119V2 解説 解 説 「パーソナルコンピュータ Version 2」 改 定 日 2011 年 10 月 1 日 1.商品類型設定の背景 特になし 2.適用範囲について 本商品類型は、総務省作成「日本標準商品分類」に規定される「パーソナル コンピュータ」について採り上げる。「日本標準商品分類」は、ノート型パソ コ ン 、デ ス ク ト ッ プ 型 パ ソ コ ン な ど に 関 す る 定 義 を 記 載 し て い な い 。こ こ で は 、 社会一般で用いられている概念をもとに、デスクトップ型パソコンは「机上な どに設置して使用するパソコン」、ノート型パソコンは「持ち運びながら使用 することが可能なパソコン」、一体型パソコンは「デスクトップ型パソコンと モニタが一体となったパソコン」を指すものとした。 シンクライアントおよびタブレット型パソコンは、社団法人電子情報技術産 業協会の定義に基づいて、本商品類型の対象として追加した。 ワークステーションは、省エネ法の対象外となるなど、諸規制での扱いが明 確となっていないため、本商品類型の対象外とした。 そ の 他 の 周 辺 機 器 ( 外 付 け FDD、 イ メ ー ジ ス キ ャ ナ ー な ど ) は 、 パ ソ コ ン と 異なる使用条件であり、別の商品類型として扱うべきとの結論から、本商品類 型の対象外とした。 ノート型パソコン デスクトップ型パソコン 一体型パソコン タブレット型パソコン CRT モニタ LCD モニタ ※ノート型パソコンとして扱う 1/9 119V2 解説 3.用語の定義について 「電池」の定義は、社団法人電池工業会資料に基づいて作成した。 「再使用可能」、「リサイクル」、「再生プラスチック原材料」、「プレコ ン シ ュ ー マ 材 料 」 お よ び 「 ポ ス ト コ ン シ ュ ー マ 材 料 」 の 定 義 は 、 ISO14021の 定 義 に 基 づ い て 作 成 し た 。 「 LCA」 は 、 ISO14040を 参 考 に 作 成 し た 。 「 ホ モ ポ リ マ」、「コポリマ」および「ポリマアロイ」は、理化学辞典((株)岩波書店) を引用した。 「筐体」などの定義は、ドイツのブルーエンジェルマーク認定基準、社団法 人電子情報技術産業協会の定義を参考に作成した。 4.認定の基準と証明方法について 4-1. 環 境 に 関 す る 基 準 と 証 明 方 法 の 策 定 の 経 緯 基準の設定にあたっては、商品ライフステージ環境負荷項目選定表を用い、 環境の観点から商品のライフサイクル全体にわたる環境負荷を考慮した上で、 認定基準を設定するに際し重要と考えられる負荷項目が選定され、それらの項 目について定性的または定量的な基準が策定される。 商品類型「パーソナルコンピュータ」において考慮された環境負荷項目は商 品ライフステージ環境負荷項目選定表に示したとおり(表中◎印)である。こ のうち最終的に環境に関する基準として選定された項目は、A-1、A-9、 B - 2 、B - 3 、B - 5 、B - 6 、B - 8 、B - 9 、C - 1 、C - 9 、D - 1 、 D - 2 、 D - 8 、 D - 9 、 E - 8 、 E - 9 、 F - 1 お よ び F - 9 (表 中 ◎ 印 )で ある。 なお、表中の 印の欄は検討対象とならなかった項目または他の項目に合 わせて検討された項目を示す。以下に環境に関する基準の策定の経緯を示す。 表「ライフステージ環境負荷項目選定表」 商品のライフステージ A. B. C. D. E. 環境負荷項目 資源 製造 流通 使用 廃棄 採取 消費 1資源の消費 ◎ ◎ ◎ 2地球温暖化影響物質の排出 ◎ ◎ 3オゾン層破壊物質の排出 ◎ 4生態系への影響 5大気汚染物質の排出 ◎ 6水質汚濁物質の排出 ◎ 7廃棄物の発生・処理処分 8有害物質などの使用・排出 ◎ ◎ ◎ 9その他の環境負荷 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ F. リサイクル ◎ ◎ ◇A~F-9(その他の環境負荷) (1)環 境 情 報 の 提 供 (2)LCAの 実 施 と 情 報 提 供 に つ い て (1)に つ い て 、 2000年 9月 10日 に 制 定 し た 版 の 「 パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ 」 は 、 2/9 119V2 解説 機器の環境負荷低減を支援する体制(使用後の引き取り、リペアなど)について も認定基準を策定していた。これらの支援体制は、申込事業者だけで成り立つも のではなく、機器利用者の積極的な関与を必要とするため、併せて、認定基準と して取扱説明書における情報提供を策定していた。 この度の見直しでは、情報提供の目的について検討し、支援体制への関与を呼 びかけることから、環境コミュニケーション全般の促進を図ることへ基準項目を 進化させた。併せて、発信者・受信者双方に使いやすい基準項目とすることをこ ころがけた。 方 向 性 は 2点 あ り 、ひ と つ は 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 発 達 、情 報 メ デ ィ ア( CD-ROM などの普及)の多様化などを考慮し、取扱説明書に限らず情報ツールの選択肢を 広げた。また、①情報内容、②情報が活用される条件、③最適な情報提供方法を 整 理 し 、パ ソ コ ン の 環 境 側 面 に 関 す る 情 報 を 機 器 購 入 者 ・ 利 用 者 が 入 手 ・活 用 し や すいように配慮するとともに、情報発信者が情報提供しやすいように基準項目に フレキシビリティを持たせることに努めた。 (2)に つ い て は 、 詳 細 を B-2項 で 述 べ る た め 省 略 す る 。 A 資源採取段階 A-1(資源の消費) (1)3R設 計 (2)取 扱 説 明 書 の 資 源 循 環 性 (1)の 3R設 計 に つ い て は 、 2000年 9月 10日 に 制 定 し た 版 の 「 パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ータ」に添付していたチェックリスト「機器のリサイクルに適した設計」を全面 的に見直し、整理した。この度の見直しでは、資源有効利用促進法に基づく、使 用済パソコンの回収・再資源化のプログラムが始まったことから、関係業界が行 う 回 収 ・再 資 源 化 シ ス テ ム に 最 適 の 3R設 計 を 推 進 す る こ と と し た 。併 せ て 、社 団 法 人 電 子 情 報 技 術 産 業 協 会 が 進 め る PCグ リ ー ン ラ ベ ル 制 度 の チ ェ ッ ク リ ス ト 、 経 済 産 業 省 が 作 成 し た「 再 生 資 源 の 利 用 の 促 進 等 に 資 す る た め の 製 品 設 計 に お け る 事 前 評 価 マ ニ ュ ア ル 作 成 の ガ イ ド ラ イ ン 」、お よ び 欧 州 の 主 要 環 境 ラ ベ ル 基 準 を 参 考 と し 、 総 合 的 な 視 点 で 確 認 を 行 い 、 「 パ ソ コ ン の 3R設 計 」 と し て と り ま と め た 。 (2)に つ い て は 、 取 扱 説 明 書 の CD-ROM化 な ど 、 ペ ー パ ー レ ス 化 が 進 ん で い る 一 方、印刷物による取扱説明書に関しては、資源循環を進める観点からエコマーク 商 品 類 型 No.107「 印 刷 用 紙 」 に 規 定 す る 古 紙 配 合 率 な ど の 資 源 循 環 指 標 を 、 基 準 を 策 定 す る 項 目 と し て 選 定 し た が 、 Version 2.3改 定 時 に 削 除 さ れ た 。 海 外 の 国 ・ 地域によっては、社会的に古紙回収システムが整備されていないため、再生紙を 日本から輸送し、取扱説明書を作成する事例があった。環境負荷低減を図る観点 から疑問があるとの意見が挙がり、海外製造の取扱説明書は、古紙配合を必須条 件としないこととした。これにより、資源循環を促すものの、無理な基準適合に よる新たな環境負荷の増大を避けるよう配慮した。 用紙の非塩素漂白については、環境負荷低減のために国内外で取り組みが進ん でおり、基準を策定する項目として新たに選定した。 なお、申込機器の取扱説明書以外の添付書類(基本ソフトの取扱説明書など)は、申 込者が使用紙を管理することが困難であるため、本項目の規定を適用しないこととした。 その後2008年1月に古紙パルプを配合した用紙の公称配合率と実配合率が、多くの事 業者で乖離していることが判明した。このことを受け、本体機器の環境負荷を主眼に置 いて評価を行っている商品類型のうち、本体機器に付随する取扱説明書などに古紙パル プ配合率の要求事項を設定していた基準項目については、古紙パルプ配合率に関する審 3/9 119V2 解説 査・確認方法が確立するまで、当該基準項目を一時的に削除することとした。本項目に ついては、今後、商品類型No.107「印刷用紙Version3」等において古紙パルプ配合率の 審査・確認方法等が確立した段階で改めて検討し、これを復活することとした。 取扱説明書など添付書類の基準項目については、古紙パルプを配合した用紙の市場動向等 を確認の上、2011年10月に配慮事項として復活することとした。なお、配慮事項は、認定 の要件ではないが、製造にあたって配慮することが望ましい項目としており、項目への対 応状況は付属証明書等で確認することとした。 B 製造段階 B-2(地球温暖化影響物質の排出) (1)製 造 時 の 消 費 電 力 削 減 (1)に つ い て は 、 社 団 法 人 産 業 環 境 管 理 協 会 が 実 施 す る エ コ リ ー フ な ど で 公 表 し て い る LCAの 結 果 で は 、 パ ソ コ ン 製 造 時 の エ ネ ル ギ ー 消 費 の 割 合 が 高 い も の も あ り 、 LCAに よ る 評 価 方 法 に 課 題 が あ る も の の 、 今 後 の 方 向 性 と し て 基 準 に 採 り 上 げ る べ き と の 意 見 が あ っ た 。検 討 の 結 果 、LCAを 行 っ て い る 事 業 者 に お い て も LCA 実 施 手 法 が 異 な る こ と 、 評 価 結 果 の 活 用 方 法 も 模 索 段 階 で あ る こ と か ら 、 LCA実 施 手 法 お よ び 結 果 公 表 方 法 に つ い て は 問 わ な い も の と し 、 LCAを 実 施 し 、 製 造 時 の エ ネ ル ギ ー 消 費 削 減 に 努 め て い る こ と 、 LCA結 果 を Webな ど で 公 表 し て い る こ と と し て 、 基 準 を 策 定 す る 項 目 と し て 選 定 し た 。 LCAの 実 施 に あ た っ て は 、 社 団 法人産業環境管理協会の実施するエコリーフ、社団法人環境情報科学センターの 実施する製品環境情報提供システムなどによる評価結果も含むものとする。 B-3(オゾン層破壊物質の排出) (1) 特 定 フ ロ ン 、 代 替 フ ロ ン の 排 出 防 止 特定フロン、代替フロンなどは、製造の規制並びに排出の抑制および使用の合 理化に関し、国際的合意により対策が進められている。「特定物質の規制等によ る オ ゾ ン 層 の 保 護 に 関 す る 法 律 」を 参 考 に 、添 付 3.表 1を 作 成 し 、特 定 フ ロ ン( CFC5 種 ) 、 そ の 他 CFC、 四 塩 化 炭 素 お よ び ト リ ク ロ ロ エ タ ン の 使 用 を 認 め な い こ と と し 、 代 替 フ ロ ン ( HCFC) は 、 工 場 か ら の 排 出 を 認 め な い こ と と し て 基 準 を 策 定 した(包装材料についても同様の結論とした)。 また、これらの物質は、パソコンの最終組立工場でほとんど使用しておらず、 部品などの本来使用しているステージでの使用・排出削減をすることが効果的で あるため、部品工場に遡った環境負荷低減を行うよう、事業者の取り組みを確認 することとして基準を策定した。従来、パソコン製造事業者と部品製造工場との 間の部品購買契約書などを確認することとしていたが、パソコンの部品は世界中 から調達しているため、証明書の発行に労力がかかり過ぎ、証明方法として適切 ではないことが明らかとなり、証明方法を含めて見直した。 B-5(大気汚染物質の排出) (1)有 害 物 質 の 排 出 本 項 目 は 、B-3項 に 解 説 し て い る と お り 、製 品 製 造 時 に 工 場 立 地 地 域 の 環 境 法 規 などを順守していることとし、基準を策定する項目として選定した。 B-6(水質汚濁物質の排出) (1)有 害 物 質 の 排 出 本 項 目 は 、B-3項 に 解 説 し て い る と お り 、製 品 製 造 時 に 工 場 立 地 地 域 の 環 境 法 規 4/9 119V2 解説 などを順守していることとし、基準を策定する項目として選定した。 水質汚濁による影響は、河川や湖沼だけではなく、地下水汚染などの環境影響 としても発生しており、土壌汚染について以下のとおり扱うこととした。 汚染物質規制の制定後、汚染行為があり、それがエコマーク申込時から過去5年以内 の場合は、エコマーク認定基準に不適合と判断する。 B-8(有害物質などの使用・排出) (1)有 害 物 質 の 排 出 本 項 目 は 、B-3項 に 解 説 し て い る と お り 、製 品 製 造 時 に 工 場 立 地 地 域 の 環 境 法 規 などを順守していることとし、基準を策定する項目として選定した。 C 流通段階 C-1(資源の消費) (1)包 装 材 料 本項目は、数値的な基準を設定することが難しく、一律の基準を策定することよりも、 各事業者において自主的に取組むことで包装材料の3R促進、化学物質による環境影響の 低減を図ることが可能であると判断し、基準を策定する項目として選定した。経済産業 省が作成した「再生資源の利用の促進等に資するための製品設計における事前評価マニ ュアル作成のガイドライン」は、軽量・小型化などの観点を含めてガイドライン化して おり、機器毎に事業者の自主的な配慮を期待できる。 材質表示は、資源有効利用促進法との整合を考慮し、基準項目として整理した。 D 使用消費段階 D-1(資源の消費) (1)機 器 修 理 の た め に 補 修 用 性 能 部 品 の 最 低 保 有 期 間 は 5年 間 確 保 さ れ る こ と (2)修 理 の 請 負 体 制 が 整 備 さ れ 、機 器 利 用 者 の 依 頼 に 応 じ て 修 理 を 行 っ て い る こ と (リペアシステム) (3)保 証 期 間 ( 3年 間 ) に 関 す る 基 準 化 に つ い て (1)お よ び (2)に つ い て は 、パ ソ コ ン に お け る「 機 器 の 長 寿 命 性 」を 活 か す ポ イ ン トが二つある。第一は、機器利用者自身による部品交換であり、交換用部品の供 給がポイントとなる。第二には、機器利用者以外の製造者などによる部品交換・ 修 理 で あ り 、積 極 的 に 修 理 を 請 け 負 う こ と は 、機 器 を 長 く 使 う た め に 重 要 で あ る 。 経済産業省では「リペア」の充実を環境負荷低減の重要項目として掲げており、 本 項 目 を 基 準 を 策 定 す る 項 目 と し て 選 定 し た 。 本項目への適合は、申込者以外の事 業者委託を含む。 審査にあたっての具体的な判断は、 1.「 本 機 器 は 機 器 利 用 者 の 依 頼 に よ り 修 理 を 請 け 負 い ま す 。 」 も し く は こ れ に 類する情報を機器利用者に提示していること。 2. 1.の 情 報 を 、 他 の 情 報 と 独 立 さ せ 、 機 器 利 用 者 に 明 確 に 認 識 さ せ る よ う 配 慮 していること。 例:当該情報のみを掲載したページ、文字を大きくする、字体を周囲の文字 と変える、枠囲い、色を変えるなど 3.修理を行うために必要な情報として、修理の範囲(サービス内容)、必要期間、費用、 機器利用者にとっての修理手続きの流れなど、を明記している、もしくは必要な情 5/9 119V2 解説 報を提供できるよう連絡先などを明記していること。 例:「本 機 器 の 修 理 に つ き ま し て は 、当 社 サ ー ビ ス セ ン タ ー (TEL:○ ○ )ま で 故 障 状 況 を お 知 ら せ 下 さ い 。ご 必 要 の 場 合 、修 理 範 囲( サ ー ビ ス 内 容 )、 修 理 費 用 の 目 安 、修 理 期 間 、手 続 き な ど 説 明 い た し ま す 。 」 注 : 連 絡 先 と は 電 話 、 FAXな ど を 指 す 。 機 器 故 障 時 を 想 定 し て い る た め 、 電 子メール連絡先のみでは基準不適合と判断する。 (3)に つ い て は 、 環 境 に 関 す る 事 項 で は な く 、 ま た 保 証 事 項 は 各 製 造 者 の サ ー ビ ス戦略によるところも大きく、基準を策定する項目として選定しなかった。 D-2(地球温暖化影響物質の排出) (1)低 電 力 消 費 で あ る こ と ( エ ネ ル ギ ー ス タ ー に 準 拠 ) (2)省 エ ネ 法 に 定 め る 省 エ ネ 基 準 に 適 合 し て い る こ と (1)に つ い て は 、 パ ソ コ ン か ら の 地 球 温 暖 化 影 響 物 質 の 排 出 削 減 を 図 る た め 、 低 電力消費であることが必要である。低電力消費のための取り組みとして「エネル ギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」および「国際エネルギースター プログラム」が政策的に進められている。これらの政策との整合性を考慮し、省 エネルギーの側面で重要な環境負荷低減項目となるため、基準として選定した。 D-8(有害物質などの使用・排出) (1)VOCの 放 散 パ ソ コ ン か ら の VOC放 散 は 、2005年 9月 に 社団法人電子情報技術産業協会が作成し た「パソコンに関するVOCガ イ ド ラ イ ン 」 を 参 考 に 検 討 し た 。 パ ソ コ ン 業 界 は 、 世 界 で 初 め て パ ソ コ ン か ら の VOC放 散 量 の 指 針 値 お よ び 測 定 方 法 を 業 界 で 統 一 し て 設 定 し 、 パ ソ コ ン に お け る VOCお よ び ア ル デ ヒ ド 類 に 対 す る 自 主 的 な 取 組 を 進 め てきた。いわゆる「シックハウス症候群」による健康影響の側面で環境負荷低減 項を図るため、このようなパソコン業界の先進的取組に配慮しながら、本項目を 基準として選定した。 D-9(その他の環境負荷) (1)電 磁 適 合 性 (2)音 量 レ ベ ル ( 騒 音 ) 電 磁 適 合 性 は 、 事 業 者 が VCCI( 情 報 処 理 装 置 等 電 波 障 害 自 主 規 制 協 議 会 ) に よ って、コンピュータなどから発生する電波ノイズがテレビなどの受信機に妨害を 与 え な い よ う に 対 応 し て い る 。VCCIは 他 の 機 器 へ の 電 磁 影 響 で 、環 境 に 関 す る 基 準と異なる評価であることから、本項目を認定基準から削除した。 音 量 レ ベ ル は 、 基 準 値 を 48dB~ 55dBと し て い た が 、 最 近 5年 間 の 技 術 の 進 展 に よ り 達 成 容 易 な レ ベ ル と な っ た た め 、静 音 性 を 高 め る こ と と し て 40~ 45dBに 引 き 上げた。 E 廃棄段階 E-8(有害物質などの使用・排出) (1)パ ソ コ ン の カ ド ミ ウ ム 、 鉛 、 特 定 臭 素 系 難 燃 剤 な ど の 含 有 に つ い て (2)パ ソ コ ン へ の 発 が ん 性 物 質 、 変 異 原 性 、 生 殖 毒 性 物 質 の 添 加 に つ い て (1)に つ い て は 、 2006年 7月 よ り 始 ま る RoHS 指 令 ( 2002/95/EC, Restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic 6/9 119V2 解説 equipment) と 呼 ば れ る 欧 州 連 合 ( EU) に よ る 電 気 ・ 電 子 機 器 に 含 ま れ る 有 害 物 質 の 使 用 を 制 限 す る 指 令 を 参 考 と し 、 鉛 、 水 銀 、 カ ド ミ ウ ム 、 六 価 ク ロ ム 、 PBB ( ポ リ 臭 化 ビ フ ェ ニ ル )、PBDE( ポ リ 臭 化 ジ フ ェ ニ ル エ ー テ ル )の 削 減 に 関 す る 世界的な動きを踏まえて見直した。わが国では、日本工業規格として「電気・電 子 機 器 の 特 定 の 有 害 物 質 の 含 有 表 示 方 法 (J-Moss)」 を 規 格 化 し 、 電 気 製 品 製 造 事 業 者 に よ る 含 有 表 示 の 方 法 を 定 め る 制 度 が 2006年 7月 よ り 始 ま る こ と か ら 、 6対 象 物 質 の 含 有 率 を J-Mossに 定 め る 値 以 下 で あ る こ と と し て 、 基 準 を 策 定 し た 。 特 定 臭 素 系 難 燃 剤 、 ハ ロ ゲ ン を 含 む ポ リ マ お よ び 電 池 セ ル の カ ド ミ ウ ム ・鉛 は 、 含 有 率 の 設 定 に 加 え て 、対 象 部 品 を 限 定 し て 、処 方 構 成 成 分 と し て の 添 加 に 関 し 、 基準として引き続き選定した。 (2)に つ い て は 、 有 害 化 学 物 質 の 使 用 回 避 を 図 る た め 、 基 準 と し て 選 定 し た 。 パ ソコンは、国際流通製品であることから、国際的に整合を図ることのできる国際 ガ ン 研 究 機 関 ( IARC) の 発 ガ ン 性 物 質 に 分 類 さ れ て い る 物 質 を 採 用 し た 。 な お 、 製 造 プ ロ セ ス に お け る 消 泡 剤 (As 2 O 3 )の 添 加 に 関 し て 、 以 下 の と お り 整 理 した。 1.消 泡 と い う 製 品 の 製 造 プ ロ セ ス 上 で 用 い ら れ る も の で あ る( ガ ラ ス の 原 料 で はない) 2. 加 熱 に よ り 分 離 し て い る ことから、「製造プロセス上、不可避的に混入する不純物成分」として扱うものである と判断し、エコマーク認定基準に不適合となるものではない。 F リサイクル段階 F-1(資源の消費) (1)3R設 計 (2)機 器 の 引 き 取 り 、 再 使 用 ま た は リ サ イ ク ル (1)に つ い て は 、 A-1項 で 述 べ る た め 省 略 す る 。 な お 電 池 の 取 り 外 し は 、機 器 利 用 者 が 取 り 外 し で き な い 電 池 が あ っ た と し て も 、 機 器 自 体 の 回 収 を 進 め る た め 、回 収 者 な ど に よ っ て 取 り 外 し で き れ ば よ い 。ま た 、 機器の修理時に製造者などが基板全体を交換することなく電池を交換できること が 重 要 で あ る と 判 断 し た 。具 体 的 に は 、「 平 成 3年 度 国 庫 補 助 事 業 使 用 済 み ニ カ ド電池の再資源化促進に関する調査検討報告書 財団法人クリーンジャパンセン タ ー 」 の「 ニ カ ド 電 池 取 り 出 し 容 易 化 ア セ ス メ ン ト マ ニ ュ ア ル 」 を も と に 、 添 付 1 表 1「 電 池 の 取 り 外 し の 容 易 性 」 を 作 成 し た 。 平 成 15年 10月 よ り 資 源 有 効 利 用 促 進 法 に 基 づ き 、使 用 済 パ ソ コ ン の 回 収 ・再 資 源 化プログラムが始まったことから、当初設けていた使用済パソコンの回収・リサ イクルに関する基準項目はその役目を達成したため、削除した。 社団法人電池工業会は、小型充電式電池について分別を円滑に行うための識別表示に 関するガイドラインを作成しており、これに従うものとした。 4-2. 品 質 に 関 す る 基 準 と 証 明 方 法 の 策 定 の 経 緯 (1)IEC60950に 準 拠 し た 安 全 規 格 に 適 合 し て い る こ と 機 器 の 安 全 性 は 、 国 際 規 格 と し て 最 も 広 く 使 用 さ れ て い る IEC( 国 際 電 気 標 準 会 議 ) 60950ま た は こ れ に 準 拠 し た 安 全 規 格 に 従 う も の と し た 。 7/9 119V2 解説 5.商品区分、表示などについて (1)認 定 基 準 の 証 明 方 法 に つ い て (2)商 品 区 分 に つ い て (1)の 認 定 基 準 の 証 明 方 法 に つ い て 、Version1で は 部 品 工 場 に 遡 っ て 証 明 書 の 提出を求める方式を採用していたが、パソコンは非常に多くの部品を世界中の 部品取扱事業者から調達しているため、申込者の作業負担、製品開発から販売 までの期間的な条件による負担などが大きな課題となっていた。パソコン業界 は 、こ の 5年 間 に 資 材 の グ リ ー ン 調 達 を 進 め る た め の 仕 組 み づ く り を 整 備 し 、パ ソコン製造事業者による部品製造事業者の確認を進めてきた。また、見直しで はパソコンそのものを確認することにより、認定基準への適合性を証明するこ とができる項目を中心に認定基準作りを進めた。こうした取り組みから、証明 方法の自己証明書比率を向上させ、申込者の大幅な負担軽減を実現した。自己 証明書とすることで、申込者にはこれまで以上に書類の重要性や作成責任がか かることとなる。 (2)の 商 品 区 分 に つ い て 、 パ ソ コ ン は 、 購 入 後 の 機 能 拡 張 が 特 徴 の 一 つ で あ る ため、機器利用者がエコマーク認定機器を購入後に機能拡張を行うことで、エ コ マ ー ク 認 定 基 準 を 満 た さ な く な る 可 能 性 が あ る 。 本商品類型のエコマーク商品 認定審査は、販売時の仕様をもって行い、消費者に推奨するものである。 商 品 区 分 は 、参 考 と し て 別 表 2に 例 を 示 す 。「 別 紙 記 入 」と し 、別 紙 添 付 し て もよい。 エコマークの使用は、認定商品の広告にこれを用いることができるが、マー ク下段の表示および環境情報表示の使用事例を以下に紹介する。 ・セット販売品の構成にプリンタなどの本商品類型対象外の機器が含まれる場 合 エコマーク使用時に、認定機器が明らかに判別できるよう注意表示を付す 必 要 が あ る 。 例 : 「 パ ソ コ ン 本 体 と CRTモ ニ タ は エ コ マ ー ク 認 定 で す 」 ・セット販売品にエコマークを使用する場合 セット販売品を構成するエコマーク認定対象機器はすべてエコマーク認定 を受ける必要がある。 ・取扱説明書に表示する場合 マ ー ク の 下 段 表 示 は 、 認 定 基 準 5.(2)の と お り で あ る 。 な お 、 エ コ マ ー ク と は別に「古紙の利用・○○%」と記述することは自由である。 ・包装材料に表示する場合 マ ー ク の 下 段 表 示 は 、 認 定 基 準 5.(2)の と お り で あ る 。 表2 「 エ コ マ ー ク 商 品 認 定 ・ 使 用 申 込 書 」 「 2. 商 品 ブ ラ ン ド 名 」 ・機種毎申込の場合 機種名を明記 ・シリーズ毎申込の場合 シリーズ名を明記 「 エ コ マ ー ク 商 品 認 定 ・ 使 用 申 込 書 」 「 3. 型 式 」 ・機種毎申込の場合 申込機器が、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコ ン 、 一 体 型 パ ソ コ ン 、 CRTモ ニ タ 、 LCDモ ニ タ 、 キ ー ボ ード、マウスのいずれであるかを記載、品番などを記載 ・シリーズ毎申込の場合 申込機器が、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコ ン 、 一 体 型 パ ソ コ ン 、 CRTモ ニ タ 、 LCDモ ニ タ 、 キ ー ボ 8/9 119V2 解説 ード、マウスのいずれであるかを記載、シリーズ内の機 種名および品番などを記載 9/9
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