環境に関するレポート - Accenture

「私たちは二酸化炭素排出量と環境影響、
業務コストを一気に減らしましたが、フィリップスとの
協力がこの目標達成を後押ししてくれました。」
エディー・マーフィー
ジオグラフィック・サービス
グローバル・エネルギー・マネジメント責任者
環境
アクセンチュアとそのステークホルダーのために持続可能な経済成長を促進することが私たちの環境戦略の中心であり、
世界中の人々の働き方と暮らしを向上させることが私たちのビジョンの中核にあります。アクセンチュアの環境戦略は
「効率的な事業運営」
「持続可能な働き方」
「お客様のサステナビリティ実現」
「サステナビリティを向上させる知見」
という4つで構成されています。2020年とその先に向けて、この環境戦略を道標としながら高い目標を掲げて邁進
していきます。
社内のチームやお客様のためにコラボレーション技術を使い、人と出会い、学び、そして
互いにつながり合った個人的な世界も作りながら、出張のコスト、時間、回数を減らし、出張
に伴う二酸化炭素の排出量を削減します。
目標と進捗状況
効率的な事業運営:
達成:
2015会計年度末までに社員1人当たり二酸化炭素排出量に
ついて2007年度を基準に35%の削減を予定しています。
2014会計年度末には目標を上回り、社員1人当たり43%の
削減を達成しました。
新たな目標:
2020会計年度末までに下記の目標を目指します。
•効率的な事業運営
社員一人当たりの二酸化炭素排出量を平均2トンに削減、
2007年度を基準に50%超の削減を目指します。
•お客様のサステナビリティ実現
サステナビリティという重要な領域においてお客様やサプライヤーとの業務によるインパクトの測定
報告を開始します。
2
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
アクセンチュアの環境戦略とガバナンスNCE 効率的な事業運営
アクセンチュアの環境戦略は「効率的な事業運営」
「持続可能な働き方」
「お客様のサステナ
ビリティ実現」
「サステナビリティを向上させる知見」の 4 つで構成されています。これに
伴い、環境責任も私たちの倫理規範と、
コアバリューの一つであるスチュワードシップに反映
されています。この中で、Environment
Steering Group(ESG)は、2007年に策定、2014年に
改訂した環境責任に関するポリシーを毎年見直していくとしています。
環境戦略に対するアカウンタビリティは、会長兼CEOを中心に、Chief
(CLO)、Chief
Leadership Officer
Operation Officer( COO )、グローバル・ジオグラフィック・サービス・マネー
ジング・ディレクター、それぞれが統括するコーポレート・シチズンシップ、ワークプレース・
私たちは2008年度に初めて二酸化炭素排出量に関する目標を設定し、以来、社員1人当たり
2007年度水準で43%以上の削減を実現
の二酸化炭素排出量を平均4.0トンから2.3トンへと、
しました。これは、総量で約200万トンのCO2削減、北米地域の約275,000世帯分の年間電力
使用量に相当します。
43%
2007年度基準で2014会計年度に達成した社員1人当たりの二酸化炭素
ソリューションズ、環境オペレーションの各チームに浸透しています。
排出量削減率
アクセンチュアには、目標に向けて実績を上げ、環境分野の取組みに対する役割と責任を
私たちの二酸化炭素排出量の80%以上は、航空機による出張とオフィスの電気使用による
明確にするガバナンス構造があります。ESGは四半期ごとに召集され、環境パフォーマンスを
ものです。2014年の二酸化炭素排出量削減は、社員の熱意と努力を反映しています。社員が
Management Committee(GMC)の リーダーシップを取り、エネルギーを注ぎ、協力することで、自らの環境意識を高め、環境戦略
(ACCC)
をサポートし、
サス と環境パフォーマンスを考慮しながら意思決定を行っています。
下部組織であるAccenture Corporate Citizenship Committee
点検し、改善点を確認しています。また、ESGはGlobal
テナビリティに関する取組みについて戦略的な提案を行っています。
ACCCはマーケティング&コミュニケーション、人事、法務各部門の代表で構成されるクロス
ファンクショナルな組織であり、二酸化炭素排出量の削減目標など、重要な取組みを承認し、
環境戦略に関するポリシーをモニターしています。同時に、GMC 、ACCC 、CLO 、COO 、取締
は環境における持続可能な成長という会社の目標に責任を負って
役会(会長兼CEOを含む)
います。
CO 200万
2
2007~2014会計年度に発生回避したCO2量
2014会計年度は環境影響の3つの領域で前進が見られました。
• エネルギー効率の向上―2014会計年度はアクセンチュア史上最もエネルギー効率の高い
年になりました。前年度までの取組み成果も含めて、2007年度を基準に累積で合計53万
メガワット時(推定)の電力を削減、33万トン以上のCO2排出を回避しました。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
3
• 再生可能エネルギーの増加―再生可能エネルギー電力を使用
するオフィスを増やすというサプライチェーン戦略が2014会計年
CDPのグローバル気候
パフォーマンス・リーダー
シップ・インデックスで
高評価
2007年から毎年アクセンチュアは、
環境リスク、オポチュニティ、方法論
を含めた環境パフォーマンスをCDP
気候変動プログラムに報告しており、
2014年には初めてCDPグローバル
気候パフォーマンス・リーダーシップ・
度に大きな一歩を踏み出しました。全オフィスの再生可能エネル
ギー購入比率を2013年度比で30%以上向上させました。
• 航空機出張の削減―バーチャル・コラボレーション技術に投資し、
可能なかぎり現地の人材を採用し、
グローバル・デリバリー・ネット
ワークを活用することで、2013年度比で航空機出張による社員
1人当たりの二酸化炭素排出量を13%以上削減しました。
エネルギー管理
エネルギー管理プログラムは、人、
プロセス、
テクノロジー・ソリュー
ションで構成され、
カーボンインパクトの低減目標に向けて進めら
ギー消費量を減らし、
オフィススペース1平米当たりのキロワット時
このインデックスは、気候変動への
で年間改善目標を達成しています。
込み、気候関連リスクを減らすため
に具 体 的 な 施 策を講じ、実 践して
いる企業にスポットライトを当ててい
アクセンチュアのワークプレース・サービスは、お客様であるフィリ
ップス社製LED照明の設置で電力消費量を50~60%削減しようと
しています。アクセンチュアは 2014 年 8 月までにフィリピンの全
オフィスの照明計 32,000 本をLEDに切り替えました。それにより、
エネルギー消費量削減による二酸化炭素排出量の削減、従来の
蛍光管に含まれていた水銀を排除することでの環境影響の低減、
さらに業務コスト削減などの利点があります。年間コスト削減額は
35万米ドル、CO2排出削減量は930トンと推定されます。フィリピン
の経験と成功例を活かし、世界中の拠点でLED照明の設置を計画し
ています。
れています。各国の環境リードがこのプログラムを実行し、エネル
インデックスに取り上げられました。
対応コミットメントを経営戦略に盛り
エネルギー管理の現場
2007 年度のプログラム始動以来、世界各国オフィスの総エネル
ギー効率は 26% 以上改善し、累積でおよそ 53 万メガワット時の
節電と33万トン以上のCO2削減を実現しています。この排出削減
ます。アクセンチュアは情報開示スコ
量は、北米にある道路から年間7万台の自動車が減ることで達成で
ア94(100点満点)、パフォーマンス・
きる削減量に当たります。また、同時期のエネルギー・コストも6500
スコアAと高い評価を受けました。
万米ドル以上削減されました。
アクセンチュア・フィリピンの LED 照明プロジェクトチーム。チーム・リーダー/チャン
ピオンのワークプレース・サービス、マネージング・ディレクターのノラン・ヤンバオ
(写真中央)
。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
4
25%
2014 会計年度末までにアクセンチュアが達成したインドのエネル
ギーポートフォリオに占めるゼロエミッション電力比率
インドは再生可能エネルギーで成功を収める国であり、
現地規制による難しい課題を抱える
国でもあります。2012年度チェンナイにあるアクセンチュア最大のオフィスでは、再生可能
エネルギーの風力発電による電気購入を開始しました。2014会計年度末までにアクセン
(二酸化炭素排出
チュア・インドのエネルギーポートフォリオの約 25%はゼロエミッション
ゼロ)
・エネルギーが占めています。
アクセンチュアは2014年、インド・バンガロールの主要施設 4箇所で再生可能エネルギー
電力の安定供給を受けるため、風力発電会社と直接契約を結びました。これにより、
カルナータカ州の限られた電力網からの供給が減りました。我々の需要は再生可能エネル
2010年から遠隔エネルギー監視システム(REM)を導入、状況をリアルタイムでモニターし、エネルギー消費に関
する意思決定を行っています。
環境マネジメントシステムとISO
購入し、23,000トン以上のCO2排出を回避、世界中のオフィスの電気使用量の約10%を脱
14001認証
アクセンチュアはエネルギー効率を重視した環境マネジメントシステム
(EMS)ISO
ギー利用の継続的な推進、最終的には同州のエネルギー需給ギャップの解消にも寄与し
ます。2014会計年度アクセンチュアはインドで約27,000メガワット時の風力エネルギーを
炭素化することができました。
14001
認証を取得し、多くのお客様に環境への取組みを実証するとともに、環境責任を負うパート
ナーとしての確固たる姿勢を明らかにしています。また、継続的改善にも時間と人材を投資
し、2014年にはすべてのビジネス拠点で認証を取得しました。
再生可能エネルギー
廃棄物管理と水管理
2014会計年度も引き続き電子機器の責任ある廃棄処分で高く評価されました。2014会計
57,000台以上のノート型・デスクトップ型PCを処分しましたが、廃棄
年度には総重量260トン、
適正な処理業者を通じて処理されました。
した機器全体の99%以上は埋立て処分ではなく、
再生可能エネルギーへの転換を目指すサプライチェーン戦略は、
2014会計年度の社員1人
アクセンチュアは水の消費量削減も目指しています。水を大量使用する業種ではありません
当たり二酸化炭素排出量削減に寄与し、
世界中の拠点を合わせて4万トン近くのCO2排出を
が、人口増加や干ばつなどの要因で水ストレス
(水資源の需給逼迫)
に見舞われる恐れの
回避しました。
ある地域で水資源の重要性が高まっていると認識しています。社員とともに節水策の PR
促進に取り組み、継続的にビル管理会社と協力し、無駄のない水利用を促進し、可能なかぎ
りの改善策を実施しています。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
5
持続可能な働き方
オーストラリアの
クリーンアップ活動
2014年、アクセンチュア・オーストラ
リアでは「クリーンアップ週 間 」を
計 画し、自宅で不 要になった電 子
機器の安全な処分、オフィスで使用
されていない文具の再生・再利用を
奨励しました。参加した社員はリサイ
社員 1 人当たりの二酸化炭素排出量を削減するため、できるだけ
環境・経済効率の高い形で、お客様に有効なサービスを提供しよう
としています。社員は、環境戦略を日々の業務で実践する方法を
工夫し、高い目標を支えています。
社員の出張回数を減らすため、引き続きコラボレーション技術に
投資し、できる限り現地の人材を採用、グローバル・デリバリー・
ネットワークを最大限に活用しています。社員は増加していますが、
航空機の利用を積極的に管理することで航空機出張を減らして
います。2014会計年度の航空機利用総量を5%削減、二酸化炭素
800万
毎月世界中の社員がビデオ会議に参加している
合計時間(分数)
社員同士をつなげるビデオ会議も積極的に利用し、毎月平均約800
万分のビデオ会議が行われています。アクセンチュアはMicrosoft®
Lync® の世界最大ユーザーであり、ビデオ会議は社内にとどまら
ず、500 社以上のお客様とも Lync などの通信プラットフォームで
手軽に安全にコミュニケーションしています。こうした通信機能を
使用するため、
アクセンチュアの携帯端末はビデオ機能を含むLync
社員1人当たり13%以上も出張
排出量を前年度比17,700トン削減、
の各種機能にアクセスすることができます。アクセンチュアの社内
た 回 収 箱 に 分 別 するた め の 教 育
回数が減りました。
ソーシャルメディア・フィードでは、関連情報やブログがシングル
ツール「リサイクル・ゲーム」も楽しみ
コラボレーション技術
クル意識を高め、ゴミを色分けされ
ました。
ビューで表示されるため、社員は毎日自分の端末からこのサイトを
チェックするだけです。さらに、
「 エコ・チャンピオン」が選任され、
アクセンチュアはすべての業務にテクノロジーを取り入れ、事業展
プラットフォームを使用して廃棄物管理やエネルギー効率などの
開するすべての国の数十万人もの社員を対象に、最新コラボレー
トピックについてブレーンストーミング・セッションを行い、地理的な
ション技術を広く導入し、出張コストと時間、回数の削減に活用して
境界を越えて協力し、新しいアイデアを交換し合っています。
います。コラボレーション技術により、インスタントメッセージや
チャット、画面共有、お客様とのリアルタイム・コラボレーションなど
でミーティングやトレーニングを行い、
巨大なグローバル・ネットワー
クの中でも少人数の相互接続したパーソナルな世界を作り上げる
ことができます。
高解像度ビデオ会議ソリューションである「テレプレゼンス」
とアク
センチュアの「ビデオ会議ブリッジング・サービス」を組み合わせて
500社以上のお客様と会議を行うことができます。また、ウェブキャ
ストによるライブ配信や録画配信など、
ブロードキャスト機能の活用
も広がっています。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
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最新コラボレーション・ツールでエコ意識の
高い社員の参加を促す
エコ・チャンピオンとエコ・ボランティア
コラボレーション技術の
活用
2014年4月、アクセンチュアは
“Eco StreamChat”
を立ち上げ、世界
24か国の社員から約1000件の書き込みやコメントを集めました。
Eco StreamChatは、環境に配慮した業務プロセスを社員が共有
働き方に関する革新的なアプローチを策定し、世界各国に展開して
2013 年、アクセンチュアBASF 担当
する新しい方法です。
チームは、チームワークや顧客サー
ビスの向上を図るためコラボレー
「スマートワーク」プログラム
ション・ビデオ会議技術の活用を始
「スマートワーク」は、月に 1 週間またはそれ以上の期間、社員が
めました。2 つの会社の持続可能な
必要に応じて地方オフィスやホームオフィス、お客様サイトから通勤
未来への貢献を支えています。アク
するなど、従来とは異なる出張や通勤の形態をサポートするプロ
センチュアの約 400名のチームメン
グラムです。また、
プログラムでは、出張費用についてもスマートな
バーはオーストリア、
ブラジル、
中国、
判断を促し、出張や通勤時間の削減にも役立つツールやテクノロ
ドイツ、香港、インド、シンガポール、
ジーの活用を奨励しています。スマートワークは、
仕事と生活のバラ
スイス、米国に分散していますが、
ンス、仕事への意欲、お客様へのサービス品質の向上に役立ってい
ビデオ会議を行うことで、アクセン
ます。
チュアとBASF チームはオフィスや
文化、時間にとらわれずにコミュニ
トラベルスマート・チャレンジのグローバル展開
ケーションを取り、
出張することなく、
北米環境チームは毎年「トラベルスマート・チャレンジ」を開催して
分野ごとの必要な専門家をアサイン
います。2014年の第3回トラベルスマート・チャレンジは地域を拡大
することができます。
して実施されました。アースデイから世界環境デーまでの 6 週間、
アクセンチュア社員はどうすれば航空機や自動車の利用を最小限
に抑えて出張に関わるカーボンフットプリントを低減できるかを
考え、工夫し、成果を競いました。その結果、約4700便のフライトと
54万マイル(約87万キロメートル)分の道路走行を回避することが
(推定)
できました。これは二酸化炭素排出量に換算して約1900トン
の CO2 削減に相当し、出張費用に換算すると300 万米ドル以上の
世界中に広がるエコ・チャンピオンネットワークは、エコスマートな
いく活動を支えています。現在、
どの地域にもエコ・チームがあり、
そのメンバーは2013 年度から40% 以上も増え、5600 名を超える
社員ボランティアが参加しています。
1 年を通して、私たちは世界中のオフィスで市場重視のエコ・エン
ゲージメント・キャンペーンを実施し、環境に責任ある行動の意識
向上とそれをサポートする活動を進めています。また、
オフィス廃棄
物やCO2排出に対する各国の取組みを主導し、在宅勤務や出張形
態の見直し、
アースデイや国連世界環境デーのイベントを開催しま
した。2014年には以下のような活動を行いました。
日本のアクセンチュアの管理職と社員はアースデイと世界環境
デーに合わせ航空機の利用と紙の消費量削減を目指して「スマー
ト・エミッション・プロジェクト」キャンペーンを実施しました。幹部社
員は「環境宣言」を行い、環境週間の中では環境意識を向上させる
メッセージカードや「エコ川柳」を発表しました。
「エコ川柳」では、
ペーパーレス化を促す俳句やコラボレーション技術による出張回避
に関連した川柳が選出されました。
アクセンチュア・メキシコのエコ・チャンピオンたちは、各地の環境
意識を高めるため、家族で楽しむ 1日のイベント「エコ・ファミリー・
デー」を開催しました。参加者は環境に責任を持った行動の重要性
について認識を深め、その認識の広め方についての理解を深めま
した。
経費削減になります。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
7
お客様のサステナビリティ実現
学生に環境責任について
教える
2014年、インド・ハイデラバードのアク
センチュア・プロフェッショナルたち
NPOのCentre
は、
for Environment
Educationと協力し、34 校を訪問。
環境やゴミの削減、持続可能な開発
につ い て 学 生 の 意 識 改 善 を 促 す
活動を支援しました。各校のボラン
アクセンチュアは毎年研究開発に投資し、革新的な事業戦略や
技術ソリューションの策定、事業化、普及に努めています。その中に
は、お客様がサステナビリティ・パフォーマンスを改善していくため
に有用な事業戦略や技術ソリューションも含まれます。また、私た
ちは包括的なサステナビリティ資産、サービス、
ツールを会社のノ
ウハウや豊富な体験と組み合わせ、
「サステナビリティ戦略」
「サス
テナビリティ・オペレーショナル・エクセレンス」
「テクノロジー/イン
テリジェント・インフラストラクチャ」
という3つの戦略分野でお客様
のハイパフォーマンス実現に貢献しています。以下はその活動例
です。
サステナビリティ戦略の立案
有益な特性を持つ5種類の植物苗を
私たちは、お客様の成長を支え、
ブランドの評判を高め、生産性を
環境で学ぶことの重要性を理解して
もらうための絵や詩のコンテストを
開催しました。
ド・ビジネス・スクール(オックスフォード大学の経営大学院)
と共同
調査を行い、モバイル機器がどのように女性の経済的・社会的な
権利拡大に寄与するかを
“Connected
Women”
レポートにまとめ
ました。調査の結果、ボーダフォンのビジネス市場でサービスを
拡大すれば、2020年には870万人の女性に恩恵をもたらすことが
でき、2020 年までに女性と社会に年間 66 億米ドル相当の経済的
利益を創出できることが分かりました。また、女性の携帯電話利用
者の増加を速め、携帯電話利用者の男女差を縮小することで、女
性と社会のために223億米ドル相当の経済的利益が生まれます。
報告書によれば、女性がモバイル技術やモバイル・サービスを利用
するようになれば、それを彼女たち自身や子供、地域の人々の生活
ティアは、健康効果や灌漑効果など、
植えたほか、クリーンでグリーンな
アクセンチュア・サステナビリティ・サービスはボーダフォンやサイー
向上に活用するようになることが実証されました。
向上させるための確かなサステナビリティ戦略を立案するお手伝
いをします。以下は2014会計年度の活動例です。
Aid by Trade Foundationは、代表的な活動である「コットン・メイド・
イン・アフリカ」の米国展開を目指していました。同基金の市場参入
を援助するためアクセンチュアは、米国ファッションや小売店の
特定、ならびにコットンの持続可能な活用という社会的・倫理的
要素を考慮した革新的なターゲット販売アプローチの策定を支援
しました。アクセンチュアのSkills
to Succeedという取組みで「コッ
トン・メイド・イン・アフリカ」販売チームは、新しい双方向のプレゼン
テーション・ツールのトレーニングを受けました。また、推奨サプラ
イチェーンや調達も「コットン・メイド・イン・アフリカ」
と共有し、組織
全体の効率アップを支援しました。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
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サステナビリティ・オペレーショナル・エクセレンスの実現
お客様がサステナビリティを事業の中核に組み入れることで、コスト削減やリスク軽減、
業務効率とビジネス・パフォーマンス向上を支援します。以下に実例を紹介します。
オーストラリア最大
オプタス社はシンガポール・テレコム・グループの100%子会社であり、
の通信会社です。同社は毎年、サービス提供基盤となるネットワークの増強に数億ドルを
投資していますが、ネットワーク関連機器の購入と同じスピードで、陳腐化した資産を処分
していました。アクセンチュア・ストラテジーと協力し、同社は業界初の資産処分プログラム
を整備し、再利用可能な資産の再販売と陳腐化した設備のリサイクルで300万豪ドル弱の
年間キャッシュ効果を生みました。このプログラムは、埋立て処分を回避して資産を再利用
し、他の通信会社が低価格で再利用できるようにするもので、
これにより、オプタス社は
サステナビリティ・リーダーの地位を確保しました。
トラフィック量の増加に対
フラポートAGフランクフルト空港サービス・ワールドワイド社は、
応するため設備を拡張し、2020年までに二酸化炭素排出量の30%削減を目指しています。
アクセンチュアは同社を支援し、
カーボン抑制フレームワークを策定し、一見矛盾している
ような目標を掲げてエネルギー効率の改善活動を計画しました。このフレームワークを
活用して、同社は、組織内に有望な削減機会を探し、
パフォーマンス指標を組み込んで実質
的な年間エネルギー・コストの削減と長期的なサステナビリティ目標を達成しました。
なくエネルギー効率の改善策を実行することができます。パイロット・プログラムは、
シアト
ル中心部の電力使用量の最大25%削減という目標達成を支える大切な一歩となります。
JTCは、シンガポールの重要な政府機関であり、成長を支え、促す産業インフラ整備を担当
アクセンチュアはJTCを支援し、最新ビル管理と最先端アナリティクス
しています。2014年、
を融合させ、
ビルやテナント、施設・設備から収集される、精度は高いが分散管理されていた
データを分析できるようにしました。ビル管理方法を、監視・制御しやすい方法に転換し、
事後対応型から事前対策型へと切り替えることで、JTCはエネルギー効率の改善とコスト
削減を実現するツールを手に入れました。Fusionopolisという一棟のビルに対する3年間の
パイロット・プロジェクトでは、開始後わずか6か月でツールの効果が表れ、毎月の電気使用
量15%削減と冷水使用量13%削減を実現しました。
サステナビリティを高める知見
アクセンチュアは、
コラボレイター、会議の招集者、提言者としての役割を果たすことで環境
保全の課題すべてに貢献しています。他の企業や組織と協力し、世界をよりよい場所にする
ための問題点と、解決策を見極めています。2014年には、Sustainability
24という独自の
取組みのほか、国連、世界経済フォーラム、持続可能な開発のための世界経済人会議、中国
科学院、CDPとも協力しました。
テクノロジー/インテリジェント・インフラストラクチャの活用
お客様がエネルギー効率を改善し、排出量を削減、技術やモビリティの可能性を最大利用
することで、建設、運輸、サービス分野でインフラストラクチャに関わる複雑な問題解決を
しています。以下のような活動があります。
アクセンチュアのアナリティックス・ソリューションとスマートビルディング・ソリューションは、
米国シアトル市の中心部でエネルギー効率の向上を支援しています。2013年度末に開始
した「ハイパフォーマンス・ビルディング・パイロット・プロジェクト」は、
シアトル中心部のビル
群に関するリアルタイム・データを分析することで消費電力を削減しようとしています。最先
端のITツールやシステムを利用することで、
ビルのオーナーはコスト高の改装をすること
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
9
国連の取組み
世界経済フォーラムの取組み
2011年以降、国連事務総長が主導する「SE4ALL(Sustainable Energy
for All)」においてもアクセンチュアはリーダー的役割を果たして
アクセンチュアは世界経済フォーラムと共同で
“ Global
います。この取組みは、まだ再生可能エネルギーを利用できて
世界の経済国が成長、エネルギー・サステナビリティ、エネルギー・
先進国のエネル
いない13億人の人々がそれを利用できるようにし、
アクセスをどうすればうまくバランスさせることができるかという
ギー効率を高めること、再生可能エネルギーの利用を高めることを
議論を促すものです。
目標にしています。
Energy
を発表しました。これは
Architecture Performance Index Report”
2014年にはお客様との業務経験と研究に基づき
“Report
また、
on
しました。
レポートによれば、
トップ企業は現在、循環型経済モデル、
ションと技術・財政支援を通して、業界主導のプログラム開発を可能
競争上の優位性、すなわち「循環型優位性」を獲得しようとしてい
にし、企業とNGO、国と都市、投資家と個人を現場に参加させること
ます。実際に成功しているグローバル企業は、革新的な中小企業の
で実践的な行動による大きな変革を促しています。Global
Energy
後を追う形で、循環型経済モデルを成長とイノベーションの枠組み
Efficiency Acceleratorにより、エネルギー効率に対するビジネス
ケースは、消費者のために年間2500~3250億米ドル相当の削減を
として適用し、
アクセンチュアの調査の通り、結果的に1兆ドル以上
実現し、成長と雇用を創出するという具体的な成果として再認識さ
欠かせない 5つの新しいビジネスモデルと10 の破壊的技術、特に
れています。
ソーシャルメディアやクラウドコンピューティング、
アナリティクス、
2013年、アクセンチュアは世界最大規模のCEOサーベイ、
“UN Global
を
Compact-Accenture triennial CEO Study on Sustainability”
実施、結果を発表しました。2014 年、アクセンチュアと国連グロー
バル・コンパクトは、責任投資原則(PRI)事務局およびハバスメディ
CEO調査に合わせて2つの報告書
“The Investor Study:
アと共同で、
と
“The Consumer Study: From
Insights from PRI Signatories”
をまとめました。
これらの調査では、
ビジ
Marketing to Mattering”
を発表
Circular Economy Models for Competitive Advantage”
すなわち希少資源から切り離した成長モデルを採用し、それにより
の効果を上げています。レポートでは、
「 循環型優位性」の獲得に
モビリティなどのデジタル技術、そして5つのイネーブリング・ケイパ
ビリティを挙げています。
世 界 経 済フォーラムのヤング・グ
と協力
ローバル・リーダーズ(YGL)
Energy Efficiency Accelerator Platform(世界
エネルギー効率加速プラットフォーム)
を支援し、SE4ALLの目標達
成に向けて支援を加速、拡大させています。SE4ALLはコラボレー
私たちはGlobal
循環型経済賞の創設
し、アクセンチュアは YGL タスク
フォースの共同議長を務め、2014
会計年に「循環型経済賞(Circular
Economy Award )」を創設しま
した 。共 同 議 長 を 務 め た の は 、
完 全にコントロ ー ルされた 持 続
可能な農業、社会的責任を果たす
農業の革新的企業であるエアロ
ファームズ社のCEOと、デンマーク
の元環境大臣・現国会議員でした。
タスクフォースのビジョンは、収益
性 の あるビジネスが地 球 資 源 の
範囲内で商品やサービスをスマー
トに提供する社会的・環境的に繁栄
する世界を創リ出すことです。
ネスリーダーたちが協力してどのようにサステナビリティを世界的
な活動に組み入れることができるのか、
また、サステナビリティに関
する課題がどのように世界中の消費者の考え方に影響するのかを
考察しています。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
10
持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)
アクセンチュアは「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD:
World Business
Council for Sustainable Development)」の活動メンバーです。WBCSDはビジネス、
社会、環境の観点から持続可能な未来を創り出すために世界の実業界を結集する約 200
社のCEOが中心となって活動する組織です。
2014年、アクセンチュアはWBCSD Future Leadersと連携し、企業のパフォーマンス管理
にサステナビリティを組み入れる方法について新たな視点を探りました。また、組織の
を考慮した
パフォーマンス・マネジメントにサステナビリティの3つの側面(経済、社会、環境)
「統合パフォーマンス・マネジメント」
という新しいコンセプトを導入しました。共同レポート
では、大手企業の現在の方法を詳細分析し、
ビジネス状況の中で環境や社会データをとら
えるさまざまな方法、目の前にある課題、そして企業が戦略の中にサステナビリティをうま
く取り入れていくための施策を探っています。
中国科学院の取組み
2014会計年度、中国科学院と協力し、都市開発における成長とサステナビリティのバランス
を考える上で有効なChina City Indexを発表しました。この研究は、市当局がサステナ
ブルな開発状況を中国の都市化政策の中でベンチマークするために実施され、
“ New
に研究結果が発表されました。このインデックス
Resources Economy City Index Report”
により、資源効率や環境管理に対する経済的パフォーマンスを評価するほか、社会基盤、
また、2010 年以降、
グローバル・デジタル・パートナーとしてCDP のためにデジタル戦略と
ユーザー・ポータル、
デジタル・サービスを提供しています。2014年にはCDPのウェブサイト、
ソリューションのサポートのほか、引き
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント
(CRM)
続きCDP情報開示システムを運用しています。CDPと協力し、企業が事業活動の環境影響
に関してより高水準の透明性とパフォーマンス実現を支援するため新たなデジタル・イニ
シアティブを探っています。
Accenture Sustainability 24
2014会計年度、アクセンチュアはサステナビリティを戦略アジェンダの中心に置いた全社
24の年次フォーラムに世界中のソートリーダーを招集
Sustainability
目標を推進するため、
しました。ここで「サステナビリティを通じた競争力の推進」に焦点を当て、企業が取り組む
べきアジェンダを設定しました。
1日がかりのウェブキャスト・イベントには、サステナビリティ・ビジネス・コミュニティ、政府代表
者、
業界団体が集い、
エネルギーの安定供給やスマートシティーからサプライヤー・サステナ
ビリティや循環型経済まで喫緊の課題について議論しました。テレプレゼンスを使って世界
27拠点を結び、各分野の70名以上の業界リーダーと数千人の参加者が業界フォーカスの
議論に参加しました。当日はパネルディスカッションのほか、
質疑応答、
ワークショップを世界
の主要拠点で実施し、参加者たちは各業界が直面するサステナビリティ問題について創意
工夫あふれる解決策を探りました。
技術革新、環境保護投資のレベルと、制度面・政策面での能力を測定することで、各都市の
今後の持続可能な成長力を採点することができます。
CDPの取組み
2014 年、CDPとの継続的パートナーシップの一環として、私たちはCDP の出版物に情報
Chain Sustainability Revealed: A Country
Comparison: CDP Supply Chain Report 2014-2015”の国別のレポートの作成などです。
や執筆者を提供しました。例えば、
“Supply
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
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今後の流れ
2020年までに、私たちは効率的な運営と持続可能な働き方の実現に取り組み、今後も二酸
化炭素削減を推進し、新たな排出量目標に挑みます。より高い持続可能な排出量基準を
クリアしつつ、
環境スチュワードシップを社外に展開する新たな方法を探ります。
サステナビリティの主要領域でお客様やサプライヤーとの活動による環境影響を測定、
報告します。たとえば、お客様がコラボレーション技術、
クラウド、
データセンターを使用した
ことによる環境影響を把握、数値化することで、お客様の二酸化炭素排出量の削減をサ
ポートします。サプライ・サイドでは、資産管理者とリースで実現可能な再生可能エネルギー
の利用について協議する条項を盛り込もうとしています。
すでにお客様に提供しているサービスに加え、お客様のビジネスおよびサステナビリティ・
パフォーマンスについても計測可能な改善を促す新サービスを開発する予定です。すでに
提供しているサービスとしては、
ビジネス価値を着実に高めるサステナビリティ・パフォーマ
ンスを計測、管理、分析、報告するための「サステナビリティ・パフォーマンス・マネジメント」
があります。
将来に向けて目的を明確にしてコラボレーションを進めます。地理的な制約を超えて社員、
お客様、サプライヤー、パートナーが参加する拡大エコシステムでは、
ビジネスは場所や
タイムゾーンに縛られることなくボーダレスになっていきます。今後も引き続き、ソー
シャル・コラボレーション・ツールを業務プロセスに組み入れることで、互いにつながり、対話
し、情報共有し、お客様にはサービスを提供し、社員には活気ある職場を作り上げていき
ます。
詳しくはaccenture.comをご参照ください。
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