妊娠している方,授乳中の方に対する新型インフルエンザ(H1N1)感染

妊娠している方,授乳中の方に対する新型インフルエンザ(H1N1)感染
に関する当科での対応方法のお知らせ
平成 21 年 8 月 31 日(月)
下関市立豊浦病院 産婦人科
岡田 理
新型インフルエンザに関して今年の秋以降,さらなる流行が予想されており,心配のこととお察しいたしま
す.特に妊娠中のお母さんでは重症化することがあり,一層の注意が必要と思われます.
従いまして,皆様におかれましても,日頃より充分な情報収集(近所や校区での流行状況の把握)や手洗
いやうがいの実施,マスクの着用等感染予防につとめられますようお願いいたします.
今回は 7 月 31 日 WHO からの発表情報項目と 8 月 25 日日本産科婦人科学会の見解を参考に当科で
の新型インフルエンザ対応について記述します.
まずは,お電話!
新型インフルエンザの当科における対応について
38℃以上の発熱,鼻汁や鼻がつまった症状,のどの痛み,咳などのある方は,
必ず病院に電話連絡してから受診してください.
妊婦さんから妊婦さんへの感染を防ぐため,産婦人科外来以外(緊急処置室等)の場所や時
間外で診察を行います.
重症化防止には発症後(発熱などの症状発現後)48 時間以内の治療開始が有効ですので,
症状が出た場合はできる限りはやく,電話連絡をお願いします.
1, 治療に使うタミフルについて;
タミフル(抗インフルエンザ薬)はおなかの赤ちゃんに有害な副作用はないとされ,催奇形性(薬が奇形
の原因になること)についても安全であると報告されています.
服用方法;
治 療の場合
予防投与の場合
1 錠(75mg)
1 錠(75mg)
1 日 2 回(計 150mg) 5 日間服用していただきます.
1 日 1 回(計 75mg) 7∼10 日間服用してください.
予防投与とは新型インフルエンザ感染者と濃厚接触(ごく近くに居たり,閉ざされた部屋で同席)
した場合に勧められます.ただし予防効果については服用している期間のみ有効とされています.
原則として自己負担となりますが,詳しくは外来医事課にお問い合わせください.
2, リレンザについて
治療の場合
予防投与の場合
10mg を 1 日 2 回吸入(計 20mg) 5 日間の吸入
10mg を 1 日 1 回吸入(計 10mg) 10 日間の吸入
3, 授乳中の方(小児科にもご相談ください)
母乳を介した新型インフルエンザ感染の可能性は現在のところ知られていません.したがって,母乳
は安全と考えられます.しかし,母親が直接授乳や赤ちゃんのケアを行うためには以下の 3 条件がそろ
っていることが必要とされています.
1) タミフルあるいはリレンザを 2 日間以上服用していること
2) 熱が下がって平熱となっていること
3) 咳や鼻水がほとんどないこと
これら 3 条件を満たしている場合,直接授乳することや赤ちゃんと接触することができます.ただし,
赤ちゃんと接触する前に手をよく洗い,清潔な服に着替えて(あるいはガウンを着用し),マスクを着用
します.また,接触中は咳をしないよう努力することをおすすめします.上記 3 条件を満たしていない間
さ く に ゅ う
は,母児は可能なかぎり別室とし,搾乳した母乳を健康な第三者が赤ちゃんに与えることをおすすめし
ます.このような赤ちゃんへの感染予防行為は発症後 7 日間にわたって続けることが必要です.発症
後 7 日間が経過して熱がなく,症状がない場合,他人に感染させる可能性は低いと考えられます.
当院・産婦人科への電話連絡方法(通常の妊娠中の電話連絡と同様です)
☎(代) 083−774−0511
¾ 月∼金(8 時 30 分∼17 時 15 分)
産婦人科外来助産師が対応します
¾ 月∼金(17 時 15 分以降) , 土・日曜日・祭日
事務当直が電話対応しますので,妊娠していることを告げて,産婦人科病棟
(1 病棟)の担当看護師に相談してください.
厚生労働省(新型インフルエンザ最新情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
妊娠と薬情報センター(国立成育医療センター)
http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html