「財務・会計」解法テクニックノート ラ ン ク テ キ ス ト 問 題 集 10 経営比率分析 A P147~170 P36~47 (1) ポイント 収益性分析 □ 収益性分析の体系は以下のようにまとめられる。 資本収益性・・・(1)資本利益率=(2)売上高利益率×(3)資本回転率 (総合収益性) 収益性 〔狭義〕 売上収益性・・・(2)売上高利益率 (取引効率:利幅の程度) 収益性分析 活動性・・・・・・・・・・(3)資本回転率 (運用効率:資本の利用度) □ 総合収益性の指標である「総資本経常利益率」は、経営分析を行う際の出発点となる。「総資本経常利 益率」は「売上高経常利益率」と「総資本回転率」に分解できる。 総資本経常利益率 経常利益 総資本 ×100 = 売上高経常利益率 経常利益 ×100 売上高 × 総資本回転率 売上高 総資本 □ 利幅の程度を示す「売上高経常利益率」は「売上高総利益率」「売上高販売費及び一般管理費比率」「売 上高支払利息比率」などに分解できる。 売上高総利益率= 売上総利益 売上高 ×100 売上高販売費及び一般管理費比率= 売上高支払利息比率= 支払利息 売上高 販売費+一般管理費 売上高 ×100 ×100 □ 資本の利用度を示す「総資本回転率」は「売上債権回転率」「棚卸資産回転率」「固定資産回転率」な どに分解できる。 売上債権回転率= 棚卸資産回転率= 固定資産回転率= 売上高 受取手形+売掛金 (回) 売上高 棚卸資産 (回) 売上高 固定資産 (回) □ 資産、負債、資本が流入して流出するまでにどのくらいの期間がかかるかを示す指標として「回転期間」 がある。「回転期間」は、「回転率の逆数」として表される。 -77- 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート □ 資本利益率、資本回転率・回転期間などのように「フローとストックを対比した指標」については、ス トック値について「平均値」を使用することがある。このとき「平均値」として、「期首ストック値と期 末ストック値との単純平均値」=「(期首ストック値+期末ストック値)÷2」を使用することが多い。 安全性分析 □ 安全性分析の体系は以下のようにまとめられる。 資本構造からの安全性・・・・Ex. Ex.自己資本比率、 自己資本比率、負債比率 安全性分析 短期支払能力(流動性)・・・Ex. Ex.流動比率、 流動比率、当座比率 長期支払能力・・・・・・・・Ex. Ex.固定比率、 固定比率、固定長期適合率 □ 資本構造からの安全性(B/S のタテの構造)を示す指標として「自己資本比率」「負債比率」などがあ る。 自己資本 総資本 自己資本比率= 負債比率= 負債 自己資本 ×100 ×100 □ 支払能力からの安全性(B/S のヨコの構造)のうち、「短期支払能力(流動性)」を示す指標として「流 動比率」「当座比率」などがある。 □ 流動比率= 流動資産 流動負債 ×100 当座比率= 当座資産 流動負債 ×100 支払能力からの安全性(B/S のヨコの構造)のうち、「長期支払能力」を示す指標として「固定比率」 「固定長期適合率」などがある。 固定比率= 固定資産 自己資本 固定長期適合率= ×100 固定資産 固定負債+自己資本 ×100 生産性分析 □「付加価値」の計算方法には「減算法(控除法)」と「加算法(積上げ法)」がある。 ①減算法(控除法) 〔商業〕 付加価値=売上高-売上原価=売上総利益(粗利益) 〔製造業〕 付加価値=売上高-材料費-外注加工費 ②加算法(積上げ法) 付加価値=経常利益+人件費+減価償却費+賃借料+金融費用+租税公課 ヒト モノ カネ -78- 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート □ 労働生産性の分解を行うと、以下のようになる。 労働生産性の分解①:分解ポイント項目「売上高」「有形固定資産」 労働生産性 付加価値 従業員数 = 付加価値率 × 従業員1人当り売上高 = 付加価値率 × 有形固定資産回転率 付加価値 売上高 売上高 従業員数 × 売上高 有形固定資産 労働装備率 有形固定資産 従業員数 労働生産性の分解②:分解ポイント項目「売上高」「総資本」 労働生産性 付加価値 従業員数 = 付加価値率 × 従業員1人当り売上高 = 付加価値率 × 総資本回転率 付加価値 売上高 売上高 従業員数 売上高 総資本 × 資本集約度 総資本 従業員数 労働生産性の分解③:分解ポイント項目「人件費」 労働生産性 付加価値 従業員数 = 従業員1人当り人件費 × 労働分配率の逆数 = 従業員1人当り人件費 ÷ 労働分配率 × 労働分配率 人件費 従業員数 よって 従業員1人当り人件費 人件費 従業員数 = 労働生産性 付加価値 従業員数 付加価値 人件費 人件費 付加価値 人件費 付加価値 利益処分と株主のための指標 □ 利益処分と株主のための指標を大別すると「インカム・ゲイン(配当等)」の指標と「キャピタル・ゲ イン(値上がり益)」の指標がある。 □「インカム・ゲイン(配当等)」に関する指標として「配当性向」「配当利回り」などがある。 配当性向= 配当利回り= 配当金 当期純利益 ×100 1株当たり配当金 株価 ×100 □「キャピタル・ゲイン(値上がり益)」をも考慮した指標として「1株当たり利益(EPS)」「株価収益 率(PER)」、「1株当たり純資産(BPS)」「株価純資産倍率(PBR)」、「1株当たりキャッシュ・フ ロー」「株価キャッシュ・フロー倍率(PCFR)」などがある。 株価収益率(PER)= 株価 EPS (倍) -79- 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート 株価純資産倍率(PBR)= 株価 BPS (倍) 株価 (倍) 1株当たりキャッシュ・フロー 株価 (純利益+減価償却費)÷株式発行総数 株価キャッシュ・フロー倍率(PCFR)= = □ (倍) デュポン方式により、株価を分解すると以下のようにまとめられる。 *株価指標の関連図 売上高利益率 総資本利益率 1株当たり利益(EPS) 株 価 × 株価収益率(PER) × 自己資本利益率(ROE) × 総資本回転率 自己資本比率の逆数 × 1株当たり純資産(BPS) 株価純資産倍率(PBR)の逆数 × 株 -80- 価 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート (2) 過去問題 過去問 論点:収益性・ ② ③ ④ ⑤ 収益性・安全性分析(A 安全性分析(Aランク (Aランク) ランク) ① <平成13年度第3問一部改題> 次のH商会の当期末貸借対照表および当期損益計算書から、以下の設問に答えよ。計算に当たっては、 1%未満を四捨五入すること。 なお、前期末の総資本は 26,430 万円、受取手形は 690 万円、売掛金は 6,810 万円であった。また、有 価証券はすべて短期保有のものである。 流動資産合計 現金預金 受取手形 売掛金 有価証券 棚卸資産 固定資産合計 有形固定資産 無形固定資産 投資等 H商会要約貸借対照表(単位:万円) 平成 13 年 3 月 31 日現在 (16,790) 流動負債合計 2,850 支払手形 710 買掛金 7,190 短期借入金 1,740 未払金 4,300 固定負債合計 (11,780) 長期借入金 4,510 純資産合計 30 資本金 7,240 法定準備金 剰余金 28,570 (11,810) 260 6,120 3,030 2,400 (9,450) 9,450 (7,310) 1,880 2,700 2,730 28,570 H商会要約損益計算書(単位:万円) 平成 12 年 4 月 1 日~平成 13 年 3 月 31 日 30,000 売上高 売上原価 18,000 売上総利益 12,000 8,370 販売費・一般管理費 3,630 営業利益 営業外収益 820 営業外費用 720 経常利益 3,730 40 特別利益 50 特別損失 3,720 税引前当期純利益 1,400 法人税等 2,320 当期純利益 (設問1)H商会の総資本経常利益率は何%か。 ア 10% イ 12% ウ 14% エ 16% (設問2)H商会の流動比率は何%か。 ア 122% イ 132% ウ 142% エ 152% (設問3)H商会の当座比率は何%か。 ア 101% イ 106% ウ 111% エ 116% (設問4)H商会の売上債権回転率は何回か。 ア 3.50 回 イ 3.90 回 ウ 4.30 回 エ 4.70 回 -81- 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート 解法の 解法のポイント・ ポイント・テクニック (設問1)および(設問4) ⇒「総資本経常利益率」および「売上債権回転率」はフローとストックを対比した比率なので、ストック である「総資本」および「売上債権」の数値は『平均値の使用』を検討する必要がある。 (設問3) ⇒「短期保有の有価証券」は『当座資産に含める考え方』と『含めない考え方』がある。一般的な方式(『当 座資産に含める考え方』)で解答がなければ、『含めない考え方』での解答を検討する必要がある。 【解答】(設問1)ウ 過去問 論点:収益性・ 収益性・安全性分析(A 安全性分析(Aランク (Aランク) ランク) <平成 14 年度第6問一部改題> (設問2)ウ ① (設問3)イ ② ③ ④ (設問4)イ ⑤ W商会の前期と当期(平成 13 年 4 月1日~平成 14 年 3 月 31 日)の比較要約貸借対照表および比較要 約損益計算書は次のとおりである。下記の設問に答えよ。 W商会比較要約貸借対照表(単位:百万円) 資 産 前 期 当 期 負債・純資産 前 期 当 期 現金預金 30 20 支払手形 10 10 受取手形 20 10 買 掛 金 70 80 売 掛 金 80 90 短期借入金 40 40 棚卸資産 40 80 資 本 金 100 100 固定資産 130 120 法定準備金 50 50 剰 余 金 30 40 300 320 300 320 W商会比較要約損益計算書(単位:百万円) 科 目 売 上 高 売上原価 売上総利益 販売費・一般管理費 営業利益 前 期 300 当 期 350 180 230 120 120 80 90 40 30 営業外費用 10 10 経常利益 30 20 特別損失 10 - 20 20 税引前当期純利益 法人税等 10 10 当期純利益 10 10 (設問1) W商会の収益性に関して、前期と当期を比較して最も適切なものはどれか。 ア 売上高経常利益率は上昇したが総資本回転率が低下したため、総資本経常利益率は低下した。 イ 売上高経常利益率は低下したが総資本回転率が上昇したため、総資本経常利益率は上昇した。 -82- 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート ウ 総資本回転率は上昇したが売上高経常利益率が低下したため、総資本経常利益率は低下した。 エ 総資本回転率は低下したが売上高経常利益率が上昇したため、総資本経常利益率は上昇した。 (設問2) W商会の流動性に関して、前期と当期を比較して最も適切なものはどれか。 ア 流動比率は上昇したが、当座比率は低下した。 イ 流動比率は上昇し、当座比率も上昇した。 ウ 流動比率は低下したが、当座比率は上昇した。 エ 流動比率は低下し、当座比率も低下した。 (設問3) W商会の回転率に関して、前期と当期を比較して最も適切なものはどれか。 ア 売上債権回転率、棚卸資産回転率、固定資産回転率はいずれも上昇した。 イ 売上債権回転率と棚卸資産回転率は低下したが、固定資産回転率は上昇した。 ウ 売上債権回転率は上昇したが、棚卸資産回転率と固定資産回転率は低下した。 エ 棚卸資産回転率は低下したが、売上債権回転率と固定資産回転率は上昇した。 解法の 解法のポイント・ ポイント・テクニック 前期と当期の数値を比較する。基本的には、計算結果を出さなくても各指標の分子と分母の数値比較によ り「低下・上昇」の判断ができるものが多いが、正確な計算が要求される場合もある。 (設問1) 指 標 経常利益 総資本経常利益率= 総資本 経常利益 売上高経常利益率= 売上高 売上高 総資本回転率= 総資本 前 ×100 ×100 期 30 ×100=10% 300 30 ×100=10% 300 300 =1.0 回 300 当 期 20 ×100=6.25% 320 20 ×100≒5.7% 350 350 ≒1.1 回 320 比較 低下 低下 上昇 (設問2) 指 標 流動資産 流動比率= ×100 流動負債 当座資産 当座比率= ×100 流動負債 前 期 170 ×100≒141.7% 120 130 ×100≒108.3% 120 -83- 当 期 200 ×100≒153.8% 130 120 ×100≒92.3% 130 比較 上昇 低下 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート (設問3) 指 売上債権回転率= 棚卸資産回転率= 固定資産回転率= 標 売上高 売上債権 売上高 棚卸資産 売上高 固定資産 前 期 300 =3.0 回 20+80 300 =7.5 回 40 300 ≒2.3 回 130 当 期 350 =3.5 回 10+90 350 =4.375 回 80 350 ≒2.9 回 120 【解答】(設問1)ウ 過去問 論点:収益性・ 収益性・安全性分析(A 安全性分析(Aランク (Aランク) ランク) <平成15年度第6問> ① ② (設問2)ア ③ 比較 上昇 低下 上昇 (設問3)エ ④ ⑤ C社の決算財務諸表(要旨)に基づいて、以下の設問に答えよ。 貸借対照表(要旨) (単位:万円) 現 金 及 び 預 金 70 受取手形及び売掛金 140 未 売買目的有価証券 80 短 棚 産 30 社 物 90 長 退 職 給 付 引 当 金 卸 資 建 機 械 装 土 建 設 仮 勘 支払手形及び買掛金 置 40 地 150 資 定 10 法 190 剰 投 資 有 価 証 券 払 期 借 入 期 借 入 本 定 準 備 余 売 上 高 営業費用 金 10 金 70 債 130 金 50 840 610 営業利益 230 (以下略) 20 ただし、営業費用のうち 金 100 420 万円は固定費、190 万 金 60 金 800 損益計算書(要旨)(単位:万円) 120 円は変動費である。 240 800 (設問1) 当座比率として最も適切なものはどれか。 ア 15% イ 90% ウ 105% エ 145% オ 160% (設問2) 固定比率として最も適切なものはどれか。 ア 50% イ 60% ウ 70% エ 80% エ 2.1 回 オ 120% (設問3) 経営資本回転率として最も適切なものはどれか。 ア 1.05 回 イ 1.2 回 ウ 1.4 回 -84- オ 6回 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート 解法の 解法のポイント・ ポイント・テクニック (設問1) 「売買目的有価証券」は『当座資産に含める考え方』と『含めない考え方』があるが、一般的な方式(『当 座資産に含める考え方』)で解答する。 (設問3) 「経営資本回転率」は、次の算式により求めることができる。 経営資本回転率= 売 上 高 経営資本 なお「経営資本」は、総資本 800-建設仮勘定 10-投資有価証券 190=600 【解答】(設問1)エ -85- である。 (設問2)オ (設問3)ウ 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート 過去問 論点:収益性・ ② ③ ④ 収益性・安全性分析(B 安全性分析(Bランク (Bランク) ランク) ① <平成16年度第6問抜粋、一部改題> 経理の状況に関する次の資料に基づいて、下記の設問に答えよ。 貸借対照表 (単位:万円) 資 産 負債及び純資産 科 目 第 15 期 第 16 期 科 目 第 15 期 第 16 期 現 金 預 金 20 30 支 払 手 形 300 360 受 取 手 形 400 450 買 掛 金 100 140 売 掛 金 150 200 短 期 借 入 金 180 300 売買目的有価証券 10 20 長 期 借 入 金 400 500 商 品 100 300 資 本 金 1,300 1,300 土 地 1,200 1,300 剰 余 金 120 200 建 物 520 500 2,400 2,800 2,400 2,800 ⑤ 損益計算書 (単位:万円) 第 15 期 第 16 期 売 上 高 3,000 3,600 売 上 原 価 1,200 1,600 売 上 総 利 益 1,800 2,000 販売費及び一般管理費 1,290 1,460 営 業 利 益 510 540 支 払 利 息 270 A 科 経 常 目 利 240 益 【付記資料】 総資本経常利益率* 変 動 費 第 15 期 第 16 期 12% 10% 2,050 万円 2,700 万円 *総資本は期中平均を使用 (設問1)空欄Aに入れるべき数値として、最も適切なものはどれか。 ア 232 イ 254 ウ 260 エ 270 オ 280 (設問2)第 16 期の固定比率および固定長期適合率の値として、最も適切なものはどれか。 ア イ ウ エ オ 固定比率 90.0% 固定比率 90.0% 固定比率 120.0% 固定比率 120.0% 固定比率 120.5% 固定長期適合率 83.3% 固定長期適合率 120.0% 固定長期適合率 90.0% 固定長期適合率 111.1% 固定長期適合率 92.1% (設問3)第 16 期の売上債権回転期間と商品回転期間は、次のとおりである。 売上債権回転期間= 商品回転期間= (550+650)÷2 3,600÷12 (100+300)÷2 1,600÷12 =2.0 ヶ月 =1.5 ヶ月 -86- 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート このとき、仕入債務回転期間を求める算式として最も適切なものはどれか。 ア 仕入債務回転期間= イ 仕入債務回転期間= ウ 仕入債務回転期間= エ 仕入債務回転期間= (100+140)÷2 1,600÷12 (100+140)÷2 1,800÷12 (400+500)÷2 1,600÷12 (400+500)÷2 1,800÷12 解法の 解法のポイント・ ポイント・テクニック (設問1) 付記資料として「総資本経常利益率」が与えられているので、これにより、まず第 16 期損益計算書の「経 常利益」の金額を求める。総資本経常利益率のストック部分である総資本は、「期中平均総資本」が使用さ れていることに注意する。次に、第 16 期損益計算書の営業利益との差額で「支払利息」の金額を求める。 (設問3) ① 例示の「売上債権回転期間」の分子には平均売上債権金額が使用されているので、『仕入債務回転期 間』の分子にも平均の仕入債務(支払手形と買掛金)の金額を用いる。 ② 例示の「商品回転期間」の分母には月平均売上原価が使用されている。「商品回転期間」の場合、分 母には売上原価ではなく、売上高を採用する方法もあるが、厳密には売上原価とすべきである。売上高 が不適当なのは、分母と分子との対応性を欠くからであり、例えば、実際の回転期間は変わらないのに、 品不足のために商品価格が一時的に上がっただけで、計算上の回転期間が変化してしまうからである。 ③ ①②より、例示において厳密な計算方法によることが要求されていると判断する。よって、『仕入債 務回転期間』の分母にも、売上高や売上原価ではなく、厳密なものを使用すべきであると判断し、支払 状況をより的確に示す「仕入高」1,800(=期末商品 300+当期売上原価 1,600-期首商品 100)を使用 する。 【解答】(設問1)オ -87- (設問2)ウ (設問3)エ 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート 過去問 論点:収益性・ 収益性・安全性分析(A 安全性分析(Aランク (Aランク) ランク) <平成17年度第4問> ① ② ③ ④ ⑤ G社の次の決算財務諸表(要旨)に基づいて、以下の設問に答えよ。 貸借対照表(要旨) 損益計算書(要旨・一部) (単位:万円) 現 金 及 び 預 金 170 支 売 金 240 買 売買目的有価証券 棚 掛 払 手 掛 (単位:万円) 形 250 売 高 3,500 金 210 営業費用 上 3,100 160 短 期 借 入 金 140 営業利益 400 卸 資 産 230 長 期 借 入 金 460 営業外収益 30 物 300 資 金 500 営業外費用 10 械 装 置 200 資 本 剰 余 金 60 経常利益 420 地 410 利 益 剰 余 金 180 投 資 有 価 証 券 90 建 機 土 本 1,800 (以下省略) 1,800 (設問1)G社の流動比率として最も適切なものはどれか。 ア 28.3% イ 69.8% ウ 95.0% エ 133.3% (設問2)G社の固定長期適合率として最も適切なものはどれか。 ア 75.0% イ 83.3% ウ 105.3% エ 120.0% (設問3)G社の平均総資本に対する経常利益の割合(総資本経常利益率)は 24.0%である。G社の総資 本回転率として最も適切なものはどれか。 ア 1.8 回 イ 1.9 回 ウ 2.0 回 エ 2.2 回 解法の 解法のポイント・ ポイント・テクニック (設問3)「総資本回転率」は次の算式により求められる。 売上高 総資本回転率= (平均)総資本 問題文に「G社の平均総資本に対する経常利益の割合(総資本経常利益率)は 24.0%である」とあるため、 分母の「総資本」については「平均総資本」を使用することが要求されている。 なお、平均総資本は次のように計算される。 経常利益 420 ×100% 平均総資本 χ よって平均総資本 χ=経常利益 420 ÷総資本経常利益率 24.0% =1,750 総資本経常利益率 24.0%= したがって、総資本回転率は次のように計算される。 総資本回転率= 売上高 (平均)総資本 = 3,500 1,750 =2 回 【解答】(設問1)エ -88- (設問2)イ (設問3)ウ 資格の大原 「財務・会計」解法テクニックノート 過去問 論点:安全性分析(A 安全性分析(Aランク (Aランク) ランク) <平成19年度第9問> ① ② ③ ④ ⑤ A社とB社の貸借対照表(要約)は次のとおりである。両社の流動性に関する記述として最も適切なもの を下記の解答群から選べ。 貸借対照表(要約) (単位:百万円) 資 産 現 金 預 金 40 60 支 受 取 手 形 30 30 買 売 A 掛 社 B 社 負債・純資産 払 手 掛 A 金 90 60 50 40 長 期 借 入 金 40 50 資 た な 卸 資 産 160 固 150 470 440 合 産 計 社 80 金 資 B 50 売買目的有価証券 定 社 形 80 100 金 100 110 110 資 本 剰 余 金 90 60 150 利 益 剰 余 金 60 30 470 440 本 合 計 〔解答群〕 ア 自己資本比率はA社がB社より良好であるが、固定長期適合率はB社がA社より良好である。 イ 自己資本比率はB社がA社より良好であるが、固定長期適合率はA社がB社より良好である。 ウ 当座比率はA社がB社より良好であるが、流動比率はB社がA社より良好である。 エ 当座比率はB社がA社より良好であるが、流動比率はA社がB社より良好である。 解法の 解法のポイント・ ポイント・テクニック A社とB社の数値を比較する。最終的な計算結果を出さなくても、各指標の分子と分母の数値比較により 判断できるものが多い。 指 自己資本比率 = 固定長期適合率= 当 座 比 率= 流 動 比 率= 標 自己資本 総資本 固定資産 固定負債+自己資本 当座資産 流動負債 流動資産 流動負債 A ×100 ×100 ×100 ×100 250 470 150 330 160 140 320 140 社 ×100≒53.2% ×100≒45.5% ≒114.3% ≒228.6% B 200 440 150 300 180 140 290 140 社 比較 ×100≒45.5% A社良好 ×100=50% A社良好 ≒128.6% B社良好 ≒207.1% A社良好 【解答】エ -89- 資格の大原
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