どうなる白金相場? その5 VWショックによる需要低下懸念が

どうなる白金相場? その5 VWショックによる需要低下懸念が追い撃ち (山本)
北辰物産株式会社 『波動展望の部屋』 http://www.hoxsin.co.jp/hadoutenbou/ 作成:山本 毅 [email protected] ☎ 0120-253-277
ドイツのフォルクスワーゲンがディーゼル車の排ガス規制を免れるための不正をし
ていたことが発覚、1100万台をリコールすることになるような巨大なスキャンダルとな
っている。この事件発覚により、貴金属市場ではプラチナが急落、パラジウムが反騰
した。自動車の排ガス浄化触媒としてはプラチナ、パラジウム、ロジウム等の白金族
がつかわれるが、ディーゼル車用の排ガス触媒装置にはプラチナの使用量が多く、
ガソリン車ではパラジウムの使用量が多いとされることが背景だ。
プラチナにおける自動車触媒用需要は全体のおよそ41%であり、さらにその4割が
リサイクル回収されている。宝飾品とともに最大の需要項目である。仮にVW社問題
でプラチナ需要が現実に減少する場合、需要総量の減少による価格下落が、さらに
宝飾品としてのプラチナの価値も低下させ、投資需要にも影響を及ぼす等、負の連鎖
反応が発生する可能性がある。
世界全体のプラチナ需要はリーマンショック時に大きく減少したが、それは一時的な
ショックであったが相場の暴落はすさまじかった。今回はパニック的なショック商状で
はなくズルズルと価格が下落し、中国景気減速(特に宝飾品、投資需要の減少要因)
にVWショックが加わったという状況にあるため、今後、世界的な株安が進む場合に
は、現状から更にショック的な状況に陥る可能性も危惧される。
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