平成 25 年度個別指導における指摘事項

平成 25 年 9 月 12 日発
(一社)愛媛県薬剤師会
社会保険委員会
平成 25 年度個別指導における指摘事項
指導時には持参資料を再度確認して不備のないようにして下さい
Ⅰ
調剤等に関する事項
1 処方箋の取り扱い
(1) 処方箋に鉛筆書きしている事項が見受けられたので、必要事項はボールペン等で記載するこ
と 負担金等の記載は望ましくない
2
処方内容に関する薬学的確認
長期に渡り処方されている薬剤に関して疑義照会がなされていない 例 ガスモチン錠
(1) 疑義照会を行った場合は、その要点を処方箋の備考欄及び薬剤服用歴に記載すること
(2) 薬学的に見て、処方内容に問題が疑われるにもかかわらず、処方医への疑義照会が行われて
⇒疑義照会がない場合調剤料の返還
いない事例が見られたので、積極的に疑義照会を行うこと
もあり
① 薬剤の処方内容により禁忌例への使用が疑われるもの
・てんかんに対するリーマス錠の投与
・うっ血性心不全に対するシロスタゾール錠
・重篤な肝障害に対するゾルピデム酒石酸塩錠 5mg
② 薬事法による承認内容と異なる効能効果、適応症での処方が疑われるもの
・統合失調症に対するマイスリー錠の投与
・肝性浮腫に対するサムスカ錠の投与
・ノボラピッド注フレックスペンの1日150単位投与
添付文書の用法用量と相違してい
・嘔吐症患者に対するナウゼリン坐剤60の処方
③ 薬事法による承認内容と異なる用法で処方されているもの
・ジプレキサ錠の 1 日 2 回投与
るのに、疑義照会がなされていな
い場合
・他のてんかん薬が使用されていないラミクタール錠の投与
・高血圧患者に対するベニジピン塩酸塩錠4mgの1日2回投与
・リピディル錠 80mgの1日2回投与
・プリンぺラン錠 5 の食後投与
④ 過量投与での処方が疑われるもの
・生後6ヶ月、体重 6kgの患者に対するテオドールドライシロップの1日60mg投与
3
調剤等
(1) 一般名処方に係わる処方箋を受け付けた場合は、原則後発医薬品を調剤すること
なお、先発医薬品を調剤した場合には、その理由を薬剤服用歴に記載すること
在庫がないから の理由はダメ
4
処方箋、調剤録の保存
(1) FAX で疑義照会を行った時の回答用紙については、処方箋と一体のものとして保管すること
クリップ留めはダメ
処方箋と一体にしない場合は、処方箋の
備考欄に記入すること
Ⅱ
調剤技術料に関する事項
1 調剤基本料
(1) 調剤基本料の算定について、不適切な例が認められたので改めること
・同一日に複数の処方せんを受けた場合において、同一の保険医療機関で、一連の
診察行為に基づいて交付された処方箋について受付回数2回として算定してい
る
2
調剤料
(1) 調剤料の算定について、次の不適切な例が認められたので改めること
① 外用剤について4種類以上に係わる調剤料の算定を行っている
同一部位に貼付の場合は、調剤料は
② 同一銘柄の外用剤(貼付剤)を2回算定していた
・モーラステープ 20mgとモーラステープ L40mg
3
1回のみ算定
外用剤の使用部位の記載がない場合
調剤料又は調剤技術料に係わる加算
(1) 一包化加算を算定するにあたっては算定要件を十分に認識し適切に取り扱うこと
(2) 自家製剤加算について、次の不適切な例が認められたので、算定要件を十分に認識し適切に
取り扱うこと
・自家製剤加算を行った製剤工程を調剤録に記載していない
製剤工程の記載がない場合
・4分の 1 にする割線のない錠剤に対して算定されているもの は、加算分返還
添付文書で割線の有無を確認すること
・サムスカ錠 15mgを 0.25 錠処方
粉砕したコメントがあれば自家製剤加算は算定可
(3) 計量混合調剤加算について、次の不適切な例が認められたので、算定要件を十分に認識し適
切に取り扱うこと
・セルシン錠 2mgを粉砕して、乳糖 0.1gと混合
・テルネリン錠 1mgを粉砕して、乳糖 0.1gと混合
嚥下困難製剤加算については、剤形の選択も考慮して算定すること
Ⅲ
1
薬学管理料に関する事項
薬剤服用歴管理指導料
再度、算定要件を確認して 記載事項に漏れが
あった場合は、薬歴管理料41点の返還もあり
(1) 薬剤服用歴管理指導料を算定する場合に、薬剤服用歴の記録の記載することとされている次
の事項を記載していないので改めること
・後発医薬品の使用に関する患者の意向
・手帳による情報提供の状況
変更可の処方せんであっても、本人の希望はどうなの
か?を記載
手帳の状況は毎回記載が必要、手帳に記載したか、シー
ルを渡したか等の状況を記載。手帳の有無ではない
・手帳による情報提供の状況を一部記載していない
「飲食物の摂取状況」とは、現に服用している薬剤と相互作用がある飲食物を
取っているか どうか 確認であり、 食事がとれているか どうかの確認で
はないので 普通とか通常等の文言は不適
(2) 薬剤服用歴管理指導料の算定にあたっては、指導内容が画一的にならないよう。患者に即し
た指導に努めること
(3) 薬剤服用歴管理指導料の算定にあたっては、算定要件を認識し、重大な副作用を中心にモニ
ターを行う等、指導内容の充実を図るとともに、薬剤服用歴への指導内容の要点記載をさら
どの薬剤の どのような副作用をモニタリングしたか?
に充実させること
(特に充実することが必要な事項)
・重大な副作用
(4) 薬剤服用歴の記録について、次の不適切な例が認められたので改めること
・鉛筆書は適切でないので、ペン又はボールペン書等に改めること
(5) 薬剤服用歴の記録について処方日の記載誤りがあったので記載については十分注意すること
(6) 特定薬剤管理指導加算について、次の不適切な例が認められたので改めること
・服用に際して注意すべき副作用やその対処方法を詳細に説明していない
・処方箋受付の際に、特に安全管理が必要な医薬品について、注意すべき副作用に係わる
自覚症状の有無及び当該症状の状況を確認していない
(7) 特定薬剤管理指導加算の対象医薬品が複数処方されている場合は、すべての医薬品について
必要な薬学的管理及び指導を行うよう努めること ⇒
定型文ではダメ何を指導したか
が分からない
(8) 重複投薬・相互作用防止加算について、次の不適切な例が認められたので改めること
・薬剤服用歴の記録に処方医に連絡・確認を行った内容の要点・変更内容を記載して
いない
(9) 薬剤情報提供文書について、次の不適切な例が認められたので改めること
後発品であるかどうか が分かるように
・相互作用を記載していない
後発品の文字を入れること
・情報提供を行った保険薬剤師の氏名を記載していない
・保険薬局の情報提供を行った者が保険薬剤師である旨の記載を行っていない
氏名だけでなく 薬剤師○○ と記載するること
適応症が複数ある場合は、患者に即した内容にすること
(10) 手帳による情報提供について、次の不適切な例が認められたので改めること
・服用に際して注意すべき事項を手帳に記載していない
・シール等を交付した場合は、次回手帳を持参したときに貼付されていることを確認する
確認した内容を薬歴に記載すること
こと
(11)薬剤服用歴の記録等の電磁的な保存において、不適切な事項が認められたので改めること
・電子薬歴についてパスワードの有効期限の設定を行っていない
2
在宅患者訪問薬剤管理指導料
(1) 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定にあたっては、算定要件を認識し、指導内容・薬
学的管理の内容・処方医に提供した訪問結果に関する情報の要点等所定事項を薬剤服
用歴に記載することになっているが、内容が不十分であるので、その充実を図ること
計画書・報告書には 何をするのか?したのか?具体的に
記載すること「○○への服薬指導」等の記載では 何をし
たのかわからない
(2) 麻薬管理指導加算について、次の不適切な例が認められたので改めること
① 麻薬の服用状況、残薬の状況、保管状況を確認していない
② 薬剤服用歴の記載に、次の事項を記載していない
・疼痛緩和状況
・処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
Ⅳ
1
事務的事項
新規、届出事項等
(1) 次の届出事項についての変更が生じた場合は、速やかに「届出事項変更(異動)届」により、
四国厚生支局愛媛事務所へ届け出ること
・保険薬剤師の異動
Ⅴ
1
その他
電子薬歴
(1)電子薬歴についてパスワードの有効期限設定を行うこと