なっちゃん花畑~世界にひとつだけの花~ 岐阜市立東長良中学校 3年 齋藤 夏摘 1.研究の動機 テレビ番組でバラの花を7色に染めたレインボー ローズを見て,私もレインボーローズのような花を つくりたいと思い,どのようにしたら花の色を染め ることができるのか調べたいと考え, 研究を行った。 2.研究の内容 (1)花の色素を取り出す実験 3色カーネーション(赤,黄,青)の花から,花 びらのみを集め,色素を取り出した。 <実験方法> ①3色の花から花びらを集める。 ②花びらを袋に詰めて色素を取り出す。 花びらをばらして観察すると,花びらの付け根よ りも外側の方が色が濃くなっていることがわかった。 そして,花びらを袋に詰めて,ひたすら揉んで色 素を取り出した。花びらからは水分が出なかったた め,それぞれの袋に,水20mlを加えて,さらに 揉み色素を取り出すことができないか試みた。 その結果,花の色素 が水にとけだし,花び らと同じ色の色素を取 り出すことができた。 (2)染料と花の染まり具合を調べる実験 赤色の染料を6種類用意し,染料による花の染ま り具合の違いを調べた。 <使用した染料> ①水性インク ②食紅 ③水彩絵の具 ④アクリルカラー(透明樹脂絵の具) ⑤アクリルガッシュ(不透明アクリル絵の具) ⑥ポスターカラー どの染料でも花びらを染めることができると考え ていたが,食紅とインク以外の4種類の染料は全く 花びらを染めることはできなかった。これは,染料 の粒子が食紅やインクに比べて大きいため,道管を 通りにくいからではないかと考えた。 (3)食紅の色の濃さと花びらの染まり具合を調べ る実験 食紅の色の濃さ(濃度)によって,花びらの色の 濃さに違いがあるか実験を行った。 水15mlに対して,購入した食紅についていた スプーンで食紅を1杯,2杯,3杯,4杯,5杯入 れたものを使って,花びらの染まり具合を調べた。 食紅の色が濃いほど,花びらの色が濃く染まると 予想していたが, 3日間の観察結果から, 食紅1杯, 2杯の方が他のものに比べてよく染まる結果が得ら れた。そこで,再実験を行った。 再実験の結果,どの食紅の濃さでも,花びらの色 の染まり具合は,ほぼ同じであることがわかった。 そこで,今後の実験では,食紅1杯で実験を行う ことにした。 (4)さまざまな種類の花を食紅を使って染める実 験 ~世界にひとつだけの花~ トルコキキョウ,ガーベラ,バラの花を食紅を使 って,染める実験を行った。ガーベラは最大6色に 染めることに挑戦した。 3.研究のまとめ トルコキキョウ,ガーベラ,バラの花の色を染め ることに挑戦した。どの花も,きれいに染めること ができたが,そのなかでも,バラの花がたいへん美 しく染まることがわかった。 3種類の花を染めてみると,茎を切り分けた本数 が多いほど寿命が短くなることがわかった。 世界にひとつしかない私だけの花をきれいにつく ることができたことはたいへんうれしかった。 (指導教諭 東長良中学校理科部) 4.審査評 テレビ番組で見たレインボーローズに興味をもち, 考えていった道筋がよくわかる研究を行うことがで きました。結果のまとめ方は,写真と見つけたこと や自分の考えの関連がよくわかるように工夫されて います。また,実験の途中で結果を見ながら実験方 法を改良したり,予想と違う結果が出たときには再 実験をしたりするなど,科学的な調べ方ができてい た点がよかったと思います。考察についても,どの ような結果に対して,自分がどう考えたかをわかり やすく表現できています。
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