97《ワレイマダモッケイタリエズ》 - 神奈川県立平塚中等教育学校|HOME

平塚中等教育学校
校長室の窓から 2015年(平成27年)3月2日
vol.97
明治2年から“電報”が始まった。1939年1月15日、69連勝を続けていた大相撲の第35第横綱 双葉山定次は、1
月場所4日目の大一番で安藝ノ海に敗れ、その心境を友人に伝えた。そのとき打たれた電文が「ワレイマダモッケイタリ
エズ」だった。「我未だ木鶏足り得ず」・・・ワレイマダ=私はまだ/モッケイ=木鶏には(自分が理想とする姿になるた
めには)/タリエズ=至っていない(精進が足りていない)(NTT東日本ホームページ~歴史に刻まれた電文~ より)
(
)
2月28日(土)に、4月入学予定者の「入学説明会」
が行われた。副校長の挨拶に始まり、「学習」や「学
校生活のきまり」などについて、説明が行われた。
当日の配付物には、「入学のしおりⅡ」、国語、数
学、英語の宿題、中等読書100選、感想文原稿用紙
など、入学前から学習が始まる。その「入学のしお
りⅡ」に、「
」という校長からのメッ
セージを記してある。
・・・これからの学校や家庭生活で、一番大切にして欲
しいのが「好奇心」です。好奇心の欲張りになって欲しい。
そして、自分が好きなことや、きっかけをつかんだら(つ
かむまで)、一生懸命に努力して欲しい。チャンスをつか
み取るだけの器になっていないと、その瞬間を見逃してし
まいます。
いつもすんなりとは行きません。難しい関門もたくさん
あります。分かったふりしないで疑問を見つけ、素直にき
ちんと「問える」
、自分でしっかりと「考える」人間になっ
て欲しい。
“自分”のことは自分が知っているはずですが、でも、
まだ気付けていない“自分”がきっといるはずです。そ
りゃぁそうです。まだ、成長途中なのですから。だから、
自分のことをもっと知るためにも、他人を大事にして欲し
い。人から学ぶことが沢山あるのですから。回り回って、
自分が大事にされることにつながります。
「生き方」の正解は、決して一つではありません。自分
の周りには、沢山の「選択肢」が転がっています。その一
つを、6年間かけて一緒に見つけましょう。
おまじないの合い言葉は、生きる(Live)・慈しむ(Love)・
学ぶ(Learn)です。
さて、地域の高校では、3月1日~3日辺りが卒
業式(卒業証書授与式)になっていることが多い。
本校の第1回卒業証書授与式は、3月14日。国公立
大の受験者が多く、国公立大の2次試験に相当する
前期日程試験が2月25日から始まり、3月1日から
10日の間が合格発表。そして12日から後期日程試
験が始まるという入試日程を踏まえ、平塚中等の第
1回の卒業式日を設定したという経緯がある。
国公立大や私大専願で公募、AO入試にトライし
て、東北大、筑波大、横浜国立大、気象大学校など
既に合格を頂いた生徒もいるが、ようやく2次試験
神奈川県立平塚中等教育学校
TEL 0463 (34) 0320
FAX 0463 (34) 3866
が終わり、国公立大の合格を今じっと待っている生
徒も多い。
校長(秋田育ち)の大学受験の時には、宿泊して
の受験だったため、卒業式と大学入試が重なってい
て、高校の卒業式に出られず、父親が代わりに卒業
証書をもらってきた、という記憶がある。県外の国
立大を受験する連中は、代々そうだったようだ。
昨今、大学の合格発表は、現地での掲示、インタ
ーネット発表、レタックスなどのようだが、昭和50
年代まではパソコンなし、携帯電話なし。ビックリ
するかも知れないが、“電報”が活用されていた。
各大学の電文を紹介しよう。合格?不合格?、ひら
がな漢字に変換できるかな?
北海道大・エルムハマネク、弘前大・ツガルノユキフカシ、
秋田大・ナマハゲカンゲイスル/オバコヒトリネアキタ、
東北大・アオバモユル(ゴウカク)オメデトウ/ミチノクユ
キフカシ(サイキイノル)、千葉大・ボウソウノナミハハルヲ
ツゲキミオマツ/ナリタクウコウキリフカシ、東京大・ゴウ
カク/サクラチル、お茶の水女子大・オチャカオル/ハ
ナチル、東京工業大・オオオカヤマノサクラサク、早稲
田大・サクラサク/イナホチル、日本女子大・メジロダイ
ニサクラサク、静岡大・フジサンチヨウセイフクス/スル
ガワンイマダナミタカシ、金沢大・フユノノトナミタカシサ
イキヲキス、三重大・イセエビタイリョウ、京都大・ゴウカク
キヨウダイ/ムネンサイキヲキセ、奈良教育大・テンピョ
ウノイラカガヤク/ダイブツノメニナミダ(サイキコウ)、長
崎大・マリアホホエム/アメノナガサキ(NTT東日本ホー
ムページ、大学合格電報より)
最近の国会での首相発言が記憶に残る。記事:安
倍晋三首相は、23日の衆院予算委員会で、野党のや
じに反応する自身の心持ちについて「『全くまだ木鶏
(もっけい)たり得ず』だ。至らなさは反省する」
と述べた。
(2月23日 産経ニュースより)
(文頭に続く)双葉山は、師と仰ぐ安岡正篤から、
本当に強い軍鶏は相手に仕掛
けられても、木彫りのように
びくともしないという荘子の
故事を聞いていた。
「道を極め
た者は、他者に惑わされるこ
となく鎮座しているだけで衆
人の範となる」 という話を、
双葉山は深く聞き入れ、木鶏
のように強くなりたいと思っ
ていたのだった、とある。
平塚中等 校長 鈴木 靖
〒254-0074 平塚市大原1番13号
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