テニスコーチングセミナー5

『テニスコーチングセミナー5』
トレーニング科学研究所 大島伸洋
20011.12.11
■ウォーミングアップとトレーニングの科学
1.何のために行なうのか?
筋温や体温を高める。柔軟性を高める。
↓
化学反応が促進されて筋内のエネルギー発生がすみやかに起こるようになる。
↓
身体が運動に対して敏速に対処できるようになる。
障害の予防や筋の機能回復に効果がある。
2.何分ぐらい行なえば良いのか?
筋温は15分後に上昇を停止させる。それ以上行なった場合と同様の効果がある。
筋の機能が最高の状態になるのは筋温が38度に高まった時。
3.何を行なえば良いのか?
ランニング
エクササイズ
ランニングに取り込むもの
プレトレーニングとして行なうもの
特異性を考慮したもの
ストレッチ
ダイナミック
スタティック
PNF(動的柔軟性に対して動きの始端終端での筋力トレーニング効果)
4.どのような順序で行なえば良いのか?
静的なもの → 動的なもの
大きな筋群 → 小さな筋群
負荷の小さいもの → 負荷の大きなもの
動作において負担の多い部位 → 負担の小さな部位
(ウォーミングアップの一例)
大筋群のストレッチ(スタティック+ダイナミックス)+軽運動
小筋群のストレッチ(スタティック+PNF)
ランニング+エクササイズ
プレトレーニング+スペシフィシティトレーニング
(小筋群のストレッチ(スタティック+PNF))
※一般トレーニングでは、障害の多い部位を中心にストレッチでまとめる。
■ウォーミングアップの注意点
1.テニスのように瞬発力の必要な競技では、選手レベルのウォーミングアップでストレ
ッチだけを行なうとパフォーマンスの低下を招くことがある。
2.アジリティトレーニングは効果がある。そのトレーニングにスピードや動きの方向変
化を取り入れることが重要。
※筋収縮の反応時間が向上する。部分筋力は向上しない。
3.バランスのためのトレーニングはできるだけ早い時機に取り入れる。
4.障害の状態を良く把握する。特にテニスエルボー(ショルダー)に関して。
■テニスの障害
ジュニア選手(アメリカ)
→下肢に最も多く、罹患率・発生率とも上肢と体幹の2倍
ジュニア選手(日本)
→体幹部の筋力不足が問題。効果的な腹筋・背筋のトレーニングとは?
■テニスのパフォーマンス向上に必要な股関節のトレーニング
■トレーニング実施時に注意していること
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意識 - 目的意識と身体意識
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姿勢 - 身体意識とバランス
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視線 - 姿勢制御と周辺視野
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脱力と緊張 - 動作の切り替えと動きのバランス
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特異性 - 動きのイメージとパターンの適切な抽出
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呼吸 - パワー向上(動的)
、動きのバランス(静的)
■「テニスのバイオメカニクス」-指導における常識のうそと本当-