(新AJPI・AJFI)の提供開始について - ARES Japan Property Index

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ご関係者様 各位 A12-114
2012 年 10 月 22 日
一般社団法人不動産証券化協会
新たな不動産投資インデックス(新 AJPI・AJFI)の提供開始について
一般社団法人不動産証券化協会(会長:岩沙弘道 三井不動産株式会社代表取締役会長、以下
「ARES」)は、2012 年 10 月、これまで提供してきた J-REIT の保有不動産データから作成した ARES
J-REIT Property Index(旧 AJPI)を拡充・統合し、私募・非上場不動産ファンドのデータを加えた
統合インデックスとして、新たに ARES Japan Property Index(新 AJPI)の提供を開始いたします。
また、併せて、コア・ファンドのインデックスとしては国内初となる ARES Japan Fund Index(AJFI)
の提供を開始いたしました。
今回の統合により、ARES がこれまでカバーしてきた J-REIT の保有物件に、年金基金等の投資家
が投資する非上場・私募のコア・不動産ファンドが加わったことにより、不動産投資・証券化市場
を幅広くカバーするインデックスのスタンダードとして、国内投資家のみならずグローバルな投資
家に幅広く利用されることを期待しております。
今回、私募・非上場の不動産・ファンド等データが不動産投資顧問会社等(AJPI Support Member)
から、継続的・システム的に提供される国内初のプラットフォームが構築されましたが、今後、イ
ンデックスの信頼度向上の観点から、さらなるユニバース(母集団)の拡充を図っていく方針です。
記
1. 新 AJPI および AJFI の概要
(1) ARES Japan Property Index について
ARES Japan Property Index(新 AJPI)は、国内不動産に投資を行うコア・ファンドが保有する
投資用不動産の運用実績(パフォーマンス)をユニバース(母集団)とした不動産投資インデック
スです。投資インデックスは、ある投資期間内に、実際に得られた賃料収入をベースとしたインカ
ム収益(Net Operating Income)と当該期間の保有不動産価格(外部鑑定評価額)の変動をベー
スとしたキャピタル収益(Capital Appreciation)の多数のデータをユニバースとして、インカム・
リターンとキャピタル・リターンを加重平均して指数化したものです(下記概念図)。詳細につき
ましては、別添資料 1: Index Fact sheet および AJPI のウェブサイトをご参照ください。
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※ 未実現評価損益増減額 = 期末鑑定価格 − 期首鑑定価格
新 AJPI は、(1) 非上場・私募ファンドの運用会社からデータ提供されるコア・ファンドの保有不動産
の運用実績(非公開データ)と(2)純粋なコア・ファンドとして位置づけられる J-REIT の保有不動産の
運用実績(公開データ)から得られるインカム・リターンとキャピタル・リターンを加重平均して指数
化したものです。
なお、日本の J-REIT は、諸外国の REIT と下記の点で異なり、プレーンなコア・ファンドと位置付け
られることから、新 AJPI のユニバースに採用しています。
▶ 開発等のノンコア投資を行わない賃貸事業特化・長期保有目的のファンドであること
▶ 物件単位で NOI と外部鑑定評価が年 2 回ディスクローズされていること
▶ レバレッジ水準も概ね低い水準にあること
(2) ARES Japan Fund Index について
AJFI(ARES Japan Fund Index)は、国内不動産に投資を行うコア・ファンドの運用実績(パフ
ォーマンス)をユニバース(母集団)としたファンド・インデックスです。ファンドは、借入金な
どのデットを借入れ、いわゆるレバレッジを利用していることが多いことから、こうしたファンド
指数はレバレッジ後の不動産インデックスと呼ばれることもあります。
AJFI は、(1)ファンドの運用会社からデータ提供される非上場・私募ファンドの運用実績(非公開デ
ータ)と(2)純粋なコア・ファンドとして位置づけられる J-REIT の運用実績(公開データ)から得られ
るファンドとしてのインカム・リターンとキャピタル・リターンを加重平均して指数化したものです。
J-REIT のエクイティは上場され、市場価格で売買されていますが、AJFI では、J-REIT が上場してい
ないものとみなしたファンドの NAV の変化をリターンとして取り入れています。一方、非上場のオー
プンエンド・ファンド(私募 REIT)は、非公開の非上場・私募のコア・ファンドに含まれていますが、
レバレッジ水準や純粋なコア・ファンドである点は、J-REIT と非常によく似ています。
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2. 新 AJPI および AJFI の概念図
(1) 新 AJPI は、従来から ARES が公表してきた J-REIT の保有不動産の運用実績のみから作成した
ARES J-REIT Property Index(以下「旧 AJPI」)に私募ファンドの保有分を統合したインデック
スです(下図をご参照ください)。
(2) 一方、AJFI は、私募ファンドのファンドとしての運用実績に加え、上場している J-REIT の運
用実績をユニバースとした(※1)、国内初のコア・ファンド・インデックスです。
(※1) 上場したエクイティ(投資口)を、非上場とみなし、私募ファンドと同様、外部鑑定評価ベースの純資
産価値(NAV)の騰落をキャピタル収益としたものです。
(3) なお、旧 AJPI については、引続き ARES のウェブサイトから、ダウンロード可能です。
3. インデックスが対象とする市場及び公表開始時の概況
(1) 国内のオフィスビルや賃貸住宅等の収益不動産の市場は、約 200 兆円といわれ、このうち REIT
や私募ファンド等で証券化された不動産は約 33 兆円と推計(国土交通省不動産証券化実態調査)
されています。ARES では、機関投資家のコア投資の対象となる市場(コア投資市場)を約 25
兆円と推計し、新 AJPI はコア投資市場をカバーするインデックスとして位置づけています。
(2) 一方、私募・非上場コア・ファンドのデータ提供にあたり、公表開始時は、AJPI Support Member
については、年金資金の出資のあるコア・ファンドの運営を行う等、新たなインデックスの組成
に意欲的な主要な不動産投資顧問会社 10 社で構成されていますが、今後、随時メンバーを拡大
していきたいと考えております。同様に、対象となるファンドも、当初は、年金基金が出資する
ファンドに限られていますが、年金以外の機関投資家が出資するファンドについても、投資家の
協力を頂きつつ、順次拡大を進めていく方針です。
(3) 公表時点では、物件ベースで、年金が関連する私募ファンドが約 1 兆円、J-REIT が約 8 兆円で
あり、コア投資市場 25 兆円のカバー率は、約 36%程度(※)です。ARES としては、当面約 50-60%
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を目指し、ユニバースを拡大させていきたいと考えております。
※ ユニバースのファンド数は、AJPI Support Member10 社から 35-40 ファンド程度の私募ファンドのデータ
提供を受けており、REIT の 35 ファンドと併せて、約 70 ファンド程度。
4. 試験提供
新 AJPI と AJFI は、今回構築されたデータ提供プラットフォームの運用面の改善、および新た
なデータ提供会社の参画によるユニバースの拡充を行うため、半年から最大 1 年程度の期間を
試験提供期間とさせていただきます。
5. 指数等の情報入手方法
ARES のインデックス専用ウェブサイト(http://index.ares.or.jp)より、どなたでも無償でダウ
ンロード(指数値については、エクセルベースの AJPI Databook および AJFI Databook を提供
しています。
)をすることができます。また、今後、Bloomberg 等の情報ベンダーでも新 AJPI
および AJFI の提供を予定しております。
6. 本件経緯等
(1)
ARES では、ARES 内の年金基金、不動産投資顧問会社、信託銀行、年金コンサル会社等が参
画する「年金不動産投資小委員会」において、年金資金等の機関投資家の長期資金が不動産投
資市場へ流入する場合の課題等の検討を行っています。多様な課題の中でも、国内不動産投資
市場を代表する不動産投資インデックスのスタンダードが確立されていないことが最大の課
題の 1 つです。なお、先進国不動産投資市場のインデックス整備状況については資料 3 をご参
照ください。
(2) これまでの旧 AJPI は、J-REIT が保有する不動産を全てカバーしたインデックスではあるもの
の、市場規模が大きい非上場・私募不動産市場がカバーできていない点が課題でした。また、
実物不動産のインデックスに加えて、実際の運用上は、レバレッジ等を考慮した「ファンド・
インデックス」も有用であるという意見が多数を占めています。
(3)
これらの課題に対処し、国内不動産投資市場を代表する不動産投資インデックスのスタンダー
ドを提供することを目的として、有力な不動産投資顧問会社と信託銀行等によるインデックス
WG を設置し、検討をすすめてきたものです。
以上、不動産投資インデックス等の普及は、国内不動産投資市場の透明性の向上、健全なる発展・
拡大に寄与するものと考えられ、投資家、レンダー、不動産投資顧問会社(スポンサー会社を含む)
等のファンドの関係者様におかれましては、各社様のお立場で、何卒ご協力を賜りますようお願い
申し上げます。
以
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上
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資料 1:
Index Fact Sheets
ARES Japan Property Index
概
要
コア・ファンドが保有する国内投資不動産のパフォーマンス指数
公表指数等
・2002 年 1 月を 1000 とする月次リターン指数
・四半期収益率(インカム、キャピタル、トータル・リターン)
・ 用途・エリア別等のサブインデックス
・ ユニバース: 物件数、資産総額、平均稼働率、利回り等
算出方法
物件毎の投資期間中のインカム(NOI)とキャピタル(外部鑑定ベースの評価損益
の増減)の収益率を加重平均し、指数化
インカム・リターン + キャピタル・リターン = トータル・リターン
※米国 NPI(NCREIF Property Index)の算出方法(Methodology)に準拠
情報提供
月次更新
ARES Web サイトから Databook を無償ダウンロード
情報ベンダー(Bloomberg 等) を通じて無償提供予定
ユニバース
・ 公表されている J-REIT の全保有不動産と国内不動産私募ファンド(コア型等)が
保有する不動産
・ 証 券 化 され た 機 関 投資 家 の 投 資対 象 と な るク オ リ テ ィを 持 つ 投 資 不動 産
(Institutional Real Estate)の高いカバー率を目指す
ARES Japan Fund Index
概
要
国内コア不動産ファンドのパフォーマンス指数
(レバレッジ後の不動産投資指数)
公表指数等
・2002 年 1 月を 1000 とする月次リターン指数
・ 四半期収益率インカム、キャピタル、トータル・リターン
・ その他ファンド数、資産総額、NAV 等の動向
算出方法
・ファンド毎の投資期間中のインカム(当期利益)とキャピタル(外部鑑定ベースの
NAV の増減)の収益率を加重平均し指数化
・インカム・リターン + キャピタル・リターン = トータル・リターン (ファンドの時
間加重収益率ベース)
(※)米国 NFI(NCREIF Fund Index)の Methodology に準拠。修正ディーツ法。
情報提供
上記 AJPI と同様
ユニバース
・ 不動産賃貸からのインカム・リターンの獲得を主たる期待リターンの源泉としたフ
ァンド(コア型・コアプラス型等)で、私募ファンド(私募 REIT 含む)と J-REIT が対象
・ J-REIT については、私募 REIT の運用実績と同様に、上場していないものとみ
なした NAV の変動率をキャピタル・リターン(Capital Appreciation)としている。
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資料 2:
不動産投資市場の概要と新 AJPI のカバーイメージ
国内不動産投資市場
コア投資市場
33 兆円
25 兆円(※)
開発
その他国内投資家
J-REITs
8 兆円①
海外コア投資
国内ノンコア
海外ノンコア
コア投資 15-16 兆円
③
年金等コア投資
約 1-2 兆円②
当初は①J-REIT、②年金等で提供開始、今後、③その他国内投資家のコア投資を
徐々にカバーし、コア投資市場のカバー率の向上を企図している。
※ 国内投資市場全体 33 兆円(国土交通省推計値)のうち、J-REIT 以外の非上場・私募の
コア比率を約 65%(ARES 私募ファンド実態調査より)としてコア投資市場を ARES 推計
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資料 3:
グローバル市場における投資インデックスの概況
実物不動産インデックス
ファンド・インデックス
北米
NPI
NFI
US
- NCREIF Property Index
- NCREIF Fund Index
欧州
IPD Property Index
IPD Fund Index
Eurozone
- UK, France, Germany,,,
- UK, France, Germany,,,
豪州
Australia
IPD-PCA
Property Index
IPD-Mercer
Fund Index
日本
旧 AJPI と IPD が存在す
Japan
るが、定着していない
存在しない
⇒ ARES
新 AJPI 新設へ
⇒ ARES
AJFI(新設)へ
◆ 世界最大の不動産市場である北米は、NCREIF(全米不動産投資受託者協会)が NPI
と NFI を公表し(ほとんどの不動産投資顧問会社が NCREIF にデータを提供)、投資家
のスタンダードとなっている。
◆ 欧州圏でも、同様に英国 IPD 社が作成するインデックスが定着している。
◆ 透明度が高いとされる豪州は、データ提供を受ける PCA(業界団体)またはコンサル
会社が IPD と提携して提供されている。
◆ 先進国の不動産投資市場では、日本だけが、実物不動産、ファンドいずれも定着して
いない(透明度が低いとされる要因の 1 つとも言われている)。
⇒ ARES は、このうち友好団体でもある NCREIF の方式に準拠し、私募・非上場不
動産のデータ収集・指数作成に着手したものです。
<本件に関するお問い合わせ先>
一般社団法人不動産証券化協会 広報部・調査部
〒107-0052 東京都港区赤坂 1-9-20 第 16 興和ビル北館 1 階
TEL:3505-8001 FAX:3505-8007
AJPI website: http://index.ares.or.jp
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