プロダクトマネージャー エレーヌ チェン R と Tableau を使用する 2 目次 R とは.............................................................................................................. 3 R を使用するメリット.................................................................................. 3 Tableau と R の統合の仕組み............................................................... 4 この機能の対象ユーザー....................................................................... 5 Tableau 8.1 で使用できる R の機能..................................................... 6 Tableau は予測解析を実行できるようになったのか..................... 7 Tableau 8.1 で使用できない R の機能................................................ 7 Tableau を R と共に使用するには........................................................ 8 R を学ぶその他のリソース..................................................................... 9 3 R とは R とは、線形/非線形モデリング、統計的検定、時系列分析、分類、クラスタリングなどの、 高度な統計分析や予測分析を実行するための、人気の高い統計言語です。 R コンソールは主にコマンドラインインターフェイスを使用しますが、R プログラムの記述を 簡単にする GUI ツールが多くあり、ほとんどが無料でダウンロードして利用できます。R を 使用すると、ユーザーは変数、式、関数、グラフを作成して分析や予測を視覚化することが ▲ R は統計分析とグラフィックのた めの無料のソフトウェア環境で す。UNIX、Windows、Mac OS など のさまざまなプラットフォームでコン パイルし、実行することができます。 できます。 無料のオープンソースの言語であるため、R に元々組み込まれていない高度な統計関数を 定義する R 用の新しいパッケージ (拡張機能) がユーザーコミュニティによって継続的に作 成されています。これらのパッケージを R にダウンロードすれば、R の機能を拡張すること ができます。また、これらのパッケージのほとんどが無料で開発、利用できます。こういった理 由から、R は非常に人気の高い言語となっており、徐々に機能性も向上し続けています。 R を使用するメリット R は、膨大なデータセットの統計分析を行う際に非常に便利な機能を備えています。ま た、無料で利用できることが、その成長の決定的な要因となっています。オープンソースで あるため、常に新しい関数やパッケージが開発されており、最初は見つからなかった機能 を可能にするパッケージを検索したり、そういったパッケージを自分自身で作成したりする こともできます。 ただし、R には制限事項もあります。柔軟性を維持するため、R はコマンドラインインターフ ェイスを使用し、独自のプログラミング言語と構文を使用しています。多くの関数を利用す るには、実際にある程度のコーディング能力が必要です。その他の専用の有料統計パッ ケージの方がより使いやすく、プログラミングスキルを必要としないグラフィカルユーザー インターフェイスを備えている場合も多くあります。¹ これらのソリューションは、R プログラミ ング言語の習得に興味のないユーザーや、R で使用できるような高度な機能を必要とし ないユーザーを対象としたものです。 ¹ たとえば、Rattle はデータマイニング専用の GUI です。 4 Tableau と R の統合の仕組み R エンジンを動的に呼び出して値を R に渡す新しい計算フィールドを作成することで、R 関数とモデルを Tableau で使用できるようになりました。Tableau のビジュアライゼーショ ンエンジンで使用できるよう、結果は Tableau に返されます。 K-Means Clustering with R and Tableau Sepal length 8 6 4 Species I. setosa 2 I. versicolor I. virginica 0 Sepal width 4 3 2 1 0 0 2 4 Petal length 6 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 Petal width R を Tableau と連動させることで、K 平均法などの一般的な統計関数を利用できるようになります。 2.5 5 この機能の対象ユーザー この機能は主に、既に R に精通しているユーザーを対象としたもので、R の初心者は対 象としていません。新しい関数の使用を希望する場合は、その機能を Tableau で利用す る前にまず R の使用方法を学ぶ必要があります。 既に R に精通しているユーザーは、次のような面で統合を有益に利用できます。 • Tableau データの統計解析を実行できる。 • アクセス権のある R サーバーにインストールされている R パッケージや関数を利用 できる。 • R で (面倒な) データを操作せずに、Tableau のすべてのビジュアライゼーション機能 利用して、さらに掘り下げた分析をしたり、データを把握することができる。 機能を使用するための前提条件: • 必要なスクリプトや関数呼び出しを適切に記述するには、R 言語に精通している必 要があります。 • Tableau Desktop や Tableau Server から R 関数にアクセスするには、R サーバー へのアクセス権が必要です² ² Rserve は無料の R サーバーで、デスクトップやノートパソコンにローカルでインストールすること ができます。Rserve の詳細については以下をご覧ください。 6 Tableau 8.1 で使用できる R の機能 Tableau Desktop: 特定の R モデルや関数を呼び出すために使用する、4 つの関数が新たに使用できるようにな りました。関数は次のとおりです。 • SCRIPT_REAL • SCRIPT_STR • SCRIPT_INT • SCRIPT_BOOL これらの関数は、返す結果の種類のみが異なります (実数、文字列、整数、ブール)。 各関数に渡す引数には、R 言語スクリプトや関数呼び出しが含まれます。R には複数の引数を 渡すこともでき、これらの引数は Tableau 経由で動的に渡されます。たとえば、顧客ごとの売上 を viz 経由で渡すことができます。 Desktop を使用する場合、新しい関数を呼び出すには、Tableau がアクセスできる R サーバ ー (Rserve³ 経由) が必要です。 Tableau Server: R 関数呼び出しを行うワークブックが機能するには、Tableau Server が R サーバーと通信で きる必要があります。通信を設定すると、R 計算の結果を取り込み中でも、他のユーザーとワー クブックやビューを共有することができます。Tableau Server がアクセスできる R サーバーが 実行されてない場合は、ワークブックに正確な出力を表示することができません。 Tableau Online と Tableau Public: 現時点では、Tableau Online と Tableau Public は R をサポートしていないため、R 統計機 能をこれらのサービスで使用することはできません。 ³ Rserve とは? Rserve を使用すると、R や R ライブラリへのリンクを初期化することなく、他のプログラムが R の機能 (http://www.r-project.org を参照) を使用できるようになります。Rserve はリモート接続、認証、フ ァイル転送をサポートしています。一般的には、他のアプリケーションで統計モデル、プロットなどの計算のた めの R バックエンドを統合するのに使用されます。 7 Tableau は予測解析を実行できるようになったか Tableau には、傾向や予測などの予測機能が既に組み込まれています。Tableau 8.1 で は予測機能が向上しており、予測帯をレベル調整可能な確実性と共に表示したり、ペイン ごとに複数のメジャーを予測したりすることができます。ユーザーは会計年度のカレンダー 付きの予測モデルを使用できます。さらに、新しい乗法モデルが追加されていますので、よ り精度の高い予測が可能です。 R パッケージの中には高度な予測モデリング機能が備わったものもあり、Tableau ユー ザーは Tableau 8.1 で新たに統合することでその機能を使用できます。 Tableau 8.1 で使用できない R の機能 Tableau は、前述の計算関数を通じてのみ R と統合できます。つまり、R の主要な機能の 中には Tableau 自体で直接使用することができないものもあります。 • Tableau から R に直接データをエクスポートして、SCRIPT_* 関数以外で新しいモ デルを実行することはできません。 • R で作成されたビジュアライゼーションを Tableau に直接インポートすることはでき ません。ただし、R ビジュアライゼーションのイメージ ファイルや R ビジュアライゼーシ ョンへの URL であれば、Tableau ダッシュボードで使用できる場合があります。 • データセットを R から Tableau にインポートすることはできません。計算フィールドで SCRIPT_* 関数を使用した場合にのみ、R からデータを取得することができます。た だし、R を使用してサポートされるデータソース (CSV など) 経由でデータをエクスポ ートすれば、Tableau でデータを視覚化することができます。 8 Tableau を R と共に使用するには R とその機能を既に熟知している場合は、R と Tableau 間の接続を確立するだけです。 以下は、オープンソースバージョンの R を使用して新たにインストールを行う場合の手順 です。Revolution Analytics などの他のパッケージを利用すると、別の手順を使用するこ ともできます。 1. R をダウンロードしてインストールします。 R のダウンロードファイルや方法について は、こちらをクリックしてください。 2. Rserve をダウンロードしてインストールします。接続する Tableau が新しいスクリプ ト関数を使用できるように、Rserve をインストールする必要があります。R コンソール に、次のコマンドを入力します: install.packages(“Rserve”) library(Rserve) Rserve() 3. Tableau を R サーバーに接続します。Rserve をインストールしたら、Tableau Desktop を開いて次の操作を行います。 a. [ヘルプ] メニューに移動し、[Manage R Connection] を選択します。 b. サーバー名に「Localhost」(または「127.0.0.1」)、ポートに「6311」と入力します。 c. すべて問題なく実行されることを確認するには、[Test Connection] をクリックします。正 常に接続できたことを表すメッセージが表示されます。[OK] をクリックして終了します。 4. Tableau で R スクリプトを使用します。これで、SCRIPT_* 関数を使用して R 関数 を呼び出す新しい計算フィールドを Tableau Desktop に作成できます。 9 Tableau について Tableau Software はお客様がデータを視覚的に理解できるよう支援します。Tableau を利用すれば、情報 をすばやく分析、可視化し、共有することができます。Tableau を導入することで、オフィスでも外出先でもすば やくデータ分析を行えるようになったお客様は既に 15,000 人を超え、ブログや Web サイトでのデータ共有 に Tableau Public を利用しているユーザーも数万人にのぼります。ぜひ無料トライアル版をダウンロードし て、Tableau の使い勝手を直接ご確認ください。 www.tableausoftware.com/trial R を学ぶためのその他のリソース R を利用し、その機能を Tableau で活用するのに便利なその他のリソースも用意されて います。 R について学ぶ 統計分析のための R プロジェクト R に関するチュートリアル:統計への R の導入 Google 開発者による R の紹介 R トレーニング チュートリアル Coursera:Data and Statistics Courses (データと統計コース)、Computing for Data Analysis (データ分析のための計算) (2014 年 1 月) 書籍:Software for Data Analysis (データ分析のためのソフトウェア) Stack Overflow Q&A (スタックオーバーフロー Q&A) R スクリプトリポジトリ R の活用法に関するブログ Tableau と R (ブログ) TableauLove: How to configure Tableau Server to use R (R を使用するための Tableau Server の構成方法) Tableau ブログ: Tableau 8.1 and R (Tableau 8.1 と R) ジェニファー アンダーウッド: How to visually analyze R predictive models in Tableau (Tableau で R 予測モデルを視覚的に分析する方法) Data Plus Science:Geocoding addresses directly in Tableau 8.1 using integration with R (R との統合を使用した Tableau 8.1 で直接行うジオコーディング処理) Tableau および Tableau Software は Tableau Software, Inc. の商標です。その他の社名および製品名は各社の商 標です。
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