平成26年度 館林市幼・保・小連携実践事例 【館林市立南幼稚園・南保育園・第二小学校】 1 ねらい 幼児期から児童期への円滑な移行を図るために、館林市立第二小学区内の幼稚園・保育園・ 小学校の幼児児童の実態を踏まえた望ましい連携について継続研修し具体的な実践を行う。 (小学校) 幼児との交流活動を通して、人とかかわる力や思いやりの心を育てる。 (幼稚園・保育園) 児童とのふれあいを通して、小学校へ親しみ、期待感を育てる。 2 指導内容・方法 (1) 校内組織編成 ① 【幼・保・小推進委員会】 (計13名) ・南幼稚園(計3名) 園長、主任、5歳児担任(1名) ・南保育園(計3名) 園長、主任、5歳児担任(1名) ・第二小学校(計7名) 校長、教頭、教務、1年担任(2名)、2年主任、 特別支援教育コーディネーター ② 【幼・保・小実践部会】 (計6名+必要に応じて) ・南幼稚園(計2名) 主任、5歳児担任(1名) ・南保育園(計2名) 主任、5歳児担任(1名) ・第二小学校(計2名) 1年担任 (2) 内容 【3つの柱】 ① 相互参観 ・連携の意識化 ② 交流活動 ・思いやりの心 ・人とかかわる力 ③ 活動の報告と確認 ・連携体制の確立 【3つの視点】 ① 基本的な生活習慣の確立 ・あいさつと返事 ・後片付け ・話を聞く態度 ② 読書習慣の定着 ・楽しむ ・気持ちを伝え合う ・興味・関心を高める ③ 適切な就学 ・幼児児童の理解 ・園・学校理解 ・保護者や関係機関との連携 (3) 年間指導計画への位置づけ ・生活科(1時間) :1年児童と幼稚園・保育園幼児「あさがおの種まき」 ・国語科(1時間) :1年児童と幼稚園・保育園幼児「おむすびころりんの読み聞かせ」 ・体育科(1時間) :1・2年児童と幼稚園・保育園幼児「運動会練習の見学」 ・国語科(1時間) :1年児童と幼稚園・保育園幼児「たからものはっぴょう会」 ・生活科(1時間) :1・2年児童と幼稚園・保育園幼児「2年生によるフェスティバル」 ・総合 (1時間) :5年児童と幼稚園・保育園幼児「人にやさしいまち」 ・生活科(1時間) :1年児童と幼稚園・保育園幼児「あたらしい1年生をしょうたいしよう」 3 実践経過 月 4 日 18 内 容 相互参観(第二小学校授業参観) 5 8 交流活動(南幼稚園と南保育園、第二小学校1年生児童のあさがおの 種まき) 【生活科】「きれいにさいてね たくさんさいてね」 5 14 交流活動(幼・保の先生による1年生児童への読み聞かせ) 5 29 第1回 推進委員会・第1回 実践部会 6 13 相互参観(南幼稚園指導主事訪問) 6 23 相互参観(第二小学校指導主事訪問) 6 26 相互参観(第二小学校授業参観) 交流活動(南幼稚園幼児と南保育園幼児によるプール交流遊び) 7 5 相互参観(南幼稚園七夕・夏祭り) 7 9 交流活動(第二小学校1年生児童による読み聞かせ) 【国語科】 8 1 相互参観(南保育園夕涼み会) 8 20 相互参観(南保育園保育参観) 第2回 実践部会 9 24 交流活動(第二小学校1・2年生児童の運動会練習見学)【体育科】 9 27 交流活動(第二小学校運動会に年長児徒競走参加) 10 8 交流活動(南幼稚園・南保育園幼児、第二小学校1年生の宝物発表会) 【国語科】 「年長さんに自分の宝物を紹介しよう」 10 24 相互参観(第二小学校学力向上研究発表会) 10 30 第3回 実践部会 11 14 相互参観(第二小学校学校公開) 11 17 交流活動(第二小学校2年生によるフェスティバル) 【生活科】 「フェスティバルにいこう」 「みんなでひらこうフェスティバル」 11 21 相互参観(南幼稚園指導主事訪問) 12 4 第4回 実践部会 12 5 相互参観(南幼稚園バイキング給食) 1 15 交流活動(南幼稚園幼児と第二小学校5年生児童との交流遊び) 【総合】 1 20 交流活動(南保育園幼児と第二小学校5年生児童との交流遊び) 【総合】 2 6 2 25 相互参観(南保育園バイキング給食) 2 27 交流活動(小学校教諭による読み聞かせとお話会) 3 4 入学説明会 交流活動(第二小学校1年生児童の「6年生を送る会」出し物見学 ・学校案内) 【生活科】「あたらしい1年生をしょうたいしよう」 3 5 第2回 推進委員会・第5回 実践部会 4 実際の活動例 (1) 「南幼稚園・南保育園幼児と第二小学校1年生の宝物発表会」(交流活動) ①ねらい ア 幼稚園・保育園 ・1年生の宝物発表を聞くことができる。 イ 小学校 ・年長さんに大きな声で分かりやすく、自分の宝物を紹介することができる。 ② 教科等名 1年 国語科「年長さんに自分の宝物を紹介しよう」 ③ 実施時期・時間 10月8日 9:40~10:15 ④ 活動の様子(子どもの変容) 第二小学校では、国語科の校内研修に取り組んでおり、1年生 は「年長さんに自分の宝物を紹介しよう」という目的をもって「お はなしきいて」の学習を実施した。 体育館に幼稚園・保育園の幼児を招待し、小グループに分かれ て自分たちの宝物を紹介することにした。そのため、事前に幼稚 宝物を発表している様子 園・保育園の幼児と1年生の児童を12グループに分けておいた。グループごとに一人一人 が前に出て発表し、幼児が聞くというやり方で行った。1 回に2グループずつ発表し、交代 して6グループが聞かせた。幼児が飽きずに聞けるよう、途中に「じゃんけんぽん」の手遊 び歌を一緒に歌ったり、最後に「白くまのジェンカ」を踊ったりして、体を使った遊びも取 り入れた。 [1年生] ・ 「年長さんに宝物を紹介する」というめあてをもって、学習に取 り組んできたので、実際に聞かせるときには、幼児に分かっても らえるよう声の大きさや速さ、内容等を工夫した。 [幼稚園・保育園幼児] ジェンカを楽しんでいる様子 ・実際に宝物を見せてもらったので、宝物に興味をもって聞くこ とができた。 ・1年生(卒園児)の頑張っている様子が見られ、その成長ぶりに感心していた。 ・ジェンカが楽しかったので、園に戻ってからも踊って遊んでいた。 (2) 「2年生児童によるフェスティバル」(交流活動) ① ねらい ア 幼稚園・保育園 ・1年生とフェスティバルに参加し、友達と一緒にフェスティバルを楽しむ。 イ 小学校 ・友達と協力して、自分達の行事の企画、準備を行い、保育園・幼稚園の年長さん と1年生を招待して、みんなでフェスティバルを楽しむことができる。 (2年生) ・幼稚園・保育園幼児の面倒を見ながら、2年生が企画・運営するフェスティバル の雰囲気を味わい、手作りのゲームや買い物を楽しむことができる。 (1年生) ② 教科等名 2年 生活科「みんなでつくろうフェスティバル」 1年 生活科「フェスティバルにいこう」 ③ 実施時期・時間 11月17日 9:40~10:25 ④ 活動の様子(子どもの変容) 2年生は、 事前に個人宛の招待状を製作し、 幼稚園・保育園幼児と1年生に届けた。 フェスティバル当日は、2年生があらかじ め準備をし、その後幼稚園・保育園幼児と 1 年生が入場し班ごとに整列した。班は、前回 ゲームのやり方を 教えている様子 交流活動を行った時と同じメンバーとした。 開会行事で、2年生が15件のお店を紹介し、その後、幼稚園・保育園幼児と1年生が一 緒にお客さんとして、お店で買い物や手作りのゲームを楽しんだ。 [1・2年生] ・ 1年生は、班長が中心となって同じ班の幼稚園・保育園幼児の面倒を見ながら、 「どこの お店にいきたい。 」と尋ねたり、ゲームのやり方を教えたり順番を譲ったりする場面が見 られ、幼児に年下をいたわる思いやりの心で接し、親切に活動していた。 ・ 2年生は、お店を工夫したり丁寧にルール説明をしたりしていたので、幼児や1年生が興 味深くゲームに参加することができた。 [幼稚園・保育園幼児] ・ 班活動が2回目であるので、1年生のリードのもと安心して活動している姿が見られた。 ・ いろいろなお店が用意され、それぞれのお店に工夫があったり招待状にスタンプを押して もらったりしたので、幼児たちが興味をもって参加することができた。 (3) 「南幼稚園・南保育園幼児と第二小学校5年生の交流遊び」 (交流活動) ① ねらい ア 幼稚園・保育園 ・5年生と一緒に遊び、楽しむことができる。 イ 小学校 ・幼児との交流を通して、相手の立場に立って行動することの大切さに気付き、進 んで関わることができる。 ② 教科等名 5年 総合(ポプラ) 「人にやさしいまち~幼児と交流しよう」 ③ 実施時期・時間 1月15日・20日 9:40~10:25 ④ 活動の様子(子どもの変容) 5年生は、総合で「人にやさしいまち~幼児と 交流しよう」の学習をする際に、松組が幼稚園、 竹組が保育園を訪問し交流活動を実施した。 [5年生] ・事前に、幼児に喜んでもらえる交流活動にするために、 楽しく遊んでいる様子 自己紹介の仕方や遊びの内容、プレゼントなどを考え準備をしてきた。当日は、幼児に楽し んでもらえるよう一生懸命声をかけたり手を差し伸べたりして一緒に遊び、交流を深めるこ とができた。よきお兄さん・お姉さん役を十分に果たすことができ、幼児の面倒をみる喜び をも体験することができた。 [幼稚園・保育園幼児] ・5年生に優しく遊びを教えてもらい楽しく交流することができた。 ・別れが惜しくなるほど親しくなり、5年生に泣いてすがっていた姿も見受けられた。 5 成果(○)と課題(●) ○ 交流活動を年間計画に位置づけ、毎年行うことで内容の充実を図ることができた。 ○ 交流活動を通して、幼児は何度も学校を訪れたので、入学前から学校の様子を知ることが でき学校に対する緊張感は幾分か薄らいだようである。1、2、5年生は、上級生として の自覚をもち、幼児への思いやりの心をもって接することができた。 ● 交流活動の成果や課題を見直しながら、来年度に引き継ぎができるようにする。
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