クロスロード No.30(11/14) 学校と家庭の教育 ② 「親の立場と教師の目線」 前回から、学校と家庭の教育のことをお伝えしています。前回は、「ぼん やりとでよいので、10年後に一番大切にしたいことを思い描いて」でした。2回目の今回は、 「教師はもう少し親の立場で、親は少しだけ教師の目線で」というお話をさせていただきます。 最初から私ごとになりますが、23歳で教師になり10年後に長男が生まれました。我が子 ができるまでの10年間は、仕事として学級の子どもたちと過ごしてきたのが、今度は、学校 と家庭で子どもを相手に、教師と親の両方の顔をもつことになったのです。我が子が生まれし ばらくは、家庭と職場では「別々の顔」をしていたように思います。しかし、我が子が小学生 になったころから、どうやら家でも教師の顔が出てしまったのではないかと振り返っています。 「教育しよう」「伸ばそう」が強かったのです。ピアノや野外活動を習わせようとし、読書や作 文を強いたりもしました。子どもの関心が別のところにあったのか、それとも親の関わり方に 問題があったのか、長男はこちらがやらせようとしたことを、ことごとく嫌いになってしまい ました。結局、自分がやりたいと思うことをやり、私たちの方はそれを認め、応援するしかな くなっていったのです。 そのようなことがあってから、漠然とながら教師の仕事と親の役割の重なるところと違いを 考えるようになりました。どちらも、 「子どもを大切にし成長させる」ということでは同じです。 ただし、教師の方は、個々の子の特性にも配慮しながら、集団のなかで目標(国、市、学校) の達成に向けて指導することが中心にあります。ここで教師にとって大切なことは、「専門的指 導法」です。一方、親(保護者)は、親子や家族というつながりをベースとして、しつけたり 育てたりします。最も大切なことの一つは、・・・適切な言葉がなかなか見付かりませんが・・ ・・「本人が伸びようとする芽を育む受容的態度」といったもののように思います。 我が子が小学生のころ、親として担任の話をお聞きすると、集団のなかで子どもにそのよう な面があったのかと驚いたり、うれしくなったり、逆に心配になったりすることがありました。 その際、少し教師の目線になってみると担任の先生の話がなるほどと思えてくるのでした。一 方、担任として保護者とお話をすると、我が子を大切に思う深い気持ちが伝わってきて、改め て身が引き締まる思いを抱いたことがありました。そのようなことから、いつのころからか、 「教 師はもう少し親の立場で、親は少しだけ教師の目線で」という言葉を自分自身に言い聞かせる ようになったのです。 今週は個別懇談会が行われます。ご家庭と学校とが、互いに大切なお子さんのことをもっと よく知り、これからのことを語り合える機会になることを願っております。 また、学校では、11月8日(火)から家庭学習強調週間となっています。11日11日(金) からは、図書館まつりです。読書嫌いだった我が子も、読書週間には少し本を読んでいたよう です。家庭学習なども、学校の取組に合わせて子どもを後押しすることが効果的でした。 ※ 図書館ボランティアの方が図書館まつりの準備を進めてくださっていました。 ボランティアやPTAの活動は、 「親の立場」 「教師の目線」が交錯する場です。 感謝しつつ、家庭教育が一つ深まる場になってほしいと願っています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ エイ子さんからは、「見守ることは『光』、関わることは『堆肥』、させ ることは『化学肥料』の意味がよく分かりません」との言葉をいただきましたので、次回はこ のことについてお話しします。 -1-
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