退職所得の課税

2012 年 12 月
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今回のテーマ: 退職所得の課税
平成 25 年 1 月 1 日から勤続年数 5 年以下の「特定役員退職手当」の退職所得については、退職所得
控除額を控除した残額を 2 分の1とする措置が廃止されます。
1. 「特定役員退職手当」とは
特定役員退職手当とは、役員等勤続年数が 5 年以下である人が、支払を受ける退職手当等のうち、
その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいいます。
<例>勤続年数 3 年 9 カ月の役員が退職により退職金 2,000 万円の支給を受ける場合
現行
(単位:万円)
改正後(H25.1.1 以降)
税額の計算方法 (収入金額-退職所得控除額)× 1/2 ×税率 (収入金額-退職所得控除額)×税率
退職所得控除額
40×4 年※1=160
退職所得金額
(2,000-160)×1/2=920
所得税額
920×33%-153.6=150
40×4 年※1=160
(2,000-160)=1,840
(1,840×40%※2-279.6)×102.1%※3=466
※1 勤続年数:3 年 9 カ月⇒4 年(1 年未満の端数がある場合は、1 年に切り上げます。)
※2 退職所得の受給に関する申告書の提出がない場合、退職所得金額に 20.42%を乗じて源泉徴収し、個人確定
申告をすることとなります。
※3 H25.1.1~H49.12.31 の間に生ずる所得について源泉徴収をする際、復興特別所得税を併せて源泉徴収します。
2. 現物支給された場合の課税
土地、保険金など現物で退職金を支給する場合、支給額は時価で算定します。
法人税
不動産
所得税(取得価額)
<例>土地(簿価 5,000 万円、時価 1 億円)を退
職金として現物支給した場合
退職金
1 億円
/土地
5,000 万円
(名義書換)
<例>逓増定期保険金(損
金算入※)
・株主総会等での決議不備や支給金額が過大
とされた場合、法人は役員賞与損金不算入
時価 1 億円
となり、個人は給与所得となります。
・現物資産の価額と帳簿価額との間に差があ
れば法人側では「損益」が生じます。
/固定資産売却益 5,000 万円
保険金
留意点
・法人側では、源泉徴収義務がありますので、
解約返戻金相当額
グロスアップ計算して、退職金額を計算す
る必要があります。
※保険契約の種類・内容、解約
時の経過期間等により異なる。
お見逃しなく!

従業員が役員に就任し、従業員期間を通算して役員退職金として受給する場合、「役員等の勤続
年数」は、役員として実際に勤務した期間で判定します。
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住民税については、退職者の勤続年数や役員に該当するか否かに関わらず、退職所得に係る住民
税の 10%税額控除が廃止となります(平成 25 年 1 月 1 日以後支払の退職手当から)。
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本改正の適用は、役員退職手当の「収入すべきことが確定した日」で判断するため、決議日が法
施行日(平成 25 年 1 月 1 日)の前後で税額計算が変わります。支給確定日には注意が必要です。
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