参加者へのお知らせとお願い ■研究会参加者の皆様へ 1.受付は日本消防会館ニッショー・ホールにて11時30分(17日)から開始します。 2.参加登録費(抄録集,発表論文集,懇談会費を含む) 10,000円 ※会場ではネームカードに所属・氏名を記入の上、必ず着用して下さい。 3.発表論文集 発表論文集を後日郵送しますので,参加登録の際には所定の用紙に住所・氏名を正確に ご記入下さい(不正確ですと発表論文が届かないことがございます)。 4.会場での発言は、マイクを使用し所属・氏名を最初に述べて下さい。 5.会場での呼び出しは緊急の場合のみに限り、受付で申し受けます。外部からの電話呼び出しは 先方の番号のみ伺っておきますので、改めてご自分でお掛け直し下さい。 会場内のアナウンスはお断りします。 6.会場内では禁煙です。 7.その他のお問い合わせは、受付へご連絡下さい。 8.日本透析医学会専門医の単位取得について 本研究会に参加されますと、日本透析医学会の専門医制度により定められた3単位を取得でき ます。単位取得のための参加証は参加受付にてネームカードを確認の上お渡しします。 ■座長の先生方へ 1.担当セッションの開始15分前までに、次座長席にご着席下さい。 2.演者の講演時間および討論時間は厳守でお願い致します。 1 ■演者の方へ 役 員 一 覧 1.講演時間・討論時間 一般演題:発表6分 シンポジウム等:事務局よりお知らせいたします。 2.発表について ・パワーポイントによるPC(パソコン)での発表のみです(スライドでの発表は受付けませんの でご注意下さい)。 ・PC受付に発表予定時刻の30分前までにお越し頂き、出力をチェックしてください。 モニターの使用方法等についてご不明の点はオペレーターにお尋ね下さい。 名誉会長 太田 和夫 (太田医学研究所) 会 長 斎藤 明 (東海大学) ・プロジェクターは1台のみです。ご発表時にはご自身で送り・戻しの操作をお願い致します。 1) データの持込の場合 ・PCは以下の環境で用意いたします。 Windows OS = XP Power Point ver = 2000、2002(XP) 、2003、2007 (以下 アイウエオ順) 顧 問 越川 昭三 (昭和大学) 平沢 由平 (信楽園病院) ・Macintoshは用意しておりません。Macintoshで発表される方は、ご自身のPCを お持込下さい。 秋澤 忠男 (昭和大学) 秋葉 隆 (東京女子医科大学) ・Windows formatに限りCD-ROMもしくはUSB接続のフラッシュメモリデータスティック をご持参下さい(MO,FD,ZIPでは受付できませんので,ご注意ください)。 必ず、バックアップデータをお持ち下さい。 佐中 孜 (東京女子医科大学 東医療センター) 鈴木 正司 (信楽園病院) 内藤 秀宗 (内藤医学研究所) ・文字化けをふせぐため、OSに標準インストールされているフォントをご使用下さい。 ・動画を使用される場合は、ご自身のPCをお持込下さい(データをご持参された場合、 確実に作動する保障はありません)。音声の使用はできません。 世話人 川西 秀樹 (あかね会 土谷総合病院) 金 成泰 (レメディ北九州ネフロクリニック) ・お預かりしたデータは研究会終了後、事務局が責任を持って消去いたします。 竹澤 真吾 (湘南工科大学大学院) 2) PC持込の方へ ・Windows、Macintoshのどちらでも受付可能です。PC本体に出力用のD-sub 15pin ミニ端子がついている事を確認してください。変換コネクターを必要とする場合は必ず ご持参下さい。また、電源アダプターも必ずお持ち下さい。音声の使用はできません。 武本 佳昭 (大阪市立大学) 政金 生人 (矢吹病院) 水口 潤 (川島病院) 山下 明泰 (湘南工科大学) 3.発表論文提出について 発表論文 (掲載用論文) を「腎と透析」(東京医学社) の投稿規定に即して作成し、研究会当日 PC受付にご提出下さい。 執筆要領は、原稿用紙12枚以内(図・表は各1枚と採算する)とします。 監 事 衣笠 えり子(昭和大学横浜市北部病院) 峰島 三千男(東京女子医科大学) 当日にご提出頂けない場合は、掲載されない場合もありますのでご注意下さい。 なお3月31日までに、ご提出頂けない場合は、掲載されない場合もありますのでご注意下さい。 事務局 〒770-8548 徳島県徳島市北佐古1番町1-39 ■会員懇談会 研究会終了後、霞ヶ関ビル33F 東海大学校友会館 にて会員懇談会を開催致します。 会費は無料です。どうぞご参加下さい。 2 医療法人 川島会 川島病院 TEL:088-631-0782 FAX:088-632-6885 URL:http://www.hpm-net.jp/ Email:[email protected] 3 プログラム 第1日目 3月17日(土) 12:00∼12:05 開会の辞 12:05∼13:05 セッションⅠ 基礎Ⅰ 13:05∼13:30 セッションⅡ 透析液清浄化 13:30∼14:25 セッションⅢ 内部濾過促進型透析器・HDF 14:25∼15:10 セッションⅣ 東レ:PS膜の評価 15:10∼16:05 セッションⅤ PES膜の評価 16:05∼16:40 セッションⅥ 膜の性能評価Ⅰ 16:40∼18:40 シンポジウム 「血液浄化器性能評価基準の再検討」 19:10∼ 懇 親 会 12:00∼12:05 開会の辞 会長 斎藤 明 (東海大学) 12:05∼13:05 セッションⅠ 基礎Ⅰ 座長 山下 明泰(湘南工科大学) 崎山 亮一(東京女子医科大学) 1.分子インプリント透析膜による濾過流量の制御 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 芝浦工業大学 工学部 応用化学科2 1 ○大西 孝(おおにし たかし) 服部 浩二1 吉見 靖男2 酒井 清孝1 2.ビタミンE固定化ポリスルホン膜が白血球を介した血小板活性化に及ぼす影響 北里大学 医療衛生学部 医療工学科1 1 ○高橋 治子(たかはし はるこ) 小久保 謙一1 小林 弘祐1 塚尾 浩1 新保 年弘1 廣瀬 稔1 3.血液中のNOをモニタリングする新しいシステムの開発 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻1 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 1 ○松川 裕章(まつかわ ひろあき) 奥岡 眞視1 松田 雅人1 山本 健一郎2 酒井 清孝2 3 3 薬師寺 大二 福田 誠 宮坂 武寛3 4.アルブミン漏出を抑制する非対称膜の構造 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻2 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻3 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科4 1 ○南 めぐみ(みなみ めぐみ) 松田 雅人2 山本 健一郎3 薬師寺 大二4 福田 誠4 宮坂 武寛4 酒井 清孝3 5.APS-DRY膜の表面キャラクタリゼーション 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻1 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 旭化成メディカル4 1 ○松田 雅人(まつだ まさと) 山本 健一郎2 薬師寺 大二3 福田 誠3 宮坂 武寛3 小泉 智徳4 吉田 一4 酒井 清孝2 6.旭化成メディカル社製APSドライタイプ人工腎臓の特性 旭化成メディカル株式会社 透析事業部技術開発部1 1 ○小泉 智徳(こいずみ としのり) 小村 亮1 上住 敏士1 吉田 一1 7 13:05∼13:30 セッションⅡ 透析液清浄化 13:30∼14:25 セッションⅢ 内部濾過促進型透析器・HDF 座長 竹澤 真吾(湘南工科大学) 7.透析用水における残留塩素濃度の測定 泉中央病院 透析センター1 1 ○扇谷 博(おうぎや ひろし) 佐々木 芳1 鈴木 利哉1 鈴木 康義1 光川 史郎1 佐藤 大典1 金須 綾1 武藤 香奈1 8.当院における透析液清浄化対策 中通総合病院 血液浄化療法部1 中通総合病院 泌尿器科2 日機装東北医工株式会社3 1 ○須藤 幸恵(すとう ゆきえ) 吉岡 巧1 平野 和生1 佐々木 亘1 宮形 滋2 原田 忠2 木暮 輝明2 前田 克己3 座長 佐藤 隆 (名港共立クリニック) 鈴江 信行(川島病院) 10.内部濾過促進型ダイアライザAPS-21EXの性能評価 医療法人あかね会 中島土谷クリニック 透析センター1 医療法人あかね会 土谷総合病院 人工臓器部2 1 ○宮本 照彦(みやもと てるひこ) 中尾 司1 小野 裕明1 森石 みさき1 川西 秀樹2 土谷 晋一郎2 11.旭メディカル社製ダイアライザーAPS-EXの性能評価 偕行会 名港共立クリニック1 1 ○田岡 正宏(たおか まさひろ) 西川 裕美1 吉田 琢己1 門井 里美1 佐藤 隆1 松田 政二1 谷川 智彦1 山田 康雄1 秋山 慎哉1 9.ATPアナライザによる透析液生菌数測定の迅速化 かもめクリニック1 内科2 1 ○西山 敏郎(にしやま としろ) 柴田 猛1 金田 史香2 高橋 充生2 金田 浩2 12.ポンプレスオンラインHDF前希釈の再検討 山口厚生連 長門総合病院 臨床工学科1 1 ○肥田 泰幸(ひだ やすゆき) 谷口 貴康1 野村 知由樹1 黒木 千尋1 13.後希釈on-line HDFにおけるダイアライザの違いによる低分子蛋白の除去特性 医療法人 社団 白水会 須田クリニック1 1 ○成田 暁(なりた さとる) 小幡 優子1 二渡 妙子1 内田 麻衣子1 中田 敦子1 1 1 松井 貴広 早川 理恵 桑原 秀実1 森山 芳明1 若林 啓二1 小林 英雄1 田村 仁信1 須田 昭夫1 14.On−Line HDFによるヘマトクリット値とエリスロポエチン製剤使用量に関する検討 医療法人 社団協友会 八潮中央総合病院 透析科1 1 ○佐藤 典明(さとう のりあき) 原 一晃1 熊田 透1 安藤 正1 15.前希釈HDFと後希釈HDFの炎症性サイトカイン活性化に及ぼす影響 川島病院1 1 ○中村 雅将(なかむら まさゆき) 細谷 陽子1 廣瀬 大輔1 田尾 知浩1 1 1 1 土田 健司 水口 潤 川島 周 8 鈴木 浩司1 9 セッションⅣ 東レ:PS膜の評価 14:25∼15:10 15:10∼16:05 セッションⅤ PES膜の評価 座長 高宮 登美(たかみや病院) 座長 兵藤 透 (横浜第一病院) 神徳 直子(三田尻病院) 16.東レ社製モイストタイプポリスルホン膜透析器CS-Uの性能評価 山東第二医院 臨床工学部1 山東第二医院 内科2 1 ○長谷川 文夫(はせがわ ふみお) 後藤 博之1 惠 らん2 惠 以盛2 21.PES-150Sβの性能評価 石心会 川崎クリニック1 昭和大学横浜市北部病院 ME室2 昭和大学藤が丘病院 臨床工学室3 1 ○佐藤 健(さとう けん) 吉川 美穂1 山本 浩靖1 長澤 建一郎1 高木 真澄1 亀井 信貴1 武田 勝1 鶴澤 一行1 佐藤 宜伯2 小林 力3 宍戸 寛治1 17.東レ社製CS−1.6Uの性能評価 (財)甲南病院 中央人工腎臓部1 (財)甲南病院 内科2 1 ○保月 栄一(ほづき えいいち) 土谷 武嗣1 三好 千鶴1 岡本 綾子1 藤井 清孝1 荒川 隆宗1 井上 紀子1 武本 博子1 藤森 明1 坂井 誠2 18.東レ社製モイストタイプ透析器CS-1.6Uの性能評価 石心会 川崎クリニック1 昭和大学横浜市北部病院 ME室2 昭和大学藤が丘病院 臨床工学室3 1 ○亀井 信貴(かめい のぶたか) 吉川 美穂1 山本 浩靖1 長澤 建一郎1 1 武田 勝 1 佐藤 健 1 鶴澤 一行 2 佐藤 宜伯 3 小林 力 22.新しいV型dialyzer PES-210SβとAPS-21Eの臨床性能比較 みはま病院 ME部1 1 ○鈴木 一哉(すずき かずや) 後藤 雅宏1 武田 稔男1 内野 順司1 河野 孝史1 吉田 豊彦1 高木 真澄1 1 23.「PES-Sβ」の臨床における使用経験 中通総合病院 血液浄化療法部1 中通総合病院 泌尿器科2 1 ○平野 和生(ひらの かずお) 佐々木 亘1 村上 亨1 松岡 厚志1 高橋 大輝1 播磨 由佳子1 斎藤 雄亮1 平塚 広樹1 宮形 滋2 木暮 輝明2 原田 忠2 宍戸 寛治 19.新しいモイスチャータイプダイアライザーCS-1.6Uの臨床評価 大分内科クリニック 臨床工学部1 大分内科クリニック2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 1 ○河野 桂子(かわの けいこ) 福田 利恵1 小野 和子1 吉上 早苗1 大塚 孝幸1 松山 家久2 福田 誠3 薬師寺 大二3 宮坂 武寛3 正井 基之1 坂下 亨1 20.CS-Uの性能評価と栄養学的にみた使用法 医)社団清永会 天童温泉矢吹クリニック 臨床工学室1 矢吹病院 臨床工学室2 矢吹病院 内科3 東レ株式会社 医療器材事業部4 1 ○向谷地 志乃(むかいやち しの) 江刺 志穂2 樽石 江梨子1 五十嵐 洋行1 政金 生人3 久保田 昌裕4 24.V型中空糸型透析器PES210Sαの臨床評価 池袋久野クリニック 血液浄化センター1 1 ○尾竹 薫(おたけ かおる) 柏 雅康1 廣瀬 伸彦1 25.PES210Sαの性能評価 川島病院1 1 ○英 理香(はなぶさ りか) 細谷 陽子1 田尾 知浩1 久野 勉1 土田 健司2 水口 潤2 川島 周2 26.V型ダイアライザーPES-Sαの溶質除去性能とビスフェノールAの溶出に関する検討 藤田保健衛生大学病院 血液浄化センター1 藤田保健衛生大学病院 腎内科2 藤田保健衛生大学 短期大学3 1 ○山田 幸恵(やまだ さちえ) 石川 正敏1 新 典雄1 加藤 政雄1 村上 和隆2 2 2 3 富田 亮 杉山 敏 堀 秀生 大橋 篤3 10 11 16:05∼16:40 セッションⅥ 膜の性能評価Ⅰ 16:40∼18:40 座長 衣笠 えり子(昭和大学横浜市北部病院) 27.大面積親水化PEPA膜ダイアライザーFDY-250GWとPS膜APS-25SAの溶質除去性能の 比較検討 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 臨床工学科1 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 腎臓内科2 1 ○横田 大将(よこた だいすけ) 高橋 延之1 塩澤 勉1 田村 克彦2 長澤 正樹2 28.大面積PEPA膜ダイアライザーFDY-250GWのHDおよび前希釈on-line HDFでの性能評価 橋本クリニック1 湘南工科大学マテリアル工学科2 1 ○朝日 大樹(あさひ だいき) 山内 芙美1 高橋 美枝1 齋藤 毅1 桜井 健治1 山下 明泰2 座長 川西 秀樹 (あかね会 土谷総合病院) 峰島 三千男(東京女子医科大学) SY-1. 「血液浄化器:性能評価の基礎」 湘南工科大学工学部 マテリアル工学科 ○山下 明泰(やました あきひろ) SY-2. 「ダイアライザーの性能評価法の再検討」 旭化成メディカル株式会社 ○上坂 正利(うえさか まさとし) SY-3. 「透析液清浄化:on-line HDF認可条件とET阻止フィルタの性能基準」 大分大学 医学部 感染分子病態制御講座 ○友 雅司(とも ただし) 29.セルローストリアセテート(CTA)膜FB-150Uβの性能評価 土浦協同病院 臨床工学部1 土浦協同病院 腎臓内科2 1 ○高久 雅孝(たかく まさたか) 中澤 寿人1 高野 真史1 小串 美由紀1 久松 学1 倉持 龍彦1 関 貴弘1 堀井 京子1 寺田 紀子1 上野 信一1 松井 則明2 30.IV型ダイアライザーの性能評価 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 中央臨床工学室1 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 循環器科2 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 腎臓科3 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 血液浄化センター4 1 ○中村 拓生(なかむら たくお) 岡 育実1 常深 智子1 伊勢崎 龍1 中田 充生1 松藤 昭宏1 三上 修司2 中尾 尚之3 長谷川 裕人4 シンポジウム 「血液浄化器性能評価基準の再検討」 SY-4. 「血液浄化器の選択に必要な性能評価基準の考え方」 大阪市立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学 ○武本 佳昭(たけもと よしあき)長沼 俊秀 SY-5. 「血液浄化器の承認基準と性能評価基準」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ○末岡 明伯(すえおか あきのり) 木原 信也1 19:10∼ 懇 親 会 会場 霞ヶ関ビル33F 東海大学校友会館 12 13 プログラム 第2日目 3月18日(日) 9:00∼ 9:55 セッションⅦ 基礎Ⅱ 9:55∼10:50 セッションⅧ PMMA膜の評価 10:50∼11:20 セッションⅨ EVAL膜の評価 11:20∼12:10 セッションⅩ 膜の性能評価Ⅱ 12:10∼13:10 昼 食 13:10∼13:20 総 会 13:20∼14:00 セッション Ⅸ 臨床評価Ⅰ 14:00∼14:30 Ⅶ セッションⅨ 臨床評価Ⅱ 14:30∼15:10 Ⅷ セッションⅨ 臨床Ⅰ 15:10∼15:35 セッションⅨⅣ 臨床Ⅱ 15:35∼16:05 セッションⅨⅣ その他 16:05∼16:10 閉会の辞 9:00∼9:55 セッションⅦ 基礎Ⅱ 座長 小久保 謙一(北里大学) 福田 誠 (姫路獨協大学) 31.透析施行中の簡易的な内部濾過推定法 釧路泌尿器科クリニック1 1 ○大澤 貞利(おおさわ さだとし) 山本 英博1 久島 貞一1 32.リップル構造を有するPES-150Sαの透析液側流量変化による水系性能評価 東京女子医科大学 臨床工学部 血液浄化療法科1 東京女子医科大学 臨床工学部2 東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科3 ニプロ株式会社4 1 ○石森 勇(いしもり いさむ) 茂木 佳奈1 村上 淳1 金子 岩和1 峰島 三千男2 4 4 春原 隆司 増田 利明 秋葉 隆3 33.ニプロ社製PES-Sαの透析液側におけるチャネリングの比較検討 東京女子医科大学 臨床工学部 血液浄化療法科1 東京女子医科大学 臨床工学部2 東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科3 二プロ株式会社4 1 ○茂木 佳奈(もぎ かな) 石森 勇1 村上 淳1 金子 岩和1 峰島 三千男2 春原 隆司4 増田 利明4 秋葉 隆3 34.新型透析器のパルスレスポンス法と局所圧力測定による透析液流動評価 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 1 ○長谷川 真衣(はせがわ まい) 山本 健一郎2 酒井 清孝2 薬師寺 大二3 宮坂 武寛3 福田 誠3 35.血液流動ストレスに対するポリスルホン膜内表面の親水化剤耐溶出性 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻2 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻3 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科4 1 ○佐藤 美佳(さとう みか) 小川 貴久2 松田 雅人2 山本 健一郎3 薬師寺 大二4 福田 誠4 宮坂 武寛4 酒井 清孝3 36.APS-E膜におけるアルブミン漏出量の検討 財団法人 甲南病院 加古川病院 血液浄化センター1 1 ○松原 由紀子(まつばら ゆきこ) 山本 英則1 田中 領華1 藤森 明1 堀田 由美1 裁 陽子1 17 9:55∼10:50 セッションⅧ PMMA膜の評価 10:50∼11:20 セッションⅨ EVAL膜の評価 座長 政金 生人(矢吹病院) 37.吸着特性を生かした新規PMMA膜ダイアライザーの開発 東レ株式会社 機能材料研究所 医療システム研究室1 東レ株式会社 医療器材生産部2 1 ○菅谷 博之(すがや ひろゆき) 荒木 美帆1 堤 晴彦2 山田 智子1 中根 章博2 板垣 一郎1 上野 良之1 小澤 英俊2 座長 武本 佳昭(大阪市立大学) 43.エバブレンEK性能評価 近畿大学 医学部 堺病院 臨床工学部1 近畿大学 医学部 堺病院 腎透析科2 1 ○藤堂 敦(とうどう あつ) 門中 友美1 川村 英子1 染矢 法行1 西村 昌美1 片畑 満美子2 玉井 良尚2 坂口 美佳2 長谷川 廣文2 38.高齢化透析時代におけるPMMA ― BK-Uシリーズの有用性 ― 医療法人 行橋クリニック 臨床工学部1 医療法人 行橋クリニック 内科2 医療法人 行橋クリニック 泌尿器科3 1 ○弥吉 浩行(やよし ひろゆき) 小宮 裕2 松本 美香2 小宮 俊秀3 44.新規EVAL透析膜“エバブレンEK”の除去特性 クラレメディカル株式会社 医療器材事業部1 川澄化学工業株式会社 研究開発部2 宇多津クリニック 透析室3 宇多津クリニック 内科4 1 ○垣内 智樹(かきうち ともき) 関口 浩二1 赤松 成美1 地村 桃1 安部 祐治2 3 3 森 行範 久米 陽介 香川 智子3 明石 好弘4 瀬戸 邦雄4 39.高齢者にはPSでなくPMMAの方がよい 清永会 矢吹病院1 45.特発性血小板減少症がEvabrane EK膜で改善した一例 宗心会かわしま内科クリニック1 自治医科大学医学部附属病院腎臓センター内科2 1 ○政金 生人(まさかね いくと) 金田 英之1 江刺 志穂1 伊藤 智子1 1 ○上野 幸司(うえの こうし) 白石 武1 吉村 章2 安藤 康宏2 草野 英二2 佐々木 信博1 久野 宗寛1 石井 恵理子2 40.PMMA膜(BK-F)使用によるエリスロポエチン減量効果 ひまわりクリニック1 1 ○松本 能永(まつもと よしなが) 小林 弘忠1 小林 洋子1 41.ポリメチルメタクリレート(PMMA)膜が腎性貧血に及ぼす影響 川島病院1 鴨島川島クリニック2 1 ○数藤 敬一(すどう けいいち) 田尾 知浩1 土田 健司1 水口 潤1 2 水口 隆 川島 周1 42.免疫グロブリン軽鎖(FLCs)に対する特異的吸着除去の評価 知邑舎 メディカルサテライト岩倉1 知邑舎 メディカルサテライト知多2 知邑舎 岩倉病院 外科3 株式会社 医学生物学研究所4 東レ・メディカル株式会社5 1 ○長尾 尋智(ながお ひろとも) 目叶 裕史2 高田 幹彦3 小出 正文2 新井 次郎4 押原 渉5 18 19 11:20∼12:10 セッションⅩ 膜の性能評価Ⅱ 13:20∼14:00 セッション Ⅸ 臨床評価Ⅰ 座長 青池 郁夫(向陽メディカルクリニック) 46.異なる透析器の持続高圧透析Continuous High Pressure HDにおける溶質除去性能の検討 公立富岡総合病院 臨床工学科1 公立富岡総合病院 看護部2 公立富岡総合病院 検査科3 公立富岡総合病院 泌尿器科4 1 ○斎藤 慎(さいとう まこと) 町田 佳代子1 浦野 よしみ1 生形 尚子1 原 勇1 山崎 たか子2 山崎 敏明3 小林 大志朗4 塩野 昭彦4 町田 昌巳4 牧野 武雄4 柴山 勝太郎4 47.旭化成メディカル社製ダイアライザーVPS15HAの臨床性能評価 東葛クリニック病院 臨床工学部1 東葛クリニック病院 腎臓内科2 東葛クリニック病院 外科3 1 ○小林 信之(こばやし のぶゆき) 内田 正志1 大居 紗友里1 沼田 陽介1 高塚 かおり1 矢高 美奈子1 熊谷 孝之1 渡慶次 龍1 猪俣 仁1 南雲 隆1 竹村 英生1 清塚 和哉1 久保 満1 松金 隆夫1 中澤 了一2 東 仲宣3 座長 藤森 明 (甲南病院) 51.ポリスルフォン膜ダイアライザーの形状およびヘパリンが凝固系に与える影響 (医)輔正会岡村記念クリニック 透析室1 埼玉医科大学病院 血液浄化部2 埼玉医科大学病院 腎臓内科3 1 ○田口 直昭(たぐち なおあき) 塚本 功2 村杉 浩2 山下 芳久2 菅原 壮一3 鈴木 洋通3 山下 文子1 岡村 維摩1 52.ポリエーテルスルホン膜の抗血栓性能評価 宏人会 木町病院臨床工学部1 宏人会 木町病院 透析室2 宏人会 木町病院 泌尿器科3 1 ○千田 幸夫(ちだ ゆきお) 佐藤 通子1 寒澤 環1 松岡 愛2 金野 孝彦1 佐藤 正嗣3 53.ビタミンE固定化ポリスルフォンダイアライザーにおける凝固線溶系および脂質代謝の検討 埼玉医科大学病院 血液浄化部1 埼玉医科大学病院 腎臓内科2 48.V型ダイアライザの基礎および臨床的性能評価 立正佼成会附属佼成病院 ME室1 立正佼成会附属佼成病院 腎臓内科2 1 ○平井 亘(ひらい わたる) 佐野 直人1 山岸 智子1 杉浦 達郎1 三浦 貴之1 2 2 赤松 真悠子 平林 あゆみ 窪田 研二2 49.機能別分類Ⅲ型とⅣ型透析器の性能評価と臨床効果 大阪市立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学1 1 ○武本 佳昭(たけもと よしあき) 黒木 慶和1 長沼 俊秀1 1 ○塚本 功(つかもと いさお) 土持 多美恵1 菅原 壮一2 鈴木 洋通2 村杉 浩1 宮崎 真一1 山下 芳久1 54.高脂血症治療の補助手段としての透析膜の有用性 ― 透析中のアポ蛋白動態による評価 ― 加治木温泉病院1 白石病院2 1 ○竹之内 賢一(たけのうち けんいち) 大坪 義信2 西村 和治1 種子田 実1 岡村 龍也2 蓮尾 良博2 一ノ宮 隆行1 穂満 博文1 萩原 隆二1 50.機能区分Ⅴ型血液透析とⅣ型血液透析濾過の除去性能比較 五仁会 元町HDクリニック 臨床工学部1 五仁会 元町HDクリニック 臨床検査部2 五仁会 元町HDクリニック 内科3 1 ○森上 辰哉(もりがみ たつや) 田中 和馬1 阪口 剛至1 大槻 英展1 吉本 秀之1 2 2 清水 康 田中 和弘 岡本 磨美2 申 曽洙3 12:10∼13:10 昼 食 13:10∼13:20 総 会 司 会 斎藤 明(東海大学) 報告者 水口 潤(川島病院) 20 21 14:00∼14:30 Ⅶ 臨床評価Ⅱ セッションⅨ 14:30∼15:10 座長 土田 健司(川島病院) 55.当院で使用している透析膜の溶質除去能とポッティング剤に対する特異IgE抗体の比較検討 医療法人 三軒医院1 1 ○沼田 靜(ぬまた しずか) 牧尾 健司1 室 秀一1 宮路 計1 南方 茂樹1 森本 鎭義1 1 三軒 久義 56.透析膜によるカルボニルストレス軽減効果 えいじんクリニック 内科1 えいじんクリニック 臨床工学科2 望星平塚クリニック 内科3 望星平塚クリニック 臨床工学科4 東海大学 医学部 腎代謝内科5 1 ○武林 祥裕(たけばやし よしひろ) 五嶋 庫人2 加藤 太郎2 5 5 5 鈴木 大 角田 隆俊 斎藤 明 須賀 孝夫3 57.VPS-H長期使用における透析中の血圧変動 三思会 東邦病院 ME科1 三思会 東邦病院 腎臓血液センター2 旭化成メディカル株式会社3 1 ○松村 昌樹(まつむら まさき) 佐々木 寿子1 關塚 くみ子1 佐野 浩之1 清水 ちひろ2 小林 さつき2 田村 茂生2 植木 嘉衛2 是本 昌英3 米山 貢4 Ⅷ 臨床Ⅰ セッションⅨ 座長 甲田 豊 (甲田内科クリニック) 59.血液透析患者のHPLC法によるビスフェノールA値 元町HDクリニック 臨床検査部1 元町HDクリニック 内科2 元町HDクリニック 臨床工学部3 千葉県衛生研究所4 1 ○清水 康(しみず やすし) 申 曽洙2 佐二木 順子4 田中 和弘1 田中 和馬3 阪口 剛至3 大槻 英展3 吉本 秀之3 森上 辰哉3 岡本 磨美1 60.PS膜透析器との関連が危惧される病態について 特定医療法人五仁会 元町HDクリニック1 特定医療法人五仁会 住吉川病院2 特定医療法人五仁会 住吉川クリニック3 1 ○申 曽洙(しん じゅんす) 西岡 正登2 新光 聡子2 澁谷 浩二2 杉木 雅彦2 2 2 尾藤 良子 藤田 嘉一 駒場 啓太郎3 61.HPMの二律背反の探索(3) 流血中のamyloid β-protein(1-40),(1-42)の動態 医療法人 本村医院1 株式会社いかがく 研究開発部2 1 ○本村 俊二(もとむら しゅんじ) 山川 高哉1 安井 国香1 真柴 新一2 後藤 明子2 小川 浩司1 58.旭化成メディカル社製PS膜APS-Eによる貧血改善効果のまとめ, 長期使用成績と前向き比較試験について 公立松任石川中央病院腎高血圧内科1 公立松任石川中央病院内科2 金沢大学大学院医学系研究科腎臓内科3 金沢医科大学腎臓内科4 越野病院内科5 1 ○高澤 和也(たかさわ かずや) 高枝 知香子1 竹下 有美枝2 中屋 来哉3 北川 清樹3 和田 隆志3 横山 仁4 越野 慶隆5 河合 昂三2 22 23 15:10∼15:35 セッションⅨⅣ 臨床Ⅱ 15:35∼16:05 セッションⅨⅣ その他 座長 友 雅司(大分大学) 62.PVPは透析中のアミノ酸動態に関与するであろうか 水巻クリニック1 クラレメディカル株式会社2 1 ○河上 由加(かわかみ ゆか) 野口 栄一1 原田 康雄1 1 2 牟田 俊幸 向 誠 宮原 忠司2 山田 一代1 藤松 信二1 座長 久野 勉(池袋久野クリニック) 65.特定積層型透析器のプライミング方法の検討 ― 自動プライミングとプライミング予約 ― 腎愛会 だてクリニック 臨床工学科1 1 ○小林 肇(こばやし はじめ) 南 嘉継1 林 恭子1 名古屋 龍司1 東小野 智1 1 伊達 敏行 63.膜素材の違いによる透析中のアミノ酸漏出の差は単にダイアライザーの除去性能によるの だろうか 水巻クリニック1 クラレメディカル株式会社2 1 ○牟田 俊幸(むた としゆき) 河上 由加1 向 誠2 宮原 忠志2 66.多周波数インピーダンス計MLT-50を用いた透析患者の身体組成分析 知邑舎 メディカルサテライト岩倉1 知邑舎 メディカルサテライト知多2 知邑舎 岩倉病院 外科3 1 ○長尾 尋智(ながお ひろとも) 目叶 裕史2 高田 幹彦3 64.透析患者の栄養状態にダイアライザ−の膜素材が関与するであろうか(第2報) 水巻クリニック1 クラレメディカル株式会社2 67.全国厚生連ダイアライザー共同購入とその成果 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 臨床工学科1 1 ○牟田 俊幸(むた としゆき) 河上 由加1 山田 一代1 向 誠2 宮原 忠志2 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 腎臓内科2 厚生連人工透析多施設共同研究プロジェクト20063 1 ○塩澤 勉(しおざわ つとむ) 長澤 正樹2 田村 克彦2 厚生連人工透析多施設共同研究プロジェクト20063 16:05∼16:10 閉会の辞 佐中 孜(東京女子医科大学 東医療センター) 24 25 シ ン ポ ジ ウ ム 抄 録 集 血液浄化器性能評価基準の再検討 SY-1 SY-2 血液浄化器:性能評価の基礎 ダイアライザーの性能評価法の再検討 湘南工科大学工学部 マテリアル工学科 ○山下 明泰(やました あきひろ) 旭化成メディカル株式会社 ○上坂 正利(うえさか まさとし) 1. はじめに 日本透析医学会により「血液浄化器の性能評価法(透析 わが国の「ダイアライザー性能評価基準」は、第20回日 会誌 29(8):1231∼1245,1996)」が定められて以降、こ 本人工臓器学会大会(1982年、太田和夫大会長)開催時に、 の性能評価法が血液浄化器の標準的な性能評価法として定 同名の小冊子が発表されたことに端を発する。その後、他 着している。保険償還におけるダイアライザーの機能区分 の学会・研究会より改正案が発表されてきた。本報告では も、本評価法により測定された透析能(限外ろ過率・尿素 性能評価の基礎となっている原理および、内包する問題点 クリアランス・β2-MGクリアランス)によって定義されて について述べる。 いる。このため、ダイアライザーの保険適用を新たに申請 する際にはダイアライザーメーカーが本評価法に準拠した 2. 実験方法 性能測定を行い、人工腎臓機能分類審査会がその評価結果 各種ダイアライザについて、種々の溶質のクリアランス の妥当性を審査することとしている。なお、これらを実施 (CL)とタンパク質の篩係数(s.c.)を、水溶液系および牛 するための詳細については、実施マニュアルに別途定めら 血液系で測定した。測定は37℃で、定常状態が確認できる まで行った。 れている。 さて近年ではダイアライザーの高性能化が著しく、さら に機能区分が細分化されたことから、性能評価の精度向上 3. 結果および考察 への必要性が従来以上に高まっている。透析技術小委員会 小分子溶質のCLはいずれのダイアライザでも定常待ちを ではこれを機会に、上記のダイアライザーの性能評価法の することなく、直ちに一定となった。低分子量タンパク質 見直し・再検討を実施することとした。見直し・再検討に のCLは、ダイアライザによって直ちに一定になる場合と、 あたっては、各メーカーが実施している性能評価法を共有 定常状態まで長時間を要する場合とがあった。また、アル 化した上で、過去データを元にして検討を加えた。 ブミンの s.c. は水溶液系実験では、定常状態まで最短5時 本報告では、ダイアライザーの性能評価法の再検討の結 間程度を要した。このとき透水性能も経時的に変化してい 果について、主として以下の観点からの報告を、透析技術 るので、内部濾過に伴う物質移動の経時変化も大きい。こ 小委員会を代表して行なう。 のような場合、純粋に理論的な評価は困難であり、適当な ① 限外ろ過率の測定精度向上のための測定方法の再検討 約束事に基づいた評価が必要になる。 ② 経時的変化が性能評価結果に与える影響 ③ 各メーカー間での性能評価法の調査結果とその規準化 4. 結論 過去のダイアライザでは、除去対象溶質についてそのCL ④ マスバランスエラー(MBE)が±50%を超えるもの の取り扱いについて も s.c. も僅かな定常待ちで一定となった。最近のダイアラ イザの場合、特に透過特性が問題となる低分子量タンパク 質では、CLもs.c.も経時的に大きく変動するため、理論的 な評価が難しくなった。 29 SY-3 SY-4 SY-5 透析液清浄化:on-line HDF認可条件と ET阻止フィルタの性能基準 血液浄化器の選択に必要な性能評価基準の 考え方 血液浄化器の承認基準と性能評価基準 大分大学 医学部 感染分子病態制御講座 ○ 友 雅司(とも ただし) 大阪市立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学 ○武本 佳昭(たけもと よしあき) 長沼 俊秀 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ○末岡 明伯(すえおか あきのり) ISOにて透析液の清浄化が論じられるようになり、この 血液浄化器の性能を評価することは個々の血液浄化器の 国際整合性を目的に全ての医療機器について、名称・定 性能を客観的に把握するために、必須のことである。すな 義・分類の見直し、さらには審査制度の改正など大改訂が わち、個々の血液浄化器がどのような性能特性を持ってい あり、その一環として第三者機関による認証制度や各医療 生菌数 100 CFU/ml未満 るかで臨床現場における血液浄化器の選択が決定されると 機器の認証、承認基準の策定などが進められている。 エンドトキシン 250EU/L未満 考えられるからである。このような観点から考えると血液 血液浄化器については、1983年に「透析型人工腎臓装置 浄化器の性能評価はできるだけ臨床現場に近い方法でなさ 承認基準」が制定されて以来、久々に今回大幅に改訂され 生菌数 0.1 CFU/ml未満 れる必要がある。この観点にしたがって、1996年にin 新たに「血液透析器、血液透析濾過器および血液濾過器承 エンドトキシン 30EU/L未満 vitroでの血液浄化器の性能評価法が峰島らによって報告 認基準」が制定された。従来基準には性能評価の規定がな されている。一方、血液浄化器の性能は年々進歩してきて く、この間は学会基準が用いられていたが、今回の新承認 生菌数 10 CFU/ml未満 おり、性能評価法が決定されて10年が経過したことから、 基準には性能評価の実験系、評価条件など詳細に記載され エンドトキシン 30EU/L未満 性能評価法を見直す時期に来ているということで今回のシ ている。また、製品の承認申請に必要な臨床試験について 透析液清浄化ガイドライン(2005案)では Dialysate Ultra pure dialysate On-line prepared infusion fluid -6 ンポジウムが企画された。さらに、平成18年の保険改定で も明示されている。既に認可された製品に対し、UFRが 本邦ではエンドトキシンにおいて世界で最も厳密な規準 は血液浄化器が5つに分類されたこともあり、今後どのよ 25%以下、低分子のクリアランスが10%以下、β2-ミクロ を採用し、実行してきたが、透析液中の細菌培養について うにして適正な血液浄化器の選択を行っていくかの指標が グロブリンのクリアランスが20%以下の場合、既製品と同 の基準の設置、管理の実践は行われていなかった。 必要になっていると考えられる。また、臨床の現場におい 等とみなされ臨床試験が不要となる。膜素材のみ異なる場 とされている。 この基準案においてUltra pure dialysateの適用(どのよ ては、慢性腎不全患者の高齢化が年々進んできている状況 合には、2施設、各5症例以上(2週間使用)について血 うなfilter使用の際に適用するのか)とOn-line prepared の中で血液浄化器の選択に物質除去性能が優れた血液浄化 液適合性の評価を行うこと、性能のみが異なる場合には、 infusion fluidとUltra pure dialysateの検証(どのようにこ 器が最高の治療器具であるとはいえないような状況も出現 2施設・5症例以上(1週間使用)について性能特性の評 れらの液の清浄化基準がみたされていることを検査する してきているのが現状である。 価を行うこと、など従来に比し大幅に簡略化されている。 か)が問題となっている。 これらのことを考えると血液浄化器の選択に必要な性能 今回の承認基準はISO基準をベースにし作成された。 生菌レベルにおけるUltra pure dialysate、On-line pre- 評価基準は従来決定された評価法よりも、より臨床に近い ISO基準は定期的に改訂作業が行われており、日本の実情 pared infusion fluid の清浄度の証明に実際の培養を用いる 方法が望まれていると考えられる。また、逆に考えれば in にあった、より我が国にとって有用な基準にすることは可 ことは、特にOn-line prepared infusion fluidにおいては現 vitroでの性能評価法を極めて客観的なものとし、臨床現 能である。そのためには、海外諸国に先行し改訂の準備を 実的ではない。 場で要求される性能評価法を新たに決定することが必要で することが必要で、今回のシンポジュームでも国際標準化 あるかもしれない。 を考慮し討議することが望まれる。 特にわが国独自のシステムともいえるセントラル透析液 供給システムとそのシステム下におけるon-line HDFにお そこで、本発表では、臨床現場での血液浄化器の性能評 いては、validation(parametric method)を用いることが 価を踏まえて、in vitroにおける性能評価法に何が必要で 有用と考える。 あるかを議論するための前提を提示することを目的とした セントラル透析液供給システム、またそのシステム下で い。 の透析液清浄化において、このvalidationが導入されるこ とにより、on-line HDFの治療の安定性・安全性のより一 層の向上等が期待される。 また、この透析液清浄化におけるvalidation の導入にお いてET阻止フィルターは極めて重要なcomponent factor と考えられる。このET阻止フィルターの概念、性能基準 においての統一化、そしてその概念、性能基準が本邦にお いて共有されることが必要と考えられる。 セントラル透析液供給システムにおける透析液清浄化の validation案の例を提示するとともに、ET阻止フィルター に求められる性能等についても私案を提示し、議論を深め たい。 30 31 一 般 演 題 抄 録 集 NO.1 NO.2 分子インプリント透析膜による 濾過流量の制御 ビタミンE固定化ポリスルホン膜が白血球を 介した血小板活性化に及ぼす影響 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 芝浦工業大学 工学部 応用化学科2 1 ○大西 孝(おおにし たかし) 服部 浩二1 2 1 吉見 靖男 酒井 清孝 北里大学 医療衛生学部 医療工学科1 1 ○高橋 治子(たかはし はるこ) 小久保 謙一1 塚尾 浩1 新保 年弘1 廣瀬 稔1 小林 弘祐1 【目的】ビタミンE固定化ポリスルホン膜により、血液透 【目的】酵素のような特異結合性を示す分子インプリント 析中の酸化ストレスが軽減されることが報告されている ポリマー(MIP)グラフト膜を使用した透析膜は、ターゲ が、血小板活性化との関連は明らかになっていない。そこ ット(鋳型)物質存在下で、拡散透過速度(クリアランス) で、ビタミンE固定化ポリスルホン膜が白血球を介した血 と濾過流量(濾過係数)を変化させる。本研究では、MIP 小板活性化に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、 グラフト膜の有用性を濾過流量で検討する。 血小板のみ、また血小板・白血球共存下においてビタミン E固定の有無による血小板活性化の差異を比較検討した。 【方法】リビングラジカル重合により、L-phenylalanineイ ンプリントポリマー(L-Phe-MIP)を合成し、再生セルロ 【試料および方法】ブタ血液を遠心分離し、血漿部分より ース限外濾過膜(PLTK04310, Millpore, USA)にグラフ 採取した多血小板血漿(PRP)とそれに白血球層を加えた トした。L-Phe-MIPグラフト膜と未処理膜を用いて、超純 PRP+白血球溶液を作製した。APS-15MD (ポリスルホン 水とL-Phe水溶液の濾過流量QFを測定することで、溶液中 膜)、VPS-13H(ビタミンE固定化ポリスルホン膜)に、 にL-Pheが存在するときの濾過流量に与える影響を検討し 流量200 ml/minで4時間PRPもしくはPRP+白血球溶液を た。 循環させ、P-セレクチンの抗体反応率より活性化している 血小板の割合(活性化率)を測定した。また、PRPおよび 【結果】L-Phe-MIPグラフト膜を用いたときの超純水のQF PRP+白血球溶液にキサンチンオキシターゼを添加し、発 は未処理膜に比べて約3倍増加した。これはラジカル重合 生したスーパーオキシドによる活性化率の変化も測定し 処理により膜の空隙率が増加したためである。また、L- た。 Phe-MIPグラフト膜のQFは、鋳型物質であるL-Pheが存在 したときに約44%減少した。未処理膜のQFは、L-Pheが存 【結果】PRPの活性化率は、循環開始後に増加し、VPS- 在しても約8%しか減少しなかった。これらの結果から、 13Hの方がAPS-15MDに比べて高値を示した。白血球を加 鋳型物質L-Pheの存在によって、濾過膜にグラフトしたL- えるとAPS-15MDでは活性化率がさらに上昇したが、 Phe-MIPの空隙率が著しく減少すること(ゲート効果)を VPS-13Hでは上昇しなかった。また、スーパーオキシド刺 示している。 激により、PRP+白血球溶液では、顕著に活性化率が増加 した。 【結言】MIPグラフト膜を用いた濾過では、原溶液に鋳型 物質を含むことによって“ゲート効果”が起こり、濾過流 量が減少する。 【考察】PRPに白血球を加えると活性化率が上昇し、スー パーオキシド刺激でも上昇したことから、白血球が刺激さ れると血小板に影響を与えることが確認された。これより、 ビタミンE固定化膜では抗酸化能により白血球への刺激が 抑制されており、それにより血小板への活性化刺激が抑制 されることで間接的に血小板の活性化を抑制していると考 えられた。 【結語】ビタミンE固定化ポリスルホン膜では白血球を介 した血小板活性化が抑制される。 35 NO.3 NO.4 NO.5 NO.6 血液中のNOをモニタリングする新しい システムの開発 アルブミン漏出を抑制する非対称膜の構造 APS-DRY膜の表面キャラクタリゼーション 旭化成メディカル社製APSドライタイプ 人工腎臓の特性 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻2 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻3 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科4 1 ○南 めぐみ(みなみ めぐみ) 松田 雅人2 山本 健一郎3 薬師寺 大二4 福田 誠4 宮坂 武寛4 酒井 清孝3 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 1 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 旭化成メディカル4 1 ○松田 雅人(まつだ まさと) 山本 健一郎2 薬師寺 大二3 福田 誠3 宮坂 武寛3 小泉 智徳4 吉田 一4 酒井 清孝2 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻1 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 1 ○松川 裕章(まつかわ ひろあき) 奥岡 眞視1 松田 雅人1 山本 健一郎2 酒井 清孝2 薬師寺 大二3 福田 誠3 宮坂 武寛3 【目的】透析中、一時的に低血圧症を引き起こす症例が報 旭化成メディカル株式会社 透析事業部技術開発部1 1 ○小泉 智徳(こいずみ としのり) 小村 亮1 上住 敏士1 吉田 一1 【目的】国内におけるポリスルホン中空糸膜を使用した血 液透析器の主流はウエットタイプであったが、近年、環境 に配慮した軽量で現場でのハンドリング性の高いドライタ イプのポリスルホン中空糸膜を使用した血液透析器が市場 告されているが、これは血管系におけるNO産生バランス 【目的】構造の異なる擬似非対称膜を用いた牛血清アルブ 【目的】ドライ状態にてγ線滅菌した新規APS(SA-Dry) の崩壊が一因であると指摘されている。本研究では、透析 ミン(BSA)溶液およびビタミンB 12溶液の濾過実験によ 中空糸透析膜とウェット状態にてγ線滅菌した従来型 このような市場の多種多様な製品ニーズの要望に応え、か 患者の血液中NO濃度をモニタリングする新規システムの り、アルブミン漏出を最も抑制し、病因物質を効率的に除 APS-SA(SA)中空糸透析膜の内表面特性を原子間力顕微 つ患者のQOL向上を目的とするため、ナノレベルから膜 開発を目的とする。 去できる膜構造を検討した。 鏡(AFM)および全反射フーリエ変換赤外分光法(FT- 構造を制御し、ドライ膜として最適なポリスルホン中空糸 IR/ATR)により評価することにより、滅菌前処理条件が 膜を使用した次世代への布石となるAPSドライタイプ人工 中空糸透析膜内表面に与える影響を検討した。 腎臓を開発した。 【実験方法】NOと反応する化学発光試薬(ルミノール、過 【実験方法】孔径の異なる二種類のニトロセルロース混合エ に登場するようになった。 酸化水素水、炭酸カリウム)をリン酸緩衝生理食塩水に溶 ステル製の平膜を重ね合わせて、擬似非対称膜を作製した。 解してバッチセルに入れ、NOドナー(NOR1)を添加し 膜1枚の緻密層(孔径25 nm、膜厚105μm)と、膜5枚 【方法】γ線滅菌後SA-Dry膜およびSA膜に関して、AFMに 【結論】APSドライタイプ人工腎臓は、透析使用時(湿潤 てNOを発生させた。この際、添加量を変化させ、生じた の支持層(孔径800 nm、膜厚150μm)を重ねた擬似非対 よりRO水中の内表面構造を観察範囲5μm×5μmで観察 状態)の内表面散漫層形成状態を最適化するために中空糸 発光を光ファイバで検出した。中空糸透析膜を介してNO 称膜を用い、0.5 g / L B S A 溶 液 お よ び 0.1g/LビタミンB12 し、γ線滅菌時の透析膜環境が透析膜内表面構造に与える 膜表面のポリビニルピロリドン(PVP)の分子鎖運動性を を回収するマイクロダイアリシス法と光ファイバ発光検出 溶液を90分間濾過して、阻止率を測定した。 影響を検討した。また、内表面を露出させたSA-Dry 膜お 向上させた結果、優れた血液適合性を有している。さらに、 よび SA 膜に関して、FT-IR/ATRにより中空糸膜内表面 当社ウエット製品である「旭ホローファイバー人工腎臓 【結果】BSA濾過実験では、どの膜構造においても濾過流 の赤外吸収スペクトルを測定することで、γ線滅菌時の透 APS」の安全性に関する十分な実績、高い除去性能の継承 量は経時的に低下した。緻密層の位置が濾過入口側に近い 析膜環境が透析膜表面の化学的性質に与える影響を検討し はもちろんのこと、ドライ製品として必須である、「耐凍 【結果】NOと化学発光試薬をバッチセル内で反応させたと 構造ほど濾過流量は経時的に大きく低下した。BSAの見か た。 き、NOドナー添加量と発光強度の間には、良好な相関関 け阻止率については、どの膜構造においても一定値に収束 係が成り立つことが分かった(R2=0.981)。また、NOモニ した。緻密層の位置が濾過入口側に近い構造では、BSAの 【結果と考察】AFMによるSA-Dry 膜および SA膜の湿潤 について、製品の特徴紹介を始めとし、主にポリスルホン タリングシステムを用いた実験では、測定ごとにほぼ同様 見かけ阻止率の収束値は約0.2となったが、緻密層の位置 状態における内表面構造観察の結果、SA-Dry 膜の内表面 中空糸膜の内表面がvitroでの血液適合性および除去性能 の傾向が見られ、発光強度を示すピーク形状から、再現性 が濾過出口側に近い構造では、BSAの見かけ阻止率はほぼ 粗度(Rms)が13.5±1.9 nm(n=5)、SA膜の内表面粗度が に及ぼす影響について報告する。 が良好であった。 0となった。これらの結果から、緻密層の位置が濾過入口 17.6±0.7 nm(n=5)とSA-Dry 膜の内表面粗度が有意に 側に近い構造ほど、Alb漏出を抑制できる。ビタミンB12濾 (p<0.01)低いことから、SA-Dry 膜は SA 膜よりも散漫層 過実験では、擬似非対称膜の緻密層の位置を変えても、濾 が均一に形成され、内表面平滑性がより向上していること 過流量および阻止率に有意差は認められなかった。 を示唆していた。一方で、SA-Dry 膜および SA 膜内表面 法を組み合わせたNOモニタリングシステムを考案して、 NOを検出した。 【結言】NOモニタリングシステムを用いてNOを測定でき る。 結性」、「軽量性(運搬・ハンドリング性)」、「廃棄容易性」 も有している。本発表では、「APSドライタイプ人工腎臓」 の赤外吸収スペクトル測定(FT-IR/ATR)の結果、内表 【結言】緻密層の位置が濾過入口側に近い構造ほど、Alb 面のスペクトルに有意差が認められないことから(n=6)、 の漏出を抑制できるが、ファウリングによる膜劣化の影響 内表面平滑性の向上に対し、PVP量および化学的組成変化 を大きく受ける。膜構造の違いが阻止率に影響を与えるの の寄与は小さいものと推定された。 は、分子量の大きい物質である。 【結論】APS-Dry 中空糸透析膜は、従来の SA 膜と比較し て、湿潤状態での内表面が平滑性が向上していることが判 った。 36 37 NO.7 NO.8 NO.9 NO.10 透析用水における残留塩素濃度の測定 当院における透析液清浄化対策 ATPアナライザによる透析液生菌数測定の 迅速化 内部濾過促進型ダイアライザAPS-21EXの 性能評価 泉中央病院 透析センター1 1 ○扇谷 博(おうぎや ひろし) 佐々木 芳1 佐藤 大典1 金須 綾1 武藤 香奈1 鈴木 利哉1 鈴木 康義1 光川 史郎1 中通総合病院 血液浄化療法部1 中通総合病院 泌尿器科2 日機装東北医工株式会社3 1 ○須藤 幸恵(すとう ゆきえ) 吉岡 巧1 平野 和生1 佐々木 亘1 宮形 滋2 原田 忠2 木暮 輝明2 前田 克己3 かもめクリニック1 内科2 1 ○西山 敏郎(にしやま としろ) 柴田 猛1 金田 史香2 高橋 充生2 金田 浩2 医療法人あかね会 中島土谷クリニック 透析センター 1 医療法人あかね会 土谷総合病院 人工臓器部2 1 ○宮本 照彦(みやもと てるひこ) 中尾 司1 1 1 小野 裕明 松田 政二 谷川 智彦1 森石 みさき1 川西 秀樹2 土谷 晋一郎2 【目的】透析液清浄化の指標としてエンドトキシン測定や 【目的】近年、透析膜の大口径化と透析液を置換液とする on-line HDFの普及により、日常的な透析液のエンドトキ シンや生菌などの水質管理の重要性が高まっている。この 【緒言】完全に清浄化された透析液を用いることが義務付 【目的】近年透析液の清浄化対策が必要不可欠になってい 透析液の生菌検査には培養法が用いられ、判定までに数日 けられた透析装置(GC-110N:JMS)でのみ使用可能な 炭フィルターを交換することが重要である。 ます。当院では配管を新しくした1999年よりエンドトキシ から数週間の時間を要し、測定の迅速化が求められている。 APS-21EXは、内部濾過量を積極的に増加させ通常のHD 今回、DPD法で遊離残留塩素濃度を測定し、活性炭フィ ン値を2週に1回測定し続けてきました。さらに一昨年よ そこで、生菌はATP(アデノシン3リン酸)がほぼ一定量 モードでHDFに相応する性能の発現を目指して設計され ルターの性能評価と遊離残留塩素濃度における溶血反応に り生菌数測定も開始しました。それにより浮上した様々な 含まれ、ATP濃度を測定することで、生菌数の算定が可 た内部濾過促進型ダイアライザである。今回APS-21EXの ついて検討を行った。 問題点を改善すべく清浄化対策に取り組んだので測定結果 能であることから、ATP測定の有用性を検討した。 溶質除去に関する性能評価を行ったので報告する。 細菌検査を行っているが、総合的に管理が必要である。そ の中でも、定期的に遊離残留塩素濃度の測定を行い、活性 と合わせて報告します。 【方法】東亜ディーケーケー社製ATPアナライザAF100で、 【方法】原水・透析用水(RO水)を10ml 採水しDPD法を 【方法】週3回4時間の維持血液透析患者6名を対象に 用いたDPD試薬吸光光度法で定期的に測定を行い2種類 【方法】測定方法はエンドトキシンが比濁時間測定法、生 ATP濃度を測定し生菌数との関係を検討した。まず、生 APS-21EX(旭化成メディカル)を使用し、血流量(QB) の活性炭フィルターの性能評価を行った。また、生理食塩 菌数がメンブレンフィルター法です。対策は(1)ROタン 菌にATP抽出試薬を混合し、発光試薬を作用させて、そ が200ml/min・300ml/min・350ml/minでの溶質除去性能 水に次亜塩素酸Naを添加して残留塩素濃度(0・0.05・ クからROラインの消毒、(2)ROモジュール消毒、(3)透析 の光強度を光電子倍増管で測定した。一般に透析液の生菌 について検討した。評価項目として、小分子量物質〔UN、 0.1・0.25・0.5・1.0mg/L)に血球成分を添加し、溶血反応 液供給ライン消毒法の再検討の3つを行いました。 測定には、0∼100CFU/mlの測定感度が要求されている。 Cr、UA、IP〕および低分子量蛋白〔β2-MG、α1-MG〕の しかし、ATPアナライザの測定感度は、100CFU/ml以上で クリアランス・除去率・クリアスペース率の算出およびア あるため、透析液50mlを濾過法にて濃縮し測定感度を改 ルブミン損失量の測定を行った。 の有無を吸光光度法で測定した。 【結果】現在、エンドトキシン値はRO水・透析液ともに1 【結果】原水の遊離残留塩素は0.52∼0.78mg/Lであり、総 残留塩素は0.53∼0.80mg/Lであった。また、結合残留塩素 EU/L以下を維持しています。生菌数はRO水で0CFU/L、 善した。なお、生菌数の定量には、R2A培地を用いた。ま 透析液で0.01CFU/Lを維持しています。 た、高感度測定の試みとして、透析液500ml濾過法につい ても検討した。 濃度を求めた結果0.00∼0.03mg/Lであった。2種類の活性 炭フィルター(750mm×3本)の性能には大きな差はなく、 【まとめ】今回の対策実施により、コンソール内までの清 原水32L/minの透過量で約350∼370時間で残留塩素濃度が 浄化は達成できました。今後はこの状態の維持と、カプラ 0.1mg/L以上になり、数十時間で上昇を認められた。また、 清浄化に取り組みたいと考えています。 【結果】クリアランスはQB=200ml/minでUN=190.5ml/min、 β2-MG=80.3ml/min、QB=300ml/minではUN=266.3ml/min、 β2 -MG=94.8ml/minとなり、QB=350ml/minにおいて 【結果】透析液50ml濾過法では、ATP濃度と生菌数に有意 UN=282.3ml/min、β2-MG=98.9ml/minまで上昇した。除去 の正相関を認めた。測定感度は、1CFU/ml以上で、測定 率はQB=200ml/minでUN=60.0%、β2-MG=65.7%を示し、 溶血反応は遊離残留塩素濃度0.25mg/Lで溶血が認めら 時間は5∼6分で行えた。しかし、500ml濾過法では、生菌 QB=300ml/minではUN=70.1%、β2-MG=70.2%と上昇した れ、濃度依存性で溶血度の上昇が認められた。 が存在しない無菌水(生理食塩水、置換液)においても微 が、QB=350ml/minにおいてUN=70.9%、β2-MG=70.2%と 量のATPを検出した。 平衡状態となった。クリアスペース率はQB=200ml/minで 【結論】定期的に透析用水(RO水)の遊離残留塩素濃度 を測定し、0.1mg/L以下で活性炭フィルターを管理するこ とが大変重要であると考えられた。 U N = 5 9 . 2 % 、β2 - M G = 2 3 . 6 % 、 Q B = 3 0 0 m l / m i n で は 【結論】東亜ディーケーケー社製ATPアナライザAF100は、 UN=68.5%、β2 -MG=24.5%、QB=350ml/minにおいて 透析液の生菌を迅速測定する簡易測定器として有用であ UN=71.9%、β2-MG=25.8%という結果であった。尚、アル る。今後、500ml濾過法による高感度測定について検討す ブミン損失量については、3.2g程度でQBによる差を認め る。 なかった。 【結語】APS-21EXは低分子蛋白領域まで、血流量の増加 とともに直線的にクリアランスを上昇させる能力を有して いる。 38 39 NO.11 NO.12 NO.13 NO.14 旭メディカル社製ダイアライザー APS-EXの性能評価 ポンプレスオンラインHDF前希釈の再検討 後希釈on-line HDFにおけるダイアライザの 違いによる低分子蛋白の除去特性 On−Line HDFによるヘマトクリット値と エリスロポエチン製剤使用量に関する検討 医療法人 社団 白水会 須田クリニック1 1 ○成田 暁(なりた さとる) 小幡 優子1 二渡 妙子1 内田 麻衣子1 中田 敦子1 松井 貴広1 早川 理恵1 桑原 秀実1 森山 芳明1 若林 啓二1 小林 英雄1 田村 仁信1 須田 昭夫1 医療法人 社団協友会 八潮中央総合病院 透析科1 1 ○佐藤 典明(さとう のりあき) 原 一晃1 熊田 透1 安藤 正1 偕行会 ○田岡 吉田 門井 名港共立クリニック1 1 正宏(たおか まさひろ) 西川 裕美1 琢己1 山田 康雄1 秋山 慎哉1 里美1 佐藤 隆1 山口厚生連 長門総合病院 臨床工学科1 1 ○肥田 泰幸(ひだ やすゆき) 谷口 貴康1 野村 知由樹1 黒木 千尋1 ポンプレスオンラインHDFは、ダイアライザーに流入 【目的】当院では、透析による様々な合併症の予防及び改 積極的に逆ろ過現象が発生するように設計された高充填 する前の透析液ラインを通常より狭くしてストレスを加 率型ダイアライザー旭メディカル社製APS-EXシリーズの え、透析液圧をより高くすることで透析液圧と血液回路内 性能評価を試みた。このダイアライザーの使用条件は透析 圧の較差を作り、液置換を行う方法である。この手法によ 【目的】後稀釈on-line HDFにおいて、4種のダイアライザ 経過し、ヘマトクリット値(以下Htとする)の上昇が認 液の清浄化が保証されなければならず、ジェイ・エム・エ り補液ポンプは不要となり通常のHD間隔でHDFを行うこ による各低分子蛋白の除去にはどのような関係にあるのか められたので、On-Line HDF施行前と施行後のHt値の推 ス社製のシステムを用いて透析用コンソールは、全自動コ とが可能となる。透析液ラインにストレスを加えることは 比較検討した。 移及び、エリスロポエチン製剤(以下EPOとする)使用量 ンソールGC110Nで行った。評価ダイアライザーはAPS- コンソールにとって設計外の環境であり、ストレス強度が 21EXとし、対象ダイアライザーは、APS-21SAとした。評 過度になると、複式ポンプ方式ではバランス異常をチャン 【方法】維持透析患者7名を対象としてCS-1.6U(CS)、 価方法は、APS-21EXAでのHD治療モードに対し、APS- バー方式では透析液流量異常を引き起こすリスクがある。 FDY-150GW(FDY) 、APS-15SA(APS)、TS-1.6UL(TS) 【条件】透析開始15分後に前希釈On-Line HDFを開始し、 21SAでのHD治療モードと前希釈48LオンラインHDF治療 前希釈オンラインHDFは血液流量と同等の置換量が必要 のダイアライザを用い、後希釈10L on-line HDFモードに 血液流量150ml/min∼250ml/min、補液流量120ml/min∼ モードとの比較を行い、治療条件は血流200mL/minm、 といわれ、ポンプレスオンラインHDF前希釈ではそれに てQB200ml/min、4時間治療の条件で性能評価を行った。 250ml/minとする。 オンラインHDFの置換液は、透析液流量500ml/minmの一 伴う透析液圧と血液回路内圧の圧較差及びストレスの強度 主に低分子蛋白の除去に関して比較検討した。 部を分配、治療時間は4時透析とした。対象患者は、安定 とそれに耐えうるコンソールの仕様が必要となるため、よ 期にある慢性維持透析患者を選定した。検査は、2日空き り注意を要すると報告してきたが、近年のコンソールは 【結果】4種のダイアライザは後希釈HDFにより高い低分 の週はじめに行い、評価項目は除去率においてUN,Cr, 様々な改良がされておりうまく利用すればポンプレスオン 子蛋白の除去性能が得られた。β2-MGの除去率が高い症例 UA,iP,β2-MG,α1-MG、除去量において、UN,β ライン前希釈も可能であることが示唆された。今回、ポン ほどβ2-MGのクリアスペースは低下する傾向がみられた。 -MG,α1-MG,アルブミンとし、透析排液を経時的に採 プレスオンラインHDF前希釈を最新のコンソールで新た また、治療前・後ヘマトクリットの濃縮およびβ2-MG、α 【結果および考察】On-Line HDF施行前1年間のHt値の平 取し、経過ごとの変化を観察した。採取時期は0分∼5分、 な工夫を再検討したので報告する。また、透析膜について 1 -MGクリアスペースの関係でAPSはアルブミン漏出を抑 均は26.4%であり、施行1年後では26.0%、2年後では 5分∼10分、10分∼20分、20分∼30分、30分∼60分、60分 も同手法によって尿毒素除去効率やアルブミンロスについ えながら良好な除去が示唆された。 28.7%、3年後では32.1%、4年後では35.1%まで上昇した。 ∼120分、120分∼180分、180分∼240分とした。APS- て検討を行ったのであわせて報告する。 2 21EXにおいて高い逆ろ過現象を示すような低分子蛋白の 除去能の結果を得たので報告する。 善を目的として、前希釈On-Line HDFシステムを導入し、 多くの患者様に施行している。On-Line HDF施行から4年 の推移を比較検討したので報告する。 【対象および方法】当院でOn-Line HDFを受けている外来 患者様10名に、On-Line HDF施行前1年間と施行後4年間 のHt値の推移、及びEPOの使用量を比較した。 EPO使用量については、Ht値の上昇に伴い使用量も減少 【結論】分子量30kDを超える低分子蛋白の除去は濾過に した。透析1回あたりの対象者全員の平均のEPO使用量は、 依存する傾向がみられた。4種のダイアライザは後希釈 施行前1年間では2262.2単位であり、施行1年後では HDFにより高い低分子蛋白の除去性能が得られ、アミロ 2157.6単位、施行前に比べ104.6単位(4.6%)の減量、2年 イド症状の緩和に期待できると考えられた。 後では1767.9単位、494.3単位(21.9)%の減量、3年後では 1772.1単位、490.1単位(21.7%)の減量、4年後では1357.8 単位、904.4単位(40.0%)の減量ができた。On-Line HDF システム導入により、Ht値の上昇がみられ、それに伴い EPO使用量も減量できたと考えられる。 【結語】今後もOn-Line HDFを施行するにあたり、透析液 清浄化を保ち安全に行い、より多くの患者様に提供してい きたい。 40 41 NO.15 NO.16 NO.17 NO.18 前希釈HDFと後希釈HDFの炎症性 サイトカイン活性化に及ぼす影響 東レ社製モイストタイプポリスルホン膜 透析器CS-Uの性能評価 東レ社製CS−1.6Uの性能評価 東レ社製モイストタイプ透析器CS-1.6Uの 性能評価 川島病院1 1 ○中村 雅将(なかむら まさゆき) 細谷 陽子1 廣瀬 大輔1 田尾 知浩1 鈴木 浩司1 土田 健司1 水口 潤1 川島 周1 山東第二医院 臨床工学部1 山東第二医院 内科2 1 ○長谷川 文夫(はせがわ ふみお) 後藤 博之1 惠 らん2 惠 以盛2 最近、γ線架橋によるPVP溶出抑制と、透析液の分配性 【目的】HDF(血液透析濾過)はHD(血液透析)とHF を均一化する特徴を兼ね備えたスリット付き全周バッフル (血液濾過)を組み合わせた血液浄化療法で小分子量物質 構造を持つ東レ社製ポリスルホン膜“トレスルホン”TS から大分子量物質までバランスの良い溶質除去が可能であ の特性をそのままに、同社よりモイストタイプのポリスル る。炎症性サイトカインもHDFによる除去のターゲット ホン膜“トレライト”CSが開発された。 (財)甲南病院 中央人工腎臓部1 (財)甲南病院 内科2 1 ○保月 栄一(ほづき えいいち) 土谷 武嗣1 1 1 三好 千鶴 岡本 綾子 藤井 清孝1 荒川 隆宗1 井上 紀子1 武本 博子1 藤森 明1 坂井 誠2 石心会 川崎クリニック1 昭和大学横浜市北部病院 ME室2 昭和大学藤が丘病院 臨床工学室3 1 ○亀井 信貴(かめい のぶたか) 吉川 美穂1 山本 浩靖1 長澤 建一郎1 高木 真澄1 武田 勝1 佐藤 健1 鶴澤 一行1 佐藤 宜伯2 小林 力3 宍戸 寛治1 【目的】膜中に含まれる水分量を最適化し、ドライに近い 水分量を持つ東レ社製モイストタイプダイアライザー 【目的】東レ社製モイストタイプ透析器CS-1.6Uの溶質除去 となるが、治療そのものによるサイトカインの活性化も報 CSは、「モイスト」タイプ技術によりダイアライザー内 告されている。前希釈HDFと後希釈HDFとの間で、治療 の酸素濃度および水分量を最適化してγ線滅菌を行うこと によるサイトカインの活性化に差異が見られないかを検討 によりPVPを架橋固定して、さらに分解を抑制することに 【方法】安定した慢性腎不全患者5名を対象とし、CS− した。 より溶出物を低減することが特徴である。透析膜内外とも 1.6Uと同じ4型であるフレゼニウス川澄社製PS−1.6UWを 【対象及び方法】安定期透析者5名を対象にCS-1.6U(CS)、 に水分が存在しない「ドライ」タイプに対し、最適化され クロスオーバーで使用し、溶質除去率、クリアランス、ア TS-1.6UL(TS)、APS-15SA(APS)を用い、HDおよびOn- た水分量を持つCSは膜内のみに水分が存在する。 ルブミン漏出量、内部濾過流量、目視による残血評価、に line HDF pre40L、post10Lの各治療法におけるUN、Cr、 ついて比較検討を行った。 iP、β2-MG、α1-MGのクリアランスおよび除去率、除去量、 【方法】本院でHDFを施行されている安定した患者5名 CS−1.6Uの性能評価を行った。 性能およびプライミング量別の残留溶出物について検討し た。 (男性1名、女性4名)を対象とした。全例、ダイアライ 今回、私たちは血液と透析液の流れを均等化した3-Dマ ザー(川澄社製PS-1.9UW)、血流量(QB 250mL/min)を イクロウェーブ構造とナノコントロールスピニングテクノ 統一し、置換液量30Lの前希釈HDFと置換液量10Lの後 ロジー(NCS)ならびに改良された血液注入口を持つフレ 【結果】尿素窒素、クレアチニン、リン、β2-MGの除去率 流量200ml/min、透析液流量 500ml/minとし、除去量は透 希釈HDFを週3回、1回あたり4時間、1週間ずつ施行し ゼニウス社製「ドライ」タイプポリスルホン膜FPXとの性 及びクリアランスでは同等の性能を有していたが、プロラ 析液廃液を全量貯留し測定した。また、0∼1000mlの生食 た。週の中日に治療前後でのサイトカイン(IL-6,IL-1β, 能比較を行ったので報告する。 クチン以上の低分子量蛋白領域でCS−1.6Uの方が高い除 で透析器を洗浄したプライミング廃液中の残留溶出物を紫 TNF-α,ICAM-1)値、高感度CRP,UN,Cre,β2-MG, 去率とクリアランスを示した。アルブミンの漏出量はいず 外線吸光度で比較した。 α 1-MG等を測定し、置換液の補充方法によるサイトカイ れも、1セッション1g以下であった。内部濾過流量は、 ンの活性化の差、溶質除去量について比較した。 CS−1.6Uの方が高い傾向を示した。残血評価は、PS− Alb漏出量、クリアスペースを測定した。透析条件は血液 1.6UWの方が優れていた。 【結果】前希釈、後希釈とも治療後のIL-6値は透析前より 【 結 果 】 β2 - M G の 除 去 量 は H D で C S 1 6 3 . 2 、T S 1 5 9 . 1 、 A P S 1 4 7 . 6 m g 、p r e 4 0 L に お い て も 各 々 1 7 8 . 9 、1 7 1 . 7 、 165.4mgとCS、TS、APSの順に高値を示したが有意な差は 高値を示した。また優位差は認められなかったものの 【考察】プロラクチン以上の低分子量蛋白領域でCS−1.6U 認められなかった。Alb漏出量はHDでAPS0.4±0.1gに比 (p=0.06)、後希釈HDFでより活性化される傾向が認めら がより高い除去率とクリアランスを示したのは、内部濾過 し、CS0.9±0.1g、TS0.7±0.1gと有意に高値であった。ク 流量の高い事が関与していると考えられる。 リアランスは全ての治療法においてUNでAPS、TS、CSの れた。IL-1β,TNF-α,ICAM-1では前希釈HDFと後希釈 HDFの間に有意差は認められなかった。 順に有意な高値を示したが、β2-MGでは有意な差はみられ 【結論】CS−1.6Uはポリスルフォン膜の中でも、より領域 【結論】HDF療法はサイトカインの活性化が起こりにくく、 なかでも前希釈HDFは炎症性サイトカインの活性化を来 たしにくい治療方法であることが示唆された。 なかった。β2-MGのクリアスペースはpre40LでAPS6.4Lに を特化した低分子量蛋白の高い除去が期待できる。しかし、 比し、CSで7.2Lと有意な高値を示した。他の治療法におい ダイアライザーの残血評価には課題が残った。 てもCS、TS、APSの順に高値を示したが有意な差は見られ なかった。紫外線吸光度による残留溶出物はCS<TS<APS の順に低値を示した。 【結論】CS-1.6Uは小分子量物質から低分子量蛋白まで良好 な溶質除去性能を有し、洗浄後の残留溶出物が少ない臨床 上有用な透析器と考えられた。 42 43 NO.19 NO.20 NO.21 NO.22 新しいモイスチャータイプダイアライザー CS-1.6Uの臨床評価 CS-Uの性能評価と栄養学的にみた使用法 PES-150Sβの性能評価 新しいⅤ型dialyzerPES-210Sβと APS-21Eの臨床性能比較 大分内科クリニック 臨床工学部1 大分内科クリニック2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 1 ○河野 桂子(かわの けいこ) 福田 利恵1 小野 和子1 吉上 早苗1 坂下 亨1 大塚 孝幸1 松山 家久2 福田 誠3 薬師寺 大二3 宮坂 武寛3 医)社団清永会 天童温泉矢吹クリニック 臨床工学室1 矢吹病院 臨床工学室2 矢吹病院 内科3 東レ株式会社 医療器材事業部4 1 ○向谷地 志乃(むかいやち しの) 江刺 志穂2 樽石 江梨子1 五十嵐 洋行1 政金 生人3 久保田 昌裕4 石心会 川崎クリニック1 昭和大学横浜市北部病院 ME室2 昭和大学藤が丘病院 臨床工学室3 1 ○佐藤 健(さとう けん) 吉川 美穂1 山本 浩靖1 長澤 建一郎1 高木 真澄1 亀井 信貴1 武田 勝1 鶴澤 一行1 佐藤 宜伯2 小林 力3 宍戸 寛治1 みはま病院 ME部1 1 ○鈴木 一哉(すずき かずや) 後藤 雅宏1 武田 稔男1 内野 順司1 正井 基之1 河野 孝史1 吉田 豊彦1 【背景】従来からあるV型のdialyzerはPolysulfone膜であ るAPS-Eのみであったが、今回Polyethersulfone膜のPES210Sβが新たに加わった。 【緒言】ダイアライザーはその機能性の観点からポリスルフ 【目的】東レ・メディカル社から新たなPS膜のモイストタイプ 【目的】ニプロ社製5型透析器PES-150Sβ(PES)の溶質 ォン中空糸膜を使用したダイアライザーが主流となっている CS-Uが開発された。CS-Uは同社のTS-ULと同等の除去性 が、最近本邦では取扱性のよいドライタイプの製品が使用 能を有するものとされている。そこで、臨床的にどの程度 され始めている。東レ社のモイスチャータイプのポリスルフ の除去性能を有し、また前希釈on-line HDF施行時でもTS- 【対象及び方法】安定期透析者5名(平均年齢58±10歳、 ォンダイアライザーCS-1.6Uも、従来のウェットタイプのダイ ULと同等の除去性能が得られているかを検討した。また、 平均透析歴21±5年)を対象にPESと、同じく5型透析器 アライザーに比して軽量で取扱性がよく、またγ線滅菌を踏 栄養学的な変化が見られないかを比較検討した。 APSを用いて4時間HD(QB200ml/min、QD500ml/min) 除去性能をAPS-15E(APS)と比較検討した。 【目的】PES-210SβとAPS-21Eの臨床性能を比較する。 【対象】維持透析患者男性6名(透析時間4hr) 。 【方法】dialyzer をAPS-21E(APS),PES-210Sβ(PES) を施行し、UN、Cr、iP、β2-MG、α1-MGのクリアランス の順にクロスオーバーで使用し、Urea,Crea,iP,β2-MG, 指したダイアライザーである。さらに、全周バッフル構造を採 【対象・方法】当院で前希釈on-line HDF施行中でTS-UL使 および除去率、除去量、Alb損失量、クリアスペースを測 α1-MGのクリアランス、除去率、除去量、クリアスペース、 用したポリプロピレン製ハウジングとクリンプ中空糸を用い 用中の慢性維持透析患者5名。測定方法はTS-ULからCS-U 定した。除去量は透析液排液を全量貯留し測定した。低分 Alb漏出量、白血球数,血小板数の経時変化と残血状態を ている。今回臨床にて当該ダイアライザーを使用する機会 へ変更し、各々HDとQf12/h前希釈on-line HDFを施行し 子量蛋白の除去率はHtにて補正した。 比較した。除去量と漏出量は、透析液排液を開始から一定 襲しつつドライタイプにおいて懸念される溶出物の軽減を目 を得たので、溶質除去性能、残血状態および随伴症状の有 た。測定項目はUrea N、Cre、UA、iP、β2MG、α1MGの 無、プライミング性やカプラーとの嵌合性(気密漏洩性) クリアランス、除去率、除去量、ALB漏出量を算出した。 【結果】クリアランスは、PESのUN(184.5±1.7ml/min)、 といった取扱性について検討した。 また、栄養学的指標としてアミノ酸の除去率、除去量及び β2-MG(94.1±3.4 ml/min)において有意に高値であった。 レプチン除去率を算出した。 除去率は、β2-MGはPES(74.5±3.6%)、APS(73.5±2.9%) 【結果】両膜使用時で除水量と各溶質の透析開始時血中濃 【方法】維持透析患者4名を対象とし、CS-1.6U(膜面積 速度で1,2,3,4時間目までシリンジポンプにて採取し、 濃度×(透析排液量+除水量)より算出した。 と有意差は見られなかったが、α1-MGではPES(31.4±5.0%)、 度に有意差はなかった。血液流量200ml/minでのクリアラ 【結果】HD施行時の小分子領域の除去量に差はなかった。 APS(23.2±2.5%)とPESで有意に高値であった。除去量 ンス(ml/min)は、UreaでPES 195.5±0.8、APS 185.7± APS-15SA(膜面積1.5m 、以下APS)のダイアライザ−を 小分子から低分子蛋白領域のクリアランス、除去率、低分 は、β2 -MGはPES(170.0±35.3mg)、APS(161.6± 1.8、β2-MGでPES 108.2±2.4、APS 103.7±2.8とPESが有 1週間ずつ使用し、除去性能、生体適合性、残血、プライ 子蛋白の除去量はCS-UよりTS-ULが優れていた。ALB漏 30.4mg)と有意差は無かったが、α1-MGではPES(96.6± 意に高値を示した。除去量(mg/HD)は、β2-MGでPES ミング性、カプラーとの嵌合性を評価した。 出量もCS-UよりTS-ULが優れていた。アミノ酸、レプチ 8.8mg)、APS(78.6±13.41mg)と有意に高値であった。 219.0±14.8、APS 196.8±38.0、α1-MGでPES 76.9±18.6、 ン除去率はCS-UよりTS-ULが優れていた。アミノ酸の除 Alb漏出量はPESで(2.9±0.5g/session)、APSでは(1.3± APS 67.8±7.0と小分子量物質ともに両膜間で有意差は認 去量は測定誤差が大きかった。 0.4g/session)とPESで有意に高値であった。 められなかったが、PESで高値の傾向を示した。Alb漏出 1.6m 2 、以下CS)、TS-1.6UL(膜面積1.6m 2 、以下TS)、 2 【結果】尿素窒素1時間クリアランス及び除去率はCSに対 しAPSで、尿素窒素1、4時間クリアランスはCSに対しTS 量(g/HD)は、PES 2.8±1.3、APS 2.0±0.2と有意差は認 で、β2-MG4時間クリアランスはCSに対しAPSで有意に 【考察】HD施行時に関してCS-Uは、TS-ULより有効長が 【結論】PES-150Sβは、α1-MGの除去率で30%以上、除去 められなかったがPESで高値の傾向を示した。白血球、血 高値であった。WBCやPLTには有意差は見られなかった。 長く、充填率も高いため、内部濾過量が高くなり、血液側 量で96.6mgと低分子量蛋白領域で高い溶質除去性能を有 小板数の経時変化は、両膜間に有意差はなかった。残血は、 残血性はCSに対しAPSが有意に残血がなく、TSとは同等 の膜表面に蛋白ゲル層がTS-ULより大きく形成されると推 し、一方Alb漏出量は、3.0g/session程度に抑えられてお PESで2名に認められ凝固剤を増量した症例も存在した。 であった。CSのプライミング時の生理食塩水使用量とエ 察され、透析性能に影響が出たものと考えられた。一方、 り臨床上有用な透析器と思われた。 ア抜け性の関係では250ml使用時点で十分な気液置換が行 臨床ではCS-U使用中の前希釈on-line HDF施行患者に血清 【結語】PES-210SβはAPS-21Eに比し、小分子量物質から われ、カプラーとの嵌合性についても従来製品と同様であ ALB値が低下する症状が見られたことから、前希釈on-line 低分子蛋白までの溶質除去において優れている傾向を示し った。取扱性については臨床使用上特に問題はなく良好で HDFではALB漏出量の変化が大きい可能性があると考え た。また、Alb漏出、残血性はやや劣っていたが、安全に あった。 られた。 臨床使用可能であると思われる。 【考察】プライミング時のエア抜けを含む取扱い性につい ては、CSは良好な結果が得られたが、今回対照としたTS 【結語】CS-Uはアミノ酸、ALB漏出量を考慮した使用が必 要である。 やAPSに比し、その溶質除去性能と残血性については、更 に改善されることを期待したい。 44 45 NO.23 「PES-Sβ」の臨床における使用経験 中通総合病院 血液浄化療法部1 中通総合病院 泌尿器科2 1 ○平野 和生(ひらの かずお) 佐々木 亘1 1 1 村上 亨 松岡 厚志 高橋 大輝1 播磨 由佳子1 斎藤 雄亮1 平塚 広樹1 宮形 滋2 木暮 輝明2 原田 忠2 NO.24 NO.25 NO.26 V型中空糸型透析器PES210Sαの 臨床評価 PES210Sαの性能評価 V型ダイアライザーPES-Sαの溶質除去性能 とビスフェノールAの溶出に関する検討 池袋久野クリニック 血液浄化センター1 1 ○尾竹 薫(おたけ かおる) 柏 雅康1 廣瀬 伸彦1 久野 勉1 川島病院1 1 ○英 理香(はなぶさ りか) 細谷 陽子1 田尾 知浩1 土田 健司2 水口 潤2 川島 周2 【目的】新機能分類(保険区分)V型に属するポリエーテルス 慢性維持透析患者の合併症の一つである透析アミロイド ルフォン膜中空糸型透析器PES210Sα(NIPRO)を試用す ーシスの原因物質としてβ2MGが関与しており、その対策 る機会を得たので、その臨床的評価を行った。 には低分子量蛋白領域の物質除去能および生体適合性に優 【目的】今回、私たちは、ニプロ社製ポリエーテルスルフォ 2 れた膜の使用は必須である。 藤田保健衛生大学病院 血液浄化センター1 藤田保健衛生大学病院 腎内科2 藤田保健衛生大学 短期大学3 1 ○山田 幸恵(やまだ さちえ) 石川 正敏1 新 典雄1 加藤 政雄1 村上 和隆2 富田 亮2 杉山 敏2 堀 秀生3 大橋 篤3 【目的】V型ダイアライザーは低分子量タンパクの高い除 【方法】当院に通院中の安定した外来維持透析患者で文書 昨年、保険医療の改訂が行われ、透析膜はβ2MGのクリア 去性能を期待できるが、同時にアルブミン(Alb)漏出量 2.1m の面積において、臨床での使用を経験したので報告 による同意の得られた5例(年齢平均52.4±10.9歳、DW ランスでⅠ∼Ⅴ型に機能分類された。しかしβ2MGの高い の増大が懸念される。今回、Alb漏出量低減を実現したと する。 平均67.5±14.9Kg)を対象とし、平均血流量244±25ml/分、 除去能を有するⅤ型に分類されているのは、旭化成メディ されるニプロ社製ダイアライザーPES-Sαを使用する機会 透析液流量500ml/分の条件にてPES210Sαを連続8週間 カル社製ポリスルホン膜ダイアライザーであるAPS-Eシリ を得たので溶質除去性能とビスフェノールA(BPA)の溶 ーズのみである。 出に関して検討した。 ン膜ダイアライザー「PES-Sβ」シリーズ(V型)の1.5m 及び 2 【方法】当院の外来透析患者7名を対象とした。ダイアラ (24session)使用し、この間に各種溶質(Urea,Cr,Pi, イザーのみを、同面積の「PES-Sβ」に変更し、他の治療 β2MG,PRL,α1MG)の除去率およびクリアランスと全排 Ⅴ型透析器として新たに開発されたニプロ社製PES-Sα 条件は変更せず、物質除去について分析してみた。 液貯留による除去量、アルブミン漏出量、生体適合性(白 は皮下埋め込み型カテーテルなどの医療用具に用いられて 血球数、血小板数およびC3aの経時的変化)、目視での中 きた実績のあるポリエーテルスルフォンを透析膜素材とし 空糸残血、治療中の臨床症状等について評価した。なおク て使用しており、生体適合性に優れている。また、ポアサ 【方法】PES-150Sα(PES)とAPS-15E(APS)を2週間 率の平均は、UN(55.2%)、β2-MG(16.0%)となった。 リアランス測定は全例で透析開始後1時間に血流量 イズを均一化させることによりアルブミンのロスを抑え、 ずつクロスオーバーで使用した。各ダイアライザー使用最 同じくHDFでは、UN(72.1%)、β2-MG(21.0%)となっ 200ml/分、除水速度21ml/分に設定し5分以上の定常状 小分子量物質から低分子量蛋白領域の除去効率を向上させ 終日に採血,透析排液の採取を行い、小分子量物質の除去 た。「PES−210Sβ」使用のHDFでは、UN(62.0%)、β2- 態として施行した。透析液はエンドトキシン濃度が各コン た透析器である。 率とクリアランス、及び低分子量タンパクの除去率,総除 MG(19.8%)となった。 ソール末端のカプラーoutにて検出感度以下であることを 【結果】「PES-150Sβ」使用の、HDでは、クリアスペース 確認した。 【考察】今回は患者が従来使用しているダイアライザーと 今回、我々はPES-210Sαを使用する機会を得たので、 【対象】維持透析患者5名。 去量,クリアランス,クリアスペースを算出し比較した。 旭化成メディカル社製APS-21Eとのクロスオーバー試験を また、Alb漏出量の算出と比較も行った。BPAも同日の透 実施し、溶質除去能を比較検討し報告する。 析前後で採血した。 の個人的な比較になってしまっているが、物質除去におい 【結果】主要な溶質のクリアランスは、ureaで平均195.8± て「PES-Sβ」はV型のダイアライザーとして十分な性能 0.61ml/min,β2MGで平均109.7±2.52ml/min,PRLで平均 を有していると考えられる。私達のデータを臨床での治療 53.1±3.95ml/min,α1MGで平均21.48±2.57ml/minと良好 を認めなかった。α1 MGは、除去率がPES14.2±2.7%, 方法の検討に役立てていただければ幸いです。 な除去性能が得られ、かつアルブミン漏出量は除水量平均 APS19.3±1.5%で有意差を認めたが、他の項目では有意差 3.6±0.82L/sessionの条件で、平均2.92±0.85g/sessionであ を認めなかった。Alb漏出量は、PES0.79±0.34g, った。白血球数および血小板数の変化は、透析開始時を APS1.27±0.29gで有意差を認めた。BPAは、両ダイアライ 100%とした際に15分にてそれぞれ平均87±6%、99±3%、 ザーとも透析後に有意に低下した。 【結果】β2MG除去性能は、両ダイアライザー間で有意差 30分で82±9%、98±5%と軽微であったが、C3aは30分後 に上昇する例が5例中2例認められた。 【結語】PESはAPSと同等のβ2MG除去性能を有している と考えられた。Alb漏出量はPESを使用することで、APS 【結語】PES210Sαは小分子から中大分子量物質まで優れ に比し有意に低減させることが可能であると考えられた。 た除去性能を有するV型透析器であり、HDでの使用にお また、 BPA暴露に関しては両ダイアライザーとも安全で けるアルブミン漏出量は許容範囲と考えられた。なお生体 あると考えられた。 適合性については、今後多数例でのさらなる検討が必要と 思われた。 46 47 NO.27 NO.28 NO.29 NO.30 大面積親水化PEPA膜ダイアライザー FDY-250GWとPS膜APS-25SAの溶質 除去性能の比較検討 大面積PEPA膜ダイアライザー FDY-250GWのHDおよび 前希釈on-line HDFでの性能評価 セルローストリアセテート(CTA)膜 FB-150Uβの性能評価 IV型ダイアライザーの性能評価 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 臨床工学科1 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 腎臓内科2 1 ○横田 大将(よこた だいすけ) 高橋 延之1 塩澤 勉1 田村 克彦2 長澤 正樹2 橋本クリニック1 湘南工科大学マテリアル工学科2 1 ○朝日 大樹(あさひ だいき) 山内 芙美1 高橋 美枝1 齋藤 毅1 桜井 健治1 山下 明泰2 土浦協同病院 臨床工学部1 土浦協同病院 腎臓内科2 1 ○高久 雅孝(たかく まさたか) 中澤 寿人1 1 1 高野 真史 小串 美由紀 久松 学1 倉持 龍彦1 関 貴弘1 堀井 京子1 寺田 紀子1 上野 信一1 松井 則明2 【目的】透析効率を改善させるには、大面積ダイアライザ (財)甲南病院 六甲アイランド病院 中央臨床工学室1 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 循環器科2 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 腎臓科3 (財)甲南病院 六甲アイランド病院 血液浄化セン ター4 1 ○中村 拓生(なかむら たくお) 岡 育実1 常深 智子1 伊勢崎 龍1 木原 信也1 中田 充生1 松藤 昭宏1 三上 修司2 中尾 尚之3 長谷川 裕人4 ーを使用するのも選択肢の一つである。近年、大面積ダイ 【目的】体重70kgを超える透析患者が稀ではなくなり、高 【目的】今回、従来のニプロ社製ダイアライザーFB-150U アライザーの適応患者は生活習慣の変化などに伴ない増加 体重患者のダイアライザー選択は今まで狭い範囲であった のポアサイズを均一化しβ2-MGの選択除去性能を向上させ し需要も増えている。今回、従来の親水化PEPA膜を大面 が、PEPA膜ダイアライザーで透析面積2.5m のFDY- たFB-150Uβの性能評価を行ったので報告する。 積化し、更に充填率を上げた日機装社製ダイアライザー 250GWが発売された。今回われわれは、HDおよび前希釈 FDY-250GW(以下FDY)と、ハウジングの最適化とウエ on-line HDFモードでFDY-250GW を性能評価し、同タイ 【方法】当院の維持透析患者6名にFB-150Uβ(以下FB) 別分類は、1.5m2を境とする面積での分類に加え、β2-MG ービング中空糸を持ち合わせる同面積の旭化成メディカル プのFDY-210GWおよび他社大面積PS膜ダイアライザ−と と旭化成メディカル社製APS-150SA(以下APS)をクロ の除去率に応じて I∼V型の5種類の分類へと変更された。 社製PS膜ダイアライザーAPS-25SA(以下APS)でHDに 比較検討した。 スオーバーにて使用し、小分子物質(UN、UA、Cr、IP) そこで自施設でのシェアが多い IV型ダイアライザーの性 及び低分子量蛋白質(β2MG、α1MG)の除去率とクリア 能評価を改めて実施すると共に、従来から発売されている ランス、低分子量蛋白質の除去量ならびにアルブミンの漏 PS-1.9UW(PS膜)と、2006年に新たに発売されたFB- 出量を測定した。 190Uβ(TCA膜)とを溶質除去性能,生体適合性,および 2 おける溶質除去性能の比較検討をした。 【方法】対象は維持透析患者9名(年齢49.9±11.3歳、透析 【対象・方法】当院維持透析患者6名(男性6名、平均年 歴12.2±8.6年、基礎体重60.4±7.6kg)で、透析時間は 【目的】2006年4月以降血液透析用ダイアライザーの機能 齢51.6±5歳、平均DW70.8±12.0Kg、平均透析歴14.1±4年) HD・HDFともに4時間とし、Qb200および240ml/minで評 に同条件(週3回、各4時間、QB250ml/min、QD500 価した。HDFはQd total500ml/minで50L液置換とした。 【結果】小分子物質は除去率、クリアランス共に差を認め ml/min)で1ヶ月間のクロスオーバー使用し、それぞれ 評価項目は、小分子物質と低分子蛋白領域物質の除去率・ なかった。β2MGは除去率、クリアランス共にAPSが高値 【対象および方法】安定維持透析患者6名を対象に、FB- のUN、Crea、UA、iP、β2-MG、α1-MG、アルブミンの透 クリアランス・クリアスペース、アルブミン漏出量、リン を示したが除去量ではFBが高値となった。α1MGは除去率、 190Uβ(以下FB)とPS-1.9UW(以下PS)を2週間のクロ 析開始前後の血中濃度、透析開始1時間後のダイアライザ 除去量とした。 除去量でFBが高値を示した。アルブミン漏出量(g/HD) スオーバーにて使用し、小分子物質(UN,Cr,IP)と低分 はFBで1.0±0.3g、APSで0.4±0.1g(p<0.01)と二群間 子量蛋白(β2-MG,α1-MG)のクリアランス,除去率,お に有意差を認めた。 よびAlb漏出量を測定した。また生体適合性の指標として ー入口・出口の血中濃度及び、一透析当たりのβ2-MG、ア ルブミンの除去量を測定し、除去率・除去量・クリアラン ス・クリアスペース率で比較検討した。 【結果】FDY-250GWのHDおよびHDF(Qb200ml/min)で 抗凝固性について比較を行い、有用性を検討した。 の除去率(%)はBUN65.0・63.0、Creat 59.9・58.3、β2MG WBC数,Plt数,C3aの経時的変化,抗血栓性の指標として 73.1・77.8、α1MG 25.8・31.6であった。アルブミン漏出量 【考察】小分子物質に関してはFBとAPSは同等の溶質除去 【結果】小分子物質の除去能については両者にほぼ差は無 (g)は2.3・3.6であり、α1 MGのクリアスペース(L)は 性能を有していると考えられる。低分子量蛋白質において く良好な数値を示した。β2-MGのクリアランスではFDY 1.06・1.35であった。リン除去量(mg)は、HDで1268、HDF β2MGは除去率でAPSが高値を示し、除去量でFBが高値 で84.9±6.94ml/minであり、アルブミン漏出量は3.17± で1269であった。他社PS膜ダイアライザーに比し小分子 となった事は、両ダイアライザー間におけるβ2MGの膜へ 【結果】低分子量蛋白におけるクリアランスでは、FBで 1.44gであった。 量ではやや劣ったが、低分子蛋白量物質の除去性能では優 の吸着の差による可能性が推察された。FBはアルブミン β2-MG=55.7 ml/min,α1-MG=14.7 ml/minであり、PSは 位性を示した。また、透析条件の検討で除去率β2MG80% 漏出量が1.0±0.3gと薄膜セルローストリアセテートとし β2-MG=58.1 ml/min,α1-MG=11.5 ml/minであり、β2-MG 以上、α1MG40%以上、アルブミン漏出量5g以下が可能 ては低値に抑えられた。 ではPSが有意に高く(p<0.05),α1-MGではFBが有意に高 【まとめ】中空糸充填率を上げたFDYで小分子から低分子 蛋白まで、バランスの良い除去性能を示した。 であると思われた。 るものの、アルブミン漏出量が過大にならずに低分子蛋白 評価した。 かった(p<0.01)。また除去率ではFBでβ2-MG=64.3%, 【結語】FB-150Uβは IV型ダイアライザーとして高い除去 【結語】FDY-250GWは小分子量物質の除去性能はやや劣 PF4,β-TG,TATの経時的変化、また膜残血を目視にて 性能を有したHPMである。 α1-MG=21.6%であり、PSはβ2-MG=65.5%,α1-MG=1.0%で あり、α1-MGでFBが有意に高かった(p<0.01)。また、他 項目の較結果にも若干の検討を加え報告する。 領域物質の除去性能は優れていて、HDおよび前希釈 online HDFに適したダイアライザーであると考えられた。 48 49 NO.31 NO.32 NO.33 NO.34 透析施行中の簡易的な内部濾過推定法 リップル構造を有するPES-150Sαの 透析液側流量変化による水系性能評価 ニプロ社製PES-Sαの透析液側における チャネリングの比較検討 新型透析器のパルスレスポンス法と 局所圧力測定による透析液流動評価 東京女子医科大学 臨床工学部 血液浄化療法科 1 東京女子医科大学 臨床工学部2 東京女子医科大学 臨床工学部 血液浄化療法科 1 東京女子医科大学 臨床工学部2 東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科3 東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科3 ニプロ株式会社4 1 ○石森 勇(いしもり いさむ) 茂木 佳奈1 村上 淳1 金子 岩和1 峰島 三千男2 春原 隆司4 増田 利明4 秋葉 隆3 二プロ株式会社4 1 ○茂木 佳奈(もぎ かな) 石森 勇1 村上 淳1 金子 岩和1 峰島 三千男2 春原 隆司4 増田 利明4 秋葉 隆3 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻2 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科3 1 ○長谷川 真衣(はせがわ まい) 山本 健一郎2 酒井 清孝2 薬師寺 大二3 福田 誠3 宮坂 武寛3 釧路泌尿器科クリニック1 1 ○大澤 貞利(おおさわ さだとし) 山本 英博1 久島 貞一1 【目的】高性能化されたダイアライザは、透水性が高く、 低分子量蛋白除去を目的として膜孔径が拡大されており、 大量の内部濾過が発生していると考えられる。内部濾過量 の測定は困難であるが、内部濾過量を把握することは重要 であり、除水を行っている通常の血液透析施行中に推定可 能な方法を検討した。 た新しい透析器について、透析液流動状態を従来型透析器 【目的】近年透析液側流動状態の改善を目的としたさまざ 【緒言】チャネリングとは流れの偏在化のことである。血 と比較、検討した。 まな形状の工夫が行われている。今回V型として開発された 液透析を行う上で、透析液側の流れにチャネリングが起き 【方法】血液と透析液の入口・出口の圧力を測定し、血液 ダイアライザPES-Sαシリーズ(ニプロ社製)はこの目的で中 ると透析効率が低下することはよく知られている。これま 【方法】新型透析器としてAPS-15SA(旭化成メディカル) 、 と透析液の圧力損失を図式化すると、それぞれの圧力損失 空糸を細かく波打たせたリップル構造を持つダイアライザで で我々は様々な形状のダイアライザにおいて流動特性の測 FPX180(フレゼニウスメディカルケア)、TS-1.6UL(東レ・ を示す直線が交差し、正濾過領域と逆濾過領域の三角形が ある。今回我々は同一のハウジングでストレート中空糸を用 定を通じチャネリングの評価を行ってきた。 メディカル)、従来型透析器としてAPS-15S(旭化成メデ できる。内部濾過における正濾過量と逆濾過量は等しく、 いたものとリップル構造の中空糸を用いたものとの溶質除 除水がない場合は濾過量を示す三角形面積は等しくなり、 去特性の違いを調べることを通じ、リップル構造の特性を評 除水があると正濾過領域の三角形面積が逆濾過領域の三角 価することを試みたので報告する。 形面積より大きくなる。このときの三角形面積比と除水量 の関係により内部濾過量と、圧力分布から膠質浸透圧を推 【方法】試験ダイアライザはPES-150Sαと同一のストレー ィカル)を用いた。透析液流動評価のため、血液側は流さ 【目的】ニプロ社から新規にV型として開発されたPES- ずに、透析液(RO水)側入口にトレーサとして朱墨0.5ml 150Sαでは、中空糸をウェーブ状にしたリップル構造にす をパルス状に注入し、出口濃度の経時変化を測定した(パ ることで、透析液側のチャネリングの改善を試みている。 ルスレスポンス法)。また、透析器内30箇所に留置した注 そこで今回我々は実験用に作られた同形状ハウジングを用 射針を用いて透析液側圧力分布を測定した。さらに牛血漿 ト中空糸、ハウジングを用いて作成した試作品を用いた。 い、中空糸をストレートとしたダイアライザとPES-150Sα 系クリアランス(尿素窒素、クレアチニン、無機リン、β2 血液側試験液としてはクレアチニンおよびビタミンB12の との透析液側流動特性にどのような差異が見られるか比較 マイクログロブリン)、アルブミン漏出量を測定し、透析 【結果】血液側の圧力損失は除水の影響により透析後半に 50mg/dL水溶液、ミオグロビンの50mg/dLリン酸バッファ 検討した。 液流動とのかねあいを考察した。 増加するが、透析液側の圧力損失はほとんど変化しなかっ 溶液を用いた。血液側溶質がクレアチニン、ビタミンB12の た。UFRと内部濾過量は透析後半に減少し、TMPは上昇 時は、透析液側試験液として水を、ミオグロビンの時はリン 【方法】血液側への溶媒・溶質の移動による濃度変化の影 【結果】パルスレスポンス法の結果より、APS-15S、FPX- した。 酸バッファを使用した。血液側試験液流量を200mL/minと 響をなくすために、前処理として血液側にエポキシ樹脂を 180に比べAPS-15SA、TS-1.6ULの流動状態が均一化され し、透析液側試験液流量QDを300から2000mL/minと変化 充填、硬化させ、中空糸血液側を閉塞させた。透析液側試 ていることが分かり、局所圧力測定でもそのことが裏付け 【結論】血液と透析液の入口・出口の4点の圧力を測定す させ、血液側入口、出口濃度、透析液側出口濃度を測定し、 験液として0.01%のシアノコバラミン(ビタミンB12)溶液 られた。また、APSに比しTS-1.6ULの透析液側圧力が高 ることにより、除水を行っている通常透析施行中にも内部 クリアランスを求めた。同時に血液側入口、出口圧力、透 を用い、RO水を連続的に流した状態から三方弁で切り替 く、内部濾過量が多いことが示唆された。透析液流動状態 濾過量の推定が可能である。 析液側入口、出口圧力を測定した。 えを行い、濃度をステップ的に変化させながら透析液側入 の改善により、APS-15Sに比べてAPS-15SAの低分子量物 口へ供給した。透析液側出口の流路上にフローセルを組み 質クリアランスが約5∼10%増加した。アルブミン漏出量 【目的】いずれの流量、溶質においても、試作品に比し 込み、出口側における応答特性を吸光度360nm、サンプリ については、透析液側圧力の高いTS-1.6ULが最も大きか PES-150Sαが高いクリアランス値を示した。その差はQD ングレート5Hzで吸光度の変化を測定した。さらに、透析 った。 の増加に伴って増大した。またいずれの溶質においても総 液側流量QDの影響を知るために、流量300ml∼700mlの範 括物質移動面積係数値が Q Dの増加に伴い増加した。これ 囲で変化させて実験を行った。 定した。 ているためと考えられた。 【結言】透析器の透析液流動の改善度合いをパルスレスポ ンス法および局所圧力測定により定量化、可視化できる。 は溶質の透過が拡散だけでなく内部濾過によっても起こっ 50 【目的】物質除去性能を高めることを目的として開発され 【結果】吸光度の立ち上がり時間と傾きの違いで比較を行 いずれの流量においても試作品に比しPES-150Sαが高い った。立ち上がりで吹き抜けの度合いを、傾きで応答の速 透析液側圧力損失値を示し、血液側圧力損失値はほぼ同一 さを知ることができた。 であった。これはリップル構造により、透析液側の流れの 低流量時はリップルありよりもリップルなしのほうが立ち 乱れが大きくなったことが寄与していると考えられた。ま 上がりが遅く傾きも大きいが、流量を高くしていくとリッ たストレート構造において、特に高流量において流れの吹 プルありが入口波形に近づき応答がよくなることがわかっ き抜けが起こったことも考えられた。 た。 透析液流動の改善により低分子量物質のクリアランスが増 加する。 51 NO.35 NO.36 NO.37 NO.38 血液流動ストレスに対するポリスルホン 膜内表面の親水化剤耐溶出性 APS-E膜におけるアルブミン漏出量の検討 吸着特性を生かした新規PMMA膜 ダイアライザーの開発 高齢化透析時代におけるPMMA ― BK-Uシリーズの有用性 ― 東レ株式会社 機能材料研究所 医療システム研究室1 東レ株式会社 医療器材生産部2 1 ○菅谷 博之(すがや ひろゆき) 荒木 美帆1 2 1 堤 晴彦 上野 良之 小澤 英俊2 山田 智子1 中根 章博2 板垣 一郎1 医療法人 行橋クリニック 臨床工学部1 医療法人 行橋クリニック 内科2 医療法人 行橋クリニック 泌尿器科3 1 ○弥吉 浩行(やよし ひろゆき) 小宮 裕2 松本 美香2 小宮 俊秀3 早稲田大学 理工学部 応用化学科1 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻2 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻3 姫路獨協大学 医療保健学部 臨床工学科4 1 ○佐藤 美佳(さとう みか) 小川 貴久2 松田 雅人2 山本 健一郎3 薬師寺 大二4 福田 誠4 宮坂 武寛4 酒井 清孝3 【目的】透析治療時に中空糸膜内表面は血液流動によるス トレスを受ける。本研究では、親水化剤ポリビニルピロ リドン(PVP)の耐溶出性を評価した。 財団法人 甲南病院 加古川病院 血液浄化センター1 1 ○松原 由紀子(まつばら ゆきこ) 山本 英則1 田中 領華1 堀田 由美1 裁 陽子1 藤森 明1 【目的】β2MGをはじめとする低分子量蛋白を積極的に除 去する目的で大孔径のダイアライザーが多く使用されてい るが、アルブミン(Alb)漏出量の増大が懸念される。そ PMMA(ポリメチルメタクリレート)膜を素材とする 近年、糖尿病性腎症による導入透析患者の高齢化や、そ こで、透析開始初期の操作条件を変更することで、ファウ ダイアライザーは、“フィルトライザー”という名で約30 れにともなう合併症により様々な対応が必要となってい リングによるポアサイズの狭小化からAlb漏出量に与える 年前に弊社から発売され、ダイアライザーに必要な濾過・ る。栄養状態の不良や心血管系合併症のために、安定した 影響について比較検討した。 拡散特性に加えて優れた吸着特性も有する製品として使わ 維持透析を行うことさえ困難な患者も少なくない。そのよ れ続けてきている。 うな患者において、栄養状態の改善や循環動態の安定およ 【方法】V型に機能分類されているAPS-E膜を使用し、操作 【方法】APS-15EX(旭化成メディカル)について、粘度 条件を(1)脱血速度を100ml/minで5分循環させ200ml/min これまでに、β2-microglobulin(β2-MG)の除去をいち び適正体重を維持することが、ADL・QOL向上のためには をあわせた擬似血液として6.7wt%デキストラン溶液を用 で5分循環させたのち透析開始する方法(2)脱血速度を 早く実現した“フィルトライザー”BKシリーズ、平均孔 最も重要であると考える。これらの問題を持つ高齢透析患 い、37℃で4時間透析を行った。終了後、中空糸束を軸 200ml/minで、ダイアライザー内が血液に置換されたら直 径を大きくして、かつ分子量分画特性をブロードに設計す 者に対して、透析膜による改善の可能性を検討した。使用 方向に3分割、断面方向に12分割した。また、逆浸透水 後に開始する方法(3)透析開始15分は除水速度を0ml/h ることにより、albuminよりも大きな分子状態で存在して した透析膜は、臨床実績が高く昨年30周年を迎えたPMMA を用いて、37℃4時間の全濾過実験を行い、終了後、中 とする方法で、開始から1時間は10分間隔、その後は1時 いる造血阻害物質を除去可能とした “フィルトライザー” 膜のBK-Uシリーズである。選択理由としてPMMA膜の代 空糸を軸方向に3分割した。全反射減衰フーリエ変換赤 間毎に廃液を全量採液し、Alb漏出量および1セッション BK-F、アニオン性の官能基を有し、より塩基性タンパク 表的な特徴である、1)優れた生体適合性、2)低分子量蛋 外分光法(FTIR-ATR)を用いて、膜表面PVP量を測定 あたりの漏出量と、低分子量蛋白の除去効率を測定した。 質の吸着特性に優れた“フィルトライザー”BG-Uなど、 白質の吸着除去、3)サイトカインの吸着除去、4)エンド 【結果】Alb漏出量は、どの操作条件においても開始10分 多くの新しい特徴を有する製品を上市してきた。これらは、 トキシンの透過阻止能、等が挙げられる。これらの特徴が 【結果】透析実験により、膜表面PVP量は全てのエリアで が最も多く経時的に減少し、50分後まで急速に低下したの これまでに様々な臨床効果が確認され、BK-Fでは貧血改 透析困難症と言われる高齢透析患者において、栄養状態の 減少した。断面方向に膜表面PVP量の大きな偏りは認め ち低値で経過した。1セッションあたりの漏出量は2∼3g 善効果、BG-Uでは掻痒症が改善する方が多いという報告 改善、循環動態の安定、適正体重維持にどのような効果が られなかった。軸方向では、透析器中央部に比較して、 前後であり、低分子量蛋白の除去効率にも違いは認められ は代表的な例である。 みられたかを報告する。 した。 血液側入口部および出口部で膜表面PVP量が著しく低下 なかった。 このように、他の膜とは異なるユニークな臨床効果が報 した。全濾過においても、膜表面PVP量は全てのエリア 【考察】Alb漏出量はファウリングにより孔径が狭小化す 告されているPMMA膜ダイアライザーであるが、今回約 で減少した。正濾過と逆濾過を比較すると、逆濾過で膜 ることで抑制されるため、開始初期に圧力負荷を軽減する 10年ぶりに、新しい特徴を有する2つの新製品の開発を行 表面PVP量の減少が顕著となった。正濾過と逆濾過のい ことが重要と考える。また、大量液置換HDFにおいても、 った。ひとつはβ2-MGの吸着を最適化した“フィルトライ ずれも、RO水流入部の膜表面PVP量が最も低く、それぞ 開始50分までの濾過速度を減少させ、段階的に濾過速度を ザー”BG-PQ、もうひとつはタンパク質の吸着コンセプト れ89%、86%の残存率となった。 増加させることでAlb漏出量の軽減が可能と考える。 を維持しつつ血小板の付着を抑制した“フィルトライザー” 【結言】透析器内の内部濾過によって膜表面PVP量は減少 し、逆濾過領域でこの傾向が顕著である。 【結論】Alb漏出量は透析開始10分が最も多く50分までに 急速に低下した。今回の操作条件では、Alb漏出量に変化 NFである。本発表ではこれらの膜の特徴について報告す る。 は認められなかった。 52 53 NO.39 NO.40 NO.41 NO.42 高齢者にはPSでなくPMMAの方がよい PMMA膜(BK-F)使用による エリスロポエチン減量効果 ポリメチルメタクリレート(PMMA)膜が 腎性貧血に及ぼす影響 免疫グロブリン軽鎖(FLCs)に対する 特異的吸着除去の評価 清永会 矢吹病院1 1 ○政金 生人(まさかね いくと) 金田 英之1 江刺 志穂1 伊藤 智子1 ひまわりクリニック1 1 ○松本 能永(まつもと よしなが) 小林 弘忠1 小林 洋子1 川島病院1 鴨島川島クリニック2 1 ○数藤 敬一(すどう けいいち) 田尾 知浩1 1 1 1 土田 健司 水口 潤 川島 周 水口 隆2 知邑舎 メディカルサテライト岩倉1 知邑舎 メディカルサテライト知多2 知邑舎 岩倉病院 外科3 株式会社 医学生物学研究所4 東レ・メディカル株式会社5 1 ○長尾 尋智(ながお ひろとも) 目叶 裕史2 高田 幹彦3 小出 正文2 新井 次郎4 押原 渉5 【目的】現在の透析においてPS膜は中心的な役割を果たし、 【目的】腎性貧血治療の3本柱として、適切なエリスロポ 小分子物質とβ2MG除去効果を究極まで高め、アルブミン エチン(EPO)や鉄剤投与、そして、患者内部環境を是正 【目的】ポリメチルメタクリレート膜ダイアライザーは赤 ロスを抑えた膜が良となぜか思われている。ならばその究 する至適透析を、重要視している。今回は、至適透析の一 芽球系造血抑制因子や酸化ストレス軽減により血液透析患 極のダイアライザーが患者の栄養状態を改善させるかどう つとして、膜素材に注目し、PMMA膜(BK-F)のEPOの 者の腎性貧血改善に有用との報告があり、今回我々はポリ かは検証されなければならない。 減量効果を検討した。 メチルメタクリレート(以下PMMA)膜の腎性貧血に及 ぼす影響を検討した。 【方法】PMMAからPSに変更した症例31例の変更前後1年 【対象と方法】2006年4月より12月において、EPO投与量 【緒言】免疫グロブリン軽鎖(分子量28000、二∼多量体も 知られる。以下FLCs)は、透析患者の血中に高濃度に蓄積 週6000 IU以上の症例の中で、膜素材をPMMA膜(BK-F) 【対象・方法】エリスロポエチン(EPO)投与量が9000IU/week し、患者の免疫不全状態の一因となっている可能性が示唆 に、4月より変更した4例、10月より変更した2例の、計 以上の慢性維持透析患者6例を対象に平成18年7月∼平成 されている(Cohenら)。一方、多発性骨髄腫や一部の原発 【結果】PMMA使用時は1年間で体重減少を認めなかった 6症例を対象とした。変更前の透析膜素材は、CTS膜、 19年1月の6ヶ月間PMMA膜を臨床使用してEPO投与量 性アミロイドーシスにおいては、ベンズ・ジョーンズ蛋白質 が、PSに変更1年後体重は有意に減少した。この傾向は PS膜、PMMA膜(BG-U)である。なを、研究期間中にお (IU)・ヘモグロビン(Hb)g/dl・血清フェリチンng/ml・ (BJP)として血中に蓄積し、腎不全を初めとする多彩な 70歳以上の症例で顕著であった。70歳以上の症例では% いて、鉄剤投与条件は変更していない。そして、膜変更前 鉄剤(フェリコン)投与量及び透析1週間あたりのEPO/Hb 臨床像を招く病因蛋白質である。我々は最近開発された、 CGRも低下傾向であった。 後での週あたりEPO投与量の変化を検討した。 (IU/g/dl/week)量について検討した。また、透析条件は タイプ別にFLCsが特異的に定量できる“Freelite”試薬 間の体重、%CGRの推移を検討した。 PMMA膜変更前後で同等であった。 【考察】よい透析とは患者に苦痛が無く筋肉量を維持する 【結果】4月より変更した4例では、変更前平均7500 IUよ 透析であると我々は考えており、小分子物質除去、小分子 り4500 IU、同様に10月より変更した2例では、7250 IUよ 【結果】EPO投与量は軽減・Hbは上昇傾向があり、透析1 栄養素のロスと低分子量タンパクの除去のバランスが大切 り6500 IUと、透析膜変更により、EPO投与量は有意に減 週間あたりのEPO/Hb投与量は平成18年7月と平成19年1 だと主張してきた。この条件に合致する透析方法は 量しえた。 月の比較で有意な低下(p<0.0298)が認められた。血清フ PMMA,EVAL,前希釈HDFと我々は考えている。この 【結語】EPO投与量が週6000 IU以上の維持透析患者に対し、 えない。そのメカニズムは明らかではないが、70歳以上の 膜素材の変更、すなわち、PMMA膜(BK-F)使用により、 高齢者は食習慣が欧米化する前の世代であり、栄養摂取と EPO投与量の減量が可能となることが示唆された。 栄養素のロスのバランスがその他の年代と異なっている可 能性もある。 【結論】高齢者には小分子物質クリアランスがやや抑えめ よびLambda Free Kit(製造元:英国THE BINDING ェリチン・鉄剤投与量はPMMA膜変更前後の6ヶ月間で 視点からすると高齢者におけるPS透析はよい透析とは言 FREELITE(superscript:TM)Human Kappa Free Kitお 有意差はなかった。 SITE社)を用いて、PMMA膜によるFLCsの吸着除去特性 を検討した。 【方法】多発性骨髄腫が原疾患で免疫電気泳動法によって 高M蛋白質血症が認められた透析患者1名に、PMMA膜透析 器BK-1.3P、BK-1.3Fを用いて3回の透析を行い、FLCsの除 【考察】貧血の改善に多くのEPOが必要な症例に対して PMMA膜が有効である。 去率と吸着量を求めた。酢酸20%溶液で溶出させた膜吸着 蛋白を280nmの紫外光OD測定法による蛋白濃度測定後換 算した。FLCsの測定はMBL(医学生物学研究所)で行った。 【結果】透析日のFLCs前値は、κ:21.4±0.57mg/L、 で、タンパク吸着特性をもつPMMAを使用するべきであ λ:5.6±0.32mg/L、κ/λ=3.6∼4.2を示し、κ型のFLCs蓄 る。 積を認めた(基準範囲κ/λ 0.26-1.65)。FLCsの透析前後値 から求めた除去率は、κ37.3±0.57% λ43.1±13.1%であっ た。BK-F膜の総蛋白吸着量は280.1mg、BK-P膜172.7mg でF膜はP膜の約1.6倍の蛋白質吸着量を示したのに対して、 FLCsに対しては逆に、BK-F膜40.6mg、P膜83.1mgでP膜 が約1.7倍の吸着量を示した。 【 考 察 】 PMMA膜によるFLCsの吸着については、 Bradwellら(EDTA-ERA2006、Glasgow UK)によって、 in vitroを中心に報告されてきたが、今回、1症例ではあ るがin vivoデータが得られた。同じPMMA膜でも膜孔径 によって吸着特性に差が認められた。FLCsを例に、 PMMA膜による大分子量蛋白質の吸着メカニズムが示唆 された。 54 55 NO.43 NO.44 NO.45 NO.46 エバブレンEK性能評価 新規EVAL透析膜“エバブレンEK”の 除去特性 特発性血小板減少症がEvabrane EK膜で 改善した一例 異なる透析器の持続高圧透析 Continuous High Pressure HDにおける 溶質除去性能の検討 クラレメディカル株式会社 医療器材事業部1 川澄化学工業株式会社 研究開発部2 宇多津クリニック 透析室3 宇多津クリニック 内科4 1 ○垣内 智樹(かきうち ともき) 関口 浩二1 赤松 成美1 地村 桃1 安部 祐治2 森 行範3 久米 陽介3 香川 智子3 明石 好弘4 瀬戸 邦雄4 宗心会かわしま内科クリニック1 自治医科大学医学部附属病院腎臓センター内科2 1 ○上野 幸司(うえの こうし) 白石 武1 1 1 佐々木 信博 久野 宗寛 石井 恵理子2 吉村 章2 安藤 康宏2 草野 英二2 近畿大学 医学部 堺病院 臨床工学部1 近畿大学 医学部 堺病院 腎透析科2 1 ○藤堂 敦(とうどう あつ) 門中 友美1 1 1 川村 英子 染矢 法行 西村 昌美1 片畑 満美子2 玉井 良尚2 坂口 美佳2 長谷川 廣文2 【目的】エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)膜 討した。 特に抗血栓性に優れたダイアライザーと報告されている。 そこでHIT以外の特発性血小板減少症例でEK16を使用し、 ダイアライザ エバブレンEK(クラレメディカル社)を用 い溶質除去特性および末梢循環におよぼす影響について検 【はじめに】Evabrane EK16(EK16)は生体適合性に優れ、 【目的】当社は生体適合性に優れた親水性ポリマーである 若干の知見を得たので報告する。 公立富岡総合病院 臨床工学科1 公立富岡総合病院 看護部2 公立富岡総合病院 検査科3 公立富岡総合病院 泌尿器科4 1 ○斎藤 慎(さいとう まこと) 町田 佳代子1 浦野 よしみ1 生形 尚子1 原 勇1 山崎 たか子2 山崎 敏明3 小林 大志朗4 塩野 昭彦4 町田 昌巳4 牧野 武雄4 柴山 勝太郎4 エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVAL)を用いた 非対称構造のハイフラックス膜を商品化した(商品名: 【対象】対象は当院にて週2回の慢性維持透析を行ってい 【目的】昨年我々は、TS-1.6UL(TS)を用いて、静脈圧を 【対象】インフォームドコンセントの得られた維持血液透 “エバブレンEK”)。本品については、低分子量タンパク る68才の女性で、原疾患は多発性嚢胞腎である。術後、 一定の高圧(250mmHg)に維持した透析、Continuous 析患者5例(男性2例,女性3例),年齢62±14歳,透析 (β2-MG、α1-MG)の除去性能が保持できる(経時劣化が 特発性血小板減少症を呈し、退院後当院での維持透析と High Pressure HD(以下CHPHD)を施行することで、低 小さい)ように内表面の孔径を設計しており、臨床でも設 なった。透析前の血小板数が3万/μl∼5万/μl、透析後 分子量蛋白の除去効率を有意に増加させることを報告し 計通りの除去特性が発現することを検証した。 は2万/μl∼4万/μlを半年間繰り返していた。抗凝固剤は た。今回は、非対称構造EVAL膜Evabrane EK-16(EK) ヘパリンカルシウムで1000U∼2000U/4hr使用していた。 とポリスルフォン膜APS-15S(APS)を用いて、CHPHD 歴8.5±4.6年を対象とした。 【方法】EVAL膜ダイアライザ(EK19,kf-m20,クラレメ ディカル社製)を2週間ごとに変更して使用し、血液透析 【方法】EK-16(EKと略記)を用い、低分子量タンパク を施行した際の末梢循環動態について比較して検討した。 (β2-MG、α1-MG)の除去性能を、(i)in-vitro(牛血系)、 【方法】対象患者に各種ダイアライザー(PS-1.3UW:PS、 さらにポリスルホン膜ダイアライザ(APS-21S,旭化成メ (ii)臨床で評価した(対照:ポリスルホン膜透析器(Ⅳ型) APS-150S:APS、BP-150M:BP、FB-150F:FB、EK-16: 【方法】維持透析患者3名を対象とし、TS、EK、APSを ディカル社)を用いて、溶質除去特性および生体適合性に (PSと略記) )。 EK)を使用し、透析前後における血小板数の変化につい 通常圧にて1週間クロスオーバーで使用、その後CHPHD て検討した。 で同じく1週間クロスオーバーにて使用し、除去率、クリ ついてEK19と比較して検討した。なお血液透析条件は、 での溶質除去性能についてTS-1.6ULと比較検討した。 透析時間5時間,血液流量毎分200mL,透析液流量毎分 【結果】EKについて、臨床における低分子量タンパク(β2- 500mLに固定した。末梢循環動態の評価法として経皮酸素 MG、α1-MG)の除去性能の経時劣化はPSに比べて小さい 【 結 果 】 PS膜での前後血小板数は4.1万/μl→2.4万/μl、 分圧計(FLEX8000TM,コーケンメディカル社製)を用 ことが確認できた。その結果として、クリアランスはPS APS膜で前後血小板数は3.5万/μl→2.2万/μl、BP膜で前後 【結果】CHPHDにおいて、小分子物質の除去性能に有意差 い、血液透析前後で第2,3趾間部から中枢側へ約5cmの に比べ同等以下であるにもかかわらず透析4時間の総除去 血小板数は2.9万/μl→2.0万/μl、FB膜で前後血小板数は は認めなかったが、低分子量蛋白のβ2-MGのクリアスペー 部位で経皮酸素分圧の測定を施行し検討した。溶質除去性 量はβ2-MGで同等、α1-MGでは同等以上となった。これは 5.0万/μl→3.9万/μlと透析後20%∼40%の低下を示してい スでは、TSがEK、APSに比し高い傾向を示した。またア 能の評価は、小分子量物質および低分子量蛋白物質のクリ 内表面の孔径が設計通り適正に制御されていることを示唆 たが、EK膜使用前後の血小板数は6.8万/μl→7.0万/μlと ルブミン漏出量はAPS に比しEKとTSが高い傾向を示し アランス,除去率,除去量について検討した。生体適合性 するものである。 低下を示さなかった。その後はEK膜を継続使用し、現在 たが1∼2g/回程度であった。 は10.2万/μl前後を維持している。また、HITを疑い抗凝 の評価としては、血液透析施行中の白血球数,血小板数, β-トロンボグロブリンおよびIL-6の変化について検討し、エ バブレンEKの性能評価について検討したことを報告する。 アランス、クリアスペースとアルブミン漏出量を測定した。 【結論】内表面の孔径を適正に制御したEVALのハイフラッ 固剤をヘパリンからメシル酸ナファモスタットに変更した クス膜“エバブレンEK”は、「低分子量タンパク(β2-MG、 結果、FB膜使用で前後血小板数は3.5万/μl→2.7万/μlと低 α1-MG)の除去性能保持」に優れる膜であることを臨床で 下を示した。 【考察】CHPHDにおいて、溶質除去能は透析器により異な る傾向がみられた。 も実証することができた。 【結語】特発性血小板減少症例にEvabrane EK16を使用し、 血小板減少症状が改善を示した。 56 57 NO.47 NO.48 NO.49 NO.50 旭化成メディカル社製ダイアライザー VPS15HAの臨床性能評価 V型ダイアライザの基礎および 臨床的性能評価 機能別分類Ⅲ型とⅣ型透析器の性能評価 と臨床効果 機能区分Ⅴ型血液透析とⅣ型血液透析濾過 の除去性能比較 東葛クリニック病院 臨床工学部1 東葛クリニック病院 腎臓内科2 東葛クリニック病院 外科3 1 ○小林 信之(こばやし のぶゆき) 内田 正志1 大居 紗友里1 沼田 陽介1 高塚 かおり1 矢高 美奈子1 熊谷 孝之1 渡慶次 龍1 猪俣 仁1 南雲 隆1 竹村 英生1 清塚 和哉1 久保 満1 松金 隆夫1 中澤 了一2 東 仲宣3 立正佼成会附属佼成病院 ME室1 立正佼成会附属佼成病院 腎臓内科2 1 ○平井 亘(ひらい わたる) 佐野 直人1 1 1 山岸 智子 杉浦 達郎 三浦 貴之1 赤松 真悠子2 平林 あゆみ2 窪田 研二2 大阪市立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学1 1 ○武本 佳昭(たけもと よしあき) 黒木 慶和1 長沼 俊秀1 五仁会 五仁会 五仁会 ○森上 阪口 清水 【目的】昨年新たに導入された透析器の機能別分類により、 臨床の現場においては透析器の選択が複雑になると考えら 【目的】V型ダイアライザの基礎的・臨床的性能評価 れる。そこで本検討では機能別分類Ⅲ型透析器とⅣ型透析 器の臨床における性能評価と臨床効果について検討するこ 【方法】基礎評価:1)血液側充填液の溶出物試験KMnO4 とを目的とした。 消費量(KMnO4)、UV吸収スペクトル(UV)。2)ダイア ザーVPS-HをIV型へと改良したVPS15HAの臨床評価を行 ライザ透析液入口部より、原液を注入し出口部での電導度 【対象および方法】当院に通院する長期維持透析患者6名 った。 変化を用いた透析液流動特性。3)人廃血漿を用いた透析 (男性3名、女性3名)を対象にⅢ型透析器のFB-150U 【方法】APS15SA(以下、SA)使用の透析患者8名(年齢 【目的】機能区分Ⅴ型およびⅣ型透析器を用いて、それぞ れ血液透析および血液透析濾過を施行した時の除去性能を 【目的】旭化成メディカル社製ビタミン固定化ダイアライ 実験によるalbuminの減衰量。臨床評価:4)生体適合性で 元町HDクリニック 臨床工学部1 元町HDクリニック 臨床検査部2 元町HDクリニック 内科3 1 辰哉(もりがみ たつや) 田中 和馬1 剛至1 大槻 英展1 吉本 秀之1 康2 田中 和弘2 岡本 磨美2 申 曽洙3 比較評価した。 2 (材質:CTA、面積:1.5m )および、型透析器のFB-150U 2 【対象・方法】当院に通院する長期維持透析患者(年齢 60.0±5.8歳、透析歴13.0±8.2年、体重66.1±6.2kg、 はWBC,Pltの経時的変化。TAT、Fibでは透析前後値より β(材質:CTA、面積:1.5m )を用い、臨床使用におけ Ht33.4±1.1%、男性5名・女性1名)の6名を対象とした。 61.1±11.4歳、透析歴9.8±7.2年)に、VPS15HA(以下、 評価した。5)溶質除去ではUN,Cr,iP,β2-MG,PRL,α1-MGの る性能を除去率・クリアランス・クリアスペースについて 透析器および浄化法はPES-210Sα(機能区分:Ⅴ型)を用 HA)とVPS15H(以下、H)を各々2週間使用したクロス クリアランス(CL)および除去率(RR)を算出した。評価ダ 検討した。 いた血液透析(以下、SαHD)、およびPES-210Eα(機能 オーバー試験を行った。比較項目は除去率(BUN,Cr,UA, イアライザはPES-Sβ (PES)およびAPS-E(APS)とした。 区分:Ⅳ型、ともにポリエーテルスルフォン、ニプロ社製) 【結果】治療中の血圧変動および臨床症状は、機能別分類 P,β2MG:Hct補正有り)、クリアランス(BUN,Cr,UA, を用いた後希釈10Lの血液透析濾過(以下、EαHDF)を P,β2MG:透析開始後1時間値)、除去・漏出量(BUN, 【結果】1)溶出物のKMnO4、UVともにPESに比しAPSで Ⅲ型とⅣ型の透析器間では差はなかった。 施行し、それぞれの除去性能を比較評価した。評価検討項 Cr,UA,P,β2MG,アルブミン)、生体適合性(WBC, 高値を示した。2)ダイアライザ出口部の電導度変化では 尿素窒素・クレアチニン・リンの除去率は2群間に有意差 目はUN,Cr,UA,iPがクリアランス・除去率、β2-ミク PLT,:開始時、15分、1時間、終了時)とした。 PESで山形の波形を示したのに比し、APSでは急激な上昇 はなかった。β2 -MGおよびα1 -MGの除去率はFB-150U ログロブリン(β2-M)・α1-ミクログロブリン(α1-M)が と急激な低下の波形を認めた。3)タンク内のalbuminの減 (40.6±3.7%、10.8±3.3%)、FB-150Uβ(53.8±3.4%、 クリアランス(血漿基準) ・除去率(Ht補正) ・除去量、ア 【結果】HAの除去率はUNで74.2%、β2MGが71.5%となり、 衰量はPESの5.8gに比しAPSで4.2gと低値を示した。4) Hに比して有意に(p<0.05)高値でSAとは同等であった。 WBCはPESでは15分で低下し60分で復帰した。APSでは HAのクリアランスはβ2MG で56.3ml/分とSAに比し若干 15分で低下し240分まで復帰しなかった。PltはPESでは60 【結論】機能別分類Ⅲ型とⅣ型の透析器においては小分子 劣るが、Hに比し有意に(p<0.001)高値であった。HAの 分まで低下し240分で復帰したのに比し、APSでは15分で 量物質の除去性能に差はないが、低分子量たんぱく質の除 19.2±4.4%)と有意にFB-150Uβが高値であった。 なお、対象患者6名中1名は、継続使用中、血小板が低 除去・漏出量はBUN,Cr,UA,PでSA、Hと有意差はなく、 低下し60分で復帰した。TAT、Fibの変化に差を認めなか 去性能はⅣ型の透析器が優れていた。臨床効果については β2MGで93mgとなりSAに比して有意に(p<0.0001)低く、 った。5)UN,iP,β2-MG のCLでPESに比しAPSで低値を示 差は認められなかった。 Hと同等であった。アルブミン漏出量では0.004gとSA、H した。RRでは全ての溶質で差を認めなかった。 に比し有意に(p<0.002)低かった。生体適合性はHAの ルブミン(Alb)は漏出量とした。 下したために除去性能評価対象から除外した。 【結果】小分子量物質のクリアランス・除去率は、4種と も両群間に差はなかった。 β2-MはSαHD、EαHDF群がそれぞれクリアランスで 72.6 ml/min、84.4ml/min、除去率で80.6%、81.2%、α1-M WBC15分値で、SAに比し有意に(p<0.05)低下を認めた 【結語】今回の検討から溶出物はAPSがより多く、生体適 が約90%を維持し、Hとは有意差はなかった。HAの 合性マーカーの変動が大きかった。溶質除去では、PESの PLT15分値と終了時で、SAに比し有意に(p<0.01)低か 透析液の流れが最適化されたことにより高いクリアランス ったが、Hとは同等であった。 が得られた。 は17.5 ml/min、19.7ml/min、29.9%、24.8%となった。Alb 漏出量はそれぞれ1.88g、1.24gであった。 【結論】Ⅴ型透析器PES-Sαは血液透析で用いた時、Alb漏 出を極力押さえ、良好な低分子量タンパク除去性能を有し 【考察】HAの機能的特徴 は、SAの分画特性をさらにシャ ープにしたビタミンE固定化ダイアライザーであり、中・ 長期的な臨床使用による効果判定が望まれる。 ていた。 Ⅳ型透析器PES-Eαを用いた後希釈10Lの血液透析濾過 では、PES-Sαの通常透析に比し、特にクリアランスで高 いβ2-Mの除去性能が得られた。また、Alb漏出量は低値で 【結語】HAの臨床評価を行い、SA、Hに比して良好な結 果を得た。今後、他の臨床マーカーによる評価が望まれる。 あった。 その他、使用を中止した1例を含めて、生体適合性につ いても報告する。 58 59 NO.51 NO.52 ポリスルフォン膜ダイアライザーの形状 およびヘパリンが凝固系に与える影響 ポリエーテルスルホン膜の抗血栓性能評価 (医)輔正会岡村記念クリニック 透析室1 埼玉医科大学病院 血液浄化部2 埼玉医科大学病院 腎臓内科3 1 ○田口 直昭(たぐち なおあき) 塚本 功2 村杉 浩2 山下 芳久2 菅原 壮一3 鈴木 洋通3 山下 文子1 岡村 維摩1 宏人会 宏人会 宏人会 ○千田 寒澤 木町病院臨床工学部1 木町病院 透析室2 木町病院 泌尿器科3 1 幸夫(ちだ ゆきお) 佐藤 通子1 環1 松岡 愛2 金野 孝彦1 佐藤 正嗣3 NO.53 NO.54 ビタミンE固定化ポリスルフォン ダイアライザーにおける凝固線溶系 および脂質代謝の検討 高脂血症治療の補助手段としての透析膜 の有用性 ― 透析中のアポ蛋白動態による評価 ― 埼玉医科大学病院 血液浄化部1 埼玉医科大学病院 腎臓内科2 1 ○塚本 功(つかもと いさお) 土持 多美恵1 村杉 浩1 宮崎 真一1 山下 芳久1 菅原 壮一2 鈴木 洋通2 加治木温泉病院1 白石病院2 1 ○竹之内 賢一(たけのうち けんいち) 2 1 1 大坪 義信 西村 和治 種子田 実 岡村 龍也2 蓮尾 良博2 一ノ宮 隆行1 穂満 博文1 萩原 隆二1 【目的】ポリエーテルスルホン膜PES-Sα(以下PES-Sα) 【目的】ポリスルフォン(PS)膜ダイアライザーの形状お よびヘパリンの投与量が与える凝固系の影響について検討 について抗血栓性および除去性能についてPS膜と比較検 討を行った。 した。 【対象と方法】PES-SαとPS-UW、PES-SαとAPS-Eをク 【目的】中空糸内表面をビタミンEで固定化したポリスル 【目的】高脂血症治療法の一つとして、透析器が有用か否 フォン(PS)膜ダイアライザーが、血液透析中の凝固・ かを透析中のアポ蛋白濃度の変化で予測することを目的と 線溶系および脂質代謝についてどのような影響を及ぼすか する。 従来のPS膜ダイアライザーと比較検討した。 【対象および方法】高アポC3血症を呈する維持透析患者12 【対象および方法】対象は維持透析患者8例(年齢58.3± ロスオーバーで使用した安定外来透析患者5名2群(計10 17.6歳、透析歴6.7±2.5年)。方法はPS膜であるAPS-15SA 名)を対象とした。抗血栓性の指標としてβTG、PF4、 【対象および方法】対象は維持透析患者11例(年齢61.5± (旭化成メディカル,APS-SA)およびAPS-15S(旭化成メ PIC、TAT、Fibrinogen、血小板の変化率を測定し、使用 12.1歳、透析歴8.2±3.5年、基準体重53.2±8.2kg)。方法は ディカル,APS-S)をクロスオーバーで使用し、ヘパリン 後の膜残血を目視評価で行った。また除去性能として小分 APS-15SA(旭化成メディカル,APS)をコントロールと は開始時投与量から残血度評価を行い、最少必要投与量を 子物質(UN、Cr、iP)と低分子蛋白(β2MG、α1MG)の し、VPS-15HA(旭化成メディカル,VPS)を用いてクロ 【結果】アポC3は透析前17.1mg/dlから透析後12.2mg/dlに 求めた。また評価項目は透析前そして開始15分後のダイア 除去率、クリアランスを測定した。 スオーバーで評価をおこなった。検討項目はダイアライザ 有意に低下,アポC2/アポC3比は透析前0.34から透析後 ーの残血評価(3段階)、ヘパリン最少必要投与量、脂質代 0.42に有意の上昇がみられた。廃液中には血清脂質および 謝(FFA,TG,LPL)および凝固・線溶系(TM,PF-4, アポ蛋白は認められなかった。 ライザー入口、出口の液性凝固因子としてPF-4、TAT、 フィブリンモノマー複合体そしてAPTTについて測定を行 った。 【結果】βTG、PIC、Fibrinogen、血小板の変化率におい て有意差を認めなかった。PF4、TATの変化率において、 名の血清アポ蛋白濃度を透析前後で測定し、高脂血症治療 への適用が可能か検討した。使用した透析器は機能別分類 5型のポリエーテルスルホン膜透析器である。 β-TG,F1+2,TAT,PIC,t-PA・PAI1)とした。 【結語】血液透析患者の高脂血症の一因といわれるアポC3 PS-UW、APS-Eに対しPES-Sαにおいて低値を示した。膜 【結果】PF-4の入口-出口較差についてAPS-SはAPS-SAに 残血の目視でも有意差を認めなかった。UN、Cr、iP、β2MG 【結果】ヘパリン最少必要投与量はAPS6.2±4.1U/kg/hr、 の上昇、アポC2/アポC3比の低下の改善がみられ、5型 比べて有意に高くなる傾向を認めた。TATおよびAPTT の除去率、クリアランスに有意差は認めなかったが、PS- VPS5.6±5.0U/kg/hrで両群間に有意差を認めなかった。 ポリエーテルスルホン膜による血液透析は高脂血症治療の はAPS−SA、APS-S共にダイアライザーに接触を開始す UWに対しPES-Sαにおいてα1MGの除去率に有意差を認 また開始後15分においてPF4・TAT・PIC・t-PA・PAI1 補助手段として有用である可能性が示唆された。 る入口-出口較差において有意差を認めず、フィブリンモ めた。 は開始時に比べて上昇し、β-TGおよびFFA、LPLは開始 ノマー複合体は変動しなかった。 時投与量に比べて最少投与量で軽微な変化であった。 【結語】PES-SαはPS-UW、APS-E抗血栓性において有意 【結語】両群共にPS膜の液性凝固因子の変化は軽微であっ たが、PF-4の上昇率についてはAPS-SAが少ない傾向を示 差を認めないがPF4、TATの変化率が低値であり、今後 更に検討の必要があると思われた。 【結語】ビタミンE固定化PS膜ダイアライザーであるVPS はAPSと同様に抗血栓性に優れており、凝固・線溶系に与 したことからウェービング中空糸およびその内径の狭小化 える影響が軽微で脂質代謝における影響についても抑制が によって血液線速度が上昇することによって得られると考 可能であった。 えられた。 60 61 NO.55 当院で使用している透析膜の溶質除去能と ポッティング剤に対する特異 IgE抗体の 比較検討 医療法人 三軒医院1 1 ○沼田 靜(ぬまた しずか) 牧尾 健司1 1 1 室 秀一 宮路 計 南方 茂樹1 森本 鎭義1 三軒 久義1 【目的】今回、当院で使用中の4種類の透析膜(PMMA・ CTA・PS・EVAL)について透析膜別の除去性能を比較 NO.56 NO.57 透析膜によるカルボニルストレス軽減効果 VPS-H長期使用における透析中の血圧変動 えいじんクリニック 内科1 えいじんクリニック 臨床工学科2 望星平塚クリニック 内科3 望星平塚クリニック 臨床工学科4 東海大学 医学部 腎代謝内科5 1 ○武林 祥裕(たけばやし よしひろ) 五嶋 庫人2 加藤 太郎2 須賀 孝夫3 米山 貢4 鈴木 大5 角田 隆俊5 斎藤 明5 三思会 東邦病院 ME科1 三思会 東邦病院 腎臓血液センター2 旭化成メディカル株式会社3 1 ○松村 昌樹(まつむら まさき) 佐々木 寿子1 關塚 くみ子1 佐野 浩之1 小川 浩司1 清水 ちひろ2 小林 さつき2 田村 茂生2 植木 嘉衛2 是本 昌英3 【目的】血液透析治療で透析中の酸化ストレス発生による した。また、ダイアライザーに用いられているポッティン グ剤(イソシアネート)は、職業性アレルギーとして知ら れているため、IgE抗体についても検査した。 【対象】当院における維持透析患者130名対象とした。 NO.58 旭化成メディカル社製PS膜APS-Eによる 貧血改善効果のまとめ, 長期使用成績と前向き比較試験について 公立松任石川中央病院腎高血圧内科1 公立松任石川中央病院内科2 金沢大学大学院医学系研究科腎臓内科3 金沢医科大学腎臓内科4 越野病院内科5 1 ○高澤 和也(たかさわ かずや) 高枝 知香子1 竹下 有美枝2 中屋 来哉3 北川 清樹3 和田 隆志3 横山 仁4 越野 慶隆5 河合 昂三2 【目的】カルボニルストレスは心血管系合併症などと関連 弊害が知られている。以前我々はビタミンE固定化ポリス づけられ、特に長期透析患者ではその軽減が望まれる。今 ルフォン膜VPS-Hを使用することにより酸化ストレスの消 【目的】維持血液透析患者においてAPS-Eを使用すること 回我々は、カルボニルストレスの要因として透析膜の影響 去により、血圧低下を軽減できる可能性があると報告した。 による貧血改善効果について、長期使用および他膜との前 について評価を行った。 その後もVPS-Hを継続使用し、12ヶ月間の血液透析中にお 向き比較試験で検討した。 ける血圧変動のデータが得られたので報告する。 【方法】定期採血時にHD前後の採血を行い、BUN・Cr・ 【方法】安定期にある13名の透析患者を対象とし、FB-UH UA・無機P・β2-MG2の項目において標準化除去率を算 トリアセテート膜)透析器とPS-N(ポリスルホン膜)透 【方法】対象は透析時収縮期血圧 終了時/開始前の比0.7以 出した。また、透析膜別のKt/V・PCR・Cr%とEPOの一 析器を各3ヶ月間使用するクロスオーバー比較評価とし 下(血圧低下症例)の維持透析患者8名。使用ダイアライ 回使用量も算出した。PS膜についてはAlb漏出量を測定し た。評価中、2週間に1回の頻度で透析液の清浄度として、 ザーは、各種合成膜とビタミンE固定化PS膜(VPS-H)を 【対象】BSを使用していた10例を対象として、APS-Eへ変 た。アレルゲンであるイソシアネート(MDI・HDI・TDI) エンドトキシン濃度とR2A培地(従属栄養細菌)および 用いた。血液透析中の血圧・脈圧・脈拍を8点(0、15、 更前および変更16ヶ月後までヘマトクリット値(Ht)の のIgE抗体は、HD前に採血し検体とした。 SCD培地(好気性細菌)を用いて生菌数を確認した。各透 30、60、120、180、210分、終了時)を変更前 0ヶ月から変 推移と標準化透析量(Kt/V)を検討した。次にAPS-Eを 析器の使用期間3ヶ月の最終週にカルボニルストレスマー 更後12ヶ月間測定した。 3ヶ月間以上使用中の19名をAPS-Eを12ヶ月間継続して使 【結果】PS膜が全ての項目において高い除去率を示した。 カーとして、ペントシジン、酸化LDL、炎症マーカーとし その中でも製造方法の異なるPS膜(APS-S・TS-U・CS-U) て、IL-6、TNF-αおよび各種生化学検査(TP、ALB、T- においては全ての項目についてAPS-SAPが高い除去率を CHO、HDL-cho、TG)を実施した。 【方法】BSからAPS-Eへ変更後16ヶ月間観察した。その後、 新たにFPS-Mと前向き比較試験を行い検討した。 用するAA群10例と、始めにFPS-16Mを6ヵ月間使用し、 【結果】VPS-Hに変更後 6ヶ月以降、収縮期、拡張期、脈圧 の変動が緩やかであった。特に透析60∼終了時における血 その後再びAPS-Eを6ヵ月間使用するBF群9例に無作為 に分け、前向き比較試験で貧血の推移を検討した。 圧変動に違いが認められた(有意差有りp<0.05) 。 示した。Kt/Vは、CTA膜が一番高く、次いでPS膜であっ た。PCRとCr%は、CS-Uが高かった。Alb漏出量は、TS- 【結果】評価中の透析液の清浄度は、エンドトキシンは常 S・CS-U・APS-UAの順に多かった。EPO使用量について に検出感度以下、生菌数については0.1CFU/mL以下であ 【結語】ビタミンE固定化ポリスルフォン膜VPS-Hを長期 たが、APS-E膜変更、3ヶ月後には,33.7±6.5(p<0.05) 最も少なかったのはCS-Uであった。IgE抗体は疑陽性を含 った。ペントシジン値は、トリアセテート膜使用時に 使用することにより、血圧変動に与える影響が緩徐になる と 有 意 な 上 昇 が 認 め ら れ , 16ヶ 月 後 も 35.3± 4.1 % め4名であった。 0.3389±0.1133μg/mLに対して、ポリスルホン膜使用時に 可能性があることが示唆された。 【結果】BS膜使用時はHt 30.3±3.5(平均±SD)%であっ (p<0.001)と変更後3ヶ月後からの改善が持続していた。 は、0.3992±0.1515μg/mLとなり、トリアセテート膜使用 網状赤血球数はBS膜の4.2±1.2からAPS膜4ヵ月後には 【考察及びまとめ】今回、透析治療の指標となる除去率、 時に有意に(p<0.05)低値を示した。その他の項目につい 5.2±1.9x104/μl(p=0.02)と有意に増加した.一方、 Kt/V、PCR、Cr%を算出した結果、同じPS膜であっても ては、トリアセテート使用時とポリスルホン使用時で顕著 Kt/Vは膜変更前後で差はなかった(BS:1.41±0.24、 充填率や分画分子量の違いにより、β2-MGの除去率、アル な差は認められなかった。 APS:1.33±0.14, p=0.271)。前向き比較試験ではAA群の Htは前37.7±3.2%でありBF群と有意差はなく、6ヶ月後 ブミン漏出量、EPOの使用量が異なった。EPOの使用量 に差が見られた原因は不明だが、アルブミン近傍に赤芽球 系造血抑制因子の存在も報告されていることから、溶質除 【結語】FB-UH透析器を用いた長期血液透析により、カルボ ニルストレス軽減効果が期待できると考える。 のHtは37.0±3.3%と推移した。BF群のHtは変更前36.7± 5.4%からFPSへ変更6ヵ月後には32.9±5.7%へと有意に低 去能の違いと、ポッティング剤の溶出が何らかの影響を及 下し、APS-Eへ戻した6ヵ月後には35.8±4.4%と有意な改 ぼしている可能性などが考えられる。 善が認められた。網状赤血球数もBF群では6ヵ月後に IgE抗体については、陽性者もいることからダイアライザ 4.6±1.5から4.0±1.3x104/μlへと有意に低下した。 ー選択の際に注意する必要がある。 【結語】III型以下の透析膜使用中で貧血を呈する症例にお いて、APS-Eへ変更することにより貧血は改善する可能性 が示唆される。 62 63 NO.59 NO.60 NO.61 NO.62 血液透析患者のHPLC法による ビスフェノールA値 PS膜透析器との関連が危惧される 病態について HPMの二律背反の探索(3) 流血中のamyloid β-protein (1-40) (1-42) , の動態 PVPは透析中のアミノ酸動態に 関与するであろうか 元町HDクリニック 臨床検査部1 元町HDクリニック 内科2 元町HDクリニック 臨床工学部3 千葉県衛生研究所4 1 ○清水 康(しみず やすし) 申 曽洙2 佐二木 順子4 田中 和弘1 岡本 磨美1 田中 和馬3 阪口 剛至3 大槻 英展3 吉本 秀之3 森上 辰哉3 特定医療法人五仁会 元町HDクリニック1 特定医療法人五仁会 住吉川病院2 特定医療法人五仁会 住吉川クリニック3 1 ○申 曽洙(しん じゅんす) 西岡 正登2 新光 聡子2 澁谷 浩二2 杉木 雅彦2 尾藤 良子2 藤田 嘉一2 駒場 啓太郎3 医療法人 本村医院1 株式会社いかがく 研究開発部2 1 ○本村 俊二(もとむら しゅんじ) 山川 高哉1 安井 国香1 真柴 新一2 後藤 明子2 水巻クリニック1 クラレメディカル株式会社2 1 ○河上 由加(かわかみ ゆか) 野口 栄一1 原田 康雄1 山田 一代1 藤松 信二1 牟田 俊幸1 向 誠2 宮原 忠司2 【目的】Polyvinylpyrrolidone(PVP)が透析中のアミノ酸 【緒言】先に人工腎患者の流血中amyroid β-protein(Aβ) の動態に関与するかどうか調べた。 昨年の本会でわれわれもその意義を強調したが、近年の は、異常高値を示す。それは、HPMによる治療で50%以 透析療法においてβ2-microglobulin(BMG)除去が重要で 上除去される。また、Aβ(1-40)値は、GFRに相関を示す 【 方 法 】 外来維持透析患者5名にPVPを含まないFLX- 【目的】現在、慢性腎不全患者に対する血液透析療法にお あり、そのために当院でもこの数年はPolysulfone(PS) と報告した。今回はAβ(1-42)と(1-40)を併せて検し得 12GWを用い血液透析を行った。週初めの透析前後に採血 いては、ビスフェノールA(BPA)をその一成分とする樹 膜透析器の使用が全使用ダイアライザ−の80%にまで急増 たので報告する。 および透析液の排液を採取し、UNとアミノ酸を測定し、 脂(ポリカーボネート樹脂やポリスルフォン樹脂)が使用 した。しかしその一方で、当院でこの数年、PS膜透析器 された透析器が主流を占めている。 の使用によると思われる諸症状が経験され、PS膜透析器 【方法】対象は、腎機能正常者から慢性腎不全保存期患者 PVPを含むFDX-120GWに変更し、同様の採血および測定 血液透析療法による透析器からのBPA溶出、血中濃度に が使用できない症例が増加している。透析開始後の違和感 を対象にし、年齢は10才代から80代までにわたる。ELISA を行い比較検討した。総体液量及び細胞外液量は、 ついてはELISA法による報告は散見されるが、今回我々は 掻痒感、喘息発作、意識障害など、透析中と透析後の一時 は、「和光純薬」のAβ(1-40)及び(1-42)を用いた。同時 Inbody3.2で測定した。また、昼食は摂らずに行った。 透析患者検体および各種透析用水中のBPA濃度をHPLC法 的な症状だけでなく、掻痒疹、好酸球増多症、血小板減少 に測定した腎機能指標と検討した。 により測定したので報告する。 症、潰瘍性大腸炎、舌炎など、多様な病態がPS膜透析器 の使用中止などによって改善されたと考えられた。 除去率,除去量,クリアスペースなどを求めた。翌週に 【結果】1.FLX-12GWとFDX-120GWのUNの除去率、除 【成績】1)83回の測定におけるCrとCystatin Cの相関r 去量、クリアスペース、クリアスペース率対除去率などに 【方法】各種透析器を使用し、透析前後の血清、透析排液 また近年、当院全例の好酸球%の平均値は5%以上に増 =0.904と正の相関を示した。2)Aβ(1-40)と(1-42)の相 両者間で有意な差はなく、その除去特性はほぼ同等であっ および未使用透析器の内部充填液のBPAをHPLC−ECD法 加し、血小板数は18万以下に低下してきており、これらの 関はr=0.714で正の相関を示す中にあって、4回の同一人 た。2.アミノ酸の除去率、除去量、クリアスペース、ク にて測定した。また透析器はPS膜と非PS膜に群分けし、 変化にもPS膜透析器の使用、PS膜透析器などから溶出す の成績が閾値をはみ出ている。3)Aβと腎機能の指標であ リアスペース率対除去率などにも両者間で有意な差はなく 評価した。 るとされる内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)のビスフ るCystatin Cとの相関を見れば、 (1-40)はr=0.516,(1-42) PVPの関与は示唆されなかった。 ェノールA(BPA)の関与が懸念され、報告したい。 【結果】透析前患者血清のBPAは0.47±1.08 ng/ml(n=34) とはr=0.857であった。そこで、4):1)で述べたCystasin C に相関しない同一人4回の成績を除いたn=79回の成績を であった。 1)2)3)と同様に処理すれば、CrとCystatin Cの相関は 透析前値に前回使用膜(PSと非PS)による差はなかった。 r=0.907,Aβ(1-40) と (1-42)の相関はr=0.888,Cystatin C 透析前後値の変化は使用膜(PSと非PS)による差を認め、 と(1-40)相関はr=0.869,(1-42)はr=0.888と上昇してい PSで上昇していた。 る。5)年代別に相関をみれば、相関係数は(1-40)r=0.308, 一部透析液にもBPAが検出された。またPEPA膜の内部充 填液にもBPAが検出された。 【考察】PVPは、透析中のアミノ酸動態に全く関与しない と考えられる。 (1-42)r=0.224であるが、各年代混在している保存期腎不 全患者を除けば(1-40)r=0.338, (1-42)r=0.233に上昇し ているが、有意の相関とは思えない。 【考察】 以上の成績よりAβは、今回は、腎機能正常者と腎 不全保存期患者において、83回中例外的1症例を外して、 腎機能GFRの指標とされているCystatin Cとの相関は、 (140),(1-42)の何れもr=0.869,0.888と極めて類似の高値 を示した。従って、これら流血中のAβ値は、腎機能由来 の値と考えられる。50日間に4回測定した80才女のAβの 値は、他の症例と異なりGFRに関与せず、特に(1-40)独 自の値を示し、別の代謝経路のものと考えられる。 【結語】1)Aβ(1-40),(1-42)を同時に46名、79回測定 し,r=0.888の相関を見た。 64 65 NO.63 NO.64 NO.65 NO.66 膜素材の違いによる透析中のアミノ酸漏出 の差は単にダイアライザーの除去性能に よるのだろうか 透析患者の栄養状態にダイアライザーの 膜素材が関与するであろうか(第2報) 特定積層型透析器のプライミング方法の検討 ―自動プライミングとプライミング予約― 多周波数インピーダンス計MLT-50を 用いた透析患者の身体組成分析 水巻クリニック1 クラレメディカル株式会社2 1 ○牟田 俊幸(むた としゆき) 河上 由加1 山田 一代1 向 誠2 宮原 忠志2 腎愛会 だてクリニック 臨床工学科1 1 ○小林 肇(こばやし はじめ) 南 嘉継1 林 恭子1 名古屋 龍司1 東小野 智1 伊達 敏行1 知邑舎 知邑舎 知邑舎 ○長尾 高田 水巻クリニック1 クラレメディカル株式会社2 1 ○牟田 俊幸(むた としゆき) 河上 由加1 2 2 向 誠 宮原 忠志 【背景・目的】維持透析患者の低栄養状態には透析液への 【目的】同等面積のpolysulfone 膜ダイアライザー(PS)ま メディカルサテライト岩倉1 メディカルサテライト知多2 岩倉病院 外科3 1 尋智(ながお ひろとも) 目叶 裕史2 幹彦3 アミノ酸(AA)の漏出が関与している可能性がある。その 【目的】特定積層型透析器では構造上、透析液層が閉鎖さ たはEVAL膜ダイアライザー (KF)を用いた血液透析では、 漏出量は透析膜の素材によって差があることも報告されて れているとプライミング初期の生理食塩水(生食)が限外 【緒言】ドライウェイトの定義に対し簡便な数値評価法は PSの方が有意にアミノ酸の除去量及び‘遊出量’が大き い る 。 そ こ で 膜 素 材 が 異 な る ポ リ ス ル ホ ン( P S )膜 と ろ過され血液層を閉塞させてしまうため、透析液側を大気 少ない。体水分評価では除脂肪重量における水分比率が重 いことを報告した(HPM 2005)。そこで、その差が単に除 EVAL膜が透析中のAA動態と栄養状態に及ぼす影響につ 開放状態にしなければ生食の充填は困難とされている。今 要であるが測定方法が困難であった。多周波数インピーダ 去性能の差によるものかどうか尿素窒素(UN)と比較し検 いて調べた。 回、当施設において自動プライミングを導入するにあたり ンス法(MFBIA法)による身体組成分析装置を使用し透 特定積層型透析器のプライミング方法と洗浄効果について 析患者の身体組成分析、DW設定を行い、所見を得たので 検討した。 報告する。 討した。 【 方 法 】 PS膜を使用している維持透析患者10名をPS膜 【方法】対象は外来維持透析患者8名。週初めの血液透析 (PS群)またはEVAL膜(KF群)に分け、膜素材の違いに にKFを使用し、透析前後および透析開始1時間後の血液お より栄養状態が変化するか6ヶ月間検討した。6ヵ月後に 【方法】自動プライミングは透析装置として日機装社製 【方法】身体組成分析装置MLT-50(積水化学工業社)を用 よび透析液排液を採取した。UNとアミノ酸を測定し、ク PS群はEVAL膜へ、KF群はPS膜へ変更し、さらに6ヶ月 DCS-27、充填液として生食1500mlを用い、透析液側に独 いて定期採血時、透析前後、CTR、心房性ナトリウム利 リアランス,除去率,除去量などを求めた。翌週に同等の 間同様の検討を行った。細胞外液量はInbody3.2で測定し 自に考案した「ろ過液バック」を取り付け、循環速度、循 尿ペプチド(hANP)と比較検討した。 クリアランス(カタログ値)のPSを使用し、同様に血液お た。 環時間等の設定で自動プライミングが可能か否かを検証し よび透析液排液のUNとアミノ酸を測定し、クリアランス, た。また自動プライミング法と東レ社製TR-3000Mを用い 除去率,除去量などを求めた。細胞外液量はInbody3.2を 【結果】栄養状態は最初の6ヶ月間では両群間に有意な変 用い測定した。昼食は患者の了解のもと摂らずに透析を行 動はなかったが、後半の6ヶ月では,PS→KF→PS群で った。 TP,体重,BMIが減少した。PS→PS→KF群では、減少 たプライミング予約法においてプライミング終了時の回路 内生食の浸透圧を測定し洗浄効果を検討した。 【結果】正常者はBMI23に対し体脂肪率は20%であったが 透析患者では男性28%、女性37%であり体脂肪率が高く (有意差ありp=0.0003、r=0.01)女性患者ではさらに高か った。このことは除脂肪重量が体重に比し少ない状況と考 傾向はあるも有意ではなかった。透析前UN,血清alb, 【結果】自動プライミング時の循環工程における静脈チャ えられた。除脂肪重量に占める体水分量の平均では正常男 【結果】PSまたはKFを使用した血液透析で、1)UNの除 BPI,%Cr産生速度,AAには有意な変化は見られなかっ ンバの液レベルの低下は、循環時間を極力短時間に設定す 性71.26±2.85%、女性68.09±3.09%で多くの報告のごとく 去量,クリアスペースには有意な差はなかった。2)アミ た。AAの除去量,遊出量はPS使用時に有意に増加した。 ることで防止可能であり、自動プライミング法、プライミ であったが、正常hANP値透析患者の透析後で男女ともに ノ酸の除去量,遊出量はともにPSが有意に多かった。 (1) AlbはKF使用時に約1g多く除去されていた。 ング予約法いずれの場合でもプライミング終了時の回路内 65.95±3.5%であった。TBWの体重比は予想より低く男女 生食の浸透圧は、従来の大気開放方式に比べ、「ろ過液バ とも49.3±5.01%であった。クリアスペース率では体脂肪 ック」を使用した場合ではより生食の理論値に近ずける事 率の高い患者では除去率優位な結果であったが透析後 が可能であった。 TBW+体重差(Kg)を加えた検討により小分子量除去は均 アミノ酸の種類によりPSとKFで透過性に差があり、この ことがアミノ酸の除去量に差をだすのではないかと考えら 【考察】PS膜またはEVAL膜を使用した場合の血液透析で、 れた。(2)遊出量に差がでるメカニズムは確かなことは不 クリアランスの差以外に透析中の細胞内から細胞外へのア 明であった。 ミノ酸の“遊出”に差があることが示唆された。またその 【結語】PSとKFにおけるアミノ酸の透析中の動態には、 UNの除去特性以外の要因が示唆された。 等除去に近づいた。TBWの分画ではBMIが18を割ると 差は6ヶ月間では栄養学的指標への影響ははっきりしなか 【結語】自動プライミングの条件設定により特定積層型透 TBWの内外液比の理論値2:1に対し大きくずれる場合 った。しかし、EVAL膜透析は体重,BMIの減少が少なく 析器の自動プライミングは可能であり透析液側に「ろ過液 が散見された。透析患者ではこの傾向が強いため今後の精 栄養状態とのかかわりが示唆された。 バック」を付けることで、洗浄効果の向上が期待できる。 度を含めた更なる検討が必要と考えられる。 【考察】MFBIA法を用いた身体組成評価では簡便に計測推 定でき有用であった。DW設定の目標としては他のパラメ ータを含めた検討では透析後の除脂肪重量におけるTBW 比が65±3.3%であり体重比は50%を割り透析患者の筋肉量 低下が考えられた。またBMIに比し隠れ肥満が存在し栄養 障害や運動不足、カルニチン代謝など課題が残されている ことが示唆された。 66 67 NO.67 全国厚生連ダイアライザー共同購入とその 成果 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 臨床工学科1 JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 腎臓内科2 厚生連人工透析多施設共同研究プロジェクト20063 1 ○塩澤 勉(しおざわ つとむ) 長澤 正樹2 田村 克彦2 厚生連人工透析多施設共同研究プロジェクト20063 【目的】全国の文化厚生農業協同組合連合会の共同購入委 員会人工透析専門部会に属する24施設の多施設共同研究に よる、大規模レトロスペクティブな解析を行うとともに人 工透析専門部会の成果について検討した。 【対象及び方法】調査対象数及び研究参加施設は24施設、 440名である。対象は、2004年9月時点で透析導入後1年 以上経過、週3回各4時間、QB180∼220ml/min、QD400 ∼500ml/minの血液透析を施行している患者を対象とし、 観察期間にダイアライザー変更群と不変群の2群間による 比較検討を行った。項目は、薬剤、原疾患、血管系イベン ト、ダイアライザー、血液検査他で透析の質の向上に必要 な条件をダイアライザーによる除去及び生体適合性の観点 と薬剤等による効果も含め、経時的・総合的に分析・考察 した。 【結果】血液検査の比較では、ダイアライザー変更群は、 不変群に比べ溶質除去効率の向上によるKt/Vの向上、 %CGRの向上、β2MGの低下などが見られた。診療報酬改 訂後の期間では、Epo減量でのHGB値の維持がダイアライ ザー変更群で効果的であった。尚、期間中の透析時間・QB・ QDの変更は無かった。 【考察】透析効率の影響因子である、透析時間・QB・QDが 不変下での透析効率の向上は、ダイアライザー変更による 効果と考える。経済効果の維持向上はHPMダイアライザー への変更を容易にし、透析効率や臨床効果の向上をもたら す事が示唆される。 【まとめ】厚生連人工透析専門部会の取り組みは、経済効 果だけでなく患者の透析の質の向上にも効果的であった。 68
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