際刑事裁判所
の設立にあたり強いイニシアティブを発揮して、市
民のもつパワーの可能性を示したように、世界を舞
台にした新たな社会を創造していく重要な担い手は、
自覚を持って先導する私たち市民であることを、本
日のプログラムにおいて確認しあった。
人類が持続可能なかたちで生きていくためには、
世界各国の人びとが世界共同体の一員として一致協
力していくことが必要である。正義と博愛の精神に
もとづく世界法治共同体の樹立は、人類史上、最大
の知的、道義的、政治的挑戦であるとともに、21世
紀における人類共通の基本的な使命でもある。その
使命を達成するには、私たちの考え方を、利己的で
国家中心のものから博愛的で地球的規模のものへと
進化させていかなければならない。それはまた平和
憲法をもつ日本こそが世界に先駆けて実践していか
なければならないと確信する。
今日ここに集まった我々は同志として共に手を携
え、世界法治共同体の樹立により、人類が“世界の
平和”と“愛と共存”の扉を開いて邁進していくこ
とを誓う。
2011年3月11日、東日本大震災が起こり、その影響
で福島原子力発電所が破壊され、我が国は大戦中の
広島・長崎に続き第二の大規模被曝という深刻な現
実に直面している。
この出来事は、グローバルな“核”問題であり、
核兵器廃絶はもとより脱原発をも視野に入れての解
決を時代的要請として突きつけている。世界連邦運
動は、第二次世界大戦後、特に原爆の犠牲を教訓に
二度と戦争をおこすまいと、世界の恒久平和を実現
する仕組みをつくるために沸き起こった平和運動で
あり、一国では解決できない地球規模の問題を解決
するためのガバナンスを作ろうというものである。
現在の国連体制では人類が抱えている諸問題を解決
していくには不十分であり「補完性の原則」を尊重
しながら、「法による支配」を世界に広げていかな
ければならない。
本日、私たちは世界連邦運動の関係者をはじめ、
ビジョンや目標を共有する同志が国境を越えて、こ
こ政策研究大学院大学想海樓ホールに集まり、「ポ
スト3・11時代の人類に課せられた地球的課題」につ
いて情報を共有し議論を深めた。とりわけ、災害支
援や自由貿易、地域協力の議論が急速に高まり、情
報流通の拡大とともに、人類は地球共同体との思い
がかつてなく大きく広がる中で、ここでの議論を単
に議論として終わらせるのではなく、社会を具体的
に変革する運動を展開していくことこそが我々の最
大の使命である。そして、従来の常識では解決でき
ない地球的規模の問題、とくに外交や安全保障、グ
ローバル・ガバナンスの構築に関わる問題などは国
以上、宣言する。
平成23年11月13日
第30回世界連邦日本大会
本部と支部等の動き
10 月 2 日 世界連邦 21 世紀フォーラム講演会
10 月 21 日 第一回理事会 衆議院第二議員会館
10 月 22 日 四国協議会総会・地区大会 城忠彰氏講演
10 月 23 日 *関連行事 小塩完次氏記念本出版記念会
10 月 29 日*関連行事 国際連帯税シンポジウム 東洋大
10 月 30 日京都支部秋の勉強会 宗忠神社・吉田山荘
11 月 9 日 世界連邦運動協会石川県連合会 秋の講
世界連邦日本宗教委員会主催
12 月 4 日 世界連邦 21 世紀フォーラム懇親会
12 月 9 日 第 3 回執行理事会
12 月 10 日 青梅市平和の集い 市立美術館他
12 月 10 日北海道常任理事会
12 月 11 日加古川支部平和のつどい市民会館小ホール
1 月 8 日 豊中支部新年会 ホテルアイボリー
1 月 12 日 平和を考えるフォーラム パレスチナ問題
1 月 14・15 日*関連行事 脱原発世界会議 パシフィコ横浜
1 月 22 日*関連行事 国際連帯税ゼミ 青山学院大学
2 月 12 日 武蔵野支部新春の集い スウィングセンター
演会 伴武澄「震災と平和―新たな地殻変動の時代」
11 月 13 日 第 30 回世界連邦日本大会 in 東京 2011
政策研究大学院大学想海樓ホール
11 月 29 日 *関連行事 第 33 回全国宗教者岡山大会
5
ワシントンでWFM理事会開催
ろう。
UNPA国連議員総会
現在の国連総会は各国の政府代表が出席している
が、どうしても出身国の国益を主張する場になりや
すい。 それとは反対にEU議会では国益を離れてEU益
を議論する枠組みが存在する。そうした意味で、地
球益を議論できる議員を選出するのがUNPA国連議員
総会の狙いである。
しかし残念なことにIPU列国議会同盟がこの運動
に反対を表明している。論理的には、二つの会議は
補完こそすれ敵対するものではない。こうしたIPUの
不思議な立場に対してはEU議会も反対の意見を表明
している。我国もIPU会議参加には予算をつけて支援
をしている以上、日本からもIPU本部に対して説明を
求めるべきだろう。
CTDL国際連帯税としての通貨取引税
2008年の金融危機に端を発する不公平感が広がる
中で、2011年11月3~4日のG20カンヌサミットでは初
めて金融取引税が正式に議論された。ビル・ゲイツ、
ジョージ・ソロス、などの財界人、ジョセフ・ステ
ィグリッツ、ポール・クルーグマンなどノーベル経
済学賞受賞者も賛同している。
ただしこの提案では、税収をEU加盟国の財源とし
て、国際連帯税としていないことが問題だ。日本で
は国際連帯税を求める議員連盟と市民社会が協力す
る形で、CTDL通貨取引税の導入が提唱されている。
税収を開発や温暖化対策など、地球規模問題に充て
るというものだ。もちろん通貨取引への課税は円高
対策など、投機マネー抑制にも役立つことも強調さ
れるべきだろう。
まとめ
いずれにしても国内問題、国際問題は頻繁に取り
上げられるが、多くの場合その原因となっている地
球規模問題に正面から取り組む議論はされていない。
今こそ世界連邦運動が注目される時だ。
犬塚直史国際委員長・執行理事
2011年10月24日~26日、ワシントンDCにおいてWFM
世界理事会が行われた。出席した犬塚直史国際委員
長が、12月8日に世界連邦日本国会委員会において、
9日に世界連邦運動協会執行理事会において講演を
行い、世界における運動の動向を報告した。
講演要旨は以下の通り。
財政
WFMのニューヨーク本部では来年度の寄付収入を
400万ドル~700万ドルと見込んでいる。その内、74%
は国際刑事裁判所のためのNGO連合、21%は保護する
責任のためのNGO連合への寄付であり、世界連邦運動
本体への寄附は4%にしか過ぎない。世界連邦を構成
して行くプロジェクト単位で資金調達に成功してい
ることは特筆に値する。
ICC国際刑事裁判所
2003年にICCが設立されたのは世界史に残る出来
事であり、世界連邦運動の確かな成果であった。1998
年に世界連邦運動協会が事務局となってICCの為の
NGO連合を立ち上げている。当初17の団体しか加盟し
ていなかったが、現在は2,500団体にまで成長してい
る。当協会のウィリアム・ペイスがその代表を務め
ているが、世界連邦の運動としてはほとんど認識さ
れていない。今後ともこうした包容力のある立場で、
プロジェクト単位の結果を出す活動を続けるべきだ
海部俊樹会長の叙勲をお祝いする集い
海部俊樹会長と日下部禧代子理事長
9 月 30 日霞ヶ関ビルのレストランけやきの望星の間に
おいて、春の叙勲を記念して、「海部俊樹会長の叙勲を
お祝いする集い」が開催された。主催は世界連邦運動
協会。全国から 61 名が集った。桐花大綬章受章のニュ
ース映像の上映後、木戸寛孝常務理事の司会を行い、
日下部禧代子理事長がバラの花束が渡し、海部俊樹会
長が 30 分ほど講演を行なった。晴天に恵まれ、来場者
は海部会長のサイン入り著書を贈呈され、勲章を拝謁し
景色を堪能し、海部会長と記念撮影をした。
6
第 33 回世界連邦平和促進 全国宗教者岡山大会
「世界連邦運動の原点に立ち返って」
ーマとする第 33 回世界連邦平和促進全国
宗教者岡山大会を開催した。参加者は約
520 名であった。
開会式に先立ち、「世界平和の祈り」が行
われた。主催者からは、黒住宗晴大会長・黒
住教教主)が挨拶を述べた。
大会では、世界連邦運動協会副会長であ
る四方八洲男氏が「世界連邦なくして未来な
し」と題して講演。綾部市長時代に、イスラエ
ルとパレスチナの紛争遺児の交流を行う中東
和平プロジェクトに取り組んだこと、グローバ
ルな課題が増え、世界連邦がますます必要
性を増していること、運動がもっと広がる仕組
みを考えねばならぬことを述べ、湯川秀樹博士など先
達が目指されたように、昨日の夢を明日の現実にして
参りましょうと結んだ。
世界連邦日本宗教委員会は、2011 年 11 月 29 日、
岡山県の黒住教本部大教殿にて「世界連邦運動の原
点に立ち返って―世界の恒久平和への祈り―」をテ
世界連邦日本国会委員会総会
8 月 3 日午後 3 時よ
り国会委員会総会が
衆議院第二議員会館
会 議 室で 行わ れ た。
副事務総長・笠井亮
氏の司会でスタート。
中野寛成・国会委員
会会長より、開会のあ
いさつがあり、特に国
際連帯税への理解を
国 会 内 で 広 げ てい く
必要性が強調された。
その後、来賓として世
界連邦運動協会の海
部俊樹会長と森山眞弓会長代行からあいさつがあっ
た。
塩浜修事務局長より 2010 年度活動報告と決算報
告があり、監事の柴山昌彦氏より決算に間違いない
旨の言葉があった。続いて塩浜より 2011 年活動計画
案と予算案の説明があった。平岡秀夫衆議院議員よ
り、活動計画に行程表をつけていくべきではないかと
の意見、中野会長より、会員を増強して予算規模を大
きくしたい旨の意見が付された上で議案は全て承認さ
れた。
続いて広島修道大学教授で世界連邦運動協会の
副会長・理論政策委員長を務める城忠彰氏より、「世
界連邦運動の創始と展開」というテーマで講演があり、
世界連邦運動が始まった当時からの歴史を振り返り
つつ、国際刑事裁判所など今日的な課題について説
明があった。国連改革や核廃絶について意見が交わ
された後、熱気の中で閉会した。
7
小塩完次氏の足跡本の出版
する講演を行なった行動の人である。小塩玄也執行
理事編集の「小塩完次の歩んだ世界連邦運動」には、
世連人間山脈、世界連邦運動われらの歩み、世界連
邦都市宣言の意義の三作品が合本されている。
同著には完次氏が全国を行脚した様子や、賀川豊
彦や湯川秀樹など当時の世界連邦運動で活躍した
人々とのエピソードが記されている。御所望の方は本
部を通じて、小塩玄也氏から購入することが可能なの
でお問い合わせください。
小塩完治氏の足跡本が出版され、その祈念会が
10 月 23 日三鷹市の西久保コミュニティセンター第一
会議室で行われた。
財団法人日本禁酒同盟資料館が、「写真と日記で
綴る小塩完次・とよ子の禁酒運動 世界連邦運動の
歩み」を出版。
小塩完次氏は、日本の世界連邦運動の初期から
深く関わり、当時の世界連邦建設同盟事務局長など
を歴任。20 年間に 5000 回に及ぶ世界連邦運動に関
世界連邦運動に参加を
申 込 書
世界連邦運動協会の目的に賛同し、その事業に協
力する方は、だれでも会員になることができます。
入会希望の方は申込書へご記入の上、郵送またはF
AXにて下記の本部事務局へお申し込み下さい。折
氏 名
住 所 〒
り返し、最寄の支部を紹介いたします。お近くに支
部がない場合は本部直接会員の入会申込書と会費
の納入の郵便振替用紙をお送りいたします。
入会されますと機関誌『世界連邦 Newsletter』を
お送りいたします。
〒110-0015 東京都台東区東上野 1-20-6 丸幸ビル 3F
世界連邦運動協会
電話(03)6803-2114
電話/FAX
E-mail
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普通会員/年額 5,000 円 □維持会員/年額 10,000 円
賛助会員/年額 15,000 円
FAX(03)6803-2117
編集後記
うのはどうでしょうか。その先に世界連邦アジア議
員大会の開催の可能性もあるはずです。アジア諸国
に国際社会の一員として知恵を絞り汗をかいてもら
うチャンスです。そもそも日本では議員外交が少な
すぎると思っていました。アジアの安全保障や経済
統合のために国益を乗り越えられるのは国会議員一
人ひとりの特権です★また国連を中心に起きている
新しい動きがなかなか国内の運動に反映されていな
いことにも気づきました。協会のサイトに「海外の
動き」を翻訳して掲載することが急務だと思います。
ボランタリーで翻訳業務をお助け願える人材を求め
たいと思います。(伴武澄)
★第30回世界連邦日本大会in東京2011が無事終了
いたしました。ご準備いただいた世界連邦21世紀フ
ォーラム、ユースフォーラムの方々をはじめ、粉骨
砕身ご努力いただきました木戸寛孝実行委員長に心
から御礼を申し上げます。今回の日本大会は若い世
代が多く参画してきたことが大きな希望を抱かせた
ことと存じます。★発行が大幅に遅れましたことを
お詫び申し上げます。
(阿久根武志)★犬塚直史元参
院議員の講演で、国連議員総会設立が急務であると
の報告がありました。せっかく国会委員会があるの
ですから、委員の方々にアジアの議員さんたちと交
流を強化し、世界連邦の必要性を訴えてもらうとい
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