Product Guide

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USB ExoSAP-IT
PCR product Clean-up Reagent
Product Guide
アフィメトリクスは USB ExoSAP-IT®の唯一のサプライヤーです。
ExoSAP-IT®とは?
未反応のプライマーおよび dNTPs を酵素反応により除去する、ワンステップの PCR 産物精製用試薬です!
ExoSAP-IT®は、DNA シークエンシングや一塩基多型(SNP)解析などの下流のアプリケーションに用いるた
めに設計された、シンプルかつ迅速な PCR 精製試薬です。PCR 増幅後、PCR 反応液中に未反応の dNTPs
やプライマーが残っていると、下流アプリケーションの妨げになります。ExoSAP-IT®は、これらの混入物を除
去します。
製品の特長
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ワンチューブ/ワンステップの PCR 産物精製-ExoSAP-IT®を PCR 産物に直接加えるだけ。
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混在しているプライマーと dNTPs を除去-下流のアプリケーションへの影響なし。
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処理後はそのままシークエンス等のステップに使用可能。
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PCR サンプルのロスなし—短鎖、長鎖の PCR 産物をいずれも 100%回収。
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スピンカラム不使用-収量は増加、時間とコストを削減。
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プロトコール
ExoSAP-IT® 2μl を PCR 産物 5μl に直接添加し、37℃で 15 分間処理します。その後、15 分間、80℃に
加熱し、すべての酵素を不活化します。(図 1)
ExoSAP-IT®で必要なのは、たった 1 回のピペッティングと 2 回のインキュベーションだけです。必要なのはシ
ンプルなピペット操作だけなので、手動でもロボットでも、多くのサンプルを一度に処理できます。PCR 産物に
ExoSAP-IT®を加えるだけで、30 分以内にシークエンシングや SNP 解析を行うことができます。
図 1 ExoSAP-IT による PCR 産物処理の概要
原理
ExoSAP-IT®では、PCR 産物から不要な dNTPs やプライマーを除去するため、特別な組成のバッファーと、2
つの加水分解酵素、エキソヌクレアーゼ I(Exonuclease I)および Shrimp 由来アルカリホスファターゼ(組換
え体、rSAP)を利用します。
Exonuclease I は、PCR 反応後に残存した一本鎖 Primer および不要な一本鎖 DNA を除去します。rSAP
は、PCR 混合物に残留した dNTP を除去します。
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データ ①
【カラム法、G 社酵素法商品との比較】
ExoSAP-IT®試薬は、蛍光または放射性標識による DNA シークエンシングや SNP 解析、その他過剰なヌク
レオチドやプライマーを含まない PCR 産物を必要とするアプリケーションの前の、効果的な精製方法として使用
できます。
下記のデータは、ExoSAP-IT®試薬、カラム、G 社製品のいずれかの方法で精製した PCR 産物の下流プロセ
スの結果を示したものです。ExoSAP-IT®試薬のデータには、ミスコールやフレームシフト変異がありません。
図2
図3
G 社製品
図 2:1,007bp の PCR 産物の蛍光シークエンシングの結果
1,007 bp の断片を増幅し、ExoSAP-IT®試薬(上段)または G 社製品(下段)で処理し、シークエンシングを
行いました。フェログラムを見ると、ExoSAP-IT®試薬ではミスコールがないのに対して、G 社製品では 25、
26、30、39 番目に 4 カ所のミスコールが認められます。PCR 産物 5l は、ExoSAP-IT®試薬 2 l、または G
社製品の 2 本のチューブに含まれる Exo I を 1 l と alkaline phosphatase 1 l で処理しました。注:4 カ
所のミスコールのうち 2 カ所は、フレームシフト。
図 3:100 bp の pUC18 PCR 断片を、-20 フォワードプライマーを用いて蛍光シークエンシング試薬により
蛍光シークエンシングした結果
(a)ExoSAP-IT®試薬、(b)PCR 用に設計されたカラムを使用して PCR 精製。(b)でみられるベースミスコー
ルは、カラム使用時に短い PCR 産物が低収率であることに起因するものです。
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データ ②
【サンプルロスなし】
ExoSAP-IT®の使用により、ゲルやカラム精製、沈降分離、ろ過、ビーズ/磁気分離は一切不要になります。
ExoSAP-IT®では、短鎖および長鎖の PCR 産物をいずれも 100%回収します(図 4)。
図4
図 4: ExoSAP-IT®によるサンプルロスのない PCR 産物処理
ヒトゲノム DNA からシングルコピーのターゲットを増幅。HES-1(125 bp)、numb (455 bp)、NRAGE
(1.55 kb)、numb (4.6 kb)についてそれぞれ、ExoSAP-IT 処理前(pre)および処理後(post)の PCR 産
物を 1.5%アガロースゲル電気泳動しました。M は DNA マーカーレーンです。様々なサイズの PCR 産物を
(125 bp の断片でさえも)、サンプルロスなく ExoSAP-IT®で処理できることに注目してください。
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FAQ (よくある質問)
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ExoSAP-IT 処理後の PCR 産物の回収率はどれだけですか?

ExoSAP-IT 処理では、PCR 産物の回収率は 100%になり、残留プライマーや未結合ヌクレオチドを含まな
い産物が得られます。この PCR 精製法は、他のクリーンアップ法よりはるかに優れているため、ExoSAP-IT
は、下流プロセスで使用する前に PCR 産物をクリーニングするための方法として、信頼性が高く簡便なもの
となっています。ExoSAP-IT 処理は 1 本のチューブ内で完結するので、カラムを用いた精製法のようにサン
プルのロスが生じる心配がありません。
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ExoSAP-IT 試薬は、シークエンシング前の PCR 産物のクリーンアップに使用できますか?

できます。研究現場では、DNA シークエンシングに先立つ PCR 産物のクリーンアップに、ExoSAP-IT が広
く使用されています。カラムを用いた精製法は、PCR 産物の収率を低下させ、DNA シークエンシングのよう
な下流アプリケーションの成功率を低下させることがあります。ExoSAP-IT による PCR 産物の処理では、
貴重なサンプルが 100%回収され、高い成功率でシークエンシングに用いることができます。
一塩基多型(SNP)分析の前に PCR 産物からの未結合のプライマーとヌクレオチドを分解するために
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ExoSAP-IT クリーンアップを使用することはできますか?

できます。ExoSAP-IT 試薬は、PCR 産物から過剰なプライマーやヌクレオチドを除去するので、面倒な問題
を起こさずに SNP 分析を実施することができます。Affymetrix では、研究者向けに SBE クリーンアップ試
薬 [PN 78260] も提供しています。これは、ExoSAP-IT 試薬を Beckman Coulter SNPwareR Core 試薬
キット [PN 101-04-300] と組み合わせて使用するために、最適な組成に調製したものです。
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複数の PCR サンプルを同時に処理するために ExoSAP-IT を使用することはできますか?

できます。ExoSAP-IT は、複数の PCR サンプルを迅速、簡便、確実にクリーニングすることができます。1
本のチューブの中で、たった 1 回のピペット操作と 2 回の短いインキュベーションだけで、PCR 産物を処理
します。96 穴のプレート全体を迅速にクリーンアップし、サンプルロスを生じることなく下流アプリケーシ
ョンに使用することができます。
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In vitro トランスクリプションに使用する PCR 産物の処理に ExoSAP-IT 法を用いることはできますか?

できます。ExoSAP-IT 試薬では、未結合プライマーを含まない PCR 産物が得られます。プライマーの中に、
その後のトランスクリプション反応に用いる RNA ポリメラーゼプロモーターと同じものが含まれている場合
は、とくにこのことが重要になります。ExoSAP-IT で処理を行った場合は、過剰なプライマーからの転写で
はなく、目的とする PCR 産物からの転写だけが確実に起こります。
プローブを作成する 5’-末端反応の前に、PCR 産物中の未結合プライマーとヌクレオチドを分解するために
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ExoSAP-IT 試薬を用いることはできますか?

ExoSAP-IT 試薬は、エキソヌクレアーゼ I と Shrimp アルカリホスファターゼを含んでいます。エキソヌク
レアーゼ I はモノおよびジヌクレオチドを生成し、Shrimp アルカリホスファターゼは無機リン酸とピロリン
酸を生成します。モノおよびジヌクレオチドは、キナーゼ反応で PCR 産物と競合します。無機リン酸とピロ
5
リン酸もキナーゼ活性を阻害することがあります。その結果、ExoSAP-IT 処理後のキナーゼ反応でのラベリ
ング効率が低下することがあります。
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PCR 産物からのプライマーダイマーの消化に ExoSAP-IT 処理を用いることができますか?

ExoSAP-IT 試薬は dsDNA を消化しません。そのため、PCR 産物とプライマーダイマーは、消化されないま
まの状態で残ります。PCR 反応からの ssDNA、プライマー、および未使用ヌクレオチドは、効率よく除去さ
れます。プライマーダイマーを形成させないためには、HotStart-ITR 結合タンパク質 [PN 71194] を PCR
に適した DNA ポリメラーゼと併用することで、収率と特異性の向上を図ることをお勧めします。プライマー
設計と PCR 条件を最適化することも、場合によっては効果的です。
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ExoSAP-IT の使用期限は何年間ですか?

製品に記載されています「Assay Date」から 2 年間が使用期限になります。
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ExoSAP-IT の推奨保管温度はどれだけですか?

ExoSAP-IT は、-20℃で保管し、使用時に-20℃から出したときには、かならず氷の上に置いてください。
ExoSAP-IT はドライアイスで冷却して出荷されるため、凍結していることがあります。ExoSAP-IT は、8
回まで凍結と解凍を繰り返しても活性が著しく低下しないことが、機能安定性試験によって確認されています。
ExoSAP-IT を何回も凍結・解凍することは避けてください。この試薬は、-20℃では凍結しません。
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ExoSAP-IT は、室温でどれだけの期間、活性を保ちますか?

室温の保存用緩衝液中で 2 週間のインキュベーションを行った場合、98%の活性を保持します。活性は、活
性アッセイによって測定され、機能アッセイによって確認されています。
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ExoSAP-IT は、4℃でどれだけの期間、活性を保ちますか?

機能アッセイによると、4℃の保存用緩衝液中で 2 カ月のインキュベーションを行った場合、95%の活性を
保持します。
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製品 および 関連製品
製
品
名
容 量
ExoSAP-IT® PCR Product Cleanup
製品コード
100 反応分
78200 200UL
500 反応分
78201 1ML
2,000 反応分
78202 4X1 ML
5,000 反応分
78205 10ML
1,000 回分
78390 1000UN
5,000 回分
78390 5000UN
5,000 回分
70073X 5000UN
2,500 回分
70073Z 2500 UN
100 反応分
70995
500 反応分
70996
2,000 反応分
70997
関 連 製 品
Shrimp Alkaline Phosphotase, Recombinant (rSAP)
Exonuclease l, Standard concentration
PCR Product Pre-Sequencing Kit
保存
ドライアイス同梱にて発送いたします。-20 度で保存してください。
本製品は試験研究用です。診断の目的には使用できません。
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