トピカル切手展審査基準 (1) トピカルコレクションの構成の基本 トピカルコレクションとは、切手に描かれた図案やその切手の発行目的により切手を分類したコレ クションをいいます。トピカル切手展は、そのようなトピカルコレクションによる国内独自の競争切 手展です。 作品は、主題に沿った特定の図案(あるいは発行目的)の郵便切手類(エラー・プルーフ等を含む) ・ 消印、それが貼られた(押された)郵便物などを中心に構成され、テーマに関する知識・郵趣知識な どを駆使し、プランに示した論理的展開にしたがって分類がなされる必要があります。 審査は<JAPEX>等のテーマティククラスとは異なる、国内独自の審査基準により行われます。 (2) トピカルコレクションに含まれる題材 競争出品のトピカルコレクションに使用できる材料の範囲について説明します。「使ってよいマテ リアル」「使ってはいけないマテリアル」「なるべく使わない方がよいマテリアル」については <JAPEX>のテーマティククラスの審査基準に準じます。ただし、テーマティクとは異なり、原則と して切手類あるいは消印等の図案と、作品の主題が一致していることが必要です。たとえば夏目漱石 を描いた未使用切手を、猫のトピカルコレクションの中で使用することは原則としてできません。 (3) トピカルコレクションの審査項目と配点 トピカル切手展の審査配点と内容は次の通りです。 1.状態・希少性(配点25点) 出品物中のマテリアルに関する状態と稀少性に関しては、<JAPEX>などの競争切手展と同様の基 準で評価されますが、トピカル切手展の場合、偽造品・変造品を展示した場合の減点はこの項目にお いてなされます。 1-1.状態 … 配点10点 1-2.希少性 … 配点15点 2.知識(配点20点) 2-1.テーマに関する知識 … 配点10点 選択した主題に関する知識の深さ、正確さを評価します。書き込みが適切かつ詳細になされて いるかもあわせて見ます。 2-2.郵趣知識 … 配点10点 分類や書き込みが適切かつ詳細になされており、また材料に関する分析・調査がどのくらいな されているか、また、できるだけ多様なマテリアルをバランスよく、かつ作品中の適切な箇所に おいて展示することによって評価されます。 なお、出品物の魅力を高めるような特殊なマテリアルを展示する場合、そのマテリアルの「特 殊性」を分かりやすく示すことが重要になります(プルーフやエッセイを用いる場合、その素性を 明らかにすることが求められます)。 3.体系、展開(配点30点) 3-1.ストーリー … 配点10点 作品がプランに沿って論理的に展開されているか否か、また、その展開は表面的なものではな く、バランスよく練り上げられたものであるか、プランに示された全ての面が丹念に組み立てら れているか、図案別の材料をどれだけストーリーに従って緻密に配置しているか、主題に関する テキストは配慮がなされ適切なものか、といった点が評価のポイントになります。 3-2.スケールの大きさ(ワンフレームクラスの場合はワンフレームとしての完成度) … 配点15点 フレーム数とそれにふさわしい内容の充実が認められるかどうかを評価します。レギュラーク ラスでは2~5フレームが出品者により選択でき、一般にフレーム数が多い方が有利になります が、たとえ5フレームを使用した作品であっても、内容がそれに伴わない場合はより低く評価さ れる場合があります。 ワンフレームクラスでは、主題がよく絞り込まれており、ワンフレームクラスに適した主題・ 内容かどうかを見ます。 3-3.プランの明示 … 配点5点 タイトルページにプランが明示されているかどうかを見ます。プランのページにおいては、原 則としてフレーム単位で構成される「章」と、各章を構成している数リーフの「節」について記 述していることが好ましいとされます。プランがない場合、あっても不十分な場合はそれぞれ所 定の減点がなされます。 4.難易性、研究(配点15点) 4-1.テーマの難易性 … 配点10点 作品に選ばれたテーマの収集の難易度を評価します。 4-2.独自の研究 … 配点5点 従来見られなかった新たな主題に取り組んだ場合や、既存の主題に対して新たな分析を行った 場合、既存の複数の主題を統合して新たなものを提示した場合などには、その独創性に対して高 い評価が与えられます。 5.プレゼンテーション(配点10点) 収集と研究の成果が、書き込みその他の表現方法で、適切かつ簡潔明瞭に鑑賞者に示されている か否かを評価するとともに、展示全体としての統一性とバランス、さらには美観も採点の対象とし ます。 以 (附則) 2006年1月7日施行 2014年10月11日改正 上
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