農業生産環境対策事業 2.2.3 トーゴ (1)基礎情報 トーゴはアフリカ西部、サハラ砂漠の南に位置している。北部はサバンナ気候、南 部は高温多湿な熱帯気候である。 図 2.2-7 トーゴの位置 - 50 - 輸入原料安定確保調査等事業 トーゴの概況を表 2.2-12 に示す。トーゴの主要産業は農業(綿花、カカオ、コー ヒー)、次いで鉱業(リン鉱石)である。 表 2.2-12 国名 Republic of Togo 面積 56,785km2 人口 ※2009 年 人口密度 ※2008 年 トーゴの概況 約 660 万人 118.7 人/km2 首都 ロメ 民族 エヴェ族(35%)をはじめ 40 の部族 公用語 フランス語(公用語)、エヴェ語、カブレ語等 伝統的宗教(67%)、キリスト教(カトリック 18%、プロテスタ 宗教 ント 5%)、イスラム教(10%) 独立 1960 年(フランスより独立) 通貨 CFA フラン トーゴの政治体制を表 2.2-13 に、歴史を表 2.2-14 に、それぞれ示す。共和制を布 いている。エヤデマ前大統領が 40 年近く政権の座にあり独裁に近いかたちで君臨し てきた。2005 年の逝去後は、息子のニャシンベ氏が大統領の座に就いている。 表 2.2-13 トーゴの政治体制 政体 共和制 大統領 フォール・エソジンナ・ニャシンベ 首相 ジルベール・フォッスン・ウングボ 表 2.2-14 トーゴの歴史 1960 年 フランスより独立 1967 年 軍事クーデター(エヤデマ中佐) 1972 年 エヤデマ中佐が大統領に選出・就任 2005 年 エヤデマ大統領逝去 2005 年 フォール・ニャシンベ大統領選出・就任 2010 年 フォール・ニャシンベ大統領再選 - 51 - 農業生産環境対策事業 トーゴの経済状況を表 2.2-15 に示す。国民総所得は 410US$に過ぎない。わが国は トーゴに対し、1963 年 10 月に貿易取極を交わしており、現在では経済・技術協力を 行っている。 表 2.2-15 トーゴの経済(2008 年) GDP(億 US ドル) 26 GDP 成長率(%) 1.8% 1 人当たり GNI(US ドル) 410 物価上昇率 8.7% 失業率 不明 為替レート(固定レート) 1 ユーロ=655.957CFA フラン 主要輸出品 セメント、リン鉱石 主要援助国 仏、独、米、加 - 52 - 輸入原料安定確保調査等事業 (2)投資環境等調査 鉱業権は、1973 年 10 月に公布された鉱山・採掘場に関する政令により、トーゴ政 府(40%以上参加)との合弁で取得可能という内容が規定され、資源産業に対して国 が参加する方針が打ち出されている。 トーゴでは、1965 年 7 月に制定された投資法により、外国人にも国民と同じ条件 で企業の設立を認め、資本と利益の送金の保証をするとともに、以下の税制上の恩恵 を定めている。 z z 国の経済発展にとって重要と認められた企業は、税制上優遇される。 ¾ 輸入税、輸入に係る出来高税を 10 年間免除 ¾ 輸出税等を 10 年間、50%免税 ¾ 操業開始後 5 年間の商工業利益にかかる税の免税 ¾ 許可税の 6 年間免税 ¾ 登録税の 50%を限度とする軽減 特に重要とされる企業は、次の期間を限度に安定税率が保証される。 ¾ 投資額 20~100 百万 CFA フラン ¾ 投資額 100~500 百万 CFA フラン ¾ 投資額 500 百万 CFA フラン~ 15 年 20 年 25 年 (3)資源量・輸出入の状況 米国地質調査所(2011)によると、トーゴにおけるリンの資源量は、60 百万 t とされ ている。 国連貿易統計によると、 過去 3 年間にトーゴからのリン鉱石の輸出入は確認されな かった。 - 53 - 農業生産環境対策事業 (4)最近の動向 トーゴにおけるリン鉱山開発は 1961 年に始まり、その輸出は重要な外貨獲得手段 となってきた。トーゴにおける鉱山の位置を図 2.2-7 に示す。 (出典)Pedro A. Sanchez(2002), “Rocks for Crops: Agrominerals of sub-Saharan Africa” 図 2.2-8 鉱山の位置 トーゴ政府は、リン鉱石業界の再構成を行っている。そのため、「リン鉱石の新し い社会」 (SNPT)のために会計検査が実施された。SNPT の 616 人の従業員が一時的 に解雇され、新装置が購入された。このような改革により、ここ数年下落基調だった 生産量は、2 つの採石場の追加により、2010 年の 100 万 t から 2012 年の 180 万 t ま で増加することが期待されている。 - 54 -
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