3月8日 卒業証書授与式を挙行いたしました。

平成24年度
三重県立特別支援学校東紀州くろしお学園高等部卒業証書授与式
学校長式辞
厳しかった冬が過ぎ、新しい春の訪れがそこかしこに感じられる今日ここに、平成24年度、三
重県立特別支援学校東紀州くろしお学園おわせ分校高等部、中学部、小学部の卒業証書授与式を挙
行するにあたり、二村直司尾鷲市教育長 様、高芝勇次尾鷲市社会福祉協議会会長 様、太田節美
PTA会長 様をはじめ、多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、卒業生の前途を祝福・激励いただ
きますことを、高いところからではございますが、まずもって、心より厚くお礼申しあげます。
(あ
りがとうございます。)
保護者ならびにご家族の皆様におかれましても、この佳き日をどんなに楽しみにしてこられたこ
とかと、感慨深いものがおありのことと存じます。心からお祝い申しあげます。
さて、只今卒業証書を授与いたしました9名の皆さん、卒業おめでとうございます。心よりお慶
び申しあげます。
くろしお学園の各学部での生活の、楽しかったこと、しんどかったことなど、過ぎ去った日々が、
懐かしくも充実した思い出として、心の中に浮かんでくることと思います。
卒業生の皆さんは、くろしお学園小学部・中学部・高等部での学びを終えて、人生の次のステー
ジに向かって羽ばたいていきます。
人生の大きな節目である卒業式に当たり、皆さんに次の二つのことを希望して、巣立ちのはなむ
けにしたいと思います。
一番目は“できないと思っていたけれど、やってみたら、次第に出来るようになることは多いよ”
ということです。
皆さんは、くろしお学園で、色々なことに取り組みましたね。そうして、最初は“できない”と
思ったことが、実際に“やってみたら、段々できるようになった”、つまり、本当に“できないん
じゃなく、これまでやってみようとしなかった、取り組もうとしなかった、だけだった”というこ
とがあるという体験を、数多くしたと思います。くろしお学園で、“やってみたらできたよ”と学
んだことを忘れず、これからも、最初からあきらめるんじゃなく、いろんな事にチャレンジしてほ
しいと願います。
二番目は、皆さんに、“人の心の痛みが分かるやさしさを身につけてほしい”、“毎日の生活の中
で起こる様々な小さな出来事の中に、喜び・楽しみを味わえる人になってほしい”ということです。
いろんなことに不平不満ばかり、文句ばかり口にする人がいます。そんな人は、人生の中で不愉
快な時間を多く過ごすことになります。
いろんな、ささやかな出来事に、喜び感謝できる人もいます。今日はいいお天気だ。暖かい。梅
の花が咲いた。桜が芽吹いてきた。そんな人は、毎日幸せな気分に沢山なれますから、人生におい
て幸せな時間を多く過ごすことができます。
つまり、私たちは、自分自身の心の持ち方によって“幸せ”にも“不幸(ふしあわせ)”にも生
きられるんじゃないでしょうか。
自分のどのような状態を幸せと感じるかは、人それぞれに違うと思いますが、皆さんの行動は、
まわりにいる人に影響するわけです。どうせ行動するなら、精一杯、今の自分に出来ることをして、
自分のまわりにいる人に喜んで貰えたら、幸せではないでしょうか。
自分の持って生まれた能力を磨き人の役に立てること、周囲の人の心を思い遣る気持ちを持って
欲しいと願います。
最後に、今年も、私が好きなサミュエル・ウルマンの「青春」という詩を紹介したいと思います。
サミュエル・ウルマンは、1840年にドイツに生まれ、11歳の時に両親と共にアメリカに移住
した人で、商店を営みながら執筆し、社会的弱者を救済する運動に生涯を捧げた人です。
それでは、「青春」という詩を紹介します。
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方をいう。バラの面差し、くれないの唇、しなやか
な手足ではなく、たくましい意志、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす。青春とは人生の深い泉の
清新さをいう。
青春とは臆病さを退ける勇気、安きにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。時には20歳
の青年よりも60歳の人に青春がある。年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときはじめて
老いる。歳月は皮膚にしわを増すが、熱情を失えば心はしぼむ。
この詩は、どんな小さな夢でもよい、夢をもって生き、そして、その夢の実現のために情熱を燃
やすことの大切さを、また、青春とは、若き肉体のなかにあるのではなく、若き精神の中にこそあ
る、ということを、いつも私に語ってくれます。
皆さんが、健康に留意して、周囲の人々から愛され、これからも元気で幸せに過ごされることを、
心から願い、式辞といたします。
平成25年3月8日
三重県立特別支援学校
東紀州くろしお学園おわせ分校 校長 伊藤敏裕