GFP-1ab ダイキンのフッ素樹脂 TM TM TM TM TM TM TM TM EFEP CPT -目次- 第Ⅰ編 フッ素樹脂 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 §1.フッ素樹脂の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 §2.フッ素樹脂の製品と品種 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2-1ポリフロンPTFE ・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2-2ネオフロンPFA ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2-3ネオフロンFEP ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2-4ネオフロンETFE ・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2-5ネオフロンPVDF ・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2-6ネオフロンPCTFE ・・・・・・・・・・・・・ 5 2-7ルブロン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 §3.フッ素樹脂の製品と品種 ・・・・・・・・・・・・・・・ 7 3-1熱的性質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 3-2摩擦・摩耗特製 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 3-3非粘着性 ························· 9 3-4電気的性質 ······················· 9 3-5耐薬品性 ························· 10 3-6ガス透過性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 3-7光の透過性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 §4.フッ素樹脂のおもな成形加工法 ・・・・・・・・・ 12 §5.フッ素樹脂の取扱い、 機械・接着加工・金型設計 ・・・・・・・・・・・・・ 17 §6.フッ素樹脂の性質比較表 ・・・・・・・・・・・・・・・ 18 フッ素樹脂の種類 第Ⅰ編 フッ素樹脂 §1.フッ素樹脂の種類 フッ素樹脂は、各種プラスチックス中でも特に卓越した フッ素樹脂は、その優れた特性によって、化学工業、電 諸性質をもっています。たとえば耐熱・耐低温性、耐薬品 気・電子工業、機械工業はもとより、宇宙開発や航空機産 性、電気絶縁性、高周波特性などが非常に優れ、しかも特 業から家庭用品に至るまで広い分野で活用されています。 異な非粘着性と低摩擦特性を兼ね備えています。 商 品 名 構 造 式 品 種 モールディングパウダー ポリフロンTMPTFE 略称:PTFE ポリテトラフルオロエ チレン:四フッ化エチ レン樹脂 フィラー入りモールディングパウダー F F F F F F | | | | | | …-C-C-C-C-C-C-… | | | | | | F F F F F F モールディングパウダー ニューポリフロンTMPTFE ルブロンTM 低分子量四フッ化エチ レン樹脂 ネオフロンTMPFA ファインパウダー フィラー入りファインパウダー ディスパージョン エナメル タフコートエナメル ペースト ペーパー F F F F | | | | …-C-C-C-C-… | | | | F F F F 成 材 形 料 含浸 材料 ○ ○ ○ ○ 内部 添加 材料 その他 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ パウダー 分散液 エアゾール ○ ○ ○ ○ ペレット 粉体塗料 ディスパージョン フィルム ○ F F F F F F | | | | | | …-C-C-C-C-C-C-… | | | | | | F FCF3F F F ペレット ディスパージョン 粉体塗料 フィルム ○ ペレット フィルム 粉体塗料 ○ モールディングパウダー ペレット ○ ネオフロンTMEFEP ペレット フィルム ○ ネオフロンTMCPT ペレット ○ お も な 用 途 パッキン・ガスケット・チューブ 機械的強度が要求される用途 配管シールテープ(生テープ)・電線・チューブ 機械的強度が要求される用途 非粘着すべりコーティング、ガラス布などへの含浸 機械・家庭用品への非粘着すべりコーティング 耐磨耗性・非粘着すべりコーティング シール補助材・マスキング材 濾過材・隔膜・軸受 動的シール材、各種ベローズ、ダイヤフラム 角槽、耐食ライニング ○ F F F F F F | | | | | | …-C-C-C-C-C-C-… | | | | | | F F O F F F | Rf 略称:PFA テトラフルオロエチレ ン~パーフルオロアル キルビニルエーテル共 重合体:パーフルオロ ~アルコキシ樹脂 塗装コー ティング 材料 ○ ○ 潤滑剤・極圧添加剤・離型剤 樹脂添加 ○ 半導体治具・電線・フィルム・チューブ 耐食ライニング 絶縁被膜・非粘着コーティング 電線・耐食・非粘着シート・ライニング ○ チューブ・フィルム・電線 絶縁被膜・非粘着コーティング 耐食ライニング・非粘着コーティング 電線・耐食・非粘着シート・ライニング ○ ネオフロンTMFEP 略称:FEP テトラフルオロエチレ ン~ヘキサフルオロプ ロピレン共重合体:四 フッ化エチレン~六フ ッ化プロピレン共重合 樹脂 ネオフロンTMETFE 略称:ETFE テトラフルオロエチレ ン~エチレン共重合体 :四フッ化エチレン~ エチレン共重合樹脂 ネオフロンTMPCTFE 略称:PCTFE ポリクロロトリフルオ ロエチレン:三フッ化 塩化エチレン樹脂 H H F F | | | | …-C-C-C-C-… | | | | H H F F F F F F F F | | | | | | …-C-C-C-C-C-C-… | | | | | | F Cl F Cl F Cl ○ ○ ○ ○ ○ ○ 電線・耐食ライニング・チューブ 耐食・防汚フィルム 耐食ライニング パッキン・ガスケット配管材料 防湿・光透過フィルム 1 フッ素樹脂の製品と品種 §2.フッ素樹脂の製品の品種 2-1 ポリフロンTMPTFE フッ素樹脂のなかでも最も需要が多く、代表的なものが れた性質をもっていることがわかります。 ポリフロン PTFE です。ポリフロン PTFE はポリエチレンの水素 ポリフロン PTFE は熱可塑性樹脂の分類にはいりますが、溶 原子を全部フッ素原子で置換した化学構造で、分子量が 200 融粘度が異常に高いので、普通のプラスチックに適用され 万から 1,000 万と非常に長い鎖状高分子です。 ている加工法では成形できません。樹脂の粉末を一度圧縮 フッ素樹脂はすべての同系のプラスチックに比べて、耐 熱性や耐薬品性が優れていますが、これはフッ素原子のも してからこれを融点以上に加熱して粉末同志を融着させる 方法を基本として種々の成形法が開発されています。 っている強い化学結合力によるものです。分子のなかにフ ッ素原子が多く含まれているほどその性質が向上します。 ポリフロン PTFE には成形加工法に応じた品種、成形品に要 求される特性に適した品種が豊富にそろっています。 このことからポリフロン PTFE がフッ素樹脂の中でも最も優 モールディングパウダー―――――――――――― ファインパウダー――――――――――――――― ポリフロン PTFE の成形品の性質は粉末の形状によって大きく 溶剤との親和性のよい粉末で、ソルベントナフサやホワ 左右されます。粉末が柔らかくて小さいほど圧縮が容易で、 イトオイルなどを加えてペースト状にすると冷間流動性が しかも、ち密なボイドの少ない成形品が得られます。 しかし反面、粉末流動性がそこなわれる難点がでてきま 生じます。いわゆるペースト押出し成形を行うもので、薄 肉のチューブや細い丸棒、電線被覆などに用います。また す。圧縮成形用には比較的柔らかい品種を、自動圧縮成形 や押出し成形には多少堅くても粉末流動性の良い品種をそ 生テープもこのパウダーからつくります。 ろえています。なお、電気絶縁テープのように特にち密な 組織が必要な成形品には粒度の細かい品種があります。 フィラー入りモールディングパウダー―――――― ポリフロン PTFE の耐摩耗性、圧縮強さ、硬度、耐コールドフ ロー性などといった機械的性質を向上させるために充てん 材(フィラー)を配合したものです。フィラーとして、ガ ラス繊維、カーボン繊維、グラファイト、ブロンズ、二硫 化モリブデン、カーボン、エコノール※などを種々の割合で 混合してあります。使用目的に応じて使いわけてください。 ※住友化学工業製造販売、芳香族ポリエステル樹脂 フィラー入りファインパウダー――――――――― フィラー入りモールディングパウダーに比べ、ペースト 押出し成形が適用でき、 ●原材料の節減 (薄肉化、無切削) ●加工コストの低減 ●新しい性能(均一混合性、圧縮特性、熱膨脹率) ●チューブの後加工性(複合化、収縮チューブなど) などの効果が期待されます。 デイスパージョン――――――――――――――― ポリフロン PTFE の微粒子の水性懸濁液です。乳化重合によっ て得られた分散液を一定濃度に濃縮して、非イオン活性剤 によって安定化したものです。アスベスト、カーボン繊維 や焼結合金に含浸したり、ガラス布に含浸して焼成しラミ ネートをつくります。 2 フッ素樹脂の製品と品種 エナメル―――――――――――――――――― ペースト―――――――――――――――――― ポリフロン PTFE エナメルは、ポリフロン PTFE ディスパー ジョンをベースとした水性系焼付け塗料で、下塗り用プラ ポリフロン PTFE の微粒子に増稠剤を添加してペースト状に イマーと中塗り、上塗り用トップコートの2及び3コー したものです。シール剤に使いますが、展延性がよいので トにて構成されます。 コーティングにも使えます。 得られた塗膜は、ポリフロン PTFE の特徴を損なうことなく、 非粘着性、耐熱性、低摩擦係数を有し、各種家電、厨房機 ペーパー―――――――――――――――――― 器及び工業用途などの表面改質に幅広く使用頂けます。 ご希望の色調をお選びください。 ポリフロン PTFE の繊維状粉末を抄紙したものです。油や有 機溶剤には親和性がありますが、水をはじきます。単に濾 タフコートエナメル――――――――――――― 過するだけで油と水が分離でき濾過材、隔膜などに使われ ます。 ポリフロン PTFE タフコートエナメルは、フッ素樹脂に特殊 なバインダー樹脂を配合した1コートタイプの 溶剤系焼付 け塗料です。 1コートで充分な膜厚が得られ、得られた塗膜は硬度、耐 磨耗性などの機械的強度に優れ、非粘着性、低摩擦係数な どのフッ素樹脂としての優れた特徴を備えています。 各種用途に応じた品種をお選びください。 ポリフロン PTFE の品種・成形法・用途 品 種 お も な 品 番 M-12,M-18,M-18F M-391S M-392 成形・加工法 圧 縮 成 形 圧縮成形、自動・半自動圧 縮成形・アイソスタティック成形 圧縮成形、自動・半自動圧縮 成形・アイソスタティック成形・ラ ム押出成形 モールディングパウダー フィラー入り モールディングパウダー ファインパウダー フィラー入り ファインパウダー M-393 圧縮成形、自動・半自動圧縮 成形・ラム押出し成形 M-111,M-112, 圧 M-139 圧縮・自動圧縮成形・アイ ソスタティック成形 M-731 自動圧縮成形・ラム押出成形 MG-1040,MG-1040F MG-1431,MG-1431F MG-7040,MG-7040F MG-7060,MG-7060F MG-2030 MG-6030,MG-6030F 圧 F-104,F-106, F-108 ペースト押出し成形 圧延加工 F-201,F-205, F-208 F-302, F-303 FPG-1030,FPG-1050 FPG-5010,FPG-6030 FPG-7060 ディスパージョン D-1E,D-201C エ EK-1900 系(下塗り) EK-3700 系(中・上塗り) ナ メ ル 縮 縮 成 形 成 TC-7400 系 ー ス ト ペ ー パ ー P-9001E PA-5L,PA-5LH PA-10L, PA-10LH 成形品高さを要求される用途に適する。 特に圧縮クリープ特性、耐屈曲性に優れた成形 品が得られる。二次加工性にも優れる。無機充 填材や顔料との混合も容易。 特にクリープ特性、二次加工性に優れた成形品 が得られる。 見掛け密度が大きく、流動性良好な粉末 成形品は耐屈曲性の優れた製品が得られる ガスケット スライディングパッド・ピストンリング 各種軸受 ペースト押出し成形 ペースト押出し成形 含 浸 コーティング スプレー塗装 カーテンフロー塗装 太物チューブ、未焼成テープ 細物チューブ、電線被覆 中~太物チューブ シール用テープ、多孔体 軸受、パッキン、電線被覆 収縮チューブ、摺動部材 ガラスクロス編みパッキンなどへの含浸 非粘着コーティング(家庭・厨房器用) 家電、厨房機器 各種工業用途 潤滑、摺動用途 スプレー塗装 耐食、摺動用途 充填・塗布 シール補助剤、コーティング TC-7800 系 ペ 特に狭い隙間への充填性がよいので薄いスリー ブの成形やアイソスタティック成形に最適。 形 TC-7100 系 タフコートエナメル お も な 用 途 絶縁テープ・パッキン・ガスケット 片押しシート等成形圧力が懸念される場合にも 適す。 耐熱、非粘着用途 ――――― 濾過布、シール補助剤 ガスケット、隔膜 3 フッ素樹脂の製品と品種 2-2 ネオフロンTMPFA ネオフロン PFA は、テトラフルオロエチレンとパーフルオ ネオフロン PFA は極低温から高温まで広い温度範囲でポ ロアルキルビニルエーテルの共重合体で、炭素原子とフッ リフロン PTFE と殆ど同じ優れた性能を示します。しかも透明 素原子より成る主鎖にパーフルオロアルコキシ基が結合し 性が良く、ネオフロン FEP と比べて高温での機械的強度に優 た分子構造をしています。 れ一般の熱可塑性樹脂と同じ成形方法をとることができま す。 ペレット――――――――――――――――――― フィラー入りペレット――――――――――――― 射出・押出し・ブロー・圧縮成形に使用されます。10 種 類のカラーペレットも用意しています。 高い荷重たわみ温度と軟質金属にも対応可能な耐摩耗性 を持ち、シール材、軸受等の摺動性を必要とする用途に適 した複合材料です。 粉体塗料――――――――――――――――――― ネオフロン PFA の微粉末で、溶融流動性がよいのでピンホ ールのない厚膜のライニング塗膜が得られます。加工法と しては静電塗装や回転成形塗装法に適用し主に耐食用途 に使用されます。 2-3 ネオフロンTMFEP ネオフロン FEP はポリフロン TFE に溶融流動性を与えたも 基(CF3)がはいっています。耐薬品性、電気的性質、機械 ので、ポリフロン PTFE と同様、分子はすべてフッ素原子で取 的強度などはポリフロン PTFE によく似ていますが、耐熱性が り囲まれており、分子鎖のところどころに三フッ化メチル 約 50℃下がります。 ペレット――――――――――――――――――― 粉体塗料――――――――――――――――――― 押出し成形、圧縮成形およびトランスファー成形に使用 ネオフロン FEP の微粉末で、溶融流動性がよいのでピンホ されます。10 種類のカラーペレットも用意しています。 ールのない厚膜のライニング塗膜が得られます。加工法と しては静電塗装や回転成形塗装法に適用し主に耐食用途 に使用されます。 ディスパージョン――――――――――――――― ネオフロン FEP の微粉末の懸濁液で、水性と有機溶剤系の 3種類があります。溶融時の流動性がよいため、連続した フィルム――――――――――――――――――― ピンホールのない被膜が得られます。 280℃で熱溶融し、ヒートシール、ラミネートおよび深絞 りが可能であるなど優れた加工性を持っていますので、電 ネオフロン FEP よりつくられた高性能フィルムで、260~ 気、化学をはじめとした一般産業用およびエネルギー産業、 情報産業などの分野で使用されています。 4 フッ素樹脂の製品と品種 2-4 ネオフロンTMETFE ネオフロン ETFE は、テトラフルオロエチレンとエチレン ・ 化学的性質にも優れたフッ素樹脂です。とくに機械的強 の共重合体です。ポリフロン PTFE やネオフロン FEP に比べ極 靭さと化学的・熱的・電気的特性を要求されるところで使 めて容易な成形加工性と優れた機械的性質を持ち、電気的 われます。 ペレット――――――――――――――――――― 成形加工性が良く、射出・押出し・ブロー成形などがで きます。やはり 10 種類のカラーペレットがあります。 粉体塗料――――――――――――――――――― ネオフロン ETFE の微粉末で、溶融流動性がよいのでピンホ ールのない厚膜のライニング塗膜が得られます。加工法と しては静電塗装や回転成形塗装法に適用し主に耐食用途 に使用されます。 2-5 ネオフロンTMPCTFE ネオフロン PCTFE は、ポリ塩化ビニル(CH2-CHCl)n の水素 てきます。ポリフロン PTFE やネオフロン PFA、FEP、ETFE より耐 原子をすべてフッ素原子で置換した構造の重合体です。ポ 熱性、耐薬品性は若干劣りますが、機械的性質は優れてい リフロン PTFE の構造単位のなかに塩素原子がひとつはいった ます。 形になります。この塩素原子によって流動性と透明性が出 モールディングパウダー・ペレット――――――― 圧縮成形用粉末です。押出し成形用として、 カサ比重を高めたものとペレットとがあります。 5 フッ素樹脂の製品と品種 各ネオフロンの品種と主な用途 種 類 品 種 ペ レ ッ ト ネオフロン PFA 粉 体 塗 料 フ ィ ル ム ペ レ ッ ト ネオフロン FEP ネオフロン ETFE 粉 体 塗 料 フ ィ ル ム NF-0012~2400 ペ レ ッ ト EP-521,610 EP-541,620,610AS フ ィ ル ム EF-0012,0100 粉 体 塗 料 ネオフロン PCTFE ネオフロン VP2000 ネオフロン EFEP ネオフロン CPT お も な 品 番 AP-201,210,211,230, 210AS,230AS,230ASL AP-201SH,211SH, 215SH,231SH ACX-31,34(薄塗りタイプ) AC-5600,5539 AC-5820 AF0012~2400 NP-12X,101,1101 NP-20,21,1021 NP-30,120 NC-1500 NC-1519,1539 NC-1810 ND-4GY モールディン グパウダー おもな成形加工方法 射出・押出し・トランスファー 成形 静電塗装 回転成形 押出し成形 射出・押出し・ブロー成形 押出し・ブロー成形 静電塗装 回転成形 焼き付け塗装(吹き付け) 射出・押出し成形 射出・押出し・ブロー成形 お も な 用 途 電線・フィルム・チューブ・耐食ライニング (半導体用高純度フッ素樹脂) 半導体治具、配管継手、チューブ IH炊飯釜、OAロール 耐食ライニング 容器・耐食ライニング 電線・絶縁シート・耐食ライニング 高速被覆電線 電線被覆・チューブ 厚肉被覆電線・保護ジャケット 耐食ライニング(クリヤー) 耐食ライニング(厚塗り) 耐食ライニング 耐食ライニング 離型用フィルム・電線・絶縁シート・エレク トレット・耐食ライニング・防汚内外装材 電線・耐食ライニング・チューブ 自動車用ウインドモール EC-6510,6520 静電塗装 半導体ダクト、耐食ランニング EC-6800,6820 M-300P,300PL, 300H,M-400H 回転成形 耐食ランニング パッキン・ガスケット・液面計・配管材料・ フィルム 圧縮・押出し成形 VP-2000 ペ レ ッ ト RP-4020,4040,5000 射出・押出し・ブロー成形 フィルム・チューブ ペ レ ッ ト LP-3000 射出・押出し・ブロー成形 チューブ,配管材料, 2-6 ルブロンTM 低分子量四フッ化エチレン樹脂で、白色微粉末、有機分 散液およびエアゾールタイブがあります。乾性潤滑剤とし 商品番号 L-5,L-5F L-2 6 性 白色微粉末 白色超微粉末 質 て工業用から家庭用品まで広く使われ、また離型剤として も使用されています。 用 途 お よ び 特 徴 乾性潤滑剤、プラスチック、ゴム、塗料、インク などへの潤滑・離型用配合剤、極圧添加剤など フッ素樹脂の性質 §3.フッ素樹脂の性質 フッ素樹脂の優れた諸性質は、フッ素原子のもつ強い結 りません。ネオフロン PCTFE はフッ素原子3個に対し塩素原 合エネルギーによるものですから、炭素の主鎖のまわりが 子が1個ずつはいっています。したがって耐熱性、耐薬品 すべてフッ素原子に取り囲まれているポリフロン PTFE が最 性、電気的特性はポリフロンより劣りますが、他の熱可塑 高の諸特性を備えていることは当然です。ネオフロン PFA,FEP, 性樹脂よりはるかに優れています。また、機械的強度も優 ETFE は側鎖等の影響で熱間流動性を示し、融点がポリフロ れその他のネオフロンと同様にポリフロン PTFE にない透明 ン PTFE より若干低くなりますが、その他の性質はほとんど変 性を有しています。 3-1 熱的性質 フッ素樹脂は難燃性で、図に示すようにいずれも優れた 耐熱性を有しています。とくにポリフロン PTFE とネオフロン PFA は常用 260℃、短時間では 300℃まで使用できます。ネ オフロン FEP はこれより約 60℃低くなります。ネオフロン 難 燃 PCTFE は最高 120℃までは使用できますが、それ以上の温 度で長時間さらされますと結晶化によるぜい化が起こり ますので、ライニング製品では注意が必要です。 性 ポリフロン PTFE※ ネオフロン PFA※ ネオフロン FEP※ ネオフロン ETFE※ ネオフロン PVDF ネオフロン PCTFE※ 限界酸素指数(Vol.%) 95< 95< 95< 31 43 95 UL94 Flam. Class. 94V-0 94V-0 94V-0 94V-0 94V-0 94V-0 燃焼熱 J/g 7,700 15,600 18,370 ※UL 認定グレード:ポリフロン PTFE F-201,F-205,M-12,M-111,M-112. (ファイル NO E52460) ネオフロン PFA AP-210,AP-230. ネオフロン FEP NP-20,NP-21,NP-22, NP-101,NP-120,NP-30. ネオフロン ETFE EP-521,EP-541.ネオフロン PCTFE M-300H,M-300P,M-400H. 7 フッ素樹脂の性質 3-2 摩擦・磨耗特性 フッ素樹脂の中で、とくにポリフロン PTFE はすべての個体 また耐コールドフロー性もよくないので、種々のフィラー に比べて最も低い摩擦係数を示し、特異な自己潤滑性をも を配合して耐摩耗性、耐荷重性を向上した品種が開発され っています。 ただしポリフロン PTFE 単独では摩耗が大きく、 ています。 8 フッ素樹脂の性質 3-3 非粘着性 フッ素樹脂には特異な非粘着性があり、どんな粘着性の 物質も粘着することはありません。ポリフロン PTFE およびネ オフロン FEP は特にこの性質が強く、特別な処理をしないか ぎりたとえ粘着性の物質で接着しても容易に離れます。 各種プラスチックおよび金属の表面特性 水の表面張力=72.7mN/m(20℃) ポ リ フ ロ ン P T F ネ オ フ ロ ン P F ネ オ フ ロ ン F E ネ オ フ ロ ン E T F ネ オ フ ロ ン P C T F シ リ コ ー ン 樹 パ ラ フ ィ ポ リ エ チ レ ナ イ ロ フ ェ ノ ー ル 樹 銅 ( 電 解 研 磨 ア ル ミ ニ ウ ム ( 電 解 研 磨 E A P E E 脂 ン ン ン 脂 ) ) 水 に 対 す る 接 触 角 (度) 110 115 114 96 84 90~110 105~106 88 77 60 9.6 4.6 臨 界 表 面 張 力 (mN/m) 18.5 17.8 17.8 22.1 31 ― ― 31 46 ― ― ― ※ 接 着 エ ネ ル ギ ー (mN/m) 43.1 42.0 42.0 61.4 ― 47.8~72.7 52.7~53.8 75.2 97.7 109.0 144.2 145.0 ※臨界表面張力:固体に対して接触角が0゚となるような架空液体の表面張力。 1mN/m=1dyne/cm 3-4 電気的性質 フッ素樹脂は電気絶縁性が良好で、高周波特性も優れて います。特にポリフロン TFE は広い周波数領域にわたって誘電 率および誘電正接が一定で、しかもすべての絶縁物中で最 小です。 9 フッ素樹脂の性質 3-5 耐薬品性 フッ素樹脂は、いずれも化学薬品に対して優れた抵抗性 ン ETFE も、ほとんどの薬品に侵されません。またネオフロ を示します。ポリフロン PTFE およびネオフロン FEP,PFA は、 ン PCTFE も無機の酸、アルカリおよびほとんどの有機溶剤に フッ素ガス(元素フッ素) 、三フッ化塩素、溶触アルカリ金 対して完全な耐食性を示しますが、高温ではアンモニア、 属を除くすべての化学薬品に対して安定で、あらゆる酸、 塩素ガスに若干侵され、ある種の高ハロゲン化物やハロゲ アルカリ、酸化剤、有機溶剤にも侵されません。ネオフロ ンを含む芳香族化合物には高温で膨潤します。 フッ素樹脂の薬品吸着性 吸着曲線の形からみた実用性 ネオフロン FEP,PFA ポリフロン PTFE ネオフロン ETFE ネオフロン PCTFE E 10 C T F E A以下 クロロホルムを 除く全薬品 硫酸、塩酸 カ性ソーダ トルエンとクロ ロホルムを除く 全薬品 硫酸、塩酸、 カ性ソーダ A~B B~C X,Y クロロホルム アンモニア水、アセトン、 トルエン、ジエチルアミン トルエン 硝酸 クロロホルム クロロホルム アセトン、トルエン、 ジエチルアミン 硝酸、アンモニア水、 クロロホルム フッ素樹脂の性質 3-6 3-7 ガス透過性 光の透過性 11 フッ素樹脂のおもな成形加工法 §4.フッ素樹脂のおもな成形加工法 4-1 12 圧縮成形 フッ素樹脂のおもな成形加工法 4-2 押出し成形 13 フッ素樹脂のおもな成形加工法 4-3 14 ペースト押出し成形と圧延加工 フッ素樹脂のおもな成形加工法 4-4 射出成形 4-5 塗装 15 フッ素樹脂のおもな成形加工法 ●ネオフロン FEP・PFA・ETFE 粉体塗料 16 フッ素樹脂の取扱い、機械・接着加工、金型設計 §5.フッ素樹脂の取扱い、機械・接着加工、金型設計 取扱い――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●フッ素樹脂が付着した煙草の喫煙により分解ガスを吸入 ●焼成時などに樹脂温度が高温(PTFE・PFA=380℃、FEP= する恐れがありますので、取扱い場所及び作業所は禁煙 360℃、ETFE=310℃、PCTFE=265℃)以上にならないよ とすると共に煙草を持ち込まないようにして下さい。 うに管理を行ってください。高温になると熱分解が多く なり、フッ化水素等が生成する可能性が高くなります。 ●取扱い後は衣服等に付着した塵等を払い落し、顔や手を 良く洗い製品が煙草に付着しないように注意して下さい。 ●取扱い時には保護メガネ(場合によってはゴーグル)を 使用して下さい。 ●樹脂の焼成中あるいは樹脂温度が高温(PTFE・PFA=260℃、 FEP=205℃、ETFE=150℃、PCTFE=120℃)になる場所で は換気を良くすると共に局所排気装置を設置してくださ ●廃棄する場合は、 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 に従って処理を行い、焼却は絶対にしないで下さい。 ●ご使用前には製品安全データシート(MSDS)を必ずお読 い。燃焼した時に生じるヒュームを吸入すると、流感に み下さい。 似た症状のポリマーヒューム熱を生じる恐れがあります。 機械加工―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― しいので、寸法精度を要する場合や製品の形状が複雑な場 ル盤などの標準的な切削技術がすべて適用でき、必要な形 状の製品を容易につくることができます。ただし、フッ素 合、または 1~2 個の模型がほしい場合には、成形品素材を 機械加工することによってつくります。またポリフロン PTFE 樹脂は熱伝導率が低いので、機械加工のさいに過度の発生 熱や局部的な熱はその部分の膨脹の原因になりますので注 の焼成フィルム、テープのような簡単な製品も丸棒より切 削してつくっています。 意することが必要であり、適当な切削速度、工具の選定が 必要です。 フッ素樹脂、とくにポリフロン PTFE は成形が比較的むずか フッ素樹脂はいずれも機械加工がしやすく、旋盤やボー 接着加工―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― フッ素樹脂は、ポリエチレンと同様にそのままの状態で エポキシ系やシリコーン系の接着剤がよく使われます。 は接着剤によって他の物質に接着することは困難ですが、 その表面を化学的処理をすることによって接着できるよう フッ素樹脂相互の接着では薄いシート、フィルム、テー プを接着するさいには加熱した熱板で加圧圧着する方法が になります。通常その処理は、金属ナトリウムと液体アン モニア、またはナフタリン液との混合液によって窒素気流 用いられます。これは操作が簡単ですから、ポリフロン PTFE の 中で処理する方法が用いられています。現在市販されてい 用されています。 ネオフロン FEP,ETFE は 260~280℃で熱溶融しますので、ヒ るポリフロン PTFE の接着処理テープやフィルムはこの方法に よって造られています。接着加工を行う場合には使用条件 によって最適な接着剤を選定することが必要です。一般に 大きな包みガスケットや筒状のものをつくるときなどに応 ートシール、溶接、熱接着加工などが容易です。 金型設計―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ポリフロン PTFE は、所期形状またはそれに近い金型キャビテ ィに入れ常温で圧縮成形して一定の形状とする成形法が多 のついた形状のものは各部に均一な圧力が働くように注意 してください。 くとられますが、この予備成形の金型は充てんした粉末に 圧力が均一にかかるように設計する必要があります。すな や、ラム押出し成形、各ネオフロンの成形などは成形温度 わち、加圧方向(垂直方向)には圧力はかかりますが、粉末 は圧縮されても圧力に直角の方向には流動しませんから、 が高く、成形温度でわずかですが分解して腐食性のガスを 発生します。また、さびによる製品の汚染を防ぐため、金 加圧方向にのみ粉末がスムーズに流動するように設計しな ければなりません。底のある容器のようなもの、フランジ 型はすべてステンレスにするか、硬鋼に硬質クロムメッキ をしてください。 ポリフロン PTFE の圧縮成形において金型中で焼成する場合 17 フッ素樹脂の性質比較表 §6.フッ素樹脂の性質比較表 性 ASTM 試験 法 重 D792 率 D570 測定条件 単 位 ポリフロン PTFE ネオフロン PFA ネオフロン FEP ネオフロン PCTFE ネオフロン ETFE 物 質 比 2.13~2.22 2.12~2.17 2.12~2.17 2.10~2.14 1.70~1.86 理 的 吸 水 24h 1/3”t 性 cm/cm 成 形 収 縮 質 接 触 対 水 角 熱 伝 導 率 % C177 <0.00 <0.01 0.02~0.05 0.03~0.06 0.03~0.06 熱 的 性 質 融 D696 23~60℃ 2.12~2.15 <0.00 <0.1 <0.1 <0.01 0.015~ 0.020 0.02~0.03 0.01~ 0.04 ― 110 115 114 84 96 96 98 W/m・K ℃/cm 0.25 ― 0.25 0.20~0.22 0.24 ― ― (8~10)×10-5 (+20~+100℃) 1/℃ ℃ 点 1.72~ 1.76 ネオフロン CPT 度 12×10-5 線膨張係数 <0.01 ネオフロン EFEP 10×10 -5 327 10 溶 融 粘 度 P 連続最高使用 温 度 ℃ 10 ~10 (340~ 380℃) (+20~ +100℃) 302~310 12 (8.3~10.5)× (4.5~7.0)× 10--5 (-50~ +100℃) 10-5 (5~9)× 10-5 ― 270 210~212 260 155~ 200 3 3 239~251 4 103~104 (380℃) 4×10 ~ 104 (380℃) 106(230℃) 10 ~10 (300~ 330℃) ― (4~9)×104 (330℃) 260 260 200 120 150 ― ― 機 械 引 張 り 強 さ D638 23℃ MPa 20~45 27~35 19~22 31~41 40~50 42~51 32.0~36.0 伸 び D638 23℃ % 200~450 280~400 250~330 80~250 420~460 390~ 530 320~360 圧 縮 強 さ D695 1%変 形,25℃ MPa 5~6 5~6 5~6 9~12 11 ― 5.0~6.0 引張り弾性率 D638 23℃ MPa 392 451 343 曲げ弾性率 D790 23℃ MPa 490~588 647~686 539~637 衝 撃 強 さ D256 J/m 160 破壊せず 破壊せず 133~144 破壊せず ショア D50~D65 D60 D55 D80 % 5.0 0.4 5.0 % 7.0 2.7 対磨き鋼 0.02 800~ 900 1000~ 1300 破壊せ ず (6.0~7.0)×102 D75 D67 D65 2.6 5.4 ― ― 3.0 0.2 2.3 ― ― 0.05 0.05 0.08 0.06 ― 0.06~0.07 的 性 質 硬 さ 変 形 D621 変 形 D621 静摩擦係数 23℃ lzod Duromete r 100℃, 7MPa,24h 25℃, 14MPa,24 h 1,029~ 2,058 1,274~ 1,764 490~784 882~ 1,372 ― 破壊せず 電 気 的 性 質 比 誘 電 率 D150 103Hz 2.1 2.1 2.1 2.3~2.7 2.6 ― ― 比 誘 電 率 D150 106Hz 2.1 2.1 2.1 2.3~2.5 2.6 ― ― 誘 電 正 接 D150 103Hz <1×10-5 1×10-5 6×10-5 (2.3~2.7)× 10-2 8×10-4 ― ― 誘 電 正 接 D150 106Hz 2×10-5 3×10-4 5×10-4 1×10-2 5×10-3 ― ― 絶縁破壊の強 さ D149 短時間 3.2mm MV/m 19 20 20~24 20~24 16 ― 15 体積固有抵抗 D257 Ωcm >1018 >1018 >1018 >1016 >1016 ― >1016 耐 薬 品 性 優 秀 優 秀 優 秀 優 秀 優 秀 優 秀 優秀 耐 候 性 優 秀 優 秀 優 秀 優 秀 優 秀 優 秀 優秀 燃 焼 性 >95 >95 >95 >95 31 ― >95 18 D2863 酸素濃度限界 指数 % 当社は、フッ素科学製品を製造する国内工場で環境マネジメントシステムに関する国際規格 ISO 14001*1 の認 証と、品質保証に関する ISO 9002*2 の認証を取得しています。 *1.ISO 14001 とは、ISO(国際標準機構)が制定した、環境保全活動に適用される規格です。当事業部工場 は、国際的に認定された認証機構によって、環境に配慮した活動、製品及びサービスの提供を行っている ことが認められました。 *2.ISO 9002 とは、ISO が制定している品質保証の工場認定制度であり、その工場(事業部)で製造された商品 の製造・検査等について品質保証システムを認証するものです。 ●当資料に記載した商品は、一般産業用途向けに供給しているものであり、特に医療用途に適するように設計、 製造しておらず、医療用途への適正や安全性についての試験を行っておりません。従いまして、医療用途の 原料としての適正や安全性につきまして何ら保証できかねますので、医療用途へのご使用についてはお客様 自らの試験、医療専門家の見解や当局の法的規制等に基づき、お客様にご判断頂かなければなりません。ま た、当該用途に使用される場合、弊社が指示する条件・内容の契約に合意いただける場合にのみ、本商品を 提供させていただきます。 ●当資料に記載したデータは実測値の一例であり、また、記載の用途例は、本商品の当該用途への適用結果を保 証するものではありません。 本 化学事業部 社 大阪市北区中崎西二丁目4-12(梅田センタービル) 電話 大 阪(06)6374-9300(直通) 郵便番号 530-8323 東 京 支 社 化学品営業部 名古屋営業課 東京都新宿区西新宿 2 丁目6-1(新宿住友ビル) 電話 東 京(03)3344-8130(直通) 郵便番号 163-0235 名古屋市中村区名駅南2丁目14-19 (住友生命名古屋ビル) 電話 名古屋(052) 955-0751(直通) 郵便番号 461-0011 〔ホームページアドレス〕 h t t p : / / w w w . d a i k i n . c o . j p / c h m 化.Apr 2002 G-1ac
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