2004年(第15回)福岡アジア文化賞 市民フォーラム 珠玉のインド音楽 「天と人とをつなぐサロード」 大賞受賞者 アムジャッド・アリ・カーン 【日 時】 2004年9月18日(土) 14:00∼17:00 【会 場】 イムズホール(福岡市中央区天神) 【プログラム】 インド音楽解説 藤井 知昭氏(中部高等学術研究所教授) 第1部 アムジャッド・アリ・カーン氏(大賞受賞者)によるサロード演奏 『ラーガ・ガネーシャ・カリヤーン』 休 憩 第2部 アマーン・アリ・バンガシュ氏 アヤーン・アリ・バンガシュ氏によるサロード演奏 『ラーガ・バゲシュワーリー』 第3部 アムジャッド・アリ・カーン氏 アマーン・アリ・バンガシュ氏 アヤーン・アリ・バンガシュ氏によるサロード演奏 『バティヤールとビフ−ベンガルとアッサム地方の民謡』 『ラーガ・キルワーニ』 タブラ シャファート・アフマド・カーン氏 タンブーラ 山本 周司氏 この内容は、2004年(第15回)福岡アジア文化賞大賞受賞者アムジャッド・アリ・カーン氏のコン サートの様子をまとめたものです。 I インド音楽解説 藤井知昭:今日は、アムジャッド・アリ・カーンさんのコ ンサートにおこしいただきまして、ありがとうございます。 福岡アジア文化賞は、アジアの優れた方々を選んでいる賞 です。 過去の受賞者でインドの音楽家をご紹介しますと、第2 回目にラヴィ・シャンカールさん、シタールの演奏家がい らっしゃいます。そして今回第15回目には、アムジャッ ド・アリ・カーンさんがこうして音楽家として選ばれてお ります。 アムジャッド・アリ・カーンの紹介 ご存知のように、アムジャッド・アリ・カーンさんは、ムガル王朝宮廷音楽家の楽派 に属する家系に生まれて、現在6代目を踏襲されております。インドの伝統的な音楽を 代々継承するとともに、新しいラーガをつくり、いかにその音楽を現代の人々に伝える かということに大変苦労して努力しておられる方です。 インド音楽の系統 さて、インドの音楽のご紹介といいますと、これは至難の業でございまして、短い時 間では、とても全てをお話しすることはできません。 インドでは、非常に古くから様々な音楽が伝えられてきております。その中で、特に 感心するのは、紀元前からの音楽の理論書、文献などをずっと持ち続け、継承している ことです。 私がインドで音楽理論や演奏の技術などを学んだ時、インドの伝統音楽のゼミの先生 が、最初に私に渡したのが、30冊ほどのインドの文献や理論書でした。 インドは、紀元前からの記録を持っている国で、これはもう大変な量です。また、理 論的にも整備されているのがインドの音楽の凄いところだと思います。 インド音楽は、非常に古い伝統を受け継ぎながら、イスラムから伝わった流れにより、 大きな変化が起こってまいりました。 イスラムの影響を受けた音楽、これを特に北インドを中心とするヒンドゥスターニー 音楽といいます。そして、インドの音楽をより純粋に守っていこうとする南インドを中 心とする音楽を、カルナータカ音楽といい、2つの大きな流れになって伝えられていま す。 インド音楽の音階 ヨーロッパ、西欧の音楽に耳の肥えたかたがたは、インドの音楽を聴くと、これは音 が少し狂っているのではないかと思われるようなことがときどきあります。これは、実 は狂っているのではなくて、さらに精度の高い音を使っているのです。簡単に申します と、西洋の音楽、たとえばピアノを思い出していただくとお分かりいただけると思いま すが、下の「ハ」から上の「ハ」、つまり「ド」から「ド」ですね、その間に12の音 が入っています。白い鍵があって黒い鍵があるというふうに。半音を単位にしてヨー ロッパの音楽は出来あがっています。西洋音楽では1オクターブに12の音があるので す。 1 ハ ニ ホ へ ト イ ロ ハ ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド インドの音楽は、ヨーロッパでは12しか使わない音の、その中に、22の音を使っ ています。ですから、ピアノでご想像いただくと、白い鍵と黒い鍵の間にまた別の音が 存在するのです。理論的には66の細かな音、いわゆる「シュルティ」といいますけど も、そういう音を使っているのです。ですから、西洋の音楽に慣れた方が聴くと、音が ずれているのではないかと思うのです。ご説明したように実はそうではなく、きわめて 精度の高い音を使っているのです。このすごい技術と技法を、今日の演奏ではお聴きい ただけると思います。 ラーガ それから、もうひとつ、西洋の音楽と違う点は、ヨーロッパの音楽は「ハーモニー」 とかあるいは「ポリフォニー」のような、縦の線がありますが、インドの音楽は横の線 を非常に大事にしております。横の旋律線です。そのことを、「ラーガ」という形で表 現しております。これがインドの音楽が、素晴らしく発達したひとつの大きな中心的な 要素だと思います。 「ラーガ」というのは、音の形ですが、もし訳すとすれば、 「こころ」 、あるいは「精 神を彩るもの」というふうに、考えていいかと思います。 この「ラーガ」は、実にたくさんありまして、先ほど説明したカルナータカという南 インドを中心とする音楽では、72の基本のパターンがあって、それを色々組み合わせ て作られるので、ほぼ数百の「ラーガ」があります。北インドのヒンドゥスターニーで は、基本のパターンが10ぐらいで、これをいろんな形で組み合わせたり、そこに新た な要素を付け加えたりして「ラーガ」が生まれます。 「ラーガ」は、 「こころ」や「精神を彩るもの」であるとお話ししましたが、 「ラーガ」 は、演奏家の感情や、あるいは聴衆の表情を見て、その時の感情を大事にしながら演奏 していくものです。主に9つの感情を表現する「ナワラ」という言い方をしております。 また、一日の中には、いろんな時刻があります。その時間帯によって、その音の旋律 や形が決まっている「ラーガ」が あ り ま す。たとえば、 「朝」、 「日没」、 「日暮れ」の 「ラーガ」といった具合です。あるいは、季節によっての「ラーガ」もあります。一年 の中の「春」、「冬」などです。あるいは、「花」、「鳥」などもあります。また、鳥の中 でも、「カッコウ」とか、鳥の種類をあらわす「ラーガ」もあります。あるいは、人間 の「愛」、 「恋」 、をあらわす「ラーガ」や、 「平和」、 「平安」を祈るという「ラーガ」も あります。 このように、非常に様々な「ラーガ」がありまして、それを理解しながら、インド音 楽を聴くと、こういう感情が今演奏されているのだということが、より一層伝わってく ると思います。このようにイベント性も持っているのが、インド音楽の特徴ではないか と思います。 2 インド音楽の即興性 それから、インド音楽の特徴としてあげられるのは、その即興性です。ヨーロッパの ように楽譜をもとにして演奏するのではなく、「ラーガ」を軸にして、その時の演奏家 の心理によってどんどん即興的に演奏が加わってきます。今日は、アムジャッド・アリ・ カーンさんの演奏をあとで聴いていただきますので、よくおわかりになると思います。 ターラ 旋律の形とともに、一般的にいう「リズム」も大変複雑です。インド音楽では、これ を「ターラ」と呼んでいます。 「ターラ」というのは、 「リズム」といってもいいかも知 れません。その音の「サイクル」のことです。3つのサリと呼ばれるリズムパターンか ら一番大きな108までの「サイクル」で動いていくというパターンがあります。 「ターラ」は、今このステージ゙上にもあります「タブ ラ」と「バヤ」 、普通これをまとめて「タブラ」と申し ますが、このセットの太鼓で受け持ちます。よく使わ れるのが「ティーン・タール」 、つまり16拍子ですが、 「ターラ」もいろんな形を組み合わせて演奏されます。 演奏者同士のせめぎあい(競奏)の魅力 今日の演奏を聴いていただくとよくわかると思うのですが、アムジャッド・アリ・カー ンさんが弾いた「サロード」の演奏パターンを、そのままタブラが真似をしたり、掛け 合いをしたりします。主演奏者と太鼓のせめぎあい、緊張関係が、たまらない魅力をもっ ているのです。 本日の第3部に、アムジャッド・アリ・カーンさんがご子息と一緒に演奏されますが、 アムジャッド・アリ・カーンさんの演奏を聴いて、ご子息が、そのままそのパターンを 踏襲し、真似をして演奏するという(それも大変な技術でありますが)、様々な掛け合 いを楽しんでいただけると思います。インドでは、「競奏」というような言い方もしま すけれど、そういう緊張感もまたインド音楽の素晴らしいところです。 タンブーラ タンブーラは、いつも一定の音を流しています。この音を「通奏低音」あるいは「ド ローン」という言い方をします。音楽の中心になる音を弾いています。 演奏をする曲の中心の音。その音を軸にして様々な変容が起こってくるという。その 「ボーン、ボーン」と同じ音が持続的に鳴っている音も聴きながら、全体の演奏を聴い ていただくと、さらにインド音楽の深みがおわかりいただけるのではないかと思います。 音名 インド音楽は、ヨーロッパの「ドレミファソラシ」と同じように、 「サリガマパダニ」 という7つの音名があります。ヨーロッパの場合は、単に「ド」であり、「レ」である のですが、インドの場合は、 「サ」 (ド)は、人間の魂をあらわす。 「リ」 (レ)は、頭を あらわすなど、色んな意味をもっています。このような意味もまた、インド音楽の深い 歴史と積み重ねの上で、できあがっているのではないかと思います。 私がお話しするよりも実際の音楽をお聴きいただいた方が、もっともっと、おわかり いただけると思いますので、ぜひ、お聴きいただきたいと思います。 本当にごく簡単にインドの音楽のご紹介をさせていただきました。どうもありがとう ございました。 3 Ⅱ コンサート 第1部 サロード タブラ タンブーラ アムジャッド・アリ・カーンのサロード演奏 アムジャッド・アリ・カーン シャファート・アフマド・カーン 山本 周司 アムジャッド・アリ・カーン:ナマシカ。 このコンサートにようこそおいでいただきました。 私達の音楽を分かちあえることを大変嬉しく思います。こ こ福岡での滞在は、とても素晴らしい経験でした。 演奏を始める前に、このサロードについて重要なポイント を数点ご紹介したいと思います。 サロードはご覧のとおり、平たい金属の指板がついていま す。しかし、ギター、シタールあるいはマンドリンのように フレットやバーはありません。 サロードの音を皆さんにお聞かせしたいと思います。この弦を指先で押さえますと、 このような音色が出ます。この音色もまたサロードの音です。しかし、弦を指の爪先で 押さえますと、別の音色になります。 人間の声を再現するためには爪の先で押さえて弾くのが良い、爪先でしか人間の声を 再現できないと私の師である父が見出したのです。 さて、本日は私の国ではとても特別な日なのです。インド全体が「ガネーシャ・チャ トゥルティ」というガネーシャ神のお祭りをお祝いしています。プーナ(*新名プネー: インド西部、デカン高原西端部にある都市)に招かれましたときに、ガネーシャ神のた めに何か作曲してくれと頼まれました。その曲が『ラーガ・ガネーシャ・カリヤーン』 です。最初に演奏したのはプーナで行われた盛大な式典でした。そのラーガを、せっか くの機会ですし、また祭典の日でありますので、演奏したいと思います。 このラーガは、非常に美しいメロディーです。ガネーシャ神へ祝福を与えるものです。 なぜなら創造力は尽きることがないからです。それは求めれば、必要であれば、神が与 えたもうものです。 しばらく演奏しますと、爪にやすりをかけねばなりません。といいますのも、弦で爪 に溝がはいってしまうからです。 ♪ラーガ・ガネーシャ・カリヤーン♪ 4 ありがとうございます。 もっと早くに申し上げておくべきでしたが、インドの古典音楽では、聴衆の皆様が自 由に自己表現をします。なぜなら、皆様の参加がとても重要だからです。恥ずかしがっ たり、自分を抑えないでください。気持ちのまま口ずさんだり、手を叩いたりしても結 構です。気持ちのおもむくままに表現してください。 第2部 サロード サロード タブラ タンブーラ アマーンとアヤーンのサロード演奏 アマーン・アリ・バンガシュ アヤーン・アリ・バンガシュ シャファート・アフマド・カーン 山本 周司 アマーン・アリ・バンガシュ:ナマシカ。 皆様、尊敬する年長者や友人の皆様、父に続き、アヤーンと私、そしてシャファート と周司で『ラーガ・バゲシュワーリー』を演奏いたします。短いアーラープ∼ジョール を演奏したあと、2種類のリズムで演奏します。ひとつは 15 拍子のパンチャン・サワ リで、そして早いリズムの 16 拍子ティーン・タールと続きます。 5 ♪ラーガ・バゲシュワーリー♪ ありがとうございます。 インドの伝統では、先輩のアーティストの後に演奏することはありません。まして自 分の師であればなおさらです。しかし、父がそうする様にということでしたので、この 演奏が実現したのです。 それでは私の父をステージに迎えたいと思います。本日の主役です。 第3部 サロード サロード サロード タブラ タンブーラ 3名でのサロード演奏 アムジャッド・アリ・カーン アマーン・アリ・バンガシュ アヤーン・アリ・バンガシュ シャファート・アフマド・カーン 山本 周司 6 アムジャッド・アリ・カーン:インドの偉大な音楽家である私達の祖先の祝福を受けて、 息子たちはここまで成長しました。また、神の恩寵を受けて演奏しております。また、 彼らは皆様の祝福が必要です。そうすればこの長きにわたる伝統がさらに発展すること でしょう。 彼らは努力を重ねてきました。しかし、どんな稽古をしているとしても、また彼らの 年齢で到達したものが何であれ、すべてそれは彼らの母であるスバラクシュミの功績で あります。 最後にベンガルとアッサム地方の民謡をお贈りします。ベンガル地方の民謡は偉大な ラビンドラナート・タゴールが書いた美しい民謡『バティヤール』がベースとなってい ます。それからアッサム地方の『ビフ』を演奏いたします。ベンガルからアッサムへ、 アッサムからベンガルへと、ガンジス川の流れを音楽でご覧いただきます。 ♪バティヤールとビフ−ベンガルとアッサム地方の民謡♪ ♪ラーガ・キルワーニ♪ ありがとうございます。皆様の深い愛情と熱心に聴いてくださった姿に感動いたしま した。こころからお礼申し上げます。 どうもありがとうございました。 7 出演者略歴 アムジャッド・アリ・カーン(サロード)1945 年生 ムガル帝国に仕えた宮廷音楽家の楽派に属する音楽一家の6 代目。著名な演奏家であった故ハーフィズ・アリ・カーン氏の 指導のもと、13 歳でソロの演奏家としてデビュー。世界各地で コンサートを行い、多くのCDをリリースしている。 アマーン・アリ・バンガッシュ(サロード) 1977年生 カーン氏の長男。幼少の頃よりカーン氏からサロード演奏の 教えを受け、8歳からステージにたち、1986 年に初の海外公演。 今日、最も優れた若手奏者のひとりとして欧米を中心に公演活 動を行っている。 アヤーン・アリ・バンガッシュ(サロード) 1979年生 カーン氏の二男。兄アマーンとともにカーン氏の音楽一族の 系譜を継ぐ第7代目。ソロデビューは8歳。以後、世界各地で ソロおよびカーン氏の公演のアシスタントとして演奏活動を 行っている。 シャファート・アフマド・カーン(タブラ)1954年生 インドを代表するタブラ奏者の一人である。デリー楽派に属し、 同じく優れたタブラ奏者である父チャンマー・カーンより手ほどき を受けた。ソロでの演奏はもちろんのこと、弦楽器奏者、歌手、舞 踏家などとの共演も行い、幅広い才能を発揮している。カーン氏に 同行し、世界各地で公演を行っている。 やまもと 山本 しゅうじ 周司(タンブーラ)1966年生 インド音楽に興味を持ち、1989年からサロード演奏を始める。タ クール・ランジット・シン氏に師事したあと、2002年からアムジャッ ド・アリ・カーン氏に師事。カーン氏唯一の日本人弟子である。日 印交流50周年記念コンサートなど、日本国内での演奏活動を中心に 行っている。 8 ふじ い 藤井 ともあき 知 昭(中部高等学術研究所教授)1932 年生、音楽人類学を専門とする。 名古屋大学文学部哲学科美学美術史卒、同大学院文学研究科修了。名城大学助教授、 国立民族学博物館助教授、教授、研究部長、副館長を歴任し、名誉教授。 また、1988年に設置された総合研究大学院大学文化科学研究科教授、文化科学研究科 長を併任し、名誉教授。文部省科学研究費による国際学術研究の研究代表者として、18 次、25年間におよぶアジア諸地域の調査研究をはじめ、多くの海外の学術調査を続け、 アジア太平洋音楽学会会長、日本民俗音楽学会会長を歴任するなど民族音楽研究の国際 的指導者として活躍中。著書に『音楽以前』、『音楽の人類学』、『民族音楽叢書』全 10巻(編著)、『世界民族音楽大系』全30巻監修)など。 楽器の紹介 サロード 北インドの弦楽器。楽器の起源は諸説あるが、アフガニス タンのラバーブという楽器を、アムジャッド・アリ・カーン 氏の祖先が改良して現在の形にしたという説がある。胴体は チークやマホガニーなどの固い木材をくり抜いて作られ、く り抜いた部分には、山羊などの薄い動物の革がはられる。棹 部分のフレットのない指板と全ての弦は、金属製である。右 手にココナッツ殻製のピックを持って弦を弾き、左手の爪先 を弦に押しあてて演奏する。 タンブーラ 主に古典音楽の伴奏に用いられる 撥弦楽器。胴体は木製で、フレットの ない長い棹と通常4本の金属製の弦 を持つ。長い余韻がある豊かな響き で、主奏者に常に正しい音程を与える ことを任務とし、とぎれることなく 「ドローン」と呼ばれる持続音を鳴ら し続ける。 写真/国立民族学博物館 9 タブラ タブラ、バヤと呼ばれる二個で一組の片 面太鼓を「タブラ」と呼ぶ。右手用のタブ ラは木製の胴体で高音を、左手用のバヤは 金属製の胴体で低音を、指や手のひらを 使って演奏する。双方とも上部には動物の 革が二重にはられ、革ひもで締められてい る。革の表面に鉄粉や炭を混ぜた黒い固ま りをつけ、その量により音程や音色に変化 を出すほか、たたく場所やその方法によ り、20種近くの音色をだすことができ る。インドのサロードなど古典音楽をはじ め、ポピュラー音楽、舞踏の伴奏などにか かせない楽器である。 写真/国立民族学博物館 パンフレット 10 入場券 11
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