臨床試験における悪心についての詳細はこちら

日本イーライリリー株式会社
トルリシティの情報提供について
謹啓
時下、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
ご確認頂きましたトルリシティに関する情報につきまして、別途の通りご案内申し上げます。
今回提供致します情報は医療関係者のご要望に応じてご提供させて頂くものでございます。従い
まして、貴院での参考資料としてのみご使用いただき、貴院の外部への持ち出しはお控えいただ
きますようお願い申し上げます。
なお、本邦でのトルリシティの【効能・効果】、【用法・用量】は下記の通りでございますのでご留意
の程お願い申し上げます。
今後とも、弊社製品をご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。
謹白
記
【効能・効果】
2 型糖尿病
【用法・用量】
通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75 mg を週に 1 回、皮下注射する。
※本剤の使用に際し、最新の添付文書をご参照ください。
以上
〒651-0086
神戸市中央区磯上通 7-1-5
【トルリシティ®皮下注 0.75mg アテオス®(デュラグルチド(遺伝子組換え)注射液)】
デュラグルチド
臨床試験における悪心
本文書には、本邦承認外のデュラグルチドの用法・用量を一部含んでおりますので、ご注意ください。
本邦におけるデュラグルチドの承認用法用量
通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75 mg を週に 1 回、皮下注射する。
要約
• デュラグルチドの国内第 3 相臨床試験では、安全性評価対象 917 例中 272 例(29.7%)に副作用が認め
られ、 主な副作用は、便秘 57 例(6.2%)、悪心 56 例(6.1%)、下痢 53 例(5.8%)でした[トルリシティ®皮
下注 0.75mg アテオス® 添付文書, 2016]。
• 国内第 3 相臨床試験の併合解析において胃腸障害の発現時期及び持続時間を検討したところ、悪心は
初回投与後に多く、投与 2 回目以降の発現割合は低下しました。悪心の持続期間(中央値)は 2 日でした
[大浦, 2016]。
• 国内第 3 相臨床試験において、デュラグルチドの副作用と考えられる悪心の約 21%(12/56 例)、嘔吐の
5%(1/20 例)に対症療法として併用薬が使用されました。使用された主な薬剤はドンペリドンなどの制吐
剤や、メチルメチオニン、酸化マグネシウム、レバミピドなどの胃炎に対する薬剤でした[社内資料]。
• 2 型糖尿病患者を対象とした海外臨床薬理試験において、胃腸障害の有害事象の大部分は初回投与後
2~3 日間に報告され、その発現割合は以降の投与と共に減少しました[Martin, 2014; 社内資料]。
• デュラグルチドの海外臨床試験における悪心による投与中止率は、デュラグルチド 0.75mg 投与群で 1%、
1.5mg※投与群(※本邦未承認用量)で 1.9%でした[社内資料]。
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【TLC04400】
【トルリシティ®皮下注 0.75mg アテオス®(デュラグルチド(遺伝子組換え)注射液)】
デュラグルチド投与に伴う悪心の発現割合と経過
【国内臨床試験】
デュラグルチドの国内第 3 相臨床試験 3 試験[単独療法試験(GBDP 試験)、併用療法試験(GBDY 試
験)及び長期安全性試験(GBDQ 試験)]の併合解析において、デュラグルチド 0.75 mg 週 1 回投与を行
った 2 型糖尿病患者 855 例の胃腸障害の有害事象について検討した結果、投与 26 週までに、デュラグ
ルチド群の 61 例(7.1%)に悪心が発現し、そのうち 90%が軽度の悪心でした。悪心の発現割合は、初回
投与後に多く、投与 2 回目以降の発現割合は低下しました(図 1、2)。また、悪心の持続期間(中央値)は、
2 日でした[大浦, 2016]。
図 1. 国内第 3 相臨床試験における投与開始からの期間別の悪心の発現割合
(単独療法試験:投与 26 週までの結果)[大浦, 2016]
略語:DU = デュラグルチド、LIRA = リラグルチド
図 2. 国内第 3 相臨床試験における直近のデュラグルチド投与日からの経過日数別の悪心の発現件数
(件/人・日)[大浦, 2016]
【海外臨床試験】
臨床試験において悪心の発現割合は用量依存的でした。悪心の報告はデュラグルチド 1.5mg※投与群(※
本邦未承認用量)において、0.75mg 投与群の約 2 倍多く、臨床試験における悪心の発現割合は、デュラグ
ルチド 0.75mg 投与群で 7.7~17.7%で、デュラグルチド 1.5mg※投与群では 15.4%~29.0%でした。悪心によ
る投与中止はデュラグルチド 0.75mg 投与群の 1.0%、デュラグルチド 1.5mg※投与群の 1.9%に認められま
した[社内資料]。
海外第 2 相、第 3 相臨床試験では、悪心及び嘔吐がデュラグルチド投与群で最も頻度の高い有害事象
(10%以上)でした。デュラグルチド投与に伴う胃腸障害(悪心、嘔吐、下痢)の重症度は、概ね軽度から中
等度でした[社内資料]。プラセボ対照試験の併合解析では、プラセボ投与群の 5.3%、デュラグルチド
0.75mg 投与群の 12.4%、デュラグルチド 1.5mg※投与群の 21.1%に悪心が報告されました。また、嘔吐はプ
ラセボ投与群の 2.3%、デュラグルチド 0.75mg 投与群の 6.0%、デュラグルチド 1.5mg※投与群の 12.7%に
報告されました。.
最長 6 か月間の 2 型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験において、胃腸障害の有害事象の大部分は
初回投与後 2~3 日間に報告され、その発現割合は次回の投与と共に減少しました(図 3)[Martin, 2014; 社
内資料]。
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【TLC04400】
【トルリシティ®皮下注 0.75mg アテオス®(デュラグルチド(遺伝子組換え)注射液)】
図 3. 海外臨床薬理試験におけるデュラグルチド 1.5mg※投与群の悪心の発現例数と重症度
[Martin, 2014]
重度の胃腸疾患患者への投与
GLP-1 受容体作動薬について、重度の胃不全麻痺など重度の胃腸疾患患者を対象とした試験は行われて
おらず、デュラグルチドについても行っていません。したがって重度の胃腸疾患患者に対する使用は推奨い
たしません[社内資料]。
最終更新日:2016 年 5 月 23 日(GML_GLP044_NAUSEA_IN_CLIN_TRIALS_v3.0)
引用文献
大浦智紀, 松井晶子, 竹内雅和, 岩本紀之. 日本人 2 型糖
尿病患者におけるデュラグルチド 0.75 mg の胃腸障害(悪
心、嘔吐、下痢及び便秘)の発現時期及び持続期間の検討.
第 59 回日本糖尿病学会年次学術集会, May 19-21. 2016.
京都. ポスター I-P-403.
(抄録:糖尿病. 2016;59(Suppl.1):S-221).
トルリシティ®皮下注 0,75mg アテオス® 添付文書, 2016
日本イーライリリー株式会社 社内資料
Martin S, Loghin C, Cui X, et al. The nausea profile of once
weekly dulaglutide 1.5 mg. Presented as an abstract and poster at the American Association of Pharmaceutical Scientists
Annual Meeting and Exposition: November 2-6, 2014. San
Diego, CA. Poster W5273.
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日本イーライリリー株式会社
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日本イーライリリー株式会社
研究開発/医学科学本部長
ベルクラ、ピエール イヴ
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