馬の餌における炭水化物 By Kentucky Equine Research Staff · June 9, 2014 後腸アシドーシスの最も多い原因は、穀物の未消化の でんぷんと放牧地のフラクタンです。 植物の見地から、炭水化物は3つに分類されます。 1)植物の中間代謝物である単糖類 2)蔗糖、でんぷんやフラクタンのような貯蔵性化合物 3)ペクチン、セルロースやヘミセルロースのような構造性炭水化物 しかしながら、どこでどのように早く消化吸収されるかという点で分類をする方が、馬のた めには有用です。 炭水化物は小腸において単糖類、単純な糖類(主にブドウ糖と果糖)として消化吸収され ます。あるいは、大腸の発酵により、揮発性の脂肪酸(VFA)または乳酸を生産します。発酵 の効率と産生された生成物の種類は非常に可変的で、馬の健康とコンディションに重要な 影響を与えます。 でんぷんは穀物に含まれる主な炭水化物分画です。すべてのでんぷんがグルコース鎖で 構成されていますが、でんぷん分子はそれぞれの穀類のタイプごとに構造が異なります。 馬の小腸からの消化吸収率は、でんぷん分子の構造に大きく影響を受けます。最も一般 的な馬に与える穀類である燕麦は、最も消化可能な形のでんぷんを含んでいます。燕麦 に続いてソルガム、トウモロコシと大麦の順です。穀物の消化は、小腸でのそのでんぷんの 消化性とグリセミックインデックスに大きな影響を受けます。これは特に大麦、ソルガムとト ウモロコシについて特にいえることです。 食餌に反応して作り出された血糖の量は、餌中の水溶性炭水化物含量の有用な指標と なります。 餌のグリセミックインデックスは、馬が餌を消化吸収した際の炭水化物の吸収率を示しま す。比較の目的のため、燕麦のグリセミックインデックスを100としています。 スチーム処理されたトウモロコシのグリセミックインデックスは144で、スウィートフィードは129 で、燕麦よりも小腸での吸収後にグルコースをより多く供給することを示しています。 挽き割りトウモロコシ(90)、ライスブラン(米ぬか)(47)、アルファルファ乾草(46)、およびブ ルーステム乾草(23)と低いグリセミックインデックスを示しています。 速い発酵は、乳酸を発生させ、蹄葉炎の誘因となります。穀類の未消化のでんぷんや青 草のフラクタンが、後腸の乳酸アシドーシスのもっとも大きな原因です。植物細胞壁の炭水 化物はゆっくり発酵され、健康的な後腸の腸内細菌の環境を維持し、多くの馬に主な消化 性のエネルギーを供給するために絶対的に必要です。 肥満は馬に増えてきた問題で、インスリン抵抗性や高インスリン血症に伴う蹄葉炎の重要 なリスク要因です。カロリーの過剰摂取は、馬の肥満を助長し、他の代謝性シンドロームや 脳下垂体前葉部機能障害のリスクを増やします。 馬の管理者は、馬のボディコンディションスコアを定期的にチェックし、肥満を防止すべきで す。一般的に馬の肋骨が容易に見える場合は痩せすぎ;馬の胸腹部を触っても肋骨を触 れない場合は肥満;肋骨は容易には見えないが、触るとすぐ分かる程度が適正なボディコ ンディションです。 Download a free body condition score chart. 英文ですがこちらをご参照してください。 http://www.ker.com/library/misc/Body-Condition-print.pdf
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