A26:「退職所得控除」「分離課税」の優遇措置あり! Q26:退職一時金

Q26:退職一時金に掛かる税金は?
今年、定年を迎えます。退職金は一時金で支払われますが、税金はどうなるのでしょうか?
(大阪府豊中市/男性 59 歳)
A26:
「退職所得控除」
「分離課税」の優遇措置あり!
長年の労働に対する報酬である退職金は、定年後
の生活設計を立てる上で大切な資金です。そのため、
なお、この計算は、
「退職所得の受給に関する申告
書」を提出している場合です。提出しない場合には、
退職金を一時金として受け取る際の退職所得には、
税制上の優遇措置があります。
退職所得には、所得税と住民税が掛かりますが、
退職所得控除を受けることができず、退職一時金に
対して一律20%を所得税として源泉徴収されてし
まうことになります。
これは他の所得とは区別して退職金だけに掛かる分
払い過ぎた所得税の還付を受けるには、定年退職
離課税方式となります。
受給者は「退職所得の受給に関する申告書」を勤
した翌年の2月16日~3月15日に確定申告をし
なければなりません。退職時には、申告書を提出し
務先に提出し、勤務先は所得税と住民税を計算して
忘れることがないようご注意を。
退職金から天引きします。源泉徴収によって納税が
完了するので、確定申告は不要です。
◇落 義門(CFP/FP技能士1級)
退職所得に対する税金の計算方法は、まず勤続年数
を基に必要経費に当たる退職所得控除額を求めます。
次に退職金からこの控除額を差し引いて、2分の1を
退職一時金と課税の関係
掛けます。この金額を課税退職所得といい、これに所
得税率と住民税率を掛けて税額を算出します。
退職所得控除は、勤続年数により額が異なります。
勤続20年までは、1 年につき40万円、20年を
超えると額はさらに増えて、1年につき70万円の
控除となります。
その上、退職所得控除額を超えた額の2分の1が
退職所得になるので、勤続年数が長いほど控除額が
多くなり税金が安くなります。
例えば、右図の表を基に、勤続年数35年5カ月
で退職金2000万円を受け取った場合、退職所得
ならびに税金の計算は、次のようになります。
①退職所得控除額
70 万円×(36-20 年)+800 万円=1,920 万円
※1年未満の勤続年数は切り上げになり、36年となる
②退職所得
(2,000 万円-1,920 万円)×1/2=40 万円
③所得税
40 万円×5%=2 万円
④住民税
(40 万円×10%)×90%(※)=3 万 6000 円
※平成 25 年 1 月 1 日から 10%の税額控除は廃止
財団法人
全国商工会議所共済会