アルファルファをいつ、どのように与えるべきか?

アルファルファをいつ、どのように与えるべきか?
By Kentucky Equine Research Staff · March 14, 2014
パフォーマンスを要求されるような馬にとって、イネ科牧草だけで体重
を維持することはできず、アルファルファによる摂取カロリーの増強が
必要です。
「アルファルファ」という言葉から、多くのホースマンはすぐに高品質の牧草、鮮やかな緑色、
甘いにおい、葉が多いマメ科植物だというふうに考えます。しかし、すべての牧草がそうであ
るように、すべてのアルファルファ(ルーサン)が十分に成長し、良質で、均質に収穫される
わけではありません。収穫時の違いが乾草の最終的な品質に影響します。
草の成長条件や収穫方法の違いが栄養の品質に影響を与えます。どんなイネ科乾草でもそう
であるように、アルファルファ乾草も、脱色したり、ほこりが多かったり、かびが生えていた
り、あるいは雑草の混入が起こりえます。
そのために、どのアルファルファの乾草が馬にとって良いかを注意深く評価することが重要
なのです。もしあなたがこの点に不安があるなら、 乾草の収穫期に経験豊かな乾草バイヤーを
連れて行くことです。
ほとんどの人が高品質の乾草を識別することができます。それは、乾草の色が明るい緑色で、
甘く純粋なにおいがするからです。経験豊かな人なら、1つか2つの方法でエネルギーと栄養
に富んでいるアルファルファを選択するのを手伝ってくれるでしょう。
注意点:色を唯一の判断基準にしないでください。
馬にとって適切なアルファルファ乾草が輝くような緑である必要はありません。上質の乾草
は、いろいろな色合いの緑色を含みます。認可された研究所による牧草の分析によって、栄養
成分を明らかにし、馬にとって最適な成分を含有しているかどうかを判定できます。
どんな馬が最もアルファルファから利益を得るのでしょうか?
・若馬の場合
上質のアルファルファ乾草は離乳馬、1歳馬と他の若馬に適切です。 アルファルファの乾草
は、同じ重量のイネ科乾草またはイネ科とマメ科牧草のミックスしたものより同じ重量比でよ
り多くのエネルギーを含有していることを念頭に入れておきましょう。そのため、アルファル
ファ乾草はより少ない量でエネルギー要求量を満たすでしょう。
しかしながら、アルファルファ乾草だけでは、若い馬の栄養の必要条件のすべては満たしま
せん。特に離乳馬のために設計された配合飼料(コンセントレイト)がアルファルファ乾草と
併用して与えられるべきです。もし配合飼料とアルファルファの組み合わせがあまりに多くの
エネルギーを供給するなら、バランサーペレットあるいはビタミンとミネラルサプリメントが
必要な栄養を供給するでしょう。
・パフォーマンスホースの場合
ある特定のパフォーマンスホース、特に仕事を要求される馬はイネ科牧草だけでは体重を維
持出来ず、アルファルファによって供給されるカロリー増強を必要とします。一部のホースマ
ンはアルファルファの高いタンパク質含有量のためにアルファルファを与えることを躊躇しま
す。しかし専門家はそうする理由がないと述べています。過剰なタンパク質は、馬に害を及ば
さずに排出されるからです。
・泌乳中の繁殖牝馬の場合
泌乳することはエネルギーを非常に多く消費する仕事です。そして繁殖牝馬が時々高品質の
母乳を泌乳し、同時に自身の馬体を適切なコンディションに維持するために、もっとも良質で
多くの牧草を必要とします。繁殖牝馬のために設計された、カロリーが高い配合飼料とアルフ
ァルファを組み合わせれば、アルファルファは痩せた高泌乳量の繁殖牝馬のためにあらゆる点
で良い餌といえます。
・太れない馬の場合
獣医師による健康チェックで、歯の問題、胃潰瘍、あるいは後腸アシドーシスを除外できた
馬でも、一部の馬は容易に体重を増やしません。このような馬には、かなり多くの配合飼料(コ
ンセントレイト)を与えることだけが選択肢と考えがちですが、論理的な次のステップは大き
なエネルギーを含有する牧草を与えることであり、すなわち、しばしば高品質のアルファルフ
ァ乾草が選択されます。
・嗜好性について
特にアルファルファ乾草の品質が極上であれば、ほとんどの馬は食べるのを拒否しません。
馬はいくつかの理由で食欲をなくしますが、時には食欲のない馬に嗜好性の高い牧草を与える
ことが重要になります。また、新鮮な青草は別として、アルファルファは最も良い選択肢とな
ります。最高級のアルファルファは、植物の最も栄養が集中している部分である葉の部分がぎ
っしり詰まっています。アルファルファを振ると葉が落ちてきます。葉を集めて、馬に与える
と食欲を促進するでしょう。
・有効性について
世界の何カ所かの地域で、アルファルファ乾草は入手可能であり、そのため最も経済的な選
択です。実用性と給餌のコストは、馬の給餌計画を考案するとき、常に考慮される点です。し
かし、アルファルファ乾草は、ある特定の馬のグループにとっては、必ずしも最も良い牧草で
はないことがあります。
・成長期の疾患にかかりやすい若馬の場合
若い馬、特に離乳馬に過剰なエネルギーを与えることは、屈腱の拘縮症を含めた、成長期の疾
患をしばしば引き起こします。アルファルファを成長期の運動器疾患の傾向を示す若い馬に与
えることは適切ではない場合があります。上質のイネ科の乾草を、バランサーあるいはビタミ
ンとミネラルサプリメントに加えて給与することは、多分このようなシナリオでは最も良い選
択でしょう。
・太りやすい馬の場合
体重を維持することが容易にできる馬には、アルファルファを与えるべきではありません。
エネルギー要求量は、より品質が低いイネ科牧草(ほこりが多い、かびが生えている、あるい
は安全でないような草は除く)を供給することによって、十分満たされるでしょう。太りやす
い馬はさらに多くを食べることが可能ですが、一口分がより少ないカロリーの牧草を食べるこ
とで、消化管の運動を保持すると同様咀嚼する衝動を満足させるでしょう。
・元気なパフォーマンスホースの場合
多くのパフォーマンスホースは、上質のイネ科牧草によって体重を維持することができます。
そしてこれは特に温血馬、馬車馬、あるいはポニー系統において本当であるように思われます。
特にイネ科とアルファルファ乾草に明らかな価格の相違がある地域で、これらの馬にアルファ
ルファ乾草を提供することは不必要でしょう。