放蕩記 沽 券 罪と罰(上) 菊と刀 【光文社文庫・古典新訳文庫】2008年10

【光文社文庫・古典新訳文庫】2008年10月新刊 10月9日(木)発売
書 名
著者名
内 容
児童書専門店を営む水島月菜は、児童文学作家の良城と結婚して八年。とても
優しく思いやりのある夫――だが、強迫的な潔癖症を患う彼は、愛する妻に指
一本触れることさえできないのだった。店の隣のバーで働く青年と知り合い、
次第に心惹かれる月菜。しかし彼もまた、誰にも言えない秘密を抱えていた…
…。揺れ動く女性の心をきめ細かく描く、究極の純愛小説。
1
誰よりもつよく
抱きしめて
新堂 冬樹
2
ありふれた魔法
盛田 隆二 に声をかけたことから、日常が変化していく。リアリズムの名手が、理性では
短篇集
3
4
抗えない人間・人生の不可思議を描く。
外資系化粧品会社に勤める波子の前に突然訪れた妻子ある男性。恋の仕方さえ
忘れていたはずの彼女が、気がつくと彼のことばかり考えている――。(表題
有吉 玉青 作「月とシャンパン」)ほか、様々な世代の6人の女性が織り成す恋愛の形を
瑞々しく描く傑作短編集。
たま お
月とシャンパン
これを読んだら
連絡をください
長編推理小説
しっせき
5
秋野智之44歳、城南銀行五反田支店次長、妻と3人の子あり。何気なく、部下
失跡渓谷
前川 麻子
あなたが見ていたのは、あなたの前にいた生身の私ではないのですか。通いつ
めたK大のキャンパスに、探し求める男はいるのか。虚構と現実がない交ぜに
なっていくなかで、浮かび上がるものとは、何か。恋多き著者が書かずにはい
られなかった「ひりひりする生き方」。傑作恋愛長編。
小説家・釣部渓三郎が“最後の客”として店を出たスナックのママが、大量の
血痕を残して失踪した。死体なき殺人なのか? 釣部はママの複雑な男関係を
太田 蘭三 洗うが、そこに新たな殺人事件が起きて……。先を読ませぬ展開、ユーモア溢
れる筆致。超人気〈釣部渓三郎シリーズ〉屈指の傑作!
文庫書下ろし&オリジナル
とり べ
6
の
鳥辺野にて
長編本格推理
コ レ ク タ ー
7
稀覯人の不思議
ななみ
加門 七海
手塚治虫愛好会の会長が殺され、貴重な古本が盗まれた。しかも犯行現場は完
全なる密室。名探偵・水乃サトルの推理の行方は? 日本有数の手塚研究家で
二階堂 黎人 もある著者による美しき「本格」の到達点!
れいと
ほう とう き
8
放蕩記
生誕百年記念出版
9
青のある断層
松本清張短編全集02
処女作の小説が売れまくり、大金を手にした“ぼく”は、日々夜の街を徘徊
佐藤 正午 し、女を口説きまくった。やがて人生「最良」の日々は、大金とともに消え
る。どん底の生活の中で、再び作家として悩みつくした果てに“ぼく”が見た
ものは…。万華鏡のように各章ごとに文体が変わる、佐藤正午独自の世界。
昭和28年から30年にかけて発表された作品を収録。歴史小説のほか、美術界へ
松本 清張 のアプローチとしては最初期のものである「青の断層」、自身の戦争体験を
ベースにした「赤いくじ」など8編を収める。短編全集第2弾。
連作推理小説
10
11
検察審査会の午後
魚たちと眠れ
結城昌治コレクション
霊能作家・鹿角南の親友が、京都嵐山の地で忽然と消息を絶った。彼女の足取
りを追った南は、邪悪な気配を漂わせる1人の少女と出会う――(表題作)ほ
か、現代怪談文学の第一人者が放つ究極のリアルホラー!
佐野 洋
「あなたは検察審査員候補に選ばれました」――中年の高校教師・佐田のもと
に届いた一枚のハガキ。検察庁の不起訴処分の妥当性を市民が審査するという
日本独自の「陪審制」に焦点を当て、人間の営みの光と影を活写した傑作連作
ミステリー。市民が裁く新しい司法制度「裁判員制度」のスタートを目前にし
た今、時代に先駆けた司法推理の名著を緊急復刊!
週刊誌記者の矢島が、化粧品会社主催の「洋上大学」の取材を受けたのは、ハワ
イへ行ける楽しみより、生徒として参加する100人の美女たちに惹かれたため
結城 昌治 だった。豪華客船セントルイス号は横浜を出航したが、生徒中、一、二を争う美女
の失踪が、船内の華やいだ空気を一変させる。日本で初めて書かれた、海の上の
密室で展開される長編本格ミステリー!
文庫オリジナル
12
匂い立つ美味
もうひとつ
文庫書下ろし/長編時代小説
13
捨て首
岡っ引き源捕物控(九)
文庫書下ろし/長編時代小説
こ 14
沽
けん
券
吉原裏同心(十)
稀代のグルマンにして当代最高の趣味人が綴る、美味と匂いの官能的な出合
勝見 洋一 い。「BRIO」好評連載をまとめた第2弾。
本所・深川で起きた事件を持ち前の推理力で解決に導く、岡っ引き源次と手下
の助三。それに元・同心神子孫七が加わり、難事件に挑む。今回は第一弾『白
庄司 圭太 狐の呪い』以来、久々に長編で描く著者会心の捕物帳。もつれにもつれた事件
の真相は、二転、三転する結末とは……。
天明八年の正月早々、吉原の引手茶屋で沽券状を狙った事件が頻発した。廓の
危難に奔走する吉原会所と神守幹次郎の前に、権利を売り姿を消した茶屋夫婦
佐伯 泰英 の刺殺体が! 残る二人の娘の行方を追う幹次郎たちは、巨漢の武芸者を引き
連れ、沽券を買い集める黒幕の年寄りに辿り着く。吉原乗っ取りを画策する真
の狙いは何か? 背後に田沼派の残党と老中首座の争いが……。
↓古典新訳文庫
1
2
罪と罰(上)
ドストエフスキー
亀山 郁夫=訳
青年ラスコーリニコフは「選ばれた非凡人は、社会道徳を踏み外す権利を持つ」
という独自の理論のもと、金貸しの強欲な老婆を殺害し、奪った金で善行をし
ようとする。だが偶然、老婆の妹まで殺してしまい・・・・・・。人間回復への強烈
な願望を訴えた不朽の傑作が、亀山郁夫訳でついにスタートする。
菊と刀
ベネディクト
角田 安正=訳
第二次世界大戦末期に、アメリカ政府から日本研究を依頼された著者が、文化
人類学を援用して民族性や行動原則を分析した大作。60年以上経った現在、日
本人の特徴や社会状況には、ほとんど変わっていない部分と激変した部分の両
面がある。自国を理解するために、いま改めて読まれるべき1冊。