50 歳の美容習慣 - WordPress.com

50 歳の美容習慣
女性が四十代、五十代で経験するのが更年期障害。
生物の中で閉経後、何十年も生きるのは人間だけ、と
言われている。激流を登り、産卵して死んでいく鮭の
ように、「種の保存」という役目を終えたメスは力を
尽くして寿命を終える。そう考えると、五十代からの
人生は「オマケ」、まさに退職人生なのかもしれない。
けれど、オマケは時には本体よりももっと魅力的だ
ったりする。かつてのグリコのキャラメルは、キャラ
メルではなくオマケほしさにお小遣いを握りしめて、
お菓子屋さんに走った。超美形のアシュトン・クッチ
ャーと結婚したデミー・ムーアは、成熟した美しさと
聖母のような包容力で「若さ」だけが武器の女の子に
は太刀打ちできない、妖艶な美で彼の心をゲット。
さて、デミー・ムーアが何も努力をせずに美しさを
キープしているわけではない。数千万円の全身整形、
パーソナル・シェフやトレイナー、ハリウッドでは当
たり前のテクノロジーを駆使したアンチ・エイジング
にどっぷり漬かっているに違いない。美しさをキープ
することは彼らの仕事であり、最も重要な契約なのだ。
ところが、最近はアラフォーなんて言葉もあって、
四十代の普通の専業主婦がカリスマ主婦となり、雑誌
のグラビアを埋め尽くす。読者の方もそんな主婦の素
顔見たさに雑誌を購入する。見たいのは黒木瞳や樋口
可南子だけではない。女優は一般人の私たちとは別世
界に住む、憧れの存在。ところが「専業主婦、港区在
住」なんて聞くと、彼女たちがきっとリッチな生活を
送っているだろうとわかっていても、なんだか手が届
きそうな気がするのだ。
更年期の素人である私たちにだって出来ることはあ
る。美容は日々の積み重ね。エステに通う時間やお金
がなくても自宅でできることをする。大切なのは「歳
だから」と諦めないこと。そして自分の年齢を受け入
れて、大切に思うこと。歳を聞かれて隠すのではなく、
歳を聞かれて「五十二歳なの」と言って、相手を驚か
すくらいの余裕を持って、自分自身と向き合う。
まず保湿。閉経後、エストラジンを生産できなくな
った女性の身体の変化はホットフラッシュやムード・
スウィングだけではない。私の通う婦人科の優しいド
クターは、「肌が乾燥してハリを失うから、保湿成分
たっぷりの化粧品で肌をいたわってあげなさい。」と
忠告してくれた。例えば休みの日やお出かけしない朝、
すぐに顔を洗ったりお化粧をしなくても、朝起きたら
まずフェイス・クリームを肌に乗せ、アイジェルを塗
る。そしそしてサンプロテクションをしっかり。ひと
りの時間が出来たら、即シートマスクを二十分。スキ
ンケアの時間には、アイクリームを口の上や横にも使
う。唇周辺って動かすから乾燥しやすいのに、特別な
クリームが無いのが不思議。しかもここの皺は目尻よ
りも強烈に歳を感じさせるから要注意。そして、ボデ
ィー。服で隠しているからと言って油断して、シワシ
ワの身体じゃ情けない。私はニベアの Q10にカリタ
のオイルを混ぜてシャワーの後に必ず全身マッサージ。
特に日本人は膝と肘が汚いと言われる。私はお顔の手
入れの際に、手に残ったローションや美容液を、膝頭
と肘、そしてうなじに必ず摺りこむ。これを続けて一
年。膝や肘が驚くほどつるつるになりましたよ。
そして運動。毎朝十分 エクササイズ、寝る前に十分
のストレッチ。ジムに行かなくても、自宅で毎日続け
ることが出来れば、身体はドラマティックに変わる。
私が実行していること。朝、シャワーを浴びる前に
「ランジ」左右七十五回。これは森光子さんが、毎日
スクワットを左右七十五回かかさないということを知
ってから。あのお歳で出来るなら私も出来るはず、と
始めました。その後、二キロの軽いウエイトで横にな
って二の腕を垂直に上げて腕を上下させる運動、左右
二十回。それだけ。夜は寝る前に簡単なストレッチ。
すべて含めてだいたい一時間。
お化粧に毎朝三十分時間を費やしているなら、この
一時間も毎日の習慣と思えば、きっと苦にはならない。
女優のようにはなれなくても、「港区在住」レベルへ
は、少しずつだけれど確実に近づける。若さは失って
も、美しさは必ずキープできるのだ。