A‐Ⅰ.循環器内科(指導責任者 篠田 政典)

A‐Ⅰ.循環器内科(指導責任者
篠田
政典)
【一般目標 General Instruction Object : GIO】
『患者に適切な医療を提供』できる医師になるために、心臓・大血管・末梢血管疾患の全般
にわたる症候の把握、診断、諸検査の適応・実施・その解釈、疾患の治療方針決定・治療実
施を可能にする正確な医学的知識、診療技術を修得するとともに、患者を全人的に診療する
態度、および、チーム医療の必要性を充分に配慮した協調と協力の習慣を身に付ける。
【行動目標 Specific Behavior Objects : SBOs】
1.診療姿勢
1)
医療安全、患者の人権および価値観への配慮し、病院理念を遂行できる全人的医療の視
点を失わない診療態度を身につける
2)
他の職種と意思疎通を図り、チーム医療を実践できる
3)
診療記録を適切に作成し、管理できる
2.診断法及び検査法
1) 詳細に病歴を聴取し、正確に身体所見をとり、正常及び各種循環器疾患の心音の聴取が
できる
2) 12 誘導心電図検査の手技の習得と、正常心電図と各種の疾患に特徴的な心電図異常を
判読できる。
3) ホルター心電図の判読ができる。
4) 正常及び各種循環器疾患の胸部X線像の解釈ができる。
5) 運動負荷心電図(マスター・トレッドミル・エルゴメーターなど)の方法、適応、その結果
を判定できる。
6) 超音波心臓断層法ならびに超音波ドップラー法の手技の習得と、正常および各種循環器疾患
のMモード像、断層像、ドップラー所見など解釈ができる。
7) 正常および各種循環器疾患の心血管CT像、MR像などの判読ができる。
8) 各種循環器疾患の核医学検査の適応と結果の解釈ができる。
9) スワンガンツカテーテル挿入手技の習得と、その適応および結果の解釈ができる(Forrester
分類、熱希釈法の理論を含む)
。
10) 心臓カテーテル検査(心臓電気生理学的検査、心筋生検、冠動脈造影検査、心血管造影検査
などを含む)の適応と検査結果が解釈でき、それらの実施にあたり補助的役割を果たすこと
ができる。
3.治療法
1) 急性疾患の診断と治療
ショック、不整脈、急性心不全、急性心筋梗塞、高血圧性緊急症、脳血管障害などの救急疾
患の初期治療が迅速かつ確実にできる。
2) 気道確保、人工呼吸、気管内挿管、心マッサ-ジを実施できる。
3) 人工呼吸器の装着および管理ができる。
(非侵襲的陽圧換気も含む)
4) 直流除細動器・AEDの適応がわかり、実施できる。
5) 緊急体外式一時的ペースメーカーおよび体表面ペースメーカーの適応を理解し実施できる。
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6) 心臓カテーテル検査(心臓電気生理学的検査、心筋生検などを含む)の適応と検査結果の理
解ができ、それらの実施にあたり補助的役割を果たすことができる。
7) 経皮的冠動脈形成術(PCI)
、冠動脈血栓溶解法、大動脈内バルーンパンピング(IABP)
、
経皮的心肺補助装置(PCPS)の適応とその合併症について述べることができ、それらの
実施にあたり補助的な役割を果たすことができる。
8) 強心薬、利尿剤、抗不整脈薬、抗狭心症薬、降圧薬、抗血小板剤などの薬効、薬理作用(薬
物動態・血中濃度モニタリングなども含む)
、副作用を述べ、適切に投与できる。
9) 各種循環器疾患のリスクファクターに対する食事療法・生活指導ができる
10) 各種循環器疾患に対する手術療法(バイパス手術・弁置換術・弁形成術・体内式ペースメー
カー植え込み術・動脈瘤手術・カテーテルアブレーションなど)の適応を説明できる。
4.経験すべき症状・疾患、
または経験しなくても十分な知識を習得する必要のある循環器疾患
1) 下記の頻度の高い症状を経験し、適切に対応できる
浮腫
失神
めまい
胸痛
動悸
呼吸困難
2) 急性心不全 右心不全、左心不全、両心不全
3) ショック
心原性、出血性、細菌性など
4) 不整脈
期外収縮(上室性、心室性)、頻脈(上室性、心室性)、
心房粗細動心室粗細動、洞不全症候群、房室ブロック、
WPW症候群、アダムスストークス発作など
5) 急性冠症候群・虚血性心疾患
急性心筋梗塞、労作狭心症、安静狭心症、
不安定狭心症など
6) 弁膜疾患
僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症
大動脈弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症、連合弁膜症
7) 感染性心内膜炎
8) 心膜ならびに心筋疾患
急性心膜炎、収縮性心膜炎、心筋炎
心タンポナーデ、肥大性心、筋症、拡張性心筋症など
9) 血圧異常
本態性高血圧症、二次性高血圧症、低血圧症など
10) 先天性心疾患
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、ファロー四徴症、
アイゼンメンジャー症候群
11) 大動脈疾患
12) 末梢動脈疾患
13) 肺性心疾患
大動脈瘤、解離性大動脈瘤、大動脈炎症候群など
動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、レイノー症候群など
肺血栓塞栓症、肺高血圧症、肺性心など
14) 全身疾患に伴う心血管異常
甲状腺疾患、腎疾患、血液疾患、糖尿病、膠原病など
15) 心臓腫瘍
粘液種など
16) 脳血管障害
脳血栓(脳梗塞、脳血栓)
、脳出血など
17) 心臓神経症
神経循環無力症
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【方略: LS】研修指導体制と週間スケジュール
1)
オリエンテーション
2)
病棟研修
第1日目 8:15より 2A 病棟にて
①循環器指導医のもと入院患者を副主治医として積極的に担当する
②症例検討会で討議する
③指導医のもと心電図、Holter 心電図、心エコー、X-P,CT、MRI、SPECT など判
読する
④指導医のもと侵襲的検査・治療に携わる
救急研修
3)
①指導医のもと救急入院患者の診療に初期対応する
②その後、可及的に副主治医として担当する
講義・自習
4)
①高血圧・高脂血症治療ガイドラインなど
②経験すべき疾患の概念・診断・治療
③循環器薬物の効能・副作用・使用方法
5)
抄読会に参加し、研修中に担当する
6)
救急症例検討会・CPA検討会に参加する
7)
ME 研修
人工呼吸器・輸液ポンプなど、医療機器の管理の実際を
ME さんに密着しながら立場をかえて、学ぶ
【週間スケジュール】
早朝
月
火
水
木
ShortConf
ShortConf
ShortConf
ShortConf
金
抄
読
土
会
内科会
ShortConf
午前
カテ・回診
カテ・回診
カテ・回診
カテ・回診
カテ・回診
午後
トレッド
カテ・回診
カテ・回診
カテ・回診
カテ・回診
夕刻
Conf
研修医会
*Conf
*Conf:心臓血管外科との合同カンファランス
カテ:
心臓カテーテル検査、PCI、
心臓電気生理学検査、アブレーション、ペースメーカー、ICD 植え込み、心筋生検など
【評価】
項目
評価者
評価法
医師としての基本姿勢
自己・指導医・看護師長
観察記録
診療態度・チーム医療
自己・指導医・看護師長
観察記録
担当した入院患者の疾患・症例
自己・指導医
経験すべき症状への対応
自己・指導医
経験した手技
自己・指導医
34
自己記録
レポート
自己記録
レポート
自己記録
チェックリスト
知識・手技
循環器内科
目
経験数
評価
標
十分
不十分
病歴聴取・身体所見
10
□
例
□
□
12 誘導心電図・運動負荷
心電図
300
□
例
□
□
□
例
□
□
胸部X線像
心臓超音波
100
□
例
□
□
CT像、MR像、SPECT
10
□
例
□
□
□
□
循環器系薬物の知識
スワンガンツカテーテル
操作
5
□
例
□
□
心臓カテーテル検査
20
□
例
□
□
完ぺき
後少し
レポート
経験すべき症状
知識だけ
まだまだ
提出
浮腫
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
失神
1
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
めまい
1
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
動悸
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
呼吸困難
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
胸痛
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
急性心不全
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
ショック
1
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
不整脈
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
急性冠症候群
3
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
□
/
弁膜疾患
1
□
例
□
/
□
/
□
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□
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感染性心内膜炎
□
例
□
/
□
/
□
/
□
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心膜ならびに心筋疾患
□
例
□
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□
/
□
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□
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□
例
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□
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□
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□
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□
/
□
例
□
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□
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□
/
□
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□
例
□
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末梢動脈疾患
□
例
□
/
□
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□
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肺性心疾患
□
例
□
/
□
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□
例
□
/
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心臓腫瘍
□
例
□
/
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脳血管障害
□
例
□
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心臓神経症
□
例
□
/
□
/
□
/
□
/
経験すべき病態
血圧異常(高血圧)
3
先天性心疾患
大動脈疾患
全身疾患に伴う心血管
異常
1
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