セントレア・グリーンレポート 2012(PDF:3.62MB)

Centrair
Green Report 2012
〒479-8701
愛知県常滑市セントレア1-1
TEL:0569-38-7777(代表)
URL:http://www.centrair.jp
▲
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このレポートに関するお問い合わせ先
TEL:0569-38-7835(空港計画グループ)
この報告書は、環境に配慮した紙を使用し、
アロマフリータイプ植物インキで印刷されています。
2012.10
中部国際空港セントレアは、国際線・国内線の機能を併せ持つ国際拠点空港と
して、2005年2月に伊勢湾の常滑沖に誕生しました。日本の中心地にある空の玄関
として、これからも皆様のご期待にお応えしてまいります。
会社概要
社 所 在
設 立
資 本
名
地
日
金
中部国際空港株式会社
愛知県常滑市セントレア一丁目1番地
1998年5月1日
836億6,800万円
主な事業
・中部国際空港及び航空保安施設の設置及び管理
・航空旅客及び航空貨物の取扱施設等の機能施設、
店舗等の商業施設の建設及び管理
・上記に付帯する事業
セントレアグループ
中部国際空港株式会社
中部国際空港エネルギー供給株式会社
中部国際空港情報通信株式会社
中部国際空港旅客サービス株式会社
中部国際空港施設サービス株式会社
中部国際空港給油施設株式会社
セントレアグループでは、環境に配慮した空港をめざし、
地球 温暖化を防止するための先進的な施設やしくみを積極
的に取り入れ、さまざまな環境保全活動に取り組んでいます。
環 境 方 針
中部国際空港(セントレア)グループは、中部圏に
おける航空需要の増大に適切に対応し、中部圏と世
界を結ぶ重要な架け橋となる中部国際空港(セントレ
ア)の中核として、その運営を担っています。空港の
運営に当たっては、地球環境保全の重要性を認識し、
環境負荷の低減や循環型社会の形成に寄与すること
を経営の優先課題のひとつとして捉え、その実現の
ために、すべての役員・社員をあげて環境マネジメン
トシステムを構築し、継続的な改善を図ることにより、
率先して次の取組を行います。
1. 環境負荷の低減に取り組みます。
2. 省エネ・省資源に取り組みます。
Centrair Green Report 2012 インデックス
セントレアエコエアポートガイド ………… 3,4
温室効果ガス低減への取り組み
コージェネレーションによる
地域冷暖房システム ……………………………… 5 ハイドラント方式による給油システム …………… 7 GPUの利用促進 …………………………………… 8 2009年6月18日
セントレアグループ代表
中部国際空港株式会社 代表取締役社長 川上 博
3. 環境パートナーシップをはぐくみます。
4. 空港の運営事業にかかわる環境関連法規等を
遵守するとともに、汚染の予防に努めます。
セントレアとは中部国際空港の愛称です。
日本の中心(Central Jpan=中部)にある
空港(Airport)という意味を込めています。
自然エネルギーの利用
太陽光発電システム ……………………………… 9 自然採光と昼光センサー ………………………… 10
光触媒ガラス ……………………………………… 10
環境経営の推進
環境マネジメントシステム ……………………… 11
省エネルギーの推進 …………………………… 12
低公害車の普及促 進 …………………………… 13
エコ物流の推進 ………………………………… 15
セントレア全体での取り組み …………………… 16
資源循環の取り組み
廃棄物のリサイクル ……………………………… 17
水資源の有効活用 ……………………………… 19
周辺環境への配慮
構想段階における環境配慮 ……………………… 20
環境モニタリング ………………………………… 22
地域とのコミュニケーション
社会貢献活動 …………………………………… 24
コミュニケーション ……………………………… 26
Centrair Green Report 2012 は、中部国際空港セントレアグル
ープの環境報告書です。データは2011年度(2011年4月∼2012
年3月)の実績です。また、活動内容は原則として2012年9月末
時点としています。
1
2
リサイクルセンター
17ページ
エネルギーセンター
(天然ガスコージェネレーションシステム)
5ページ
旅客ターミナルビル
(自然採光、光触媒ガラスなど) 10ページ
太陽光発電パネル
9ページ
EV・PHV用充電スタンド
13ページ
航空機燃料給油施設
7ページ
水素ステーション
14ページ
ハイドラント方式による給油
7ページ
天然ガスステーション
14ページ
燃料電池バス
14ページ
GPU
(地上動力装置)
8ページ
藻場の造成
20ページ
セントレア
エコエアポートガイド
3
4
温室効果ガス低減への取り組み
コージェネレーションによる地域冷暖房システム
セントレアでは、エネルギーセンターを ■天然ガスコージェネレーションのエネルギーセンター
設置し、天然ガスコージェネレーションに
より地域冷暖房を行っています。セントレ
アが使用する電気の約半分を発電するとと
もに、その際に発生する排熱を利用して冷
水や温水を作り、旅客ターミナルビルなど
に供給しています。
また、エネルギーセンターでは海水のエ
ネルギーを冷却水熱源として有効に活用し、
プラント設備の高効率運転を行っています。
海水利用設備
空港が海上にあるという立地を活かして、海水利用設備を設置し、エネルギー供給
プラント設備で温まった冷却水を海水で冷やし、再び冷却水としてプラント設備に戻し
ています。従来ほとんど利用されていなかった海水の熱エネルギーを有効に活用する
ことで、省エネルギーを推進しています。
■海水利用設備(海水取水ポンプ)
■海水利用設備(熱交換器)
■天然ガスコージェネレーションシステムの概要
1つのエネルギー(天然ガス)から2つのエネルギー(電気と熱)を取り出すシステムです。エ
ネルギーの利用効率が高く、燃料の使用量を抑えることができます。
エネルギーセンターでは、4,950kW のガスタービン発電機によって発電を行うと同時に、排熱
を利用して蒸気を取り出しています。
地域冷暖房システム
エネルギーセンターから空港の敷地内の建物に冷水、温水、蒸気を送って冷房、暖
房を行う地域冷暖房システムを採用しています。大型機器の集中管理制御による高効
率運転が可能になり、地域全体で資源を有効に活用できます。
8
0
■省エネ・CO₂ 削減効果(2011 年度)
環境負荷の最小化と高効率運転を追求した結果、
省エネルギー効果は、各施設が個別に空調を行う場合
に比べて、1 年間で原油ドラム缶約 13,450 本に相当する
エネルギーの節約となりました。また、地球温暖化の
原因と考えられる CO₂ についても、ナゴヤドーム約 523
個分の森林が吸収する量に相当する量を削減しました。
5
原油ドラム缶
13,450 本
節約
ナゴヤドーム
523 個分の森林が
吸収する量に相当
6
温室効果ガス低減への取り組み
ハイドラント方式による給油システム
ハイドラント方式とは、地下埋設管で航空機燃料を届ける給油方法です。セントレ
アでは、この方式を採用することにより、給油タンク車(レフューラー)の燃料及びそ
の走行による排気ガスを削減しています。
埋設配管等
総延長約9.2㎞
GPU の利用促進
通常、駐機中の航空機は APU という補助動力 ■GPU利用率の推移(2007∼2011年度)
装置により電気や冷暖房空気を賄いますが、これ
に代わるものとして、セントレアでは 36 スポット
に GPU という地上動力装置を設置しています。
この GPU の利用により、排気ガスや騒音を減
少させるだけでなく、燃料消費量の減少に伴い二
酸化炭層排出量を削減することができます。
なお、GPU で航空機に供給する電力の 10 ∼
15%は、旅客ターミナルビルのセンターピア屋上
に設置した太陽光発電で賄われています。
開港当初の 2005 年度は、GPU の利用率は 50%程度でしたが、利用促進の結果、
2008 年度以降は 90%前後の利用率で推移しています。
■GPUのフロー図
■ハイドラント方式による給油
電力供給
冷暖房供給
■航空機燃料給油施設(ハイドラント方式)のフロー図
GPU(Ground Power Unit)=地上動力装置
APU(Auxiliary Power Unit)=補助動力装置
空港施設から駐機中の航空機へ電気や冷暖 機体後部にある小型ガスタービン式の補助
房を供給する装置で、排気ガスや騒音を大き 動力装置のこと。駐機中にメインエンジンを作
く低減できる。
動しなくても、この APU を航空機燃料により
動かして、電気や冷暖房を賄うことができる。
しかし、多量の排気ガスや騒音が発生すると
ともに、燃料の消費量が多い。
7
8
自然エネルギーの利用
太陽光発電システム
自然採光と昼光センサー
セントレアでは旅客ターミナルビルの屋上に太陽光発電パネル 1,440 枚設置し、自
然の力を利用した発電を行っています(面積合計約 1,900㎡、出力約 240kW)。ここで
発電した電気は、駐機中の航空機に電力を供給する GPU(8 ページ)に優先的に供給
しています。また、セントレアの太陽光発電パネルでは、航空機の運行に配慮し、ま
ぶしくないように防眩型太陽電池モジュールを採用してます。
自然採光
ガラス面を多くし、天井や側面か
ら自然の光をふんだんに取り入れて
います。自然の明るさを有効利用し、
省エネルギーに役立てています。
■旅客ターミナルビル
■ウェルカムガーデン
■昼光センサー付き照明
■センサー部
■発電量とCO₂削減効果(2007∼2011年度)
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
213,770
220,620
216,120
227,140
201,800
103
106
98
108
95
280
290
280
300
260
8
8
8
9
8
昼光センサー
昼光センサーや照度センサー、人
感センサーにより、館内の明るさを
常に計測し、必要なときに適正な照
度に照明設備を制御できるシステム
を導入しています。
■太陽光発電パネルと設置位置
光触媒ガラス
旅客ターミナルビルの壁面ガラスの一部(17,000㎡)には、光触媒をコーティングし
た防汚加工ガラスを使用しています。これにより洗浄回数を減らすことができ※、節水
が図られています。
※太陽光の紫外線により汚れを分解・浮かび上がらせ、汚れを雨で洗い落とします。
■光触媒ガラス使用箇所
9
10
環境経営の推進
環境マネジメントシステム
省エネルギーの推進
環境先進型空港として開港したセントレアは、空港運営に環境への取り組みを織り
込んだ環境経営を推進しています。
そのひとつとして「環境への配慮」を基本理念のひとつに掲げ、基本構想段階から
空港運営段階に至る様々な段階で、環境に配慮した取り組みを実施してきました。
空港建設段階では、用地造成や施設建設などの環境マネジメントシステム(EMS)
を構築し、2000 年 12 月に、日本の空港設置管理者として初めて、国際環境規格であ
る ISO14001 の認証を取得しました。
開港後の空港運営段階では、空港の管理運営に適応した EMS に再構築した上、セ
ントレアグループが一体となって、PDCA サイクルによる継続的な環境配慮を推進して
います。
また、2008 年度には、日本の空港設置管理者として初めて ISO9001 の認証を取得
しました。この品質マネジメントシステム(QMS)の構築を契機に、2010 年度に両マ
ネジメントシステムを統合し、EMS と QMS それぞれの長所を生かす取り組みを進めて
います。
セントレアでは設備集中監視センターを設けて電気、冷熱、温熱を適正かつ効率的
に管理し、使用量の低減に努めています。また、旅客ターミナルビルなどでの省エネ
活動を推進し、成果を上げています。
■電気の使用量の推移(2007∼2011年度)
■設備集中監視センター
■省エネ活動
■冷熱使用量の推移(2007∼2011年度)
■温熱使用量の推移(2007∼2011年度)
フライトスケジュールに合わせた照明設定
照明の点灯時間・センサー制御・照度
の見直し
ライトダウンキャンペーンへの参加
グリーンカーテンの設置
空調機インバータ設定の見直し
冷温水ポンプのインバータ化
外気冷房の有効利用
空調運転時間・バックヤード空調の見直し
クールビズ・ウォームビズの推進
バゲッジコンベアの運転見直し
社員一人ひとりの環境活動
セントレアグループでは、社員一人ひとりが
主体的に環境への配慮に取り組む「エコ・オフィ
ス」活動を行っています。
・室温管理(クールビズ・ウォームビズの実施)
・省 資 源(OA用紙・ごみ・電気の使用量低減)
・教育訓練(入社時研修・環境カードの携帯)
LED照明の採用
すべての執務室内照明にプルスイッチを
取り付け、不要な照明の消灯を励行
11
旅客ターミナルビルでは、蛍光灯
や白熱灯に比べ消費電力が少なく、
長寿命のLED(発光ダイオード)照
明を各所で採用しています。
12
環境経営の推進
低公害車の普及促進
大気汚染物質や地球温暖化物質の排出を削減するため、空港内を走行する車両の
低公害車への転換・導入を推進しています。
セントレアグループでは自社で利用する車両の低公害車への転換を積極的に進め、
空港関連事業者にも低公害車の導入を呼びかけると共に、各種の燃料充填施設を設置
することで、普及促進につとめています。
また、空港をご利用されるお客様には、駐車場の低公害車割引や充電スタンドの無
償利用サービス(要予約)をご提供し、空港全体における低公害車の利用促進に取り
組んでいます。
セントレアで働く低公害車と燃料充填施設、充電スタンド
■ツアーバス先導用電気自動車
走行時にCO₂を排出しない究極のエコカー
燃料電池
自動車
旅客送迎バス
新技術・サービスの積極的な導入(日本の空港初の取り組み)
電気自動車
■専用電気自動車の導入
トーイングトラクター
電動フォークリフト
セントレアまるわかりツアー(滑走路見学コース)のツアーバス先導車に、軽量樹
脂ボデー、省エネ LED 灯体等を搭載した駆動力ミニマムコンセプトの専用電気自動車
(EV)を導入しています。
※この電気自動車は軽量・省エネの実証実験のために豊田合成株式会社が開発した
検討車で、セントレアで実用走行の試験を行っています。
天然ガス
自動車
マイクロバス
トラック
連絡車
■プラグインハイブリッド車(PHV)の導入
コンセントから充電できる、非常に燃費の良いプラグインハイブリッド車を社用車と
して導入しました。
■ EV・PHV 用充電スタンドの設置
全国の空港に先駆けて、電気自動車(EV)及
びプラグインハイブリッド車(PHV)用の充電ス
タンドをお客様用予約駐車場内に設置しました。
充電は無料でご利用いただけます。
※この充電スタンドは実証実験として、株式
会社豊田自動織機、日東工業株式会社、JFEシ
ビル株式会社と共同で設置しており、実験期
間は 2013 年 3 月 31日までとしています。
(予定)
空港内の業務車両のEV・PHV化に
向けた実証試乗を実施しました
2011 年 11 月には、自動車メーカーや
空港内事業者に協力いただき、空港
内の業務車両を EV・PHV でも問題な
く使用できるかの実証試乗を行いまし
た。今後も、積極的に空港内業務車
両エコ化に向け取り組んで参ります。
■燃料電池バスと水素ステーション
「愛・地球博」で活躍した燃料電池バス及び水素ステーションを継承し、セントレア
において走行試験が実施されています。
■駐車場における低公害車割引制度
電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車でご来港のお
ハイブリッド
自動車
旅客荷物運搬車
プラグイン
ハイブリッドの連絡車
■EV・PHV用充電スタンド
日本の空港初の取り組み
■天然ガスステーション
■燃料電池バス
・ランプバス(制限区域
旅客送迎バス)として
走行試験を実施中
■水素ステーション
■電動フォークリフト用充電施設
・運用試験を実施中
・充填量は 1,100㎥ / 日
(日本最大級)
客様は、車検証のご呈示で駐車場料金の割引(300 円)をご利用いただけます。
13
14
環境経営の推進
エコ物流の推進
中部圏の国際航空貨物の 70 ∼ 80%が、成田空港、関西空港等に流れています。これをセント
レアにシフトすることで、トラック輸送に伴う CO₂ が削減できます。
セントレア全体での取り組み
空港関連事業者の皆様と一体となって環境負荷を低減するため、
「セントレアエコエ
アポート推進協議会」を中心として、セントレア環境行動指針に基づき空港全体にお
ける環境保全活動を進めています。
※10トン車1台(7トン積載)
を1年間走らせた場合(往復・5日×52週)の二酸化炭素排出量
中部圏の国際航空貨物需要全てがセントレア利用になった場合
年間11,000トンのCO₂削減効果
セントレア環境パフォーマンスデータ
■温室効果ガス排出量
※輸出入貨物の物流動向調査より推計した各県ごとの国際航空貨物需要及び、
温室効果ガスの総排出量は、
前 年 度 比 11,000 トン 低 減し、
原単位でも前年度比△ 5.3%改
善しました。
各県庁の最寄ICから各空港の最寄ICまでの距離を基準とし独自に試算
長野県中・南部地域と北陸地区において、複数の物流事業者や荷主が同じトラックに共同で貨
物を積み合わせて、セントレアとの間を輸送する「トラック共同輸送事業」が実施されています。
長野県や北陸地区は距離的には成田空港や関西空港よりもセントレアの方が近いにもかかわらず、
輸出航空貨物の約9割が成田空港や関西空港から海外に運ばれています。
共同輸送により、輸送距離の短いセントレアを利用することで、環境負荷(CO₂)の低減につな
がることに加え、輸送コストの削減、セントレアの活性化も期待されています。
■共同輸送のイメージ
15
■エネルギー使用量
エネルギー使用量は、前年
度比 26,000GJ 減少し、原単位
も前年度より△ 1.2%改善しま
した。
(※)棒グラフ…総量の推移 折れ線グラフ…原単位の推移
(原単位は温室効果ガスは発着回数 1 回あたり、エネルギーは来港者 1 人あたりです。)
16
資源循環の取り組み
廃棄物のリサイクル
空港島内にリサイクルセンターを設置し、空港施設
内で発生する一般廃棄物の収集・分別、炭化装置によ
る減容化、機内取り卸しごみの分別等を行っています。
分別された資源ごみはリサイクルに回し、廃棄物の
資源化、有効利用を図っています。
■リサイクルセンター
■ごみの排出量(2011年度)
■ごみの排出量とリサイクル率の推移(2007∼2011年度)
1,731
52
1,172
■一般廃棄物処理フロー図(2011年度)
2,956
1,731トン
52トン
18トン
48トン
14トン
52トン
8トン
100トン
126トン
36トン
204トン
259トン
1トン
65トン
13トン
2トン
228トン
17
18
周辺環境への配慮
資源循環の取り組み
水資源の有効活用
構想段階における環境配慮
セントレアでは節水に努めると共に、旅客ターミナルビルの飲食店から排出される
厨房排水を浄化し、浄化した排水を中水として旅客ターミナルビルのトイレ洗浄水に
再利用しています。
また、雨水の一部を貯留し、植栽への散水等に利用しています。
■旅客ターミナルビルの
上水使用量
海水の流れに配慮した空港島の位置と形
空港島の位置及び形状は、海域環境に
配慮しています。
■空港島と海水の流れの関係
空 港 島と対 岸 部との 最 小 海 域 幅 を 約
対策① 1.1km 確保することにより、常滑沖の南
下流を妨げないようにしています。
空港島の形状に曲線を取り入れ、対岸部
対策② との海域幅を拡大することにより、流速低
下範囲・停滞域の発生を縮小しています。
対策③
空港島の隅角部を曲線とすることにより、
渦の発生を抑えています。
空港島の護岸に藻場を造成
■中水フロー(2011年度)
空港島の護岸については、様々な生物が集まりやすくするために、自然石等を用いて
傾斜をつけた護岸となっています。さらに、西側と南側護岸の一部では、幅 10 mの平坦
部を設け、アラメ、カジメ、オオバモクなど多年生の海藻を移植して藻場を造成しました。
6.0
■護岸に集まる生き物たち
アイナメ
■雨水フロー
■植栽への散水
メバル
■海藻
アラメ
19
カレイ
イシガニ
■雨水処理(ろ過装置)
■環境に配慮した護岸構造
カジメ
20
周辺環境への配慮
環境モニタリング
航空機騒音に配慮して、海上に空港を建設
■航空機騒音の予想結果(1999年6月の環境影響評価書より)
セントレアは、航空機騒音の影響を軽
減するため、愛知県常滑沖の海上に空
港を建設しました。
さらに、陸域への航空機騒音を低減
するため、滑走路の中心線をできるだけ
沖側にしました。
また、離陸機の沖側への経路偏針の
基点となる VOR / DME(方位・距離情
報提供施設)を滑走路西側に配置し離
陸経路と陸域との距離がより確保できる
飛行経路を設定しています。
なお、開港後も航空機騒音の影響を
監視するため、周辺地域に測定局を設
置してデータを把握するなど、環境監視
に努めています。
※この 予想 結果は 1999 年に中部国 際
空 港 が 立 地した場 合 の 航 空 機 騒 音
の影響を予想したものであり、2013
年 3 月末 ま で の 環 境 基 準 値 であ る
WECPNL 値での予想図となっています。
環境監視については、
「中部国際空港に係る環境監視計画」
(開港後から 2009 年度
までは「空港島及び空港対岸部に係る環境監視計画」)に基づき、実施してきました。
その環境監視結果については、外部の学識経験者で構成される検討委員会の公平・中
立な評価を受け、年報として公表しています。
■2011年度の環境監視計画
■航空機騒音の調査地点
航空機騒音
セントレアを利用する航空機からの騒
音については、空港島外に固定の4局の
測定局を設置して連続測定を行う常時監
視や、移動式の測定局により一定期間の
測定を行う定期監視調査で、実態を把握
しています。2011 年度の監視結果は以下
のとおり、全ての調査地点において「航
空 機 騒 音に係 る環 境 基 準」 の「 専ら住
居の用に供される地域」に適用される値
(WECPNL70)を下回っていました。
愛西市役所
木曽岬町農村集落
多目的共同利用施設
桑名市大山田地区
市民センター
木曽岬町
東部公民館
弥富市十四山西部小学校
弥富市立大藤小学校
弥富市鍋田公民館
四日市市
海蔵地区市民センター
常滑市立鬼崎中学校
常滑西小学校
美浜町野間(ちびっこ広場)
南知多町町民会館体育館
■航空機騒音に係る環境基準
※1
Lden
※2
70 以下
57dB 以下
75 以下
62dB 以下
Ⅰ:専ら住居の用に供される地域
Ⅱ:Ⅰ以外の地域であって通常の
生活を保全する必要がある地域
※1 WECPNL とは、生活環境において、航空機騒音のうるささの程度を表す尺度で、
「うるさ
さ指数」とよばれています。一般の騒音単位(デシベル:dB)とは異なり、音の大きさの
感じ方が回数や昼と夜とでは異なることを考慮した、航空機騒音の評価単位です。
※2 2013 年 4 月から、航空機騒音の環境基準値が改訂され、WECPNL 値から Lden に変更と
なります。Lden は、航空機騒音の実際の継続時間を測定する値のため、より実態に近い
数値になっています。
21
伊勢市神社みなとまち館
■航空機騒音常時監視結果(2011年度)
鳥羽市鳥羽東中学校
(調査期間:2011年4月1日∼2012年3月31日)
56
63
460
17,574
3,161
729
21,924
60
55
62
343
15,264
5,524
723
21,854
60
56
63
64
10,684
3,678
116
14,542
40
56
64
67
10,540
3,698
125
14,430
40
注1)
「WECPNL」の年間平均値です。
注2)
「ピークレベル」は一機ごとに測定された騒音の最大値(dB)
を意味します。
「パワー平均値」は年間平均値です。
注3)
「測定された機数」は航空機騒音が航空機騒音以外の騒音より10dB以上大きくなった航空機の機数です。
22
地域とのコミュニケーション
周辺環境への配慮
社会貢献活動
■航空機騒音定期監視調査結果(2011年度、各7日間連続測定)
2
3
51
42
48
54
59
51
53
36
44
39
60
59
63
62
65
62
60
71
61
63
25
3
9
58
72
18
67
0
3
0
2
3
51
50
43
49
52
41
47
38
51
39
60
62
66
61
63
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58
63
61
62
35
12
2
12
13
3
13
0
23
1
注1)2011年度1回目は2011年6月4日∼6月24日、2011年度2回目は2012年2月4日∼2月24日の間の連続7日間で行っています。
注2)測定された機数は、航空機騒音が航空機騒音以外の騒音より10dB以上高くなった航空機の機数です。
注3)測定された機数は、
日合計の平均であり、1週間測定の合計3機以下であれば、
日平均は四捨五入して0です。
■ 2011 年度の環境監視計画の評価
環境監視計画に基づき 2011 年度に実施した調査結果に対して、航空機騒音に関す
る検討委員会の評価は以下のとおりでした。
2011 年度の常時監視4地点の WECPNL 年間値は 55 ∼ 56 の範囲にあり、環
境基準値(Ⅰ類型:70WECPNL 以下)と比較した結果、全調査地点で環境基準
を満たしていた。また、開港後の推移では WECPNL 年間値は、同程度か減少傾
向で推移した。
2011 年度の定期監視 10 地点の WECPNL 年間値は 37 ∼ 57 の範囲にあり、環
境基準値(Ⅰ類型:70WECPNL 以下)と比較した結果、全調査地点で環境基準
を満たしていた。また開港後の推移では WECPNL 年間値は、ほとんどの調査地
点では同程度で推移した。
以上より、2011 年度の常時監視及び定期監視結果は全調査で環境基準を満た
しており、開港後の推移でも大きな変化は見られなかった。
航空機騒音に関する検討委員会 委員 名城大学教授 吉久光一
三重大学准教授 寺島貴根
社会見学
学校教育への貢献と、地域や子供達から愛
される空港を目指すため、小学校高学年及び
特別支援学校(学級)の児童・生徒を対象に、
社会見学を受け入れています。
11 の多彩なコースから学習にあわせたコー
ス選択ができます。
開港以来これまでに 5 万人を超える児童・
生徒にご参加いただいています。
■社会見学
対 象:小学校 3 年生から 6 年生の児童、特別 ■2011年度の受入状況
支援学校(学級)の児童及び生徒
※ただし学校行事に限らせていただきます。
98
実 施 日:平日
(夏休み・冬休み・春休み期間を除く)
11
参 加 費:無料
49
見学コース:①ターミナルビル基本②飛行機なるほど
38
③税関④空港で働く人⑤航空気象⑥空
5
港警察⑦環境⑧海上保安庁⑨管制⑩消
12
防⑪働く車・貨物上屋見学
18
(※受入側の都合により、見学コースが
133
変更となる場合があります。)
セントレアまるわかりツアー
6,842
1,162
3,315
2,365
159
883
1,072
8,956
■ターミナルコース
(環境ルート)
ツアーにはターミナルコースと滑走路見学
コースがあり、環境ルート(団体貸切限 定)
も設け、セントレアの環境への取り組みやター
ミナルにおけるユニバーサルデザインを体験す
ることができます。
また、
「滑走路見学ツアー」では、バス車窓
から滑走路を見学するだけでなく、バスから
降車し、より臨場感ある見学ができるようにし
ています。
【セントレアまるわかりツアーのお問い合わせ窓口】
●電話番号/0569-38-7575 ●受付時間/10:00−12:00、13:00-16:00
23
24
地域とのコミュニケーション
コミュニケーション
セントレア島内美化活動
■セントレア島内美化活動
①環境に配慮した地球にやさしい空港を目指す
ということ、②お客様に気持ちよく、安全に空港
を利用していただくことを目的に社員有志による
自主的な美化活動をセントレア島内で 2009 年度
から実施しています。
1 時間程度の活動毎にゴミ袋約 30 袋分を集め
ています。小さな活動ですが、今後も継続してい
きたいとい考えています。
また 2011 年度には、初めてセントレアエコ・エアポート推進協議会
(p16 参照)のメンバーで島内美化活動を実施しました。
情報コーナー
■環境情報端末
センターピア1階に「情報コーナー」を設置
し、セントレアの環境への取り組みを紹介する
とともに、航空機騒音などの環境監視データ
を公開しています。
■情報コーナー案内図
1F 情報コーナー
■環境情報パネル
「藻場に繁茂した海藻の活用」で地域貢献
成長過程で海水浄化をしながら、育った空港
護岸に繁茂する海藻アカモクを使い、地元漁業
関係者と一緒になって新たな地産食品の創出を
行いました。
栄養豊かで確かな品質の空港の海藻は、学校
や病院の給食や、スーパーマーケットでの販売な
どで高い評価を得ており、地域や食育に貢献して
います。
地域と共同で
「セントレア周辺の
豊かな海を守り育てます。」
空港島の形状や護岸構造など海洋環境に配慮
した空港周辺の海は、多くの海洋生物が生息して
います。セントレアでは、この豊かな海をこれか
らも守り育てていきたいと 2012 年夏には地域の
方々にご協力いただき、常滑市から美浜町にかけ
ての海浜に9トンのアサリの稚貝を放流しています。
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開館日時:年中無休(10:00 ∼ 17:00)
入 館 料:無料
場 所:旅客ターミナルビル センターピア1F
航空機騒音相談窓口
セントレアを離着陸する航空機の騒音について、
電話及びファクシミリによる相談窓口を設けています。
電話番号/ 0569-38-7860 FAX 番号/ 0569-38-7859
受付時間/ 9:00 ∼ 18:00(土・日・祝日、12 月 29 日∼ 1 月 3 日を除く)、
FAX24 時間受付
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