ゼミでは 、 話したくなるのを、 じっとこらえて黙っています。

学生主体、先生は脇役
﹁ 本 件に関 してはYの尊 厳 や 国 家の利 益
を 、実際の判例に対し個人の意見を重ねて
いくことで検討すること﹂。
ゼミ参加者は司
アドバイ ザー として4年
このゼミには、
論理的に考え
結論に至る能力を培う
と教員としてはしゃべりたくなるのですが、
生 も参加しています。﹁事前に、司会役にレ
会進行を含め3年生です。﹁学生が沈黙する
意見を出して もらうだけでなく、意見が出
そこ をこ らえるのが私のスタ イル。自 由 な
け、学 生から新 たな意 見が出されていき ま
アドバイス。澁 谷 准 教 授の言 葉 が風 穴 を開
慮するのか、立脚する論点を明確にして﹂と
れとも、手段の相当性や社会通念なども考
が損なったものだけを天秤にかけるのか、
そ
まると、﹁憲法で保障された表現の自由とY
すから﹂と澁谷准教授。それで も、議論が止
業へと巣立っていきます。
けた学 生 たち は、法 曹 界 や 自 治 体 、民 間 企
求 めら れ る﹁論 理 的 思 考 ﹂をゼミで 身に付
求 めら れ る 能 力 だ と 思いま す ﹂。社 会 から
筋を模索する能力が必要。それは社会で も
考 え 、双 方の立 場に立って 結 論にいたる道
ちですが、法学部生には、理性的・論理的に
﹁犯罪や刑罰に対しては感情に流されが
ます﹂と4年生の江島舞さん。
した。
ない時に司会がどう切り抜けるかも勉強で
ジュメ作 成や議 論の進 め方をアドバイスし
熊本出身。熊本県立濟々黌高等学校卒
業後、熊大入学、熊大大学院を経て、
熊本大学法学部准教授就任と、まさに
熊本大学の生え抜きの先生。
4 年生
江島 舞さん
を損なったXの取材方法が正当性を欠く も
のだと考えます﹂。
﹁ありがとうございます 。
ほかに意見は?﹂
﹁Xとの関 係はY自 身の意 思で 決 定で き
たはず なので 、Xの行 為 がYの人 格 を 蹂 躙
したとは言えないのでは?﹂。
この日のテーマは、﹁﹃ 違 法 性 ﹄の理 解 。自
06
ゼミでは、話したくなるのを、
じっとこらえて黙っています。
20名を超える学生数は、ゼミとしては大人数。司会から考える時間を与えられ、ディスカッションで盛り上がるゼミ室。
3年生
北御門 晋作さん
澁谷 洋平 准教授
法 学 部 Faculty of Law
法学部 澁谷 洋平 准教授
「 決 着したことも自
分の視点で疑ってみ
るとか、ゼミを通して
物事を多面的にとら
えられるようになり
ました。私はサーク
ルに入ってなくて先
輩 後 輩 の 交 流 がな
かったのですが、ゼ
ミで後輩の面倒を見
る経験ができたこと
もよかったです」
まじめに取り組む学生が多く、教育者として幸せと澁谷准教授。
「しいて言
えばもっと野心を持って。それだけの実力はあるから」
分 の 理 解 に は 欠 点 や デメリット が な いか
「丁寧で分かりやす
く、面白い、先生の刑
法の講義を受けて、
ぜひゼミも先生のも
とでと思いました。ゼ
ミの中で、先生がテ
ーマの核だと考えて
いらっしゃる部 分と
ずれてしまうことも
ありますが、みんな
で活発な議論を交わ
して考えを深めてい
きたいです。」
熊大生の学びを支える7人の情熱
特 集Ⅰ 「 熊 本 × 大 学 」 で 学 ぶ 。
刑法
熊本が生んだ
刑法学者