病気のプロフィル No. 30 血球貪食症候群 (第二次改訂) 筆者が医師または患者の家族から治りにくい病気の相談を受け、診ないままに推 測した病気の原因がたまたま当った例がこの数年で2例ある。一つはリウマチ性多 発筋痛症、もう一つはウイルス関連血球貪食症候群である。前者はともかくとして、 後者はほとんど「まぐれ」に等しい当りと思うが、印象に残ったから、直ぐ「病気 のプロフィル」No. 20にまとめた。 しかし、その後間もなく、この症候群について認識を新たにさせられる症例に会 った。1997年10月上旬から12月中旬にかけて福岡逓信病院に入院したリンパ腫関 連血球貪食症候群(主治医:福元由美子医師)がそれである。そのとき、血球貪食 症候群がリンパ腫、とくにT細胞リンパ腫に多く、他の悪性腫瘍ではまれであると いう事実に関心を持った。 一方また、Heaton & Moller (1985) et al. (1985) やMorris 連血球貪食症候群の考えも、わが国のKumakura et 着した感がある 基礎疾患 に始った自己免疫関 al. (1995) を経て、ようやく定 (three [1-3]。これで悪性腫瘍、感染症、および自己免疫疾患の三大関連 major associated diseases) がそろったことになろうか。 それから約1年8ヵ月経った今日、血球貪食症候群にはまだ基盤の薄弱な知識が 少なくないが、最近、「急速に注目され始めた血球貪食症候群」といった論調の報 文が散見され、医学雑誌に特集が組まれるようになったから[4, 5]、あえて第2回 目の改訂に踏み切ることにした。 どのような病気か 骨髄、リンパ節、脾臓、脳脊髄液などに赤血球、血小板、有核細胞、リンパ球な どの血球を貪食した細胞 一群を血球貪食症候群 パ組織球症 (hemophagocyte) hemophagocytic hemophagocytic が一定の程度以上に見出される病気の syndrome lymphohistiocytosis という。べつに血球貪食リン という病名があるが、ほとんど 同義に解される[5]。 以下、血球貪食症候群を英語名の頭文字をとってHPSの略名で通すことにする。 より具体的に述べると、HPSではリンパ球系細胞 (T、B、NK 細胞など) が単ク ローン性に増殖して高サイトカイン血症をきたし、高サイトカイン血症がリンパ球、 単球、組織球などを異常に活性化する。その結果、病理組織学的に病巣部分に組織 球が増殖し、単核細胞の浸潤と血球の貪食像が見られるに至る[6, いくつかの報文 [8-10] 7]。 に若干の私見を加えると、HPSは感染症、免疫不全症、 1 骨髄異形成症候群などの血液疾患、および腫瘍性疾患の境界域に位置する病気とみ なされようか。医師の多くはHPSには漠として掴みにくい病気の印象を持っている かもしれない。 HPSに関連する主要な略語 HPSに関連して用いられる病名や医学用語にはやた らと略語が多い。これらの略語も慣れれば大したことはないが、残念ながら、その 道の専門家以外の医師にはほとんど通用しないだろう。そのかなりの数のものは略 語事典にも載っていない。 このプリントの本文では、上述のHPSを除いて、略語は最小限にとどめる。以下、 主な略語を筆者流に整理しておく (アルファベット順)。 ◯ A-A-HPS (autoimmune-associated hemophagocytic syndrome) 自己免疫関連血球貪食症候群 ◯ ALCL (anaplastic large cell lymphoma) 未分化大細胞リンパ腫 ◯ ALHPS (acute lupus hemophagocytic syndrome) 急性ループス血球貪食症候群 ◯ EBV-A-HPS (EBV-associated hemophagocytic syndrome) EBウイルス関連血球貪食症候群 ◯ FEL (familial erythrophagocytic lymphohistiocytosis) 家族性赤血球貪食リンパ組織球症 ◯ FHL (familial hemophagocytic lymphohistiocytosis) 家族性血球貪食リンパ組織球症 ◯ I-A-HPS (infection-associated hemophagocytic syndrome) 感染関連血球貪食症候群 ◯ L-A-HPS (lymphoma-associated hemophagocytic syndrome) リンパ腫関連血球貪食症候群 ◯ M-A-HPS (malignancy-associated hemophagocytic syndrome) 悪性腫瘍関連血球貪食症候群 ◯ MH (malignant histiocytosis) 悪性組織球症 ◯ NKL (NK cell lymphoma) NK細胞リンパ腫 ◯ PTCL (peripheral T cell lymphoma) 末梢T細胞リンパ腫 ◯ V-A-HPSまたはVAHS (virus-associated hemophagocytic syndrome) ウイルス関連血球貪食症候群 臨 床 像 上に述べたように、骨髄、リンパ節、肝臓、脾臓などにおいて組織球、リンパ球、 単球などの貪食能が亢進し、これらが活発に血球を貪食するようになる。そうする と、上述の臓器、組織において血球貪食細胞が増え、一定度以上になると、臨床上、 発熱、皮疹、リンパ節腫大、肝脾腫、末梢血液における二系統血球減少または汎血 2 球減少、マクロファージ活性化のマーカーである高フェリチン血症、高LDH血症な どの症候が現れ、重症化すると、DIC や多臓器不全をきたす 小児と成人の臨床像には若干の違いがある の臨床症状と検査所見を表1に示す [5, 14, 15]。 [15-17]。その違いを考慮した HPS [15]。これはHPSの臨床像を手際よくまとめた 表として筆者は高く評価している。 表1. 血球貪食症候群 (HPS) の臨床症状と検査所見 臨床症状 発熱 最高体温が38.5℃以上の発熱が7日以上続く。 肝脾腫 成人のHPSより小児のHPSで顕著。 リンパ節腫大 見られないこともある。 皮疹 成人のHPSより小児のHPSで顕著。 中枢神経症状 意識障害、痙攣などの中枢神経症状。成人のHPS より小児のHPSで顕著。 その他 黄疸、capillary leak syndrome など。 検査所見 血球の減少 末梢血液における二系統血球減少または汎血球減少。 血球貪食細胞の増加 骨髄、リンパ節、肝臓、脾臓、脳脊髄液にお いて血球貪食細胞が一定の程度以上に増加。 凝固障害 低フィブリノーゲン血症、DIC。 高フェリチン血症 A-A-HPSではさほど顕著ではない。 高LDH血症 肝機能障害 血中の脂質レベルの異常 高トリグリセリド血症 (成人のHPSより 小児のHPSで顕著)、低コレステロール血症。 腎機能障害 血液または尿におけるβ2-ミクログロブリンの上昇。 尿中のネオプテリンの上昇 NK細胞活性低下 高サイトカイン血症 IFN-γ、sIL-2R、TNF、IL-1、IL-6、MCSFなどの上昇。 白石・田中 (1999) を一部改変。 小児の家族性および二次性のHPSについては、このプリントでは多くは述べない。 Komp et al. (1989) 以来の報文を参照されたい [18-27]。 血球の貪食 HPSを特徴づける最も重要な現象は、いうまでもなく細胞が血球を貪食する現象 hemophagocytosis である。日常の臨床でそうざらに見られる現象ではない。HPS では骨髄、リンパ節、肝臓、脾臓などのリンパ網内系組織において組織球と単核細 胞が増加して単球/マクロファージが血球を貪食し、図1に示すような血球貪食細 胞が認められる [7, 28]。 3 図1. デング熱ウイルス感染患者 (19歳の男子) に見出された血球貪食細胞 血小板を貪食した細胞が見られる。 (国立福岡中央病院:末松栄一、平瀬伸尚、酒井好古博士原図)。 もっとも、上述の臓器、組織に少数の血球貪食細胞が見出されたとしても、臨床 的に有意な症候が発現するとは限らないらしい。HPS症候が発現するには、貪食細 胞が一定度以上増加しなければならないという [6]。一定度という基準はあいまい であるが、次のように解釈すると一応納得がいく。 小規模な血球貪食現象は起ったり、消えたりしているが、貪食細胞が一定のしき い限界 (threshold) 血球貪食細胞の証明 を越えて増加すると、症候が発現する。 上述の臓器、組織のうちリンパ節や脾臓などの組織は常に 簡単に採取できるとは限らない。B細胞リンパ腫などでは表在リンパ節が腫大して いないことが多い [17]。 検査に最も手近な臓器は骨髄である。HPSでは骨髄穿刺は一回にとどめず、間隔 をおいて少なくとも3回は施行することが望ましい。必要ならば、骨髄生検をすべ きである。 一般にHPSの骨髄液塗抹標本では血球貪食細胞は全有核細胞の2〜10%をしめ、 ときとして50%以上に達することがある [29]。貪食細胞は塗抹標本の辺縁で、塗抹 の引き終りの部分に集ってみられる傾向がある [29]。 重篤なHPSの骨髄像では細胞数が減少し、芽球様細胞、大型顆粒リンパ球、異型 リンパ球などが増加していることが多い [6]。これらのうち、最近注目されている 大型顆粒リンパ球について簡単にふれておく。 胞体にアズール顆粒を持つリンパ球を顆粒リンパ球 4 granular lumphocyte とい う。胞体が大きいから、大型顆粒リンパ球 呼ばれている large granular lymphocyte [30]。正常人の大型顆粒リンパ球の多くはNK細胞 natural (LGL) killer とも cell で、一部はT細胞である。近年、末梢血液や骨髄中に大型顆粒リンパ球が増える病 気が次々と発見され、これは顆粒リンパ球増多症 proliferative disorder (GLPD) かになっていないが、今後 HPS granular lymphocyte- の名で呼ばれている。病理学的意義はまだ十分明ら でも注目しておく必要があろう。 高サイトカイン血症 HPSの病態発現にあずかる最大の要因は高サイトカイン血症─サイトカインの過 剰作用であることは広く容認されている。これが、上に述べたように、リンパ球、 単球、組織球などを活性化して、表1(p.3) に示すような症状が発現する 13, 15, [5, 6, 8- 43-47]。 リンパ腫関連とウイルス関連のHPSでは活性化されたT細胞のサイトカイン 2、INF-γ、CSF など) ジの炎症性サイトカイン ると推定される (IL- が、バクテリア関連のHPSでは活性化されたマクロファー (IL-1、TNF、IL-6 など) が主に病態発現にあずかってい [37]。 活性化されたT細胞のうち Th1サブセットは 生し、Th2サブセットはIL-4、IL-5、IL-10 IL-2、TGF-β、IFN-γなどを産 などを産生する。そのなかでも Th1 サブセットが産生するサイトカインはHPSの病態発現に最も重要な役割を果たして いる [37]。 以上のサイトカインのうち、注目されているIFN-γとTNFがあずかる主要症状を 表2に示す。しかし高サイトカイン血症が発現する仕組みについては、まだよく分 っていない [29]。 表2. IFN-γ 高サイトカイン血症と臨床症状とのかかわり 発熱、血球減少、血球貪食、神経症状、肝機能障害、 高トリグリセリド血症、尿細管の障害、など TNF 発熱、血球減少、高トリグリセリド血症、血液中の フィブリノーゲンの低下、血球貪食、DIC、神経症状、 NK活性の低下、肝機能障害、など 白石・田中 (1999) より一部引用. 血球貪食症候群の分類 HPSの分類はHPSの病因解析、診断、治療、および予後の推定に重要であるが、 かなりの部分、まだ流動的である。 HPSは一次性 (家族性または遺伝性) のHPSと二次性 (続発性または反応性) HPSとに分けられる。2歳以下に多く見出される一次性のHPSを除けば、小児、成 5 の 人ともほとんど何らかの基礎疾患または発症の引き金となる要因が推定される二次 性の HPS である [5, 10]。 一次性血球貪食症候群 最初に 球症 Farguhar familial & Chairreaux erythrophagocyitc (1952) が記載した家族性赤血球貪食リンパ組織 lymphohistiocytosis 総説がある。まれな常染色体劣性遺伝病らしい 文は二次性の HPS [5-17, 20, (FEL) 25, 以来、多くの原 著と 26, 29]。これらの報 の病因と病像の解析に貴重な情報源であるが、紙数の関係でこ のプリントでは多く述べない。 二次性血球貪食症候群 二次性のHPSは、表3に示すように、五つのカテゴリーに分けられよう。これら のうち日常診療で遭遇する機会が比較的多いのは 表3. ⑴、⑵、および ⑶ であろうか。 二次性の血球貪食症候群の分類 ⑴ 腫瘍関連血球貪食症候群 真の悪性組織球症 (Chanet al. 1987) をふくむ。 ⑵ 感染関連血球貪食症候群 ウイルス関連血球貪食症候群 バクテリア関連血球貪食症候群 その他の病原微生物関連血球貪食症候群 ⑶ 自己免疫関連血球貪食症候群 ⑷ 薬剤関連血球貪食症候群 ⑸ その他の二次性血球貪食症候群 表4に Wonget 薬剤として al. (1996) の43例についての報告を示す。⑷ については関連する phenytoin、IMP-SMP、carbamazepine、diphenylhydantoin あげられているが [6]、筆者には経験がない。⑸ 表4. についてはマクロファージ活性化 成人の血球貪食症候群 に関連する基礎疾患 悪性リンパ腫 感染症 全身性エリテマトーデス その他 原因不明 Wong et al. (1996). 6 などが 43例 65 % 12 5 12 6 症候群 macrophage activation syndrome (後述)、先天免疫不全症などについて少 数の報告があるが、もう少し情報の蓄積を待ったほうが良さそうである。 ここでは ⑴、⑵、および 腫瘍関連血球貪食症候群 ⑶ についてあらまし紹介する。 表5にHPS発現に関連する悪性腫瘍または類縁疾患を 示す。 悪性リンパ腫はHPSに関連する基礎疾患として重要な部分をしめる。HPSのおよ そ40%をしめ [10, 48]、そのほとんどがT細胞由来である [48-50]。 また悪性リンパ腫の60%以上は、EBウイルス感染が証明される末梢T細胞リンパ 腫である [33-36, 48, 51]。このことはウイルス関連のHPS、とくにEBウイルス関 連のHPSにT細胞またはNK細胞の腫瘍が潜在している可能性を示唆している。 さらに、リンパ腫関連のHPSのなかで、Stein et リンパ腫 anaplastic は富永・平嶋 (1996) large cell lymphoma らを参照されたい [28, al. (1985) 以来、未分化大細胞 (ALCL) 52, が注目されているが、その概要 53]。 もう一つ、リンパ腫関連のHPSに関連して、以前から悪性組織球症 histiocytosis (MH) 考えられていたが malignant が問題になっている。以前、これは組織球が腫瘍化したものと [54]、そのほとんどは非ホジキン・リンパ腫で、反応性に増殖し た組織球が血球の貪食にあずかっていることが分かってきた [31, 32]。しかし一部 には組織球の悪性腫瘍としか考えられないものがあり、このようなものは真の悪性 組織球症 true malignant histiocytosis として取り扱われている まれに悪性リンパ腫以外の悪性腫瘍にもHPSがみられることがある 表5. 腫瘍関連血球貪食症候群の内訳 血液・リンパ系悪性腫瘍関連 T/NK細胞白血病 (LGLL) リンパ腫 Ⅰ群(angiocentric、AIL様) Ⅱ群(悪性組織球症様) その他のリンパ腫 CD30+ リンパ腫 B細胞リンパ腫 他の悪性腫瘍関連 がん 多発性骨髄腫 胸腺腫 生殖細胞腫瘍 AIL:angiocentric immunoproliferative lesions. この表は他の悪性腫瘍関連血球貪食症候群の内訳と 異なるが、一例として引用した。 今宿 (1996)を一部改変。 7 [55]。 (表5)。 感染関連血球貪食症候群 連血球貪食症候群 感染が引き金となって起ると推定される infection-associated hemophagocytic HPS─感染関 syndrome (I-A-HPS) で同定された病原微生物を表6に示す。これらのなかでウイルス関連血球貪食症候 群 virus-associated hemophagocytic syndrome (V-A-HPS または VAHS) 日 本語で「バース」と通称され、最も多い。 ウイルスが重要な役割を果たすと推定される伝染性単核球症や組織球性壊死性リ ンパ節炎 (菊池病) でもHPSが起る可能性がある。これら二つの疾病単位は一般に予 後良好とされているが、なかには重篤な経過をとるものがあり、その基礎にEBVA-HPSと共通する病因が在るのではないかと推測されている [7]。 ウイルス関連のHPSのなかでEBウイルス関連のHPSは比較的重症で、臨床像、 治療法、予後などの点で他のウイルス関連のHPSとは異なる。したがって現在では ウイルス関連のHPSはEBウイルス関連と非EBウイルス関連のHPSとに分けて取扱 われている。 EBウイルスはヘルペス・ウイルス群に属するDNAウイルスで、これまでに次の ような事実が認められている [29, 50, 56, 57]。 ⑴ 初感染で一部の人に非腫瘍性の伝染性単核球症を発症させる。 ⑵ 腫瘍性のバーキット・リンパ腫や上咽頭がんの発生に密接な関連がある。 ⑶ ホジキン病や川崎病の成因にも関連があるらしい。 表6. 感染関連血球貪食症候群で推定された病原微生物 ウイルス EBV CMV VZV HSV アデノウイルス パラインフルエンザウイルス HHV-6 麻疹ウイルス パルボウイルスB19 風疹ウイルス バクテリア チフス菌 大腸菌 肺炎連鎖球菌 今宿 (1996) を一部改変。 8 結核菌 黄色ブドウ球菌 真菌 ヒストプラスマ属 カンジダ属 その他 ニューモシスチス バベシア属 ツツガムシ病病原体 オウム病病原体 ライム病病原体 リーシュマニア属 ブルセラ症病原体 は EBウイルス関連のHPSは「バース」のなかで最も多く、その治療には発病の初期 から抗がん剤が使われ、一般に予後不良である [58]。前にも述べたように、悪性腫 瘍が潜在している可能性もあり、最近、EBウイルス感染が原因と推定されるT細胞 リンパ腫にHPSが発現した例の報告が急速に増えつつある [48, 49, 56]。 EBウイルスは伝染性単核球症やバーキット・リンパ腫ではB細胞に、EBウイルス 関連のHPSではT細胞に感染している [ウイルス関連血球貪食症候群の例] [50, 56, 59, 60]。 19歳の男性。1994年1月9日にマレーシアに渡航。1月19 日から39℃の発熱を見、全身倦怠と皮膚発疹をきたした。21日に帰国して国立福岡中央病院に入院。 入院時、皮膚に猩紅熱様の発疹が認められた。貧血、黄疸はなく、大豆大の頚部リンパ節が触知さ れた。肝、脾臓は触れなかった。 WBC 4 /μℓ, 496×10 RBC 4289 1700/μ ℓ (St 4.5, Hb Seg 15.3 58.5, g/㎗, Hct Met 44.3 0.5, My 0.5, atyp. Ly Ly 4 %, /μ Pltℓ, 12.1×10 LDH 395 23.5, 2.5 %), M U/ℓ, Ferritin ng/㎖。 4 入院後徐々に白血球と血小板の数が減少してそれぞれ900/μℓと3.4×10 /μℓまでになった。骨 4 /μℓ, 1.32×10 髄穿刺所見:NCC MgK 22/μ ℓで、血球を貪食した組織球が認められた 4 ウイルス抗体価:抗フラビIgG抗体 16×10倍、抗デング熱IgM抗体 10, pg/㎖, IL-6 20.4, TNF-α 22 INF-γ 0.8 (図1)。 800倍。サイトカイン:IL-1β U/㎖。 ウイルス関連のHPSではヘルペス属ウイルスが証明されることが多く、この例のようにデング熱 ウイルスのようなアルボウイルスが証明された報告はあまりない (国立福岡中央病院:末松栄一、平 瀬伸尚、酒井好古)。 自己免疫関連血球貪食症候群 Moller (1985) で Wonget 群 acute および このプリントの初めに述べたように、Heaton et al. (1985) Morris が成人スチル病に発現したHPSを、次い al. (1991) が活動期のSLEに急激に発現した急性ループス血球貪食症候 lupus Kumakura et hemophagocytic syndrome (ALHPS) を報告したが、後に al. (1995) は、自験例を含めて、すべての自己免疫疾患に発現する HPSを自己免疫関連血球貪食症候群 syndrome & (A-A-HPS) autoimmune-associated と名づけた [1-3, hemophagocytic 61-63]。 これまで報告された症例のなかで特異なのは若年性関節リウマチ4例に発現した HPSで、サイトカインTNF-αにもとづくと推定される諸症状が劇的で、前述のよ うにマクロファージ活性化症候群 れている [62]。これは表3の ⑶ macrophage と ⑸ activation syndrome と名づけら のどちらのカテゴリーに入れるか、まだ流動 的である。免疫系が高度に障害されている先天免疫不全症などに起りそうなHPSの 印象があるからである。 一般に自己免疫関連のHPSでは、基礎に在る病気に特異的な自己抗体に加えて、 抗顆粒球抗体、抗血小板抗体などが証明され、また寒冷凝集素やクームス試験が陽 性であることが多い。また、HPSに特異性の高い血清フェリチンは正常範囲か、軽 度に上昇する程度のことが多いという [39]。 9 10, 熊倉ら (1999) は、自己免疫関連のHPSの臨床像は他のカテゴリーのHPSとはか なり異なるとして、それ独自の診断基準を示している 自己免疫関連の HPS [39]。 は他のカテゴリーのHPSに比べて、情報がまだ十分に蓄積 されているとはいいがたい。今後の臨床観察と研究に待つところが大きい。 診 断 骨髄、リンパ節、脾臓、肝臓、脳脊髄液などに一定度以上に血球貪食細胞が見出 されることを基本にして、持続する高熱、二系統血球減少または汎血球減少、高サ イトカイン血症、高フェリチン血症、高LDH血症、肝機能障害などの所見を総合し てHPSと診断される。 診断基準 診断の基準となる所見は、上に述べたように、一次性と二次性の HPS、小児と成人のHPS、または三つの主要な基礎疾患ごとに少しずつ異なる 10, 14-17, 39, [4, 53]。筆者の経験の範囲では、昔の腸チフスに似た重病感も診断の一 つの基準になると思う。 1991年に Henteret ン」を最初に、今宿 al. が提唱した「血球貪食リンパ組織球症診断のガイドライ (1994、1996) や津田 (1997) の診断基準がある。また自己免疫 関連のHPSについては別個に熊倉・石倉の診断基準がある 現時点では今宿 (1994) [4, 6, 13, 16, 19, が提唱した基準が比較的使いやすい。これに筆者の見解を 若干入れて簡略化したものを表7に示す。 鑑別診断の対象 鑑別しなければならない病気は多数あるが、なかでも末梢血液 で血球減少、異型リンパ球、幼若白血球の出現が見られる伝染性単核球症、組織球 性壊死性リンパ節炎、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群 (MDS)、白血球または血 小板減少をきたす病気、系統的に組織球のびまん性増殖をきたす細網症 reticulosis などが鑑別の対象になろう。 最終的には、骨髄やリンパ節において一定度以上に血球貪食細胞が増加している ことが診断の決め手になる。 診断決定後に再確認すべき事項 高見 (1999) は、HPSの診断決定後に、重ねて 次の事柄について再確認することを奨めている。 ⑴ 感染している病原の同定。腫瘍、感染、自己免疫関連のどのHPSでも病原を同 定すべきである。 ⑵ 海外渡航歴 ⑶ 腫瘍、とくに悪性リンパ腫 ⑷ 自己免疫疾患と自己抗体 ⑸ サイトカイン・パターン これらの事柄に筆者はペット飼育の有無を加えたい。 10 39]。 表7. 血球貪食症候群の診断基準 主要な基準 発熱:最高38.5 ℃以上の発熱が7日以上続く。 血球の減少:末梢血液で二系統または汎血球減少が見られるが、 骨髄に低形成または異形成の像は見られない。 高サイトカイン血症 高フェリチン血症 高LDH血症 血球貪食細胞の増加:骨髄、リンパ節、脾臓、肝臓、および 脳脊髄液において血球貪食細胞が増加する。 参考となるデータ 肝脾腫、リンパ節腫大、皮疹、中枢神経症状 (髄膜刺激症状を 含む)、黄疸、浮腫、とくに眼瞼浮腫、DIC など。 脳脊髄液における細胞増多、タンパク質の上昇。 高トリグリセリド血症 低フィブリノーゲン血症 肝機能障害 低タンパク質血症 低ナトリウム血症 高VLDL血症 低HDL血症 今宿 (1994) を参考に簡略化。 治 療 HPSの治療の原則は二つある。第一は、HPS発現に関連する基礎疾患の治療であ る。第二は、HPSの主要症状発現の基礎になっていると推定される高サイトカイン 血症の治療である[16, 17, 64]。 さらに、治療効果を上げるには、次の二つのことが必要である [17, 65]。 ⑴ 関連する基礎疾患を早期、かつ適確に診断する。 ⑵ 関連する基礎疾患による臨床像、重症度、経過、予後の違いを認識する。すな わち一次性と二次性のHPSの違い、小児と成人のHPSの違い、関連する基礎疾患ま たは感染している病原微生物によるHPSの違いを認識することによって適切な治療 ができる。 関連する基礎疾患の治療 HPSに関連する基礎疾患のうち、さしあたり悪性リンパ腫、その他の悪性腫瘍、 EBウイルス感染、その他の感染、および自己免疫疾患が問題になろう。 抗腫瘍剤の適用 リンパ腫関連のHPSではリンパ腫に対する化学療法が不可欠で 11 ある。このことは化学療法をした群はしなかった群より生存期間が有意に長いこと からも明らかである [66]。とくに単クローン性増殖をするリンパ腫関連のHPSでは 化学療法は有効である [67]。 さて、近ごろ、HPSに対する化学療法について、次のような一定の経験的なルー ルが確立しつつあるようにみえる。もちろん化学療法には光と影の両面があるから、 絶えず影の面に配慮していかなければならない。 ⑴ 感染関連のHPSに対しては、原則として抗がん剤は使用しない。しかし、この なかで後述のような免疫調節療法をおこなってもなお症状がはかばかしくない場合 には、単球・マクロファージ系細胞の活性化に強い抑制効果を示す抗腫瘍剤エトポ シド ⑵ (etoposide) を使ってみる必要がある。 EBウイルス関連のHPSでは、このウイルスが感染したT細胞と血球貪食細胞を 排除する目的で、初めから抗腫瘍剤を使用する。 ⑶ リンパ腫のなかで末梢T細胞リンパ腫とNK細胞リンパ腫には、今のところ、 有効な化学療法がない ⑷ [68]。 真の悪性組織球症ではCHOPのような多剤化学療法が有効である。 感染に対する治療 どのカテゴリーのHPSでも、感染微生物が証明された場合に は、一応抗生物質療法を試みるべきである。ただし、治療効果が上るとは限らない [17]。また、抗ウイルス剤や抗真菌剤は製剤の種類が限られていて、大きな期待が 持てないかもしれない。 自己免疫疾患に対する治療 HPSに関連する自己免疫疾患が活動期にある場合に は、先ずそれぞれの自己免疫疾患に特異的な治療に重点をおく。治療法は症例ごと に異なるが、ステロイド剤と免疫抑制剤が中心になろう。これがHPSの諸症状の改 善につながる。 高サイトカイン血症に対する治療 HPSの症状の主要な原因と推定される高サイトカイン血症またはサイトカイン・ ストームに対して表8に示すような治療法があげられている。HPSの進行が急速な 場合には、血漿交換に期待がかけられる 免疫調節療法 [17]。 HPSには、免疫調節療法 immunomodulatory ガンマ・グロブリン大量療法が有効とみなす報文がある グロブリン 400 ㎎/㎏/日を として、 [69-72]。通常、ガンマ・ 3〜5日にわたり点滴静注する HPSを悪化させた例の報告もある therapy [72]。逆にこの療法が [73]。 免疫調節療法として、もう一つT細胞の活性化を抑制する抗胸腺細胞グロブカイ ンとシクロスポリンとを併用する治療法がある。家族性血球貪食リンパ組織球症を ふくむHPSに適用されている [74-76]。 12 表8. 高サイトカイン血症に対する治療 免疫抑制剤 シクロスポリン (ciclosporin) 3㎎/㎏/日を点滴静注。 シクロスポリン (ciclosporin) 6〜10 ㎎/㎏/日を内服、分2。 ステロイド剤 プレドニゾロン換算量1〜2㎎/㎏/日内服。 投与期間は病状にしたがって決定。 パルス療法 抗腫瘍剤 エトポシド (etoposide) 100〜150 ㎎/日、3〜5日間内服。 免疫調節療法 (本文参照) 血漿交換 HPS全般に対する治療法は確立しているとは言いがたい。実地診療の 場では豊田・長尾 (1996)、高見 (1999)、および日本医薬品集第22版 (1998-'99) に文献 [17, 26, 29, 64, 65, 70, 72, 74-76] を参考にする ことを奨める。 支持療法 支持療法の対象になるHPSの症候は主に発熱と感染、出血傾向、貧血などになろ う [72]。 発熱と感染 HPSにおける発熱の原因は二つ考えられる。一つはHPSの病勢を反 映する発熱、もう一つは白血球減少や免疫不全宿主にもとづく感染しやすい宿主の 条件である。できるだけ早く実体を掴んで適切な対策を講じなければならない。 抗生物質に顆粒球コロニー刺激因子 がある (G-CSF) を併用して卓効を奏した例の報告 [77]。 出血傾向 HPSにおける出血傾向は主に肝機能障害にもとづく凝固因子の産生障 害、血小板減少、DICの合併による。血小板と凝固因子の補充、あるいはDICへの 対策が必要になる。 骨髄移植と造血幹細胞の移植 家族性血球貪食リンパ組織球症に対しては同種骨髄移植が最も期待されている [78-80]。近ころでは臍帯血輸血や造血幹細胞の移植を中心にした治療も試みられ ている [17, 26]。おそらく今後、成人のHPSに対してもこれらの治療が本格的に検 討されるであろう。 予 後 現在までのところ、HPSの予後の推定には不確定要素が多すぎて、筆者はまだ正 確な判断は無理だと考えている。患者のかなりの部分が見落されている可能性があ るからである。 13 現時点における知識と経験では、一般にHPSは経過が進行性、かつ急速で [9- 11]、重症な例では低タンパク血症、低ナトリウム血症をともなって呼吸不全をき たし、最終段階ではDICや多臓器不全に陥って死に至る。感染や出血が死因になる こともある [72]。 リンパ腫をふくむ造血系の悪性腫瘍についてみると、HPSを併発した群としなか った群の平均生存期間はそれぞれ7ヵ月と48ヵ月で大差がある [82]。このことから、 HPSがどんなに怖るべき併発症であるか分る。成人のリンパ腫関連のHPSのなかで も、T/NK細胞リンパ腫関連のものはとくに予後不良である [17]。 感染関連のHPSのなかでEBウイルス関連のHPSは一般に予後不良で、悪性腫瘍 関連のHPSとほとんど同じレベルで取り扱われていることについては繰り返し述べ た [17, 58]。 む す び 一個体を構成する細胞が他の細胞を貪食する現象は日常茶飯に、小規模に起って いるだろうとは、われわれ専門外の者にも想像できる [83]。しかし、HPSの患者で は、ある細胞がまだ十分に生物学的機能を保有している他の細胞を無秩序、かつ大 量に食っていると推測され、よほどおかしな事が体の中に起っていると考えざるを 得ない。筆者は、このプリントをまとめながら、だんだん浮かぬ気持になった。こ の病気はなんと厭らしい病気だろうかと。皆さんはどう思うだろうか。 近い将来、HPSは基礎と臨床医学の両面で重要研究課題になろう。 最初に期待されるのはやはりHPS発現に関連する遺伝子の解析で、21世紀早々に も一次性のHPSにあずかる遺伝子だけでも染色体上の位置づけと構造が解明される ことを期待している。そんなにむずかしいことではないと思う。 このことについて筆者は、わが国のヒト・ゲノム計画 の責任者である榊佳之東大教授 (元九大医学部教授) ヒト・ゲノム計画については"Yanase and future, 42: 265-316" 遺伝 53: 謝 辞 with special T reference か、「柳瀬敏幸 (1999) (1997) to (human genome project) に連絡してみようと思っている。 Human major genetics; Past, Hum trendsJpnin J Japan. present, Genet . 人類遺伝学の発展─草創期から黎明期まで. 69-74」を参照されたい。 樋口雅則博士、福元由美子医師 (旧姓)、末松栄一博士の御協力に深謝す る。 柳瀬 14 敏幸 (1999. 6. 25.) 参考文献 [1] Heaton DC & Moller PW (1985) Still's disease associated Coxsackie withinfection 44: 341 haemophagocytic syndrome.Ann Rheum Dis. syndrome. 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